JP2021056013A - Gnss装置 - Google Patents

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【課題】傾斜状態が許容範囲内にて測定を開始可能なGNSS装置、および測量ユニットの提供。【解決手段】位置情報を取得可能なGNSS受信機(21)と、GNSS受信機(21)の傾きを計測するチルトセンサ(23)と、チルトセンサ(23)にて計測されたGNSS装置(21)の傾きが所定範囲内となるとカウントを開始するタイマー(36)と、チルトセンサ(23)の計測値が所定範囲内のまま、タイマー(36)が所定時間をカウントすると、GNSS受信機(21)に位置情報の取得を開始するよう命令する制御部(35)とを備えるGNSS装置を提供する。GNSS受信機(21)が水平状態を一定時間保つと、自動的に信号を受信開始するため、ほぼGNSS装置を水平状態として測位できる。作業者の手間が省けるため、一人でも測位をスムーズに行うことができる。【選択図】図2

Description

本発明は、チルトセンサを備えたGNSS装置およびその測位方法と、チルトセンサを備えた測量ユニットおよびその測量方法に関する。
特許文献1には、チルトセンサを内蔵したGNSS装置が公開されている。精度の高い測位を行うにはGNSS装置が水平状態であることが望ましく、チルトセンサにより傾斜状態を確認して、GNSS装置の傾きを許容範囲内に納めてから測位を開始することができる。
特願2018−069155号
しかし、チルトセンサにてGNSS装置の傾斜状態が許容範囲内となったことを確認して測位を開始しようとすると、作業者による測定開始の動作のために、GNSS装置が再び傾いてしまうことがある。
この問題は、プリズムを用いた測量の現場でも発生している。即ち、プリズムを固定したポールを測定点に立てて設置し、測距を開始しようとしても、開始動作によりポールが傾いてしまい精度の高い測距ができないことがある。
本発明は、このような問題を改善するために成されたものであり、その傾斜状態が許容範囲内のまま測位が可能なGNSS装置、およびこれを用いた測位方法、さらに、プリズムが固定されたポールの傾斜状態が許容範囲内のまま測距が可能な測量ユニット、およびこれを用いた測量方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のある態様のGNSS装置においては、位置情報を取得可能なGNSS受信機と、前記GNSS受信機の傾きを計測するチルトセンサと、前記チルトセンサにて計測された前記GNSS装置の傾きが所定範囲内になると、カウントを開始するタイマーと、前記チルトセンサにて計測される前記GNSS装置の傾きが所定範囲内のまま、前記タイマーが所定時間をカウントすると、前記GNSS受信機に位置情報の取得を開始するよう命令する制御部とを備えるよう構成した。
この態様によれば、GNSS装置の傾きが所定時間だけ所定範囲内に納まると、自動的に位置情報の取得が開始される。作業者がチルトセンサの計測結果を見ながらGNSS装置に位置情報の取得を開始させるよりも、良好な状態で計測を開始でき、さらに作業者による位置情報の取得開始の命令入力工程を省略できる。
またある態様においては、単一または複数の種類の音を発することが可能な発音部を備え、前記制御部は、前記GNSS受信機の位置情報の取得状態に応じて、該取得状態を示す所定の音を前記発音部に発するよう命令するよう構成した。この態様によれば、自動的に開始される位置情報の取得開始を、音により作業者に認知させることができる。
またある態様においては、情報を表示可能な表示部を備え、前記制御部は、前記GNSS受信機の位置情報の取得状態に応じて、該取得状態を表示部に表示するよう命令するよう構成した。この態様によれば、自動的に開始される位置情報の取得開始や終了など、位置情報の取得状態を、作業者に表示部により認識させることができる。
また、上記GNSS装置を用いた測位方法として、位置情報を取得可能なGNSS受信機と、前記GNSS受信機の傾きを計測するチルトセンサと、前記チルトセンサの計測値が所定範囲内になるとカウントを開始するタイマーと、前記GNSS受信機を制御する制御部と、を備え、前記GNSS受信機が位置情報を取得可能状態となる第1工程と、前記チルトセンサが前記GNSS受信機の傾きの計測を開始する第2工程と、前記チルトセンサの計測値が所定範囲内となり、前記タイマーがカウントを開始する第3工程と、前記チルトセンサの計測値が所定範囲内のまま、前記タイマーが所定時間をカウントすると、前記制御部が前記GNSS受信機に位置情報の取得の開始を命令する第4工程とを備える測位方法を提供する。
この測位方法によれば、GNSS装置の傾きが所定時間だけ所定範囲内に納まると、自動的に位置情報の取得が開始されることとなり、GNSSの傾斜状態が所定範囲内の良好な状態で測位を行うことができる。
また、本発明のある態様の測量ユニットとして、測距が可能な測量機と、前記測量機のターゲットであるプリズムと、前記プリズムが取り付けられ、測定点に設置されるポールと、前記ポールの傾きを計測するチルトセンサと、前記チルトセンサにて計測された前記ポールの傾きが所定範囲内になると、カウントを開始するタイマーと、前記測量機が前記プリズムを視準し、前記チルトセンサにて計測される前記ポールの傾きが所定範囲内のまま、前記タイマーが所定時間をカウントすると、前記測量機に前記プリズムの測距を命令する制御部とを備える測量ユニットを提供する。
この態様によれば、プリズムが取り付けられたポールの傾きが所定時間だけ所定範囲内に納まると、自動的に測距が行われる。作業者がポールの傾きを確認しながら測距を行うも、自動で良好な状態で測距が可能で、さらに作業者による測距命令を入力する手間を省くことができる。
また、ある態様においては 単一または複数の種類の音を発することが可能な発音部を備え、前記制御部は、前記測量機による測量工程の段階に応じて、該測量工程の段階を示す所定の音を前記発音部に発するよう命令するよう構成した。この態様によれば、測量機によるプリズムロックや測距開始など、測量の工程を音により作業者に認識させることができる。
また、ある態様においては、情報を表示可能な表示部を備え、前記制御部は、前記測量機による測量工程の段階に応じて、該測量工程の段階を前記表示部に表示するよう命令するよう構成した。プリズムロックや自動で行われる測距開始など、測量工程の段階を、作業者は表示部で確認することができる。
また、上記測量ユニットを用いた測量方法として 測距が可能な測量機と、前記測量機のターゲットであるプリズムと、前記プリズムが取り付けられて測定点に設置されるポールと、前記ポールの傾きを計測するチルトセンサと、前記チルトセンサの計測値が所定範囲内になるとカウントを開始するタイマーと、前記測量機を制御する制御部とを備え、前記ポールが測定点に設置される第1工程と、前記チルトセンサが前記ポールの傾きの計測を開始する第2工程と、前記チルトセンサの計測値が所定範囲内となり、前記タイマーがカウントを開始する第3工程と、前記チルトセンサの計測値が所定範囲内のまま前記タイマーが所定時間をカウントすると、前記制御部が前記測量機に前記プリズムをターゲットとして測距を行うよう命令する第4工程とを備える測量方法を提供する。
この測量方法によれば、プリズムが取り付けられたポールの傾きが所定時間だけ所定範囲内に納まると、自動的に測量機による測距が行われることとなり、プリズムが略鉛直に立てられた状態で測距を行うことができる。
以上の説明から明らかなように、その傾斜状態が許容範囲内にて測位が可能である。またプリズムを備えたポールの傾斜状態が許容範囲内にて測量が可能である。
本発明の第1の実施の形態に係るGNSS装置を示す概略図である。 同GNSS装置のブロック図である。 表示部の表示画面の一例である。 GNSS装置の動作フローチャートである。 表示部の表示画面の一例である。 本発明の第2の実施の形態に係る測量ユニットを示す概略図である。 同測量ユニットのブロック図である。 同測量ユニットの動作フローチャートである。 表示部の表示画面の一例である。 表示部の表示画面の一例である。
以下、本開示の構成の具体的な実施形態を、図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るGNSS装置1の概略図であり、図2はGNSS装置1のブロック図である。
GNSS装置1は、GNSS(全地球的航法衛星システム:Global Nagigation Satellaite System)を使用した測位システムである。本実施形態では、GNSSのうちの1つとしてGPS(全地球的測位システム:Global Positioning System)を利用して測位している。
GNSS装置1は、受信機2とコントローラ3とポール4を備える。受信機2とコントローラ3は別体として構成され、無線あるいはケーブルにより有線で接続される。
ポール4は上端に水平面を有し、水平面から脚が垂設されている。ポール4の水平面の中心(接地点Pの鉛直線上)に受信機2は支承される。
(受信機2)
受信機2はGPS衛星から発信された信号を受信する装置であり、GPS受信機本体22と、チルトセンサ23と、発音部25と、通信部26とを備える。
GPS受信機本体22は、アンテナ一体型のGPS受信装置である。電波を受信することが可能であり、GPS衛星から発信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号を電気信号に変換する。変換された信号は、後述の通信部26,32を介して、コントローラ3の演算制御部35へ入力される。
チルトセンサ23は、基準状態からの傾斜角を計測するセンサである。本実施形態では、チルトセンサ23は加速度を計測可能な加速度センサで構成され、重力加速度を計測して傾きを測定する。受信機2の底面が水平面に水平に置かれた状態(水平状態)を基準状態として設定され、受信機2の水平状態からの水平面に沿う一方向周りの傾きと、水平面に沿う一方向と直交する他方向周りの傾きとの両方を計測することが可能となっている。なお、傾斜角を計測可能であれば、加速度センサに限られず、例えばジャイロセンサで構成してもよい。以下、チルトセンサ23の計測する傾きとは、鉛直軸とポール4の軸を含む平面における角度、即ち鉛直からのベクトル角度を指す。
発音部25はいわゆるブザーであり、命令信号により、ブザー音を複数のパターンで発することができる。ブザーに限らず、メロディや録音された音声を発するよう構成してもよい。
通信部26は、コントローラ3の通信部32との間で無線通信が可能なデータ送受信装置である。GNSS受信機本体22に入力されたGPS信号や、チルトセンサ23で計測されたデータを通信部32へ送信し、またコントローラ3からの各種機器の制御命令を受信する。
チルトセンサ23は、使用に際してキャリブレーションを必要とする。搭載されているセンサが高感度であり、外気の磁界や電波の影響を受けやすく、微妙なセンサに影響を与え、狂わせることがあり、これを正常な状態にもどすために、微調整(キャリブレーション)が必要となる。チルトセンサ23の特性上、受信機2使用開始時にはキャリブレーションは必須となる。
(コントローラ3)
コントローラ3は、受信機2が受信した信号から三次元測位データを算出する装置であり、表示部31と、通信部32と、入力部33と、記憶部34と、演算制御部35と、タイマー36とを備える。
表示部31と入力部33はGNSS装置1のインターフェースである。入力部33では各種の動作指示の入力が、表示部31では指令の設定や測位状況および操作結果の確認が可能である。本実施形態では、表示部31は画面がタッチパネル式であり、画面をタップすることで命令を入力することが可能であり、入力部33を兼ねている。
通信部32は、通信部26同様無線のデータ送受信装置であり、演算制御部35の制御下で、通信部26とのデータや命令の送受信が可能である。
タイマー36は設定された所定時間をカウントする機能を備える。所定時間を測ることができればよいため、他の機器に内蔵される時計で代替しても構わない。本実施形態においては、タイマー36はチルトセンサ23の計測値をトリガーとしており、チルトセンサ23の計測値が所定範囲内になると、カウントを開始するように構成されている。
演算制御部35は、例えばCPU、ROM、RAM等を集積回路に実装したマイクロコントローラであり、表示部31への命令の実施、受信機2が受信したGPS信号を使用しての三次元測位データの算出、タイマー36のカウント制御、発音部25の発音の種類やタイミングの制御、GPS受信機本体22への受信の開始や停止の命令の実施等、GNSS装置1全体を制御する。GPS信号からの三次元測位データ算出は、様々な方法があるが、従来から知られているものであるため、詳細な説明は省略する。記憶部34には、上記演算処理のための各種プログラムが格納されている。
図3は、表示部31の表示画像の一例として、RTK観測時の表示画面を示す。RTK観測は測位方法の一つである。画面エリア41は、観測画面を示し、三角の記号43が既知点を、ピンの記号42が自身の観測点を示す。これにより作業者は、位置関係を視覚的に把握できる。
画面エリア44の三次元位置データは、ポール4の接地点Pの座標を表示している。受信機2の原点Oの座標を表示させることも可能である(図1参照)。
電子気泡管45は、チルトセンサ23で計測された傾斜データを基に表示される。気泡45Aが中央にあれば基準面に対して水平であり、作業者が直感的に受信機2の傾斜状態を捉えられるようになっている。本実施形態では、受信機2の正面が電子気泡管45の下方となるように設定されている。
チルトセンサ23による受信機2の傾斜状態は、リアルタイムに演算制御部35に送られているため、作業者は電子気泡管45を確認しながらポール4を動かすことで、受信機2を水平状態とすることができる。
測位の状態は、状態表示46として下部に表示される。また、タイマー36のカウントは、カウント表示47としてその下に表示される。カウント表示47は常時表示されず、カウント時にのみ表示されるよう構成してもよい。また、設定時間からカウントダウンされるように表示してもよい。
(測位方法)
演算制御部35は、受信したGPS信号から、受信機2設置点(図1の原点O)の高精度な三次元測位データ(座標)を算出する。これはあくまで受信機2の設置点の座標であって、実際に測量の場で算出すべき座標はポール4の接地点Pであり、最終的には入力されたポール4の垂直高Ah(図1参照)を基に、原点Oの座標を補正して接地点Pの座標を算出する。
三次元測位データの算出には、受信機2が複数(望ましくは4以上)のGPS衛星からのGPS信号を受信する必要があり、ノイズや天候、周囲の建築物の影響などの受信状態にもよるが、所定回数だけ受信を繰り返して確認を行うため、受信が完了するまでにはある程度の時間を要する。
ここで、精度高く接地点Pの三次元測位データを求めるためには、受信中にポール4が垂直に立てられていることが望ましい。即ち、受信機2が水平状態で保たれていることが望ましい。
GNSS装置1を用いた測位方法としては、まず、ポール4が、その下端が測位点である接地点Pに接地して、立てられた状態で設置される。チルトセンサ23が計測を開始し、計測値が所定範囲内に納まり、受信機2がほぼ水平状態となってタイマー36が所定時間をカウントすると、GPS受信機本体22は測位(GPS信号の受信)を開始する。これは、本実施形態においては、作業者はコントローラ3を腕時計のように腕に装着して一人で作業することを想定しており、この場合、作業者が片手でポール4を押さえながら逆の手で測位開始の命令を入力部33に入力することになるため、入力動作によってポール4が傾斜してしまい、精密な三次元データを算出できないという問題があった。さらに、一人で作業を行うため、できるだけ作業の手数を減らしたいというニーズもある。このため、本実施形態では、受信機2が水平状態を所定時間保つと、命令の入力なしに自動的に測位を開始するように構成した。これにより、作業者は測位開始の命令をする手間が省け、かつ受信機2を水平状態に保ったまま計測することが可能となった。
例えば、チルトセンサ23の計測値として、受信機2の水平状態からの傾き(ポール4の鉛直状態からの傾き)が±0.5度以内となると、タイマー36がカウントを開始し、タイマー36が3秒カウントすると、演算制御部35はGPS受信機本体22にGPS信号の受信を開始するよう命令する。受信機2の傾きが±0.5度以内となっても、再び傾きが1度となった場合、タイマー36のカウントはリセットされる。測位が開始された後に、測位の完了(三次元位置データの算出)の前に±0.5度以上傾いた場合には、GPS信号の受信を中断、あるいは中止するよう演算制御部35はGPS受信機本体22に命令する。
本実施形態においては、GPS受信機本体22がGPS信号の受信を開始すると、発音部25はブザーを鳴らして作業者に測位開始を知らせる。さらに、表示部31には測位開始の旨として状態表示46(GPS Receiving)が表示され、作業者は音だけでなく、視覚的にも測位開始を認知することができる。
チルトセンサ23は受信機2に従来から内蔵されているセンサであり、タイマー36は内蔵時計で代替できるため、新たに構成を追加する必要がない。また、作業者は測位開始のスタートボタンを押す必要がなく、作業を簡易化できる。さらに受信途中でポール4が揺れた場合には受信が自動で中断されるため、作業者が自分で判断するよりも、測位精度が高い。
(GNSS装置の動作フロー)
次に、図4および図5を参照して、GNSS装置1の動作を説明する。図4は動作のフローチャートである。図5は表示部の表示画面の一例であり、測位終了時の表示画面を示す。
ステップS101で、受信機2およびコントローラ3が、内部機器含めて起動されると、まず作業者は例えばGPS受信機の種類、アンテナの種類、RTK観測処理の種類などのGPS観測パラメータを入力部33より入力する。タイマー36のカウント時間やチルトセンサ23の許容範囲も設定することができる。通信部26,32が通信を開始し、ステップS101で入力された項目が命令として受信機2に入力される。さらに受信機2のキャリブレーションが行われる。タイマー36のカウントはリセットされ、カウント表示47として表示部31に表示される。
次に、ステップS102で、ポール4が測位点に立てて設置され、チルトセンサ23が計測を開始する。計測結果は電子気泡管45として表示部31に表示される。
次に、ステップS103で、チルトセンサ23の計測値が所定範囲内になると、タイマー36がカウントを開始し、ステップS104に移行する。
ステップS104で、チルトセンサ23の計測値が所定範囲内のまま、タイマー36が所定時間をカウントすると、ステップS105に移行する。タイマー36が所定時間のカウントを終える前に、チルトセンサ23の計測値が所定範囲外となった場合は、ステップS103へ戻り、タイマー36のカウントはリセットされる。
次に、ステップS105で、演算制御部35は各種命令を発し、GPS受信機本体22はGPS信号の受信を開始して、受信した信号は演算制御部35へ送られる。発音部25はブザー音を発し、表示部31には状態表示46(GPS Receiving)が表示され、作業者に測位開始を知らせる。
次に、ステップS106で、GPS信号を受信して演算制御部35による三次元測位データの算出(接地点Pの測位)が完了する前に、チルトセンサ23の計測値が所定範囲外となると、ステップS103に戻り、タイマー36のカウントはリセットされる。チルトセンサ23の計測値が所定範囲内のまま測位が完了すると、ステップS107に移行する。
ステップS107で、測位が完了したとして、ステップS106で算出された座標が、画面エリア41にピンの記号42として図示され、画面エリア44には数値として表示される。また、測位完了の旨(Complete)が状態表示46として表示される(図5参照)。さらに、発音部25は開始時とは異なるパターンのブザー音を発し、作業者に測位完了を知らせる。タイマー36のカウントはリセットされる。
次に、ステップS108で、作業者は座標値の記録など、指示をコントローラ3から入力する。
次に、ステップS109で、次の測位点に移動するなど、動作を継続する場合はステップS102へ戻り、新しい測位点の位置データ取得を行い、ステップS102〜ステップS109を繰り返す。継続の必要が無ければ動作を終了する。
このように構成することで、作業者は一人であってもスムーズに一連の作業を行うことができる。
(第2の実施形態)
図6は本発明の第2の実施形態に係る測量ユニット100の全体構成を示す概略図であり、図7は測量ユニット100のブロック図である。本実施形態においては、作業者が一人で測量を行うことを想定している。
(プリズムユニット)
測量ユニット100は、測量機60と、プリズムユニット80とを備える。
プリズムユニット80は、ポール81、測量機のターゲットである全方位プリズム82、センサユニット83から構成され、ポール81の下端を測定点Yに接地して概ね垂直に立てて使用される。ポール81の上端には全方位プリズム82が固定されており、さらにポール81にはセンサユニット83が取り付けられている。
センサユニット83は、チルトセンサ84と、発音部86と、表示部87と、入力部88と、通信部89とを有する。それぞれ、第1の実施形態に係るチルトセンサ23、発音部25、表示部31、入力部33、通信部26と同等の構成を有するため、説明は省略する。チルトセンサ23は、本実施形態においては、ポール81の傾きを計測する。入力部88がプリズムユニット80に備えられているため、プリズムユニット80を持つ作業者は、離れた場所から測量機60を操作することができる。
第1の実施形態同様、通信部89は、後述の測量機60の通信部71との無線通信が可能であり、チルトセンサ84で計測されたプリズムユニット80の傾きは、通信部89および後述の通信部71を介して演算制御部73に入力される。また入力部88からの命令やデータを送信し、測量機60からの命令やデータを受信する。
(測量機)
測量機60は、いわゆるモータドライブトータルステーションであり、三脚90を用いて、既知の点に据え付けられる。測量機60は自動視準および自動追尾可能であり、水平角検出器61と、鉛直角検出器62と、水平回転駆動部63と、鉛直回転駆動部64と、操作部65と、表示部66と、測距部67と、追尾部68と、傾斜角検出器69と、タイマー70と、通信部71と、記憶部72と、演算制御部73とを備える。
水平角検出器61と鉛直角検出器62は、回転円盤、スリット、発光ダイオード、イメージセンサを有するアブソリュートエンコーダまたはインクリメンタルエンコーダであり、それぞれ測量機60の水平方向、鉛直方向の回転角度を検出する。
水平回転駆動部63と鉛直回転駆動部64はモータであり、演算制御部73に制御され、それぞれ水平回転と鉛直回転を駆動する。
操作部65と表示部66は、測量ユニット100のインターフェースであり、測量作業の指令・設定や作業状況および測定結果の確認などが行える。本実施形態においては、プリズムユニット80に備えられた表示部87と入力部88によっても、同様の作業が可能となっている。
測距部67は、ターゲットである全方位プリズム82を視準して、例えば赤外レーザ等の測距光を全方位プリズム82に射出してその反射光を受光し、ターゲットまでの測距を行う。
追尾部68は、測距光とは異なる波長の赤外レーザ等を追尾光として射出し、イメージセンサでその追尾光を受光する。
傾斜角検出器69は、チルトセンサであり、測量機60の傾斜角度を測定する。測量機60から全方位プリズム82への方向の鉛直角は重要であり、測量機60自体が傾いていると、正しい値を得ることができない。このため、傾斜角検出器69により測量機60の鉛直軸が天頂(天底)に対してどれだけ傾斜しているか検出し、自動整準機構を伴う補正を行う。
タイマー70および通信部71は第1の実施形態に係るタイマー36、通信部32と同等の機能を有する。
演算制御部73は、例えばCPU,ROM、RAM等を集積回路に実走したマイクロコントローラであり、水平回転駆動部63および鉛直回転駆動部64の制御、測距部67および追尾部68の発光制御を行い、ターゲットの自動追尾、自動視準、測距および測角を行い、測定データを得る。さらに第1の実施形態同様、タイマー70のカウント制御、センサユニット83の機器への命令の実施なども行う。
記憶部72は、例えばハードディスクドライブであり、上記演算制御のためのプログラムが格納されており、取得した測定データが記憶される。
(測量ユニットの動作フロー)
次に、図8〜図10を参照して、上記構成の測量ユニット100の動作を説明する。図8は測量ユニット100の動作のフローチャートである。図9、図10は表示部87表示画面の一例を示す。
ステップS201で測量機60およびセンサユニット83が内部機器含めて起動されると、作業者は例えばプリズムの種類やプリズム高などの測量条件を操作部65又は入力部88から入力する。通信部71,89が通信を開始し、センサユニット83のキャリブレーションが行われる。タイマー70のカウントはリセットされる。図9および図10に示すように、タイマー70のカウントはカウント表示93として表示部87に表示される。
次に、ステップS202で、プリズムユニット80を持った作業者は、測定点Yにプリズムユニット80を概ね垂直に立てて設置する。追尾部68は自動追尾を開始し、水平回転駆動部63および鉛直回転駆動部64を駆動させて全方位プリズム82を視準し、ロックする。発音部86はブザー音を発して、プリズムユニット80を持つ作業者にロックされたことを知らせる。また測量工程の段階が状態表示92として表示部87に表示される。図9に示すように、表示部87に状態表示92として全方位プリズム82がロックされた旨(Prism Rocked)が表示され、プリズムユニット80を持つ作業者は全方位プリズム82がロックされたことを視覚的にも知ることができる。
次に、ステップS203で、チルトセンサ84が計測を開始する。計測結果は表示部87に電子気泡管91として表示される。
次に、ステップS204で、チルトセンサ84によって計測されるプリズムユニット80の傾きが所定範囲内になると、タイマー70がカウントを開始し、ステップS205に移行する。
ステップS205で、チルトセンサ84の計測値が所定範囲内のまま、タイマー70が所定時間のカウントを終えると、ステップS206に移行する。タイマー70が所定時間のカウントを終える前に、チルトセンサ23の計測値が所定範囲外となった場合は、ステップS204へ戻り、タイマー70のカウントはリセットされる。
次に、ステップS206で、演算制御部73は、全方位プリズム82をターゲットとした測距・測角など、各種命令を発する。水平角検出器61および鉛直角検出器62は測角し、測距部67は測距する。発音部86は、ロック時とは異なるパターンのブザー音を発する。さらに、図10に示すように、表示部87に状態表示92として測距・測角が完了した旨(Finished)が表示され、プリズムユニット80を持つ作業者に測距・測角が行われたことが知らされる。
次に、ステップS207で、入力部88から計測値の記録など指示を行う。
次に、ステップS208で、次の測定点に移動するなど、動作を継続する場合はステップS202へ戻り、新しい測定点にて測距・測角を行い、ステップS202〜ステップS208を繰り返す。継続の必要が無ければ動作を終了する。
従来においては、プリズムユニット80を持つ作業者が全方位プリズム82を備えるポール81を垂直に立てて設置し、他の作業者やプリズムユニット80を持つ作業者が測量機へ測距・測角の命令をする動作が必要であったが、このように構成することで、作業者は一人でもプリズムユニット80が垂直に立てられた状態でスムーズに測距・測角を行うことができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について述べたが、上記の実施形態は本発明の一例であり、これらを当業者の知識に基づいて変形させることが可能である。
例えば、表示部により状態を作業者に知らせる代わりに、LEDなどの発光部を設けることができる。発光部が点滅するとチルトセンサの値が所定値内であることを表し、発光部が消灯すれば作業の完了を表すなど、発光パターンや発光色により作業段階や状態を知らせるよう構成してもよい。
このような変形や実施例の組み合わせは当業者の知識に基づいて行うことができ、そのような形態も本発明の範囲に含まれる。
1 GNSS装置
22 GPS受信機本体
23 チルトセンサ
25 発音部
31 表示部
35 演算制御部
36 タイマー
46 状態表示
47 カウント表示
60 測量機
70 タイマー
73 演算制御部
81 ポール
82 全方位プリズム
84 チルトセンサ
86 音声部
87 表示部
92 状態表示
93 カウント表示
100 測量ユニット
S101〜S208 ステップ

Claims (8)

  1. 位置情報を取得可能なGNSS受信機と、
    前記GNSS受信機の傾きを計測するチルトセンサと、
    前記チルトセンサにて計測された前記GNSS装置の傾きが所定範囲内になると、カウントを開始するタイマーと、
    前記チルトセンサにて計測される前記GNSS装置の傾きが所定範囲内のまま、前記タイマーが所定時間をカウントすると、前記GNSS受信機に位置情報の取得を開始するよう命令する制御部と、
    を備えることを特徴とするGNSS装置。
  2. 単一または複数の種類の音を発することが可能な発音部を備え、
    前記制御部は、前記GNSS受信機の位置情報の取得状態に応じて、該取得状態を示す所定の音を前記発音部に発するよう命令する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のGNSS装置。
  3. 情報を表示可能な表示部を備え、
    前記制御部は、前記GNSS受信機の位置情報の取得状態に応じて、該取得状態を表示部に表示するよう命令する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のGNSS装置。
  4. 位置情報を取得可能なGNSS受信機と、前記GNSS受信機の傾きを計測するチルトセンサと、前記チルトセンサの計測値が所定範囲内になるとカウントを開始するタイマーと、前記GNSS受信機を制御する制御部と、を備え、
    前記GNSS受信機が位置情報を取得可能状態となる第1工程と、
    前記チルトセンサが前記GNSS受信機の傾きの計測を開始する第2工程と、
    前記チルトセンサの計測値が所定範囲内となり、前記タイマーがカウントを開始する第3工程と、
    前記チルトセンサの計測値が所定範囲内のまま、前記タイマーが所定時間をカウントすると、前記制御部が前記GNSS受信機に位置情報の取得の開始を命令する第4工程と、
    を備えることを特徴とする測位方法。
  5. 測距が可能な測量機と、
    前記測量機のターゲットであるプリズムと、
    前記プリズムが取り付けられ、測定点に設置されるポールと、
    前記ポールの傾きを計測するチルトセンサと、
    前記チルトセンサにて計測された前記ポールの傾きが所定範囲内になると、カウントを開始するタイマーと、
    前記測量機が前記プリズムを視準し、前記チルトセンサにて計測される前記ポールの傾きが所定範囲内のまま、前記タイマーが所定時間をカウントすると、前記測量機に前記プリズムの測距を命令する制御部と、
    を備えることを特徴とする測量ユニット。
  6. 単一または複数の種類の音を発することが可能な発音部を備え、
    前記制御部は、前記測量機による測量工程の段階に応じて、該測量工程の段階を示す所定の音を前記発音部に発するよう命令する
    ことを特徴とする請求項5に記載の測量ユニット。
  7. 情報を表示可能な表示部を備え、
    前記制御部は、前記測量機による測量工程の段階に応じて、該測量工程の段階を前記表示部に表示するよう命令する
    ことを特徴とする請求項5または請求項5に記載の測量ユニット。
  8. 測距が可能な測量機と、前記測量機のターゲットであるプリズムと、前記プリズムが取り付けられて測定点に設置されるポールと、前記ポールの傾きを計測するチルトセンサと、前記チルトセンサの計測値が所定範囲内になるとカウントを開始するタイマーと、前記測量機を制御する制御部とを備え、
    前記ポールが測定点に設置される第1工程と、
    前記チルトセンサが前記ポールの傾きの計測を開始する第2工程と、
    前記チルトセンサの計測値が所定範囲内となり、前記タイマーがカウントを開始する第3工程と、
    前記チルトセンサの計測値が所定範囲内のまま前記タイマーが所定時間をカウントすると、前記制御部が前記測量機に前記プリズムをターゲットとして測距を行うよう命令する第4工程と、
    を備えることを特徴とする測量方法。
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