(実施形態1)
(1)概要
本実施形態に係る通信システムは、例えば、オフィスビル、店舗、病院、学校又は工場等の施設に用いられ、施設に設置されている照明器具等の機器を制御するための機器制御システムを構成する。本実施形態では、通信システムを用いた機器制御システムが、照明器具を制御するための照明制御システムである場合を例として説明する。
本実施形態に係る通信システム10は、図1に示すように、第1システム1と、複数(ここでは2つ)の第2システム2A,2Bと、複数(ここでは2つ)のインタフェース3A,3Bと、を備えている。以下、複数の第2システム2A,2Bを特に区別しない場合には、複数の第2システム2A,2Bの各々を「第2システム2」という。同様に、複数のインタフェース3A,3Bを特に区別しない場合には、複数のインタフェース3A,3Bの各々を「インタフェース3」という。本実施形態では、第1システム1は通信システム10内での上位システムとなる「メインシステム」を構成し、各第2システム2は通信システム10内での下位システムとなる「サブシステム」を構成する。そのため、メインシステムである第1システム1では、複数の第2システム2を統合的に管理可能である。
ここで、インタフェース3は少なくとも通信機能を有する通信装置である。言い換えれば、通信装置は、通信システム10に複数のインタフェース3の1つとして用いられる。
第1システム1は、1台以上(ここでは4台)の第1端末11A,11B,11C,11Dを含んでいる。以下、複数台の第1端末11A,11B,11C,11Dを特に区別しない場合には、複数台の第1端末11A,11B,11C,11Dの各々を「第1端末11」という。第1端末11は、(第1の)伝送路12を伝送される第1信号によって通信を行う。
第2システム2Aは、1台以上(ここでは3台)の第2端末21A,21B,21Eを含んでいる。また、他の第2システム2Bは、1台以上(ここでは3台)の第2端末21C,21D,21Fを含んでいる。以下、複数台の第2端末21A,21B,21C,21D,21E,21Fを特に区別しない場合には、複数台の第2端末21A,21B,21C,21D,21E,21Fの各々を「第2端末21」という。第2端末21は、(第2の)伝送路22を伝送される第2信号Si2によって通信を行う。
ここで、複数の第2システム2A,2Bは、互いに非同期である。本実施形態では、各第2システム2に含まれる第2端末21は、伝送路22を伝送される第2信号Si2によって同一の第2システム2に含まれる他の第2端末21と通信することにより、第2システム2がそれぞれ単独で動作する。つまり、第2システム2はそれぞれ独立したシステムを構築している。本実施形態では、このように独立した複数の第2システム2が、インタフェース3を介して第1システム1の伝送路12に接続されることにより、複数の第2システム2間での連携が可能となる。
図1では一例として、第1端末11Aには複数台(ここでは2台)の照明器具4A,4Bが接続されており、第1端末11Bには複数台(ここでは2台)の照明器具4C,4Dが接続されている。また、第2端末21Aには照明器具4Aが接続され、第2端末21Bには照明器具4Bが接続され、第2端末21Cには照明器具4Cが接続され、第2端末21Dには照明器具4Dが接続されている。以下、複数台の照明器具4A,4B,4C,4Dを特に区別しない場合には、複数台の照明器具4A,4B,4C,4Dの各々を「照明器具4」という。これら複数台の照明器具4は、通信システム10を用いた機器制御システム100の制御対象となる複数台の機器を構成する。本実施形態では、制御対象としての照明器具4は通信システム10の構成要素に含まれないこととして説明する。
複数のインタフェース3A,3Bは、伝送路12に接続され、第1信号に重畳される重畳信号Si0によって通信を行う。本開示でいう「重畳」は、同一の伝送路を伝送される複数の信号同士が重なることを意味している。つまり、重畳信号Si0は、伝送路12を伝送される第1信号に重ねた状態で、第1信号と共に伝送路12を伝送される信号である。複数の第2システム2は、複数のインタフェース3と一対一に対応付けて接続されている。本実施形態では一例として、第2システム2Aは、インタフェース3Aに対応付けられており、インタフェース3Aに接続されている。第2システム2Bは、インタフェース3Bに対応付けられており、インタフェース3Bに接続されている。言い換えれば、第2システム2Aは、インタフェース3Aを介して第1システム1の伝送路12に接続され、第2システム2Bは、インタフェース3Bを介して第1システム1の伝送路12に接続される。
このように、インタフェース3と第2システム2とは一対一に対応付けられており、1つのインタフェース3と1つの第2システム2とは組(ペア)を成す。以下、複数の第2システム2のうち、特定のインタフェース3に対応する第2システム2、つまり特定のインタフェース3に直接的に接続された第2システム2を、このインタフェース3の「配下の第2システム2」とも呼ぶ。本実施形態では、第2システム2Aがインタフェース3Aの配下であり、第2システム2Bがインタフェース3Bの配下である。
そして、複数のインタフェース3A,3Bの各々は、複数の第2システム2A,2Bのうち対応する第2システム2から受信した第2信号Si2を、重畳信号Si0にて、他のインタフェース3を介して他の第2システム2に転送するように構成されている。つまり、インタフェース3Aは、対応する第2システム2Aから受信した第2信号Si2を、重畳信号Si0にて、他のインタフェース3Bを介して他の第2システム2Bに転送する。一方、インタフェース3Bは、対応する第2システム2Bから受信した第2信号Si2を、重畳信号Si0にて、他のインタフェース3Aを介して他の第2システム2Aに転送する。
要するに、第2システム2Aはインタフェース3Aを介して、第2システム2Bはインタフェース3Bを介して、共通の第1システム1の伝送路12に接続されている。そのため、複数のインタフェース3A,3B同士が、重畳信号Si0にて通信することにより、異なる第2システム2A,2B間でのデータの授受が可能となる。その結果、第1システム1の稼動中であっても、第1システム1で使用される第1信号に重畳される重畳信号Si0を利用することで、第1システム1と共通の伝送路12を用いて、複数の第2システム2A,2Bが連携可能となる。
ところで、本実施形態に係る通信システム10では、複数の第2システム2A,2Bの各々の通信プロトコル、つまり第2信号Si2のプロトコルは、複数の第2システム2間で共通(同一)のプロトコルである。そのため、通信システム10が制限なく第1システム1から第2システム2へ信号を送信するとなると、第2システム2のトラフィックの増大が懸念される。そこで、本実施形態に係る通信システム10では、複数のインタフェース3(通信装置)の各々が信号のフィルタリング機能を有することで、第1システム1から第2システム2へ転送する信号(データ)を複数のインタフェース3の各々にて制限する。
本開示でいう「フィルタリング機能」は、インタフェース3において、少なくとも第1システム1から第2システム2への「下り通信」について、特定のデータのみを通過させる機能である。
具体的には、第2システム2から第1システム1への「上り通信」の中継を行うインタフェース3は、重畳信号Si0に宛先情報を含めて、重畳信号Si0を送信する。宛先情報は、複数の第2システム2のうち第2信号Si2の転送先となる第2システム2を特定する情報である。つまり、インタフェース3は、他のインタフェース3に重畳信号Si0を送信する際、複数の第2システム2のうち第2信号Si2の転送先となる第2システム2を特定する宛先情報を重畳信号Si0に含めて、重畳信号Si0を送信する。
また、第1システム1から第2システム2への「下り通信」の中継を行うインタフェース3は、重畳信号Si0を解析することによって、第1システム1側から第2システム2側にデータを通過させるか否かを決定する。つまり、インタフェース3は、他のインタフェース3から重畳信号Si0を受信する際、重畳信号Si0に含まれている宛先情報に基づいて、複数の第2システム2のうち対応する第2システム2に第2信号Si2を送信するか否かを決定する。要するに、インタフェース3は、他のインタフェース3から受信した重畳信号Si0に含まれている宛先情報が、自身の配下の第2システム2に対応する場合には、第2システム2に第2信号Si2を送信することで、データを通過させる。
このように、通信システム10では、伝送路12に送信される重畳信号Si0に宛先情報が含まれており、この宛先情報に基づいて、第1システム1側から第2システム2側にデータを通過させるか否かを制御可能となる。よって、通信システム10によれば、第2システム2のトラフィックの増大を抑制しつつ、複数の第2システム2(サブシステム)間の連携を容易に実現できる、という利点がある。
(2)構成
次に、本実施形態に係る通信システム10の構成について、図1を参照して更に詳しく説明する。
上述したように、通信システム10は、第1システム1と、複数(ここでは2つ)の第2システム2と、複数(ここでは2つ)のインタフェース3と、を備えている。
(2.1)第1システム
第1システム1は、複数台(ここでは4台)の第1端末11A,11B,11C,11Dを含んでいる。複数台の第1端末11A,11B,11C,11Dはいずれも2線式の伝送路12に電気的に接続されている。複数台の第1端末11A,11B,11C,11Dには、「制御端末」、「監視端末」及び「伝送ユニット」の3種類の端末が含まれている。図1の例では、第1端末11A,11Bはそれぞれ制御端末であって、第1端末11Cは監視端末であって、第1端末11Dは伝送ユニットである。
制御端末としての第1端末11A,11Bは、機器制御システム100の制御対象となる機器(照明器具4)の制御を行う。図1では一例として、第1端末11A,11Bは、制御対象である照明器具4と別体である。第1端末11A,11Bの各々は、伝送ユニットとしての第1端末11Dから送信される電文(message)に従って、第1端末11A,11Bに内蔵されたリレー、又はリモコンリレーを制御し、照明器具4のオン/オフの制御を行う機能を有する。本開示でいう「電文」とは、所定の形式に従って記述された、装置間で送受信されるひとまとまりのデータである。図1の例では、第1端末11Aは、照明器具4A,4Bへの給電路上に設けられたリレー(又はリモコンリレー)をオン/オフすることで複数台(ここでは2台)の照明器具4A,4Bを一括制御する「一括制御端末」である。第1端末11Bは、照明器具4C,4Dへの給電路上に設けられたリレー(又はリモコンリレー)をオン/オフすることで複数台(ここでは2台)の照明器具4C,4Dを一括制御する「一括制御端末」である。ただし、この例に限らず、制御端末としての第1端末11A,11Bは、制御対象である照明器具4と一体に構成されていてもよく、照明器具4の調光又は調色等の制御を行う機能を有していてもよい。第1端末11A,11Bの各々は、個別に割り当てられた自身のアドレスを記憶したメモリを有している。第1端末11A,11Bの各々が複数のリレーを有する場合、メモリには、リレーごとに固有のアドレスが記憶される。
監視端末としての第1端末11Cは、例えば、壁等に取り付けられてユーザの操作を受け付けるスイッチ装置又はセンサ装置にて構成されている。ここでいうセンサ装置は、例えば、人感センサ、照度センサ又は温度センサ等である。監視端末としての第1端末11Cは、例えば、スイッチにてユーザの操作を検知する、又はセンサにて人の存在を検知する等、特定の事象が発生すると、伝送ユニットとしての第1端末11Dに対して電文を送信する。図1の例では、第1端末11Cは、ユーザの操作を受け付けるスイッチ装置であって、複数のスイッチのいずれかにてユーザの操作を検知すると、操作されたスイッチに対応する電文を送信する。第1端末11Cは、個別に割り当てられた自身のアドレスを記憶したメモリを有している。第1端末11Cが複数のスイッチを有する場合、メモリには、スイッチごとに固有のアドレスが記憶される。
伝送ユニットとしての第1端末11Dは、2線式の伝送路12に対して、例えば、図2に示すような信号フォーマットの第1信号Si1を繰り返し送信する。また、伝送ユニットとしての第1端末11Dは、第1端末11D以外の第1端末11のアドレスの対応関係を記憶したメモリを有している。ここで、第1信号Si1は、時間軸方向において複数の領域に分割された電圧波形を持つ時分割方式の信号である。図2の例では、第1信号Si1は、割込帯T1と、短絡検出帯T2と、休止帯T3と、予備割込帯T4と、予備帯T5と、送信帯T6と、返信帯T7との7つの領域からなる、複極性(±24V)の時分割多重信号である。ここにおいて、第1信号Si1における割込帯T1から始まって返信帯T7で終わる一連の区間を1フレームとする。
割込帯T1は後述の割込信号の有無を検出するための期間であり、短絡検出帯T2は短絡を検出するための期間である。休止帯T3は処理が間に合わないときのための期間である。予備割込帯T4は2次割込の有無を検出するための期間であり、予備帯T5は割込帯T1及び短絡検出帯T2に合わせて設定された期間である。送信帯T6は第1端末11D(伝送ユニット)が他の第1端末11にデータを伝送するための期間であり、返信帯T7は第1端末11D(伝送ユニット)が他の第1端末11からの返送データを受信するための期間である。
伝送ユニットとしての第1端末11Dは、常時は、モードデータが通常モードである第1信号Si1を送信し、この第1信号Si1の送信帯T6に含まれるアドレスデータを周期的に変化させて、他の複数の第1端末11に順次アクセスする常時ポーリングを行う。常時ポーリングの際には、送信帯T6に含まれるアドレスデータが自身のアドレスに一致した第1端末11は、この送信帯T6に含まれる電文を受信し、次の返信帯T7にて電文を第1端末11Dに送信する。ここで、第1端末11は、第1信号Si1の返信帯T7に同期した電流モード信号により電文を返送する。本開示でいう「電流モード信号」とは、2線式の伝送路12の線間を開放した状態と、線間に低インピーダンスの素子を接続した状態との切り替えによって生じる電流変化で表される信号である。これにより、第1システム1に含まれる1台以上の第1端末11は、伝送路12を伝送される第1信号Si1にて通信を行う。第1端末11D以外の第1端末11の内部回路の動作用電力は、第1信号Si1を整流し安定化することによって生成される。
(2.2)第2システム
第2システム2Aは、複数台(ここでは3台)の第2端末21A,21B,21Eを含んでいる。複数台の第2端末21A,21B,21Eはいずれも、第2システム2Aにおける2線式の伝送路22に電気的に接続されている。第2システム2Bは、第2システム2Aと同様に、複数台(ここでは3台)の第2端末21C,21D,21Fを含んでいる。複数台の第2端末21C,21D,21Fはいずれも、第2システム2Bにおける2線式の伝送路22に電気的に接続されている。本実施形態では一例として、第2システム2A,2Bは、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)の規格に準拠したシステムである。複数台の第2端末21A,21B,21C,21D,21E,21Fには、「スレーブ」及び「マスタ」の2種類の端末が含まれている。図1の例では、第2端末21A,21B,21C,21Dはそれぞれスレーブであって、第2端末21E,21Fはそれぞれマスタである。
スレーブとしての第2端末21A,21B,21C,21Dは、機器制御システム100の制御対象となる機器(照明器具4)の制御を行う。図1では一例として、第2端末21A,21B,21C,21Dは、制御対象である照明器具4と別体である。第2端末21A,21B,21C,21Dの各々は、マスタとしての第2端末21E,21Fから送信される電文に従って、第2端末21A,21B,21C,21Dにそれぞれ接続された照明器具4のオン/オフ、調光又は調色等の制御を行う機能を有する。図1の例では、第2端末21Aは照明器具4Aに接続され、第2端末21Bは照明器具4Bに接続されており、第2端末21A,21Bの各々は、複数台(ここでは2台)の照明器具4A,4Bを照明器具4ごとに個別に制御する「個別制御端末」である。第2端末21Cは照明器具4Cに接続され、第2端末21Dは照明器具4Dに接続されており、第2端末21C,21Dの各々は、複数台(ここでは2台)の照明器具4C,4Dを照明器具4ごとに個別に制御する「個別制御端末」である。ただし、この例に限らず、スレーブとしての第2端末21A,21B,21C,21Dは、制御対象である照明器具4と一体に構成されていてもよい。第2端末21A,21B,21C,21Dの各々は、個別に割り当てられた自身のアドレスを記憶したメモリを有している。
マスタとしての第2端末21E,21Fは、例えば、壁等に取り付けられてユーザの操作を受け付けるスイッチ装置又はセンサ装置にて構成されている。ここでいうセンサ装置は、例えば、人感センサ、照度センサ又は温度センサ等である。マスタとしての第2端末21E,21Fは、例えば、スイッチにてユーザの操作を検知する、又はセンサにて人の存在を検知する等、特定の事象が発生すると、第2端末21A,21B,21C,21Dに対して電文を送信する。図1の例では、第2端末21E,21Fの各々は、ユーザの操作を受け付けるスイッチ装置であって、複数のスイッチのいずれかにてユーザの操作を検知すると、操作されたスイッチに対応する電文を送信する。第2端末21E,21Fの各々は、個別に割り当てられた自身のアドレスを記憶したメモリを有している。
第2システム2に含まれる1台以上の第2端末21は、伝送路22を伝送される第2信号Si2にて通信を行う。ここで、第2システム2の通信プロトコル、つまり第2信号Si2のプロトコルは、少なくとも第1システム1の通信プロトコル、つまり第1信号Si1のプロトコルとは異なる。ただし、上述したように、複数の第2システム2A,2Bの各々の通信プロトコルは、複数の第2システム2間で共通(同一)のプロトコルである。
(2.3)インタフェース
複数(ここでは2つ)のインタフェース3A,3Bは、いずれも第1システム1の伝送路12に電気的に接続されている。本実施形態では、これら複数のインタフェース3A,3Bは互いに同一の構成を採用しており、これら複数のインタフェース3A,3Bの各々は、第1インタフェースと第2インタフェースとを兼ねている。第1インタフェースは、第2システム2から第1システム1への「上り通信」の中継を行うインタフェース3である。第2インタフェースは、第1システム1から第2システム2への「下り通信」の中継を行うインタフェース3である。つまり、複数のインタフェース3A,3Bの各々は、いずれも「上り通信」の中継を行う機能と、「下り通信」の中継を行う機能とを兼ね備えている。
これら複数のインタフェース3A,3Bは、第1信号Si1に重畳される重畳信号Si0によって、伝送路12を介して互いに通信可能に構成されている。また、インタフェース3Aは、第2システム2Aの伝送路22に電気的に接続されている。インタフェース3Bは、第2システム2Bの伝送路22に電気的に接続されている。これにより、互いに非同期である複数(ここでは2つ)の第2システム2A,2Bが、インタフェース3A,3Bを介して第1システム1の伝送路12に接続されることになる。その結果、互いに独立した複数の第2システム2A,2Bは、インタフェース3A,3B及び伝送路12を介して連携可能となる。
各インタフェース3は、図3に示すように、制御部30と、整流器31と、重畳信号送信部32と、重畳信号受信部33と、第1信号送信部34と、第1信号受信部35と、第2信号送受信部36と、絶縁回路37と、を有している。
制御部30は、重畳信号送信部32、重畳信号受信部33、第1信号送信部34、第1信号受信部35及び第2信号送受信部36を制御する。制御部30は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。言い換えれば、制御部30は、CPU及びメモリを有するコンピュータにて実現されており、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータが制御部30として機能する。プログラムは、ここでは制御部30のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
整流器31は、ダイオードブリッジ(図3中に「DB」と表記)にて構成されている。整流器31は、第1システム1の伝送路12に電気的に接続される。
重畳信号送信部32は、整流器31を介して、第1システム1の伝送路12に接続される。重畳信号送信部32は、第1信号Si1に重畳される重畳信号Si0の送信を行う。重畳信号Si0は、第1信号に比べて、周波数が十分に高い信号であって(第1信号の)1フレーム当たりに伝送可能なデータ量が十分に大きい。そのため、重畳信号Si0による通信は、第1信号による通信に比べて通信速度を高速化でき、例えば、アナログ量のように比較的データ量の多い情報の伝送に適している。図2等においては、重畳信号Si0が第1信号Si1に重畳されている様子を模式的に表しているに過ぎず、実際に、図示する通りに重畳信号Si0を第1信号Si1に合成した波形の信号が伝送路12に生じる訳ではない。
重畳信号受信部33は、整流器31を介して、第1システム1の伝送路12に接続される。重畳信号受信部33は、第1信号Si1に重畳される重畳信号Si0の受信を行う。
第1信号送信部34は、整流器31を介して、第1システム1の伝送路12に接続される。第1信号送信部34は、第1信号Si1の送信を行う。
第1信号受信部35は、整流器31を介して、第1システム1の伝送路12に接続される。第1信号受信部35は、第1信号Si1の受信を行う。
第2信号送受信部36は、インタフェース3の配下の第2システム2の伝送路22に電気的に接続される。第2信号送受信部36は、第2システム2の通信プロトコルに準拠した通信が可能である。第2信号送受信部36は、インタフェース3の配下の第2システム2に含まれる第2端末21との間で、伝送路22を介して第2信号Si2の送信及び受信を行う。つまり、第2信号送受信部36は、第2端末21との間で、第2信号Si2を用いて有線通信により双方向に電文の送受信を行う。
絶縁回路37は、制御部30と第2信号送受信部36との間に挿入されている。絶縁回路37は、制御部30と第2信号送受信部36とを電気的に絶縁する。
上述したように構成されるインタフェース3は、配下の第2システム2から受信した第2信号Si2を、重畳信号Si0にて、他のインタフェース3を介して他の第2システム2に転送する。つまり、インタフェース3Aは、配下の第2システム2Aから受信した第2信号Si2を、重畳信号Si0にて、他のインタフェース3Bを介して他の第2システム2Bに転送する。一方、インタフェース3Bは、配下の第2システム2Bから受信した第2信号Si2を、重畳信号Si0にて、他のインタフェース3Aを介して他の第2システム2Aに転送する。
さらに、インタフェース3は、重畳信号Si0を送信する際、伝送路12の状態に応じて、重畳信号Si0を送信するタイミングを調整する。すなわち、インタフェース3は、配下の第2システム2から第2信号Si2を受信したときに、即座に重畳信号Si0を送信するのではなく、第2信号Si2に含まれるデータを一時的に記憶し、タイミングを見て重畳信号Si0を送信するバッファとして機能する。例えば、インタフェース3は、配下の第2システム2から第2信号Si2を受信した時点で、第1システム1の第1端末11が通信中であれば、第1端末11の通信が終了するまで待機した後に、重畳信号Si0を送信する。
具体的には、インタフェース3の制御部30は、第1信号受信部35にて第1信号Si1を監視し、第1信号Si1の伝送状況(以下、「ステート」という)を解析する機能を有している。インタフェース3は、制御部30にてステートの解析結果から重畳信号Si0の重畳に適した重畳可能帯にあるか否かを判断し、重畳可能帯と判断されたタイミングで、重畳信号送信部32にて重畳信号Si0を送信する。
本実施形態では一例として、重畳可能帯は、第1信号Si1のうち、休止帯T3、予備割込帯T4、予備帯T5及び返信帯T7の領域(区間)である。つまり、休止帯T3、予備割込帯T4、予備帯T5及び返信帯T7は、重畳信号Si0が重畳されても第1信号Si1に影響が生じにくく、重畳信号Si0も第1信号Si1の影響を受けにくい。特に、返信帯T7は、他の領域に比べて、第1信号Si1の信号レベルが安定している時間が長く、第1信号Si1の1フレームに占める割合が大きいので、重畳信号Si0の重畳に適している。
その他の領域(割込帯T1、短絡検出帯T2及び送信帯T6)は、第1信号Si1の信号レベルが安定している時間が相対的に短く、重畳信号Si0が重畳されると第1信号Si1に影響が生じやすく、重畳信号Si0も第1信号Si1の影響を受けやすい。そのため、本実施形態では、割込帯T1、短絡検出帯T2及び送信帯T6は、重畳信号Si0の重畳には使用されない領域(以下、「重畳不可帯」という)である。
また、制御部30は、返信帯T7であっても、第1端末11からの電流モード信号の返送に用いられる返信帯T7については、重畳不可帯と判断する。すなわち、インタフェース3は、第1端末11からの電流モード信号の返送が行われない返信帯T7を、重畳信号Si0の重畳に適した重畳可能帯として重畳信号Si0の重畳に使用する。そこで、制御部30は、第1信号受信部35で返信帯T7と認識された領域について電流モード信号の返送が行われるか否かを判断し、返送が行われない返信帯T7を重畳可能帯と判断する。
さらに、詳しくは「(3)動作」の欄で説明するが、インタフェース3は信号のフィルタリング機能を有することで、第1システム1から第2システム2へ転送する信号(電文)を各インタフェース3にて制限する。すなわち、各インタフェース3が、第1システム1から第2システム2への「下り通信」について、特定のデータのみを通過させる「フィルタリング機能」を有することで、第2システム2のトラフィックの増大を抑制する。
(3)動作
次に、本実施形態に係る通信システム10の動作について説明する。以下では、通信システム10における第1システム1の動作、第2システム2の動作、及び複数の第2システム2間の連携動作の3つの動作について、順に説明する。
(3.1)第1システムの動作
まず、第1システム1の動作について説明する。ここでは、図1の通信システム10において、監視端末としての第1端末11Cにて第1端末11Aに対応するスイッチが操作された場合の第1システム1の動作について説明する。
第1端末11Cは、スイッチが操作される等、特定の事象が発生すると、割込信号を発生する。伝送ユニットとしての第1端末11Dは、第1信号Si1の第1フレームの割込帯T1にて第1端末11Cで発生した割込信号を検出すると、第1信号Si1の送信帯T6に含まれるモードデータを通常モードから割込ポーリングモードに切り替える。割込ポーリングモードにおいては、第1端末11Dは、割込信号の発生元の第1端末11Cのアドレスを取得することで、割込信号の発生元の第1端末11Cのアドレスを特定する。そして、第1端末11Dは、割込信号の発生元の第1端末11Cに対して返信要求用の電文を送信し、第1端末11Cから電流モード信号により監視用の電文(監視電文)を受信する。
第1端末11Cから監視電文を受信した第1端末11Dは、監視電文に含まれるアドレスに対応する第1端末11Aに対して、制御用の電文(制御電文)を送信する。このとき送信される制御電文は、制御内容と、制御電文の宛先となるアドレスと、を少なくとも含んでいる。制御電文を受信した第1端末11Aは、制御電文の制御内容に従って、制御対象である照明器具4A,4Bのオン/オフの制御を行う。
上述したように、第1システム1においては、監視端末としての第1端末11Cにて特定の事象が発生し割込信号が発生すると、伝送ユニットとしての第1端末11Dから、制御端末としての第1端末11Aに制御電文が送信される。要するに、第1システム1では、ポーリング・セレクティング方式のプロトコルに従い、伝送ユニットとしての第1端末11Dを介して、第1端末11Cと第1端末11Aとが通信を行う。その結果、例えば、第1端末11Cのスイッチが操作されると、このスイッチに対応する第1端末11Aでリレーが制御されることで、このスイッチに対応する照明器具4A,4Bが制御される。
(3.2)第2システムの動作
次に、第2システム2の動作について説明する。ここでは、図1の通信システム10において、マスタとしての第2端末21Eにて第2端末21Aに対応するスイッチが操作された場合の第2システム2Aの動作について説明する。
第2端末21Eは、スイッチが操作される等、特定の事象が発生すると、操作されたスイッチに対応する制御用の電文(制御電文)を第2信号Si2として伝送路22に送信する。この第2信号Si2は、操作されたスイッチに対応する第2端末21Aに向けて送信される。このとき送信される制御電文は、制御内容と、制御電文の宛先となるアドレスと、を少なくとも含んでいる。第2端末21Aは、制御電文を受信すると、制御電文の制御内容に従って、例えば、制御対象である照明器具4Aのオン/オフの制御を行う。
上述したように、第2システム2Aにおいては、マスタとしての第2端末21Eにて特定の事象が発生すると、スレーブとしての第2端末21Aに制御電文が送信される。要するに、第2システム2では、第2端末21Eと第2端末21Aとが直接的に通信を行う。その結果、例えば、第2端末21Eのスイッチが操作されると、このスイッチに対応する第2端末21Aが制御されることで、このスイッチに対応する照明器具4Aが制御される。
(3.3)複数の第2システム間の連携動作
次に、複数の第2システム2間の連携動作について説明する。ここでは、図1の通信システム10において、第2システム2Aのマスタとしての第2端末21Eにて、他の第2システム2Bの第2端末21Cに対応するスイッチが操作された場合の、第2システム2A及び第2システム2Bの連携動作について説明する。
第2端末21Eは、スイッチが操作される等、特定の事象が発生すると、操作されたスイッチに対応する制御用の電文(制御電文)を第2信号Si2として伝送路22に送信する。この第2信号Si2は、操作されたスイッチに対応する第2端末21Cに向けて送信される。このとき送信される制御電文は、制御内容と、制御電文の宛先となるアドレスと、を少なくとも含んでいる。
ここで、第2端末21Eが接続された第2システム2Aの伝送路22上には第2端末21Cは存在しないため、制御電文は、インタフェース3A、第1システム1の伝送路12、及びインタフェース3Bを、この順で通って第2端末21Cに送信される。すなわち、まずは第2システム2Aに接続されたインタフェース3Aが、第2端末21Eから送信された第2信号Si2を受信することにより、配下の第2システム2Aから制御電文を取得する。制御電文を取得したインタフェース3Aは、制御電文を、第1信号Si1に重畳される重畳信号Si0に含めて、重畳信号Si0を、第1システム1の伝送路12を通して、インタフェース3Bに対して送信する。このとき、インタフェース3Aは、伝送路12の状態に応じて、重畳信号Si0を送信するタイミングを調整する。インタフェース3Aは、例えば、上述したように第1信号Si1の休止帯T3、予備割込帯T4、予備帯T5又は返信帯T7からなる重畳可能帯に合わせて、重畳信号Si0を送信する。
さらにこのとき、インタフェース3Aは、複数の第2システム2のうち第2信号Si2の転送先となる第2システム2を特定する宛先情報を重畳信号Si0に含めて、重畳信号Si0を送信する。一例として、インタフェース3Aから送信される重畳信号Si0のデータフォーマットは、模式的に図4に示すような構造を有する。図4の例では、重畳信号Si0は、そのデータフォーマット(データ構造)として、ヘッダ領域R1、データ領域R2、及びエラーチェック領域R3を有している。ヘッダ領域R1には、例えば、送信元を特定するための識別子(アドレス)等が格納される。データ領域R2には、例えば、制御電文を含む電文の本体部等が格納される。チェック領域R3には、例えば、エラーチェック用のチェックサムデータ等が格納される。
本実施形態では、これらの複数の領域のうち、ヘッダ領域R1に宛先情報が格納される。宛先情報は、一例として、第2信号Si2の転送先となる第2システム2(ここでは第2システム2B)に設定されている固有の識別子(個別アドレス)を含む。すなわち、インタフェース3Aは、配下の第2システム2Aから取得した制御電文を解析することで、制御電文に含まれている、制御電文の宛先となる第2端末21Cのアドレスを取得する。この第2端末21Cのアドレスに基づいて、インタフェース3Aは、第2端末21Cが含まれている第2システム2Bを特定し、第2システム2Bの識別子を含む宛先情報を生成する。インタフェース3Aは、生成した宛先情報を重畳信号Si0に含める。これらの処理は、インタフェース3の制御部30にて実行される。
インタフェース3Bは、インタフェース3Aからの重畳信号Si0を受信すると、重畳信号Si0に含まれている制御電文を、第2信号Si2に含めて配下の第2システム2Bの伝送路22に送信する。このとき、インタフェース3Bは、重畳信号Si0に含まれている宛先情報に基づいて、複数の第2システム2のうち対応する第2システム2に第2信号Si2を送信するか否かを決定する。つまり、重畳信号Si0を受信したインタフェース3Bは、制御電文を制限なく配下の第2システム2Bに送信するのではなく、重畳信号Si0を解析することによって、配下の第2システム2Bに制御電文を送信するか否かを決定する。
一例として、インタフェース3Bは、重畳信号Si0のヘッダ領域R2に格納されている宛先情報を解析し、宛先情報が自身の配下の第2システム2Bの識別子(個別アドレス)を含んでいれば、配下の第2システム2Bに第2信号Si2を送信する。宛先情報が自身の配下の第2システム2Bの識別子を含んでいなければ、インタフェース3Bは、配下の第2システム2Bに第2信号Si2を送信しない。インタフェース3は、その配下の第2システム2の識別子をメモリ等に記憶している。これらの処理は、インタフェース3の制御部30にて実行される。
第2端末21Cは、インタフェース3Bからの第2信号Si2を受信すると、制御電文の制御内容に従って、例えば、制御対象である照明器具4Cのオン/オフの制御を行う。
上述したように、インタフェース3Aは、配下の第2システム2Aから受信した第2信号Si2(制御電文)を、重畳信号Si0にて、他のインタフェース3Bを介して他の第2システム2Bに転送する。したがって、第2システム2Aにおいて、マスタとしての第2端末21Eにて特定の事象が発生すると、他の第2システム2Bにおけるスレーブとしての第2端末21Cに制御電文が送信される。その結果、例えば、第2端末21Eのスイッチが操作されると、このスイッチに対応する第2端末21Cが制御されることで、このスイッチに対応する照明器具4Cが制御される。よって、互いに独立した複数の第2システム2A,2Bが、インタフェース3を介して第1システム1の伝送路12に接続されることにより、複数の第2システム2A,2B間での連携が可能となる。
ところで、宛先情報は、第2信号Si2の転送先となる第2システム2に固有の識別子(アドレス)に限らず、以下に説明するように、第2システム2に固有の識別子以外の情報を含んでいてもよい。
1つ目の例として、宛先情報は、複数の第2システム2のうち第2信号Si2の転送先となる第2システム2のグループを特定するグループ情報を含んでいてもよい。本開示でいう「グループ」は、複数の第2システムを2以上のグループに分類したときの、個々のグループを意味する。グループの分類の仕方は様々であるが、例えば、第2システム2の用途、及び第2システム2の管轄エリア等によって複数の第2システム2が分類される。第2システム2の用途としては、例えば、照明制御用、空調制御用、又は計測用等がある。第2システム2の管轄エリアとしては、例えば、集合住宅の個々の住戸単位、又はビルのフロア単位等で設定されるエリアがある。このようなグループ情報が宛先情報として用いられる場合には、宛先情報は、複数の第2システム2のうち第2信号Si2の転送先となる第2システム2をグループ単位で特定することになる。
すなわち、複数の第2システム2が用途等によって2以上のグループに分類されている場合には、インタフェース3Aは、転送先となる第2システム2を特定するグループ情報を宛先情報として重畳信号Si0に含めて、重畳信号Si0を送信することができる。インタフェース3Bは、受信した重畳信号Si0を解析し、宛先情報が自身の配下の第2システム2Bの属するグループのグループ情報を含んでいる場合にのみ、配下の第2システム2Bに第2信号Si2を送信する。インタフェース3は、その配下の第2システム2の属するグループ情報をメモリ等に記憶している。グループ情報は、例えば、インタフェース3に設けられているディップスイッチ等によりユーザが手動で入力してもよいし、設定用端末等で設定されインタフェース3に入力されてもよい。
2つ目の例として、宛先情報は、複数の第2システム2のうち第2信号Si2の転送先となる第2システム2の属性情報を含んでいてもよい。本開示でいう「属性情報」は、第2システム2の属性を特定する情報であって、複数のインタフェース3の各々が、複数の第2システム2のうち対応する第2システム2から取得する情報である。属性には様々な種類があるが、例えば、上述したグループと同様に、第2システム2の用途、及び第2システム2の管轄エリア等によって属性が決定される。インタフェース3は、その配下の第2システム2から、定期的又は不定期で属性情報を取得する。このような属性情報が宛先情報として用いられる場合には、宛先情報は、複数の第2システム2のうち第2信号Si2の転送先となる第2システム2を属性単位で特定することになる。
すなわち、複数の第2システム2が用途等によって2以上の属性に分類されている場合には、インタフェース3Aは、転送先となる第2システム2を特定する属性情報を宛先情報として重畳信号Si0に含めて、重畳信号Si0を送信することができる。インタフェース3Bは、受信した重畳信号Si0を解析し、宛先情報が自身の配下の第2システム2Bの属性情報を含んでいる場合にのみ、配下の第2システム2Bに第2信号Si2を送信する。インタフェース3は、その配下の第2システム2から取得した属性情報をメモリ等に記憶している。属性情報は、例えば、第2システム2に設けられているディップスイッチ等によりユーザが手動で入力してもよいし、設定用端末等で設定され第2システム2に入力されてもよい。
3つ目の例として、宛先情報は、複数の第2システム2の各々に設定された固有の識別子(個別アドレス)の範囲を規定する範囲情報を含んでいてもよい。すなわち、複数の第2システム2の各々に設定された固有の識別子が、例えば、「0001」、「0002」及び「0003」等の数列で表される場合、「0002」~「0015」といった数列の範囲を規定することができる。このような識別子の範囲を規定する情報が範囲情報である。このような範囲情報が宛先情報として用いられる場合には、宛先情報は、複数の第2システム2のうち第2信号Si2の転送先となる第2システム2を識別子単位で特定することになる。
すなわちインタフェース3Aは、転送先となる第2システム2を特定する範囲情報を宛先情報として重畳信号Si0に含めることで、複数の第2システム2をまとめて第2信号Si2の転送先として指定して、重畳信号Si0を送信することができる。インタフェース3Bは、受信した重畳信号Si0を解析し、宛先情報が自身の配下の第2システム2Bの識別子が該当する範囲情報を含んでいる場合にのみ、配下の第2システム2Bに第2信号Si2を送信する。よって、範囲情報によれば、複数の第2システム2をまとめて第2信号Si2の転送先として指定することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る通信システム10は、第1システム1と、複数のインタフェース3と、複数の第2システム2と、を備える。第1システム1は、伝送路12を伝送される第1信号Si1によって通信を行う1台以上の第1端末11を含む。複数のインタフェース3は、伝送路12に接続され、第1信号Si1に重畳される重畳信号Si0によって通信を行う。また、複数のインタフェース3は、第1インタフェース(3A)及び第2インタフェース(3B)を含む。複数の第2システム2は、それぞれ第2信号によって通信を行う1台以上の第2端末21を含む。複数の第2システム2は、互いに非同期であって、複数のインタフェース3と一対一に対応付けて接続されている。複数のインタフェース3の各々は、複数の第2システム2のうち対応する第2システム2から受信した第2信号を、重畳信号Si0にて、他のインタフェース3を介して他の第2システム2に転送する。第1インタフェース(3A)は、複数のインタフェース3のうちの他のインタフェース(3B)に重畳信号Si0を送信する際、宛先情報を重畳信号Si0に含めて重畳信号Si0を送信するように構成されている。宛先情報は、複数の第2システム2のうち第2信号Si2の転送先となる第2システム2を特定する情報である。第2インタフェース(3B)は、複数のインタフェース3のうちの他のインタフェース(3A)から重畳信号Si0を受信する際、複数の第2システム2のうち対応する第2システム2に第2信号Si2を送信するか否かを決定するように構成されている。第2インタフェース(3B)は、重畳信号Si0に含まれている宛先情報に基づいて、第2信号Si2を送信するか否かを決定する。
(4)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、実施形態1に係る通信システム10と同様の機能は、通信制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る通信制御方法は、通信システム10において、複数のインタフェース3のうちの他のインタフェース(3B)に重畳信号Si0を送信する際、宛先情報を重畳信号Si0に含めて重畳信号Si0を送信するように第1インタフェース(3A)を制御する。宛先情報は、複数の第2システム2のうち第2信号Si2の転送先となる第2システム2を特定する情報である。通信制御方法は、複数のインタフェース3のうちの他のインタフェース(3A)から重畳信号Si0を受信する際、複数の第2システム2のうち対応する第2システム2に第2信号Si2を送信するか否かを決定するように第2インタフェース(3B)を制御する。第2インタフェース(3B)では、重畳信号Si0に含まれている宛先情報に基づいて、第2信号Si2を送信するか否かを決定する。ここでいう通信システム10は、第1システム1と、複数のインタフェース3と、複数の第2システム2と、を備える。第1システム1は、伝送路12を伝送される第1信号Si1によって通信を行う1台以上の第1端末11を含む。複数のインタフェース3は、伝送路12に接続され、第1信号Si1に重畳される重畳信号Si0によって通信を行う。また、複数のインタフェース3は、第1インタフェース(3A)及び第2インタフェース(3B)を含む。複数の第2システム2は、それぞれ第2信号によって通信を行う1台以上の第2端末21を含む。複数の第2システム2は、互いに非同期であって、複数のインタフェース3と一対一に対応付けて接続されている。複数のインタフェース3の各々は、複数の第2システム2のうち対応する第2システム2から受信した第2信号を、重畳信号Si0にて、他のインタフェース3を介して他の第2システム2に転送する。一態様に係る(コンピュータ)プログラムは、コンピュータシステムに、上記通信制御方法を実行させるためのプログラムである。
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における通信システム10は、例えば、インタフェース3等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における通信システム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
また、例えば、通信システム10に設けた複数の機能は、1つの筐体内に集約されていてもよいし、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。一例として、インタフェース3における複数の機能は、1つの筐体内に集約されていてもよいし、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、通信システム10の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。また、実施形態1において、複数の装置に分散されている通信システム10の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
また、通信システム10及び機器制御システム100は、オフィスビル、店舗、病院、学校又は工場等の施設に限らず、例えば、集合住宅又は戸建住宅等の住宅に導入されてもよい。
また、図1の例では、通信システム10は、第2システム2及びインタフェース3を2つずつ備えているが、この例に限らず、通信システム10は、第2システム2及びインタフェース3の各々を3つ以上備えていてもよい。同様に、第1システム1における第1端末11の数、第2システム2における第2端末21の数、及び制御対象である機器(照明器具4)の数についても、図1の例に限らず、適宜変更可能である。
また、第1システム1は、ポーリング・セレクティング方式のプロトコルに従い、伝送ユニットとしての第1端末11を介して、複数台の第1端末11同士が通信するシステムに限らない。例えば、第1システム1は、複数台の第1端末11同士が第1信号Si1によって直接的に通信する構成であってもよい。
また、複数の第2システム2の各々は、DALIの規格に準拠したシステムでなくてもよく、第2端末21の通信方式は、例えば、電波を伝送媒体とする無線通信、又は光通信等であってもよい。第2端末21の通信方式が無線通信である場合、無線通信用の自由空間が第2システム2の伝送路22となる。さらに、複数の第2システム2の各々は、機器制御システム100の制御対象となる機器(照明器具4)の制御を行うシステムに限らず、複数の第2システム2の少なくとも一部は、例えば、計測システム又は監視システム等であってもよい。
また、少なくとも一部の第1端末11は、重畳信号Si0によるインタフェース3との通信機能を有していてもよい。この場合、複数の第2システム2間の連携だけでなく、第1システム1(の第1端末11)と、第2システム2(の第2端末21)との間で、データの授受が可能となる。
また、通信システム10を用いた機器制御システム100は照明制御システムに限らず、機器制御システム100の制御対象は、例えば、空調機器、換気扇、電動シャッタ、空気清浄機、給湯機、テレビ受像機、洗濯機又は冷蔵庫等であってもよい。さらに、通信システム10は、そもそも機器制御システム100に用いられることが必須ではなく、例えば、計測システム又は監視システム等に用いられてもよい。
また、通信システム10において、第1システム1がメインシステムを構成し、各第2システム2がサブシステムを構成することは必須ではなく、例えば、各第2システム2がメインシステムを構成してもよい。
また、実施形態1では、制御対象である照明器具4は、通信システム10及び機器制御システム100のいずれの構成要素にも含まれていないが、この構成に限らない。すなわち、照明器具4は、通信システム10及び機器制御システム100のいずれかの構成要素に含まれていてもよい。
(実施形態2)
本実施形態に係る通信システム10は、複数のインタフェース3の各々が第2システム2から第1システム1への「上り通信」についても信号のフィルタリング機能を有する点で、実施形態1に係る通信システム10と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
具体的には、インタフェース3は、上り通信については、第2システム2からの第2信号Si2を解析することによって、第2システム2側から第1システム1側に電文を通過させるか否かを決定する。
本実施形態では、複数のインタフェース3の各々は、複数の第2システム2のうち対応する第2システム2から受信した第2信号Si2に応じて、伝送路12に重畳信号Si0を送信するか否かを決定するように構成されている。一例として、インタフェース3は、第2システム2からの第2信号Si2に含まれる上りフラグの値によって、第2システム2側から第1システム1側に電文を通過させるか否かを判断する。インタフェース3は、例えば、上りフラグの値が「1」であれば、第2システム2側から第1システム1側に電文を通過させ、上りフラグの値が「0」であれば、第2システム2側から第1システム1側に電文を通過させない。
要するに、本実施形態では、インタフェース3は、上り通信と下り通信との両方について、特定の電文のみを通過させるフィルタリング機能を有している。上りフラグについては、例えば、電文の送信元である第2端末21にて設定される。
本実施形態に係る通信システム10によれば、例えば、図5に示すように、各インタフェース3にて特定の電文のみを通過させることが可能である。図5の例では、通信システム10は、2つのインタフェース3C,3D、及び2つの第2システム2C,2Dを備えている。第2システム2Cはインタフェース3Cを介して第1システム1の伝送路12に接続され、第2システム2Dはインタフェース3Dを介して第1システム1の伝送路12に接続される。
図5の例では、インタフェース3A,3Bは、それぞれ配下の第2システム2A,2Bから受信した第2信号Si2に応じて、伝送路12に重畳信号Si0を送信するか否かを決定している。ここでは、第2システム2Aからの第2信号Si2に含まれる上りフラグの値が「1」であり、第2システム2Aからの第2信号Si2に含まれる上りフラグの値が「0」であると仮定する。そのため、インタフェース3Aは、配下の第2システム2Aから第2信号Si2を受信すると、伝送路12に重畳信号Si0を送信する。一方、インタフェース3Bは、配下の第2システム2Bから第2信号Si2を受信しても、伝送路12に重畳信号Si0(図5に破線で示す)を送信しない。
また、図5の例では、インタフェース3C,3Dは、それぞれ伝送路12から受信した重畳信号Si0に含まれている宛先情報に基づいて、配下の第2システム2C,2Dに第2信号Si2を送信するか否かを決定している。ここでは、インタフェース3Cが受信した重畳信号Si0に含まれている宛先情報が、配下の第2システム2Cの識別子を含み、インタフェース3Dが受信した重畳信号Si0に含まれている宛先情報が、配下の第2システム2Dの識別子を含まないと仮定する。そのため、インタフェース3Cは、伝送路12から重畳信号Si0を受信すると、配下の第2システム2Cに第2信号Si2を送信する。一方、インタフェース3Dは、伝送路12から重畳信号Si0を受信しても、配下の第2システム2Dに第2信号Si2(図5に破線で示す)を送信しない。
本実施形態の通信システム10によれば、上り通信のフィルタリング機能により、第1システム1のトラフィックの増大を抑制することができる。
実施形態2で説明した構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る通信装置は、第1システム(1)と、複数のインタフェース(3)と、第2システム(2)と、を備えた通信システム(10)に複数のインタフェース(3)の1つとして用いられる。第1システム(1)は、伝送路(12)を伝送される第1信号(Si1)によって通信を行う1台以上の第1端末(11)を含む。複数のインタフェース(3)は、伝送路(12)に接続され、第1信号(Si1)に重畳される重畳信号(Si0)によって通信を行う。複数の第2システム(2)は、それぞれ第2信号(Si2)によって通信を行う1台以上の第2端末(21)を含む。複数の第2システム(2)は、互いに非同期であって、複数のインタフェース(3)と一対一に対応付けて接続されている。複数のインタフェース(3)の各々は、複数の第2システム(2)のうち対応する第2システム(2)から受信した第2信号(Si2)を、重畳信号(Si0)にて、他のインタフェース(3)を介して他の第2システム(2)に転送するように構成されている。通信装置は、複数のインタフェース(3)のうちの他のインタフェース(3)に重畳信号(Si0)を送信する際、宛先情報を重畳信号(Si0)に含めて重畳信号(Si0)を送信するように構成されている。宛先情報は、複数の第2システム(2)のうち第2信号(Si2)の転送先となる第2システム(2)を特定する情報である。
この態様によれば、複数の第2システム(2)はそれぞれインタフェース(3)を介して、共通の第1システム(1)の伝送路(12)に接続されることになる。よって、複数のインタフェース(3)同士が、重畳信号(Si0)にて通信することにより、複数の第2システム(2)間でのデータの授受が可能となる。その結果、第1システム(1)の稼動中であっても、第1システム(1)で使用される第1信号(Si1)に重畳される重畳信号(Si0)を利用することで、第1システム(1)と共通の伝送路(12)を用いて、複数の第2システム(2)が連携可能となる。しかも、伝送路(12)に送信される重畳信号(Si0)には宛先情報が含まれるので、この宛先情報に基づいて、第1システム(1)側から第2システム(2)側にデータを通過させるか否かを制御可能となる。したがって、通信装置によれば、第2システム(2)のトラフィックの増大を抑制しつつ、複数の第2システム(2)間の連携を容易に実現できる、という利点がある。
第2の態様に係る通信装置は、第1システム(1)と、複数のインタフェース(3)と、第2システム(2)と、を備えた通信システム(10)に複数のインタフェース(3)の1つとして用いられる。第1システム(1)は、伝送路(12)を伝送される第1信号(Si1)によって通信を行う1台以上の第1端末(11)を含む。複数のインタフェース(3)は、伝送路(12)に接続され、第1信号(Si1)に重畳される重畳信号(Si0)によって通信を行う。複数の第2システム(2)は、それぞれ第2信号(Si2)によって通信を行う1台以上の第2端末(21)を含む。複数の第2システム(2)は、互いに非同期であって、複数のインタフェース(3)と一対一に対応付けて接続されている。複数のインタフェース(3)の各々は、複数の第2システム(2)のうち対応する第2システム(2)から受信した第2信号(Si2)を、重畳信号(Si0)にて、他のインタフェース(3)を介して他の第2システム(2)に転送するように構成されている。通信装置は、複数のインタフェース(3)のうちの他のインタフェース(3)から重畳信号(Si0)を受信する際、複数の第2システム(2)のうち対応する第2システム(2)に第2信号(Si2)を送信するか否かを決定するように構成されている。通信装置は、重畳信号(Si0)に含まれている宛先情報に基づいて、第2信号(Si2)を送信するか否かを決定する。
この態様によれば、複数の第2システム(2)はそれぞれインタフェース(3)を介して、共通の第1システム(1)の伝送路(12)に接続されることになる。よって、複数のインタフェース(3)同士が、重畳信号(Si0)にて通信することにより、複数の第2システム(2)間でのデータの授受が可能となる。その結果、第1システム(1)の稼動中であっても、第1システム(1)で使用される第1信号(Si1)に重畳される重畳信号(Si0)を利用することで、第1システム(1)と共通の伝送路(12)を用いて、複数の第2システム(2)が連携可能となる。しかも、伝送路(12)に送信される重畳信号(Si0)には宛先情報が含まれるので、この宛先情報に基づいて、第1システム(1)側から第2システム(2)側にデータを通過させるか否かを制御可能となる。したがって、通信装置によれば、第2システム(2)のトラフィックの増大を抑制しつつ、複数の第2システム(2)間の連携を容易に実現できる、という利点がある。
第3の態様に係る通信装置では、第1又は2の態様において、複数の第2システム(2)は2以上のグループに分類されている。宛先情報は、複数の第2システム(2)のうち第2信号(Si2)の転送先となる第2システム(2)のグループを特定するグループ情報を含む。
この態様によれば、第1システム(1)側から第2システム(2)側にデータを通過させるか否かを、第2システム(2)のグループ単位で指定することが可能になる。
第4の態様に係る通信装置では、第1~3のいずれかの態様において、複数のインタフェース(3)の各々は、複数の第2システム(2)のうち対応する第2システム(2)から、第2システム(2)の属性を特定する属性情報を取得するように構成されている。宛先情報は、複数の第2システム(2)のうち第2信号(Si2)の転送先となる第2システム(2)の属性情報を含む。
この態様によれば、第1システム(1)側から第2システム(2)側にデータを通過させるか否かを、第2システム(2)の属性単位で指定することが可能になる。
第5の態様に係る通信装置では、第1~4のいずれかの態様において、複数の第2システム(2)の各々には固有の識別子が設定されており、宛先情報は、識別子の範囲を規定する範囲情報を含む。
この態様によれば、第1システム(1)側から第2システム(2)側にデータを通過させるか否かを、複数の第2システム(2)についてまとめて指定することが可能になる。
第6の態様に係る通信装置では、第1~5のいずれかの態様において、複数の第2システム(2)の各々には固有の識別子が設定されており、宛先情報は、識別子を含む。
この態様によれば、第1システム(1)側から第2システム(2)側にデータを通過させるか否かを、複数の第2システム(2)の各々について個別に指定することが可能になる。
第7の態様に係る通信インタフェースは、第1の態様に係る通信装置である第1インタフェース(3A)と、第2の態様に係る通信装置である第2インタフェース(3B)と、を兼ねている。
この態様によれば、1つの通信インタフェースにて、第1インタフェース(3A)と第2インタフェース(3B)との両方の機能を実現できるので、通信システム(10)の構築が簡単になる。
第8の態様に係る通信システムは、第1システム(1)と、複数のインタフェース(3)と、第2システム(2)と、を備える。第1システム(1)は、伝送路(12)を伝送される第1信号(Si1)によって通信を行う1台以上の第1端末(11)を含む。複数のインタフェース(3)は、伝送路(12)に接続され、第1信号(Si1)に重畳される重畳信号(Si0)によって通信を行う。複数のインタフェース(3)は、第1インタフェース(3A)及び第2インタフェース(3B)を含む。複数の第2システム(2)は、それぞれ第2信号(Si2)によって通信を行う1台以上の第2端末(21)を含む。複数の第2システム(2)は、互いに非同期であって、複数のインタフェース(3)と一対一に対応付けて接続されている。複数のインタフェース(3)の各々は、複数の第2システム(2)のうち対応する第2システム(2)から受信した第2信号(Si2)を、重畳信号(Si0)にて、他のインタフェース(3)を介して他の第2システム(2)に転送するように構成されている。第1インタフェース(3A)は、複数のインタフェース(3)のうちの他のインタフェース(3B)に重畳信号(Si0)を送信する際、宛先情報を重畳信号(Si0)に含めて重畳信号(Si0)を送信するように構成されている。宛先情報は、複数の第2システム(2)のうち第2信号(Si2)の転送先となる第2システム(2)を特定する情報である。第2インタフェース(3B)は、複数のインタフェース(3)のうちの他のインタフェース(3A)から重畳信号(Si0)を受信する際、複数の第2システム(2)のうち対応する第2システム(2)に第2信号(Si2)を送信するか否かを決定する。第2インタフェース(3B)は、重畳信号(Si0)に含まれている宛先情報に基づいて、第2信号(Si2)を送信するか否かを決定する。
この態様によれば、複数の第2システム(2)はそれぞれインタフェース(3)を介して、共通の第1システム(1)の伝送路(12)に接続されることになる。よって、複数のインタフェース(3)同士が、重畳信号(Si0)にて通信することにより、複数の第2システム(2)間でのデータの授受が可能となる。その結果、第1システム(1)の稼動中であっても、第1システム(1)で使用される第1信号(Si1)に重畳される重畳信号(Si0)を利用することで、第1システム(1)と共通の伝送路(12)を用いて、複数の第2システム(2)が連携可能となる。しかも、伝送路(12)に送信される重畳信号(Si0)には宛先情報が含まれるので、この宛先情報に基づいて、第1システム(1)側から第2システム(2)側にデータを通過させるか否かを制御可能となる。したがって、通信システム(10)によれば、第2システム(2)のトラフィックの増大を抑制しつつ、複数の第2システム(2)間の連携を容易に実現できる、という利点がある。
第9の態様に係る機器制御システム(100)は、第8の態様に係る通信システム(10)を備える。1台以上の第1端末(11)は複数台の機器を一括制御する一括制御端末を含み、1台以上の第2端末(21)は複数台の機器を機器ごとに個別に制御する個別制御端末を含む。
この態様によれば、複数の第2システム(2)はそれぞれインタフェース(3)を介して、共通の第1システム(1)の伝送路(12)に接続されることになる。よって、複数のインタフェース(3)同士が、重畳信号(Si0)にて通信することにより、複数の第2システム(2)間でのデータの授受が可能となる。その結果、第1システム(1)の稼動中であっても、第1システム(1)で使用される第1信号(Si1)に重畳される重畳信号(Si0)を利用することで、第1システム(1)と共通の伝送路(12)を用いて、複数の第2システム(2)が連携可能となる。しかも、伝送路(12)に送信される重畳信号(Si0)には宛先情報が含まれるので、この宛先情報に基づいて、第1システム(1)側から第2システム(2)側にデータを通過させるか否かを制御可能となる。したがって、機器制御システム(100)によれば、第2システム(2)のトラフィックの増大を抑制しつつ、複数の第2システム(2)間の連携を容易に実現できる、という利点がある。
第10の態様に係る機器制御システム(100)では、第9の態様において、複数台の機器の各々は照明器具(4)である。
この態様によれば、照明器具(4)の多様な制御が可能になる。
第11の態様に係る通信制御方法は、通信システム(10)において、複数のインタフェース(3)のうちの他のインタフェース(3B)に重畳信号(Si0)を送信する際、以下のように第1インタフェース(3A)を制御する。つまり、宛先情報を重畳信号(Si0)に含めて重畳信号(Si0)を送信するように第1インタフェース(3A)を制御する。宛先情報は、複数の第2システム(2)のうち第2信号(Si2)の転送先となる第2システム(2)を特定する情報である。通信制御方法は、複数のインタフェース(3)のうちの他のインタフェース(3A)から重畳信号(Si0)を受信する際、以下のように第2インタフェース(3B)を制御する。つまり、複数の第2システム(2)のうち対応する第2システム(2)に第2信号(Si2)を送信するか否かを決定するように第2インタフェース(3B)を制御する。第2インタフェース(3B)では、重畳信号(Si0)に含まれている宛先情報に基づいて、第2信号(Si2)を送信するか否かを決定する。通信システム(10)は、第1システム(1)と、複数のインタフェース(3)と、複数の第2システム(2)と、を備える。第1システム(1)は、伝送路(12)を伝送される第1信号(Si1)によって通信を行う1台以上の第1端末(11)を含む。複数のインタフェース(3)は、伝送路(12)に接続され、第1信号(Si1)に重畳される重畳信号(Si0)によって通信を行う。複数のインタフェース3は、第1インタフェース(3A)及び第2インタフェース(3B)を含む。複数の第2システム(2)は、それぞれ第2信号(Si2)によって通信を行う1台以上の第2端末(21)を含む。複数の第2システム(2)は、互いに非同期であって、複数のインタフェース(3)と一対一に対応付けて接続されている。複数のインタフェース(3)の各々は、複数の第2システム(2)のうち対応する第2システム(2)から受信した第2信号(Si2)を、重畳信号(Si0)にて、他のインタフェース(3)を介して他の第2システム(2)に転送する。
この態様によれば、複数の第2システム(2)はそれぞれインタフェース(3)を介して、共通の第1システム(1)の伝送路(12)に接続されることになる。よって、複数のインタフェース(3)同士が、重畳信号(Si0)にて通信することにより、複数の第2システム(2)間でのデータの授受が可能となる。その結果、第1システム(1)の稼動中であっても、第1システム(1)で使用される第1信号(Si1)に重畳される重畳信号(Si0)を利用することで、第1システム(1)と共通の伝送路(12)を用いて、複数の第2システム(2)が連携可能となる。しかも、伝送路(12)に送信される重畳信号(Si0)には宛先情報が含まれるので、この宛先情報に基づいて、第1システム(1)側から第2システム(2)側にデータを通過させるか否かを制御可能となる。したがって、通信制御方法によれば、第2システム(2)のトラフィックの増大を抑制しつつ、複数の第2システム(2)間の連携を容易に実現できる、という利点がある。
第12の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、第11の態様に係る通信制御方法を実行させるためのプログラムである。
この態様によれば、複数の第2システム(2)はそれぞれインタフェース(3)を介して、共通の第1システム(1)の伝送路(12)に接続されることになる。よって、複数のインタフェース(3)同士が、重畳信号(Si0)にて通信することにより、複数の第2システム(2)間でのデータの授受が可能となる。その結果、第1システム(1)の稼動中であっても、第1システム(1)で使用される第1信号(Si1)に重畳される重畳信号(Si0)を利用することで、第1システム(1)と共通の伝送路(12)を用いて、複数の第2システム(2)が連携可能となる。しかも、伝送路(12)に送信される重畳信号(Si0)には宛先情報が含まれるので、この宛先情報に基づいて、第1システム(1)側から第2システム(2)側にデータを通過させるか否かを制御可能となる。したがって、上記プログラムによれば、第2システム(2)のトラフィックの増大を抑制しつつ、複数の第2システム(2)間の連携を容易に実現できる、という利点がある。
上記態様に限らず、実施形態1及び2に係る通信システム(10)の種々の構成(変形例を含む)は、通信装置、通信インタフェース、機器制御システム(100)、通信制御方法、プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化可能である。
第2~6の態様に係る構成については、通信装置に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。