JP6325950B2 - 内燃機関 - Google Patents

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本発明は、バルブオーバーラップ期間が設けられた内燃機関に関する。
一般的な内燃機関においては、例えば特許文献1に示されるように、排気行程から吸入行程に移行する際に、排気バルブと吸気バルブとの双方が開弁状態となるバルブオーバーラップ期間が設けられている。このように、バルブオーバーラップ期間を設けることにより、吸気効率の向上が図られている。
特開2012−184689号公報
しかしながら、バルブオーバーラップ期間が設けられた内燃機関においては、排気バルブと吸気バルブとが同時に開弁した状態で駆動が停止することがある。このように、バルブオーバーラップ期間で内燃機関の駆動が停止すると、排気マニホールドから吸気マニホールドに向けて排気ガスが逆流する。その結果、再始動時に混合気中の排気ガス成分が多くなり、エンジンの始動が不安定になるおそれがある。
そこで、本発明は、バルブオーバーラップ期間での駆動停止を回避し、始動時の安定性を向上することができる内燃機関を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の内燃機関は、カムシャフトに吸気カムおよび排気カムが設けられ、吸気カムの回転動力により吸気バルブが吸気ポートを開閉するとともに、排気カムの回転動力により排気バルブが排気ポートを開閉し、オーバーラップ期間内にあるとき、吸気バルブと排気バルブとの双方が開弁状態となる内燃機関であって、カムシャフトと一体回転する停止位置制御用カムと、停止位置制御用カムに対して押圧力を作用させる押圧部材とを備え、押圧部材は、停止位置制御用カムに対して、カムシャフトをオーバーラップ期間の回転角度から遠ざけた角度まで押圧力を作用させることを特徴とする。
また、停止位置制御用カムは、カムシャフトに設けられていてもよい。
また、押圧部材は、停止位置制御用カムと接触する位置、および、停止位置制御用カムと非接触となる位置の間を変位してもよい。
また、停止位置制御用カムは、燃料ギャラリ内の燃料を加圧する燃料ポンプ用のカムで構成されていてもよい。
本発明によれば、バルブオーバーラップ期間での駆動停止が回避され、始動時の安定性を向上することができる。
第1実施形態の内燃機関の概略的な説明図である。 バルブタイミングを説明する図である。 停止位置制御機構を説明する概念図である。 吸気カム、排気カム、停止位置制御用カムの回転角度を説明する図である。 第2実施形態の点火順序およびバルブタイミングを説明する図である。 第2実施形態における停止位置制御用カムを説明する概念図である。 停止位置制御用カムの変形例を説明する概念図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の内燃機関100の概略的な説明図であり、図1(a)は、内燃機関100におけるピストン102の中心軸を通る概略断面図を示し、図1(b)は、図1(a)に示す位置からピストン102の中心軸周りに90°回転させた位置の概略断面図を示す。第1実施形態の内燃機関100は、単気筒4サイクルエンジンであり、ピストン102が摺動自在に収容されたシリンダ本体104を備えている。このシリンダ本体104は、シリンダブロック104aにシリンダヘッド104bが連結されて構成されており、シリンダ本体104の内周面とピストン102の端面とで囲繞された燃焼室106が内部に形成されている。
シリンダ本体104のシリンダヘッド104bには、吸気ポート108aを介して燃焼室106に連通する吸気通路108と、排気ポート110aを介して燃焼室106に連通する排気通路110とが形成されている。また、シリンダヘッド104bには、吸気ポート108aを開閉する吸気バルブ112と、排気ポート110aを開閉する排気バルブ114とが設けられている。吸気バルブ112は、先端にバルブヘッドが形成され、基端にバルブステムエンドを有するバルブステム112aと、このバルブステム112aをバルブステムエンド側に押圧する弾性力を常時作用させるバルブスプリング112bと、を備えている。
同様に、排気バルブ114は、先端にバルブヘッドが形成され、基端にバルブステムエンドを有するバルブステム114aと、このバルブステム114aをバルブステムエンド側に押圧する弾性力を常時作用させるバルブスプリング114bと、を備えている。バルブスプリング112b、114bの弾性力により、バルブステム112a、114aは、常時バルブステムエンド側に付勢され、バルブヘッドがバルブシートに着座して吸気ポート108aまたは排気ポート110aを閉弁することとなる。
そして、バルブスプリング112bの弾性力に抗してバルブステム112aのバルブステムエンドが押圧されると、バルブヘッドがバルブシートから離隔して吸気バルブ112が開弁し、吸気通路108と燃焼室106とが連通する。同様に、バルブスプリング114bの弾性力に抗してバルブステム114aのバルブステムエンドが押圧されると、バルブヘッドがバルブシートから離隔して排気バルブ114が開弁し、排気通路110と燃焼室106とが連通する。このように、吸気バルブ112は、吸気ポート108aを開閉することにより、吸気通路108と燃焼室106とを連通させたり、あるいは、その連通を遮断したりする。また、排気バルブ114は、排気ポート110aを開閉することにより、排気通路110と燃焼室106とを連通させたり、あるいは、その連通を遮断したりすることとなる。
また、吸気通路108にはインジェクタ116が設けられ、シリンダヘッド104bには点火プラグ118が設けられている。インジェクタ116は、不図示の燃料ギャラリに貯留された燃料を、吸気通路108に供給された空気中に噴射して混合気を生成する。こうして生成された混合気は燃焼室106に導かれ、点火プラグ118によって点火されることで燃焼し、燃焼室106において爆発圧力が生じる。こうして爆発圧力が生じることで、ピストン102がシリンダ本体104内を往復動することとなる。
ピストン102には、コンロッド120の一端が連結されており、また、コンロッド120の他端にはクランクシャフト122が連結されている。これにより、ピストン102の直進運動がクランクシャフト122の回転運動に変換されることとなる。
そして、クランクシャフト122にはクランクプーリ124が設けられている。また、シリンダヘッド104bには、図1に示すように、吸気用カムシャフト130および排気用カムシャフト132が設けられている。図1(b)においては、吸気用カムシャフト130のみを示すが、吸気用カムシャフト130および排気用カムシャフト132には、それぞれカムシャフトプーリ134が設けられている。これら2つのカムシャフトプーリ134とクランクプーリ124との間に、タイミングベルト136が巻き回されている。これにより、クランクシャフト122の回転動力が、タイミングベルト136を介して吸気用カムシャフト130および排気用カムシャフト132に伝達され、クランクシャフト122と、吸気用カムシャフト130および排気用カムシャフト132とが一体回転することとなる。なお、駆動側となるクランクプーリ124と従動側となるカムシャフトプーリ134とのプーリ比は2に設定されており、吸気用カムシャフト130および排気用カムシャフト132の回転数(回転速度)は、クランクシャフト122の回転数の1/2となる。
そして、吸気用カムシャフト130には、燃料ポンプ138を構成する燃料ポンプ用のカム(以下、燃料ポンプカム)138aが設けられている。燃料ポンプ138は、燃料ポンプカム138aの回転に伴って、所定の周期で上述の燃料ギャラリに燃料を供給する。このようにして燃料ギャラリ内の燃料が加圧されることにより、インジェクタ116による安定的な燃料の噴射が実現される。
また、吸気用カムシャフト130には吸気カム140が設けられており、排気用カムシャフト132には排気カム142が設けられている。吸気カム140は、回転方向に延在する外周面が、吸気用カムシャフト130(吸気カム140)の回転角度に応じて、バルブステム112aをバルブスプリング112bの弾性力に抗して押圧する。同様に、排気カム142は、回転方向に延在する外周面が、排気用カムシャフト132(排気カム142)の回転角度に応じて、バルブステム114aをバルブスプリング114bの弾性力に抗して押圧する。このように、吸気カム140の回転動力により吸気バルブ112が吸気ポート108aを開閉するとともに、排気カム142の回転動力により排気バルブ114が排気ポート110aを開閉することとなる。
図2は、バルブタイミングを説明する図である。図2(a)は、図1における燃焼室106付近の拡大図であり、排気バルブ114と吸気バルブ112との双方が開弁した状態を示している。図2(b)においては、横軸にクランク角を示し、縦軸に吸気ポート108aおよび排気ポート110aの開度、すなわち、吸気バルブ112および排気バルブ114のリフト量を示している。内燃機関100は4サイクルエンジンであることから、クランクシャフト122が2回転、すなわち、720°回転する間に、吸入行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程が行われる。一方、上記したように、吸気用カムシャフト130および排気用カムシャフト132の回転数は、クランクシャフト122の回転数の1/2に減速される。ゆえに、クランクシャフト122が720°回転する間に、吸気用カムシャフト130(吸気カム140)および排気用カムシャフト132(排気カム142)は1回転、すなわち、360°回転する。
この第1実施形態では、クランクシャフト122のクランク角と、排気バルブ114のリフト量(排気ポート110aの開度)とが、図2(b)の実線で示す関係となるように、排気カム142の形状および取付角度が設計されている。また、クランクシャフト122のクランク角と、吸気バルブ112のリフト量(吸気ポート108aの開度)とが、図2(b)の破線で示す関係となるように、吸気カム140の形状および取付角度が設計されている。
そして、図2(a)のように、排気バルブ114が開弁することにより、燃焼室106で生成された排気ガスが、排気通路110に排気される排気行程がなされ、吸気バルブ112が開弁することにより、吸気通路108から燃焼室106に混合気が吸気される吸入行程がなされることとなる。ここで、図2(b)に示すように、吸入行程は排気行程に続いてなされるが、吸気バルブ112は、排気バルブ114が完全に閉弁する前に開弁する。つまり、クランクシャフト122のクランク角(排気用カムシャフト132および吸気用カムシャフト130の回転角度)が、図2(b)中、破線の囲みで示すバルブオーバーラップ期間内にあるとき、排気バルブ114と吸気バルブ112との双方が開いた状態(バルブオーバーラップ)になっている。
このように、排気バルブ114と吸気バルブ112との双方が開弁状態となるバルブオーバーラップ期間を設けることにより、吸入行程における混合気の吸気効率を向上することができる。しかしながら、排気バルブ114と吸気バルブ112とが同時に開弁した状態、すなわち、クランクシャフト122のクランク角(排気用カムシャフト132および吸気用カムシャフト130の回転角度)が、図2(b)中、破線の囲みで示すオーバーラップ期間内にあるときに内燃機関100の駆動が停止すると、排気マニホールドから吸気マニホールドに向けて排気ガスが逆流する。その結果、内燃機関100の再始動時に混合気中の排気ガス成分が多くなり、始動が不安定になるおそれがある。
そこで、この第1実施形態の内燃機関100においては、図1(b)に示すように、クランクシャフト122のクランク角(排気用カムシャフト132および吸気用カムシャフト130の回転角度)がバルブオーバーラップ期間内で停止するのを回避すべく、停止位置制御機構150が設けられている。停止位置制御機構150は、吸気用カムシャフト130に設けられた停止位置制御用カム152を備えている。
図3は、停止位置制御機構150を説明する概念図である。図3(a)に示すように、停止位置制御用カム152は、ベース部152aおよびノーズ部152bを備えている。ベース部152aは、回転方向に延在する停止位置制御用カム152の外周面のうち、停止位置制御用カム152の中心点Xからの距離(径)が一定となる部分であり、ノーズ部152bは、中心点Xからの距離(径)がベース部152aよりも大きい部分である。停止位置制御用カム152は、その中心点Xを、吸気用カムシャフト130の中心軸xに対して偏心させて設けられている。
また、停止位置制御機構150は、所定の長さを有するロッド部材で構成され、停止位置制御用カム152の径方向に離隔して設けられた押圧部材154を備えている。この押圧部材154は、長手方向の一端側に回動支点154aが設けられており、長手方向の他端側にアクチュエータ156が設けられている。アクチュエータ156は、伸縮性および可撓性を有するガイドロッド158を介して、押圧部材154のうち、停止位置制御用カム152に対向する面と反対側の面に固定されている。また、ガイドロッド158の外周には、アクチュエータ156を押圧部材154から離隔する方向に付勢力を作用させるコイルスプリング160が設けられている。
押圧部材154は、アクチュエータ156の作動により、回動支点154aを支点として、図3(a)に示す位置と図3(b)に示す位置との間を変位する。ここで、押圧部材154は、通常、図3(a)に示すように、停止位置制御用カム152と非接触となる非接触位置に保持されている。そして、内燃機関100の駆動を停止する際に、ECU(エンジン・コントロール・ユニット)の制御によりアクチュエータ156が作動し、このアクチュエータ156の作動により、図3(b)に示すように、停止位置制御用カム152と接触する接触位置まで押圧部材154が移動する。また、押圧部材154が図3(b)に示す接触位置に移動した状態では、図3(a)に示す非接触位置へ向かう方向のアクチュエータ156の移動が規制される。
内燃機関100の駆動を停止すると、惰性によって吸気用カムシャフト130がしばらく回転するが、時間の経過に伴って徐々に回転速度が小さくなり、やがて回転が停止する。図3(c)に示すように、押圧部材154が接触位置に移動した状態で吸気用カムシャフト130が矢印方向に回転すると、図中、黒塗り矢印で示すように、停止位置制御用カム152が押圧部材154を押し込む。このとき、コイルスプリング160の付勢力により、押圧部材154から停止位置制御用カム152に対して、図3(c)中、白塗り矢印で示す方向に反力が作用する。
コイルスプリング160の付勢力は、回転を停止する直前の停止位置制御用カム152のトルクに打ち勝つように設定されており、吸気用カムシャフト130の回転が停止する直前までは、停止位置制御用カム152が、コイルスプリング160を撓ませつつ押圧部材154を押し上げて、矢印方向の回転を継続する。そして、吸気用カムシャフト130の回転が停止する直前に、図3(c)に示すように、ノーズ部152bが押圧部材154に接触する回転角度となると、ノーズ部152bが押圧部材154を押し込む力に対して、コイルスプリング160の付勢力が打ち勝つ。その結果、停止位置制御用カム152が図3(c)に示す状態となったところで、吸気用カムシャフト130の回転が停止する。
また、吸気用カムシャフト130の回転が停止する直前に、図3(d)に示すように、ノーズ部152bが押圧部材154に接触している場合には、コイルスプリング160の付勢力により、押圧部材154が、停止位置制御用カム152をさらに回転させる方向(図3(d)の白抜き矢印)に押し込む。その結果、停止位置制御用カム152のベース部152aが押圧部材154に接触する位置まで回転したところで、吸気用カムシャフト130の回転が停止する。
図4は、吸気カム140、排気カム142、停止位置制御用カム152の回転角度を説明する図である。図4(a)は、円周上に0°〜720°のクランク角をとり、この円周内に吸気カム140、排気カム142および停止位置制御用カム152を重畳して示している。この図では、吸気カム140が吸気バルブ112のバルブステム112aを押圧する部分、排気カム142が排気バルブ114のバルブステム114aを押圧する部分、停止位置制御用カム152が押圧部材154を押圧する部分を、クランク角ごとに示している。
例えば、クランク角が360°のとき、停止位置制御用カム152は、図4(a)中のaで示す部分が押圧部材154に接触し、排気カム142は、図4(a)中のbで示す部分がバルブステム114aを押圧し、吸気カム140は、図4(a)中のcで示す部分がバルブステム112aを押圧することを示している。クランク角に対する吸気カム140、排気カム142、停止位置制御用カム152の相対角度を、図4(a)のように設定することで、吸気バルブ112および排気バルブ114のリフト量と、停止位置制御用カム152のリフト量(押圧部材154の移動量)とは、図4(b)中太線に示すとおりとなる。
すなわち、クランクシャフト122のクランク角(吸気用カムシャフト130および排気用カムシャフト132の回転角度)が、バルブオーバーラップ期間内にあるときに、停止位置制御用カム152におけるノーズ部152bのうち、中心点Xからの距離が最大(最大リフト量)となる部分が押圧部材154に接触する。上述のように、吸気用カムシャフト130の回転が停止する直前には、押圧部材154から停止位置制御用カム152へ作用する反力が、停止位置制御用カム152が押圧部材154を押し上げる力に打ち勝つ。
そのため、例えば、回転停止直前のクランク角(吸気用カムシャフト130の回転角度)が、図4(b)中、破線Aで示す範囲内にあった場合には、押圧部材154によって停止位置制御用カム152の回転が規制される。これにより、クランク角がオーバーラップ期間内に到達する前に、クランクシャフト122の回転が停止することとなる。また、例えば、回転停止直前のクランク角(吸気用カムシャフト130の回転角度)が、図4(b)中、破線Bで示す範囲内にあった場合には、押圧部材154によって停止位置制御用カム152の回転が補助される。このとき、コイルスプリング160の付勢力は、クランク角がバルブオーバーラップ期間内を通り過ぎる大きさに設定されており、クランク角がオーバーラップ期間を通り過ぎたところでクランクシャフト122の回転が停止することとなる。なお、例えば、回転停止直前のクランク角(吸気用カムシャフト130の回転角度)が、図4(b)中、破線Aと破線Bとの間にあった場合、押圧部材154によって停止位置制御用カム152の回転が、図4(b)中、破線Aで示す範囲まで押し戻される。
つまり、押圧部材154は、停止位置制御用カム152に対して、吸気用カムシャフト130(クランクシャフト122)をバルブオーバーラップ期間から遠ざける方向に押圧力を作用させることとなる。これにより、吸気バルブ112と排気バルブ114との双方が開弁した状態で、内燃機関100の駆動が停止することがなく、よって、排気マニホールド側から吸気マニホールド側への排気ガスの逆流が防止され、再始動時の安定性を向上することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の内燃機関について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態の内燃機関100を4つ用いた直列4気筒4サイクルエンジン(以下、直列4気筒エンジンと呼ぶ)について説明する。ただし、この第2実施形態では、4気筒それぞれの吸気用カムシャフト130および排気用カムシャフト132が共用されていることとする。
図5は、直列4気筒エンジンの点火順序およびバルブタイミングを説明する図であり、図5(a)の表は、直列4気筒エンジンにおける各シリンダの点火順序を説明し、図5(b)は、直列4気筒エンジンにおける各シリンダのバルブタイミングを説明する図である。
図5(a)は、直列4気筒エンジンにおける4つのシリンダをそれぞれ、第1シリンダ、第2シリンダ、第3シリンダ、第4シリンダとした場合、クランク角が0°〜720°に回転するときの各シリンダの点火順序等を示している。ここでは、「第1シリンダ、第3シリンダ、第4シリンダ、第2シリンダ」の点火順序であり、クランクシャフト122と、シリンダごとの吸気バルブ112および排気バルブ114のリフト量は、図5(b)に示すとおりである。
図5(b)に示すようにバルブオーバーラップ期間は、第1シリンダではクランク角が360°周辺で発生し、第2シリンダではクランク角が180°周辺で発生し、第3シリンダではクランク角が540度周辺で発生し、第4シリンダではクランク角が0度(720°)周辺で発生することになる。
図5(a)および図5(b)に示すように、直列4気筒エンジンの場合、4気筒分のバルブオーバーラップが発生しているため、第2実施形態では、第1実施形態の停止位置制御用カム152とは異なる形状の停止位置制御用カム200が設けられている。
図6は第2実施形態における停止位置制御用カム200を説明する概念図であり、図6(a)は、図5(b)のグラフの上段に停止位置制御用カム200のリフト量を示すグラフを追加したグラフであり、図6(b)は直列4気筒エンジンにおける停止位置制御用カム200の形状を説明した図である。図6(a)に示すように、停止位置制御用カム200のリフトタイミングは、バルブオーバーラップ期間を回避するように設けられている。上述したように、直列4気筒エンジンにおけるバルブオーバーラップ期間は、第1シリンダではクランク角が360°周辺、第2シリンダでは180°周辺、第3シリンダ540度周辺、第4シリンダではクランク角が0°(720°)周辺で発生する。
また、図6(b)より、停止位置制御用カム200の形状は、中心点からの距離(径)が一定となるベース部200aに対して4つのノーズ部200b(中心点からの距離(径)がベース部200aよりも大きい部分)が周方向におよそ90度ずつ位相を変えた位置に配されている形状(4葉カム)を備える。図6(b)中、破線の囲みで示す部分が、押圧部材154を押し上げる部分である。この4つのノーズ部200bを備えた4葉カムによって、第1シリンダ、第2シリンダ、第3シリンダ、第4シリンダのバルブオーバーラップ期間を回避することができる。
なお、停止位置制御用カムの形状は、シリンダの配置や数、バルブタイミングによって適宜設計すればよい。例えば、図7(a)、(b)に示す変形例の停止位置制御用カム300のように、2つのノーズ部300bを備えた2葉カムとしてもよいし、図7(c)に示す変形例の停止位置制御用カム400のように、3つのノーズ部400bを備えた3葉カムとしてもよい。
また、上記実施形態では、バルブオーバーラップ期間内での停止を回避するための専用の停止位置制御用カムを設けることとした。しかしながら、燃料ギャラリ内の燃料を加圧する燃料ポンプ用のカム(燃料ポンプカム138a)を停止位置制御用カムとして用いてもよい。具体的には、燃料ポンプカム138aを、図4(a)に示す停止位置制御用カム152や、図6(b)に示す停止位置制御用カム200と同様の形状とする。この場合、燃料ポンプカム138aによって押圧されることで燃料を加圧する部材が本発明の押圧部材となり、燃料ポンプカム138aに付勢力を作用させる燃料ポンプ138のスプリングの弾性力を調節することで、上記実施形態と同様の作用、効果を実現することができる。
また、上記実施形態では、カム(吸気カム140および排気カム142)がバルブ(吸気バルブ112および排気バルブ114)を直接的に押圧する構成(直動式)を説明した。しかし、上記構成に拘らず、ロッカーアーム等を用いて、間接的にカムがバルブを押圧する構成(ロッカーアーム式)としてもよい。つまり、カムの回転動力の伝達方法は上述した構成に限定されるものではない。また、同様にカムおよびカムシャフト(吸気用カムシャフト130および排気用カムシャフト132)の構成においても、本実施形態は、DOHC(Double Overhead Camshaft)に関する構成を説明したが、本発明はSOHC(Single Overhead Camshaft)にも適用可能である。つまり、吸気カム140と排気カム142とが共通カムシャフトにより回転動力を得る構成か、本実施形態のように異なるカムシャフト(吸気用カムシャフト130および排気用カムシャフト132)から回転動力を得る構成かはどちらでもよい。
また、上記実施形態では、吸気用カムシャフト130に停止位置制御用カム152を設ける場合について説明したが、停止位置制御用カム152は、排気用カムシャフト132に設けてもよいし、さらには、吸気用カムシャフト130および排気用カムシャフト132とは別のシャフトに設けてもよい。いずれにしても、停止位置制御用カムは、カムシャフトと一体回転する構成であれば、その配置は特に限定されるものではない。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、バルブオーバーラップ期間が設けられた内燃機関に利用することができる。
100 内燃機関
108a 吸気ポート
110a 排気ポート
112 吸気バルブ
114 排気バルブ
130 吸気用カムシャフト
132 排気用カムシャフト
138a 燃料ポンプ用のカム
140 吸気カム
142 排気カム
152、200、300、400 停止位置制御用カム
154 押圧部材

Claims (4)

  1. カムシャフトに吸気カムおよび排気カムが設けられ、該吸気カムの回転動力により吸気バルブが吸気ポートを開閉するとともに、該排気カムの回転動力により排気バルブが排気ポートを開閉し、オーバーラップ期間内にあるとき、該吸気バルブと該排気バルブとの双方が開弁状態となる内燃機関であって、
    前記カムシャフトと一体回転する停止位置制御用カムと、
    前記停止位置制御用カムに対して押圧力を作用させる押圧部材と、
    を備え、
    前記押圧部材は、
    前記停止位置制御用カムに対して、前記カムシャフトを前記オーバーラップ期間の回転角度から遠ざけた角度まで押圧力を作用させることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記停止位置制御用カムは、前記カムシャフトに設けられることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記押圧部材は、前記停止位置制御用カムと接触する位置、および、該停止位置制御用カムと非接触となる位置の間を変位することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関。
  4. 前記停止位置制御用カムは、燃料ギャラリ内の燃料を加圧する燃料ポンプ用のカムで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関。
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