JP3955538B2 - センサユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクセルペダルの踏み込み量を検出するセンサユニットに関し、特に、アクセルペダルに連動されたシャフトを原位置へ付勢する2つのトーションスプリングを有するセンサユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近時の自動車では、アクセルペダルの踏み込み量をセンサユニットで検出してECU(Electric Control Unit)に供給しているものがある。ECUでは、アクセルペダルの踏み込み量に基づいてエンジンのスロットルバルブを開閉駆動する制御を行う。このように、アクセルペダルの踏み込み量を一度ECUを介し、その検出信号を信号処理してスロットルバルブを開閉するようにすると、例えば、ECUに供給される他の情報(車輪スリップ量等)を反映することが可能となり、より高度なエンジン制御を行うことができる。
【0003】
アクセルペダルとセンサユニットはケーブルで連結されており、アクセルペダルの踏み込み動作に連動してセンサユニットのシャフトが回動し、このシャフトの回動角度を角度センサで検出する。
【0004】
このシャフトを弾性体によって原位置に復帰させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では弾性体として2本のトーションスプリングを採用しており、仮に1本が破損した場合でも残りの1本でシャフトを原位置に復帰させるようにしている。
【0005】
また、図11に示すように、シャフト100のうち、角度センサ102から遠い一端を支持する第1支持部104と、角度センサ102と接続される側を支持する第2支持部106とを有する2点支持のセンサユニットでは、第2支持部106にすべり軸受(平軸受またはプレーン軸受とも呼ばれる)108を採用することがある。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−182269号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図11に示すように、2本のトーションスプリング110、112は、ドラム114と本体116との間に回転力が加えられた際に、軸方向に開く性質がある。2本のトーションスプリング110、112は、ドラム114を本体116に対して右方向に押圧するスラスト力Fをそれぞれ発生することになり、回転角が大きいほどこのスラスト力Fも大となる。2つのトーションスプリング110、112は同性能であることから、それぞれスラスト力Fを発生して、合成された押圧力の大きさは2×Fとなる。
【0008】
ドラム114はシャフト100に固定されているので、トーションスプリング110、112によるスラスト力Fは、軸方向に大きなフリクションを発生させる。これにより、シャフト100は回転し難く、しかも動作のヒステリシスが大きくなり、結果としてセンサユニットの検出精度が低下する。
【0009】
また、センサユニットにすべり軸受108を採用する場合、この種のすべり軸受108は十分な強度を有する反面、回転方向のフリクションが比較的大きい。図11に示すように、2つのトーションスプリング110、112がすべり軸受108からみて一方のみに設けられていると、トーションスプリング110、112が発生する力の一部がシャフト100を曲げる方向の力として作用する。特に、シャフト100が第1支持部104においてボールベアリング122によって軸支されている場合には、ボールベアリング122は回転方向のフリクションが極めて小さく、しかも剛性が比較的弱いことからすべり軸受108とバランスしない。結果として、トーションスプリング110、112がすべり軸受108に対して偏加重を加え、シャフト100はすべり軸受108内の微小なクリアランスの範囲で倒れることとなる。このため、すべり軸受108内の回転フリクションが増加し円滑な回転が得られず、検出精度が低下する。
【0010】
さらに、ケーブルはセンサユニットに対して容易に連結することができるように組立作業性が重要視されている。一方、センサユニットは、車両への搭載を考慮するとコンパクトである必要がある。ケーブルを接続する箇所の近傍に十分な作業空間を設ければ組立作業性は向上するが、この作業空間によってセンサユニットは大型化する。つまり、ケーブルを接続する組立作業性の向上とコンパクト化とを両立させることは困難である。
【0011】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、シャフトを原位置へ付勢する2つの弾性体を有するセンサユニットにおいて、シャフトと本体との間に発生する軸方向のフリクションおよびすべり軸受内の回転フリクションを低減して、シャフトを円滑に回転させることのできるセンサユニットを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明の他の目的は、ケーブルを接続する際の組立作業性がよく、しかもコンパクトなセンサユニットを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るセンサユニットは、アクセルの操作量を検出し、スロットルバルブを制御するECUに該操作量を供給するセンサユニットであって、
前記アクセルに連動し、本体に対して回動するシャフトと、
前記シャフトの回動角度を検出する角度センサと、
前記シャフトにそれぞれ係合し、前記シャフトを原位置へ付勢する第1トーションスプリングおよび第2トーションスプリングと、
を有し、
前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングは、前記シャフトに加える各スラスト力が互いに対向するように配置されることを特徴とする。
【0014】
このように、第1トーションスプリングのスラスト力と第2トーションスプリングのスラスト力が互いに対向するように配置したので、シャフトと本体との軸方向フリクションが低減し、円滑な回転が得られる。
【0015】
この場合、前記シャフトと同軸の筒体を有し、前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングの一方が前記筒体の内側に設けられ、他方が前記筒体の外側に設けられ、前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングは、軸方向において少なくとも一部が重複して配置されていてもよい。また、前記筒体の内側に設けられ、該筒体に対して一部が接続され、前記シャフトを支持するすべり軸受を有し、前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングの一方が前記すべり軸受の外側に設けられていてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るセンサユニットについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図1〜図10を参照しながら説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態に係るセンサユニット10は、プルケーブル12を介してアクセルペダル14と接続されており、アクセルペダル14の踏み込み量を検出することができる。プルケーブル12は、アウターケーブル12aとインナーケーブル12bとからなり、アクセルペダル14の踏み込みによりインナーケーブル12bがセンサユニット10のドラム46(図3参照)を回動させる。ドラム46およびシャフト38はセンサユニット10に設けられた第1トーションスプリング60および第2トーションスプリング68(図3参照)の弾性付勢を受けており、アクセルペダル14は、足を離した、所謂、解放状態にすることにより、アクセルペダル14に接続されたリターンスプリング15によって運転者の方向へ復帰することができる。
【0023】
センサユニット10で検出されたアクセルペダル14の踏み込み量に係る信号はECU16へ供給される。ECU16は、図示しない車輪スリップ量検出センサ等に接続されており、アクセルペダル14の踏み込み量、車輪のスリップ量等に基づきスロットルバルブ18の駆動モータ17へ信号を送給し、開閉制御を行う。
【0024】
図2に示すように、センサユニット10は、ベース部材としての本体20を有する。本体20は、底部20aと、前記底部20aから一体的に且つ斜め上方に延在する第1支持部20bと前記底部20aの側方から略上方に延在する第2支持部20cとを有する。底部20aの底面には取り付け用のねじ穴(図示せず)が設けられている。なお、図2〜図5に示すセンサユニット10は、アクセルペダル14を解放状態としているとき、つまり、インナーケーブル12bによる引き込みがない状態であり、シャフト38が原位置に復帰している状態を示している。
【0025】
底部20aには、斜め上方に延在するステー22がボルト24(図4参照)により締結されている。ステー22の先端部は、やや屈曲して上方に延在しており、この先端部の切欠き22aには、プルケーブル12の外被であるアウターケーブル12aが固定される。なお、ステー22はセンサユニット10と別体に構成してもよい。
【0026】
第1支持部20bとステー22は互いに斜め上方へ向かって離間するように延在し、第1支持部20bにおける下方後方(矢印B方向)には空間25が形成される。
【0027】
図3に示すように、第2支持部20cには、階段状に径の小さくなる膨出部26が第1支持部20bの方向に突出している。膨出部26の内側には、凹部28が設けられている。膨出部26には、すべり軸受30と、凹部28の部分に開口し、すべり軸受30と同軸の環状溝32とが設けられている。該すべり軸受30は、実質的に膨出部26に削孔された表面粗さ精度の高い孔からなり、内面に潤滑剤が塗布されている。環状溝32は外周の一部に軸方向に延在する縦溝32a(図5参照)が設けられている。
【0028】
第2支持部20cの上方部には第1支持部20bの方向に突出する突出部34が設けられている。
【0029】
第1支持部20bには、ボールベアリング36が設けられており、該ボールベアリング36によりシャフト38の一端(図3における右方)を軸支している。前記シャフト38はアクセルペダル14の踏み込み量を検出するための回転軸であり、他端(図3における左方)に向かって階段状に大径となっている。シャフト38の他端には、所謂、Dカット面が形成されており、このDカット面が凹部28内においてレバー40に係止している。前記レバー40のアーム係止部41は角度センサ42の角度検出アーム42aに接続されている。従って、シャフト38の回動角度はアーム係止部41、角度検出アーム42aを介して角度センサ42により検出することができる。
【0030】
レバー40は、シャフト38に加わる衝撃力やスラスト力を吸収し、角度センサ42を保護し、角度センサ42とシャフト38との取り付け誤差によるねじれ応力を吸収し、所謂、カップリングの作用を営む。
【0031】
シャフト38の他端側の約半分は、すべり軸受30に挿入されている。すべり軸受30の図3における右端部には摺動シール44が設けられており、シャフト38と膨出部26との間をシールしている。
【0032】
角度センサ42は、第2支持部20cの図3における左方でガスケット45を介してビスによって固定され、その出力側はコネクタ42b(図4参照)を介してECU16と接続される。前記角度センサ42として、例えば、接触摺動式のポテンショメータ等を採用することができる。また、角度センサ42としてポテンショメータを採用する場合、摺動点を二重化しそれぞれの摺動点から個別に角度情報を出力できるようにするとよい。このように、摺動点を二重化することにより仮に一方の摺動点の性能が劣化した場合でも、他方の摺動点の出力を利用することができる。また、角度センサ42の検出側の端面は、摺動シール44およびガスケット45によって外部と遮断されることにより防水、防塵の保護がなされる。
【0033】
シャフト38の第1支持部20bと第2支持部20cとの間には、シャフト38と一体的に回動可能なドラム46が設けられている。シャフト38とドラム46は、Dカット面とDカット軸との嵌合により一体となっている。ドラム46とボールベアリング36との間にはスペーサ48が挿入されており、該スペーサ48とナット50とにより、シャフト38がボールベアリング36の内輪に固定されている。
【0034】
シャフト38およびドラム46は、第1トーションスプリング60および第2トーションスプリング68の弾性付勢を受けて図2における矢印A1方向に付勢されている。第1トーションスプリング60および第2トーションスプリング68については後述する。
【0035】
ドラム46は、略円盤形状であり、メインドラム46aと、該メインドラム46aに取り付けられたケーブルガイド部46bとを有する。メインドラム46aとケーブルガイド部46bとの間には、インナーケーブル12bが沿うガイド溝52が形成されている。ガイド溝52は、シャフト38を中心とした略一定半径で、シャフト38の上部から下部に渡って約半周設けられている。メインドラム46aにおけるガイド溝52の下端部の近傍にはインナーケーブル12bの先端部(ケーブルの他端)12cを係止する係止部54(図2参照)が設けられている。
【0036】
シャフト38が原位置に復帰している状態において、係止部54はシャフト38の下方に位置するように設定されている。また、この状態において、先端部12cは第1支持部20b下部の後方(矢印B方向)における空間25(図2参照)に位置することになる。ところで、仮に空間25がない場合には、先端部12cと第1支持部20bとの干渉を防止するという理由、および、組み立て時の作業性を容易にするという理由から、ドラム46と第1支持部20bとを十分に離間させる必要がある。従って、センサユニット10の全幅が厚くなり、車両への搭載上不都合である。
【0037】
本実施の形態におけるセンサユニット10の第1支持部20bは、係止部54の上方に向かって斜めに延在する形状である。この形状により、空間25が形成され、第1支持部20bと先端部12cが干渉することがない。また、係止部54は第1支持部20bに覆われることがなく、シャフト38の軸方向の一方である側方に露出され、先端部12cを係止する組み立て作業を容易に行うことができる。さらに、第1支持部20bとケーブルガイド部46bとの隙間W(図3参照)を狭く設定することができる。結果としてセンサユニット10の軸方向の寸法である全幅を薄くし、コンパクトにすることができる。
【0038】
さらにまた、第1支持部20bは、斜めに上方に延在する形状であることから、無駄のないシンプルな形状になり、しかも強度、剛性が確保できる。
【0039】
なお、先端部12cおよび係止部54は、プルケーブル12によってシャフト38が回転する回転方向(矢印A2方向)にも露出しているので、シャフト38の回転時に先端部12cが第1支持部20bに干渉しないことはもちろんである。
【0040】
メインドラム46aの外周部には、第2支持部20cの方向に突出する第1ストッパ56および第2ストッパ58(図2参照)が設けられている。インナーケーブル12bによる引張力がない場合、つまり、アクセルペダル14が踏み込まれていない解放状態時には、第1トーションスプリング60および第2トーションスプリング68の弾性付勢によって第1ストッパ56が突出部34に当接した状態となっている。また、シャフト38は原位置に復帰している。一方、インナーケーブル12bによってドラム46が引かれる場合、つまりアクセルペダル14が踏み込まれる場合には、ドラム46は第2ストッパ58が突出部34に当接するまで矢印A2方向(図2参照)に回動することができる。また、アクセルペダル14を解放状態にすると、第1トーションスプリング60および第2トーションスプリング68の弾性付勢によってドラム46は矢印A1方向に回動し、第1ストッパ56が突出部34に当接する位置まで復帰することができる。
【0041】
第1トーションスプリング60は、やや大径のコイル部を有するねじりコイルばねであり、コイルの両端にフック62(図2参照)および64が設けられている。第1トーションスプリング60はシャフト38と同軸状に、かつ膨出部26の周囲を取り囲むように配置されている。一端のフック62は突出部34に係合しており、他端のフック64はメインドラム46aに設けられたフック孔(第1係合部)66に係合している。フック孔66は、アクセルペダル14の解放状態では、シャフト38の下方に位置している。
【0042】
また、第1トーションスプリング60は、ねじられる際に軸方向に開く性質があり、ドラム46およびシャフト38を図3における右方向へスラスト力F1(図7参照)で押圧する。
【0043】
図3および図5に示すように、第2トーションスプリング68は、やや小径のコイル部を有するねじりコイルばねであり、コイルの両端に径方向に突出するフック70およびU字状のフック72が設けられている。なお、図5は、センサユニット10から角度センサ42を取り外した状態の側面図である。
【0044】
第2トーションスプリング68のコイル外径は第1トーションスプリング60のコイル内径より十分小さく、第2トーションスプリング68は環状溝32に挿入されている。第2トーションスプリング68の一端のフック72はレバー40に設けられた切欠き(第2係合部)76に係合しており、他端のフック70は縦溝32aに係合している。切欠き76は、アクセルペダル14の解放状態では、シャフト38の下方に位置しており、切欠き76とフック孔66(図2参照)とは、シャフト38の軸心を基準にして同じ角度に設けられている。
【0045】
また、第2トーションスプリング68は、ねじられる際に軸方向に開く性質があり、レバー40およびシャフト38を図3における左方向へスラスト力F2(図7参照)で押圧する。このスラスト力F2は、右方向への前記スラスト力F1と略等しいかまたはやや小さくなるように設定されている。
【0046】
第1トーションスプリング60と第2トーションスプリング68は膨出部26によって隔てられている。第2トーションスプリング68が挿入されている環状溝32は、膨出部26の内部に設けられている。第1トーションスプリング60は該膨出部26の周囲を取り囲むように配置されているので第1トーションスプリング60と第2トーションスプリング68とは、軸方向において幅Dが重複して配置されている。
【0047】
第1トーションスプリング60および第2トーションスプリング68は、ややねじられた状態で組み立てられており、このねじりの弾性付勢によってドラム46の第1ストッパ56を突出部34に当接させている。
【0048】
次に、このように構成されるセンサユニット10を用いて、アクセルペダル14の踏み込み操作や、スロットルバルブ18の制御を行う方法について説明する。
【0049】
運転者がアクセルペダル14を踏み込むと、踏み込み量に応じてインナーケーブル12bが引かれてドラム46が回動する。このとき、シャフト38はドラム46と一体的に回動する。シャフト38の回動角度はレバー40を介して角度センサ42に伝えられる。角度センサ42では、シャフト38の回動角度を電気信号に変換し、コネクタ42bに接続された信号線を介してECU16(図1参照)に供給する。ECU16では、供給された信号に基づいて所定の演算処理を行った後にスロットルバルブ18の駆動モータ17に信号を送給し、開閉制御を行う。
【0050】
ドラム46が回動するとき、第1および第2トーションスプリング60、68は回動角度に応じた弾性力を発生する。このとき、第1トーションスプリング60の発生する弾性力は、突出部34により本体20に伝えられるとともに、フック孔66によりドラム46を介してシャフト38に伝えられる。一方、第2トーションスプリング68の発生する弾性力は、縦溝32aにより本体20に伝えられるとともに、切欠き76によりレバー40を介してシャフト38に伝えられる。このように、本体20が受ける弾性力は突出部34と縦溝32aの2箇所に分散される。また、シャフト38が受ける弾性力は、ドラム46を介して受ける力と、レバー40を介して受ける力に分散される。
【0051】
また、前記のとおり、ドラム46が回動して第1および第2トーションスプリング60、68にねじり力が加えられるとき、第1および第2トーションスプリング60、68はそれぞれ軸方向に開く性質がある。これにより、第1トーションスプリング60は右方向のスラスト力F1を発生し、第2トーションスプリング68は左方向のスラスト力F2を発生する。これらのスラスト力F1とスラスト力F2は、向きが逆であり、しかも略等しい大きさとなるように設定されているので相殺される。従って、ドラム46およびシャフト38には、軸方向の外力がほとんど作用しないため、軸方向のフリクションが小さく、ヒステリシスの少ない円滑な回動が可能である。シャフト38が円滑に回動することにより、アクセルペダル14の踏み込み量を精度よく検出することができる。
【0052】
なお、本体20とシャフト38との間には、軸方向に多少の遊びが設けられるので、このような場合、第1トーションスプリング60が発生するスラスト力F1と第2トーションスプリング68が発生するスラスト力F2を多少異なる値に設定してもよい。
【0053】
例えば、第1トーションスプリング60が発生するスラスト力F1を第2トーションスプリング68が発生するスラスト力F2より多少大きく設定することにより、スラスト力F1とスラスト力F2との差分の僅かな力が軸方向に発生し、この僅かな力によりシャフト38は右方向へ軽く押圧される。このように、シャフト38が本体20に対して軽く押圧されることにより、シャフト38と本体20との遊びがなくなる。従って、シャフト38が不必要に左右に変位することがなく、安定した状態でアクセルペダル14の踏み込み量を検出することができ、検出精度が向上する。またこの場合、シャフト38と本体20との軸方向のフリクションは非常に小さいのでシャフト38は円滑に回動することができる。スラスト力F1をスラスト力F2より多少小さく設定し、シャフト38を左方向へ軽く押圧するようにしても同様の効果が得られる。
【0054】
図6に示すように、ドラム46が回動している最中、若しくは、回動して適当な位置で停止しているとき、インナーケーブル12bによる張力Tおよび第1トーションスプリング60による反力R1がドラム46を介してシャフト38に作用する。また、第2トーションスプリング68による反力R2がレバー40を介してシャフト38に作用する。さらに、すべり軸受30とシャフト38との間には比較的大きいフリクションが回転方向に発生する。張力Tはドラム46の上方においてインナーケーブル12bにより直接的に作用するが、実際上は、インナーケーブル12bとガイド溝52(図3参照)との摩擦力としても作用する。
【0055】
角度センサ42の角度検出アーム42a(図3参照)がレバー40に作用する力は微小で無視可能である。第1支持部20bのボールベアリング36(図3参照)は回転方向のフリクションが極めて小さくしかも剛性が比較的小さい。従って、ボールベアリング36がシャフト38に作用する力は比較的小さく無視可能である。
【0056】
反力R1および反力R2は、シャフト38を矢印A1方向へ回動させる回転モーメントとして作用し、張力Tはシャフト38を矢印A2方向へ回動させる回転モーメントとして作用する。これらの回転モーメントの大小関係によりシャフト38は回動し、回転モーメントがつり合うときにシャフト38は停止する。
【0057】
ところで、すべり軸受30の内面では回転方向のフリクションが存在するために、反力R1および反力R2は全てが回転モーメントとして作用する訳ではなく、反力R1の一部は曲げ力S1となり、反力R2の一部は曲げ力S2となる。曲げ力S1は反力R1と同方向に作用し、曲げ力S2は反力R2と同方向に作用する。反力R1およびR2の作用点であるフック孔66および切欠き76は、すべり軸受30を挟んだ両側に設けられ、かつ、シャフト38の軸心を基準にして同じ角度に設けられている。従って、曲げ力S1およびS2は、シャフト38を同方向へ押圧することになり、シャフト38はすべり軸受30内において傾きおよび偏荷重が小さい状態に保持される。シャフト38が回動してもフック孔66と切欠き76との相対位置は変わらないので、シャフト38の傾きおよび偏荷重が小さい状態は保持される。
【0058】
シャフト38には、反力R1、R2以外に張力Tが作用するので、シャフト38は、その回動角によっては傾きおよび偏荷重は必ずしも「0」にはならないことがある。しかしながら、少なくとも反力R1による曲げ力S1と反力R2による曲げ力S2とは互いにバランスするので、シャフト38に対して大きな偏荷重がかかることがない。これにより、シャフト38は、滑らかに回動することができる。
【0059】
このように、本実施の形態に係るセンサユニット10によれば、第1トーションスプリング60のスラスト力F1と第2トーションスプリング68のスラスト力F2が互いに対向するように配置したので、シャフト38と本体20との軸方向フリクションが低減し、円滑な回転が得られる。
【0060】
また、第1トーションスプリング60は本体20における突出部34に係合し、第2トーションスプリング68は本体20の縦溝32aに係合している。つまり、本体20に加わる弾性力が分散される。また、第1トーションスプリング60は、ドラム46のフック孔66を介してシャフト38に係合し、第2トーションスプリング68は、レバー40の切欠き76を介してシャフト38に係合している。つまり、シャフト38に加わる弾性力が分散される。従って、突出部34および縦溝32aを薄くまたは小さく設定することができ、センサユニット10を小型化することができる。
【0061】
次に、本実施の形態に係るセンサユニットの第1〜第4の変形例について、図7〜図10を参照しながら説明する。以下の説明では、前記センサユニット10と同じ部品または略同じ部品については同符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0062】
図7に示すように、第1の変形例に係るセンサユニット10aは、第1トーションスプリング60が第1支持部20bの外側に設けられている。第1トーションスプリング60は、フランジ80を介してシャフト38の一端に係合しており、シャフト38を回転方向に弾性付勢する。第2トーションスプリング68は、前記センサユニット10と同様に環状溝32内に設けられており、シャフト38の他端を回転方向に弾性付勢する。
【0063】
図8に示すように、第2の変形例に係るセンサユニット10bは、第2トーションスプリング68が第1支持部20bとドラム46の間に設けられている。第2トーションスプリング68は、第1支持部20bの左面とドラム46の右面とにそれぞれ係合しており、シャフト38を回転方向に弾性付勢する。第1トーションスプリング60は、前記センサユニット10と同様に膨出部26の周囲を取り囲むように配置されており、シャフト38の他端を回転方向に弾性付勢する。
【0064】
図9に示すように、第3の変形例に係るセンサユニット10cは、シャフト38の一端が膨出部26の部分により片持ち支持されており、シャフト38の他端は支持されていない。つまり、前記センサユニット10の第1支持部20bに相当する部分が省略されている。第1トーションスプリング60および第2トーションスプリング68は、センサユニット10と同様の位置に配置されており、それぞれシャフト38を回転方向に弾性付勢する。
【0065】
センサユニット10a〜10cにおいては、第1トーションスプリング60が発生するスラスト力F1と第2トーションスプリング68が発生するスラスト力F2とがそれぞれ相殺される向きに設定されているので、シャフト38と本体20との間に発生する軸方向のフリクションは小さい。特に、スラスト力F1とスラスト力F2とを略等しく設定することにより、シャフト38と本体20との間に発生する軸方向のフリクションを非常に小さくすることができ、シャフト38を円滑に回動させることができる。
【0066】
また、スラスト力F1とスラスト力F2を多少異なる値に設定することにより、シャフト38を左右のどちらか一方へ軽く押圧することができ、シャフト38と本体20との遊びを除去することができる。
【0067】
センサユニット10aにおいては、第1支持部20bでシャフト38を支持する部分をすべり軸受30aとするとともに、第1トーションスプリング60と第2トーションスプリング68のシャフト38に対するそれぞれの係合部の角度を一致させることでシャフト38に対する偏荷重を軽減させ、傾きを抑えることができる。
【0068】
また、センサユニット10aおよび10bにおいては、第1支持部20bおよび第2支持部20cはやや離れており、しかもすべり軸受30および30aは十分な剛性があることから、仮にシャフト38に偏荷重が加わることがあっても傾きを抑えることができる。
【0069】
さらに、センサユニット10bおよび10cにおいては、第1トーションスプリング60と第2トーションスプリング68は、軸方向において一部が重複して配置されており、軸方向の寸法を短くすることができる。センサユニット10cでは、前記センサユニット10における第1支持部20bが省略されていることから、軸方向の寸法をより短くすることができる。
【0070】
図10に示すように、第4の変形例に係るセンサユニット10dは、前記センサユニット10における第1支持部20b(図2参照)を上方に延在する平板形状の第1支持部90で置き換えたものである。第1支持部90には、ボールベアリング36が設けられており、該ボールベアリング36によりシャフト38の一端を軸支している。
【0071】
第1支持部90の後方(矢印B方向)下部には切欠き92が設けられており、該切欠き92によってケーブル12の先端部12cおよび係止部54を露出する空間94が形成される。該空間94により、先端部12cを係止する組み立て作業を容易に行うことができるとともに、第1支持部90とケーブルガイド部46bとの隙間W(図3参照)を狭く設定することができる。結果としてセンサユニット10dの軸方向の寸法である全幅を薄くし、コンパクトにすることができる。
【0072】
なお、上記の角度センサ42として、接触摺動式のセンサを例示したが、非接触式のセンサを用いてもよい。また、シャフト38と角度センサ42との接続方法は、レバー40を介して接続する方法に限らず、シャフト38と角度センサ42とを嵌合により接続する直結式でもよい。
【0073】
本発明に係るセンサユニットは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るセンサユニットによれば、2つのトーションスプリングが発生するスラスト力を互いに相殺させることにより、シャフトと本体との間に発生する軸方向のフリクションを低減してシャフトを円滑に回転させることができる。
【0075】
また、2つのトーションスプリングはシャフトに対して、すべり軸受を挟んだ両側の部分で係合し、係合部の角度が略一致しているので、シャフトに対する偏荷重および傾きを軽減させることができ、すべり軸受内の回転フリクションが低減する。この結果、シャフトの回転が円滑になり、センサ検出精度が向上するとともにシャフトを原位置に確実に復帰させることができる。
【0076】
さらに、本発明に係るセンサユニットは、ケーブルを接続する際の組立作業性がよく、しかもコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るセンサユニットが適用されるアクセルシステムのブロック図である。
【図2】本実施の形態に係るセンサユニットにプルケーブルが接続された状態を示す斜視図である。
【図3】図4におけるIII−III線矢視断面図である。
【図4】本実施の形態に係るセンサユニットの側面図である。
【図5】本実施の形態に係るセンサユニットから角度センサを取り外した状態の側面図である。
【図6】シャフトに加わる力を力学的に示すモデル図である。
【図7】第1の変形例に係るセンサユニットの模式断面図である。
【図8】第2の変形例に係るセンサユニットの模式断面図である。
【図9】第3の変形例に係るセンサユニットの模式断面図である。
【図10】第4の変形例に係るセンサユニットの模式断面図である。
【図11】従来技術に係るセンサユニットの模式断面図である。
【符号の説明】
10、10a、10b、10c、10d…センサユニット
12…プルケーブル 12c…先端部
14…アクセルペダル 20…本体
22…ステー 25、94…空間
26…膨出部 28…凹部
30、30a…すべり軸受 32…環状溝
32a…縦溝 34…突出部
38…シャフト 40…レバー
42…角度センサ 46…ドラム
46a…メインドラム 46b…ケーブルガイド部
52…ガイド溝 54…係止部
56…第1ストッパ 58…第2ストッパ
60…第1トーションスプリング 62、64、70、72…フック
66…フック孔 68…第2トーションスプリング
76…切欠き F、F1、F2…スラスト力
R1、R2…反力 S1、S2…曲げ力
T…張力
Claims (3)
- アクセルの操作量を検出し、スロットルバルブを制御するECUに該操作量を供給するセンサユニットであって、
前記アクセルに連動し、本体に対して回動するシャフトと、
前記シャフトの回動角度を検出する角度センサと、
前記シャフトにそれぞれ係合し、前記シャフトを原位置へ付勢する第1トーションスプリングおよび第2トーションスプリングと、
を有し、
前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングは、前記シャフトに加える各スラスト力が互いに対向するように配置されることを特徴とするセンサユニット。 - 請求項1記載のセンサユニットにおいて、
前記シャフトと同軸の筒体を有し、
前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングの一方が前記筒体の内側に設けられ、他方が前記筒体の外側に設けられ、
前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングは、軸方向において少なくとも一部が重複して配置されていることを特徴とするセンサユニット。 - 請求項2記載のセンサユニットにおいて、
前記筒体の内側に設けられ、該筒体に対して一部が接続され、前記シャフトを支持するすべり軸受を有し、
前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングの一方が前記すべり軸受の外側に設けられていることを特徴とするセンサユニット。
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