JP7054369B2 - 筆記具 - Google Patents
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「1.軸筒と該軸筒の前部に係止された先口とを有し、前記軸筒の内部に配設され前記先口の前端開口部から前端部が突出する筆記体と、前記軸筒の外周部に配設された把持体と、を備えた筆記具であって、
前記把持体が円筒状の把持部と、前記把持部を固定する固定部とを有し、
前記軸筒の外面に、前記把持体が装着される装着部が形成されると共に、前記装着部に前記把持体の固定部に形成された係止部と係止する被係止部が形成され、
前記先口と前記軸筒とを係止させた状態で、前記先口と前記軸筒とが前記把持体の一方の開口部側から挿入され、前記軸筒の被係止部と前記把持体の係止部とを係止することで前記把持体を前記軸筒に対して着脱自在に構成すると共に、前記軸筒の被係止部と前記把持体の係止部との係止状態を解除して前記把持体を前記軸筒から取り外し、前記先口と前記軸筒とを前記把持体の他方の開口部側から挿入して前記軸筒の被係止部と前記把持体の係止部とを着脱自在に係止することで、前記軸筒に対して前記把持体を前後両方向から着脱可能に構成したことを特徴とする筆記具。
2.前記把持体の把持部の少なくとも一部がゴム弾性を有する合成樹脂で形成されると共に、前記把持体の固定部が複数の部材で構成され、前記把持部を複数の前記固定部で狭持して固定するよう構成したことを特徴とする前記1項に記載の筆記具。
3.前記把持体の固定部に形成する係止部を前後に分けて形成すると共に、前後それぞれの係止部と前記軸筒の装着部に形成した被係止部とを係止可能としたことを特徴とする前記1項または2項に記載の筆記具。
4.前記把持体の係止部と前記軸筒の被係止部とを螺合により係止したことを特徴とする前記1項ないし3項の何れか1項に記載の筆記具。
5.前記把持体の前後方向を逆にして前記軸筒に装着することで前記筆記具の重心位置が軸筒の軸方向に沿って前後に移動するよう構成したことを特徴とする前記1項ないし4項の何れか1項に記載の筆記具。
6.前記固定部を構成する複数の部材の内、少なくとも1部品以上が金属材料で形成されていることを特徴とする前記2項ないし5項の何れか1項に記載の筆記具。」である。
また、軸筒の装着部に形成した被係止部と把持体の内面に形成した係止部との係止手段としては、容易に着脱することができると共に、筆記時や持ち運び時に把持体に力が掛かっても簡単には外れることがないよう構成することが好ましく、その手段は特に限定されることはないが、例えば、係止部に雌螺子部を設け、被係止部に雄螺子部を設けて螺合により着脱不能に係止してもよく、係止部と被係止部とを乗り越え嵌合などでしっかり係止した後、係止部や被係止部に対して指で押圧する等、部分的に力を加えることで係止状態を解除可能に構成してもよい。
尚、ゴム弾性を有する合成樹脂材料としては、例えば、シリコンゴム、熱可塑性エラストマー、ニトリルゴム、ウレタンゴム、イソチレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等の中から選択することができる。
そして、本発明の筆記具を把持して筆記する際、把持体の把持部で把持してもよく、固定部を把持して筆記してもよい。そして、固定部の外周面には塗装や凹凸面(例えばローレット加工等)を施して外観性や滑り難さを向上させてもよい。
これは、係止部を1箇所で形成する場合、係止部は前後どちらからでも軸筒に装着できるよう把持体の前後方向における中間位置に形成する必要があり、係止部と被係止部とを係止させ難くなるが、係止部を把持体の前後に分けて形成する場合、係止部を把持体の両端部に近い位置に形成することができるため、加工及び組み立てが容易となるためである。
尚、係止部と被係止部とを螺合により係止する場合、筆記時の振動により螺合状態が緩むことがないよう、緩み防止手段を設けることがより好ましく、その手段としては軸筒と把持体との間にゴム弾性を有する合成樹脂(例えば、ニトリルゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム等で形成されたOリング)等を挟むことで緩みを防止してもよい。
尚、本発明で、「前方」とは、筆記具における先口側を指し、「後方」とは、その反対側を指す。また、「内方」とは、軸筒の外周部から軸心に向かう方向を指し、「外方」とは、その反対方向を指す
本実施例の筆記具1は、ノック式のボールペンであり、図1及び図2に示すように、軸筒2と、軸筒2内に前後に摺動可能に収納されたボールペンレフィル3(筆記体)と、ボールペンレフィル3の後方に配設された回転カム4と、回転カム4の後方に配置され軸筒2の後部開口部2aから後方に向かって突出するノック体5と、軸筒2の側面に嵌着された金属製のクリップ6と、軸筒2の前部に軸周方向に取り囲むように配設された把持体7と、軸筒2の前部に螺合により着脱自在に係止された先口8と、により構成してある。
また、軸筒2は、軸筒本体9と、軸筒本体9の後部に着脱不能に嵌着された後軸体10と、により構成してある。
そして、軸筒本体9の前部外周面には、第二の雄螺子部9eを形成してある。
尚、第二の固定部材14の後部外周面14cには機械加工によりローレット加工を施すことで、指で把持した際に滑り難くしてある。
尚、第一の固定部材13と第二の固定部材14とを継手16を挟んで各々を圧入して係止することで、第一の固定部13aと第二の固定部14aと継手16の外周面16aとが一体となり、把持部15を狭持して装着する固定部7fとなる。
そして、図5に示すように、把持体7の後部開口部7e(一方の開口部)の外径寸法L1と、前部開口部7b(他方の開口部)の外径寸法L2とは、略同一の寸法で形成してある。
更に、軸筒本体8の中央外周部8dと把持体7の後部開口部7eの外径寸法L3を略同一に形成することで、把持体7の前後方向を入れ替えても軸筒本体8との各外周部が段差のない連続面となるよう形成してある。
また、本実施例では筒状の継手16を用いているため、継手16の長さを変えることで把持体7を長手方向に伸ばしたり短く形成することが容易である。更に、外観部品となる第一の固定部材13及び第二の固定部材14の全長を短く形成できるため、メッキや塗装等の加飾に掛かる費用を抑えることができると共に、化学処理や機械処理による外周面へのローレット加工、切削加工による成形等がし易くなることで製作時のコストを抑える効果を奏する。
また、先口8の後部内面には、軸筒本体9の雄螺子部9cと着脱自在に螺合により係止する雌螺子部8bが形成してあり、更に、先口8の内面に形成された内段部8cとボールペンレフィル3の外段部3aとの間にコイルスプリング18を張架することで、コイルスプリング18によりボールペンレフィル3を後方に弾発してある。
また、後筒部10bの外周面には外方に突出する突起部10dを形成してあり、突起部10dにクリップ6を嵌着し固定してある。
また、図4のボールペンレフィル3の前端が突出した状態で、再度ノック体5が前方へ押圧操作(ノック操作)されると、回転カム機構19の作用によって回転カム4の軸方向後方への相対移動が許容され、コイルスプリング18の弾発力によってボールペンレフィル3及びノック体5が軸方向後方に押し戻されて初期状態(図1の状態)に復帰するように構成してある。
尚、ノック体5はABS樹脂(比重:1.05)を用いて形成し、回転カム4はPOM樹脂(比重:1.4)を用いて形成してある。
図2に示すように、把持体7は軸筒本体9(軸筒2)の装着部9bに螺着されており、軸筒本体9に対して把持体7を反時計回り(左回し)することで、把持体7の後部雌螺子部7eと軸筒本体9の第一の雄螺子部9cとの螺合を解除し、その状態で、軸筒2に対して把持体7を前方へ引き抜くことで先口8を取り外すことなく容易に把持体7を軸筒2から取り外すことができる。(図5の状態)
図5の状態で、図6のように把持体7の前後方向を逆にして先口8と軸筒2とを把持体7の前部開口部から再挿入し、軸筒本体の第一の雄螺子部9cと把持体7の前部雌螺子部7cとを螺着することで把持体7を軸筒2に先口8を取り外すことなく容易に取り付けることができる。(図7及び図8の状態)
尚、具体的に、本実施例における筆記具1の筆記時の重心位置は、把持体7が図4の向きにある場合は、ボールペンチップ12のボールの先端から53.3mm、把持体の前後方向を逆にして再装着した場合では、ボールペンチップ12のボールの先端から47.8mmとなるため、図1の状態から図7のように把持体7の前後方向を入れ替えることで重心が前方側へ移動し、これにより把持感触が変化した。
2…軸筒、2a…後部開口部、
3…ボールペンレフィル、3a…外段部、
4…回転カム、
5…ノック体、
6…クリップ、
7…把持体、7a…内孔、7b…前部開口部(一方の開口部)、
7c…前部雌螺子部(係止部)、7d…後部開口部(他方の開口部)、
7e…後部雌螺子部(係止部)、7f…固定部、
8…先口、8a…前端開口部、8b…雌螺子部、8c…内段部、8d…中央外周部
9…軸筒本体、9a…前部外周面、9b…装着部、9c…第一の雄螺子部(被係止部)、
9d…溝部、9e…第二の雄螺子部、9f…係止凹部、
10…後軸体、10a…前筒部、10b…後筒部、10c…係止突部、
10d…突起部、10e…カム溝、
11インキ収容筒、
12…ボールペンチップ、
13…第一の固定部材、13a…第一の固定部、13b…後部係着部、
14…第二の固定部材、14a…第二の固定部、14b…前部係着部、
15…把持部、
16…継手、16a…外周面、
17…Oリング、
18…コイルスプリング、
19…回転カム機構。
Claims (6)
- 軸筒と該軸筒の前部に係止された先口とを有し、前記軸筒の内部に配設され前記先口の前端開口部から前端部が突出する筆記体と、前記軸筒の外周部に配設された把持体と、を備えた筆記具であって、
前記把持体が円筒状の把持部と、前記把持部を固定する固定部とを有し、
前記軸筒の外面に、前記把持体が装着される装着部が形成されると共に、前記装着部に前記把持体の固定部に形成された係止部と係止する被係止部が形成され、
前記先口と前記軸筒とを係止させた状態で、前記先口と前記軸筒とが前記把持体の一方の開口部側から挿入され、前記軸筒の被係止部と前記把持体の係止部とを係止することで前記把持体を前記軸筒に対して着脱自在に構成すると共に、前記軸筒の被係止部と前記把持体の係止部との係止状態を解除して前記把持体を前記軸筒から取り外し、前記先口と前記軸筒とを前記把持体の他方の開口部側から挿入して前記軸筒の被係止部と前記把持体の係止部とを着脱自在に係止することで、前記軸筒に対して前記把持体を前後両方向から着脱可能に構成したことを特徴とする筆記具。 - 前記把持体の把持部の少なくとも一部がゴム弾性を有する合成樹脂で形成されると共に、前記把持体の固定部が複数の部材で構成され、前記把持部を複数の前記固定部で狭持して固定するよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
- 前記把持体の固定部に形成する係止部を前後に分けて形成すると共に、前後それぞれの係止部と前記軸筒の装着部に形成した被係止部とを係止可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載の筆記具。
- 前記把持体の係止部と前記軸筒の被係止部とを螺合により係止したことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の筆記具。
- 前記把持体の前後方向を逆にして前記軸筒に装着することで前記筆記具の重心位置が軸筒の軸方向に沿って前後に移動するよう構成したことを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の筆記具。
- 前記固定部を構成する複数の部材の内、少なくとも1部品以上が金属材料で形成されていることを特徴とする請求項2ないし5の何れか1項に記載の筆記具。
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