JP7058505B2 - 燃料供給ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの燃料供給システムに備えられる燃料供給ポンプに関する。
ディーゼルエンジン等のエンジンに燃料を供給するシステムの一態様として、蓄圧式燃料供給システムが知られている。蓄圧式燃料供給システムでは、インジェクタが接続されたコモンレールに対して燃料供給ポンプにより加圧された燃料が供給されてコモンレール内の燃料が高圧に維持され、インジェクタによる燃料噴射制御が可能になっている。燃料供給ポンプは、例えば、エンジンのクランクシャフトに連結されたカムシャフトを備え、エンジンの出力トルクにより駆動される。
燃料供給ポンプは、カムシャフトに設けられたカムの回転に伴って軸方向に往復移動するプランジャと、加圧室に低圧の燃料を導入する燃料吸入弁と、加圧室から高圧の燃料を吐出する燃料吐出弁とを備えている。プランジャのリフトダウン時には、燃料吸入弁を介して加圧室に低圧の燃料が導入され、プランジャのリフトアップ時には、加圧室内の燃料が加圧され、燃料吐出弁を介して吐出される。
カムとプランジャとの間には、ポンプハウジングに形成されたタペット摺動孔内を往復移動可能なタペットが介在している。タペットは、カムの回転運動を直線運動に変換してプランジャに伝達する機能を有する。タペットは、タペットスプリングによりカム側に常時付勢されており、カムの回転に伴ってタペット摺動孔を往動してプランジャをリフトアップした後、タペットスプリングの付勢力によってタペット摺動孔を復動してプランジャをリフトダウンする。
タペットの一態様として、タペット摺動孔の内周面と摺動する外周面を有するタペット本体と、タペット本体に回転自在に保持されるタペットローラとを有するタペット構造体が実用化されている。タペットローラは、カムに当接して、カムの回転に伴って軸回転する。かかるタペットローラを備えることにより、カムの摩耗を低減することができる。
特開2016-125460号公報
ここで、タペットスプリングとしては、コイル状のスプリングが用いられている。コイル状のスプリングの伸縮時において、スプリング端面には、伸縮方向を軸中心とする捻じり方向の回転力が生じる。例えば、図7及び図8に示すように、右巻き(巻き方向が時計回り)のスプリングの場合、圧縮時においてスプリングの下端面には、上方から軸方向に見て反時計回りに捻じり方向の回転力が生じ、伸張時においてスプリングの下端面には、上方から軸方向に見て時計回りに捻じり方向の回転力が生じる。
コイル状のスプリングの端面に設けられた部材に、スプリングの捻じり方向の回転を規制する構造が設けられている場合には、当該部材が回転することはない。また、コイル状のスプリングの端面に設けられた部材に回転を規制する構造が設けられていない場合であっても、当該部材がスプリングの軸心と同一の軸心を有する円板形状、円錐形状又は球形状の部材である場合には、当該部材が軸回転しても部材の形態が大きく変化することはない。
しかしながら、燃料供給ポンプには、タペット摺動孔内でのタペット構造体の軸回転を規制する構造を持たない形式のポンプも存在する。このような燃料供給ポンプにおいてタペット構造体が軸回転すると、タペットローラの回転軸とカムの回転軸とが交差することになり、カムの摩耗を低減する機能が低下するおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、タペットスプリングの伸縮に伴うタペット構造体の軸回転を抑制可能な燃料供給ポンプを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、燃料を加圧して吐出する燃料供給ポンプにおいて、外周部にカムが設けられハウジングに軸回転自在に支持されたカムシャフトと、加圧室内の燃料を加圧するプランジャと、カムとプランジャとの間に介在してカムの回転に伴ってプランジャをリフトするタペット構造体と、タペット構造体をカム側に付勢するタペットスプリングと、を備え、タペットスプリングは、伸縮方向に直列に配置され、巻き方向が互いに逆向きである第1のスプリングと第2のスプリングとを有し、第1のスプリングと第2のスプリングとは互いの端部が当接しており、第1のスプリング及び第2のスプリングの互いの当接部が平坦面で面接触する、燃料供給ポンプが提供される。
また、本発明の別の観点によれば、燃料を加圧して吐出する燃料供給ポンプにおいて、外周部にカムが設けられハウジングに軸回転自在に支持されたカムシャフトと、加圧室内の燃料を加圧するプランジャと、カムとプランジャとの間に介在してカムの回転に伴ってプランジャをリフトするタペット構造体と、タペット構造体をカム側に付勢するタペットスプリングと、を備え、タペットスプリングは、伸縮方向に直列に配置され、巻き方向が互いに逆向きである第1のスプリングと第2のスプリングとを有し、第1のスプリングと第2のスプリングとは互いの端部が当接しており、第1のスプリング及び第2のスプリングの互いの当接部に摩擦力を増大させる処理が施された摩擦力増大部を有する、燃料供給ポンプが提供される。
以上説明したように本発明によれば、タペットスプリングの伸縮に伴うタペット構造体の軸回転を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る燃料供給ポンプの構成例を示す説明図である。 同実施形態に係るタペットスプリングの構成例を示す模式図である。 タペットスプリングの捻じりによるタペット構造体に作用する回転力を示す説明図である。 同実施形態に係る燃料供給ポンプのタペット構造体に作用する回転力を示す説明図である。 同実施形態に係るタペットスプリングの応用例を示す説明図である。 同実施形態に係るタペットスプリングの別の応用例を示す説明図である。 スプリングの圧縮時に生じる回転力を示す説明図である。 スプリングの伸張時に生じる回転力を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(燃料供給ポンプ)
まず、図1を参照して、本実施形態に係る燃料供給ポンプ5の構成例を説明する。図1は、燃料供給ポンプ5の構成例を示す断面図である。
燃料供給ポンプ5は、ポンプハウジング51と、フィードポンプ40と、燃料吸入弁55及び燃料吐出弁57を備えたシリンダヘッド53と、外周にカム65が設けられたカムシャフト63と、タペット構造体70とを備えている。燃料供給ポンプ5は、例えば、ディーゼルエンジンの気筒に燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射システム(コモンレールシステム)に適用される。
なお、図1に示した燃料供給ポンプ5は、プランジャ67及び加圧室59をそれぞれ一つずつ有するポンプであるが、プランジャ67及び加圧室59の数は特に限定されない。燃料供給ポンプは、複数のプランジャ及び加圧室が並列に配置された、いわゆる列型のポンプであってもよく、複数のプランジャ及び加圧室が円周上に配置された、いわゆるラジアル型のポンプであってもよい。
ポンプハウジング51は、シャフト支持孔51a及びフランジ支持孔51bを有する。シャフト支持孔51a及びフランジ支持孔51bは、軸方向に連続して同軸上に形成されている。フランジ支持孔51bの直径は、シャフト支持孔51a直径よりも大きくなっている。シャフト支持孔51aとフランジ支持孔51bとの間の領域は、カム室51dを形成している。また、ポンプハウジング51は、カム室51dから図示の上方に延びるタペット摺動孔51cを有する。
シャフト支持孔51aは、軸受58aを介してカムシャフト63の一端側を回転自在に支持する。フランジ支持孔51bには、フランジ部材61が挿入されて固定されている。フランジ部材61は、ポンプハウジング51のシャフト支持孔51aと同軸上に形成されたシャフト支持孔61aを有する。シャフト支持孔61aは、軸受58bを介してカムシャフト63の他端側を回転自在に支持する。カムシャフト63は、一端側がポンプハウジング51のシャフト支持孔51aによって支持され、他端側がフランジ部材61のシャフト支持孔61aによって支持されている。
ポンプハウジング51に支持されたカムシャフト63のフランジ部材61側の端部は、図示しないエンジンの内部に挿入され、図示しないギヤを介してエンジンのクランクシャフトに連結される。カムシャフト63の反体側の端部は、フィードポンプ40に連結されている。フィードポンプ40は、例えば、カップリングを介してカムシャフト63に接続される駆動ギヤと、駆動ギヤと噛み合う従動ギヤとを有するギヤポンプであってよい。フィードポンプ40は、カムシャフト63の回転に伴って図示しない燃料タンクから燃料を吸入し、当該燃料を図示しない燃料通路を介して燃料吸入弁55に供給する。燃料通路の途中に、加圧室59に導入する燃料流量を調節するための図示しない流量制御弁が備えられている。
ポンプハウジング51のタペット摺動孔51cには、シリンダヘッド53の一部が収容されている。シリンダヘッド53は、タペット摺動孔51cと同じ軸線上に延びて下端部が開口したプランジャ摺動孔53aと、プランジャ摺動孔53aから軸方向に連続して形成された加圧室59とを有する。プランジャ摺動孔53aには、プランジャ67が軸方向に移動可能に保持されている。プランジャ67の軸方向の位置に応じて、加圧室59の容量が変化する。
燃料吸入弁55は、加圧室59に面して設けられている。図示した燃料吸入弁55は、弁体が加圧室59側に移動して開弁するポペット弁である。例えば、燃料吸入弁55は、加圧室59内の圧力が負圧になったときに開弁し、燃料ギャラリ53cに供給される低圧の燃料を加圧室59に導入する。燃料吐出弁57は、一端が加圧室59に開口する燃料吐出孔53bに設けられている。燃料吐出弁57は、加圧室59内の圧力が所定の圧力以上になったときに開弁し、高圧の燃料をコモンレールに向けて供給する。
タペット構造体70は、プランジャ67の下端部とカム65との間に介在して設けられている。タペット構造体70は、ポンプハウジング51のタペット摺動孔51c内を軸方向に往復動可能に設けられている。タペット構造体70は、カム65の回転に伴ってタペット摺動孔51cを往復動し、カム65の回転運動を直線運動に変換してプランジャ67を往復動させる。タペット摺動孔51cには、一端部がシリンダヘッド53により支持され、他端部がタペット構造体70に支持されたタペットスプリング75が収容されている。タペットスプリング75は、タペット構造体70を常時カム65側に付勢している。
タペット構造体70は、タペット本体71及びタペットローラ73を備える。タペット本体71は、タペット摺動孔51c内を摺動可能な円筒状の外形を有する。タペット本体71は、シリンダヘッド53側に開口した凹部73aと、カム65側に開口したローラ保持部73bとを有する。凹部73aの底面には、プランジャ67の下端部が当接している。また、凹部73aの底面にはスプリングシート77が備えられており、タペット本体71は、スプリングシート77を介してタペットスプリング75の下端部を支持している。
ローラ保持部73bには、タペットローラ73が回転自在に保持されている。ローラ保持部73bは、タペットローラ73の外周面に対応する形状の曲面部分を有し、タペットローラ73の外周面を摺動可能にして、タペットローラ73を保持している。タペットローラ73は、カム65に当接し、カム65とタペットローラ73との摩擦力によってカム65の回転に伴って軸回転する。なお、図示したタペット構造体70は、ローラ支持ピンを用いずにタペットローラ73をタペット本体71に保持させる構造を有しているが、ローラ支持ピンを用いてタペットローラ73をタペット本体71に保持させる構造であってもよい。
タペット構造体70は、カム65に対するタペットローラ73の当接箇所がカム山の頂部に至るまでは、タペットスプリング75の付勢力に抗してリフトされる。これにより、プランジャ67がリフトする。また、タペット構造体70は、カム65に対するタペットローラ73の当接箇所がカム山の頂部を超えた後には、タペットスプリング75の付勢力によりリフトダウンされる。これにより、プランジャ67がリフトダウンする。このように、カム65の回転に伴って、プランジャ67がリフト及びリフトダウンする。
図1に示した燃料供給ポンプ5の動作を簡単に説明する。図示しないエンジンのクランクシャフトの回転に伴いカムシャフト63が回転すると、カムシャフト63に接続されたフィードポンプ40が駆動する。フィードポンプ40は、図示しない燃料タンクから燃料を吸い上げて流量制御弁に送る。流量制御弁は、燃料流量を調節して、低圧の燃料を燃料ギャラリ53cに供給する。また、カムシャフト63の回転に伴ってカム65が回転すると、タペット構造体70によりカム65の回転運動が直線運動に変換されてプランジャ67に伝達されて、プランジャ67がプランジャ摺動孔53a内を往復動する。
例えば、プランジャ67が上死点からリフトダウンを開始するとき、燃料吸入弁55及び燃料吐出弁57は閉じられている。プランジャ67のリフトダウンに伴って加圧室59内の圧力が低下して加圧室59内の圧力が負圧になると、燃料吸入弁55が開弁して燃料ギャラリ53c内の燃料が加圧室59内に導入される。プランジャ67が下死点に到達した後にリフトを開始するとき、燃料吸入弁55及び燃料吐出弁57は閉じられている。プランジャ67のリフトに伴って加圧室59内の圧力が上昇すると、燃料吐出弁57が開弁して高圧の燃料が図示しないコモンレールに向けて吐出される。
(タペットスプリング)
次に、本実施形態に係る燃料供給ポンプ5のタペットスプリング75を詳細に説明する。図2は、タペットスプリング75の構成例を説明するための図であり、燃料供給ポンプ5のカムシャフト63、カム65、プランジャ67、タペット構造体70及びタペットスプリング75を示す模式図である。
本実施形態に係る燃料供給ポンプ5は、タペットスプリング75として、第1のスプリング75a及び第2のスプリング75bを備えている。第1のスプリング75a及び第2のスプリング75bは、伸縮方向に直列に配置されている。第2のスプリング75bの巻き方向は、第1のスプリング75aの巻き方向とは逆向きになっている。図2に示した例では、第1のスプリング75aが左巻き(巻き方向が反時計回り)のスプリングであり、第2のスプリング75bが右巻き(巻き方向が時計回り)のスプリングである。
タペットスプリング75の圧縮時において、左巻きの第1のスプリング75aの下端部には、上方から軸方向に見て時計回りに捻じり方向の回転力が発生する。また、タペットスプリング75の圧縮時において、右巻きの第2のスプリング75bの下端部には、上方から軸方向に見て反時計回りに捻じり方向の回転力が発生する。これにより、タペット構造体70に当接する第2のスプリング75bに生じる回転力の一部又は全部が、第1のスプリング75aに生じる回転力によって相殺される。
タペットスプリング75の伸張時において、左巻きの第1のスプリング75aの下端部には、上方から軸方向に見て反時計回りに捻じり方向の回転力が発生する。また、タペットスプリング75の伸張時において、右巻きの第2のスプリング75bの下端部には、上方から軸方向に見て時計回りに捻じり方向の回転力が発生する。これにより、タペット構造体70に当接する第2のスプリング75bに生じる回転力の一部又は全部が、第1のスプリング75aに生じる回転力によって相殺される。
したがって、燃料供給ポンプ5が、タペット構造体70の軸回転を規制する構造を有しない場合であっても、タペットスプリング75の伸縮によるタペット構造体70の軸回転を抑制することができる。カム65の回転に伴って、タペットローラ73には、タペットローラ73の回転軸の軸方向をカム65の回転軸の軸方向にほぼ平行に維持させ得る回転モーメントが発生するが、本実施形態に係る燃料供給ポンプ5は、さらにタペットスプリング75の伸縮によるタペット構造体70の軸回転力を抑制することができる。これにより、タペット構造体70が軸回転することによってタペットローラ73の回転軸とカム65の回転軸とが交差して、カム65の摩耗を低減する機能が低下することを抑制することができる。
図3は、一つの右巻きのタペットスプリング76が用いられた場合にタペット構造体70に作用する回転力を示す説明図である。右巻きのタペットスプリング76が用いられる場合、タペットスプリング76の圧縮時には、タペットスプリング76の下端部に、上方から軸方向に見て反時計回りに捻じり方向の回転力が発生する。そうすると、図3の右方に示すように、カム65上でタペット構造体70が軸回転して、タペットローラ73の回転軸C2がカム65の回転軸C1に対して交差する状態になる。この状態では、カム65の回転によってタペットローラ73を回転させることができず、カム65が摩耗しやすくなる。
図4は、本実施形態に係る燃料供給ポンプ5のタペット構造体70に作用する回転力を示す説明図である。タペットスプリング75は、左巻きの第1のスプリング75aと右巻きの第2のスプリング75bとを備えるため、タペットスプリング75の圧縮時には、タペット構造体70に当接する第2のスプリング75bの下端部に生じる回転力の一部又は全部が、第1のスプリング75aの下端部に生じる回転力により相殺される。これにより、タペット構造体70に作用する軸回転力が低減され、カム65上でタペット構造体70が軸回転することを抑制することができる。
なお、図示しないものの、タペットスプリング75の伸張時においても同様に、タペット構造体70に当接する第2のスプリング75bの下端部に生じる回転力の一部又は全部が、第1のスプリング75aの下端部に生じる回転力により相殺される。これにより、タペット構造体70に作用する軸回転力が低減され、カム65上でタペット構造体70が軸回転することを抑制することができる。
タペット構造体70に当接する第2のスプリング75bに生じる回転力を第1のスプリング75aに生じる回転力により相殺する効果を高めるには、例えば、第1のスプリング75aのばね定数と第2のスプリング75bのばね定数とが同一であることが好ましい。第1のスプリング75a及び第2のスプリング75bのばね定数が同一であれば、タペットスプリング75の伸縮時に、同一又は近似する大きさの逆向きの回転力が発生しやすくなり、回転力の相殺効果を高めることができる。なお、ばね定数が同一であるとは、一方のスプリングのばね定数が、他方のスプリングのばね定数の0.9~1.1倍の範囲内である場合を包含する。
また、第1のスプリング75aの伸張方向の長さと第2のスプリング75bの伸張方向の長さとが同一であってもよい。第1のスプリング75a及び第2のスプリング75bの伸張方向の長さが同一であれば、タペットスプリング75の伸縮時に、同一又は近似する大きさの逆向きの回転力が発生しやすくなり、回転力の相殺効果を高めることができる。なお、伸張方向の長さが同一であるとは、一方のスプリングの伸張方向の長さが、他方のスプリングの伸張方向の長さの0.9~1.1倍の範囲内である場合を包含する。
また、第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとの互いの当接部が平坦面となっていてもよい。第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとの互いの当接部が平坦面となっていれば、第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとの間の摩擦力が高められて、互いに回転力を効率的に伝達することができる。これにより、回転力の相殺効果を高めることができる。
図5は、第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとの互いの当接部を平坦面とした例を示す模式図である。図5の例において、第1のスプリング75aの下端部が平坦面とされ、第2のスプリング75bの上端部が平坦面とされ、第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとが面接触状態になっている。これにより、第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとの互いの当接部を平坦面とせずに線接触状態になっている場合に比べて、当接部の摩擦力が高められる。したがって、第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとの間で互いに回転力が効率的に伝達されるようになって、回転力の相殺効果を高めることができる。
また、第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとの互いの当接部に摩擦力増大部を有していてもよい。第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとの互いの当接部に摩擦力増大部を有することにより、第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとの間の摩擦力が高められて、互いに回転力を効率的に伝達することができる。これにより、回転力の相殺効果を高めることができる。
図6は、第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとの互いの当接部に摩擦力増大部79を設けた例を示す模式図である。図6の例において、第1のスプリング75aの下端面及び第2のスプリング75bの上端面には、摩擦力を増大させる処理が施されている。これにより、第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとの当接部の摩擦力が高められる。したがって、第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとの間で互いに回転力が効率的に伝達されるようになって、回転力の相殺効果を高めることができる。
摩擦力を増大させる処理は、特に限定されるものではなく、例えば、表面粗さを増大させる処理であってもよく、スプリングの表面に摩擦力の大きい材料の層を形成する処理であってもよい。
また、第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとは機械的に結合されていてもよい。例えば、第1のスプリング75a及び第2のスプリング75bにそれぞれ凹凸形状等からなる係合部を形成し、当該係合部により第1のスプリング75a及び第2のスプリング75bを互いに係合することにより、第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとの間で互いに回転力が伝達されるようにしてもよい。あるいは、第1のスプリング75a及び第2のスプリング75bが溶接等により接合されていてもよい。さらには、回転方向が逆向きの第1のスプリング75a及び第2のスプリング75bに相当する部分を有するスプリングを一本の鋼線から形成してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る燃料供給ポンプ5は、タペットスプリング75として、伸縮方向に直列に配置され、巻き方向が互いに逆向きである第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとを備えている。このため、タペットスプリング75の圧縮時及び伸張時いずれの場合においても、第1のスプリング75a及び第2のスプリング75bに互いに逆方向の回転力が生じる。これにより、タペットスプリング75の伸縮時に、タペット構造体70に当接する第2のスプリング75bに生じる回転力の一部又は全部が、第1のスプリング75aに生じる回転力によって相殺される。したがって、タペット構造体70の軸回転が抑制され、カム65の摩耗を低減する機能の低下を抑制することができる。
また、本実施形態に係る燃料供給ポンプ5は、巻き方向が互いに逆向きである第1のスプリング75aと第2のスプリング75bとを直列に配置して構成されている。このため、従来の燃料供給ポンプの構成を大きく変更することなく、タペットスプリング75の伸縮によるタペット構造体70の軸回転を抑制することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、第1のスプリング75aが右巻きのスプリングであり、第2のスプリング75bが左巻きのスプリングであったが、本発明はかかる例に限定されない。第1のスプリング75aが左巻きのスプリングであり、第2のスプリング75bが右巻きのスプリングであっても、同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態において、タペットスプリング75は、巻き方向が逆向きの第1のスプリング75a及び第2のスプリング75bを一つずつ備えていたが、本発明はかかる例に限定されない。第1のスプリング75a又は第2のスプリング75bの少なく一方を複数備えていてもよい。
また、上記実施形態においては、燃料供給ポンプはコモンレールシステムに備えられるポンプであったが、本発明はかかる例に限定されない。燃料を加圧して圧送する燃料供給ポンプであれば、コモンレールシステムに備えられるポンプ以外のポンプであってもよい。
5・・・燃料供給ポンプ、51・・・ポンプハウジング、51c・・・タペット摺動孔、53・・・シリンダヘッド、53a・・・プランジャ摺動孔、59・・・加圧室、63・・・カムシャフト、65・・・カム、67・・・プランジャ、70・・・タペット構造体、71・・・タペット本体、73・・・タペットローラ、75・・・タペットスプリング、75a・・・第1のスプリング、75b・・・第2のスプリング、79・・・摩擦力増大部

Claims (4)

  1. 燃料を加圧して吐出する燃料供給ポンプにおいて、
    外周部にカムが設けられハウジングに軸回転自在に支持されたカムシャフトと、
    加圧室内の燃料を加圧するプランジャと、
    前記カムと前記プランジャとの間に介在して前記カムの回転に伴って前記プランジャをリフトするタペット構造体と、
    前記タペット構造体を前記カム側に付勢するタペットスプリングと、を備え、
    前記タペットスプリングは、
    伸縮方向に直列に配置され、巻き方向が互いに逆向きである第1のスプリングと第2のスプリングとを有し、
    前記第1のスプリングと前記第2のスプリングとは互いの端部が当接しており、
    前記第1のスプリング及び前記第2のスプリングの互いの当接部が平坦面で面接触する、燃料供給ポンプ。
  2. 燃料を加圧して吐出する燃料供給ポンプにおいて、
    外周部にカムが設けられハウジングに軸回転自在に支持されたカムシャフトと、
    加圧室内の燃料を加圧するプランジャと、
    前記カムと前記プランジャとの間に介在して前記カムの回転に伴って前記プランジャをリフトするタペット構造体と、
    前記タペット構造体を前記カム側に付勢するタペットスプリングと、を備え、
    前記タペットスプリングは、
    伸縮方向に直列に配置され、巻き方向が互いに逆向きである第1のスプリングと第2のスプリングとを有し、
    前記第1のスプリングと前記第2のスプリングとは互いの端部が当接しており、
    前記第1のスプリング及び前記第2のスプリングの互いの当接部に摩擦力を増大させる処理が施された摩擦力増大部を有する、燃料供給ポンプ。
  3. 前記第1のスプリング及び前記第2のスプリングのばね定数が同一である、請求項1又は2に記載の燃料供給ポンプ。
  4. 前記第1のスプリング及び前記第2のスプリングの前記伸縮方向の長さが同一である、請求項1~3のいずれか1項に記載の燃料供給ポンプ。
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