以下では、本発明の実施の形態に係る家電機器について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ及びステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
[概要]
図1は、実施の形態に係る家電機器100を含む通信システム1の概略構成を示す模式図である。
通信システム1は、家電機器100と、外部装置400とを備えており、これらがネットワークを介して通信可能に接続されている。家電機器100は、家電本体200と、通信モジュール300とを備える。
家電本体200は、家庭用の電子機器であり、洗濯機、エアーコンディショナ、テレビ、録画装置、照明装置、給湯機等が例示される。家電本体200には、ネットワーク通信機能が搭載されていないが、通信モジュール300との通信が可能となっている。具体的には、家電本体200は、例えば、調歩同期方式シリアル通信(UART:Universal Asynchronous Receiver Transmitter)の通信インターフェイス(後述する接続部220)を備えている。つまり、家電本体200は、通信モジュール300を介して、外部装置400と通信可能に接続される。言い換えると、家電機器100は、家電本体200と通信モジュール300とを備え、外部装置400と通信可能な家電通信システムである。
家電機器100は、例えば、宅内ネットワーク(Home Area Network/HAN)に接続され、ルータ500を介してインターネット600にも接続されている。このように、家電機器100は、外部装置400と、インターネット600を介して通信可能でもよいし、インターネット600を介さずにルータ500を介して通信可能でもよいし、インターネット600及びルータ500を介さずに通信可能でもよい。
外部装置400は、家電機器100と通信する通信装置であり、HEMS(Home Emergy Management System)コントローラ、家電機器100に動作を指示するリモートコントローラ等である。また、外部装置400は、家電機器100に動作を指示する専用のアプリケーションを有するスマートフォン、タブレット端末等の通信端末でもよい。外部装置400は、家電機器100と直接通信可能であってもよいし、インターネット600、ルータ500を介して通信可能であってもよい。
家電機器100のユーザは、例えば、外部装置400を操作して、家電機器100を動作させる。具体的には、外部装置400は、ユーザからの指示を受け付けて、当該指示に基づいて電文(メッセージ)を作成し、作成した電文を家電機器100へ送信する。家電機器100は、受信した電文に応じて動作を実行する。また、家電機器100は、電文を作成して、外部装置400へ送信する。家電機器100は、例えば、受信した電文に基づいて動作した旨を示す電文を作成して、外部装置400へ送信する。外部装置400は、当該電文を受信した場合、例えば、外部装置400が備えるディスプレイ等に当該電文に基づいた表示をする。こうすることで、外部装置400を操作したユーザは、家電機器100が指示通り動作したか否かを確認できる。
ここで、家電機器100と外部装置400とが通信する際には、標準電文と非標準電文とが用いられる。
標準電文とは、公知となっている所定の規格、その他の公知となっている取り決め等に従う電文形式で作成された電文である。標準電文に含まれる情報は、例えば、電源オンオフ機能を制御するための情報、時刻を設定する機能を制御するための情報等である。
一方、非標準電文とは、公知となっている所定の規格、その他の取り決め等ではなく、例えば、家電機器100のメーカが独自に設定した電文形式で作成された電文である。非標準電文に含まれる情報には、例えば、所定のメーカが製造した家電本体200にのみ備えられる特有の機能を制御するための情報等が含まれる。
家電機器100は、家電機器100を操作する専用の外部装置400だけではなく、他の家電機器も操作可能な外部装置400で操作される場合がある。つまり、家電機器100が通信する外部装置400には、標準電文及び非標準電文を識別可能な外部装置と、標準電文のみを識別可能な外部装置と、非標準電文のみを識別可能な外部装置とがある。家電機器100は、通信する外部装置400が識別可能な電文形式で、電文を外部装置400へ送信する。
[家電機器の構成]
続いて、家電機器100の具体的な構成について説明する。
図2は、実施の形態に係る家電機器100の特徴的な機能構成を示すブロック図である。
家電機器100は、洗濯機、エアーコンディショナ、テレビ、録画装置、照明装置、給湯機等が例示される家電本体200と、家電本体200が外部装置400と通信可能にする通信モジュール300と、テーブル保持部340とを備える。
家電本体200は、本体制御部210と、接続部220とを備える。
本体制御部210は、家電本体200の動作を制御する制御装置である。本体制御部210は、例えば、接続部220を介して受信した電文に基づいて家電本体200の動作を制御する。具体的には、家電本体200が洗濯機である場合には、本体制御部210は、受信した電文に基づいて、例えば、洗濯動作等を実行する図示しない機能部を動作させる。本体制御部210は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラムを記憶する図示しない記憶部とから実現される。記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等で実現されるメモリである。
また、本体制御部210は、標準電文と、非標準電文と、標準電文及び非標準電文を識別するための識別子とを含む複合電文を作成して、通信モジュール300(具体的には、後述する通信制御部311)へ送信する。
図3Aは、実施の形態に係る家電機器100が作成する複合電文の一例を示す図である。
複合電文には、例えば、ヘッダ部と、宛先コードと、データサイズと、標準フラグと、標準電文と、非標準フラグと、非標準電文とが含まれている。例えば、宛先コードには、複合電文の送信先(宛先)となる外部装置400のアドレスが格納されている。
標準電文は、所定の規格に従う電文形式の電文である。所定の規格とは、例えば、ECHONET Lite(登録商標)等の公知の規格である。所定の規格として、ECHONET Lite以外の規格が採用されてもよい。
ECHONET Liteは、ECHONET Lite電文と呼ばれる電文を送受信するための通信プロトコルである。ECHONET Lite電文は、送信オブジェクト(EOJ)、処理プロパティ数(OPC)、アクセス先プロパティ(EPC1)、アクセス先プロパティ値(EDT1:命令内容)、等のフレームから構成されている。
例えば、家電本体200がエアーコンディショナである場合は、空調温度をEPC1というように、機能に対してコードが割り当てられている。なお、風量をEPC2、風向をEPC3というように、標準電文には複数のEPCが格納されている場合もある。
また、EPC1には、制御データとしてEDT1が紐づけられている。例えば、空調温度を示すEPC1のEDT1は、設定温度データ(例えば20度等)である。
標準フラグは、標準フラグの後のフレームに格納されている電文が標準電文であることを示す識別子である。つまり、標準フラグは、標準電文及び非標準電文を含む複合電文のうち、標準電文を識別するための識別子である。
非標準電文は、標準電文が従う所定の規格以外の規格に従う電文である。非標準電文が従う規格は、例えば、家電機器100のメーカが独自に設定した規格である。例えば、非標準電文は、非標準電文に含まれるデータ数、標準電文のEPC1に対応するプロパティ、標準電文のEDT1に対応するデータ等のフレームから構成されている。
非標準フラグは、非標準フラグの後のフレームに格納されている電文が非標準電文であることを示す識別子である。つまり、非標準フラグは、標準電文及び非標準電文を含む複合電文のうち、非標準電文を識別するための識別子である。
本体制御部210は、標準電文及び非標準電文をそれぞれ1又は複数含む複合電文を作成して、通信制御部311へ送信する。
接続部220は、家電本体200と通信モジュール300とを接続するための通信インターフェイスである。
通信モジュール300は、家電機器100にネットワーク通信機能を付与するモジュールである。通信モジュール300は、接続部330と、通信部320と、処理部310と、テーブル保持部340とを備える。
接続部330は、家電機器100と通信するための通信インターフェイスであり、家電本体200が備える接続部220の通信インターフェイスに対応した通信インターフェイスである。具体的には、家電本体200の接続部220が、UARTの通信インターフェイスである場合には、通信モジュール300の接続部330もUARTの通信インターフェイスとなる。
なお、通信モジュール300の接続部330と家電本体200の接続部220とは、UART以外の通信方式で接続してもよい。例えば、Serial Peripheral Interface(SPI)、Inter-Integrated Circuit(IIC)、Universal Serial Bus(USB)等の通信方式を用いることができる。また、ここに列挙した通信方式以外の方式で通信を行ってもよい。
通信部320は、外部装置400と通信するための通信インターフェイスである。例えば、通信部320は、無線LAN(Local Area Network)のIEEE802.11方式でネットワークに接続する。なお、通信部320とネットワークとの接続は、無線LANのIEEE802.11方式以外の方式でもよい。例えば、IEEE802.15.1、IEEE802.15.4、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、有線LAN(IEEE802.3)、Ethernet(登録商標)等の通信方式を通信部320に用いることができる。また、ここに列挙した通信方式以外の方式で通信を行ってもよい。
処理部310は、CPUと、ROM、RAM、SSD、フラッシュメモリ等のメモリにより実現される図示しない記憶部とを備えており、CPUが、当該記憶部に記憶された制御プログラムを実行することにより、各機能構成部の処理を実行する。処理部310は、機能的には、通信制御部311と、判定部312と、更新部313とを有する。
通信制御部311は、通信部320を介して外部装置400との通信を制御する。
また、通信制御部311は、本体制御部210から複合電文を受信した場合、テーブル保持部340に保持(記憶)されている対応テーブル341に基づいて、受信した複合電文を、当該複合電文の送信先である外部装置400に対応する電文形式で送信する。
判定部312は、外部装置400と通信した場合、対応テーブル341に基づいて、対応テーブル341に外部装置400の対応情報が含まれているか否かを判定する。ここで、対応情報とは、外部装置400が、標準電文のみを識別可能か、非標準電文のみを識別可能か、又は、標準電文及び非標準電文を識別可能かを示す情報である。対応テーブル341には、1又は複数の外部装置400の対応情報が記憶されている。
更新部313は、判定部312が対応テーブル341に外部装置400の対応情報が含まれていないと判定した場合、外部装置400から外部装置400の対応情報を取得して、取得した対応情報に基づいて対応テーブル341を更新する。
判定部312は、例えば、外部装置400から受信した電文の構成から、当該受信した電文が標準電文であるか、非標準電文であるかを判定する。更新部313は、例えば、判定部312が外部装置400から受信した電文を標準電文であると判断した場合、外部装置400は標準電文を識別可能であることをテーブル保持部340に記憶させる。
また、例えば、更新部313は、判定部312が対応テーブル341に外部装置400の対応情報が含まれていないと判定した場合、外部装置400へ対応情報を要求する信号を送信してもよい。更新部313は、外部装置400へ送信した対応情報を要求する信号の返信から外部装置400の対応情報を取得して、対応テーブル341を更新する。
テーブル保持部340は、対応情報を含む対応テーブル341を記憶するメモリである。テーブル保持部340は、例えば、ROM、RAM、SSD、フラッシュメモリ等により実現される。テーブル保持部340は、処理部310がアクセス可能であればよく、家電機器100の筐体内に配置されていてもよいし、通信部320を介してアクセス可能なパーソナルコンピュータ等の外部サーバ装置に備えられていてもよい。本実施の形態においては、図2に示すように、テーブル保持部340は、通信モジュール300が備えている。こうすることで、テーブル保持部340を外部サーバ装置が備える場合よりも、処理部310が対応テーブル341にアクセスする時間は、短縮され得る。
図3Bは、実施の形態に係る家電機器100が記憶する対応テーブル341の一例を示す図である。
対応テーブル341には、例えば、外部装置400の宛先コードと、外部装置400が標準電文を識別可能か否かと、外部装置が非標準電文を識別可能か否かとが、紐づけされて記憶されている。図3Bに示すように、例えば、対応テーブル341には、外部装置Aは、標準電文を識別可能であり、非標準電文を識別可能である旨が記憶されている。また、例えば、対応テーブル341には、外部装置Bは、標準電文を識別可能であり、非標準電文を識別不可能である旨が記憶されている。また、例えば、対応テーブル341には、外部装置Cは、標準電文を識別不可能であり、非標準電文を識別可能である旨が記憶されている。通信制御部311は、本体制御部210から複合電文を受信した場合、対応テーブル341に基づいて、当該複合電文の送信先となる外部装置400が識別可能な電文形式のみを含む複合電文を変換して、変換した電文を外部装置400へ送信する。
図3Cは、実施の形態に係る家電機器100が外部装置400に送信する電文の例を示す図である。具体的には、図3Cは、通信制御部311が本体制御部210から複合電文を受信した場合に、送信先となる外部装置400が識別可能な電文形式に複合電文を変換した電文の一例を示す図である。
通信制御部311は、本体制御部210から複合電文を受信した場合に、対応テーブル341を参照する。この場合に、通信制御部311は、例えば、図3Bに示す外部装置Aのように、送信先となる外部装置400が標準電文及び非標準電文が識別可能であるとき、図3Cの(a)に示すように、標準電文と非標準電文とを含む電文を外部装置400へ送信する。つまり、通信制御部311は、送信先となる外部装置400が標準電文及び非標準電文が識別可能であるとき、本体制御部210から受信した複合電文で構成されるパケットを外部装置400へそのまま転送する。また、通信制御部311は、例えば、図3Bに示す外部装置Bのように、送信先となる外部装置400が標準電文のみを識別可能であるとき、図3Cの(b)に示すように、標準電文を含み、且つ、非標準電文を含まない電文で構成されるパケットを作成して外部装置400へ送信する。また、通信制御部311は、例えば、図3Bに示す外部装置Cのように、送信先となる外部装置400が非標準電文のみを識別可能であるとき、図3Cの(c)に示すように、標準電文を含まず、且つ、非標準電文を含む電文で構成されるパケットを外部装置400へ送信する。
なお、家電本体200と通信モジュール300とがUART等の有線通信により接続され、通信モジュール300と外部装置400とが無線LAN等の無線通信により接続される場合がある。このように、家電本体200から外部装置400に電文が送信される間に通信メディアが変換される場合、通信モジュール300は、例えば、家電本体200から受信した電文を、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコルに変換するために、ヘッダ情報等を家電本体200から受信した電文に新たに付与してもよい。
[家電機器の動作]
続いて、家電本体200が実行する動作手順の詳細について説明する。
図4は、実施の形態に係る家電機器100が作成した電文を外部装置400に送信する処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、図4に示すフローチャートにおいて、ステップS101、ステップS102、ステップS106及びステップS107は、通信モジュール300が実行する処理ステップであり、ステップS103~ステップS105は、家電本体200が実行する処理ステップである。
通信制御部311は、外部装置400から電文を受信する(ステップS101)。
次に、通信制御部311は、家電本体200へ受信した電文を本体制御部210へ転送する(ステップS102)。
次に、本体制御部210は、受信した電文に応じた処理を実行する(ステップS103)。本体制御部210は、例えば、ステップS103において、受信した電文に、家電本体200の電源をオンにする指示が含まれている場合には、電源をオンにする。
次に、本体制御部210は、標準電文及び非標準電文を含む複合電文を作成する(ステップS104)。本体制御部210は、例えば、ステップS104において、電源をオンにしている状態である旨を示す情報を標準電文として作成し、家電本体200が有する家電本体200に特有の機能をオフにしている状態を示す情報を非標準電文として作成する。本体制御部210は、作成した標準電文及び非標準電文と、標準電文及び非標準電文を識別する識別子を含む複合電文を作成する。このように、本体制御部210は、家電本体200の現在の状態を示す情報を標準電文及び非標準電文として作成し、作成した電文を1つの複合電文としてまとめる。
次に、本体制御部210は、作成した複合電文を通信モジュール300(具体的には、通信制御部311)へ送信する(ステップS105)。
次に、通信制御部311は、対応テーブル341に基づいて、受信した複合電文の電文形式を変更する(ステップS106)。具体的には、通信制御部311は、ステップS106において、受信した複合電文の送信先となる外部装置400が標準電文及び非標準電文の一方のみを識別可能である場合、複合電文から識別可能ではない標準電文又は非標準電文を削除する。
次に、通信制御部311は、外部装置400に応じた電文形式の電文を外部装置400へ送信する(ステップS107)。
なお、通信モジュール300は、ステップS101において外部装置400から電文を受信した場合に、外部装置400の対応情報が対応テーブル341に記憶されているか否かの判定をしてもよい。この場合に、通信モジュール300は、外部装置400の対応情報が対応テーブル341に記憶されていないと判定したとき、対応テーブル341を更新して、外部装置400の対応情報を記憶してもよい。
図5は、実施の形態に係る家電機器100が対応テーブル341を更新する処理手順を説明するためのフローチャートである。
判定部312は、図4に示すステップS101において外部装置400から電文を受信した場合に、外部装置400の対応情報が対応テーブル341に記憶されているか否かを判定する(ステップS201)。
通信制御部311は、判定部312によって外部装置400の対応情報が対応テーブル341に記憶されていると判定された場合(ステップS201でYes)、図4に示すステップS102の処理を実行する。
一方、判定部312によって外部装置400の対応情報が対応テーブル341に記憶されていない判定された場合(ステップS201でNo)、更新部313は、外部装置400から対応情報を取得する(ステップS202)。例えば、ステップS202において、更新部313は、受信した電文に対応情報が含まれている場合には、当該電文から対応情報を取得する。また、例えば、ステップS202において、更新部313は、受信した電文に対応情報が含まれていない場合には、対応情報を要求する要求電文を作成して外部装置400に送信してもよい。この場合、更新部313は、要求電文の応答である応答電文から外部装置400の対応情報を取得してもよい。
次に、更新部313は、取得した対応情報を用いて、対応テーブル341を更新する(ステップS203)。言い換えると、ステップS203において、更新部313は、取得した外部装置400の対応情報を、外部装置400の宛先コードと紐づけてテーブル保持部340に記憶する。
次に、通信制御部311は、図4に示すステップS102の処理を実行する。
なお、図5に示すステップS201~ステップS203の処理は、図4に示すステップS101とステップS102との間に実行されてなくてもよい。例えば、ステップS201~ステップS203に示す処理は、ステップS102の処理と同時に行われてもよい。また、例えば、ステップS106の次に、通信制御部311が複合電文を受信した場合に、ステップS201~ステップS203の処理が実行されてもよい。
また、判定部312は、例えば、ステップS201でNoの場合、外部装置400から受信した電文の構成から、当該受信した電文が標準電文であるか、非標準電文であるかを判定してもよい。更新部313は、例えば、判定部312が外部装置400から受信した電文を標準電文であると判断した場合、外部装置400は標準電文を識別可能であることをテーブル保持部340に記憶させてもよい。このように、更新部313は、例えば、判定部312が外部装置400から受信した電文から外部装置400の対応情報を取得できた場合、外部装置400へ要求電文を送信しなくてもよい。
図6は、実施の形態に係る家電機器100が作成した電文を外部装置400に送信する処理手順を説明するための一例を示すシーケンス図である。
通信モジュール300は、外部装置400から電文を受信する(ステップS301)。
次に、通信モジュール300の判定部312は、対応テーブル341を参照して、外部装置400の対応情報が対応テーブル341に記憶されているか否かを判定する(ステップS302)。
次に、通信モジュール300は、外部装置400の対応情報が対応テーブル341に記憶されていない場合、例えば、対応情報を要求する要求電文を作成して外部装置400に送信する(ステップS303)。要求電文の作成は、通信制御部311が行ってもよいし、判定部312が行ってもよい。
次に、通信モジュール300の更新部313は、要求電文の応答である応答電文から外部装置400の対応情報を取得する(ステップS304)。
次に、通信モジュール300の更新部313は、取得した対応情報を用いて、対応テーブル341を更新する(ステップS305)。
次に、通信モジュール300の通信制御部311は、家電本体200へステップS301で受信した電文を家電本体200へ転送する(ステップS306)。
次に、家電本体200は、受信した電文に応じた処理を実行する(ステップS307)。
次に、家電本体200の本体制御部210は、複合電文を作成する(ステップS308)。
次に、家電本体200の本体制御部210は、作成した複合電文を通信モジュール300へ送信する(ステップS309)。
次に、通信モジュール300の通信制御部311は、対応テーブル341を参照する(ステップS310)。
次に、通信モジュール300の通信制御部311は、対応テーブル341に基づいて、受信した複合電文を外部装置400に応じた電文形式に変換して電文を外部装置400へ送信する(ステップS311)。
なお、家電機器100は、外部装置400から家電機器100を操作する指示を含む電文を受信した場合、当該指示を実行し、受信した電文の応答として、電文の送信元の外部装置400へ電文を送信してもよいし、例えば、予め定められた時刻、家電本体200の電源がオンになった場合等の予め定められた任意の条件を満たす場合に自律的に複合電文を作成して送信してもよい。つまり、本体制御部210が複合電文を作成して、通信制御部311に送信する条件は、特に限定されない。このような場合においても、通信制御部311は、対応テーブル341に基づいて、受信した複合電文を、送信先の外部装置400に応じた電文形式で送信する。
また、例えば、家電機器100は、家電機器100の動作状態を、家電機器100と通信可能な複数の外部装置400へ通知する場合がある。具体的には、家電機器100は、複数の外部装置400のうちの1つの外部装置から、動作状態の変更を指示された場合に、動作状態を変更し、複数の外部装置400が備えるディスプレイに表示される家電機器100の操作画像の更新等を指示する電文を、複数の外部装置400のそれぞれに送信する場合がある。このような場合、本体制御部210は、例えば、家電機器100の現在の動作状態を示す標準電文及び非標準電文を含む複合電文を作成し、通信制御部311へ送信する。通信制御部311は、図4に示すステップS106の処理と同様に、対応テーブル341を参照して、複数の外部装置400のそれぞれに応じた電文形式の電文を、複数の外部装置400のそれぞれに送信する。
また、家電本体200から外部装置400に電文が送信される間に通信メディアが変換される場合、通信制御部311は、ステップS311において、家電本体200から受信した電文にヘッダ情報等を付与する等のプロトコルの変換をしてもよい。
[効果等]
以上のように、本実施の形態に係る家電機器100は、通信モジュール300と、家電本体200と、テーブル保持部340とを備える。通信モジュール300は、外部装置400との通信を制御する通信制御部311を有する。家電本体200は、所定の規格に従う標準電文と、当該所定の規格以外の非標準電文と、標準電文及び非標準電文を識別するための識別子とを含む複合電文を作成して通信制御部311へ送信する本体制御部210を有する。テーブル保持部340は、外部装置400が、標準電文のみを識別可能か、非標準電文のみを識別可能か、又は、標準電文及び非標準電文を識別可能か、を示す対応情報を含む対応テーブル341を記憶する。通信制御部311は、複合電文を受信した場合、対応テーブル341に基づいて、受信した複合電文を、当該複合電文の送信先(宛先)である外部装置400に対応する電文形式で送信する。
この構成によれば、本体制御部210は、外部装置400の対応情報に応じた電文形式の電文を作成するのではなく、画一的に標準電文及び非標準電文を含む複合電文を作成する。これにより、本体制御部210は、外部装置400の対応情報の判定が不要となるため、処理が簡略化される。
また、例えば、標準電文及び非標準電文を識別可能な外部装置、標準電文のみを識別可能な外部装置、及び、非標準電文のみを識別可能な外部装置を含む複数の外部装置400のそれぞれと家電機器100とが通信する通信システム1の場合を考える。この場合に、例えば、複数の外部装置400へ電文を送信するとき、本体制御部210は、標準電文と非標準電文とを含む複合電文を通信制御部311へ送信する。そのため、本体制御部210が標準電文と非標準電文とを分けて電文を作成して通信制御部311へ送信する場合と比較して、家電本体200と通信モジュール300との間の通信量は低減される。
また、通信制御部311は、対応テーブル341に基づいて、受信した複合電文の電文形式を変換して外部装置400へ転送する。これにより、通信制御部311は、外部装置400の電文形式に従う電文を作成する場合と比較して、処理が簡略化される。また、通信制御部311は、標準電文及び非標準電文を識別可能な外部装置400へ電文を送信する場合に、複合電文で構成されるパケットを送信するため、標準電文のみを含む電文で構成されるパケットと非標準電文を含む電文で構成されるパケットとに分けて送信する場合と比較して、通信量は低減される。
以上のように、家電機器100よれば、標準電文と非標準電文とを用いる通信が混在する通信システム1においても、簡便な構成で効率的な通信を行うことが可能となる。
また、通信モジュール300は、さらに、判定部312と、更新部313とを備えてもよい。判定部312は、外部装置400と通信した場合、対応テーブル341に基づいて、対応テーブル341に外部装置400の対応情報が含まれているか否かを判定する。更新部313は、判定部312が対応テーブル341に外部装置400の対応情報が含まれていないと判定した場合、外部装置400から外部装置400の対応情報を取得して、取得した対応情報に基づいて対応テーブル341を更新する。
この構成によれば、通信制御部311は、予め対応テーブル341に記憶されていない外部装置400に対しても、外部装置400に応じた電文形式の電文を送信することができる。
(その他の実施の形態)
以上、本発明に係る家電機器について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、本体制御部210及び処理部310は、CPUと制御プログラムとによって構成されると説明した。しかしながら、本体制御部210及び処理部310の構成は、これに限定されない。本体制御部210及び処理部310は、専用のハードウェアで構成されてもよい。また、処理部310に含まれる各構成要素は、それぞれ独立したCPU、専用のハードウェア等で実現されてもよい。
また、本発明は、家電機器として実現できるだけでなく、家電機器の行う各構成要素が行う処理をステップとして含むプログラム、及び、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ等の記録媒体として実現することもできる。また、当該プログラムは、インターネット等の通信路で配信されてもよい。
つまり、上記包括的又は具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
また、本体制御部210は、外部装置400から標準電文及び非標準電文の一方のみを要求する指示を含む電文を受信した場合には、複合電文ではなく、標準電文及び非標準電文の一方を作成して、通信制御部311へ送信してもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。