JP7053935B1 - イソシアネート含有組成物および2液反応型ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

イソシアネート含有組成物および2液反応型ポリウレタン樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】無機充填剤を含むポリウレタン樹脂組成物において、イソシアネート含有組成物の貯蔵安定性の低下を抑えながら、ポリオール含有組成物との混合性を向上する。【解決手段】実施形態に係るイソシアネート含有組成物は、2液反応型ポリウレタン樹脂組成物のポリイソシアネート成分として用いられるイソシアネート含有組成物であって、平均官能基数が2.5以下かつ重量平均分子量が700以上のポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、無機充填剤、可塑剤、および、活性水素基非含有シランカップリング剤、を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、2液反応型ポリウレタン樹脂組成物、およびそのポリイソシアネート成分として用いられるイソシアネート含有組成物に関する。
ポリウレタン樹脂組成物に無機充填剤を配合することにより放熱性を付与することが知られている。例えば、特許文献1には、ポリイソシアネートとポリブタジエンポリオールとの反応により得られるポリウレタン樹脂中に、無機充填剤と、可塑剤と、リン酸エステルを配合することが開示されており、無機充填剤を高い配合比率で含有させることにより放熱性を高めることができる。
一方、特許文献2には、2液反応型ポリウレタン樹脂組成物において、ポリオール成分を含むA液とポリイソシアネート成分を含むB液のいずれかに、チオール基を有するシランカップリング剤を配合することが開示されている。しかしながら、活性水素基を有しないシランカップリング剤を配合することは、特許文献2には開示されていない。
特開2010-150473号公報 特開2011-079893号公報
ポリウレタン樹脂組成物に無機充填剤を配合する場合、一般に、ポリオール成分に無機充填剤を配合しておき、これに無機充填剤を含まないポリイソシアネート成分を加えて混合し、両成分を反応させている。しかしながら、無機充填剤を含むポリオール成分は、無機充填剤を含まないポリイソシアネート成分と混合しにくいという問題がある。両者の混合性を向上するために、ポリイソシアネート成分に無機充填剤を配合すると、ポリイソシアネート成分の貯蔵安定性が低下する。
本発明の実施形態は、以上の点に鑑み、無機充填剤を含むポリウレタン樹脂組成物において、ポリイソシアネート成分として用いられるイソシアネート含有組成物の貯蔵安定性の低下を抑えながら、ポリオール成分として用いられるポリオール含有組成物との混合性を向上することができる、イソシアネート含有組成物を提供することを目的とする。
本発明は以下に示される実施形態を含む。
[1] 2液反応型ポリウレタン樹脂組成物のポリイソシアネート成分として用いられるイソシアネート含有組成物であって、平均官能基数が2.5以下かつ重量平均分子量が700以上のポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、無機充填剤、可塑剤、および、活性水素基非含有シランカップリング剤、を含む、イソシアネート含有組成物。
[2] 前記活性水素基非含有シランカップリング剤が、アルキルシランカップリング剤、アリールシランカップリング剤、ビニルシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、(メタ)アクリルシランカップリング剤、及びイソシアネートシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]に記載のイソシアネート含有組成物。
[3] 前記活性水素基非含有シランカップリング剤が、炭素数3以上20以下のアルキル基を有するアルキルシランカップリング剤である、[1]に記載のイソシアネート含有組成物。
[4] 前記ポリイソシアネートが、脂肪族ジイソシアネートおよび/または脂環式ジイソシアネートである、[1]~[3]のいずれか1項に記載のイソシアネート含有組成物。
[5] 前記イソシアネート含有組成物100質量%中に前記無機充填剤を50~95質量%含有する、[1]~[4]のいずれか1項に記載のイソシアネート含有組成物。
[6] 前記可塑剤がフタル酸ジエステルおよび/またはアジピン酸ジエステルである、[1]~[5]のいずれか1項に記載のイソシアネート含有組成物。
[7] [1]~[6]のいずれか1項に記載のイソシアネート含有組成物と、ポリオールおよび無機充填剤を含むポリオール含有組成物と、を備える、2液反応型ポリウレタン樹脂組成物。
[8] 放熱材料として用いられる[7]に記載の2液反応型ポリウレタン樹脂組成物。
本発明の実施形態によれば、イソシアネート含有組成物の貯蔵安定性の低下を抑えながら、ポリオール含有組成物との混合性を向上することができる。
本実施形態に係る2液反応型ポリウレタン樹脂組成物は、ポリオール成分としてのポリオール含有組成物と、ポリイソシアネート成分としてのイソシアネート含有組成物と、を備える。
<イソシアネート含有組成物>
[ウレタンプレポリマー(a)]
イソシアネート含有組成物は、ウレタンプレポリマー(a)を含む。ウレタンプレポリマー(a)として、本実施形態では、平均官能基数が2.5以下かつ重量平均分子量が700以上のポリオールと、ポリイソシアネートと、を構成成分とするイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが用いられる。
上記ポリオールの平均官能基数(平均水酸基数)が2.5以下であることにより、硬化後のポリウレタン樹脂の硬度を低く抑えることができ、例えば、2液反応型ポリウレタン樹脂組成物をバッテリー周りの隙間を埋めるギャップフィラーとして用いたときに、外力に対して発生する反力を低減することができる。上記ポリオールの平均官能基数は、2.4以下であることが好ましく、より好ましくは2.3以下である。上記ポリオールの平均官能基数の下限は特に限定されず、例えば平均官能基数は1.7以上でもよい。上記ポリオールは両末端に水酸基を持つことが好ましく、従って平均官能基数は2.0以上であることが好ましい。
上記ポリオールの重量平均分子量(Mw)が700以上であることにより、イソシアネート含有組成物の貯蔵安定性を向上することができる。ポリオールの重量平均分子量は、800以上であることが好ましい。ポリオールの重量平均分子量の上限は、特に限定されず、例えば重量平均分子量は10000以下でもよく、5000以下でもよい。本明細書において重量平均分子量は、GPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法)の測定により、標準ポリスチレンによる検量線を用いて算出される値である。
上記ポリオールとしては、特に限定されず、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどが挙げられ、これらはいずれか一種または二種以上組み合わせて用いることができる。ポリエーテルポリオールとしては、例えば、多価アルコールやポリアミンにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加させて得られたポリオキシアルキレンポリオールが挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸やフタル酸などのカルボン酸と、エチレングリコール、1,4-ブタンジオールなどの多価アルコールを脱水縮合して得られるものが挙げられる。ポリブタジエンポリオールとしては、ポリブタジエン構造の両末端にそれぞれ水酸基を有するものがより好ましく、水素添加したものでもよい。これらの中でも、ポリプロピレングリコールおよび/またはポリブタジエンポリオールを用いることが好ましい。
上記ポリイソシアネートとしては、特に限定されず、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートなどが挙げられるが、好ましくは、脂肪族ジイソシアネート又は脂環式ジイソシアネートを用いることであり、両者を併用してもよい。
上記脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2-メチルペンタン-1,5-ジイソシアネート、3-メチルペンタン-1,5-ジイソシアネートなどが挙げられる。また、これらを2種以上組み合わせて使用してもよい。
脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。また、これらを2種以上組み合わせて使用してもよい。
ウレタンプレポリマー(a)は、上記ポリオールとポリイソシアネートとを、イソシアネート基過剰条件で反応させることにより得られる。ウレタンプレポリマー(a)を得るために用いるイソシアネート基と水酸基の割合(モル比)は、特に限定されないが、イソシアネート基:水酸基=1.5~2.5:1であることが好ましく、より好ましくは1.7~2.3:1である。ウレタンプレポリマー(a)は、好ましくは両末端にイソシアネート基を有する末端イソシアネートプレポリマーである。
ウレタンプレポリマー(a)の配合量は、特に限定されないが、イソシアネート含有組成物100質量%中に0.5~15質量%であることが好ましく、より好ましくは1.0~12質量%であり、更に好ましくは1.3~10質量%である。
[無機充填剤(b)]
イソシアネート含有組成物は、無機充填剤(b)を含む。無機充填剤(b)を配合することにより、硬化後のポリウレタン樹脂に放熱性を付与することができる。
無機充填剤(b)としては、特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などの金属窒化物などが挙げられる。これらはいずれか一種または二種以上組み合わせて用いることができる。
無機充填剤(b)の配合量は、イソシアネート含有組成物100質量%中に50~95質量%であることが好ましい。該配合量が50質量%以上であることにより、ポリウレタン樹脂の放熱性を向上することができる。該配合量が95質量%以下であることにより、イソシアネート含有組成物の貯蔵安定性を向上することができる。該配合量は、より好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上であり、また90質量%以下であることが好ましい。
[可塑剤(c)]
イソシアネート含有組成物は、可塑剤(c)を含む。後述する(d)成分とともに可塑剤(c)を配合することで、イソシアネート含有組成物の貯蔵安定性が向上し、またポリオール含有組成物との混合性を向上することができる。
可塑剤(c)としては、特に限定されず、ポリウレタン樹脂に配合される従来公知のものを使用することができ、例えば、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジウンデシルフタレートなどのフタル酸ジエステル、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペートなどのアジピン酸ジエステル、トリオクチルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテートなどのトリメリット酸エステル、テトラオクチルピロメリテート、テトライソノニルピロメリテートなどのピロメリット酸エステル、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェートなどリン酸トリエステルなどが挙げられ、これらはいずれか一種または二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、可塑剤(c)としては、フタル酸ジエステルおよび/またはアジピン酸ジエステルが好ましい。
可塑剤(c)の配合量は、特に限定されず、例えば、イソシアネート含有組成物100質量%中に1~40質量%でもよく、3~35質量%でもよく、5~30質量%でもよく、10~20質量%でもよい。
[活性水素基非含有シランカップリング剤(d)]
イソシアネート含有組成物は、活性水素基非含有シランカップリング剤(d)を含む。活性水素基非含有シランカップリング剤(d)を可塑剤(c)とともに配合することにより、イソシアネート含有組成物の貯蔵安定性が向上し、またポリオール含有組成物との混合性を向上することができる。
活性水素基非含有シランカップリング剤(d)は、分子内に活性水素基を有しないシランカップリング剤である。ここで、活性水素基とは、イソシアネート基と反応する水素原子を含む基であり、例えば、アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基(-SH)である。そのため、アミノシランカップリング剤やメルカプトシランカップリング剤は、活性水素基非含有シランカップリング剤(d)ではない。
活性水素基非含有シランカップリング剤(d)としては、例えば、アルキルシランカップリング剤、アリールシランカップリング剤、ビニルシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、(メタ)アクリルシランカップリング剤、及びイソシアネートシランカップリング剤などが挙げられ、これらはいずれか一種または二種以上組み合わせて用いることができる。
アルキルシランカップリング剤は、Siに直接結合したアルキル基を有するとともにアミノ基やエポキシ基、ビニル基などの有機官能基を有しないシランカップリング剤であり、例えば、アルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシランなどが挙げられる。
アリールシランカップリング剤は、フェニル基などのアリール基を有するとともにアミノ基やエポキシ基、ビニル基などの有機官能基を有しないシランカップリング剤であり、例えば、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどのフェニルトリアルコキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどのジフェニルジアルコキシシランなどのフェニルシランカップリング剤が挙げられる。
ビニルシランカップリング剤は、有機官能基としてビニル基を有するシランカップリング剤であり、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルトリアルコキシシラン、p-スチリルトリメトキシシランなどのスチリルシランカップリング剤が挙げられる。
エポキシシランカップリング剤は、有機官能基としてエポキシ基を有するシランカップリング剤であり、例えば、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなど挙げられる。
(メタ)アクリルシランカップリング剤は、有機官能基として(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤である。(メタ)アクリル基とは、HC=CR-C(=O)-O-(但し、Rは水素原子又はメチル基)で表されるアクリル基とメタクリル基の総称である。(メタ)アクリルシランカップリング剤としては、例えば、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
イソシアネートシランカップリング剤は、有機官能基としてイソシアネート基を有するシランカップリング剤であり、例えば、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネートプロピルトリアルコキシシランが挙げられる。
活性水素基非含有シランカップリング剤(d)としては、これらのなかでも、アルキルシランカップリング剤を用いることが、イソシアネート含有組成物の粘度を低減することができることから好ましい。無機充填剤を含むイソシアネート含有組成物の貯蔵安定性を向上させる場合、通常は粘度を高くする。しかしながら、アルキルシランカップリング剤を配合した場合、貯蔵安定性を向上しつつ粘度を低減することができる。粘度の低減は、イソシアネート含有組成物の取り扱い性の向上に寄与し、ポリオール含有組成物との混合作業性の点でも好ましい。
より好ましくは、活性水素基非含有シランカップリング剤(d)として、炭素数3以上20以下のアルキル基を有するアルキルシランカップリング剤を用いることである。該アルキルシランカップリング剤は、分子内に炭素数3以上20以下のアルキル基を1つ有してもよく、2つ有してもよい。炭素数3以上20以下のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、好ましくは直鎖状である。該アルキル基の炭素数は、より好ましくは5以上であり、更に好ましくは8以上であり、また18以下であることが好ましく、より好ましくは16以下である。
炭素数3以上20以下のアルキル基を有するアルキルシランカップリング剤としては、例えば、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらはいずれか一種または二種以上組み合わせて用いることができる。
活性水素基非含有シランカップリング剤(d)の配合量は、特に限定されず、例えば、イソシアネート含有組成物100質量%中に0.05~10質量%でもよく、0.1~8質量%でもよく、0.3~5質量%でもよい。
[その他の成分]
イソシアネート含有組成物において、ポリイソシアネート化合物としては、上記ウレタンプレポリマー(a)単独でもよいが、ウレタンプレポリマー(a)とともに他のポリイソシアネート化合物を併用してもよい。
他のポリイソシアネート化合物としては、特に限定されず、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する種々のポリイソシアネート化合物を用いることができ、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、および芳香族ポリイソシアネート、ならびにこれらの変性体および多核体が挙げられ、いずれか1種用いても2種以上併用してもよい。脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、上述した脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネートが挙げられる。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’-ジベンジルジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネートなどが挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物の変性体としては、例えば、イソシアヌレート変性体、アロファネート変性体、ビュレット変性体、アダクト変性体、カルボジイミド変性体などが挙げられる。
これらの中でも、他のポリイソシアネート化合物としては、上記ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体を用いることが好ましく、より好ましくは脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体である。その場合、該イソシアヌレート変性体の配合量は、特に限定されないが、例えば、イソシアネート含有組成物100質量%中に0.05~5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1~2質量%である。なお、ポリイソシアネート化合物は、上記ウレタンプレポリマー(a)を主成分とすることが好ましく、他のポリイソシアネート化合物を併用する場合でも、ポリイソシアネート化合物全体の50質量%超、より好ましくは60質量%以上が上記ウレタンプレポリマー(a)であることが好ましい。
イソシアネート含有組成物には、上記成分の他、例えば、吸湿剤、酸化防止剤、整泡剤、希釈剤、難燃剤、紫外線吸収剤、着色剤などの各種添加剤を、本実施形態の目的を損なわない範囲で加えることができる。
イソシアネート含有組成物のイソシアネート価(NCOV)は、特に限定されず、1.0~10mgKOH/gでもよく、1.2~8.5mgKOH/gでもよく、1.5~7.0mgKOH/gでもよい。
<ポリオール含有組成物>
[ポリオール(e)]
ポリオール含有組成物は、ポリオール(e)を含む。ポリオール(e)としては、特に限定されず、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどが挙げられ、これらはいずれか一種または二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ポリブタジエンポリオールを用いることが好ましい。ポリブタジエンポリオールとしては、ポリブタジエン構造の両末端にそれぞれ水酸基を有するものがより好ましく、水素添加したものでもよい。ポリブタジエンポリオールの平均官能基数は2.0~2.5であることが好ましく、より好ましくは2.1~2.4である。
ポリオール(e)の配合量は、特に限定されないが、ポリオール含有組成物100質量%中に2~30質量%であることが好ましく、より好ましくは3~25質量%であり、更に好ましくは5~20質量%である。
[無機充填剤(f)]
ポリオール含有組成物は、無機充填剤(f)を含む。無機充填剤(f)を配合することにより、硬化後のポリウレタン樹脂に放熱性を付与することができる。無機充填剤(f)としては、特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などの金属窒化物などが挙げられる。これらはいずれか一種または二種以上組み合わせて用いることができる。
無機充填剤(f)の配合量は、ポリオール含有組成物100質量%中に50~95質量%であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上であり、また90質量%以下であることが好ましい。
[可塑剤(g)]
ポリオール含有組成物は、可塑剤(g)を含んでもよい。可塑剤(g)を含むことにより、硬化後のポリウレタン樹脂の硬度を下げることができる。可塑剤(g)としては、特に限定されず、上述のフタル酸ジエステル、アジピン酸ジエステル、トリメリット酸エステル、ピロメリット酸エステル、リン酸トリエステルなどが挙げられ、これらはいずれか一種または二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、可塑剤(g)としては、フタル酸ジエステルおよび/またはアジピン酸ジエステルが好ましい。
可塑剤(g)の配合量は、特に限定されず、例えば、ポリオール含有組成物100質量%中に1~30質量%でもよく、3~25質量%でもよく、5~20質量%でもよく、5~15質量%でもよい。
[その他の成分]
ポリオール含有組成物には、上記成分の他、例えば、吸湿剤、触媒、酸化防止剤、整泡剤、希釈剤、難燃剤、紫外線吸収剤、着色剤などの各種添加剤を、本実施形態の目的を損なわない範囲で加えることができる。
触媒としては、例えば、有機スズ触媒、有機鉛触媒、有機ビスマス触媒などの金属触媒、アミン触媒などの各種ウレタン重合触媒を用いることができる。
ポリオール含有組成物の水酸基価(OHV)は、特に限定されず、1.0~15mgKOH/gでもよく、2.0~10mgKOH/gでもよい。
<2液反応型ポリウレタン樹脂組成物>
本実施形態に係る2液反応型ポリウレタン樹脂組成物は、通常は、ポリオール含有組成物である第1液とイソシアネート含有組成物である第2液とで構成されるが、ポリオール含有組成物およびイソシアネート含有組成物の他に、任意成分としての上記その他の成分を含むものを第3液として備えてもよい。
2液反応型ポリウレタン樹脂組成物は、ポリオール含有組成物とイソシアネート含有組成物をそれぞれ調製することにより製造することができ、すなわち、ポリオール含有組成物とイソシアネート含有組成物はそれぞれ別の容器に充填されたものでもよい。別々の容器に充填されたポリオール含有組成物とイソシアネート含有組成物は、使用時に混合されることによりポリオールとポリイソシアネートが反応してポリウレタン樹脂が形成され、硬化してもよい。その際、加熱により硬化させてもよい。実施形態に係る2液反応型ポリウレタン樹脂組成物は、ポリオール含有組成物とイソシアネート含有組成物を混合して得られたものであってもよく、硬化前の液状でもよく、硬化していてもよい。
2液反応型ポリウレタン樹脂組成物において、ポリオール含有組成物とイソシアネート含有組成物との混合比は、特に限定されず、例えば、ポリオール含有組成物に含まれる水酸基に対するイソシアネート含有組成物に含まれるイソシアネート基のモル比NCO/OH(インデックス)が0.5~1.2でもよく、0.6~0.9でもよい。ここで、NCO/OHは、上記のイソシアネート価(NCOV)と水酸基価(OHV)を用いて算出される。
2液反応型ポリウレタン樹脂組成物において、ポリオール含有組成物とイソシアネート含有組成物との容量配合比は、特に限定されないが、ポリオール含有組成物/イソシアネート含有組成物=30/70~70/30であることが好ましく、より好ましくは40/60~60/40であり、更に好ましくは45/55~55/45である。
2液反応型ポリウレタン樹脂組成物の硬化後の硬度は、特に限定されないが、ショア(shore)Cの硬度が60以下であることが好ましく、30~60でもよい。
2液反応型ポリウレタン樹脂組成物の硬化後の熱伝導率(JIS R2618)は、特に限定されず、例えば1.0W/m・K以上でもよく、2.0W/m・K以上でもよく、2.0~3.0W/m・Kでもよい。
<2液反応型ポリウレタン樹脂組成物の用途>
本実施形態に係る2液反応型ポリウレタン樹脂組成物の用途は、特に限定されず、電気電子部品や車載向けなどの様々な用途に用いることができる。無機充填剤を配合することで放熱性を持つことから放熱材料として好適に用いられる。一実施形態として、バッテリー等の熱源に対する放熱性のギャップフィラーとして好適に用いられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、2液反応型ポリウレタン樹脂組成物について詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されない。
実施例及び比較例において使用した原料を以下に示す。
[無機充填剤]
・水酸化アルミニウム:住友化学株式会社製「CW-350」(密度2.4g/cm
・アルミナ1:デンカ株式会社製「DAW-45」(密度4.0g/cm
・アルミナ2:デンカ株式会社製「DAW-03」(密度4.0g/cm
[ポリオール]
・ポリブタジエンポリオール:エボニック社製「POLYVEST HT」、平均官能基数2.3
[可塑剤]
・DUP:フタル酸ジウンデシル
・DOA:アジピン酸ジ2-エチルヘキシル
・シランカップリング剤1:n-プロピルトリメトキシシラン、信越化学株式会社製「KBM-3033」
・シランカップリング剤2:ヘキシルトリエトキシシラン、信越化学株式会社製「KBE-3063」
・シランカップリング剤3:デシルトリメトキシシラン、信越化学株式会社製「KBM-3103C」
・シランカップリング剤4:オクタデシルトリメトキシシラン、東京化成工業株式会社製「Octadecyltrimethoxysilane」
・シランカップリング剤5:ビニルトリメトキシシラン、信越化学株式会社製「KBM-1003」
[ポリイソシアネート化合物]
・イソシアヌレート:イソシアヌレート変性HDI、万華化学製「HT600」
[吸湿剤]
・吸湿剤:ユニオン昭和株式会社製「モレキュラーシーブ3AB」
実施例および比較例で使用したイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであるプレポリマー1~7の合成例を以下に示す。
[プレポリマー1]
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコ内で、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(旭化成株式会社製「デュラネート50M」)33質量部と、ポリプロピレングリコール(平均官能基数2.0、重量平均分子量700、水酸基価160)(AGC株式会社製「エクセノール720」)67質量部とを90℃で2時間反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(プレポリマー1)を得た。
[プレポリマー2]
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコ内で、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(旭化成株式会社製「デュラネート50M」)26質量部と、ポリプロピレングリコール(平均官能基数2.0、重量平均分子量1000、水酸基価112)(AGC株式会社製「エクセノール1020」)74質量部とを90℃で2時間反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(プレポリマー2)を得た。
[プレポリマー3]
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコ内で、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(旭化成株式会社製「デュラネート50M」)10質量部と、ポリプロピレングリコール(平均官能基数2.0、重量平均分子量3000、水酸基価35)(AGC株式会社製「エクセノール3020」)90質量部とを120℃で6時間反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(プレポリマー3)を得た。
[プレポリマー4]
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコ内で、イソホロンジイソシアネート(IPDI)(EVONIC社製「IPDI」)31質量部と、ポリプロピレングリコール(平均官能基数2.0、重量平均分子量1000、水酸基価112)(AGC株式会社製「エクセノール1020」)69質量部とを90℃で2時間反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(プレポリマー4)を得た。
[プレポリマー5]
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコ内で、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(旭化成株式会社製「デュラネート50M」)46質量部と、ポリプロピレングリコール(平均官能基数2.0、重量平均分子量400、水酸基価281)(AGC株式会社製「エクセノール420」)54質量部とを90℃で2時間反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(プレポリマー5)を得た。
[プレポリマー6]
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコ内で、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(旭化成株式会社製「デュラネート50M」)12質量部と、ポリブタジエンポリオール(平均官能基数2.3、重量平均分子量3000、水酸基価46)(EVONIC社製「POLYVEST HT」)88質量部とを90℃で2時間反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(プレポリマー6)を得た。
[プレポリマー7]
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコ内で、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(旭化成株式会社製「デュラネート50M」)33質量部と、ひまし油(平均官能基数2.7、重量平均分子量941、水酸基価161)(伊藤製油株式会社製「URIC H30」)68質量部とを90℃で2時間反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(プレポリマー7)を得た。
平均官能基数、重量平均分子量、水酸基価、およびイソシアネート価の測定方法は以下のとおりである。
[平均官能基数]
平均官能基数は、GPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法)により数平均分子量(Mn)を測定し、JIS K1557-1:2007のA法に準じて水酸基価(mgKOH/g)を測定して下記式より算出される値である。
平均官能基数={(水酸基価)×(Mn)}/(56.11×1000)
[重量平均分子量および数平均分子量]
GPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法)で測定し、標準ポリスチレンの分子量と溶出時間から作成した検量線を用いて、測定試料の溶出時間から算出した値である。測定条件に関し、カラムにTSKgel Hxl(東ソー株式会社)を用いて、移動相はTHF(テトラヒドロフラン)、移動相流量は1.0mL/min、カラム温度は40℃、試料注入量は50μL、試料濃度は0.2質量%の条件で測定を行った。
[水酸基価]
JIS K1557-1:2007のA法に準じて測定。
[イソシアネート価]
イソシアネート含有率をJIS K1603-1:2007のA法に準拠して測定し、求めたイソシアネート含有率から下記式によりイソシアネート価を算出される値である。
Figure 0007053935000001
56.11:水酸化カリウムの分子量
1000:gからmgへの変換係数
42.02:NCOの分子量
100:百分率から/gへの変換係数
[実施例1~14および比較例1~5]
下記表1に示す配合(質量%)に従い、ポリオール含有組成物A1~7を調製した。また、下記表2に示す配合(質量%)に従い、イソシアネート含有組成物B1~19を調製した。イソシアネート含有組成物B1~19については、貯蔵安定性および粘度を評価した。また、下記表3に示す組合せおよび容量配合比にてポリオール含有組成物A1~7とイソシアネート含有組成物B1~19を混合し、両者の混合性を評価した。また、混合し硬化させた後に硬化物の硬度を測定した。貯蔵安定性、粘度、混合性、および硬度の測定・評価方法は以下のとおりである。
[貯蔵安定性]
調製したイソシアネート含有組成物を60℃で1か月貯蔵した後の性状を評価し、液体のままの場合を「液体」、液体から固化した場合を「固化」と表3に示した。
[粘度]
ブルックフィールド形粘度計(B型)を使用し、JIS K7117-1-1999に準拠し測定した。
[混合性]
自転公転ミキサーを用いて、ポリオール含有組成物とイソシアネート含有組成物を、常温下、2000rpmで30分間攪拌し、それにより混合が可能であった場合を「〇」、混合できなかった場合「×」と表3に示した。
[硬度]
ポリオール含有組成物とイソシアネート含有組成物を常温下で混合して硬化させ、常温にて7日間経過後の硬度(ショアC)をJIS K7312:1996(スプリング硬さ試験タイプC)により測定した。
Figure 0007053935000002
Figure 0007053935000003
Figure 0007053935000004
結果は表3に示すとおりである。比較例1では、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを構成するポリオールの平均官能基数が大きいため、硬化物の硬度が高かった。比較例2では、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを構成するポリオールの重量平均分子量が小さいため、イソシアネート含有組成物は60℃×1か月の貯蔵で固まってしまい、貯蔵安定性が低かった。比較例3では、イソシアネート含有組成物に活性水素基非含有シランカップリング剤(d)を配合していないため、貯蔵安定性が低下した。比較例4では、イソシアネート含有組成物に無機充填剤を配合していないため、イソシアネート含有組成物とポリオール含有組成物との混合性が悪かった。比較例5では、イソシアネート含有組成物に可塑剤を配合していないため、貯蔵安定性に劣っており、また、ポリオール含有組成物との混合性にも劣っていた。
これに対し、実施例1~14であると、イソシアネート含有組成物の貯蔵安定性に優れるとともに、ポリオール含有組成物との混合性も良好であり、また硬化後の硬度も60以下であり、良好な結果が得られた。また、活性水素基非含有シランカップリング剤(d)としてアルキルシランカップリング剤を用いた実施例1~9および11~14であると、ビニルシランカップリング剤を用いた実施例10に比べてイソシアネート含有組成物の粘度が顕著に低減していた。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその省略、置き換え、変更などは、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (7)

  1. バッテリー周りの隙間を埋める放熱性のギャップフィラーとして用いられる2液反応型ポリウレタン樹脂組成物のポリイソシアネート成分として用いられるイソシアネート含有組成物であって、
    平均官能基数が2.5以下かつ重量平均分子量が700以上のポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、
    無機充填剤、
    可塑剤、および、
    活性水素基非含有シランカップリング剤、
    を含む、イソシアネート含有組成物。
  2. 前記活性水素基非含有シランカップリング剤が、アルキルシランカップリング剤、アリールシランカップリング剤、ビニルシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、(メタ)アクリルシランカップリング剤、及びイソシアネートシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のイソシアネート含有組成物。
  3. 2液反応型ポリウレタン樹脂組成物のポリイソシアネート成分として用いられるイソシアネート含有組成物であって、
    平均官能基数が2.5以下かつ重量平均分子量が700以上のポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、
    無機充填剤、
    可塑剤、および、
    活性水素基非含有シランカップリング剤、
    を含み、
    前記活性水素基非含有シランカップリング剤が、炭素数3以上20以下のアルキル基を有するアルキルシランカップリング剤であるイソシアネート含有組成物。
  4. 前記ポリイソシアネートが、脂肪族ジイソシアネートおよび/または脂環式ジイソシアネートである、請求項1~3のいずれか1項に記載のイソシアネート含有組成物。
  5. 前記イソシアネート含有組成物100質量%中に前記無機充填剤を50~95質量%含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のイソシアネート含有組成物。
  6. 前記可塑剤がフタル酸ジエステルおよび/またはアジピン酸ジエステルである、請求項1~5のいずれか1項に記載のイソシアネート含有組成物。
  7. バッテリー周りの隙間を埋める放熱性のギャップフィラーとして用いられる2液反応型ポリウレタン樹脂組成物であって、
    請求項1~6のいずれか1項に記載のイソシアネート含有組成物と、
    ポリオールおよび無機充填剤を含むポリオール含有組成物と、を備える、2液反応型ポリウレタン樹脂組成物。
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