JP7058084B2 - 点火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、点火装置に関する。
内燃機関等の点火装置として、電磁波とプラズマを利用して空気と燃料との混合気に点火するものがある。例えば、特許文献1には、点火コイルから出力された高電圧パルスを中心電極及び接地電極を有する放電電極に印加して、中心電極と接地電極との間の放電ギャップに火花放電プラズマを生じさせるとともに、電磁波放射アンテナから電磁波を放射して当該火花放電プラズマの拡大及び維持を行うように構成された点火装置が開示されている。そして、特許文献1に開示の構成では、電磁波放射アンテナから電磁波を断続的に放射することにより、消費電力の低減を図っている。
国際公開第2014/034715号
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、火花放電プラズマを発生させる放電電極と、火花放電プラズマの拡大及び維持を図るための電磁波放射アンテナの両方が必要となるため、装置が複雑化するとともに、部品点数の増加、装置の大型化、高コスト化を招く。また、火花放電プラズマや当該火花放電プラズマにより形成された初期火炎が放電ギャップに近い位置に留まりやすいため、火花放電プラズマや初期火炎が放電電極によって冷却されて火炎成長の抑制を招き、混合気への着火性が低下するおそれがある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、電磁波とプラズマを利用した点火装置であって、簡易な構成で小型化及び低コスト化が図れるとともに、着火性が向上される点火装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、プラズマによって内燃機関の燃焼室(101)内に供給された空気と燃料ガスとの混合気に点火して初期火炎を発生させる点火装置(1)であって、
内導体(10)と、該内導体を内側に保持する筒状の外導体(20)と、上記内導体と上記外導体との間に設けられた誘電体(30)と、上記内導体と上記誘電体との間に電磁波によりプラズマが形成されるプラズマ形成空間(R)とを備えるとともに、該プラズマ形成空間の軸方向先端が上記燃焼室に連通するように構成された点火プラグ(2)と、
上記プラズマ形成空間に電磁波を発生させる電磁波電力(Ps)を上記点火プラグに印加する電磁波電源(40)と、
上記内燃機関の点火サイクルにおける1サイクル中に、上記電磁波電源から上記点火プラグに上記電磁波電力を断続的に複数回印加するように、上記電磁波電源における上記電磁波電力の出力を制御する出力制御部(50)と、
を備え
上記出力制御部は、上記1サイクル中において、前回の電磁波電力の印加により形成されたプラズマ又は該プラズマにより形成された火炎核の少なくとも一部が、上記プラズマ形成空間を燃焼室内に向けて軸方向に伸ばした仮想空間に位置しているときに、今回の電磁波電力の印加を行うように上記電磁波電源の出力を制御する、点火装置にある。
また、本発明の他の態様は、プラズマによって内燃機関の燃焼室(101)内に供給された空気と燃料ガスとの混合気に点火して初期火炎を発生させる点火装置(1)であって、
内導体(10)と、該内導体を内側に保持する筒状の外導体(20)と、上記内導体と上記外導体との間に設けられた誘電体(30)と、上記内導体と上記誘電体との間に電磁波によりプラズマが形成されるプラズマ形成空間(R)とを備えるとともに、該プラズマ形成空間の軸方向先端が上記燃焼室に連通するように構成された点火プラグ(2)と、
上記プラズマ形成空間に電磁波を発生させる電磁波電力(Ps)を上記点火プラグに印加する電磁波電源(40)と、
上記内燃機関の点火サイクルにおける1サイクル中に、上記電磁波電源から上記点火プラグに上記電磁波電力を断続的に複数回印加するように、上記電磁波電源における上記電磁波電力の出力を制御する出力制御部(50)と、
を備え、
上記出力制御部は、上記1サイクル中において、前回の電磁波電力の印加により形成されたプラズマ又は該プラズマにより形成された火炎核に、今回の電磁波電力の印加により形成されるプラズマが重合するように、今回の電磁波電力の電力値、今回の電力印加期間及びインターバルのうち少なくとも一つを設定する、点火装置にある。
上記点火装置においては、点火プラグにおける内導体と誘電体との間のプラズマ形成空間にプラズマを発生させるように構成されており、当該プラズマにより混合気に点火して初期火炎を発生させることができる。そのため、火花放電プラズマを発生させるための放電電極と火花放電プラズマの拡大及び維持のための電磁波放射アンテナとの両方を備える従来の構成に比べて、部品点数を削減できるとともに装置の構成が複雑化することを抑制でき、装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
さらに、上記点火装置においては、点火プラグへの電磁波電力の印加は、内燃機関の点火サイクルにおける1サイクル中に断続的に複数回行われる。そして、点火プラグへ電磁波電力を印加すると、プラズマ形成による温度上昇とプラズマによる混合気の燃焼反応による体積増加によってプラズマ形成空間の内圧が高まる。そのため、電磁波電力の印加により新たなプラズマが形成される毎に、形成されたプラズマ及び初期火炎をプラズマ形成空間から燃焼室内に噴出させることができる。そして、燃焼室内に噴出させた複数のプラズマ及び該プラズマにより形成された火炎核を互いに衝突させて重合させることにより、火炎核を拡大できるとともに点火プラグや燃焼室の内壁から離れた位置で混合気へ着火するようにすることができる。その結果、プラズマや火炎核が点火プラグや燃焼室の内壁によって冷却されることを抑制して、火炎成長を促して混合気への着火性を向上することができる。
以上のごとく、本発明によれば、電磁波とプラズマを利用した点火装置であって、簡易な構成で小型化及び低コスト化が図れるとともに、着火性が向上される点火装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、点火装置の概略図。 実施形態1における、点火プラグの斜視図。 図2における、III-III線位置断面の一部拡大図。 実施形態1における、プラズマ形成状態を説明する概念図。 実施形態1における、放電終了からの経過時間と火炎核後端位置との関係を示す概念図。 実施形態1における、電力値、点火制御信号及び点火タイミングの関係を示す概念図。 実施形態1における、点火装置の使用態様を説明するためのフロー図。 実施形態1における、プラズマ形成状態をさらに説明する概念図。 実施形態1における、評価試験の結果を示す図。 変形形態1における、点火装置の使用態様を説明するためのフロー図。 実施形態2における、点火装置の一部を示す概略図。 実施形態2における、電力値、電力制御信号、点火制御信号及び点火タイミングの関係を示す概念図。 変形形態2における、点火装置の一部を示す概略図。 変形形態3における、点火装置の一部を示す概略図。 変形形態3における、電力値、電力制御信号、点火制御信号及び点火タイミングの関係を示す概念図。 変形形態4における、点火装置の一部を示す概略図。 実施形態3における、点火装置の一部を示す概略図。 実施形態3における、電力値、シリアル通信信号、電力制御信号、点火制御信号及び点火タイミングの関係を示す概念図。
(実施形態1)
上記点火装置の実施形態について、図1~図9を用いて説明する。
本実施形態の点火装置1は、図1に示すように、プラズマによって内燃機関の燃焼室101内に供給された空気と燃料ガスとの混合気に点火して初期火炎を発生させるものである。
そして、点火装置1は、点火プラグ2、電磁波電源40及び出力制御部50を備える。
点火プラグ2は、内導体10と外導体20と誘電体30とを備え、内導体10と外導体20との間にプラズマ形成空間Rを備える。
外導体20は、筒状であって、内導体10を内側に保持する。
誘電体30は内導体10と外導体20との間に設けられている。
プラズマ形成空間Rは電磁波によりプラズマが形成されるとともに、プラズマ形成空間Rの軸方向先端が燃焼室101に連通している。
電磁波電源40は、プラズマ形成空間Rに電磁波を発生させる電磁波電力Psを点火プラグ2に印加する。
出力制御部50は、内燃機関の点火サイクルにおける1サイクル中に電磁波電源40から点火プラグ2に電磁波電力Psを断続的に複数回印加するように、電磁波電源40における電磁波電力Psの出力を制御する。
以下、本実施形態の点火装置1について、詳述する。
本実施形態の点火装置1は車両の内燃機関に搭載される。そして、図1に示すように、点火装置1の点火プラグ2はシリンダヘッド100に設けられた貫通孔102に取り付けられる。
図2、図3に示すように、点火プラグ2に備えられた外導体20は、円筒状の第1外導体21と、第1外導体21の内側に中心軸を共有するように設けられた円筒状の第2外導体22とからなる。図3に示すように、第1外導体21と第2外導体22との間には、隙間20aが形成されている。第1外導体21は、点火プラグ2のハウジング23も兼ねており、ハウジング23の外周面には内燃機関の貫通孔102に螺合するための取付ネジ部24が形成されている。なお、第1外導体21と第2外導体22は一体的に形成されていてもよく、隙間20aは形成されていなくてもよい。
図2に示すように、誘電体30は筒状を成しており、第1外導体21及び第2外導体22と中心軸を共有するように第2外導体22の内側に設けられている。図3に示すように、誘電体30の先端側Y1の先端である誘電体先端部31は、第2外導体22の先端側Y1の端部である外導体先端部25よりも先端側Y1に位置している。すなわち、誘電体先端部31は先端側Y1に突出している。誘電体30の材料として、内導体先端部11の電界強度を向上する材料を採用することが好ましい。内導体10の先端側Y1の端部である内導体先端部11の電界強度を向上することにより、内導体先端部11と誘電体先端部31との間に放電が形成されやすくなるからである。内導体先端部11の電界強度を向上する誘電体30の材料として、誘電率の高い材質(例えばアルミナ)を用いることができる。
内導体10は円柱形状を有しており、誘電体30と中心軸を共有するように誘電体30の内側に設けられている。内導体10の外径は誘電体30の内径よりも小さくなっており、内導体10の外周面11bと、誘電体30の内周面31bとは離隔している。内導体先端部11は、誘電体先端部31よりも基端側Y2に位置している。そして、第2外導体22の外導体先端部25と、プラグ軸方向Yにおける位置が同一となっている。
内導体10の材料として、内導体先端部11が加熱され易いようにするために、比較的導電率の低い材料又は当該材料を一部に含む材料を用いることができる。このような材料として、例えば銅よりも導電率の低い材料を用いることができる。なお、内導体先端部11のみがこのような材料からなることとしてもよい。この場合にも内導体先端部11が加熱され易いようにすることができる。
また、内導体10の材料として、内導体10の内導体先端部11が加熱され易いようにするために、高周波エネルギーを吸収しやすい材料又は当該材料を一部に含む材料を用いることができる。あるいは、内導体10の外周面11b又は誘電体30の内周面31bに高周波エネルギーを吸収しやすい材料をコーティングすることにより、内導体10の内導体先端部11が加熱され易いようにしてもよい。高周波エネルギーを吸収しやすい材料として、例えばカーボンを用いることができる。高周波エネルギーを吸収しやすい材料を一部に含む材料として、例えばステンレス鋼(SUS)を用いることができる。
プラズマ形成空間Rは、図3に示すように、誘電体30の内周面31bと内導体10の内導体先端部11及び内導体10の外周面11bとによって囲まれたプラズマ形成空間Rとして形成されており、燃焼室101内に連通している。。プラズマ形成空間Rは、内導体先端部11の外側縁部11aと誘電体先端部31の内側縁部31aとを結ぶ仮想線分Lを含むプラズマ形成空間である。すなわち、プラズマ形成空間Rにより内導体先端部11と誘電体先端部31とが離隔している。なお、内導体10、外導体20及び誘電体30からなる同軸管のプラグ軸方向Yの長さは、内導体先端部11の電界強度が最大となる大きさにすることができ、例えば、印加される高周波の波長の1/4の大きさにすることができる。
図1に示すように、点火プラグ2には、電磁波電源40が接続されている。電磁波電源40は、発振器41、増幅器42を備える。発振器41は周波数制御器70を有している。電磁波電源40は、点火タイミングにおいて点火信号Igが入力されるとともに出力制御部50から点火制御信号Icsが入力されると、これに応じて電磁波電力Psを出力する。電磁波電源40から出力された電磁波電力Psはインピーダンス変更部71及びアイソレータ60を経由して点火プラグ2に入力される。電磁波電源40は高周波の電磁波電力Psを出力する。電磁波電力Psの周波数は、特に限定されないが、2.40~2.50GHzとすることができる。
インピーダンス変更部71は、点火プラグ2を含む電磁波電力の伝送路のインピーダンスを変更可能に構成されている。本実施形態では、インピーダンス変更部71は、伝送路のキャパシタンス又はインダクタンスを変更可能に構成されており、これらの変更により、伝送路のインピーダンスを変更可能としている。アイソレータ60は点火プラグ2からの反射電力Prをグランド66側にのみ出力する。本実施形態では、反射電力Prは反射電力検出部80により検出され、当該検出結果は結合状態制御部72に入力される。結合状態制御部72は、反射電力Prに基づいてインピーダンス変更部71を制御して、電磁波のマッチング状態を調整する。
なお、電磁波電力Psの周波数を2.40~2.50GHzのマイクロ波とすると、伝送路の長さが電磁波電力Psの波長に対して長くなるため、伝送路にインピーダンス不連続部がある場合には、反射電力Prが発生し、点火プラグ2への入射電力が減少することとなる。本実施形態では、反射電力検出部80により検出した反射電力Prに基づいて、結合状態制御部72がインピーダンス変更部71を制御して、伝送路におけるインピーダンスの不整合を解消してインピーダンス不連続部の発生を抑制するように伝送路におけるインピーダンスを調整している。
出力制御部50は、内燃機関の点火サイクルにおける1サイクル中に電磁波電源40から点火プラグ2に電磁波電力を断続的に複数回印加するように、電磁波電源40の出力を制御する。本実施例では、出力制御部50は、1サイクル中に点火プラグ2に印加するそれぞれの電磁波電力の印加開始時においてプラズマ形成空間Rの混合気の気体密度が所定値以上となるように、電磁波電力を所定のインターバルTiで複数回印加するように電磁波電源40の出力を制御する。当該気体密度の所定値は予め設定された値とすることができる。また、当該インターバルは、内燃機関の運転状態等に対応させて予め設定しておくこともできる。本実施形態ではプラズマ形成空間Rの混合気の気体密度が確実に所定値以上となるインターバルが初期値として予め記憶されている。
本実施形態では、出力制御部50は、図4(a)に示すように、1サイクル中において、前回の電磁波電力の印加により形成されたプラズマ又は該プラズマにより形成された火炎核P1の少なくとも一部が、図4(b)に示すように、プラズマ形成空間Rを燃焼室101内に向けて軸方向に伸ばした仮想空間Sに位置しているときに、今回の電磁波電力の印加を行うように、電磁波電源40の出力を制御する。
例えば、本実施形態では、電磁波電力のインターバルは、図5に示すように、前回の電磁波電力の印加終了からの経過時間(ms)が、前回の電磁波電力の印加により生じたプラズマにより形成された火炎核の後端位置と仮想空間Sの外周面との最短距離が0mm以下となる0.35ms以下とすることができる。なお、火炎核の後端位置とは、火炎核における仮想空間Sの外周面に最も近い位置をいい、例えば図4(c)に示す場合では、火炎核の後端位置と仮想空間Sの外周面との最短距離は符号Dで示す長さである。なお、火炎核の後端位置が仮想空間S内に位置しているときは、上記最短距離を負の値として図5に示した。なお、図5における経過時間が負の値の区間は、前回の電磁波電力の印加終了前、すなわち、前回の電磁波電力の印加中に生じている火炎核の後端位置と仮想空間Sの外周面との最短距離を示す。
さらに、本実施形態では、出力制御部50は、図4(a)に示すように、1サイクル中において、前回の電磁波電力の印加により形成されたプラズマP1に、図4(b)に示すように、今回の電磁波電力の印加により形成されるプラズマP2が重合するように、今回の電磁波電力の電力値f、今回の電力印加期間Ta及びインターバルTiのうち少なくとも一つを設定する。
例えば、図6に示すように、出力制御部50は、内燃機関の点火サイクルの1サイクル中において、点火タイミングが到来して点火タイミングのフラグがオンとなったときに、点火制御信号Icsを初期値のインターバルTiで4回、電磁波電源40に送信する。これにより、電磁波電源40から点火プラグ2にインターバルTiで電磁波電力Psが4回印加される。なお、図6に示す態様においては、電磁波電源40から印加される電磁波電力の電力値wは一定となっている。
本実施形態では、図1に示すように、点火装置1は、燃焼室101内の気体の流速を取得する流速取得部81を備えている。流速取得部81が取得した流速は、出力制御部50に入力される。出力制御部50は、流速取得部81が取得した流速に基づいて、電磁波電力の電力値w、電力印加期間Ta、インターバルTi及び印加回数Nのうち少なくとも一つを設定するように構成されている。
次に、点火装置1の使用態様について、図7に示すフロー図を参照して説明する。
図7に示すステップS1において、出力制御部50が当点火サイクルの運転条件を取得する。これとともに、流速取得部81が燃焼室101内の気体の流速を取得し、取得した流速を出力制御部50に入力する。
そして、ステップS2において、出力制御部50は、当点火サイクルの運転条件及び取得した流速に基づいて、プラズマ形成空間Rの混合気の気体密度が所定値以上となるとともに、前回の電磁波電力の印加により形成されたプラズマ等の少なくとも一部が、仮想空間Sに位置しているときに次の電磁波電力の印加が行われるようにインターバルを設定する。
その後、ステップS3において、出力制御部50は、設定されたインターバルに基づいて、出力する点火制御信号Icsの波形パターンを準備する。なお、本実施形態では、インターバルの設定の際に、予めインターバル、印加時間、印加回数及び印加電力値を組み合わせてなる波形パターンが複数記憶されたマップから、上記設定されたインターバルに基づいて所望の波形パターンを読み込む。なお、当該マップは図示しない波形パターン記憶部に記憶されている。
次に、ステップS4において、点火タイミングが到来したか否かを判定する。点火タイミングが到来していない場合は、再度ステップS4を行う。一方、点火タイミングが到来した場合は、ステップS5において、出力制御部50から上記波形パターンの点火制御信号Icsを電磁波電源40に出力する。そして、ステップS6において、電磁波電源40から当該点火制御信号Icsに基づいて点火プラグ2に電磁波電力を印加する。
これにより、図8(a)に示すように、1サイクルにおける初回の電磁波電力の印加により、プラズマ形成空間Rに初回のプラズマP1が形成される。そして、電磁波電力の印加によるプラズマ形成空間R内の気体の温度上昇とプラズマ形成及びプラズマによる混合気の燃焼反応とによりプラズマ形成空間Rの内圧が上昇し、形成されたプラズマP1及び初期火炎はプラズマ形成空間Rから燃焼室101の内方に向けて噴出される。なお、燃焼室101内に噴出されたプラズマ及び初期火炎は燃焼室101内の混合気の一部に着火して火炎核を形成する。本実施形態では、当該プラズマ及び当該火炎核を合わせて「プラズマ等」といい、プラズマP1とプラズマP1により形成された火炎核を合わせてプラズマ等P1という。
初回の電磁波電力の印加期間が終了すると初回のインターバルとなり、プラズマ形成が中断される。初回のインターバルでは、燃焼室101内の混合気がプラズマ形成空間Rに流入する。そして、図8(b)に示すように、燃焼室101内に噴出されたプラズマ等P1は、初回のインターバル中に、燃焼室101内の気流Gによって仮想空間Sから離れる方向に流されるが、少なくともプラズマ等P1の一部が仮想空間Sに位置している状態で、初回のインターバルが終了し、次回の電磁波電力の印加が行われる。これにより、再度プラズマ形成空間R内の気体の温度上昇と2回目のプラズマ形成及びプラズマによる混合気の燃焼反応とによりプラズマ形成空間Rの内圧が上昇し、図8(c)に示すように、プラズマP2及び初期火炎がプラズマ形成空間Rから仮想空間Sに噴出する。これにより、プラズマP2及び初期火炎が初回のプラズマ等P1を更に燃焼室101の内方に押し出しつつ、図8(d)に示すように、プラズマ等P2がプラズマ等P1に重合して拡大成長したプラズマ等Pxが形成されることとなる。
初回及び2回目の電磁波電力の印加と同様に3回目及び4回目の電磁波電力の印加及びインターバルにより形成されたプラズマ及び初期火炎により、プラズマ等Pxを燃焼室101の内方に一層押し出しつつプラズマ等Pxと重合して、プラズマ等Pxを一層拡大成長させることとなる。プラズマ等Pxは気流Gによって流されはするが、各プラズマ及び初期火炎の形成毎に燃焼室101の内方に積極的に押し出されるため、燃焼室101の内壁から離れやすくなっている。その結果、プラズマ等Pxを燃焼室101の内方に位置させて着火性を向上させることができる。
(評価試験)
次に、本実施形態の点火装置1の評価試験を行った。
本評価試験では、本実施形態の点火装置1が搭載された内燃機関を試験例とし、本実施形態の点火装置1において、電磁波電力の印加時にインターバルを設けることなく、各点火サイクルにおいて、電磁波電力の印加を一度行う構成を比較例とした。かかる試験例及び比較例において、着火限界A/Fを検出した。なお、評価試験における試験条件は以下の通りとした。すなわち、ガソリンを燃料として列型のエンジンを機関回転数2000r/min、中負荷条件で駆動した。そして、試験例では、電磁波電力の電力値を1000w、電力印加期間Taを0.1ms、インターバルTiは0.1ms~0.4msとして電磁波電力を印加し、当該エンジンの試験対象の気筒における着火限界A/Fを取得した。一方、比較例では、試験例と同一の気筒において、電磁波電力の印加にインターバルを設けずに着火限界A/Fを取得した。
図9に示すように、上記評価試験によれば、試験例における着火限界A/Fは28.0であり、比較例における着火限界A/Fの27.0よりも十分高いものであった。これにより、本実施形態の点火装置1により、着火限界A/Fが高まることにより燃費が向上することが示された。
次に、本実施形態の点火装置1における作用効果について、詳述する。
本実施形態の点火装置1によれば、点火プラグ2における内導体10と外導体20との間のプラズマ形成空間Rにプラズマを発生させるように構成されており、当該プラズマにより混合気に点火して初期火炎を発生させることができる。そのため、火花放電プラズマを発生させるための放電電極と火花放電プラズマの拡大及び維持のための電磁波放射アンテナとの両方を備える従来の構成に比べて、部品点数を削減できるとともに装置の構成が複雑化することを抑制でき、装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
さらに、点火装置1においては、点火プラグ2への電磁波電力の印加は、内燃機関の点火サイクルにおける1サイクル中に断続的に複数回行われる。そして、プラズマ形成空間Rでは、プラズマ形成による温度上昇とプラズマ反応及びプラズマによる混合気の燃焼反応とによる体積増加によってプラズマ形成空間Rの内圧が高まる。そのため、電磁波電力の印加により新たなプラズマ及び初期火炎が形成される毎に、プラズマ形成空間Rから燃焼室101内にプラズマ及び初期火炎を噴出させることができる。そして、燃焼室101内に噴出させた複数のプラズマ等を互いに衝突させて重合させることにより、火炎核を拡大できるとともに点火プラグ2や燃焼室101の内壁から離れた位置で混合気へ着火するようにすることができる。その結果、プラズマ等が点火プラグ2や燃焼室101の内壁によって冷却されることを抑制して、火炎成長を促して混合気への着火性を向上することができる。
また、本実施形態では、出力制御部50は、1サイクル中に点火プラグ2に印加するそれぞれの電磁波電力の印加開始時においてプラズマ形成空間Rの混合気の気体密度が所定値以上となるように、電磁波電力を所定のインターバルTiで複数回印加するように電磁波電源40の出力を制御する。これにより、プラズマ形成によりプラズマ形成空間R内の混合気が消費されるが、インターバルTiよって、混合気をプラズマ形成空間Rに再び流入させて、次回のプラズマ形成のために必要な所定値以上の気体密度の混合気を確保することができる。これにより、次回のプラズマ形成を促すとともに、プラズマ形成による温度上昇とプラズマ反応及びプラズマによる混合気の燃焼反応とによる体積増加によってプラズマ形成空間Rの内圧の上昇を確実に発生させて、プラズマ及び初期火炎をプラズマ形成空間Rから燃焼室101内に積極的に噴出させることができる。その結果、燃焼室101内の混合気の着火性を一層向上できる。
また、本実施形態では、出力制御部50は、1サイクル中において、前回の電磁波電力の印加により形成されたプラズマ及び初期火炎又は該プラズマ及び初期火炎により形成された火炎核の少なくとも一部が、プラズマ形成空間Rを燃焼室101内に向けて軸方向に伸ばした仮想空間Sに位置しているときに、今回の電磁波電力の印加を行う。これにより、前回の電磁波電力の印加により形成されたプラズマ等と今回の電磁波電力の印加により発生させるプラズマとを確実に衝突させるとともに両者を重合させることができる。その結果、プラズマ形成空間Rから噴出させたプラズマ等が点火プラグ2や燃焼室101の内壁から一層離れやすくなり、当該プラズマ等が点火プラグ2や燃焼室101の内壁により冷却されることを一層抑制することができる。
また、本実施形態では、出力制御部50は、1サイクル中において、前回の電磁波電力の印加により形成されたプラズマ又は該プラズマにより形成された火炎核に、今回の電磁波電力の印加により形成されるプラズマが重合するように、今回のインターバルTiを設定するように構成されている。これにより、火炎核を拡大成長させて、燃焼室101内の混合気への着火性を向上することができる。なお、今回のインターバルTiを設定することとともに又はこれに替えて、今回の電磁波電力の電力値w及び今回の電力印加期間Taのうち少なくとも一つを設定することにしてもよい。この場合も本実施形態と同等の作用効果を奏する。
また、本実施形態では、燃焼室101内における気体の流速を取得する流速取得部81を有し、出力制御部50は、流速取得部81が取得した流速に基づいて、電磁波電力の電力値w、電力印加期間Ta、インターバルTi及び印加回数Nを設定するように構成されている。これにより、燃焼室101内の気体の流速に応じて、プラズマの形成状態及び噴出位置を制御しやすくなるため、着火性の向上を図ることができる。なお、電磁波電力の電力値w、電力印加期間Ta、インターバルTi及び印加回数Nの全てを流速取得部81が取得した流速に基づいて設定することに替えて、電磁波電力の電力値w、電力印加期間Ta、インターバルTi及び印加回数Nのうち少なくとも一つを流速取得部81が取得した流速に基づいて設定するようにしてもよい。この場合も、燃焼室101内の気体の流速に応じて、プラズマの形成状態及び噴出位置を制御しやすくなるため、着火性の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、出力制御部50は、流速取得部81が取得した流速等に基づいて、波形パターンが複数記憶されたマップから所望の波形パターンを読み込むこととしたが、これに替えて下記の変形形態1のようにしてもよい。図10に示す変形形態1では、出力制御部50は、1サイクル中において、流速取得部81が取得した流速が所定値以上であるとき、電磁波電力の電力値wの増加、電力印加期間Taの拡大、インターバルの縮小Ti及び印加回数Nの増加のうち少なくとも一つを実施するように構成されている。
そして、当該変形形態1の点火装置1では、図10に示すように、まず、図7に示す実施形態1の場合と同様に、ステップS1を実施する。その後、ステップS10において、出力制御部50は、流速取得部81が取得した流速が所定値以上であるとき、電磁波電力の電力値wの増加、電力印加期間Taの拡大、インターバルTiの縮小及び印加回数Nの増加のうち少なくとも一つを実施する。上記所定値は、例えば、前回の点火サイクルにおいて取得した流速又は予め定めた基準値とすることができる。
変形形態1の点火装置1によれば、燃焼室101内の気体の流速が比較的速い場合においても、形成されたプラズマの少なくとも一部が仮想空間Sに位置しやすくなり、前回噴出されたプラズマP1に今回噴出されるプラズマを衝突させるとともに互いに重合させやすくすることができる。その結果、燃焼室101内の気体の流速が比較的速い場合においても、燃焼室101内の混合気への着火性を向上することができる。
以上のごとく、本実施形態によれば、電磁波とプラズマを利用した点火装置1であって、簡易な構成で小型化及び低コスト化が図れるとともに、着火性が向上される点火装置1を提供することができる。
(実施形態2)
実施形態2の点火装置1では、図1に示す実施形態1における電磁波電源40において、図11に示すように、増幅器42の前段にバイパススイッチ43を介してアッテネータ44が接続されている。バイパススイッチ43の切替は、後述する出力制御部50から入力される電力制御信号Wcsにより行われる。なお、本実施形態において、実施形態1の同等の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
さらに、実施形態1では図6に示すように、出力制御部50は、1サイクル中に複数回印加される電磁波電力の電力値wが一定となるように制御したが、これに替えて、実施形態2では、図12(a)に示すように、1サイクル中において、複数回印加される電磁波電力のうち、初回に印加される電磁波電力の電力値が最大となるように電磁波電源40を制御する。
本実施形態では、出力制御部50は、図12(c)に示すように電磁波電源40が電磁波電力を出力するための点火制御信号Icsとともに、図12(b)に示すように電磁波電力の電力値wを制御するための電力制御信号Wcsを電磁波電源40に出力する。そして、図12(a)、図12(b)に示すように、電磁波電源40は、電力制御信号WcsがHである場合は、図11に示すようにバイパススイッチ43をアッテネータ44を通電しない側に切り替える。これにより、図12(a)、図12(b)に示すように、電磁波電力の電力値wが第1電力値w1となる。一方、電力制御信号WcsがLである場合は、バイパススイッチ43を図11に示す状態と反対の、アッテネータ44を通電する側に切り替える。これにより、電磁波電力の電力値wを第1電力値w1よりも低い第2電力値w2にするとともに、出力を安定した状態にすることができる。
本実施形態の点火装置1によれば、図12(a)に示すように、1サイクル中において初回に印加される電磁波電力の電力値w1が2回目以降に印加される電磁波電力の電力値w2よりも大きい。そのため、1サイクル中に複数回印加される電磁波電力のうち、初回の電磁波電力の電力値w1が最大となっている。そして、図12(e)に示すように、初回に電磁波電力を電力値w1で印加したことにより、プラズマ形成空間R内の温度が電磁波電力の印加、プラズマ形成及び混合気の燃焼にともなって上昇した後、2回目に電力値w2での印加においてもプラズマ形成空間R内の温度は初回の印加時と同程度に上昇している。これにより、プラズマ形成時にプラズマ形成空間R内の温度をプラズマ形成及び噴出に必要な温度に上昇させつつ、点火プラグ2に投入するエネルギーを低減することができる。本実施形態においても実施形態1と同様の作用効果を奏する。
本実施形態では、図11に示すようにアッテネータ44を用いて、電磁波電力の電力値wを切り替える回路を構成したが、これに替えて、図13に示す変形形態2のように、増幅器42として、第1増幅器421と第2増幅器422とが並列接続された構成とすることができる。かかる変形形態2の場合は、電磁波電源40は、電力制御信号WcsがHである場合は、図13に示す第1増幅器421及び第2増幅器422の両方を出力させて、その出力を合成する。これにより、図12(a)、図12(b)に示すように、電磁波電力の電力値wを第1電力値w1にする。一方、電力制御信号WcsがLである場合は、図13に示す第1増幅器421及び第2増幅器422の一方を停止させて、他方を出力させる。これにより、電磁波電力の電力値wを第1電力値w1よりも低い第2電力値w2とする。当該変形形態2においても実施形態1、2と同様の作用効果を奏する。
さらなる変形形態3として、図14に示すように、変形形態2におけるバイパススイッチ43及びアッテネータ44の後段にこれらと同等の回路構成のバイパススイッチ431及びアッテネータ441を直列接続した構成としてもよい。なお、変形形態3ではアッテネータ441はアッテネータ44よりも高い減衰率を有する。そして、変形形態3では、図15に示すように、出力制御部50は、点火制御信号として、第1点火制御信号IcsA及び第2点火制御信号IcsBを出力する。電磁波電源40は、第1点火制御信号IcsAがHである場合はバイパススイッチ43をアッテネータ44を通電しない側に切り替え、第1点火制御信号IcsAがLである場合はバイパススイッチ43をアッテネータ44を通電する側に切り替えて、電磁波電力を出力する。また、電磁波電源40は、第2点火制御信号IcsBがHである場合は、バイパススイッチ431をアッテネータ441を通電しない側に切り替え、第2点火制御信号IcsBがLである場合はバイパススイッチ431をアッテネータ441を通電する側に切り替えて、電磁波電力を出力する。
かかる変形形態3では、図15に示すように、第1点火制御信号IcsA及び第2点火制御信号IcsBがHである場合は、出力される電磁波電力は最も大きい第1電力値w1を示す。また、第1点火制御信号IcsAがH、第2点火制御信号IcsBがLである場合は、電磁波電力は第1電力値w1よりも小さい第2電力値w2を示す。また、第1点火制御信号IcsAがL、第2点火制御信号IcsBがHである場合は、電磁波電力は第2電力値w2よりも小さい第3電力値w3を示す。かかる変形形態3では、ノイズが発生しやすい内燃機関において、簡便でかつ確実に電磁波電力の電力値を第1電力値w1、第2電力値w2及び第3電力値w3のうちの任意の値とすることができる。そして、当該変形形態3においても実施形態1、2と同様の作用効果を奏する。
さらなる変形形態4として、図16に示す増幅器42として、第1増幅器421と第2増幅器422とが並列接続されて第1アンプユニット420を構成するとともに、第1アンプユニット420と第3増幅器423が並列接続された構成とすることができる。かかる変形形態4の場合は、電磁波電源40は、第1点火制御信号IcsAがHである場合は、第1増幅器421及び第2増幅器422を出力させ、第1点火制御信号IcsAがLである場合は、第1増幅器421及び第2増幅器422を停止させる。第2点火制御信号IcsBがHである場合は、第3増幅器423を出力させ、第2点火制御信号IcsBがLである場合は、第3増幅器423を停止させる。
従って、かかる変形形態4においても変形形態3の場合と同様に、第1点火制御信号IcsA及び第2点火制御信号IcsBがHである場合は、出力される電磁波電力は最も大きい第1電力値w1を示す。また、第1点火制御信号IcsAがH、第2点火制御信号IcsBがLである場合は、電磁波電力は第1電力値w1よりも小さい第2電力値w2を示す。また、第1点火制御信号IcsAがL、第2点火制御信号IcsBがHである場合は、電磁波電力は第2電力値w2よりも小さい第3電力値w3を示す。かかる変形形態4では各増幅器421~423の出力を合成する必要はあるが、電気的ノイズの多い内燃機関において、簡便でかつ確実に電磁波電力の電力値を第1電力値w1、第2電力値w2及び第3電力値w3のうちの任意の値とすることができる。そして、当該変形形態4においても実施形態1、2と同様の作用効果を奏する。
(実施形態3)
実施形態3の点火装置1では、図1に示す実施形態1における電磁波電源40において、増幅器42の前段に、図17に示すように、可変減衰器73が備えられている。そして、可変減衰器73には、可変減衰器73を制御する減衰器制御部501がシリアル接続されている。減衰器制御部501にはシリアル信号デコーダ502が接続されているとともに、出力制御部50から点火制御信号Icsが入力されるように構成されている。なお、出力制御部50から減衰器制御部501に点火制御信号Icsが出力されるタイミングは、出力制御部50から電磁波電源40に点火制御信号Icsが出力されるよりも前のタイミングとなっている。そして、減衰器制御部501は、点火制御信号Icsの入力に応じて、可変減衰器73にシリアル通信信号を送信可能なように構成されている。その他の構成は実施形態1と同様であって、実施形態1と同等の構成には実施形態1の場合と同一の符号を付してその説明を省略する。
図18(b)に示すように、減衰器制御部501は、点火タイミングが到来する前に出力制御部50から出力された点火制御信号Icsに基づいて、複数回印加される電磁波電力のそれぞれの電力値wを示すシリアル信号を可変減衰器73に出力する。可変減衰器73は、点火タイミングが到来する前に、入力された当該シリアル信号に基づいて、複数回印加される電磁波電力のそれぞれの電力値wを予め決定する。そして、点火タイミングが到来すると、出力制御部50から電磁波電源40に点火制御信号Icsを出力し、電磁波電源40が点火制御信号Icsに基づいた印加時期、インターバル、回数及び上記予め決定された電力値で電磁波電力を点火プラグ2に印加する。これにより、図18(a)に示すように、シリアル通知で通信品質を確保しつつ、点火プラグ2に印加される電磁波電力の電力値wを例えば電力値w1、w2、w3及びw4のように多段化することができるとともに、配線を削減できて装置の構成を簡略化できる。本実施形態においても、実施形態1、2と同等の作用効果を奏する。
なお、出力制御部50による電磁波電源40の制御は、上記実施形態1~3及び変形形態1~4に示したものに限定されない。例えば、ステップモータによるアッテネータ制御や、信号の電圧値による設定等、他の設定方法や制御方法を用いることができる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、実施形態1において、流速取得部を備えない構成としてもよい。この場合は、点火サイクルの運転条件に基づいて、インターバルを設定することができる。
1 点火装置
2 点火プラグ
10 内導体
20 外導体
30 誘電体
40 電磁波電源
50 出力制御部

Claims (7)

  1. プラズマによって内燃機関の燃焼室(101)内に供給された空気と燃料ガスとの混合気に点火して初期火炎を発生させる点火装置(1)であって、
    内導体(10)と、該内導体を内側に保持する筒状の外導体(20)と、上記内導体と上記外導体との間に設けられた誘電体(30)と、上記内導体と上記誘電体との間に電磁波によりプラズマが形成されるプラズマ形成空間(R)とを備えるとともに、該プラズマ形成空間の軸方向先端が上記燃焼室に連通するように構成された点火プラグ(2)と、
    上記プラズマ形成空間に電磁波を発生させる電磁波電力(Ps)を上記点火プラグに印加する電磁波電源(40)と、
    上記内燃機関の点火サイクルにおける1サイクル中に、上記電磁波電源から上記点火プラグに上記電磁波電力を断続的に複数回印加するように、上記電磁波電源における上記電磁波電力の出力を制御する出力制御部(50)と、
    を備え
    上記出力制御部は、上記1サイクル中において、前回の電磁波電力の印加により形成されたプラズマ又は該プラズマにより形成された火炎核の少なくとも一部が、上記プラズマ形成空間を燃焼室内に向けて軸方向に伸ばした仮想空間に位置しているときに、今回の電磁波電力の印加を行うように上記電磁波電源の出力を制御する、点火装置。
  2. 上記出力制御部は、上記1サイクル中において、前回の電磁波電力の印加により形成されたプラズマ又は該プラズマにより形成された火炎核に、今回の電磁波電力の印加により形成されるプラズマが重合するように、今回の電磁波電力の電力値、今回の電力印加期間及びインターバルのうち少なくとも一つを設定する、請求項1に記載の点火装置。
  3. プラズマによって内燃機関の燃焼室(101)内に供給された空気と燃料ガスとの混合気に点火して初期火炎を発生させる点火装置(1)であって、
    内導体(10)と、該内導体を内側に保持する筒状の外導体(20)と、上記内導体と上記外導体との間に設けられた誘電体(30)と、上記内導体と上記誘電体との間に電磁波によりプラズマが形成されるプラズマ形成空間(R)とを備えるとともに、該プラズマ形成空間の軸方向先端が上記燃焼室に連通するように構成された点火プラグ(2)と、
    上記プラズマ形成空間に電磁波を発生させる電磁波電力(Ps)を上記点火プラグに印加する電磁波電源(40)と、
    上記内燃機関の点火サイクルにおける1サイクル中に、上記電磁波電源から上記点火プラグに上記電磁波電力を断続的に複数回印加するように、上記電磁波電源における上記電磁波電力の出力を制御する出力制御部(50)と、
    を備え、
    上記出力制御部は、上記1サイクル中において、前回の電磁波電力の印加により形成されたプラズマ又は該プラズマにより形成された火炎核に、今回の電磁波電力の印加により形成されるプラズマが重合するように、今回の電磁波電力の電力値、今回の電力印加期間及びインターバルのうち少なくとも一つを設定する、点火装置。
  4. 上記出力制御部は、上記1サイクル中に上記点火プラグに印加するそれぞれの上記電磁波電力の印加開始時において上記プラズマ形成空間の上記混合気の気体密度が所定値以上となるように、上記電磁波電力を所定のインターバルで複数回印加するように上記電磁波電源の出力を制御する、請求項1~3のいずれか一項に記載の点火装置。
  5. 上記出力制御部は、上記1サイクル中において、複数回印加される上記電磁波電力のうち、初回に印加される上記電磁波電力の電力値が最大となるように上記電磁波電源を制御する、請求項1~4のいずれか一項に記載の点火装置。
  6. 上記燃焼室内における気体の流速を取得する流速取得部を有し、
    上記出力制御部は、上記流速取得部が取得した上記流速に基づいて、上記電磁波電力の電力値、電力印加期間、インターバル及び印加回数のうち少なくとも一つを設定する、請求項1~5のいずれか一項に記載の点火装置。
  7. 上記出力制御部は、上記1サイクル中において、上記流速取得部が取得した上記流速が所定値以上であるとき、上記電磁波電力の電力値の増加、電力印加期間の拡大、インターバルの縮小及び印加回数の増加のうち少なくとも一つを実施する、請求項6に記載の点火装置。
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