JP7060642B2 - 燃料タンクのブリーザ構造 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、気液分離室内で液化した燃料が燃料タンク内に戻り易い燃料タンクのブリーザ構造を提供することを目的とする。
自動二輪車1は、車体フレームFにパワーユニットとしてのエンジン10が支持され、前輪2を操舵可能に支持する操舵系11が車体フレームFの前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム12が車体フレームFの後部側に設けられた車両である。自動二輪車1は、乗員が跨るようにして着座する乗車用のシート13(乗員シート)が車体フレームFの後部の上方に設けられた鞍乗り型の車両である。
また、車体フレームFは、フレーム前部15c、15cとダウンフレーム16、16とを連結する左右一対の第一連結フレーム20a、20aを備える。さらに、車体フレームFは、メインフレーム本体部15a、15aの前後の中間部とダウンフレーム16、16とを連結する左右一対の第二連結フレーム20b、20bを備える。
ピボットフレーム17、17は、ピボット孔(不図示)を上下の中間部に備え、このピボット孔には、左右のピボットフレーム17、17を車幅方向に連結するピボット軸31が挿通される。
エンジン10は、車幅方向に延びるクランク軸(不図示)を支持するクランクケース35と、クランクケース35の前部から前上方に延びるシリンダ部36とを備える。
クランクケース35は、メインフレーム15、15のフレーム後部15d、15dの下方に位置する。
シリンダ部36は、メインフレーム15、15に沿うように前上方に延び、その前部は、左右のダウンフレーム16、16の間、及び、左右の第二連結フレーム20b、20bの間に位置する。クランクケース35の後部には、変速機が収容されている。
エンジン10の出力は、エンジン10の出力軸(不図示)と後輪3との間に巻き掛けられるチェーン37によって後輪3に伝達される。
エンジン10のラジエータ42は、ヘッドパイプ14の下方でシリンダ部36の前方に配置される。
バッテリ87の後方には、燃料タンク57が配置されている。燃料タンク57は、シートフレーム18、18に沿って後上がりに延び、シートフレーム18、18の間に配置されて、シートフレーム18、18に支持される。
燃料タンク57からの蒸発燃料は、ブリーザホースを介して収納部85の下方に配置されたキャニスタ88に吸着される。
後側シート45は、シートフレーム18、18の後部の上方に配置される。後側シート45の左右の側方には、後側シート45に着座したパッセンジャーが把持する把持部46、46がそれぞれ設けられる。
また、自動二輪車1は、前輪2を上方から覆うフロントフェンダー54と、後輪3を上方から覆うリアフェンダー55と、を備える。
バーハンドル73には、左右一対のバックミラー76、76、及び、左右一対のナックルガード77、77が設けられる。
燃料タンク57は、左右のシートフレーム18の間に配置され、車体フレームFに支持される。
メインフレーム15の後部には、前側タンクステー22が支持されている。前側タンクステー22は車幅方向に延びる板状に形成されており、左右のメインフレーム15に跨った状態で設けられている。
前側タンクステー22と後側タンクステー23との間には、前後方向に長い燃料タンク57が支持される。
燃料タンク57は、前側タンクステー22に、左右一対の前部取付部93Aで固定される。また、燃料タンク57は、後側タンクステー23に、左右一対の後部取付部93Bで固定される。
燃料タンク57は、後方に進むに連れて上方に傾斜して配置される。燃料タンク57の上面91Aおよび燃料タンク57の底面92Aは、前後方向に傾斜しており、後方が高くなるように傾斜している。
燃料タンク57は、下方に開口するタンク上半体91と、上方に開口するタンク下半体92と、を備える。タンク上半体91およびタンク下半体92は、それぞれ、フランジ状の開放端91B、92Bを備えており、タンク上半体91とタンク下半体92との開放端91B、92B同士が接合されて燃料タンク57が構成される。燃料タンク57は、開放端91B、92Bで構成されたタンクフランジ部93を備える。
タンクフランジ部93の前部には、前側タンクステー22(図2参照)に固定される左右一対の前部取付部93Aが形成されている。
タンクフランジ部93の後部には、後側タンクステー23(図2参照)に固定される左右一対の後部取付部93Bが形成されている。
配置部94の前端には、下方にU字状に凹んだ導出溝94Aが形成されている。導出溝94Aは、配置部94よりも低い位置に形成されている。
配置部94の前部には、筒状の給油口96が設けられている。給油口96は、フューエルリッド97(図3参照)で開閉可能に閉塞されている。
燃料タンク57の底面92Aには、燃料ポンプ121(図3参照)が取付られている。燃料ポンプ121は、円柱状のポンプ本体122と、ポンプ本体122の下端部に設けられた取付フランジ123とを備える。取付フランジ123には、複数の取付孔(不図示)が形成されている。ポンプ本体122は、底面92Aに形成された円形状のポンプ孔92C(図3参照)を介して燃料タンク57内に挿入される。また、取付フランジ123の取付孔(不図示)には、ポンプ孔92Cの周囲に複数配置され、下方に突出するボルト124(図6参照)が挿通される。
ポンプ孔92Cの左右には、ステー固定部92Dが設けられる。ステー固定部92Dは左右に一対設けられる。ステー固定部92Dは平坦な四角面状に形成される。ステー固定部92Dには、補強部材131が固定される。
中央の固定孔(不図示)には、前部取付部93Aを挿通するボルト137Aが挿通される。ボルト137Aは、前部取付部93Aおよび補強部材131の上部ステー134を、ラバー138を介して、前側タンクステー22(図2参照)に固定する。本実施の形態のラバー138は、上下に分割された構造であり、前部取付部93Aの上側の上ラバー138Aと、前部取付部93Aの下側の下ラバー138Bと、を備える。
燃料タンク57の後部取付部93Bは、ボルト137Bにより、ラバー139を介して車体フレームFに固定される。本実施の形態のラバー139は、上下に分割された構造であり、後部取付部93Bの上側の上ラバー139Aと、後部取付部93Bの下側の下ラバー139Bと、を備える。
トレイ部142には、燃料タンク57の配置部94および導出溝94Aに対応して、燃料受部142Aおよび導出溝142Bが形成されている。燃料受部142Aには、給油口96の位置に対応して、孔142Cが形成されている。孔142Cには、給油口96が挿通され、孔142Cを介して給油口96が燃料受部142Aよりも上方に突出する。給油トレイ141は、孔142Cに給油口96が嵌合されることにより、燃料タンク57の外形に沿った状態で燃料タンク57に取り付けられる。
給油トレイ141の燃料受部142Aに燃料が零れると、燃料タンク57の傾斜に沿って燃料が前方に流れ、導出溝142B、導出路(不図示)、ドレンホース144を介して、零れた燃料が車外に排出される。
燃料タンク57の後方には、シートキャッチ145が設けられている。シートキャッチ145には、シート13の後端部が係脱可能に装着される。
配置部94には、矩形状の開口94B(図9参照)が形成されている。開口94Bは、矩形板状の区画壁103で閉塞される。区画壁103は、図7に示すように、燃料タンク57の上面91Aと給油トレイ141とに挟まれた状態で配置されている。区画壁103は、後方に進むに連れて上方に傾斜しており、前後方向に傾斜している。区画壁103により、ハウジング102の内部空間と燃料タンク57の内部空間とに区画される。これにより、ハウジング102と区画壁103との間の空間としての気液分離室111が形成される。気液分離室111は、燃料タンク57の上面91Aに上方に膨出するように形成される。気液分離室111は、車幅方向中心線L0上の燃料タンク57の車幅方向中心位置に設けられる。
連通孔103Cと、連通管104とは、図9に示すように、区画壁103の対角線状に配置されて離れた位置に設けられる。よって、気液分離室111内のボリュームを有効活用できる。
連通管104の第一開口104Cは大径であるため、連通管104の内部空間は、燃料タンク57の内部空間57Aと気液が行き来しやすく、連通管104の内と燃料タンク57内の圧力とが均一になり易くなっている。
第二開口104Dは、連通管104の上部に形成される。ここで、連通管104の上部とは、気液分離室111内の中間位置L2よりも上方を意味する。第二開口104Dは、ブリーザ孔102Fとは反対側を向いて形成されている。第二開口104Dの径R2は、第一開口104Cの径R1より小さく形成されている。第二開口104Dの径R2は、連通孔103Cの径R3と略同一に形成されている。略同一とは、基本的には同一を意味し、誤差を許容する意味である。
上記実施の形態では、鞍乗り型車両として自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両や4輪以上を備えた鞍乗り型車両に適用可能である。
91A 上面
101 気液分離装置(ブリーザ)
102A 上底部(壁面)
102F ブリーザ孔
103 区画壁
103A 下傾斜位置
103B 上傾斜位置
103C 連通孔
104 連通管
104A 上端(他端)
104B 下端(一端)
104C 第一開口
104D 第二開口
111 気液分離室
R1 径
R2 径
R3 径
Claims (5)
- 燃料タンク(57)の外壁から膨出する気液分離室(111)を備え、前記燃料タンク(57)と前記気液分離室(111)とを区画する区画壁(103)に連通孔(103C)が設けられ、前記気液分離室(111)の外壁から前記燃料タンク(57)の外に開口するブリーザ孔(102F)が設けられたブリーザ(101)を有する燃料タンクのブリーザ構造において、
前記区画壁(103)には、前記燃料タンク(57)内と前記気液分離室(111)内を連通する連通管(104)が設けられ、
前記連通管(104)は、前記燃料タンク(57)内と前記気液分離室(111)内に開口する二つの開口を備え、
前記連通管(104)は、前記連通管(104)の一端(104B)の環状の端部を前記燃料タンク(57)内で開口する第一開口(104C)とし、他端(104A)が前記気液分離室(111)の壁面(102A)に当接して閉塞され、前記連通管(104)の周面に前記気液分離室(111)内に開口する第二開口(104D)が設けられることを特徴とする燃料タンクのブリーザ構造。 - 前記第二開口(104D)の径(R2)は、前記第一開口(104C)の径(R1)より小さく、前記連通孔(103C)の径(R3)と略同一とすることを特徴とする請求項1に記載の燃料タンクのブリーザ構造。
- 前記第二開口(104D)は前記連通管(104)の上部に形成されることを特徴とする請求項2に記載の燃料タンクのブリーザ構造。
- 前記気液分離室(111)は前記燃料タンク(57)の上面(91A)に上方に膨出するように形成され、前記燃料タンク(57)の上面(91A)は前後方向に傾斜して、前記区画壁(103)は前後方向に傾斜し、前記連通孔(103C)は前記区画壁(103)の下傾斜位置(103A)に設けられることを特徴とする請求項3に記載の燃料タンクのブリーザ構造。
- 前記連通管(104)は前記区画壁(103)の上傾斜位置(103B)に配設されることを特徴とする請求項4に記載の燃料タンクのブリーザ構造。
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