JP7056390B2 - 窒化物半導体装置の製造方法 - Google Patents

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本明細書が開示する技術は、窒化物半導体装置の製造方法に関する。
窒化ガリウムを代表例とする窒化物半導体は、高い絶縁破壊電界特性と、高い熱伝導特性を有しており、高耐圧低損失のパワー半導体素子への応用が期待されている。半導体装置の大容量化には、縦型の半導体装置が有利であり、縦型の窒化物半導体装置に関して多くの研究がなされている(例えば非特許文献1、2)。
窒化物半導体は、シリコンよりもドリフト濃度を1~2桁程度も高くできるため、オン抵抗を小さくすることができる。しかしながらオン抵抗が小さいことでトレンチ底部において空乏層が伸び難くなり、トレンチ底部などに電界が集中する。その結果、トレンチ底部における耐圧の低下、あるいは、高電界によるゲート絶縁膜の信頼性低下などの課題が生じる。特許文献1には、トレンチ底部にp型半導体領域を設けることが提案されている。トレンチ底部のp型半導体領域から空乏層が拡がり、トレンチ底部の耐圧が向上する。特許文献1の技術では、トレンチ底部のp型半導体領域は、n型の窒化物半導体で作られているトレンチ底部にマグネシウムなどのp型の不純物をイオン注入して形成する。以下、説明の便宜上、トレンチ底部のp型半導体領域を底部p型領域と称することにする。
特許第5141037号公報
p型不純物のイオン注入による底部p型領域の形成方法は、残留欠陥が生じるため活性化率が十分とは言い難い。本明細書は、イオン注入に代わる方法でn型のトレンチ底部にp型領域を形成する方法(窒化物半導体装置の製造方法)を提供する。
本明細書が開示する窒化物半導体装置の製造方法は、ドリフト層形成工程と、ボディ領域形成工程と、トレンチ形成工程と、マストランスポート工程と、アルカリエッチング工程を備えている。ドリフト層形成工程では、基板の上にn型の窒化物半導体層であるドリフト層を形成する。ボディ領域形成工程では、ドリフト層の上にp型のボディ領域を形成する。トレンチ形成工程では、基板を平面視したときにボディ領域が二分されるようにドリフト層に達するトレンチを形成する。マストランスポート工程では、ボディ領域を800℃以上に加熱してトレンチの側面に露出しているボディ領域のp型の半導体物質をトレンチの底へ移動させる。底へ移動したp型半導体物質が底部p型領域を形成する。アルカリエッチング工程では、アルカリ水溶液でトレンチの側面をエッチングして平坦化する。
本明細書が開示する製造方法では、マストランスポート現象を利用してトレンチ側面に露出しているボディ領域のp型半導体物質をトレンチの底へ移動させる。イオン注入を使わずに底部p型領域を形成することができる。
アルカリエッチング工程の効果を説明する。マストランスポート現象により、p型半導体物質がトレンチ底部に一様に堆積する。そのまま半導体装置を完成させると、トレンチの底面と側面の角部(以下、トレンチ底角部と称する)と底部p型領域の距離が極めて短い。多くの場合、底部p型領域の端がトレンチ底角部に達する。一方、完成した半導体装置では、トレンチ側面の表層を電子電流が流れる。トレンチ底角部と底部p型領域の間の距離が短いと、底部p型領域から拡がる空乏層が電子電流の流れを阻害し、オン抵抗が増加してしまう。アルカリエッチング工程によって、トレンチ底角部を拡げる(トレンチ底角部を底部p型領域から離す)ことができる。アルカリエッチング工程を加えることで、トレンチ底角部と底部p型領域の間の距離が拡がり、底部p型領域に起因するオン抵抗の増加が抑えられる。
本明細書が開示する製造方法では、ボディ領域形成工程とトレンチ形成工程の間に、ボディ領域の上に窒化アルミニウム層(AlN層)を形成するAlN層形成工程をさらに備えているとよい。AlN層を設けることで、マストランスポート現象の進行が緩やかになり、底部p型領域形成(マストランスポート工程)の制御性が向上する。ここで、制御性とは、トレンチ底部に堆積させるp型半導体物質の量の調整を意味する。
本明細書が開示する製造方法は、さらに、AlN層の上に、窒化物半導体層を形成するAlN保護層形成工程を備えているとよい。窒化物半導体層(AlN保護層)は、脆弱なAlN層を保護する。AlN層の上に形成するGaN層は、n型、p型、真性のいずれの伝導型であってもよい。
アルカリエッチング工程で用いるアルカリ水溶液は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を主成分として含んでいるとよい。アルカリエッチング工程で用いるアルカリ水溶液は、水酸化カリウム(KOH)や水酸化ナトリウム(NaOH)の水溶液でもよいが、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)はアルカリ金属を含んでいないため、洗浄が容易であり、アルカリ金属イオン(K+、Na+ など)によるしきい値電圧変動を防ぐことができる。水酸化テトラメチルアンモニウムを主成分として含んでいるアルカリ水溶液を用いることで、環境にも配慮することができる。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
窒化物半導体装置の要部断面図である。 第1実施例の製造方法を説明する断面図である(1)。 第1実施例の製造方法を説明する断面図である(2)。 第1実施例の製造方法を説明する断面図である(3)。 第1実施例の製造方法を説明する断面図である(4)。 第1実施例の製造方法を説明する断面図である(5)。 電流の流れを示す断面図である。 第2実施例の製造方法を説明する断面図である(1)。 第2実施例の製造方法を説明する断面図である(2)。 第2実施例の製造方法を説明する断面図である(3)。 第2実施例の製造方法を説明する断面図である(4)。 第2実施例の製造方法を説明する断面図である(5)。 第2実施例の製造方法を説明する断面図である(6)。
実施例の製造方法を説明するのに先立って、実施例の製造方法で製造し得る窒化物半導体装置を説明する。以下で説明する窒化物半導体装置は、窒化ガリウム(GaN)を用いたトレンチ型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。以下では、説明の便宜上、実施例の製造方法で製造される窒化物半導体装置を単純に半導体装置2と称する。図1に半導体装置2の要部断面図を示す。
半導体装置2は、n型の窒化物半導体を材料とする基板3、n型のドリフト層4、p型のボディ領域5、n型のソース領域6、トレンチ7、ゲート絶縁膜13、ゲート電極14、ソース電極15、ボディ電極16、ドレイン電極17、底部p型領域8を備えている。図1は、トレンチ7で分離された一対のボディ領域5とその周辺のみを示している。半導体装置2は、図1と同じ構造を複数備えており、それらの構造の周囲を耐圧構造が囲んでいる。耐圧構造については説明を省略する。
基板3は、n型不純物を高濃度に含む窒化ガリウム(GaN)を材料としている。基板3の裏面全体にドレイン電極17がオーミック接触している。基板3は、ドリフト層4がエピタキシャル成長するための下地基板である。
ドリフト層4は、基板3の上にn型の半導体物質をエピタキシャル成長させた層である。ドリフト層4は、基板3よりもn型不純物を低濃度に含む窒化ガリウム(GaN)を材料とする。n型不純物の例としては、シリコン(Si)が挙げられる。
ドリフト層4の上にp型のボディ領域5が設けられている。ボディ領域5は、p型不純物を含んでいる。p型不純物の例としては、マグネシウム(Mg)が挙げられる。ボディ領域5は、トレンチ7で分割されている。図示は省略するが、トレンチ7は、基板3を平面視したとき、および、図1の断面でみたときのいずれにおいてもボディ領域5を二分するように形成されている。
トレンチ7は、ドリフト層4まで達している。トレンチ7の側面と底面、及び、ボディ領域5の表面は、ゲート絶縁膜13で覆われている。後述するように、ゲート絶縁膜13は、一部が除去され、ボディ領域5が露出している箇所と、後述するソース領域6が露出する箇所が作られている。トレンチ7の内部は、ゲート電極14で満たされている。ゲート電極14は、n型不純物を高濃度に含むポリシリコンで形成されている。ゲート電極14は、ゲート絶縁膜13によって、トレンチ7の側面と底面から絶縁されている。
トレンチ7で分割された一対のボディ領域5の表層の一部にソース領域6が設けられている。ソース領域6は、トレンチ7の両側に設けられている。ただし、ソース領域6はゲート絶縁膜13によってゲート電極14から絶縁されている。ソース領域6は、ボディ領域5によって、ドリフト層4から隔てられている。ソース領域6は、n型不純物を高濃度に含んでいる。n型不純物の例は、シリコン(Si)である。ソース領域6は、ボディ領域5にシリコンイオンを注入することで形成される。
ソース領域6にソース電極15がオーミック接触している。先に述べたように、ソース領域6の表層の一部が露出するようにゲート絶縁膜13の一部が除去されており、ゲート絶縁膜13が除去された部位でソース電極15がソース領域6にオーミック接触している。
先に述べたように、ボディ領域5の表層の一部が露出するようにゲート絶縁膜13の別の一部が除去されており、除去された部位でボディ領域5にボディ電極16がオーミック接触している。図1では示されていないが、ボディ電極16はソース電極15と導通されている。
トレンチ7の底部にp型の半導体領域、即ち、底部p型領域8が設けられている。底部p型領域8は、ゲート絶縁膜13でゲート電極14から絶縁されている。底部p型領域8の効果を説明する。ワイドバンドギャップ半導体である窒化ガリウム(窒化物半導体)は、絶縁破壊に至る電界強度が高いことが一つの特徴である。この特徴により、ドリフト層4のn型不純物の濃度を高めることができる。その結果、オン抵抗を下げることができる。窒化物半導体では、シリコン半導体と比較して、ドリフト層4のn型不純物の濃度を1~2桁程度高くすることができる。一方、ドリフト層4のn型不純物の濃度が高いため、ドリフト層4で空乏層が広がり難くなる。その結果、トレンチ7の底部などに電界が集中してしまう。トレンチ7の底部への電界の集中は、トレンチ底部における耐圧の低下、あるいは、ゲート絶縁膜13のトレンチ7の底部における信頼性の低下を招く。窒化物半導体自身は耐圧が高いのに、トレンチ底部における構造的な耐圧の低下は、耐圧が高いという窒化物半導体自体の特性を損なうことになる。そこで、トレンチ7の底部にp型半導体の領域(底部p型領域8)を設ける。半導体装置2がオンしたときに底部p型領域8から空乏層が延び、トレンチ底部で十分な範囲の空乏層が確保され、トレンチ底部における耐圧が向上する。
窒化ガリウムでは、イオン注入によるp型領域の形成が難しい。例えばマグネシウムイオンをトレンチ7の底に注入して底部p型領域を作ろうとすると、残留欠陥の存在のため、活性化率が低く、十分な底部p型領域を形成することが難しい。そこで、実施例の製造方法では、マストランスポート現象を利用し、トレンチ7の側面のボディ領域5を構成するp型半導体物質をボディ領域5から離脱させ、トレンチ7の底に堆積させる。そうして、底部p型領域8を確保する。
次に、図2から図6を参照して半導体装置2の製造方法(第1実施例)を説明する。まず、図2に示すように、窒化ガリウムを材料とするn型の基板3の主面上に、エピタキシャル成長技術を用いてn型の窒化物半導体層であるドリフト層4を堆積させる(ドリフト層形成工程)。エピタキシャル成長技術の一例は、有機金属化合物気相成長法(MOCVD法)である。ドリフト層4のn型不純物の濃度は、基板3のn型不純物の濃度よりも低い。
次に、図3に示すように、n型のドリフト層4の上に、エピタキシャル成長技術を用いてp型のボディ領域5を堆積させる(ボディ領域形成工程)。ボディ領域5も窒化ガリウム(GaN)を主成分とする窒化物半導体の層である。p型の不純物としては、例えばマグネシウム(Mg)が挙げられる。なお、ドリフト層4もボディ領域5も、窒化ガリウムのc面が主面(表面)となるように成長させる。
次に、図4に示すように、ボディ領域5を二分するようにボディ領域5の表面からドリフト層4に達するトレンチ7aを形成する(トレンチ形成工程)。トレンチ7aは、ボディ領域5のトレンチ予定領域以外をマスクし、トレンチ予定領域をドライエッチングにて除去して形成する。ボディ領域5は、トレンチ7aによって二分され、トレンチ7aの両側に位置する。
次に、図5に示すように、ボディ領域5を800℃以上に加熱し、トレンチ7aの夫々の側面に露出しているボディ領域5のp型の半導体物質をトレンチ7aの底へ移動させる(マストランスポート工程)。基板は800℃以上のアンモニア雰囲気下に暴露されることにより加熱される。アンモニア雰囲気下で800℃以上に熱すると、トレンチ7aの側面の凹凸から半導体物質が離反する。トレンチ側面から離反したp型の半導体物質は、表面張力によりトレンチ7aの底へと移動し、堆積する。図4、図5では、マストランスポート前のトレンチを符号7a表しており、トレンチ側面の半導体物質の離反によってトレンチ開口側が拡がったトレンチを符号7bで表している。トレンチ側面から離反したp型の半導体物質は、トレンチ7bの底に一様に堆積する。なお、加熱の際、アンモニア以外に他の原料(トリメチルガリウム(TMG)やビスシクロペンタマグネシウム(Cp2Mg)など)を含んでいてもよい。ただし、TMGを用いる場合は、窒化ガリウムが成長しない範囲に限定する。
次に、アルカリ水溶液でトレンチ7bの側面をエッチングして平坦化する(アルカリエッチング工程)。アルカリ水溶液は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)などの水溶液でよい。これらの溶液は、III族窒化物半導体のc面はエッチングできないが、c面以外(a面、m面、r面など)はエッチングできる。先に述べたように、ドリフト層4とボディ領域5は、c面が主面を向くように形成されている。すなわち、トレンチ7bの側面には、c面以外が面している。従って、アルカリ水溶液によってトレンチ7bの側面をエッチングする(削る)ことができる。マストランスポート工程によって開口側が拡がったトレンチ7bは、図6に示すように、トレンチ側面と底面の角部(トレンチ底角部TC)がエッチングにより拡がり、トレンチ側面が底面に対してほぼ垂直に平坦化される。アルカリ水溶液によるエッチング後のトレンチを符号7で表す。トレンチ底角部TCが拡がることにより、トレンチ底角部TCが底部p型領域8から離れる。図6に示す距離Lが、トレンチ底角部TCと底部p型領域8との距離を示している。所定値以上の距離Lが確保できることの利点は後に説明する。
アルカリエッチング工程で用いるアルカリ水溶液は、TMAH水溶液がよい。TMAH水溶液はアルカリ金属を含まないので、しきい値電圧変動を引き起こさない。
アルカリエッチング工程の後は、従来の方法により、ゲート絶縁膜13、ゲート電極14、ソース電極15、ボディ電極16、ドレイン電極17を形成し、図1に示す半導体装置2が完成する。
第1実施例の製造方法では、p型不純物のイオン注入を行わずに、トレンチ7の底にp型の半導体領域(底部p型領域8)を形成することができる。半導体装置2がオンすると、底部p型領域8を中心に空乏層が拡がり、トレンチ底部の耐圧が向上する。
図7に半導体装置2の断面に電流の流れを太線矢印で加えた図を示す。ゲート電極14に閾値を超える電圧を印加すると、トレンチ7の近傍のボディ領域5にn型のチャネルが形成され、トレンチ7に沿ってソース領域6からボディ領域5のチャネルを通過し、ドリフト層4へ電流が流れる。図7の太矢印線が電流の流れを示している。トレンチ底角部TCと底部p型領域8との間には距離Lが確保されている。半導体装置2がオンすると、底部p型領域8を中心に空乏層が拡がる。距離Lが短いと、空乏層が電流の流れを阻害し、オン抵抗が増加する。トレンチ底角部TCと底部p型領域8の間に所定の距離Lを確保することで、トレンチ底角部TC近傍の空乏層が抑えられ、オン抵抗の増加が回避される。距離Lを確保するアルカリエッチング工程は、オン抵抗の増大を抑制する効果を奏する。
(第2実施例)次に、図8-図13を参照して第2実施例の製造方法を説明する。ドリフト層形成工程(図2)とボディ領域形成工程(図3)は、第1実施例の場合と同じである。第2実施例では、ボディ領域形成工程に続いて、ボディ領域5の表面に窒化アルミニウムの層(AlN層21)を形成する(AlN層形成工程、図8参照)。AlN層21は、例えば、有機金属化合物気相成長法(MOCVD法)によって窒化アルミニウムを結晶成長させることで得られる。
次に、AlN層21の上に、窒化物半導体によるAlN保護層22を形成する(AlN保護層形成工程、図9参照)。AlN保護層22の窒化物半導体は、例えば窒化ガリウム(GaN)でよい。窒化物半導体の伝導型は、n型、p型、真性のいずれでもよい。窒化物半導体の層(AlN保護層22)は、脆弱なAlN層21を機械的に保護するために設ける。
次に、図10に示すように、ボディ領域5を二分するように、AlN保護層22の上からドリフト層4に達するトレンチ7cを形成する(トレンチ形成工程)。ドライエッチングにより、トレンチ直上のAlN層21とAlN保護層22も除去される。
次に、図11に示すように、アンモニア雰囲気下でボディ領域5を800℃以上に加熱し、トレンチ7cの側面のp型の半導体物質を離脱させ、トレンチ7cの底に堆積させる(マストランスポート工程)。図11では、半導体物質の一部が離脱した後のトレンチ側面を符号7dで表している。この工程では、AlN層21とAlN保護層22は加熱の影響を受けず、そのまま残る。AlN層21の存在により、マストランスポート現象の進行が緩やかとなる。マストランスポート現象の進行を緩めることによって、トレンチ7cの底へのp型半導体物質の堆積速度が緩やかとなる。それゆえ、トレンチ7cの底に貯めるp型半導体物質の量を制御し易くなる。マストランスポートによってトレンチ底部に堆積したp型半導体物質が底部p型領域8となる。
次にアルカリ水溶液でトレンチ7dの側面をエッチングして平坦化する(アルカリエッチング工程)。図12に、アルカリエッチング後の断面を示す。平坦化された側面を有するトレンチを符号7で示している。アルカリ水溶液は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)などの水溶液でよいが、アルカリ金属を含まない点でTMAH水溶液を用いることが好ましい。
トレンチ7dの側面をエッチングすることで、第1実施例の場合と同様に、トレンチ底角部TCと底部p型領域8との間に所定の距離Lが確保される(図12参照)。
次に、ドライエッチングによりAlN保護層22を除去し、次いでウェットエッチングによりAlN層21を除去する(図13参照)。図13は、第1実施例の図6と同じである。AlN層21とAlN保護層22を除去した後は、従来の方法により、ゲート絶縁膜13、ゲート電極14、ソース電極15、ボディ電極16、ドレイン電極17を形成し、図1に示す半導体装置2が完成する。
第2実施例の製造方法は、AlN層21によってマストランスポート現象の進行を緩やかにする。マストランスポート現象の進行が遅くなることで、トレンチ底部に堆積させるp型半導体物質の量(即ち底部p型領域の深さ)を制御し易くなる。また、AlN層21の上にAlN保護層22を設けることで、AlN層21を安定にすることができる。このことも、底部p型領域の深さを制御し易くすることに寄与する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:半導体装置
3:基板
4:ドリフト層
5:ボディ領域
6:ソース領域
7、7a、7b、7c、7d:トレンチ
8:底部p型領域
13:ゲート絶縁膜
14:ゲート電極
15:ソース電極
16:ボディ電極
17:ドレイン電極
21:AlN層
22:AlN保護層
TC:トレンチ底角部

Claims (4)

  1. 窒化物半導体装置の製造方法であり、
    基板の上にn型の窒化物半導体層であるドリフト層を形成するドリフト層形成工程と、
    前記ドリフト層の上にp型のボディ領域を形成するボディ領域形成工程と、
    前記ボディ領域を二分するように前記ドリフト層に達するトレンチを形成するトレンチ形成工程と、
    前記ボディ領域を800℃以上に加熱して前記トレンチの側面に露出している前記ボディ領域のp型の半導体物質を前記トレンチの底へ移動させるマストランスポート工程と、
    アルカリ水溶液で前記トレンチの側面をエッチングして平坦化するアルカリエッチング工程と、
    を備えている、窒化物半導体装置の製造方法。
  2. 前記ボディ領域形成工程と前記トレンチ形成工程の間に、前記ボディ領域の上に窒化アルミニウム層を形成するAlN層形成工程をさらに備えている、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記窒化アルミニウム層の上に、窒化物半導体層を形成するAlN保護層形成工程をさらに備えている、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記アルカリ水溶液は、水酸化テトラメチルアンモニウムを主成分として含んでいる、請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
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