JP6962553B2 - 蓄電素子セパレータ用積層体および蓄電素子用セパレータの製造方法 - Google Patents

蓄電素子セパレータ用積層体および蓄電素子用セパレータの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、安全性に優れた蓄電素子用セパレータに適用される積層体およびこれを用いた蓄電素子用セパレータの製造方法に関する。
リチウム二次電池、リチウムイオンキャパシタ、キャパシタ、コンデンサ等の蓄電素子において、電極表面の傷や凹凸が原因となって、電極に接しているセパレータの電気絶縁性を破壊することがある。その結果、電気的な内部短絡が生じた場合には、大電流が流れて異常発熱することがある。そのため、リチウム二次電池等の蓄電素子においては一定以上の発熱を防止し、高い安全性を確保することが重要である。
この安全性確保手段として、異常発熱の際に、セパレータに、電極間のイオンの通過を遮断して、発熱を防止するシャットダウン機能を持たせる方法が広く実用化されている。 このシャットダウン機能を有するセパレータとしては例えば、ポリオレフィン(PO)からなる多孔質フィルムが用いられる。この多孔質フィルムからなるセパレータは、電池の異常発熱時には、110〜160℃でPOが溶融して無孔化するためイオンの通過をシャットダウンすることができる。しかしながら、このPO製セパレータは、高温になると収縮や破断が起こりやすいので、場合によっては、正極と負極が直接接触して、短絡を起こすおそれがあり、短絡による異常発熱を抑制できないことがある。
このような問題を解決する方法として、多孔質PO層にポリイミド(PI)等の耐熱性樹脂からなる多孔質層を積層することにより、高温での形状安定性を確保する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、シリカ粒子等のポロゲンを配合したPI前駆体溶液を多孔質POフィルム上に塗布後、無水酢酸溶液等を用いた化学イミド化を行い、多孔質PO層の表面にPI層を形成した後、フッ酸水溶液等の溶液で処理してポロゲンであるシリカ粒子等を除去することによりPIを多孔質化して、多孔質PI層と多孔質PO層からなる積層体を製造する方法が開示されている。 このような方法を用いると、化学イミド化工程やシリカ粒子除去工程において大量の廃液が発生するため、環境適合性の観点から問題があった。 このような問題を解決するため、特許文献2には、多孔質POフィルムの表面に、PI前駆体、ポリアミドイミド等のPI系高分子と溶媒とを含む塗液を塗布して塗膜を形成し、しかる後、前記塗膜中の溶媒を除去後、必要に応じ、熱イミド化することにより、塗膜内で相分離を起こさせて多孔質PI層を形成せしめることにより多孔質PI層と多孔質PO層からなる積層体を製造する方法が開示されている。この方法を用いることにより、廃液等を発生させることなく、耐熱性、力学的特性に優れ、かつ多孔質PO層との密着性の高い多孔質PI層を多孔質PO層の表面に形成させることができる。
国際公開2013/084368号 国際公開2014/106954号
しかしながら、特許文献2で開示された方法において、多孔質PI層形成用として、PI前駆体を用いた場合は、熱イミド化を200℃以上の高温で行う必要のある場合があり、耐熱性に乏しい多孔質POフィルムの表面上に形成されたPI前駆体被膜を、熱イミド化することが困難な場合があった。また、多孔質形成用のPI溶液を直接、多孔質POフィルム表面に塗布する際、塗液の粘度が低い場合に、液だれ等が起こり厚み斑の生じることがあった。
そこで本発明は、前記課題を解決するものであって、耐熱性、力学的特性に優れ、かつ多孔質PO層との密着性の高い多孔質PI層を多孔質PO層の表面に形成させることができる積層体およびこの積層体を用いた蓄電素子用セパレータの製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、積層体の構成を特定の物とした上で、この積層体から基材を剥離することにより、多孔質PO層との密着性が高い多孔質PI層を、多孔質PO層の表面に形成させることができることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は下記を趣旨とするものである。
<1> 多孔質PO層、多孔質PI層、基材が、この順に積層された積層体であって、多孔質PI層と基材との剥離強度が2.0N/cm以下であることを特徴とする蓄電素子セパレータ用積層体。
<2> 前記積層体から基材を剥離することを特徴とする蓄電素子用セパレータの製造方法。
本発明の積層体を用いることにより、耐熱性、力学的特性、イオン透過性に優れた均一な多孔質PI層を多孔質PO層の表面に形成させることができる。
本発明の蓄電素子セパレータ用積層体は、多孔質PO層、多孔質PI層、基材が、この順に積層された積層体である。多孔質PO層を形成する多孔質POフィルムは、ポリエチレンやポリプロピレンフィルムを延伸開孔法や相分離法等公知の方法によって製造されるものであり、リチウム二次電池等の蓄電素子用セパレータとして汎用されているものである。これらのフィルムの詳細は、例えば、Journal of Power Sources 164 (2007) 351-364、Chem.Rev.104(2004)4419−4462等の文献に記載されているように、厚みが5〜50μm、イオン抵抗率が1.0〜4.0Ωcm 、気孔率が30〜60体積%のものを用いることが好ましい。 これら多孔質POフィルムは市販品を用いることができる。
多孔質PI層を形成するPIとは、主鎖にイミド結合を有する高分子もしくはその前駆体のことである。これらPIの中で、その前駆体としてポリアミック酸(PAA)を用いた熱硬化型PI(熱硬化してPIとした時に、N−メチル−2−ピロリドン等の汎用溶媒に不溶となるPI)、可溶性PI(N−メチル−2−ピロリドン等の汎用溶媒に可溶なPIで、「SPI」と略記することがある)、ポリアミドイミド(PAI)が、好ましく用いられる。蓄電素子用電極の優れた安全性と良好なサイクル特性を確保する観点から、これらPIの中でも、力学的特性や耐熱性に優れた芳香族系PIが好ましい。
多孔質PI層の気孔率は、30〜90体積%であることが好ましく、40〜80体積%であることがより好ましい。気孔率をこのように設定することにより、良好な力学的特性と、活物質の体積変化に伴う応力緩和のための良好なクッション性とが同時に確保される。このため、安全性にすぐれ、かつ良好なサイクル特性を有する電極を得ることができる。多孔質PI層の気孔率は、多孔質PI層の見掛け密度と、多孔質PI層を構成するPIの真密度(比重)とから算出される値である。詳細には、気孔率(体積%)は、多孔質PI層の見掛け密度がA(g/cm)、PIの真密度がB(g/cm)の場合、次式により算出される。
気孔率(体積%) = 100−A*(100/B)
本発明における多孔質PI層の平均気孔径は、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。平均気孔径をこのように設定することにより、良好なイオン透過性が確保される。
本発明の積層体において、多孔質PI層は、基材上に形成されており、多孔質PI層と基材との剥離強度が2.0N/cm以下であり、1.5N/cm以下であることが好ましく、1.0N/cm以下であることがより好ましい。このようにすることにより、多孔質PI層の良好な剥離性を確保することができる。 ここで、剥離強度とは、JIS K6854に基づいて180°剥離試験により測定された値をいう。
基材上に、多孔質PI層を形成するには、例えば、基材上に、多孔質PIが形成可能なPI溶液を塗布して塗膜を形成し、これを100〜150℃で乾燥後、必要に応じ、200〜350℃で熱硬化を行うことにより得ることができる。 多孔質熱硬化型PI層が形成できるPAA溶液としては、例えば、特許第5944613号公報、特許第4947989号公報等に開示されている溶液を用いることができる。また、多孔質PAI層や多孔質SPI層が形成できるPI溶液としては、例えば、特許文献2や国際公開2015/108114号に開示されている溶液を用いることができる。これらの特許文献に開示されている溶液は、溶質としてPI、溶媒としてPIの貧溶媒および良溶媒が含有されている。PI溶液中に含まれる貧溶媒の作用により、塗膜乾燥に際、相分離が誘起され、PIの多孔質構造が形成される。
PI溶液中におけるPIの固形分濃度は、1〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。また、PI溶液の30℃における粘度は、1〜100Pa・sが好ましく、2〜50Pa・sがより好ましい。
PI溶液には、必要に応じて、各種界面活性剤や有機シランカップリング剤のような公知の添加物を、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。また、必要に応じて、PI以外の他のポリマーを、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
前記PI溶液には、フィラを配合することができる。フィラを配合することにより、多孔質PI層のイオン透過性をさらに向上させることができる。このフィラの種類に制限は無く、有機フィラ、無機フィラおよびその混合物等を用いることができる。有機フィラの具体例としては、例えば、スチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル等の単独または2種類以上の共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド等のフッ素系樹脂等の重合体からなる粉体を挙げることができる。有機フィラは、単独または2種以上を混合して用いることができる。無機フィラとしては、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、炭酸塩、硫酸塩等の無機物からなる粉体を挙げることができる。具体例としては、アルミナ、シリカ、ベーマイト、タルク、二酸化チタン、ジルコニア、硫酸バリウムまたは炭酸カルシウム等からなる粉体を挙げることができる。無機フィラは、単独または2種以上を混合して用いることができる。これらの無機フィラの中でも、化学的安定性の観点から、アルミナ粉体が好ましい。
フィラの形状に制限はなく、略球状、板状、柱状、針状、ウィスカー状、繊維状等の粒子を用いることができ、略球状粒子が好ましい。略球状粒子のアスペクト比(粒子の長径/粒子の短径)は1以上、1.5以下とすることが好ましい。
フィラの平均粒子径に制限はないが、0.01μm以上、2μm以下であることが好ましい。平均粒子径はレーザ回折散乱法に基づく測定装置により測定することができる。
フィラは、その表面が、界面活性剤やシランカップラのような表面処理剤で処理されていてもよい。
フィラ配合量に制限はないが、通常、PI固形分に対し、10〜1000質量%であり、50〜600質量%とすることが好ましい。
前記のようにして得られたPI溶液には、基材との離型性を向上させるために、離型剤を配合することが好ましい。 離型剤としては、特許5283408号公報に開示されているようなステアリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸や、そのアミド、金属塩が好ましい。離型剤の配合量としては、PI固形分100質量部に対して0.01〜2質量部とすることが好ましい。
このような溶液組成とすることにより、基材上にこれらのPI溶液を塗布、乾燥、必要に応じ熱硬化することにより、剥離強度が2.0N/cm以下の多孔質PI層を、基材上に形成させることができる。多孔質PI層の厚さは0.2〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。
基材へのPI溶液の塗布は、任意の塗工機を用いて行うことができるが、ダイコーター、リップコーター、グラビアコーター、バーコーター、ドクターブレードコーター、コンマコーター、リバースロールコーター、バーリバースロールコーターなどが挙げられる。また、特性の向上などを目的として多層塗布することも可能であり、その際、各層のPI溶液は同じであっても異なっていてもよい。
基材としては、乾燥工程や熱硬化工程に耐えうる材質であれば特に限定されないが、金属箔、(銅、アルミニウム、鉄、銀、パラジウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステンまたはそれらの合金等)、ポリエステル系フィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、芳香族ポリイミド系フィルム、フッ素樹脂系フィルム(ポリテトラフルオロエチレン等)等が挙げられる。 これらの中で、アルミニウム箔やポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。これらの基材は、表面が平滑であることが好ましい。 また、表面に耐熱性の離型層が形成された離型用の金属箔やプラスチックフィルムも好ましく用いることができる。 これらの離型用金属箔やプラスチックフィルムは、市販品を用いることができる。
本発明の積層体は、基材上に形成された多孔質PI層の外表面に前記多孔質PO層が積層されている。 多孔質PI層と多孔質PO層は強固に接着していることが好ましい。そのようにするためには、多孔質PI層と多孔質PO層とを接着剤を用いて接着させることが好ましい。
接着剤としては、(メタ)アクリル酸エステル系高分子、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル化スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリビニルピロリドン、ポリエピクロロヒドリン、ポリホスファゼン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリビニルピリジン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、熱可塑性ポリエステルゴム(PTEE)等を挙げることができる。
前記接着剤は、粒子状で水系溶媒に分散されたエマルジョンとして用いることが好ましく、これらは市販品を用いることができる。
前記水系エマルジョンには、前記したようなフィラ、例えばアルミナ、ベーマイト、シリカ、ジルコニア等の粉体などのフィラ無機微粒子が配合されていてもよい。
多孔質PI層の外表面に、前記接着剤を塗布、乾燥後、多孔質PO層と熱圧着することにより、多孔質PO層、多孔質PI層、基材が、この順に積層された本発明の積層体とすることができる。 接着剤の多孔質PI層への塗布に際しては、水系エマルジョンを、グラビアコーター等を用いて点状に塗布することが好ましい。このようにすることにより、多孔質PI層と多孔質PO層界面での良好な接着性と高い通気性を確保することができ、セパレータとした時の良好なイオン透過性を確保することができる。 なお、接着剤の点状塗布については、特開2003−151638号公報、国際公開2014/014118号、特開2016−42454号公報等で開示されているような公知の方法を用いてもよい。
前記のようにして得られた本発明の積層体から、基材を剥離することにより、本発明のセパレータを得ることができる。基材の剥離方法は特に限定されないが、本発明の積層体は、多孔質PI層と基材との剥離強度が2.0N/cm以下であるので、機械的な手段で容易に剥離することができる。例えば、巻き状態の多孔質PI層の片方の端において、多孔質PI層、基材のそれぞれを異なる巻芯に粘着テープ等で固定し、これらを異なる軸で巻き取ることにより、基材を剥離することができる。このとき、多孔質PI層の縁を剥離前にスリットすることや、保護フィルム、メンディングテープなどで補強した後に基材を剥離することで、ハンドリング性を向上させることができる。このようにして得られる本発明のセパレータは、その表面に、耐熱性、力学的特性、イオン透過性に優れた均一な多孔質PI層が形成されている。
以下に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお本発明は実施例により限定されるものではない。
下記の実施例および比較例で使用したPI溶液を以下のようにして得た。
<PAA溶液>
特許第5944613号公報の記載に準拠してPAA溶液を調製した。 すなわち、ジアミン成分として、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル:0.94モルおよびポリプロピレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル(分子量2000:ハンツマン社製「ジェファーミン」D2000):0.06モル、テトラカルボン酸成分としてピロメリット酸二無水物、溶媒としてジメチルアセトアミド(DMAc)およびテトラグライムからなる混合溶媒(DMAc/テトラグライムの混合比率は質量比で25/75)を用い、固形分濃度が21質量%の共重合PAA溶液を得た。
<PAI溶液>
国際公開2015/108114号の記載に準拠してPAI溶液を調製した。 すなわち、トリカルボン酸成分として、トリメリット酸:1モルと、ジアミン成分として、:4,4′−ジアミノジフェニルエーテル:0.7モルおよびm−フェニレンジアミン:0.3モル、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびテトラグライム(NMP/テトラグライムの混合比率は質量比で25/75)を用い、固形分濃度が14質量%の共重合PAI溶液を得た。
<実施例1>
前記PAA溶液に、PAA固形分に対して0.5質量%のステアリン酸を添加して、均一な溶液とした。次に、これを、厚さ50μmの平滑なアルミ箔(基材)上に硬化後の多孔質PI層の厚みが6μmになるように塗布し、しかる後、130℃で10分乾燥し、300℃で60分処理して、熱硬化することによりPAAをPIに転換し、アルミ箔上に多孔質PI層(気孔率:62体積% 平均気孔径:0.8μm)が形成された積層体(S−1)を得た。 この(S−1)の多孔質PI層表面に、変性ポリオレフィン樹脂の水性エマルジョン(ユニチカ社製「アローベース」SB−1200)を、グラビアロールにより、塗布、乾燥して、厚み約1μmの接着層を点状に形成した。この接着層が形成されたS−1と、ポリプロピレン(PP)製多孔質フィルム(ポリポア社製セルガード2400)とを重ね合わせ100℃で熱圧着して、多孔質PO層、多孔質熱硬化型PI層、アルミ箔が、この順に積層された積層体(L−1)を得た。L−1の多孔質PI層とアルミ箔間の剥離強度を、前記したJIS K6854に基づいて測定した所、剥離強度は、0.6N/cmであった。
<実施例2>
前記PAI溶液を、厚さ50μmの市販の離形層付きアルミ箔(基材)上に、多孔質PAI層の厚みが8μmになるように塗布し、しかる後、150℃で20分乾燥することにより、アルミ箔上に多孔質PAI層(気孔率:65体積% 平均気孔径:2.5μm)が形成された積層体(S−2)を得た。 S−2の多孔質PAI層表面に、変性ポリオレフィン樹脂の水性エマルジョン(ユニチカ社製「アローベース」(登録商標)の品番SB−1200)を、グラビアロールにより、塗布、乾燥して、厚み約1μmの接着層を点状に形成した。 この接着層が形成されたS−2と、ポリプロピレン(PP)製多孔質フィルム(ポリポア社製セルガード2400)とを重ね合わせ100℃で熱圧着して、多孔質PO層、多孔質PAI層、アルミ箔が、この順に積層された積層体(L−2)を得た。L−2の多孔質PAI層、アルミ箔間の剥離強度を、前記したJIS K6854に基づいて測定した所、剥離強度は、0.1N/cmであった。
<比較例1>
前記PAA溶液に、ステアリン酸を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に行い、多孔質PO層、多孔質熱硬化型PI層、アルミ箔が、この順に積層された積層体(L−3)を得た。 L−3の多孔質PI層とアルミ箔間の剥離強度を前記したJIS K6854に基づいて測定した所、剥離強度は、3.4N/cmであった。
<実施例2>
実施例1で得られたL−1端部の基材と多孔質熱硬化型PI層の界面に切り込みをいれて、基材を手で剥離することにより、セパレータ(A−1)を得た。剥離性は良好であった。
<実施例3>
実施例2で得られたL−2端部の基材と多孔質熱硬化型PI層の界面に切り込みをいれて、基材を手で剥離することにより、セパレータ(A−2)を得た。剥離性は良好であった。
<比較例2>
比較例1で得られたL−3端部の基材と多孔質熱硬化型PI層の界面に切り込みをいれて、基材を手で剥離して、セパレータ(A−3)を得ようとしたが、剥離することはできず、セパレータを得ることはできなかった。
本発明の積層体を用いることにより、多孔質PO層の耐熱性に依存することなく、耐熱性、力学的特性に優れ、かつイオン透過性の良好な多孔質PI層を多孔質PO層の表面に形成させることができる。 この積層体から得られるセパレータは、安全性に優れるので蓄電素子用セパレータとして好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 多孔質ポリオレフィン層、多孔質ポリイミド層、基材が、この順に積層された積層体であって、多孔質ポリイミド層と基材との剥離強度が2.0N/cm以下であることを特徴とする蓄電素子セパレータ用積層体。
  2. 請求項1記載の積層体から基材を剥離することを特徴とする蓄電素子用セパレータの製造方法。
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