JP7053344B2 - クラッチレリーズ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源とクラッチ板との締結/締結解除を行うためのクラッチレリーズ装置の技術分野に関する。
例えば、下記特許文献1、2に開示されるように、駆動源とクラッチ板との締結/締結解除を行うためのクラッチレリーズ装置が知られている。
クラッチレリーズ装置は、レリーズレバーと、レリーズレバーを回動可能に支持するレバー支持部材とを有する。レリーズレバーは、クラッチペダルの操作に応じて押圧される力点部と、力点部への押圧時に回動中心となる支点部と、力点部への押圧時に支点部周りに回動されると共に回動により駆動源とクラッチ板との締結を解除させる作用点部とを有する。レバー支持部材は、例えば先端部が略半球状とされて、該先端部においてレリーズレバーの支点部を支持する。具体的に、先端部には、上記の支点部においてレリーズレバーを回動可能に支持する摺動面が形成されている。
特開2013-194791号公報 特開2013-242029号公報
クラッチレリーズ装置では、レリーズレバーとレバー支持部材との間、特に上記の摺動面においてグリース等の潤滑剤が塗布されて、クラッチペダル操作に応じたレリーズレバー回動時の摩擦及び摺動音の抑制が図られる。しかしながら、潤滑剤は摩耗粉と共に回転摺動により押し出されたり、雰囲気温度の上昇により溶け出したりすることがあり、経時的に摺動面が潤滑剤不足の状態となって、異音の原因となる虞がある。車両の使われ方によっては、クラッチ交換時等のメンテナンス時に潤滑剤が塗布し直されることで異音発生までに至ることのないケースもあるが、その前に異音発生に至るケースも生じ得る。
また、クラッチレリーズ装置は、クラッチペダル操作に応じた動力をクラッチ機構側に伝達するものであるため、その動力伝達特性がペダル操作に対するクラッチ締結、締結解除の応答性を左右することになる。
ペダル操作に対するクラッチ締結、締結解除の応答性は、運転者のペダル操作フィーリングや運転フィーリングを左右する要素となる。例えば、ペダル操作に対しクラッチが急締結される傾向にある場合には、車両のピッチ方向の振動が誘発されることによる運転フィーリングの悪化や、瞬間的なトルク増大によるトルク伝達下流部品の破損を招く虞がある。
ペダル操作フィーリングや運転フィーリングの向上を図る上では、ペダル操作に対するクラッチ締結、締結解除の応答性を適切に調整することが求められるが、この調整を可能とするために新たな部品追加を要する等、コストアップが助長されることは望ましくない。
本発明は上記事情に鑑み為されたものであり、潤滑剤の漏れによる異音発生の防止を図りつつ、ペダル操作に対するクラッチ締結、締結解除の応答性の調整をコスト削減を図りながら実現することを目的とする。
本発明に係るクラッチレリーズ装置は、クラッチペダルの操作に応じて押圧される力点部と、前記力点部への押圧時に回動中心となる支点部と、前記力点部への押圧時に前記支点部周りに回動されると共に回動により駆動源とクラッチ板との締結を解除させる作用点部と、を有するレリーズレバーと、前記支点部において前記レリーズレバーを回動可能に支持する摺動面が形成されたレバー支持部材と、前記摺動面を覆うカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記レバー支持部材に取り付けられる根元部と、前記根元部に連結され先端側が前記レリーズレバーと当接する裾部とを有し、前記裾部は、前記駆動源と前記クラッチ板との締結時と締結解除時とで前記レリーズレバーの回動に対する抵抗力が異なるものである。
上記のカバー部材により、摺動面に塗布された潤滑剤が漏れ出すことの防止が図られると共に、裾部の上記抵抗力により、クラッチペダル操作に対するクラッチの締結、締結解除の応答性を調整可能となる。
上記した本発明に係るクラッチレリーズ装置においては、前記裾部は、前記締結解除時における前記抵抗力よりも前記締結時における前記抵抗力の方が大きい構成とすることが可能である。
これにより、急発進等を意図してクラッチペダルが急激にリリースされた場合にレリーズレバーが戻り難くなり、クラッチの急激な締結が防止される。
上記した本発明に係るクラッチレリーズ装置においては、前記裾部は、前記締結解除時よりも前記締結時に前記レリーズレバーから受ける圧力が大きくなる締結時抵抗部と、前記締結時よりも前記締結解除時に前記レリーズレバーから受ける圧力が大きくなる解除時抵抗部とを有し、前記締結時抵抗部の方が前記解除時抵抗部よりも肉厚とされた構成とすることが可能である。
これにより、クラッチの急締結緩和による運転フィーリング悪化防止やトルク伝達下流部品の破損防止を、カバー部材の厚みを部分的に調整することで実現可能とされる。
上記した本発明に係るクラッチレリーズ装置においては、前記裾部は、前記締結解除時よりも前記締結時に前記レリーズレバーから受ける圧力が大きくなる締結時抵抗部と、前記締結時よりも前記締結解除時に前記レリーズレバーから受ける圧力が大きくなる解除時抵抗部とを有し、前記締結時抵抗部は、根元側から先端側への長さである裾長さが、前記解除時抵抗部の裾長さよりも長い構成とすることが可能である。
裾長さによる抵抗力の調整とすることで、長さを短くする解除時抵抗部については使用材料を少なくすることが可能とされる。
上記した本発明に係るクラッチレリーズ装置においては、前記裾部は、前記締結解除時よりも前記締結時に前記レリーズレバーから受ける圧力が大きくなる締結時抵抗部と、前記締結時よりも前記締結解除時に前記レリーズレバーから受ける圧力が大きくなる解除時抵抗部とを有し、前記締結時抵抗部に形状記憶材料が設けられた構成とすることが可能である。
カバー部材がゴム等の弾性部材で構成される場合には、低温時に締結時抵抗部の剛性が高まる傾向となり、クラッチ締結に対する抵抗力が高まり、クラッチが過剰に締結し難くなる虞がある。そこで、上記のように締結時抵抗部に形状記憶材料を設けて、低温時に締結時抵抗部が変形し易くなるようにする。
本発明によれば、潤滑剤の漏れによる異音発生の防止を図りつつ、ペダル操作に対するクラッチ締結、締結解除の応答性の調整をコスト削減を図りながら実現することができる。
実施形態としてのクラッチレリーズ装置を備えたクラッチ機構(クラッチ締結時)の構成概要を例示した図である。 実施形態としてのクラッチレリーズ装置を備えたクラッチ機構(クラッチ締結解除時)の構成概要を例示した図である。 実施形態としてのクラッチレリーズ装置が備えるカバー部材の構成例を示した図である。 実施形態としてのクラッチレリーズ装置が備えるクリップ部材についての説明図である。 実施形態としてのクラッチレリーズ装置が備えるカバー部材の裾部の構成及び作用を説明するための図である。 第一変形例としてのクラッチレリーズ装置が備えるカバー部材の構成例を示した図である。 第一変形例としてのクラッチレリーズ装置が備えるカバー部材の裾部の構成及び作用を説明するための図である。 第二変形例としてのクラッチレリーズ装置が備えるカバー部材の裾部の構成及び作用を説明するための図である。
<1.クラッチ機構の構成概要>
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態としてのクラッチレリーズ装置1について説明する。
図1及び図2は、クラッチレリーズ装置1を備えたクラッチ機構50の構成概要を例示した図であり、図1はクラッチ締結時、図2はクラッチ締結解除時の様子をそれぞれ示している。
本例のクラッチ機構50は、車輪の駆動源としてエンジンを有する車両に設けられており、エンジンと変速機(トランスミッション)との間に配置されて、エンジンで発生した動力の変速機に対する伝達を断続可能な機構として構成される。
クラッチ機構50は、動力を断続するクラッチ本体の構成部品として、クラッチディスク51、ダイヤフラムスプリング52、プレッシャプレート53、クラッチカバー54及びレリーズベアリング55を有する。
クラッチカバー54、プレッシャプレート53及びダイヤフラムスプリング52は、フライホイール60に固定されており、エンジンのクランクシャフト61と共に回転する。クラッチカバー54は、クラッチディスク51、ダイヤフラムスプリング52及びプレッシャプレート53を覆うように設けられている。クラッチカバー54には、ダイヤフラムスプリング52の中央部が露出するように開口部が形成されている。
クラッチディスク51は、略円板形状を有し、その中央部で変速機の入力軸70とスプライン結合されている。クラッチディスク51は、プレッシャプレート53とフライホイール60との間に挟まれたクラッチフェーシング56を有する。
クラッチフェーシング56は、所定の摩擦係数を保ち、耐摩耗性、耐熱性に優れ、クラッチ締結に伴う温度変化に対する摩擦係数の変化が抑えられた材料により形成されることが望ましい。具体的に、クラッチフェーシング56としては、例えばガラス繊維をベースとして樹脂加工を施したレジンモールド製としたり、さらに熱伝導率及び強度の向上を図るため金属金型のセミメタル、セラミック製のものを用いることもできる。
クラッチディスク51は、クラッチフェーシング56とフライホイール60との間の摩擦力によって、フライホイール60の回転を入力軸70を介して変速機に伝達する。
ダイヤフラムスプリング52は、プレッシャプレート53に対してクラッチフェーシング56の反対側に設けられている。ダイヤフラムスプリング52の周縁部は、プレッシャプレート53に接続され、ダイヤフラムスプリング52の中央部は、レリーズベアリング55に接続されている。ダイヤフラムスプリング52は、プレッシャプレート53を介してクラッチフェーシング56をフライホイール60に向けて押し付けるためのクラッチスプリングとして設けられている。
なお、本例ではクラッチスプリングとしてダイヤフラムスプリング52を用いた構造を説明したが、クラッチスプリングとしてはコイルスプリング等の他のスプリングが採用されてもよい。
プレッシャプレート53は、略円板形状を有し、クラッチフェーシング56とダイヤフラムスプリング52との間に設けられている。
クラッチ締結時、プレッシャプレート53は、ダイヤフラムスプリング52の弾性力によりクラッチフェーシング56を略一様な力でフライホイール60に向けて押し付ける。これにより、クラッチフェーシング56とフライホイール60との間の摩擦力が発生し、フライホイール60の回転がクラッチディスク51に向けて伝達される状態となる。
クラッチ締結解除時には、後述するようにレリーズベアリング55がダイヤフラムスプリング52の中央部を押すことによって、ダイヤフラムスプリング52の周縁部がフライホイール60から離れる方向に変位する。このとき、プレッシャプレート53がダイヤフラムスプリング52の周縁部と共にフライホイール60から離れる方向に引き寄せられる。これにより、クラッチフェーシング56とフライホイール60との間の摩擦力が解消され、フライホイール60の回転がクラッチディスク51に伝達されない状態となる。
クラッチ機構50は、運転席からクラッチ本体を操作するための操作機構の構成部として、レリーズシリンダ57、及びクラッチレリーズ装置1を備えている。
クラッチレリーズ装置1は、レリーズレバー2、レバー支持部材3、カバー部材4及びクリップ部材5を備えている。
レバー支持部材3は、クラッチ機構50のケース体としてのクラッチハウジング58に取り付けられている。レリーズレバー2は、レバー支持部材3により、クラッチ締結解除時に解除方向(図2中の矢印Lで表す方向)に回動可能となるように支持されている。
ここで、レリーズレバー2は、レリーズシリンダ57により押圧される力点部21と、力点部21への押圧時に回動中心となる支点部22と、力点部21への押圧時に支点部22周りに回動されると共に回動によりレリーズベアリング55を押圧する(つまりクラッチを締結解除させる)作用点部23とを有する。
レバー支持部材3は、クラッチハウジング58に支持された側を根元側、該根元側とは逆側を先端側としたときに、先端部が略半球状とされ、該先端部の表面に、支点部22においてレリーズレバー2を回動可能に支持する摺動面31が形成されている。
カバー部材4は、例えばゴム等の弾性材料で構成され、レリーズレバー2の支点部22近傍において潤滑剤を封入し、且つ支点部22とレバー支持部材3の摺動面31との間に異物が侵入することを防止するためのシール部材として設けられており、摺動面31をレバー支持部材3の根元側から覆っている。
図3は、カバー部材4の構成例を示した図であり、図3A、図3Bは本例のカバー部材4をそれぞれ異なる角度から観察した図である。
カバー部材4は、レバー支持部材3の先端部よりも根元側の部分に対して取り付けられる根元部41と、根元部41に連結され先端側がレリーズレバー2と当接する裾部42とを有している。
根元部41は、略円筒形状を有し、内周面においてレバー支持部材3と当接する。
裾部42は、根元部41から先端側に向けて(レリーズレバー2の支点部22側に向けて)末広がり状に形成され、略円錐台形状を有している。
本例では、裾部42の先端側は1周にわたり形成されているが、根元側は1周にわたって形成されず、2箇所開口により断絶された形状を有している。該2箇所の開口以外の部分、すなわち、根元部41と裾部42との連結を担う2箇所の部分はそれぞれ第一連結部42a、第二連結部42bとされる。これら第一連結部42aと第二連結部42bは、カバー部材4の中心軸を境に対向して位置されている。
図1及び図2において、クリップ部材5は、支点部22においてレバー支持部材3により支持されたレリーズレバー2が、レバー支持部材3から脱落することを防ぐための挟持部材として設けられている。
図4に示すように、クリップ部材5は、長手方向における一端部51がレリーズレバー2に形成された挿通孔に挿通され、また一端部51よりも他端側に形成された挟持部51がレバー支持部材3を挟持している。このクリップ部材5は、レリーズレバー2の回動時、レリーズレバー2の移動、具体的には入力軸70の軸方向における移動を規制し、これによりレリーズレバー2のレバー支持部材3からの脱落防止が図られる。
クラッチハウジング58から延びるリテーナ部59の内周側には、入力軸70が挿入されている(図1及び図2)。レリーズベアリング55は、入力軸70の軸方向において、リテーナ部59とダイヤフラムスプリング52との間に位置され、内周側に入力軸70が挿通され、リテーナ部59に対して入力軸70の軸方向に移動可能に設けられている。
運転者がクラッチペダルを踏み込むと、レリーズシリンダ57が作動する。すなわち、レリーズシリンダ57がレリーズレバー2の力点部21を押圧する。この押圧により、レリーズレバー2がレバー支持部材3を支点に回動する(図1から図2への遷移)。レリーズレバー2の回動に伴い、レリーズレバー2の作用点部23がレリーズベアリング55を押圧し、レリーズベアリング55はフライホイール60に近接する方向にスライド移動する。これにより、レリーズベアリング55がダイヤフラムスプリング52の中央部を押圧する状態が得られ、クラッチが締結解除された状態が得られる。
一方、クラッチペダルがリリースされると、上記のクラッチ締結解除の際とは逆方向にレリーズレバー2が回動し、レリーズベアリング55はフライホイール60から離間する方向にスライド移動する。これにより、レリーズベアリング55がダイヤフラムスプリング52の中央部を押圧する状態が解消され、クラッチが締結された状態が得られる。
なお、本例では、レリーズシリンダ57によりレリーズレバー2の力点部21を押圧する油圧式クラッチを例示したが、力点部21を押圧する手法については特に限定されるものではない。
<2.実施形態のカバー部材>
図5は、カバー部材4の裾部42の構成及び作用を説明するための図であり、図5A、図5Bは、それぞれクラッチ締結時、クラッチ締結解除時におけるクラッチレリーズ装置1のカットモデルを示している。なお、図5A、図5Bではクラッチハウジング58も併せて示している。
先ず、説明上、レリーズレバー2の方向を次のように定義する。すなわち、レリーズレバー2の回動軸を境に力点部21が位置される側を上側、作用点部23が位置される側を下側と定義する。
本例のカバー部材4は、裾部42において、第一連結部42aと第二連結部42bとが形成されているが、図示のようにカバー部材4は、第一連結部42aが上側、第二連結部42bが下側に位置するようにレバー支持部材3に取り付けられる。
ここで、裾部42の上側部分、すなわち第一連結部42aを通り裾部42先端まで延びる部分は、図5Aと図5Bを対比して分かるように、クラッチ締結時(図5A)よりもクラッチ締結解除時(図5B)の方が、回動するレリーズレバー2から受ける圧力が大きくなる部分となる(以下「解除時抵抗部」と表記する)。
一方、裾部42の下側部分、すなわち第二連結部42bを通り裾部42先端まで延びる部分は、クラッチ締結解除時(図5B)よりもクラッチ締結時(図5A)の方が、回動するレリーズレバー2から受ける圧力が大きくなる部分となる(以下「締結時抵抗部」と表記する)。
本例のカバー部材4においては、下側部分としての締結時抵抗部の方が、上側部分としての解除時抵抗部よりも肉厚に形成されている。すなわち、カバー部材4は、回動するレリーズレバー2に対する抵抗力として、クラッチ締結解除時における抵抗力よりも締結時における抵抗力の方が大きくされている。
カバー部材4において、上記の上側部分、下側部分はそれぞれ回動するレリーズレバー2に対し抵抗力を作用させる部分であり、従って、例えば上記のようにそれらの厚みを調整することで、クラッチペダル操作に対するクラッチの締結、締結解除の応答性を調整可能となる。
そして、特に、上記のように締結時抵抗部を厚くすることで、クラッチ締結時にレリーズレバー2への抵抗力を大きくすることが可能となる。これにより、例えば運転者が急発進等を意図してクラッチペダルを急激にリリースする場合に、該ペダル操作に対しレリーズレバー2が戻り難くなるようにすることができ、クラッチの急激な締結が防止される。
従って、クラッチ寿命の延命化を図ることができる。
なお、上記では、裾部42に二つ開口が形成されて、締結時抵抗部と解除時抵抗部とが断絶されて形成される例としたが、裾部42への開口の形成は必須ではなく、締結時抵抗部と解除時抵抗部とが連続して形成される構成を採ることもできる。
<3.変形例>
図6は、第一変形例としてのクラッチレリーズ装置1Aが備えるカバー部材4Aの構成例を示している。
カバー部材4との差違は、裾部42において第一連結部42aが省略された点である。
図7は、クラッチレリーズ装置1Aが備えるカバー部材4Aの裾部42Aの構成及び作用を説明するための図であり、先の図5と同様の形式でクラッチレリーズ装置1Aのカットモデルを示している。
第一連結部42aが省略されたことで、カバー部材4Aにおける裾部42Aは、上側部分の裾長さ(根元側から先端側への長さ)が短くされる。すなわち、上側部分としての解除時抵抗部と下側部分としての締結時抵抗部とを比較したとき、締結時抵抗部の裾長さの方が長くされている。
これにより、回動するレリーズレバー2に対する抵抗力は、締結時抵抗部の方が解除時抵抗部よりも大きくなる。そのため、クラッチレリーズ装置1の場合と同様に、クラッチ寿命の延命化を図ることができる。
図8は、第二変形例としてのクラッチレリーズ装置1Bが備えるカバー部材4Bの裾部42Bの構成及び作用を説明するための図であり、先の図5と同様の形式でクラッチレリーズ装置1Bのカットモデルを示している。
カバー部材4Bとカバー部材4との差違は、下側部分としての締結時抵抗部に形状記憶材料43が設けられた点である。形状記憶材料43は、例えば形状記憶合金とされ、裾部42Bの下側部分の内部に埋め込まれるように配置されている。具体的に、本例において形状記憶材料43は、第二連結部42bの内部から裾部42Bの先端付近までにわたって裾部42B内に設けられている。
形状記憶材料43としては、低温時に変形し易く高温時(低温時よりも高温時:常温時を含む)に元形状に戻り易くなる性質を有する材料が選定される。
ここで、カバー部材4Bがゴム等の弾性部材で構成される場合には、低温時に締結時抵抗部の剛性が高まる傾向となってクラッチ締結に対する抵抗力が高まり、クラッチが過剰に締結し難くなる虞がある。そこで、上記のように締結時抵抗部に形状記憶材料43を設けて、低温時に締結時抵抗部が変形し易くなるようにする(レリーズレバー2に対する抵抗力が小さくなるようにする)。
これにより、低温時にクラッチが過剰に締結し難くなることの防止を図りながら、クラッチの急激な締結防止を図ることによるクラッチの延命化を図ることができる。
なお、上記では形状記憶材料を用いる構成を、裾部の厚みに差を持たせる場合に適用する例を挙げたが、該構成は第一変形例のように裾長さに差を持たせる場合にも好適に適用できる。或いは、厚みや裾長さに差を持たせない場合であっても好適に適用することができる。
ここで、締結時抵抗部と解除時抵抗部とでレリーズレバー2に対する抵抗力に差を設けるための手法としては、上記した裾部の厚みや裾長さに差を設ける手法以外にも多様に考えられる。例えば、裾部の厚み方向に切り込みを入れて裾部を曲げやすくすることで、厚みや裾長さに関係なく、抵抗力に差を持たせることもできる。
<4.実施形態のまとめ>
上記で説明したように実施形態のクラッチレリーズ装置(1又は1A又は1B)は、クラッチペダルの操作に応じて押圧される力点部(21)と、力点部への押圧時に回動中心となる支点部(22)と、力点部への押圧時に支点部周りに回動されると共に回動により駆動源とクラッチ板との締結を解除させる作用点部(23)と、を有するレリーズレバー(2)と、支点部においてレリーズレバーを回動可能に支持する摺動面(31)が形成されたレバー支持部材(3)と、摺動面を覆うカバー部材(4又は4A又は4B)と、を備えている。
そして、カバー部材は、レバー支持部材に取り付けられる根元部(41)と、根元部に連結され先端側がレリーズレバーと当接する裾部(42A又は42A又は42B)とを有し、裾部は、駆動源とクラッチ板との締結時と締結解除時とでレリーズレバーの回動に対する抵抗力が異なるものである。
上記のカバー部材により、摺動面に塗布された潤滑剤が漏れ出すことの防止が図られると共に、裾部の上記抵抗力により、クラッチペダル操作に対するクラッチの締結、締結解除の応答性を調整可能となる。
ペダル操作に対するクラッチ締結、締結解除の応答性を調整するにあたってカバー部材以外の別途の追加部品が不要となるため、部品点数削減によりコスト削減が図られる。
このように実施形態のクラッチレリーズ装置によれば、潤滑剤の漏れによる異音発生の防止を図りつつ、ペダル操作に対するクラッチ締結、締結解除の応答性の調整をコスト削減を図りながら実現することができる。
また、実施形態のクラッチレリーズ装置においては、裾部は、締結解除時における抵抗力よりも締結時における抵抗力の方が大きくされている。
これにより、急発進等を意図してクラッチペダルが急激にリリースされた場合にレリーズレバーが戻り難くなり、クラッチの急激な締結が防止される。
従って、運転フィーリングの悪化やトルク伝達下流部品の破損を防止することができる。
さらに、実施形態のクラッチレリーズ装置(1)においては、裾部(42)は、締結解除時よりも締結時にレリーズレバーから受ける圧力が大きくなる締結時抵抗部と、締結時よりも締結解除時にレリーズレバーから受ける圧力が大きくなる解除時抵抗部とを有し、締結時抵抗部の方が解除時抵抗部よりも肉厚とされている。
これにより、クラッチの急締結緩和による延命化を、カバー部材の厚みを部分的に調整することで実現可能とされる。つまり、例えばゴムであればゴムの単一材料で実現可能とされる。
従って、クラッチの急締結緩和による運転フィーリングの悪化防止やトルク伝達下流部品の破損防止を簡易な構成で且つ低コストに実現することができる。
さらにまた、実施形態のクラッチレリーズ装置(1A)においては、裾部(42A)は、締結解除時よりも締結時にレリーズレバーから受ける圧力が大きくなる締結時抵抗部と、締結時よりも締結解除時にレリーズレバーから受ける圧力が大きくなる解除時抵抗部とを有し、締結時抵抗部は、根元側から先端側への長さである裾長さが、解除時抵抗部の裾長さよりも長くされている。
裾長さによる抵抗力の調整とすることで、長さを短くする解除時抵抗部については使用材料を少なくすることが可能とされる。
従って、コスト削減を図ることができる。
また、実施形態のクラッチレリーズ装置(1B)においては、裾部(42B)は、締結解除時よりも締結時にレリーズレバーから受ける圧力が大きくなる締結時抵抗部と、締結時よりも締結解除時にレリーズレバーから受ける圧力が大きくなる解除時抵抗部とを有し、締結時抵抗部に形状記憶材料が設けられている。
カバー部材がゴム等の弾性部材で構成される場合には、低温時に締結時抵抗部の剛性が高まる傾向となり、クラッチ締結に対する抵抗力が高まり、クラッチが過剰に締結し難くなる虞がある。そこで、上記のように締結時抵抗部に形状記憶材料を設けて、低温時に締結時抵抗部が変形し易くなるようにする。
これにより、低温時にクラッチが過剰に締結し難くなることの防止を図りつつ、クラッチの急激な締結防止を図ることにより運転フィーリングの悪化やトルク伝達下流部品の破損を防止することができる。
1、1A、1B クラッチレリーズ装置、2 レリーズレバー、21 力点部、22 支点部、23 作用点部、3 レバー支持部材、31 摺動面、4、4A、4B カバー部材、41 根元部、42、42A、42B 裾部、42a 第一連結部、42b、 第二連結部、43 形状記憶材料、50 クラッチ機構、51 クラッチディスク、52 ダイヤフラムスプリング、53 プレッシャプレート、54 クラッチカバー、55 レリーズベアリング、56 クラッチフェーシング、57 レリーズシリンダ、58 クラッチハウジング、59 リテーナ部、60 フライホイール、61 クランクシャフト、
70 入力軸

Claims (4)

  1. クラッチペダルの操作に応じて押圧される力点部と、前記力点部への押圧時に回動中心となる支点部と、前記力点部への押圧時に前記支点部周りに回動されると共に回動により駆動源とクラッチ板との締結を解除させる作用点部と、を有するレリーズレバーと、
    前記支点部において前記レリーズレバーを回動可能に支持する摺動面が形成されたレバー支持部材と、
    前記摺動面を覆うカバー部材と、を備え、
    前記カバー部材は、
    前記レバー支持部材に取り付けられる根元部と、前記根元部に連結され先端側が前記レリーズレバーと当接する裾部とを有し、
    前記裾部は、
    前記駆動源と前記クラッチ板との締結時と締結解除時とにおける前記レリーズレバーの回動に対する抵抗力として、前記締結解除時における前記抵抗力よりも前記締結時における前記抵抗力の方が大きい
    クラッチレリーズ装置。
  2. 前記裾部は、
    前記締結解除時よりも前記締結時に前記レリーズレバーから受ける圧力が大きくなる締結時抵抗部と、前記締結時よりも前記締結解除時に前記レリーズレバーから受ける圧力が大きくなる解除時抵抗部とを有し、
    前記締結時抵抗部の方が前記解除時抵抗部よりも肉厚とされた
    請求項に記載のクラッチレリーズ装置。
  3. 前記裾部は、
    前記締結解除時よりも前記締結時に前記レリーズレバーから受ける圧力が大きくなる締結時抵抗部と、前記締結時よりも前記締結解除時に前記レリーズレバーから受ける圧力が大きくなる解除時抵抗部とを有し、
    前記締結時抵抗部は、根元側から先端側への長さである裾長さが、前記解除時抵抗部の裾長さよりも長い
    請求項又は請求項に記載のクラッチレリーズ装置。
  4. 前記裾部は、
    前記締結解除時よりも前記締結時に前記レリーズレバーから受ける圧力が大きくなる締結時抵抗部と、前記締結時よりも前記締結解除時に前記レリーズレバーから受ける圧力が大きくなる解除時抵抗部とを有し、
    前記締結時抵抗部に形状記憶材料が設けられた
    請求項乃至請求項の何れかに記載のクラッチレリーズ装置。
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