JP7054192B2 - 蓄電素子用セパレータの製造方法 - Google Patents

蓄電素子用セパレータの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、リチウム二次電池、リチウムイオンキャパシタ、キャパシタ、コンデンサ等蓄電素子用のセパレータの製造方法に関する。
リチウム二次電池等の蓄電素子は、電池の破損等により内部短絡または外部短絡が生じた場合には、大電流が流れて異常発熱することがある。そのため、リチウム二次電池には一定以上の発熱を防止し、高い安全性を確保することが重要である。この安全性確保手段として、異常発熱の際に、セパレータに、電極間のイオンの通過を遮断して、発熱を防止するシャットダウン機能を持たせる方法が広く実用化されている。
このシャットダウン機能を有するセパレータとしては、例えば、多孔質ポリオレフィンフィルムが用いられる。この多孔質フィルムからなるセパレータは、電池の異常発熱時には、110~160℃でポリオレフィンが溶融して無孔化するためイオンの通過をシャットダウンすることができる。しかしながら、このポリオレフィン製セパレータは、高温になると収縮や破断が起こりやすいので、場合によっては、正極と負極が直接接触して、短絡を起こすおそれがあり、短絡による異常発熱を抑制できないことがある。
このような問題を解決する方法として、多孔質ポリオレフィンフィルム等の多孔質基材(以下、「S層」と略記することがある)にポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂からなる多孔質層を積層することにより、高温での形状安定性を向上させる方法が提案されている。この積層セパレータは、耐熱層を構成するフッ素系樹脂そのものの耐熱性が低いので、高温時での収縮による形状安定性は必ずしも充分ではなかった。そこで、S層にポリイミド、アラミド等の耐熱性樹脂からなる多孔質層を積層することにより、高温での形状安定性を確保する方法が提案されている。例えば、特許文献1、2には、耐熱性樹脂(例えば、アラミド樹脂)とその良溶媒(例えば、アミド系溶媒)とを含む溶液をS層の表面に塗工後、これを前記耐熱性樹脂の貧溶媒(例えば、アルコール系溶媒)からなる凝固浴に浸漬して、相分離を起こさせて多孔質化を図る方法が提案されている。 このような凝固液を用いる方法は、凝固浴から凝固液を含む廃液が発生するので、環境適合性、経済性等の観点から問題があった。
このような問題を解決するための方法として、特許文献3には、ポリアミドイミド(PAI)と、アミド系溶媒(PAIに対する良溶媒)と、ジエチレングリコール、デカノール等のアルコール系溶媒(PAIに対する貧溶媒)と、フィラとを含有する塗液を、S層に塗布、乾燥して、イオン透過性を有する多孔質PAI層(以下、「P層」と略記することがある)を形成する方法が開示されている。しかしながら、このような塗液を用いて得られるP層が積層されたセパレータでは、十分なイオン透過性が得られなかった。また、S層とP層との接着性が充分ではなく、信頼性の観点からも改良すべき点があった。
特開2005-209570号公報 特開2010-50024号公報 特開2006-59733号公報
そこで本発明は、前記課題を解決するものであって、本発明は、イオン透過性に優れ、S層とP層とが良好な接着性を有する蓄電素子用のセパレータを、簡便かつ経済的に製造する方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、S層の表面に、アミド系溶媒と、トリプロピレングリコール(TPG)と、フィラとを含有するPAI塗液を塗布し、これを加熱、乾燥してP層を形成させて積層一体化することにより、イオン透過性と接着性とが良好な耐熱性セパレータが製造できることを見出し、本発明に到達した。
本発明は下記を趣旨とするものである。
<1> 蓄電素子用セパレータを製造するための方法であって、S層の表面に、PAIと、PAIに対する良溶媒と貧溶媒とからなる混合溶媒と、を含む塗液を塗布して塗膜を形成し、しかる後、前記塗膜中の溶媒を除去する際、塗膜中に残存する貧溶媒の作用を利用して塗膜内で相分離を起こさせて、イオン透過性を有するP層を形成せしめることにより、S層とP層とを積層一体化する蓄電素子用セパレータの製造方法において、前記塗液が以下の特徴を有する蓄電素子用セパレータの製造方法。
(1) 良溶媒としてアミド系溶媒を含有する。
(2) 貧溶媒としてTPGを含有する。
(3) フィラを含有する。
<2> フィラが、アルミナ、ベーマイトから選ばれる少なくとも1種であり、その平均粒子径が0.02μm以上、1μm未満である前記蓄電素子用セパレータの製造方法。
本発明の方法により、イオン透過性に優れ、P層とS層とが良好な接着性を有する耐熱性の蓄電素子用セパレータを簡便かつ経済的に製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の蓄電素子用セパレータの製造方法においては、S層の表面(両面または片面)にPAIを含む塗液を塗布して塗膜を形成し、しかる後、前記塗膜中の溶媒を加熱除去することにより、P層を形成させてS層に積層一体化する。
S層は、その内部に連結した細孔を有する構造を持ち、一方の面から他方の面に気体や液体が透過可能な、多孔質基材であり、本発明の積層多孔質フィルムの基材となるものである。
S層としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、セルロース等からなる多孔質フィルム、不織布、織布等を用いることができる。これらの中で、シャットダウン性能の観点から、ポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルムが好ましい。 ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン等のホモポリマーまたはコポリマーを用いることができる。これらのポリオレフィン樹脂は、単独、または2種以上混合して用いることができる。
これらS層として用いられる多孔質基材は市販品を用いることができる。
S層の透気度は、ガーレ値(JIS規格P8117)で10秒/100cc以上、700秒/100cc以下であることが好ましく、50秒/100cc以上、300秒/100cc以下であることがより好ましい。S層の厚みに制限はないが、通常、5~50μmである。なお、透気度は、イオン透過性を表す指標であり、この値が小さいほど、イオン透過性が大きい。
本発明の蓄電素子用セパレータの製造方法においては、S層の表面に、PAIと、アミド系溶媒と、TPGと、フィラとを含む塗液を塗布して塗膜を形成し、しかる後、前記塗膜中の溶媒を除去する際、塗膜中に残存する貧溶媒の作用を利用して塗膜内で相分離を起こさせて、良好なイオン透過性を有する多孔質PAI層を形成させる。
P層を形成するPAIは、原料であるトリカルボン酸成分とジアミン成分との重縮合反応を行うことにより得られる高分子である。
PAIのトリカルボン酸成分は、1分子あたり3個のカルボキシル基(その誘導体を含む)および1個以上の芳香環を有する有機化合物であって、当該3個のカルボキシル基のうち、少なくとも2個のカルボキシル基が酸無水物形態を形成し得る位置に配置されたものである。
芳香族トリカルボン酸成分として、例えば、ベンゼントリカルボン酸成分、ナフタレントリカルボン酸成分を挙げることができる。
ベンゼントリカルボン酸成分の具体例として、例えば、トリメリット酸、ヘミメリット酸、ならびにこれらの無水物およびそのモノクロライドを挙げることができる。
ナフタレントリカルボン酸成分の具体例として、例えば、1,2,3-ナフタレントリカルボン酸、1,6,7-ナフタレントリカルボン酸、1,4,5-ナフタレントリカルボン酸、ならびにこれらの無水物およびそのモノクロライドを挙げることができる。
芳香族トリカルボン酸成分の中では、トリメリット酸および無水トリメリット酸クロライド(TAC)が好ましい。
トリカルボン酸成分は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、トリカルボン酸成分は、その一部がテレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、3,3′,4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′-ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の成分で置換されたものを用いてもよい。
PAIのジアミン成分は、1分子あたり2個の1級アミノ基(その誘導体を含む)および1個以上の芳香環を有する有機化合物である。
芳香族ジアミン成分の具体例として、例えば、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル(DADE)、m-フェニレンジアミン(MDA)、p-フェニレンジアミン、4,4′-ジフェニルメタンジアミン(DMA)、4,4′-ジフェニルエーテルジアミン、ジフェニルスルホン-4,4′-ジアミン、ジフェニルー4,4′-ジアミン、o-トリジン、2,4-トリレンジアミン、2,6-トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ナフタレンジアミン、ならびにこれらのジイソシアネート誘導体を挙げることができる。
芳香族ジアミン成分の中では、DADE、MDAおよびDMAが好ましい。
芳香族ジアミン成分は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
PAIは、通常、200℃以上のガラス転移温度を有する。ガラス転移温度は、DSC(示差熱分析)により測定された値を用いている。
本発明で用いられるPAI塗液には、PAIに対する良溶媒と貧溶媒とからなる混合溶媒が含まれている。ここで、良溶媒とは、PAIに対する25℃での溶解度が、1質量%以上である溶媒のことであり、貧溶媒とは、PAIに対する25℃での溶解度が、1質量%未満である溶媒のことである。
本発明では良溶媒として、アミド系溶媒を用いる。アミド系溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP 沸点:202℃)、N,N-ジメチルホルムアミド(沸点:153℃)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc 沸点:166℃)を挙げることができる。アミド系溶媒は、これらを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、NMPが好ましい。
本発明で用いられる貧溶媒は、TPGであることが必要である。TPGを用いることにより、従来にはない高いイオン透過性と、S層に対する接着性とを確保することができる。 なお、本発明の効果を損なわない範囲で、他のアルコール溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒等を、TPGと混合して用いることができる。
混合溶媒中におけるTPG(貧溶媒)の含有量は、全溶媒質量に対し、1質量%以上、50質量%未満であることが好ましく、5質量%以上、30質量%以下とすることがより好ましい。溶媒組成を前記のようにすることにより、PAI塗液から得られる塗膜を乾燥して固化させる際に、塗膜中に残存するTPG(貧溶媒)の作用により、効率よく相分離が起こり、良好なイオン透過性を有するP層を得ることができる。なお、このような溶媒組成を有するPAI塗液については、特開2016-222912号公報を参照することができる。
本発明の蓄電素子用セパレータの製造方法に用いる塗液は、前記PAI塗液にフィラを配合することが必要である。このようにすることにより、形成されるP層の良好なイオン透過性と、S層に対する接着性とを確保することができる。すなわち、TPGの作用により形成される多孔質構造と、フィラの配合により形成される多孔質構造の驚くべき相乗効果により、良好なイオン透過性と接着性が得られるのであり、例えば、ジエチレングルコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、デカノール等、他の高沸点アルコールでは、このような相乗効果を得ることはできない。
フィラとしては、有機フィラ、無機フィラおよびその混合物等を用いることができるが、S層に対する接着性の観点から、無機フィラを用いることが好ましい。有機フィラの具体例としては、例えば、スチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル等の単独または2種類以上の共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、4フッ化エチレン-6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン-エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド等のフッ素系樹脂等の重合体からなる粉体を挙げることができる。有機フィラは、単独または2種以上を混合して用いることができる。無機フィラとしては、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、炭酸塩、硫酸塩等の無機物からなる粉体を挙げることができる。具体例としては、アルミナ、ベーマイト(酸化水酸化アルミニウム)、カオリン(ケイ酸アルミニウム)、シリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等からなる粉体を挙げることができる。無機フィラは、単独または2種以上を混合して用いることができる。これらの無機フィラの中でも、S層に対する接着性の観点から、アルミナ、ベーマイト、およびその混合物が好ましい。
フィラの形状に制限はなく、略球状、キューブ状、板状、柱状、針状、ウィスカー状、繊維状等の粒子を用いることができ、略球状またはキューブ状が好ましい。
フィラの平均粒子径に制限はないが、0.01μm以上、2μm以下であることが好ましく、0.02μm以上、1μm未満であることがより好ましい。平均粒子径はレーザ回折散乱法に基づく測定装置により測定することができる。
フィラは、その表面が、界面活性剤やシランカップラのような表面処理剤で処理されていてもよい。
フィラ配合量は、PAI固形分との質量比(PAI/フィラ)で、80/20~10/90とすることが好ましく、70/30~20/80とすることがより好ましい。
PAI塗液中におけるPAI固形分濃度は、1~50質量%が好ましく、2~30質量%がより好ましい。
PAI塗液には、必要に応じて、各種界面活性剤やシランカップラ等、公知の添加物を、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。また、必要に応じて、PAI塗液に、PAI以外の他のポリマーを、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
前記のようにして得られた PAI塗液を、S層の表面に塗布し、90℃~180℃で乾燥することにより、イオン透過性が良好なPAI多孔質層を形成することができる。PAI多孔質層の厚みに制限はないが、1~20μmとすることが好ましく、2~10μmとすることがより好ましい。
PAI塗液を塗布するに際しては、ロールツーロールにより連続的に塗布する方法、枚様で塗布する方法が採用でき、いずれの方法でもよい。塗布装置としては、ダイコータ、多層ダイコータ、グラビアコータ、コンマコータ、リバースロールコータ、ドクタブレードコータ等が使用できる。
このようにして得られた積層セパレータの透気度は、ガーレ値(JIS規格P8117)で30秒/100cc以上、500秒/100cc以下とすることが好ましく、50秒/100cc以上、300秒/100cc以下であることがより好ましい。このようにすることにより、良好なイオン透過性を確保することができる。
また、得られた積層セパレータのS層とP層との接着強度は、後述する接着強度測定方法において、0.5N/cm以上とすることが好ましく、0.7N/cm以上とすることがより好ましい。このようにすることにより、良好な接着性が得られ、蓄電素子セパレータとしての信頼性を確保することができる。
以上述べた如く、イオン透過性と接着性に優れた蓄電素子用セパレータを、簡単なプロセスで容易に製造することができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお本発明は実施例により限定されるものではない。
下記の実施例及び比較例において得られた積層セパレータの特性等は、以下の方法で評価した。
(1)イオン透過性
JIS規格P8117に基づく通気度を測定することによりイオン透過性を評価した。
(2)接着特性
P層の片面を粘着テープで補強した後、25mm幅に裁断して、試験用サンプルとした。23℃、50%RH条件下でテンシロン型引張り試験機を用いて、ピール法(剥離速度100mm/分、T型剥離)により、S層とP層との接着強度を測定することにより評価した。なお、測定開始から測定終了までの100mmの間において、経時的に測定し、測定値の平均値を算出し、幅1cmに換算して接着強度とした。
<実施例1>
特開2016-222912号公報の記載に準拠してPAI溶液を調製した。すなわち、TACと、DADEおよびMDAとを共重合(共重合モル比:DADE/MDA=7/3)して得られるPAI粉体(ガラス転移温度280℃)を、NMPとTPGとからなる混合溶媒(質量比 NMP/TPG=90/10)に、30℃で溶解して、PAIの固形分濃度が13質量%の均一なPAI溶液(A-1)を得た。A-1に、前記混合溶媒と市販の略球状アルミナ粉体(平均粒子径:0.5μm)を加え、ボールミルで混合することによりPAI塗液(L-1)を得た。L-1の固形分濃度は、25質量%であり、PAIとアルミナの質量比は、PAI/アルミナ=40/60であった。L-1を、厚み20μm、通気度214秒/100cc、気孔率45体積%の市販ポリエチレン製セパレータ両面に塗布し、100℃で20分乾燥することにより、厚みが5μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(P-1)を得た。P-1のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<実施例2>
PAIとアルミナの質量比を、PAI/アルミナ=30/70としたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(L-2)を得た。L-2を用い、実施例1と同様にして、厚みが5μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(P-2)を得た。P-2のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<実施例3>
PAIとアルミナの質量比を、PAI/アルミナ=50/50としたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(L-3)を得た。L-3を用い、実施例1と同様にして、厚みが5μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(P-3)を得た。P-3のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<実施例4>
PAIとアルミナの質量比を、PAI/アルミナ=60/40としたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(L-4)を得た。L-4を用い、実施例1と同様にして、厚みが5μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(P-4)を得た。P-4のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<実施例5>
NMPとTPGとからなる混合溶媒の質量比を「NMP/TPG=80/20」としたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(L-5)を得た。L-5を用い、実施例1と同様にして、厚みが7μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(P-5)を得た。P-5のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<実施例6>
NMPとTPGとからなる混合溶媒の質量比を「NMP/TPG=93/7」としたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(L-6)を得た。L-6を用い、実施例1と同様にして、厚みが3μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(P-6)を得た。P-6のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<実施例7>
市販ポリエチレン製セパレータとして、厚み16μm、通気度156秒/100cc、気孔率43体積%のものを用いたこと以外は、L-1を用い、実施例1と同様にして、厚みが5μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(P-7)を得た。P-7のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<実施例8>
フィラとして、平均粒子径が0.2μmの略球状アルミナ粉体(市販品)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(L-8)を得た。L-8を用い、実施例1と同様にして、厚みが3μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(P-8)を得た。P-8のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<実施例9>
フィラとして、平均粒子径が0.7μmのキューブ状ベーマイト粉体(市販品)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(L-9)を得た。L-9を用い、実施例1と同様にして、厚みが3μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(P-9)を得た。P-9のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<実施例10>
フィラとして、平均粒子径が0.7μmのキューブ状ベーマイト粉体(市販品)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(L-10)を得た。L-10を用い、実施例1と同様にして、厚みが3μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(P-10)を得た。P-10のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<実施例11>
フィラとして、平均粒子径が0.5μmの略球状シリカ粉体(市販品)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(L-11)を得た。L-11を用い、実施例1と同様にして、厚みが3μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(P-11)を得た。P-11のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<比較例1>
PAI粉体を溶解させるための溶媒としてNMPのみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(M-1)を得た。M-1を用い、実施例1と同様にして、厚みが5μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(R-1)を得た。R-1のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<比較例2>
TPGをエチレングリコールとしたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(M-2)を得た。M-2を用い、実施例1と同様にして、厚みが5μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(R-2)を得た。R-2のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<比較例3>
TPGをジエチレングリコールとしたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(M-3)を得た。M-3を用い、実施例1と同様にして、厚みが5μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(R-3)を得た。R-3のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<比較例4>
TPGをトリエチレングリコールとしたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(M-4)を得た。M-4を用い、実施例1と同様にして、厚みが5μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(R-4)を得た。R-4のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<比較例5>
TPGをデカノールとしたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(M-5)を得た。M-5を用い、実施例1と同様にして、厚みが5μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(R-5)を得た。R-5のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<比較例6>
TPGをジプロピレングリコールとし、市販ポリエチレン製セパレータとして、厚み16μm、通気度156秒/100cc、気孔率43体積%のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚みが5μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(R-6)を得た。R-6のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<比較例7>
実施例1で得られたPAI溶液(A-1)を用い、実施例1と同様にして、厚みが5μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(R-7)を得た。R-7のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<比較例8>
TPGをデカノールとし、フィラとして、平均粒子径が1μmのガラス粉体(市販品)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(M-8)を得た。M-8を用い、実施例1と同様にして、厚みが3μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(R-8)を得た。P-8のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
<比較例9>
TPGをデカノールとし、フィラとして、平均粒子径が0.3μmのポリテトラフルオロエチレン(市販品)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、PAI塗液(M-9)を得た。M-9を用い、実施例1と同様にして、厚みが3μmのP層が両面に形成された積層セパレータ(R-9)を得た。R-9のイオン透過性、接着特性評価結果を表1に示した。
Figure 0007054192000001
実施例、比較例で示したように、本発明の製造法で得られる蓄電素子用セパレータは、そのP層において、貧溶媒であるTPGと、アルミナ、ベーマイト等のフィラと、による相乗的な作用による気孔形成ができるので、P層が積層一体化されたセパレータの良好なイオン透過性と接着性とを確保できることが判る。また、本発明の製造方法によれば、環境適合性に優れた簡単なプロセスで、安全性の高い積層セパレータを製造することができる。
本発明の蓄電素子用セパレータの製造方法は、環境適合性、経済性に優れる。また、得られる積層セパレータは、イオン透過性と接着特性に優れる。従い、安全性に優れた蓄電素子用セパレータとして好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 蓄電素子用セパレータを製造するための方法であって、多孔質基材の表面にポリアミドイミド(PAI)と、PAIに対する良溶媒と貧溶媒とからなる混合溶媒と、を含む塗液を塗布して塗膜を形成し、しかる後、前記塗膜中の溶媒を除去する際、塗膜中に残存する貧溶媒の作用を利用して塗膜内で相分離を起こさせて、イオン透過性を有する多孔質PAI層を形成せしめることにより、多孔質基材と、前記多孔質PAI層とを積層一体化する蓄電素子用セパレータの製造方法において、前記塗液が以下の特徴を有する蓄電素子用セパレータの製造方法。
    (1) 良溶媒としてアミド系溶媒を含有する。
    (2) 貧溶媒としてトリプロピレングリコール(TPG)を含有する。
    (3) フィラを含有する。
  2. フィラが、アルミナ、ベーマイトから選ばれる少なくとも1種であり、その平均粒子径が0.02μm以上、1μm未満である請求項1記載の蓄電素子用セパレータの製造方法。
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