JP2005265042A - クラッチのレリーズ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クラッチレリーズフォークとフォークサポートとの接触部(支点係合部)への外部からの塵埃の浸入の防止および支点係合部からのグリース流出の防止によって、揺動動作を安定化する。
【解決手段】 クラッチレリーズフォーク100には、凹球面状の支点係合部150が設けられる。フォークサポート160には、クラッチレリーズフォーク100が支点係合部150を支点として揺動自在となるように、支点係合部に先端が当接するように設けられる。ブーツ170は支点係合部150をシールし、その一端側171は、支点係合部150の周りを取り囲むようにクラッチレリーズフォーク100へ取り付けられる。フォークサポート160には、ブーツの他端側を支持するためのブーツ支持部210が形成され、ブーツの他端側172は、ブーツ支持部210に取り付けられる。
【選択図】 図4
【解決手段】 クラッチレリーズフォーク100には、凹球面状の支点係合部150が設けられる。フォークサポート160には、クラッチレリーズフォーク100が支点係合部150を支点として揺動自在となるように、支点係合部に先端が当接するように設けられる。ブーツ170は支点係合部150をシールし、その一端側171は、支点係合部150の周りを取り囲むようにクラッチレリーズフォーク100へ取り付けられる。フォークサポート160には、ブーツの他端側を支持するためのブーツ支持部210が形成され、ブーツの他端側172は、ブーツ支持部210に取り付けられる。
【選択図】 図4
Description
この発明は、クラッチのレリーズ構造に関し、より特定的には、クラッチレリーズフォークの支点軸受構造に関する。
一般的に、自動車のクラッチを切るために設けられるクラッチレリーズフォークの支点軸受は、クラッチケースに固着されるねじ部の先端に凸球面を有するフォークサポート(ピボット軸)と、この凸球面に対応してクラッチレリーズフォークに一体成形された凹球面状の支点係合部とで構成されている。
フォークサポート先端の凸球面と、支点係合部の凹球面とを略同一の曲率で設計することにより、クラッチレリーズフォークは、支点係合部を支点とした面当たりによる揺動運動が可能となる。このようなクラッチレリーズフォークの揺動運動によって、クラッチの接続および切り離しが行われる。
上記の揺動運動を安定的に行なうためには、クラッチレリーズフォークの支点係合部とフォークサポートとの接触部の潤滑性の確保が重要である。
このため、当該接触部に外部から塵埃が浸入するのを防止し、また当該接触部から潤滑油(グリース)が流出するのを防止するために、フォークサポートの先端近傍の外周に、自己潤滑性のある材質からなる環状突条を設け、この環状突条と支点係合部との間にラビリンスシールを形成する構造が開示されている(たとえば特許文献1)。
特開平11−101271号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構造では、支点係合部とフォークサポートとの接触部への外部からの異物、水等の浸入をラビリンスシール構造によって抑制するので、そのシール効果が比較的小さい。このため、グリース保持および揺動運動の安定性の面でも不利であるという問題点がある。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、クラッチレリーズフォークとフォークサポートとの接触部(支点係合部)への外部からの塵埃の浸入の防止および支点係合部からのグリース流出の防止によって、クラッチレリーズ構造の動作を安定化することである。
この発明によるクラッチのレリーズ構造は、クラッチレリーズフォークと、フォークサポートと、ブーツとを備える。クラッチレリーズフォークには、凹球面状の支点係合部が設けられる。フォークサポートには、クラッチレリーズフォークが支点係合部を支点として揺動自在となるように、支点係合部に先端が当接するように設けられる。ブーツは支点係合部をシールし、その一端側は、支点係合部の周りを取り囲むようにクラッチレリーズフォークへ取り付けられる。フォークサポートには、フォークサポートの本体と一体的に設けられた、ブーツの他端側を支持するためのブーツ支持部が形成され、ブーツの他端側は、ブーツ支持部に取り付けられる。
好ましくは、ブーツ支持部は、フォークサポートの本体部分から突出した円環形状で設けられる。
また好ましくは、ブーツの一端側は、フォークサポートの側面部に対向してクラッチレリーズフォークに円周状に設けられた溝によって支持される。
この発明によるクラッチのレリーズ構造では、クラッチレリーズフォークの揺動動作の支点となる支点係合部をブーツによって確実にシールできる。さらに、フォークサポートの本体と一体的に設けられたブーツ支持部によってシールの取付け構造を確保するので、クラッチレリーズフォークおよびフォークサポートの大幅な設計変更を伴うことなく、外部からの塵埃の浸入の防止および潤滑確保のためのグリース流出の防止によってクラッチレリーズ構造の動作を安定化することができる。
特に、ブーツ支持部をフォークサポートの本体部分から突出した円環形状で設ける構造あるいは、ブーツの一端側をクラッチレリーズフォークに円周状に設けられた溝によって支持する構造とすることにより、シールの取付け構造を簡易に確保できる。
以下において、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下において、同一または相当部分には同一符号を付して原則としてその説明は繰返さないものとする。
図1は、この発明によるクラッチのレリーズ構造が適用される油圧式クラッチ機構の全体構成を示す概略図である。
図1を参照して、油圧式クラッチ機構5は、クラッチペダル10と、ペダルリターンスプリング20と、マスタシリンダ30と、フレキシブルホース40と、クラッチカバー50と、レリーズシリンダ60と、クラッチレリーズフォーク100とを備える。
クラッチペダル10は、クラッチの切離し(レリーズ)を指示する、運転者の踏込み操作を受ける。クラッチペダル10のプッシュロッドは、ペダルリターンスプリング20によってペダル側に押されている。
マスタシリンダ30には、図示しないピストン等が組込まれており、クラッチペダル10の踏込み操作に応答して、ピストンの摺動により油圧を発生する。ペダルリターンスプリング20の作用により、クラッチペダル10の踏込み操作時以外には、マスタシリンダ30による油圧は発生されない。
マスタシリンダ30によって発生される油圧は、フレキシブルホース40によってレリーズシリンダ60へ伝達される。レリーズシリンダ60は、マスタシリンダ30からフレキシブルホース40を介して圧送されるフルードによって油圧を受け、この油圧によってクラッチレリーズフォーク100を動かして、クラッチカバー50を図示しないクラッチディスクから切り離すことによりクラッチ切り操作を行なう。
図1に示した油圧式クラッチ機構5では、クラッチペダル10の動きをマスタシリンダ30によって油圧へ変換してクラッチ本体に伝達させるので、エンジンからの振動の影響少なく、かつ操作性もよい。
図2は、この発明によるクラッチレリーズフォーク100の正面図である。
図2を参照して、クラッチレリーズフォーク100は、力点部110と、支点部120と、作用部130とを有する。
力点部110は、レリーズシリンダ60からの押し付け力によって変位する。作用部130は、力点部110にレリーズシリンダ60からの押し付け力が加えられたときに変位して、クラッチカバー50を動かすように配置される。
図3は、図2に示したクラッチレリーズフォークの側面図である。
図3を参照して、レリーズシリンダ60は、ピストン64およびプッシュロッド66を含む。ピストン64は、フレキシブルホース40を経由してマスタシリンダ30から伝達された油圧に応答してプッシュロッド66を押す。ピストン64によって押されたプッシュロッド66は、力点部110に作用する。
クラッチレリーズフォーク100の支点部120には、凹球面状の支点係合部150が一体的に設けられる。支点係合部150に対しては、フォークサポート160の先端部が当接する。フォークサポート160の先端部に、支点係合部150と同一曲率の凸球面を設けることにより、クラッチレリーズフォーク100は、支点係合部150を支点として揺動自在となる。
これにより、力点部110にクラッチペダル(図1)への踏込み操作に応答した押し付け力が加えられると、クラッチレリーズフォーク100が支点係合部150を支点として揺動し、作用部130によってクラッチカバー(図1)が動かされて、クラッチが切られる。
一方、クラッチペダル(図1)への踏込み操作が無い場合には、力点部110に押し付け力が加えられず、作用部130は、クラッチカバー(図1)とクラッチディスク(図示せず)とが接続される位置へ戻される。
この発明によるクラッチレリーズ構造では、支点係合部150に対する外部からの塵埃の浸入およびグリース流出を防止するために、支点係合部150をシールするための保護カバーとなるブーツ170が設けられている。ブーツ170は、一般的に気密、水密または防塵に用いる蛇腹形状のゴムで構成されるが、その形状および材質は特に限定されない。
図4は、シール用ブーツの取付け構造を説明するための、図2におけるIV−IV断面図である。
図4を参照して、支点係合部150と当接するように配置されるフォークサポート160の先端部には、グリース体積を確保するための溝穴162がさらに設けられてもよい。
フォークサポート160の後端部は、ねじ部190によって、クラッチケース200へねじ止めされている。さらに、フォークサポート160の後端部には、ブーツ170を支持するためのブーツ支持部210が設けられる。ブーツ支持部210は、フォークサポート160の本体部分165と一体的に、かつ、本体部分165の周囲から出っ張った(突出した)円環形状で設けられる。ブーツ支持部210は、フォークサポート160の加工時に一体的に作製してもよく、あるいは、フォークサポート160の本体部分165に対して円環状の別部材を圧着等によって取り付けることにより作製してもよい。また、ブーツ支持部210の形状は、ブーツ170を支持可能あれば、円環形状に特に限定されることなく任意の形状とすることができる。
ブーツ170の一端側171は、支点係合部150の周りを取囲むように、クラッチレリーズフォーク100に設けられた溝105に嵌込まれる。溝105は、支点係合部150よりもフォークサポート160の後端側において、フォークサポート160の側面部に対向して円周状に設けられる。一方、ブーツ170の他端側172は、フォークサポート160の後端に設けられたブーツ支持部210によって支持される。
これにより、ブーツ170によって、クラッチレリーズフォーク100とフォークサポート160とが当接する支点係合部150のシール性を安定的に確保できるので、外部からの塵埃の浸入の防止および潤滑確保のためのグリース流出の防止が図れ、クラッチレリーズ構造の揺動動作を安定化することができる。
特に、クラッチレリーズフォーク100に設けられた溝105と、フォークサポート160の後端に設けられたブーツ支持部210とでブーツ170の取付け構造を確保できるので、クラッチレリーズフォーク100およびフォークサポート160の大幅な設計変更を伴うことなく、支点係合部150のシール性を確保できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5 油圧式クラッチ機構、10 クラッチペダル、20 ペダルリターンスプリング、30 マスタシリンダ、40 フレキシブルホース、50 クラッチカバー、60 レリーズシリンダ、100 クラッチレリーズフォーク、105 溝(ブーツ支持用)、110 力点部、120 支点部、130 作用部、150 支点係合部、160 フォークサポート、165 本体部分(フォークサポート)、170 ブーツ、171 ブーツ一端側、172 ブーツ他端側、200 クラッチケース、210 ブーツ支持部。
Claims (3)
- 凹球面状の支点係合部が設けられたクラッチレリーズフォークと、
前記クラッチレリーズフォークが前記支点係合部を支点として揺動自在となるように、前記支点係合部に先端が当接するように設けられたフォークサポートとを備えたクラッチのレリーズ構造であって、
前記支点係合部をシールするためのブーツをさらに備え、
前記ブーツの一端側は、前記支点係合部の周りを取り囲むように前記クラッチレリーズフォークへ取り付けられ、
前記フォークサポートには、該フォークサポートの本体と一体的に設けられた、前記ブーツの他端側を支持するためのブーツ支持部が形成され、
前記ブーツの他端側は、該ブーツ支持部に取り付けられる、クラッチのレリーズ構造。 - 前記ブーツ支持部は、前記フォークサポートの本体部分から突出した円環形状で設けられる、請求項1に記載のクラッチのレリーズ構造。
- 前記ブーツの一端側は、前記フォークサポートの側面部に対向して前記クラッチレリーズフォークに円周状に設けられた溝によって支持される、請求項1に記載のクラッチのレリーズ構造。
Priority Applications (1)
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JP2004078034A JP2005265042A (ja) | 2004-03-18 | 2004-03-18 | クラッチのレリーズ構造 |
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EP1707836A3 (en) * | 2005-03-30 | 2008-12-31 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Clutch release structure |
JP2019178724A (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-17 | 株式会社Subaru | クラッチレリーズ装置 |
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2004
- 2004-03-18 JP JP2004078034A patent/JP2005265042A/ja active Pending
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