JP7050618B2 - 雨水排水装置 - Google Patents

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Description

本発明は、雨水を排水するための雨水排水装置に関する。
従来、サイフォン現象を誘発させることによって雨水の排水効率を向上させる構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、特許文献1に示す構成では、家屋の軒樋の下側に配置されたエルボ継手や配管などによって構成されるサイフォン管によってサイフォン現象が誘発されていた。
特許第4130616号公報
上記のようにサイフォン現象を利用することにより排水される雨水の量が多くなるが、排水マスへの雨水の排出について何ら考慮されていなかった。すなわち、雨水の排水量が多くなり、排水マスからの水の跳ね出しが発生する場合があった。
本発明は、排水マスからの水の跳ね出しを低減することが可能な雨水排水装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明にかかる雨水排水装置は、流入口と、排水マスと、排水配管部と、を備える、流入口は、雨水が流入する。排水マスは、流入口に流入した雨水が流れ込む。排水配管部は、横方向に沿って排水マスの上流側に配置され、排水マスに接続されている。排水配管部は、第1拡径部と、第1配管部と、第2配管部と、を有する。第1拡径部は、第1配管部の下流側に配置されており、第1配管部の管軸を含む断面視において、少なくとも下端側で拡径する。第2配管部は、第1拡径部の下流側に配置されている。断面視において、第1配管部の下端の延長線と、第1拡径部の下端によって形成される角度θ1は、20°以上50°以下である。
これにより、多量の雨水が排水マスに流れ込む場合であっても、排水配管部の第1拡径部の下端に沿って雨水が移動すると除々に拡径されるため、流速が減速され、排水マスからの水の跳ね出しを低減することができる。
なお、「横方向」とは、厳密な意味でなく、社会通念上横方向と認識可能な範囲であればよく、傾斜も含む。
第2の発明にかかる雨水排水装置は、第1の発明にかかる雨水排水装置であって、第1配管部の断面積S1と、第2配管部の断面積S2は、1.3≦S2/S1≦2.1を満たす。
このように拡径率を適切な範囲にすることにより、流速を効果的に減少させることができる。
第3の発明にかかる雨水排水装置は、第1または第2の発明にかかる雨水排水装置であって、第1配管部と第1拡径部の間には、少なくとも第1配管部の管軸よりも下側においてR形状が形成されている。
これにより、雨水が下端に沿って第1配管部から第1拡径部に向かって流れていきやすくなるため配管の内面との抵抗が大きくなると考えられ、流速を下げることができる。
第4の発明にかかる雨水排水装置は、第1~第3のいずれかの発明にかかる雨水排水装置であって、断面視において、第1配管部の上端と第2配管部の上端の高さは一致する。第1拡径部は、偏芯して拡径する。
これにより、第1拡径部による抵抗によって雨水の流速を遅くすることができる。
なお、一致とは、厳密な意味ではなく、社会通念上一致していればよく、誤差や、傾斜も含む。
第5の発明にかかる雨水排水装置は、第1~第4のいずれかの発明にかかる雨水排水装置であって、立て配管部を更に備える。立て配管部は、縦方向に沿って配置されている。排水配管部は、立て配管部の下端と排水マスの間に配置されている。
このように、立て配管部と排水マスの間に拡径部を設けた排水配管部を配置することによって、立て配管部における雨水の流速を減速してから排水マスに供給することができる。
また、本明細書における「縦方向」とは、厳密な意味でなく、社会通念上縦方向と認識可能な範囲であればよく、傾斜も含む。
第6の発明にかかる雨水排水装置は、第5の発明にかかる雨水排水装置であって、立て配管部の呼び径は、75A以上である。
75A以上の立て配管部から落下する雨水の流速を減速してから排水マスに供給することができる。
第7の発明にかかる雨水排水装置は、第5または第6の発明にかかる雨水排水装置であって、立て配管部は、15L/s以上の設計流量である。
このように、15L/s以上の設計流量の立て管部に多量の雨水が流れた場合であっても、流速を低減し排水マスからの水の跳ね出しを低減することができる。
第8の発明にかかる雨水排水装置は、第1の発明にかかる雨水排水装置であって、排水配管部は、第2拡径部と、第3配管部と、を有する。第2拡径部は、第2配管部の下流側に配置されており、断面視において、少なくとも下端側で拡径する。第3配管部は、第2拡径部の下流側に配置されている。断面視において、第2配管部の下端の延長線と、第2拡径部の下端によって形成された角度θ2は、20°以上50°以下である。
このように、拡径部を複数設けることにより、流速を下げることができる。
第9の発明にかかる雨水排水装置は、第1~7のいずれかの発明にかかる雨水排水装置であって、サイフォン誘発部を更に備える。サイフォン誘発部は、流入口に配置され、サイフォン現象を誘発する。
これにより、サイフォン誘発部によってサイフォン現象が発生し多量の雨水が排水マスに流れ込む場合であっても、排水配管部において流速を下げることができるため、排水マスからの水の跳ね出しを低減することができる。
本発明によれば、排水マスからの水の跳ね出しを低減することが可能な雨水排水装置を提供することができる。
本発明にかかる実施の形態1における雨水排水システムの構成を示す概略図。 図1の雨水排水システムにおける流入口近傍の断面図。 (a)図2の排水装置におけるサイフォン誘発部の構成を示す正面図、(b)図3(a)のサイフォン誘発部の平面図。 図1の雨水排水装置の模式図。 図1の雨水排水装置の排水部の側面模式図。 図5の入口配管部の側断面図。 図6の入口配管部における配管の組み合わせを示す図。 本発明にかかる実施の形態2における雨水排水装置の排水部を示す側面図。 図8の入口配管部の側断面図。 本発明にかかる実施の形態3における雨水排水装置の排水部を示す側面図。 図10の入口配管部の側断面図。 実施例1~7および比較例1~6の結果の表を示す図。 実施例6の入口配管部の側断面図。
本発明に係る実施の形態における雨水排水装置10について図面を参照しながら説明する。
(1.実施の形態1)
以下に、本発明にかかる実施の形態1の雨水排水装置10について説明する。
<構成>
図1は、本実施の形態における雨水排水装置10の構成を示す図である。
本実施の形態の雨水排水装置10は、図1に示すように、建造物100に設置された雨水排水システム1の一部を構成する。
建造物100は、例えば3階建てのビルであって、1階と2階との間、2階と3階との間に、それぞれスラブ101が設けられている。
(雨水排水システム1)
雨水排水システム1は、建造物100の屋上105に降った雨水を地面近傍に移動させて下水管に排水する。雨水排水システム1は、図1に示すように、6つの雨水排水装置10を備えている。6つのうち3つの雨水排水装置10は、建造物100の側面103の近傍に、側面103に沿って並んで配置されている。残りの3つの雨水排水装置10は、建造物100の側面103に対向する側面104の近傍に、側面104に沿って並んで配置されている。
(雨水排水装置10)
各々の雨水排水装置10は、流入口11と、サイフォン誘発部12(図2参照)と、立て配管部13と、横引き配管部14と、立て配管部15と、排水部16と、を有する。
(流入口11)
流入口11は、屋上105に形成された開口であり、屋上105に落下した雨水が流入する。
図2は、雨水排水装置10の流入口11および後述するサイフォン誘発部12を示す側断面図である。
図2に示すように、流入口11は、屋上105に形成された凹部102の底面102aに形成されている。
本実施の形態では、側面103に沿った3つの雨水排水装置10の3つの流入口11は、図1に示すように、屋上105の端105aに沿って並んで配置されている。また、側面104に沿った3つの雨水排水装置10の3つの流入口11は、屋上105の端105aに対向する端105bに沿って並んで配置されている。すなわち、屋上105には、6つの流入口11が設けられている。
なお、屋上105の端105a、105bは、端に沿った方向のいずれか一方に向かって傾斜していてもよい。また、屋上105は、端105a、105bに向かって中央から傾斜していてもよい。
また、本実施の形態では、流入口11は、屋上105に形成された凹部102の底面102aに形成されているが、凹部102を設けず直接屋上105に形成されていてもよい。
(サイフォン誘発部12)
サイフォン誘発部12は、図2に示すように、流入口11を塞ぐように配置されている。
サイフォン誘発部12の材質としては、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)などのオレフィン系樹脂、塩ビ樹脂、あるいは、アルミニウム、アルミ合金、ステンレス等の金属等を用いることができる。
樹脂やアルミニウム、アルミニウム合金を用いることにより、軽量かつ低コストで、所望の形状を備えたサイフォン誘発部12を得ることができる。
図3(a)は、サイフォン誘発部12の平面構成図であり、図3(b)は、図3(a)のAA´間の矢示断面図である。
サイフォン誘発部12は、ベース部41と、蓋部42と、整流フィン43と、を有する。
ベース部41は、図3(a)および図3(b)に示すように、円環状の底面41aと、底面41aの略中心に形成された雨水を落下させる落とし口41bと、筒状部41cとを有している。そして、落とし口41bは筒状部41cの上端に形成されている。筒状部41cは、立て配管部13に配置される。
底面41aは、図3(a)および図3(b)に示すように、略中央部分に落とし口41bが形成された円環状の部材である。そして、円環状の底面41aには、落とし口41bを中心に、複数の整流フィン43が等角度間隔で配置されている。
落とし口41bは、図3(a)に示すように、ベース部41の中心部に形成された貫通穴であって、筒状部41cの内部に形成されている。そして、落とし口41bは、立て配管部13の上端部に連通しており、サイフォン誘発部12に対して360度方向から流入してきた雨水を、立て配管部13内へと落下させる。
筒状部41cは、図3(a)および図3(b)に示すように、円筒状の部材であって、その上端部において底面41aと連結され、底面41aから下向きに突出するように形成されている。そして、筒状部41cは、内部に落とし口41bが形成される。
蓋部42は、図3(a)および図3(b)に示すように、ベース部41の上方に、ベース部41の中心に形成された落とし口41bと同心円状に配置された円形の板状部材であって、ベース部41の底面41a上に立設された複数の整流フィン43によって支持されている。また、蓋部42は、図3(b)に示すように、ベース部41(落とし口41b)の上方に、底面41aから所定の隙間Gの大きさ(高さ)をあけて配置されている。
複数の整流フィン43は、図3(a)および図3(b)に示すように、落とし口41bに流入する雨水の流れを整えるために、ベース部41の底面41a上に設けられている。より具体的には、複数の整流フィン43は、図3(a)に示すように、略鉛直方向に沿って配置された板状の部材であって、底面41a上に、落とし口41bを中心とする円の円周上に、等角度間隔で8つ設けられている。
また、8つの整流フィン43は、それぞれ円環状の底面41aにおいて、径方向に沿って配置されている。
これにより、図3(a)に示すように、ベース部41の底面41aと蓋部42との間の隙間Gに流入してきた雨水が渦状に浸入してきた場合(図中一点鎖線参照)でも、整流フィン43によって雨水を整流し、落とし口41bの中心に向かって雨水を誘導することができる。
このため、立て配管部13内に雨水が渦状に流入して、その中心部に空気柱が形成されることを防止することができる。
この結果、整流フィン43によって、落とし口41bへ流入していく雨水の中心に空気柱が形成されることを防止することで、立て配管部13内において生じるサイフォン現象の発生の阻害要因を効果的に排除することができる。
(立て配管部13)
図4は、雨水排水装置10の模式構成図である。図4に示すように、雨水排水装置10における立て配管部13は、流入口11から下方に向かって配置されている。立て配管部13は、図2に示すように、配管21を有している。配管21は、PE(ポリエチレン)製の管状部材であって、図4に示すように、略鉛直方向(上下方向ともいえる)に沿って配置されている。
配管21の上端(立て配管部13の上端13aともいえる)は、図2に示すように、流入口11の縁に下方から接続されており、流入口11に繋がっている。配管21の下端(立て配管部13の下端ともいえる)は、横引き配管部14に繋がっている。
配管21には、例えば、呼び径が50A、75A、100A、125A,150A、200A等の配管が用いられる。内径は、配管の種類ごとに各呼び径において決められている。配管の材料は、本実施の形態では、例えばポリエチレンが用いられているが、これに限られるものではなく、ポリプロピレンなどの他のオレフィンが用いられてもよく、さらに、ポリ塩化ビニルなどが用いられてもよい。
なお、本実施の形態では、立て配管部13は、一本の配管21を有しているが、複数の配管21とそれらの間を繋ぐ継手を有していてもよい。
(横引き配管部14)
横引き配管部14は、図4に示すように、横方向に沿って配置されており、一端が、立て配管部13の下端に繋がっている。横引き配管部14の他端には、後述する立て配管部15が接続されている。また、図では示していないが、横引き配管部14は、立て配管部15側の端が、反対側の端よりも低くなるように若干傾斜して配置されており、立て配管部13から流れ込む雨水を立て配管部15に向かって移動させる。
横引き配管部14は、図4に示すように、横方向に沿って順に配置された、エルボ継手31と、配管32と、エルボ継手33と、を有する。
エルボ継手31は、立て配管部13の下端(配管21の下端ともいえる)に接続されている。配管32の一端は、立て配管部13の下端(配管21の下端ともいえる)にエルボ継手31によって接続されている。配管32の他端は、エルボ継手33に接続されており、エルボ継手33は、立て配管部15の上端に接続されている。
なお、配管32には、例えば、呼び径が50A、75A、100A、125A,150A、200A等の配管が用いられる。内径は、配管の種類ごとに各呼び径において決められている。配管の材料は、本実施の形態では、例えばポリエチレンが用いられているが、これに限られるものではなく、ポリプロピレンなどの他のオレフィンが用いられてもよく、さらに、ポリ塩化ビニルなどが用いられてもよい。
(立て配管部15)
立て配管部15は、縦方向に沿って配置されており、図4に示すように、その上端が横引き配管部14に接続されている。立て配管部15はスラブ101を貫通して配置されている。立て配管部15は、15L/s以上の設計流量となるように構成されている。
立て配管部15は、図4に示すように、配管61と、エルボ継手62と、を有する。配管61の上端は、エルボ継手33に接続されている。配管61の下端は、エルボ継手62に接続されている。
配管61は、呼び径が75A以上の配管が用いられており、例えば、呼び径が75A、100A、125A,150A、200A等の配管が用いられる。内径は、配管の種類ごとに各呼び径において決められている。
エルボ継手62は、配管61の下端に接続されており、横引きされている配管81(後述する)と接続されている。
本実施の形態の雨水排水装置10に用いる配管(配管21、32、61、81、83(後述する)等)にオレフィン系の配管を用いた場合には、エルボ継手31、エルボ継手33、エルボ継手62(後述する)および偏芯インクリーザ82(後述する)には、例えばオレフィン製のEF(Electric fusion)継手を用いたほうが好ましい。これらの継手には、電熱線が埋め込まれており、通電することにより、継手内面と配管外面の樹脂を加熱溶融して融着することによって、継手と配管が接合される。なお、本実施の形態の雨水排水装置10に用いる配管にオレフィン系以外の例えばポリ塩化ビニル製の配管を用いた場合には、エルボ継手31、エルボ継手33、エルボ継手62、および偏芯インクリーザ82として、ポリ塩化ビニル製のものを用いることができる。なお、継手は、その継手に接続される配管の呼び径に適合するものが用いられる。
(排水部16)
図5は、図4の排水部16近傍を示す側面構成図である。
雨水排水装置10の排水部16は、横方向に沿って配置され、立て配管部15のエルボ継手62に接続されており、雨水を建造物100の外側に排出する。排水部16は、入口配管部71と、排水マス72と、出口配管部73と、を有する。
入口配管部71は、横方向に沿って順に配置された配管81と、偏芯インクリーザ82と、配管83と、を有する。なお、図では示していないが、入口配管部71は、排水マス72側の端が、反対側の端よりも高くなるように若干傾斜して配置されており、雨水を排水マス72に向かって移動させる。
図6は、偏芯インクリーザ82近傍の側断面図である。
配管81の一端は、エルボ継手62に接続されている。配管81の他端は、偏芯インクリーザ82(拡径部の一例)に接続されている。なお、図6では、塩化ビニル製の配管81、偏芯インクリーザ82および配管83を用いた構成を図示しているが、上述のように、配管81、偏芯インクリーザ82および配管83にオレフィン製(特にポリエチレン製)のものを用いても良い。その場合、偏芯インクリーザ82には、EF継手が用いられるほうが好ましい。また、後述する図9の入口配管部171、図11の入口配管部271、および図13の入口配管部171´でも同様である。
偏芯インクリーザ82は、径の異なる配管を、軸をずらして繋ぐ継手である。偏芯インクリーザ82は、第1挿入部91と、第1挿入部91の下流側に配置された拡径部92と、拡径部92の下流側に配置された第2挿入部93と、を有する。
第1挿入部91の内側に、配管81の端が挿入される。第1挿入部91の内周面91aには、段差が形成されている。内周面91aのうち上流側の内周面91a1は、内周面91a1の下流側の内周面91a2よりも外周側に配置されている。内周面91a1と内周面91a2を繋ぐように、壁91bが形成されている。壁91bは、第1挿入部91の軸(配管81の管軸81oと一致する)に対して略垂直に形成されている。壁91bには、挿入された配管81の先端が当接する。内周面91a2は、配管81の内周面81aと概ね同一面上に位置する。
拡径部92は、配管81の管軸81oを通る断面視において下方に拡径されており、上方は拡径されていない。すなわち、断面視における拡径部92の内周面92aの上端92bは略水平方向に形成され、下端92cは、下流に向かうに従って高さが低くなるように下方に傾斜するように形成されている。第1挿入部91と拡径部92の接続部分94が示されている。
第2挿入部93の内側に、配管83の端が挿入される。第1挿入部91は、第2挿入部93に対して偏芯して設けられている。第1挿入部91の軸(配管81の管軸81oと一致する)は、第2挿入部93の軸(配管83の管軸83oと一致する)よりも上側に位置している。第2挿入部93の内周面93aの拡径部92側の端には、壁93bが形成されている。拡径部92の内周面92aの第2挿入部93側の端92aeは、内周面93aよりも径方向内側に配置されており、壁93bは、端92aeと内周面93aの拡径部92側の端を繋ぐように形成されている。壁93bは、第1挿入部91の軸(配管81の管軸81oと一致する)に対して略垂直に形成されている。壁91bには、挿入された配管83の先端が当接する。壁93bの径方向高さは、概ね配管83の厚みと概ね一致し、端92aeと配管83の内周面83aの径方向における位置は概ね一致する。本実施の形態では、拡径部92は、横方向において偏芯インクリーザ82の接続部分94から端92aeまでと規定する。
ここで、配管81の内周面81aの断面視における下端81cの延長線M1と、拡径部92の内周面92aの断面視における下端92cとの間に形成される角度θ1は、20°≦θ≦50°を満たす。
配管83は、上述のように、一端が偏芯インクリーザ82の第2挿入部93に挿入され、他端が、排水マス72に接続されている。
また、断面視における配管83の内周面83aの上端83bと、配管81の内周面81aの上端81bは、高さ方向において概ね一致する。
ここで、配管81の外径面積S1に対する配管83の外径面積S2の比である拡径率(=S2/S1)は、1.3≦S2/S1≦2.1を満たす。
配管81と配管83の組み合わせとしては、図7の表に示す呼び径の配管の組み合わせ1~5が用いられる。内径は、配管の種類ごとに各呼び径において決められている。組み合わせ1では、配管81に呼び径75Aの配管が用いられ、配管83に呼び径100Aの配管が用いられる。
ここで、呼び径によって規定される外径がJIS(Japanese Industrial Standards)とISO(International Organization Standardization)では異なっているため、配管81および配管83としてJIS規定の配管と用いた場合と、ISO規定の配管を用いた場合の双方の拡径率を示す。また、ISOでは、125Aの配管を規定していないため、組み合わせ2、4においてISOの拡径率は記載されていない。例えば、組み合わせ1では、JISの場合、配管83の外径面積S2=10207.3(外径114)となり、配管81の外径面積S1=6221.139(外径89)となり、拡径比(S2/S1)は1.64となる。一方、ISOの場合、配管83の外径面積S2=12271.85(外径125)となり、配管81の外径面積S1=6361.725(外径90)となり、拡径比(S2/S1)は1.93となる。
組み合わせ2では、配管81に呼び径100Aの配管が用いられ、配管83に呼び径125Aの配管が用いられ、JIS拡径率が1.51となる。組み合わせ3では、配管81に呼び径100Aの配管を用いられ、配管83には、呼び径150Aの配管が用いられ、JIS拡径率が2.09となり、ISO拡径率が2.07となる。組み合わせ4では、配管81に呼び径125Aの配管を用いられ、配管83には、呼び径150Aの配管が用いられ、JIS拡径率が1.39となる。組み合わせ5では、配管81に呼び径150Aの配管を用いられ、配管83には、呼び径200Aの配管が用いられ、JIS拡径率が1.71となり、ISO拡径率が1.93となる。
図7の表より、本実施の形態では、S2/S1は1.3以上2.1以下に設定されている。
排水マス72は、配管の詰まりを防止するために設けられている。本実施の形態における排水マス72は、略直方体形状であり、入口配管部71が接続されている側面72bと、出口配管部73が接続されている側面72cと、を有している。側面72bは、側面72cに対向して配置されている。また、側面72bと側面72cは、互いの主面が平行になるように配置されている。配管83は、排水マス72の側面72bを貫通して、排水マス72に接続されている。
出口配管部73は、排水マス72から排水された雨水を下水管へと流す。出口配管部73は、配管84を有している。配管84は、横方向に沿って配置されている。なお、図では示していないが、出口配管部73は、排水マス72側の端が、反対側の端よりも高くなるように若干傾斜して配置されており、雨水を排水マス72から下水管(図示せず)に向かって移動させる。配管84は、側面72cを貫通して、排水マス72に接続されている。
なお、配管81、偏芯インクリーザ82および配管83には、配管の材料は、本実施の形態では、例えばポリエチレンが用いられているが、これに限られるものではなく、ポリプロピレンなどの他のオレフィンが用いられてもよく、さらに、ポリ塩化ビニルなどが用いられてもよい。
また、配管81、83、84は、複数の配管とそれらの間を繋ぐ継手によって構成されていてもよい。
<作用>
雨水排水装置10では、建造物100の屋上105に降った雨水が凹部102へ流れ込み、流入口11に配置されたサイフォン誘発部12を通って配管21に流れ込む。ここで、サイフォン現象が発生するため、立て配管部13が満管となり、大量の雨水を排水することができる。
複数の流入口11から流れ込んだ雨水は、立て配管部13を落下すると、横引き配管部14に流れ込み、立て配管部15に流れ込む。
雨水排水装置10では、立て配管部15を落下した雨水は、入口配管部71の拡径部92において減速されて排水マス72へと流れ込む。排水マス72に流れ込んだ雨水は、出口配管部73を通って下水管へと排出される。
(2.実施の形態2)
次に、本発明にかかる実施の形態2の雨水排水装置10について説明する。本実施の形態2の雨水排水装置10は、拡径が複数回行われている点が、実施の形態1と異なる。そのため、本相違点を中心に説明する。
図8は、本実施の形態2の雨水排水装置10における排水部116の入口配管部171を示す側面図である。図9は、入口配管部171を示す側断面図である。図8および図9に示す入口配管部171は、配管81と、偏芯インクリーザ82と、配管83と、偏芯インクリーザ182と、配管183と、を有している。配管83の下流側の端が偏芯インクリーザ182に接続されている。偏芯インクリーザ182の下流側には、配管183が接続されており、配管183の他端は、排水マス72に接続されている。配管183の外径断面積は、配管83の外径断面積よりも大きい。
配管183の外径断面積S12は、配管83の外径断面積S11よりも大きく、拡径率(=S12/S11)は、1.3以上2.1以下に設定されている。配管83の外径断面積S11は、上述した外径断面積S2と同じ値である。
また、断面視における配管83の内周面83aの上端83bと、配管81の内周面81aの上端81bと、配管183の内周面183aの上端183bは、高さ方向において概ね一致する。
また、偏芯インクリーザ182は、第1挿入部191と、拡径部192と、第2挿入部193とを有する。第1挿入部191と拡径部192と第2挿入部193は、偏芯インクリーザ82の第1挿入部91と拡径部92と第2挿入部93と外径が異なる以外同様の構成である。拡径部192の内周面192aの断面視における上端192bは、上端83bおよび上端183bと一致する。
すなわち、配管83の内周面83aの断面視における下端83cの延長線M2と、拡径部192の内周面192aの断面視における下端192cとの間に形成される角度θ2は、20°≦θ2≦50°を満たす。また、拡径部192と第1挿入部191の接続部分194が図示されている。
以上のように、複数回拡径することによって、広い流領域で効率的に流速を遅くすることができる。
(3.実施の形態3)
次に、本発明にかかる実施の形態3の雨水排水装置10について説明する。本実施の形態3の雨水排水装置10では、偏芯インクリーザ82を用いず同芯のインクリーザ282が用いられている。そのため、本相違点を中心に説明する。
図10は、本実施の形態3の雨水排水装置10における排水部216の入口配管部271を示す側面図である。図11は、入口配管部271を示す側断面図である。図10および図11に示す入口配管部271は、配管81と、インクリーザ282と、配管83とを有している。配管81の下流側の端がインクリーザ282に接続されており、配管83の上流側の端がインクリーザ282に接続されている。
上述したように、配管83の外径断面積S2は、配管81の外径断面積S1よりも大きく、拡径率(=S2/S1)は、1.3以上2.1以下に設定されている。
インクリーザ282は、第1挿入部291と、拡径部292と、第2挿入部293とを有する。
第1挿入部291の内側に、配管81の端が挿入される。第1挿入部291の内周面291aには、段差が形成されている。内周面291aのうち上流側の内周面291a1は、内周面291a1の下流側の内周面291a2よりも径方向の外周側に配置されている。内周面291a1と内周面291a2を繋ぐように、壁291bが形成されている。壁291bは、第1挿入部291の軸(配管81の管軸81oと一致する)に対して略垂直に形成されている。壁291bには、挿入された配管81の先端が当接する。内周面291a2は、配管81の内周面81aと概ね同一面上に位置する。
拡径部292は、配管81の管軸81oを通る断面視において全周に渡って拡径されている。断面視における拡径部292の内周面292aの上端292bは下流に向かうに従って高さが高くなるように上方に傾斜するように形成され、下端292cは、下流に向かうに従って高さが低くなるように下方に傾斜するように形成されている。第1挿入部291と拡径部292の接続部分294が示されている。
第2挿入部293の内側に、配管83の端が挿入される。第1挿入部291は、第2挿入部293と同芯に設けられている。第1挿入部91の軸(配管81の管軸81oと一致する)は、第2挿入部93の軸(配管83の管軸83oと一致する)と同軸上に配置されている。第2挿入部293の内周面293aの拡径部292側の端には、壁293bが形成されている。拡径部292の内周面292aの第2挿入部293側の端292aeは、内周面293aよりも径方向の内側に配置されており、壁293bは、端292aeと内周面293aの拡径部292側の端を繋ぐように形成されている。壁293bは、第1挿入部291の軸(配管81の管軸81oと一致する)に対して略垂直に形成されている。壁291bには、挿入された配管83の先端が当接する。壁293bの径方向の高さは、概ね配管83の厚みと概ね一致し、端292aeと配管83の内周面83aの径方向における位置は概ね一致する。本実施の形態では、拡径部292は、横方向において偏芯インクリーザ182の接続部分294から端292aeまでと規定する。
ここで、配管81の内周面81aの断面視における下端81cの延長線M1と、拡径部292の内周面292aの断面視における下端292cとの間に形成される角度θ1は、20°≦θ1≦50°を満たす。
(4.実施例)
次に、実施例を用いて、本発明の雨水排水装置10について更に詳しく説明する。
以下の実施例および比較例では、排水部16における拡径のサイズ、拡径の数、接続部分94におけるR形状の有無などの違いによる、流速の評価を行った。流速の評価としては、黒色の直径50mmの布切を5枚流し、最大口径に拡径した直後から一定距離を流れる間の時間を計測して、その間の平均流速を算出した。ここでは、正確に流速を測定するため、ビデオカメラで撮影して通過時間を測定し流速を算出した。マス内の水の跳ね出し状況と合わせて確認し、流速は、4.0ms以下を良好とし、4.0m/sよりも大きい場合と良好ではないものとした。
図12は、実施例1~7および比較例1~6の結果の表を示す図である。
(実施例1)
実施例1では、上述した実施の形態1の構成の雨水排水装置10を用いた。雨水排水装置10における立て配管部13の長さL1(図4参照)を0.6mとし、横引き配管部14の長さL2を1.5mとし、立て配管部15の長さL3を21mとし、入口配管部71の立て配管部15から拡径部92の端92ae(配管83の上流側の端)までの距離をL4とし、入口配管部71の拡径部92の端92aeから排水マス72までの長さL5を9mとした。
また、立て配管部15の配管61には呼び径75Aの配管を用い、配管81に呼び径75Aの配管を用い、配管83に呼び径100Aの配管を用いた。さらに、偏芯インクリーザ82におけるθ1を30°に設定した。
このような構成の雨水排水装置において、流量20L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部92の下流側における流速は2.6m/sと良好であった。
(実施例2)
実施例2では、実施例1と比較して、θ1を20°に変更した以外は同じ雨水排水装置を用いた。
このような構成の雨水排水装置において、流量20L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部92の下流側における流速は2.4m/sと良好であった。
(実施例3)
実施例3では、実施例1と比較して、θ1を50°に変更した以外は同じ雨水排水装置を用いた。
このような構成の雨水排水装置において、流量20L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部92の下流側における流速は3.0m/sと良好であった。
(実施例4)
実施例3では、実施例2と同じ雨水排水装置を用いた。
このような構成の雨水排水装置において、流量30L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部92の下流側における流速は4.0m/sと良好であった。
(実施例5)
実施例5では、上述した実施の形態2の入口配管部171を備えた構成の雨水排水装置10を用いた。
雨水排水装置10における立て配管部13の長さL1(図5参照)を0.6mとし、横引き配管部14の長さL2を1.5mとし、立て配管部15の長さL3を21mとし、入口配管部71の立て配管部15から拡径部92の端92ae(配管83の上流側の端)までの距離L4を1mとし、入口配管部71の拡径部92の端92aeから排水マス72までの長さL5を9mとした。また、拡径部92の端92aeから拡径部192の端192aeまでの長さを0.5mとし、拡径部192の端192aeから排水マス72までの長さを8.5mとした。
また、立て配管部15の配管61には呼び径75Aの配管を用い、配管81に呼び径75Aの配管を用い、配管83に呼び径100Aの配管を用い、配管183に呼び径150Aの配管を用いた。さらに、偏芯インクリーザ82におけるθ1を40°に設定し、偏芯インクリーザ182におけるθ2を40°に設定した。
このような構成の雨水排水装置において、流量30L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部192の下流側における流速は3.3m/sと良好であった。
(実施例6)
実施例6では、実施例5と比較して拡径部にR形状を形成した点が異なる雨水排水装置10を用いた。図13は、接続部分94´と接続部194´にR形状を形成した入口配管部171´を示す側断面図、T部拡大図、およびW部拡大図を示す。図13の偏芯インクリーザ82の拡径部92´の接続部分94´には、R形状が形成されている。また、偏芯インクリーザ182の接続部194´には、R形状が形成されている。
また、Rは、曲率半径が35mmで形成されている。
このような構成の雨水排水装置において、流量30L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部192´の下流側における流速は2.6m/sと良好であった。
(実施例7)
実施例7では、実施例6と比較して、θ1とθ2の角度を20°に設定し、配管183に呼び径125Aの配管を用いた点が異なる雨水排水装置10を用いた。
このような構成の雨水排水装置において、流量30L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部192の下流側における流速は2.4m/sと良好であった。
(実施例8)
実施例8では、実施例7と比較して、拡径部92の端92aeから拡径部192の端192aeまでの長さを2.0mとし、拡径部192の端192aeから排水マス72までの長さを7.0mとした点が異なる雨水排水装置10を用いた。
このような構成の雨水排水装置において、流量30L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部192の下流側における流速は2.1m/sと良好であった。
(実施例9)
実施例9では、上述した実施の形態3の構成の雨水排水装置10を用いた。雨水排水装置10における立て配管部13の長さL1(図5参照)を0.6mとし、横引き配管部14の長さL2を1.5mとし、立て配管部15の長さL3を21mとし、入口配管部71の立て配管部15から拡径部292の端292ae(配管83の上流側の端)までの距離L4を1mとし、入口配管部271の拡径部292の端292aeから排水マス72までの長さL5を9mとした。
また、立て配管部15の配管61には呼び径75Aの配管を用い、配管81に呼び径75Aの配管を用い、配管83に呼び径100Aの配管を用いた。さらに、インクリーザ282におけるθ1を20°に設定した。
このような構成の雨水排水装置において、流量20L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部92の下流側における流速は3.5m/sと良好であった。
(比較例1)
比較例1では、実施例1と比較して、θ1を60°に設定した雨水排水装置を用いた。
このような構成の雨水排水装置において、流量30L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部92の下流側における流速は6.0m/sと結果は良くなかった。
(比較例2)
比較例2では、実施例1と比較して、θ1を60°に設定し、接続部分94に曲率半径35mmのR形状を形成した点が異なる雨水排水装置を用いた。
このような構成の雨水排水装置において、流量30L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部92の下流側における流速は6.0m/sと結果は良くなかった。
(比較例3)
比較例3では、実施例9と比較して、θ1を60°に設定した雨水排水装置を用いた。
このような構成の雨水排水装置において、流量30L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部92の下流側における流速は7.5m/sと結果は良くなかった。
(比較例4)
比較例4では、実施例1と比較して、偏芯インクリーザ82および配管83を備えず、配管81がエルボ継手62と排水マス72を接続する構成の雨水排水装置を用いた。
このような構成の雨水排水装置において、流量20L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部92の下流側における流速は70m/sと結果は良くなかった。
(比較例5)
比較例5では、比較例4と同様の雨水排水装置を用いた。
このような構成の雨水排水装置において、流量30L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部92の下流側における流速は9.0m/sと結果は良くなかった。
(比較例6)
比較例6では、実施例1と比較して、θ1を60°に設定した雨水排水装置を用いた。
このような構成の雨水排水装置において、実施例1と同じ流量20L/sで水を流入口11から流したところ、拡径部92の下流側における流速は4.9m/sと結果は良くなかった。
(5.特徴等)
(1)
本実施の形態の雨水排水装置10は、流入口11と、排水マス72と、入口配管部71、171、271(排水配管部の一例)と、を備える、流入口11は、雨水が流入する。排水マス72は、流入口11に流入した雨水が流れ込む。入口配管部71、171、171´、271は、横方向に沿って排水マス72の上流側に配置され、排水マス72に接続されている。入口配管部71、171、171´、271は、拡径部92、92´、292(第1拡径部の一例)と、配管81(第1配管部の一例)と、配管83(第2配管部の一例)と、を有する。拡径部92、92´、292は、配管81の下流側に配置されており、配管81の管軸81oを含む断面視において、少なくとも下端側で拡径する。配管83は、拡径部92、92´、292の下流側に配置されている。断面視において、配管81の下端81cの延長線M1と、拡径部92、92´、292の下端92c、292cによって形成される角度θ1は、20°以上50°以下である。
これにより、多量の雨水が排水マス72に流れ込む場合であっても、入口配管部71、171、171´、271の拡径部92、92´、292の下端に沿って雨水が移動すると除々に拡径されるため、流速が減速され、排水マス72からの水の跳ね出しを低減することができる。
なお、「横方向」とは、厳密な意味でなく、社会通念上横方向と認識可能な範囲であればよく、傾斜も含む。
(2)
本実施の形態の雨水排水装置10では、配管81(第1配管部の一例)の断面積S1と、配管83(第2配管部の一例)の断面積S2は、1.3≦S2/S1≦2.1を満たす。
このように拡径率を適切な範囲にすることにより、流速を効果的に減少させることができる。
(3)
本実施の形態の雨水排水装置10では、配管81(第1配管部の一例)と拡径部92´(第1拡径部の一例)の間には、少なくとも配管81の管軸81oよりも下側においてR形状が形成されている。
これにより、雨水が滑らかに配管81から拡径部92´に向かって流れていくため配管の内面との抵抗が大きくなると考えられ、流速を下げることができる。
(4)
本実施の形態の雨水排水装置10では、断面視において、配管81(第1配管部の一例)の上端81bと配管83(第2配管部の一例)の上端83bの高さは一致する。拡径部92、92´は、偏芯して拡径する。
これにより、拡径部92、92´による抵抗によって雨水の流速を遅くすることができる。
なお、一致とは、厳密な意味ではなく、社会通念上一致していればよく、誤差や、傾斜も含む。
(5)
本実施の形態の雨水排水装置10は、立て配管部15を更に備える。立て配管部15は、縦方向に沿って配置されている。入口配管部71、171、171´、271(排水配管部の一例)は、立て配管部15の下端と排水マス72の間に配置されている。
これにより、立て配管部15と排水マス72の間に拡径部92、92´、292を設けた入口配管部71、171、171´、271(排水配管部の一例)を配置することによって、立て配管部15において増した雨水の流速を減速してから排水マス72に供給することができる。
また、本明細書における「縦方向」とは、厳密な意味でなく、社会通念上縦方向と認識可能な範囲であればよく、傾斜も含む。
(6)
本実施の形態の雨水排水装置10では、立て配管部15の呼び径は、75A以上である。
75A以上の立て配管部15から落下する雨水の流速を減速してから排水マス72に供給することができる。
(7)
本実施の形態の雨水排水装置10では、立て配管部15は、15L/s以上の設計流量である。
このように、15L/s以上の設計流量の立て配管部15に多量の雨水が流れた場合であっても、流速を低減し排水マス72からの水の跳ね出しを低減することができる。
(8)
本実施の形態の雨水排水装置10では、入口配管部171、171´(排水配管部の一例)は、拡径部192、192´(第2拡径部の一例)と、配管183(第3配管部の一例)と、を有する。拡径部192、192´は、配管83(第2配管部の一例)の下流側に配置されており、少なくとも下端側で拡径する。配管183は、拡径部192、192´の下流側に配置されている。断面視において、配管83の下端83cの延長線M2と、拡径部192、192´の下端192cによって形成された角度θ2は、20°以上50°以下である。
このように、拡径部を複数設けることにより、流速を下げることができる。
(9)
本実施の形態の雨水排水装置10は、サイフォン誘発部12を更に備える。サイフォン誘発部12は、流入口11に配置され、サイフォン現象を誘発する。
これにより、サイフォン誘発部12によってサイフォン現象が発生し多量の雨水が排水マスに流れ込む場合であっても、入口配管部71、171、171´、271(排水配管部の一例)において流速を下げることができるため、排水マス72からの水の跳ね出しを低減することができる。
(6.他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
図11では、同芯のインクリーザ282を1つ用いた雨水排水装置について説明したが、これに限られるものではなく、同芯のインクリーザを複数個備えた構成であってもよい。
また、同芯のインクリーザと偏芯インクリーザが混在していてもよい。
(B)
上記実施の形態の雨水排水装置10では、出口配管部73は入口配管部71に対向するように排水マス72に接続されているが、これに限らなくてもよく、入口配管部71が接続されている側面の隣の側面に出口配管部73が接続されていてもよい。
(C)
上記実施の形態の雨水排水装置10では、排水マス72は直方体形状であったが、これに限られるものではなく、例えば、円柱形状等であってもよい。
(D)
上記実施の形態の雨水排水システム1では、側面103側に3つの雨水排水装置10が配置されているが、この数に限られるものではない。
(E)
上記実施の形態では、1つの雨水排水装置10には、流入口11とサイフォン誘発部12と立て配管部13の組が1組設けられているが、複数組設けられていてもよい。この場合、複数組の立て配管部13の下端が横引き配管部14に接続されており、複数の流入口11からの雨水が流れ込む。
(F)
上記実施の形態では、雨水排水装置10は、対向する2つの側面103、104にのみ設けられているが、4つの側面全ての近傍に設けられていてもよい。
(G)
上記実施の形態の雨水排水装置10では、流路方向に垂直な断面(流路断面)が円形状の配管を用いているが、円形状に限らなくても良く、楕円形状や四角形状等であってもよい。
(H)
上記実施の形態の雨水排水装置10では、立て配管部15における配管の内径は同一であるが、立て配管部15の途中に縮径部が設けられており、立て配管部15の途中で配管の断面積が小さくなってもよい。これによって、雨水の勢いを低減することができ、立て配管部15の下端や、排水マス72における水の衝突音を低減することができる。
(I)
上記実施の形態では、雨水排水装置10は、建造物100の屋内に配置されているが、これに限られるものではなく、屋外に配置されていてもよい。
本発明の雨水排水装置によれば、排水マスからの水の跳ね出しを低減することが可能な効果を有し、各種排水装置等として利用可能である。
10 :雨水排水装置
11 :流入口
12 :サイフォン誘発部
71 :入口配管部
72 :排水マス
81 :配管
81c :下端
81o :管軸
83 :配管
92 :拡径部
92c :下端

Claims (9)

  1. 雨水を排水する雨水排水装置であって、
    雨水が流入する流入口と、
    前記流入口に流入した雨水が流れ込む排水マスと、
    横方向に沿って前記排水マスの上流側に配置され、前記排水マスに接続されている排水配管部と、を備え、
    前記排水配管部は、
    第1配管部と、
    前記第1配管部の下流側に配置されており、前記第1配管部の管軸を含む断面視において、少なくとも下端側で拡径する第1拡径部と、
    前記第1拡径部の下流側に配置されている第2配管部と、を有し、
    前記断面視において、前記第1配管部の下端の延長線と、前記第1拡径部の下端によって形成される角度θ1は、20°以上50°以下である、
    雨水排水装置。
  2. 前記第1配管部の断面積S1と、前記第2配管部の断面積S2は、
    1.3≦S2/S1≦2.1を満たす、
    請求項1に記載の雨水排水装置。
  3. 前記第1配管部と前記第1拡径部の間には、少なくとも前記第1配管部の管軸よりも下側においてR形状が形成されている、
    請求項1または2に記載の雨水排水装置。
  4. 前記断面視において、前記第1配管部の上端と前記第2配管部の上端の高さは一致し、
    前記第1拡径部は、偏芯して拡径する、
    請求項1~3のいずれかに記載の雨水排水装置。
  5. 縦方向に沿って配置された立て配管部を更に備え、
    前記排水配管部は、前記立て配管部の下端と前記排水マスの間に配置されている、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の雨水排水装置。
  6. 前記立て配管部の呼び径は、75A以上である、
    請求項5項に記載の雨水排水装置。
  7. 前記立て配管部は、15L/s以上の設計流量である、
    請求項5または6に記載の雨水排水装置。
  8. 前記排水配管部は、
    前記第2配管部の下流側に配置されており、前記断面視において、少なくとも下端側で拡径する第2拡径部と、
    前記第2拡径部の下流側に配置されている第3配管部と、を更に有し、
    前記断面視において、前記第2配管部の下端の延長線と、前記第2拡径部の下端によって形成された角度θ2は、20°以上50°以下である、
    請求項1に記載の雨水排水装置。
  9. 前記流入口に配置され、サイフォン現象を誘発するサイフォン誘発部を更に備えた、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の雨水排水装置。
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