本発明は、HBV表面(HBs)およびHBVコア(HBc)抗原に対する抗体および細胞媒介性免疫の両方を誘発する高度に最適化された多価合成B型肝炎ウイルス(HBV)免疫原に関する。最も蔓延しているウイルスの遺伝子型をコードするこれらのプラスミドは、HBs抗原に対する結合抗体を誘導し、HBcおよびHBs抗原の両方に対する強い細胞媒介性免疫(CMI)を駆動する。プラスミドは、広範囲の交差反応性T細胞応答および高力価抗体応答、ならびにワクチン誘導性細胞傷害性活性を、独立して誘発した。両方の表面抗原を含有するプラスミドカクテルは、複数の抗原エピトープにわたって強力な広範囲の細胞免疫応答、特に、ウイルスのA遺伝子型とC遺伝子型との間の広範囲の交差反応性を誘導する。HBsおよびHBc抗原をコードする最適化されたプラスミドカクテルは、S抗原を標的とする強い液性および細胞性応答を誘導し、感染した肝細胞の払拭に関与する多種多様な多重エピトープ応答を駆動した。
具体的には、本発明は、B型肝炎ウイルス(HBV)のためのワクチンに関し、それを使用して、個体をHBV感染から保護し、HBV感染と診断された個体に治療効果を提供することができる。そのようなワクチンを使用して、HBV抗原に対する免疫応答を誘導することもできる。本発明のHBVワクチンは、1つ以上の核酸分子を含む。具体的には、核酸分子は、1つ以上のコンセンサスHBVコアタンパク質をコードする。コンセンサスHBVコアタンパク質は、HBV遺伝子型A、B、C、D、およびEからのコアタンパク質の配列に由来し、したがって、コンセンサスHBVコアタンパク質は一意である。核酸分子はまた、コンセンサスHBVコアタンパク質の1つ以上の免疫原性フラグメントをコードすることもできる。
さらに、核酸分子は、1つ以上のコンセンサスHBV表面抗原をコードすることもできる。コンセンサスHBV表面抗原は、HBV遺伝子型Aの単離体からの表面抗原の配列に由来し、したがって、コンセンサスHBV表面抗原は一意である。コンセンサスHBV表面抗原は、HBV遺伝子型Cの単離体からの表面抗原の配列に由来してもよく、一意のHBV表面抗原をもたらす。核酸分子はまた、コンセンサスHBV表面抗原の1つ以上の免疫原性フラグメントをコードすることもできる。
本発明のワクチンは、コンセンサスHBVコアタンパク質をコードする核酸分子および/またはコンセンサスHBV表面抗原をコードする核酸分子の任意の組み合わせを含み得る。ワクチンはまた、コンセンサスHBVコアタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸分子および/またはコンセンサスHBV表面抗原の免疫原性フラグメントをコードする核酸分子の任意の組み合わせも含み得る。
HBVコアタンパク質およびHBV表面抗原のこれらの組み合わせは、驚くべきことに、また予想外に、HBVコアタンパク質およびHBV表面抗原に対する差次的な免疫応答を誘導する。言い換えると、HBVコアタンパク質およびHBV表面抗原に対する免疫応答の強さは、対象に投与される特定の組み合わせによって異なる。したがって、本発明のワクチンのあらゆる使用者は、特定の組み合わせを含むワクチンを設計し、そのような設計されたワクチンを投与された対象において所望の免疫応答を誘導することができる。したがって、あらゆる使用者は、対象における免疫応答のレベルを制御するように、本発明のワクチンを仕立てることができる。
本発明のワクチンは、HBVコアタンパク質およびHBV表面抗原の一意のコンセンサス配列のため、複数のタイプのHBVに幅広く応用できる。
本発明のワクチンは、上に記載された1つ以上の核酸分子およびそのような核酸分子によってコードされる1つ以上のタンパク質をさらに含むことができる。
1.定義
本明細書において使用される用語法は、特定の実施形態を記載するだけの目的であり、限定的であることを意図しない。明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、特に文脈から明白に示されない限り、複数の対象を含む。
本明細書における数値範囲の列挙では、同じ程度の正確さでその間に介在するそれぞれの数が、明確に考慮される。例えば、6~9の範囲では、7および8の数が6および9に加えて考慮され、6.0~7.0の範囲では、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、および7.0の数が明確に考慮される。
「アジュバント」は、本明細書で使用される場合、本明細書に記載されるDNAプラスミドワクチンに添加されて、DNAプラスミドおよび本明細書以降に記載されるコード核酸配列によりコードされる抗原の免疫原性を増強する任意の分子を意味する。
「抗体」は、本明細書で使用される場合、IgG、IgM、IgA、IgD、もしくはIgEの部類の抗体、またはFab、F(ab’)2、Fdが含まれるそのフラグメント、フラグメント、もしくは誘導体、ならびに一本鎖抗体、二特異性抗体、二重特異性抗体、二官能性抗体、およびその誘導体を意味する。抗体は、哺乳動物の血清試料から単離された抗体、ポリクローナル抗体、親和精製抗体、または所望のエピトープもしくはそれから誘導される配列に対して十分な結合特異性を示すそれらの混合物であり得る。
「コード配列」または「コードする核酸」は、本明細書で使用される場合、タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸(RNAまたはDNA分子)を意味する。コード配列は、核酸が投与される個体または哺乳動物の細胞において発現を指示することができるプロモーターおよびポリアデニル化シグナルを含む、調節エレメントに動作可能に連結している開始および終結シグナルをさらに含むことができる。
「補体」または「相補」は、本明細書で使用される場合、核酸が、核酸分子のヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体の間のワトソン・クリック(例えば、A-T/UおよびC-G)またはフーグスティーン塩基対を意味し得ることを意味する。
「コンセンサス」または「コンセンサス配列」は、本明細書で使用される場合、HBVコアまたは表面抗原等の特定のHBV抗原の複数の亜型の整列の分析に基づいたポリペプチド配列を意味する。コンセンサスポリペプチド配列をコードする核酸配列を、調製することができる。コンセンサス配列を含むタンパク質および/またはそのようなタンパク質をコードする核酸分子を含むワクチンを使用して、特定のHBV抗原の複数の亜群または血清群に対して広範囲の免疫性を誘導することができる。
「電気穿孔」、「電気透過処理」または「電気動力学的促進(electro-kinetic enhancement)」(「EP」)は、本明細書で交換可能に使用されるとき、生体膜内の微視的経路(細孔)を誘導するための膜貫通電界パルスの使用を意味し、それらの存在は、プラスミド、オリゴヌクレオチド、siRNA、薬剤、イオン、および水のような生体分子が細胞膜の一方の側から他方の側に通過することを可能にする。
「フラグメント」は、本明細書で核酸配列に関して使用されるとき、全長野生型株HBV抗原と交差反応する哺乳動物において免疫応答を誘発することができるポリペプチドをコードする、核酸配列またはその一部を意味する。フラグメントは、下記に記載されるタンパク質フラグメントをコードする様々なヌクレオチド配列のうちの少なくとも1つから選択されるDNAフラグメントであり得る。
「フラグメント」または「免疫原性フラグメント」は、ポリペプチド配列に関して、全長野生型株HBV抗原と交差反応する哺乳動物において免疫応答を誘発することができるポリペプチドを意味する。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%のコンセンサスタンパク質を含むことができる。いくつかの実施形態において、コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質の少なくとも20個以上のアミノ酸、少なくとも30個以上のアミノ酸、少なくとも40個以上のアミノ酸、少なくとも50個以上のアミノ酸、少なくとも60個以上のアミノ酸、少なくとも70個以上のアミノ酸、少なくとも80個以上のアミノ酸、少なくとも90個以上のアミノ酸、少なくとも100個以上のアミノ酸、少なくとも110個以上のアミノ酸、少なくとも120個以上のアミノ酸、少なくとも130個以上のアミノ酸、少なくとも140個以上のアミノ酸、少なくとも150個以上のアミノ酸、少なくとも160個以上のアミノ酸、少なくとも170個以上のアミノ酸、少なくとも180個以上のアミノ酸、少なくとも190個以上のアミノ酸、少なくとも200個以上のアミノ酸、少なくとも210個以上のアミノ酸、少なくとも220個以上のアミノ酸、少なくとも230個以上のアミノ酸、または少なくとも240個以上のアミノ酸を含むことができる。
本明細書で使用される場合、「遺伝子構築物」という用語は、タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むDNAまたはRNA分子を意味する。コード配列は、核酸分子が投与される個体の細胞において発現を指示することができるプロモーターおよびポリアデニル化シグナルを含む、調節エレメントに動作可能に連結している開始および終結シグナルを含む。本明細書で使用される場合、「発現可能な形態」という用語は、個体の細胞の中に存在するとき、コード配列が発現されるように、タンパク質をコードするコード配列に動作可能に連結している必要な調節エレメントを含有する遺伝子構築物を意味する。
本明細書で使用される場合、「相同性」という用語は、相補性の度合いを指す。部分的な相同性または完全な相同性(すなわち、同一性)が存在し得る。完全な相補的配列が標的核酸にハイブリダイズすることを少なくとも部分的に阻害する部分的に相補的な配列は、「実質的に相同」という機能用語を用いて称される。cDNAまたは遺伝子クローン等の二本鎖核酸配列に関して使用される際、本明細書で使用される場合の「実質的に相同」という用語は、低ストリンジェンシーの条件下で二本鎖核酸配列の鎖にハイブリダイズすることができるプローブを指す。一本鎖核酸配列に関して使用される際、本明細書で使用される場合の「実質的に相同」という用語は、低ストリンジェンシーの条件下で一本鎖核酸の鋳型配列にハイブリダイズすることができる(すなわち、その補体である)プローブを指す。
「同一」または「同一性」は、2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈において本明細書で使用される場合、配列が、特定の領域にわたって同じである残基の特定の率を有することを意味する。率は、2つの配列を最適に整列すること、2つの配列を特定の領域にわたって比較すること、同一残基が両方の配列において生じる位置の数を決定して、一致した位置の数を生じること、一致した位置の数を、特定の領域内の位置の総数で割ること、結果に100を掛けて、配列同一性の率を生じることによって、計算することができる。2つの配列が異なる長さであるか、または整列が1つ以上の付着末端を生じ、特定の比較領域が、単一配列のみを含む場合、単一配列の残基は、計算の分母に含まれるが、分子には含まれない。DNAおよびRNAを比較すると、チミン(T)およびウラシル(U)は、同等であると考慮することができる。同一性は、手作業により、またはBLASTもしくはBLAST2.0のようなコンピューター配列アルゴリズムを使用して実施することができる。
「免疫応答」は、本明細書で使用される場合、HBVコンセンサス抗原のような抗原の導入に応答した宿主の免疫系、例えば哺乳動物の免疫系の活性化を意味する。免疫応答は、細胞性もしくは液性応答、またはその両方の形態であり得る。
「核酸」または「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」は、本明細書で使用される場合、一緒に共有結合している少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。一本鎖の描写は、相補鎖の配列も定義する。したがって、核酸は、描写される一本鎖の相補鎖も包含する。核酸の多くの変種を、所定の核酸と同じ目的で使用することができる。したがって、核酸は、実質的に同一の核酸およびその相補体も包含する。一本鎖は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的配列とハイブリダイズすることができるプローブを提供する。したがって、核酸は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするプローブも包含する。
核酸は、一本鎖もしくは二本鎖であり得る、または二本鎖と一本鎖の配列の両方の部分を含有することができる。核酸は、ゲノムおよびcDNAの両方のDNA、RNA、またはハイブリッドであることができ、ここで核酸は、デオキシリボ-およびリボ-ヌクレオチドの組み合わせ、ならびにウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン ヒポキサンチン、イソシトシン、およびイソグアニンを含む塩基の組み合わせを含有することができる。核酸は、化学合成法により、または組換え法により得ることができる。
「動作可能に連結する」は、本明細書で使用される場合、遺伝子の発現が、空間的に連結しているプロモーターの制御下にあることを意味する。プロモーターは、その制御下の遺伝子の5’(上流)または3’(下流)に位置することができる。プロモーターと遺伝子との間隔は、プロモーターが誘導される遺伝子における、プロモーターと、それが制御する遺伝子との間隔とほぼ同じであり得る。当該技術において知られているように、この間隔の変動は、プロモーター機能を失うことなく適応され得る。
「プロモーター」は、本明細書で使用される場合、細胞において核酸の発現を付与する、活性化する、または増強することができる合成的または天然に誘導される分子を意味する。プロモーターは、1つ以上の特定の転写調節配列を含み、その発現をさらに増強し、かつ/またはその空間的発現および/もしくは時間的発現を変更することができる。プロモーターは、遠位エンハンサーまたはリプレッサー要素も含むことができ、これらは、転写の開始部位から数千塩基対まで位置することができる。プロモーターは、ウイルス、細菌、真菌、植物、昆虫、および動物を含む供給源から誘導することができる。プロモーターは、遺伝子成分の発現を構造的に、あるいは発現が生じる細胞、組織、もしくは臓器に関して、または発現が生じる発生段階に関して、または生理的ストレス、病原体、金属イオン、もしくは誘導作用物質のような外部刺激に応答して、差動的に調節することができる。プロモーターの代表例には、バクテリオファージT7プロモーター、バクテリオファージT3プロモーター、SP6プロモーター、lacオペレータープロモーター、tacプロモーター、SV40後期プロモーター、SV40初期プロモーター、RSV-LTRプロモーター、CMV IEプロモーター、SV40初期プロモーターまたはSV40後期プロモーター、およびCMV IEプロモーターが含まれる。
「シグナルペプチド」および「リーダー配列」は、本明細書において交換可能に使用され、本明細書に記載されているHBVタンパク質のアミノ末端に連結され得るアミノ酸配列を意味する。シグナルペプチド/リーダー配列は、典型的には、タンパク質の局在化を指示する。本明細書において使用されるシグナルペプチド/リーダー配列は、好ましくは、産生される細胞からのタンパク質の分泌を促進する。シグナルペプチド/リーダー配列は、多くの場合、細胞からの分泌の際に、多くの場合成熟タンパク質と呼ばれるタンパク質の残りの部分から切断される。シグナルペプチド/リーダー配列は、タンパク質のN末端に連結される。
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、本明細書で使用される場合、核酸の複合混合物におけるように、第1核酸配列(例えば、プローブ)が第2核酸配列(例えば、標的)とハイブリダイズすることを意味する。ストリンジェントな条件は、配列依存性であり、異なる状況において異なる。ストリンジェントな条件は、確定されたイオン強度のpHで特定の配列の熱融点(Tm)よりも約5~10℃低くなるように選択することができる。Tmは、標的に相補的なプローブの50%が標的配列と平衡(標的配列がTmで過剰に存在するので、50%のプローブが平衡を占める)でハイブリダイズする温度(確定されたイオン強度、pH、および核濃度下)であり得る。ストリンジェントな条件は、塩濃度が、pH7.0~8.3で約0.01~1.0Mのナトリウムイオン濃度のような約1.0M未満のナトリウムイオン(または他の塩)であり、温度が、短プローブ(例えば、約10~50個のヌクレオチド)では少なくとも約30℃、長プローブ(例えば、約50個を超えるヌクレオチド)では少なくとも約60℃であるものであり得る。ストリンジェントな条件は、ホルムアミドのような不安定化剤の添加により達成することもできる。選択的または特定的なハイブリダイゼーションでは、陽性シグナルは、バックグラウンドハイブリダイゼーションの少なくとも2~10倍であり得る。例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、以下を含む:50%ホルムアミド、5×SSC、および1%SDS、42℃でのインキュベーション、または5×SSC、1%SDS、65℃でのインキュベーションと、0.2×SSCでの洗浄および65℃での0.1%SDS。
「実質的に相補的」は、本明細書で使用される場合、第1配列が第2配列の補体と、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、180個、270個、360個、450個、540個またはそれ以上のヌクレオチドもしくはアミノ酸の領域にわたって、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であること、あるいは2つの配列がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを意味する。
「実質的に同一」は、本明細書で使用される場合、第1配列および第2配列が、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、180個、270個、360個、450個、540個、またはそれ以上のヌクレオチドもしくはアミノ酸の領域にわたって、あるいは第1配列が第2配列の補体と実質的に相補的である場合、核酸に関して、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であることを意味する。
「亜型」または「血清型」は、本明細書で使用される場合、交換可能に、HBVを参照して、1つの亜型が異なる亜型と別に免疫系により認識されるような、HBVの遺伝子変種を意味する。
「変種」は、核酸に関して本明細書で使用される場合、(i)参照ヌクレオチド配列の一部もしくはフラグメント、(ii)参照ヌクレオチド配列の補体もしくはその一部、(iii)参照核酸もしくはその補体と実質的に同一である核酸、または(iv)ストリンジェントな条件下、参照核酸、その補体もしくはそれと実質的に同一の配列にハイブリダイズする核酸を意味する。
「変種」は、ペプチドまたはポリペプチドに関して、アミノ酸の挿入、欠失、または保存置換によりアミノ酸配列が異なるが、少なくとも1つの生物学的活性を保持する。変種は、少なくとも1つの生物学的活性を保持するアミノ酸配列を有する参照タンパク質と実質的に同一である、アミノ酸配列を有するタンパク質も意味する。アミノ酸の保存置換、すなわち、アミノ酸を同様の特性(例えば、親水性、荷電領域の程度および分布)の異なるアミノ酸と置き換えることは、典型的には僅かな修正を伴って、当該技術において認識されている。これらの僅かな修正は、部分的には、当該技術において理解されているようにアミノ酸の疎水性親水性指標を考慮することにより確認することができる。Kyte et al.,J.Mol.Biol.157:105-132(1982)。アミノ酸の疎水性親水性指標は、その疎水性および電荷の考慮に基づいている。同様の疎水性親水性指標のアミノ酸を置換して、依然としてタンパク質機能を保持できることは、当該技術において知られている。1つの態様において、±2の疎水性親水性指標を有するアミノ酸が置換される。アミノ酸の親水性を使用して、タンパク質の生物学的活性の保持をもたらす置換を明らかにすることもできる。ペプチドの文脈におけるアミノ酸の親水性の考慮は、抗原性および免疫原性と十分相関することが報告されている有用な測度である、ペプチドの最大局所平均親水性の計算を可能にする。米国特許第4,554,101号は参照として本明細書に組み込まれる。同様の親水性値を有するアミノ酸の置換は、ペプチドが生物学的活性、例えば免疫原性を保持することをもたらし、このことは当該技術において理解されている。置換は、互いに±2以内の親水性値を有するアミノ酸で実施することができる。アミノ酸の疎水性指標と親水性値の両方は、そのアミノ酸の特定の側鎖により影響を受ける。その観察と一致して、生物学的機能に匹敵するアミノ酸置換は、疎水性、親水性、電荷、大きさ、および他の特性により明らかなように、アミノ酸、特にこれらのアミノ酸の側鎖の相対的な類似性に依存していることが理解される。
「ベクター」は、本明細書で使用される場合、複製の起点を含有する核酸配列を意味する。ベクターは、ウイルスベクター、バクテリオファージ、細菌人工染色体、または酵母人工染色体であり得る。ベクターは、DNAまたはRNAベクターであり得る。ベクターは、自己複製染色体外ベクターであることができ、好ましくはDNAプラスミドである。
2.ワクチン
本発明は、B型肝炎ワクチンを対象とする。B型肝炎ワクチン(HBV)は、HBVコア抗原、HBV表面抗原、もしくはそれらの組み合わせをコードする核酸、HBVコア抗原、HBV表面抗原、もしくはそれらの組み合わせ、または(1)HBVコア抗原および/もしくはHBV表面抗原をコードする核酸、ならびに(2)HBVコア抗原および/もしくはHBV表面抗原の組み合わせ、または(3)それらの組み合わせを含み得る。HBVコア抗原は、複数のHBV遺伝子型からのコアタンパク質のアミノ酸配列に由来するコンセンサスタンパク質を含み得る。同様に、HBV表面抗原は、複数のHBV遺伝子型からの表面抗原のアミノ酸配列に由来するコンセンサスタンパク質を含み得る。そのようなコンセンサスHBVコアタンパク質およびコンセンサスHBV表面抗原は、一意であり、複数のHBV遺伝子型にわたって、それぞれ、コアおよび表面抗原との類似性を有する。したがって、本発明のワクチンは、複数の型のHBVに幅広く応用でき、大規模な集団に有用である。さらに、本発明のワクチンを、コンセンサスHBVコアタンパク質、コンセンサスHBV表面タンパク質、またはそれらの組み合わせをコードする特定の核酸に対して、仕立ててもよい。言い換えると、本発明のワクチンは、1つ以上のHBV血清型に対する対象における免疫応答のレベルまたは強さを制御するように設計され得る。
ワクチンは、DNAワクチンであり得る。DNAワクチンは、米国特許第5,593,972号、同第5,739,118号、同第5,817,637号、同第5,830,876号、同第5,962,428号、同第5,981,505号、同第5,580,859号、同第5,703,055号、および同第5,676,594号に開示されており、これらは参照することにより本明細書に完全に組み込まれる。DNAワクチンは、それが染色体に組み込まれることを阻害する要素または試薬をさらに含むことができる。
本ワクチンは、HBVコアタンパク質および/またはHBV表面抗原タンパク質のRNAであり得る。RNAワクチンを細胞に導入することができる。
a.HBV Core抗原
本発明のワクチンは、HBVコアタンパク質を含んでもよい。HBVコアタンパク質は、交差提示のために、1)細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答、2)Tヘルパー細胞応答、および/もしくは3)B細胞応答、または好ましくは前述の全てを誘導することによる、免疫媒介性ウイルスクリアランスの標的である。
表2は、HBV-A、HBV-B、HBV-C、HBV-D、およびHBV-E遺伝子型のコア抗原と、表で「HBV-Mコア」と呼ばれるコンセンサスHBVコアタンパク質の遺伝子型の類似性を示す。いくつかの実施形態において、HBV M Core構築物は、広範囲のHBVコア標的に増大した相同性を有するように設計された。設計されたM-Core構築物を有するCore Antigenの遺伝子型の類似性は、広範囲のHBVコア標的に対する相同性を増大した。全ての遺伝子型は、HBVの汎用免疫治療ワクチンにおいて提示されるべきである。
抗原は、抗HBV免疫応答が誘導され得る免疫原として特に効果的になる、コアタンパク質エピトープを含むことができる。HBV抗原は、完全長翻訳産物、その変種、そのフラグメント、またはその組み合わせを含むことができる。
HBVコア抗原は、コンセンサスタンパク質を含み得る。HBVコンセンサスコア抗原は、ともに全身性および肝臓内で抗原特異的T細胞および高力価抗体応答を誘導する。したがって、HBVコンセンサスコア抗原を含むワクチンによって、肝臓に保護免疫応答が提供される。その結果、あらゆる使用者は、肝臓に免疫系療法および/または保護を提供するためのHBVコンセンサスコア抗原を含むように本発明のワクチンを設計することができる。
特に誘導される免疫応答において、HBVコンセンサスコア抗原は、脾細胞、具体的にはCD4+細胞およびCD8+細胞を刺激し、同量のインターフェロン-γ(INF-γ)を分泌または産生するが、異なる量の腫瘍壊死因子-α(TNF-α)を分泌または産生する。興味深いことに、誘導される免疫応答は、脾臓および肝臓で異なる。脾臓では、CD4+細胞よりも多くのCD8+細胞が、INF-γおよびTNF-αの両方を産生するが、しかしながら肝臓では、反対のことが生じる。つまり、肝臓では、CD8+細胞よりも多くのCD4+細胞が、INF-γおよびTNF-αの両方を産生する。さらに、肝臓では、IgGよりも多くの抗原特異的IgAが産生され、保護免疫応答は、驚くべきことに、また予想外に、肝臓損傷を引き起こさない抗原特異的CTL応答を含む。その結果、HBVコンセンサスコア抗原を含む本発明のワクチンは、末梢中に送達され得、肝臓を標的とする抗原特異性を確立し、肝臓への損傷または肝臓の炎症を引き起こすことなく、HBVに感染した細胞を払拭または排除する。
コンセンサスHBVコアタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号1、配列番号3、および配列番号5である。配列番号1は、HBVコンセンサスコアタンパク質をコードする。配列番号3は、IgEリーダーに連結するHBVコンセンサスコアタンパク質をコードする。配列番号5は、IgEリーダーおよびHAタグに連結するHBVコンセンサスコアタンパク質をコードする。
いくつかの実施形態は、HBVコンセンサスタンパク質、HBVコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、および相同タンパク質の免疫原性フラグメントと同一または相同のタンパク質をコードする核酸配列に関する。コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大95%の同一性、コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大96%の同一性、コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大96%の同一性、コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大97%の同一性、コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大98%の同一性、および最大99%を有する免疫原性タンパク質をコードする、そのような核酸分子が提供され得る。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメントおよび本明細書に示されるタンパク質と同一であるタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列もまた提供される。
いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列に95%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列に96%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列に97%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列に98%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸コード配列に99%の相同性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるコンセンサスタンパク質のコード配列に相同である本明細書に開示されるコード配列を有する核酸分子は、本明細書に開示される相同性タンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結されたIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
いくつかの実施形態は、完全長HBVコアコンセンサスタンパク質のアミノ酸配列の全長にわたって特定の同一性パーセントを有するタンパク質、HBVコアコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、およびHBVコアコンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント(複数)をコードする核酸配列に関する。完全長HBVコアコンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大80%の同一性、完全長コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大85%の同一性、完全長HBVコアコンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大90%の同一性、完全長HBVコアコンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大91%の同一性、完全長HBVコアコンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大92%の同一性、完全長HBVコアコンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大93%の同一性、完全長HBVコアコンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大94%の同一性、完全長HBVコアコンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大95%の同一性、完全長HBVコアコンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大96%の同一性、完全長HBVコアコンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大97%の同一性、完全長HBVコアコンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大98%の同一性、完全長HBVコアコンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大99%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする、そのような核酸分子が提供され得る。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメントおよび本明細書に示されるHBVコアタンパク質に対して上に示されるものと同様の同一性パーセントを有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBVコアタンパク質コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって80%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBVコアタンパク質コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって83%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBVコアタンパク質コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって85%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBVコアタンパク質コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって90%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBVコアタンパク質コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって91%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBVコアタンパク質コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって92%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBVコアタンパク質コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって93%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBVコアタンパク質コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって94%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBVコアタンパク質コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって95%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBVコアタンパク質コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって96%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBVコアタンパク質コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって97%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBVコアタンパク質コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって98%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBVコアタンパク質コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって99%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるコンセンサスHBVコアタンパク質のコード配列に相同である本明細書に開示されるコード配列を有する核酸分子は、本明細書に開示される相同性タンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結されたIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
いくつかの実施形態において、核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態において、核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を含まない。
いくつかの実施形態は、配列番号1、配列番号3、および配列番号5のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号1、配列番号3、および配列番号5の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%もしくは少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%であり得る。フラグメントは、配列番号1、配列番号3、および配列番号5のフラグメントと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であり得る。フラグメントは、配列番号1、配列番号3、および配列番号5のフラグメントと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性であり得る。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーのような免疫グロブリンリーダーのようなリーダー配列をコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダー等のリーダー配列をコードするコード配列を含まない。
さらに、コンセンサスHBVコアタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号2である。IgEリーダーに連結するコンセンサスHBVコアタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号4である。特に、配列番号4において、IgEリーダーは、コンセンサスHBVコアタンパク質のアミノ末端に連結する。IgEリーダーおよびHAタグに連結するコンセンサスHBVコアタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号6である。配列番号6において、IgEリーダーおよびHAタグは、それぞれ、コンセンサスHBVコアタンパク質のアミノおよびカルボキシ末端に連結する。
いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、および配列番号6と相同であるタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示されるコンセンサスタンパク質配列と95%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示されるコンセンサスタンパク質配列と96%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示されるコンセンサスタンパク質配列と97%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示されるコンセンサスタンパク質配列と98%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示されるコンセンサスタンパク質配列と99%の相同性を有する免疫原性タンパク質に関する。
いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6と同一であるタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって80%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって85%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって90%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって91%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって92%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって93%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって94%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって95%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって96%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって97%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって98%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって99%同一であるアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
いくつかの実施形態において、タンパク質はリーダー配列を含まない。いくつかの実施形態において、タンパク質はIgEリーダーを含まない。コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質を少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%もしくは少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%含むことができる。配列番号2、配列番号4、または配列番号6の免疫原性フラグメントが提供され得る。免疫原性フラグメントは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6を少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%もしくは少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーのような免疫グロブリンリーダーのようなリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を含まない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダー等のリーダー配列を含まない。
配列番号2、配列番号4、または配列番号6の免疫原性フラグメントに対するアミノ酸配列相同性を有するタンパク質の免疫原性フラグメントが提供され得る。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6と95%相同であるタンパク質を少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%または少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに96%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに97%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに98%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに99%の相同性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーのような免疫グロブリンリーダーのようなリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を含まない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダー等のリーダー配列を含まない。
配列番号2、配列番号4、および配列番号6の免疫原性フラグメントと同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントが提供され得る。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号2、配列番号4、または配列番号6に示されるアミノ酸配列の全長にわたって80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、または少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーのような免疫グロブリンリーダーのようなリーダー配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントはリーダー配列を含まない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダー等のリーダー配列を含まない。
タンパク質のN末端にシグナルペプチドまたはリーダー配列を連結することに関して、本明細書に参照されているように、シグナルペプチド/リーダー配列はタンパク質のN末端メチオニンと代わり、これは核酸配列の開始コドンでコードされ、次にシグナルペプチドコード配列を有しないタンパク質をコードする。したがって、例えば、配列番号4は、配列番号2のN末端に連結されたシグナルペプチド/リーダー配列を有する配列番号2であり、すなわち、配列番号4は、配列番号2のN末端に連結されたシグナルペプチドを含むタンパク質である。配列番号2の最初の残基「Xaa」は、シグナルペプチドが存在しない場合、典型的にはメチオニンである。しかし、配列番号4のような、配列番号2に連結されたシグナルペプチドを含むタンパク質は、Xaaで残基1のメチオニンを、タンパク質にシグナルペプチドを連結させる残基に置き換える。したがって、配列番号2のN末端残基は、いずれでもあり得るが、それが開始配列でコードされる場合、それはメチオニンである。配列番号2のN末端へのシグナルペプチド/リーダー配列の結合は、典型的には、N末端メチオニンを排除する。本明細書で使用される場合、配列番号4は、配列番号2のN末端Xaa残基が排除されているにもかかわらず、配列番号2のN末端に連結されたシグナルペプチド/リーダー配列を有する配列番号2を含むことが意図される。同様に、配列番号4のコード配列は、配列番号2をコードするコード配列の5’末端に連結したシグナルペプチド/リーダー配列のコード配列を有する配列番号2のコード配列を含む。開始コドンは、配列番号2のコード配列において「nnn」であり得るが、シグナルペプチド/リーダー配列のコード配列が、配列番号2をコードするコード配列の5’末端に連結したとき、排除される。本明細書で使用される場合、配列番号4のコード配列は、nnnが生じる配列番号2のコード配列の5’末端に連結したシグナルペプチド/リーダー配列のコード配列を有する配列番号2のコード配列を含むことが意図される。したがって、例えば、配列番号3は、nnnの代わりに、配列番号1の5’末端に連結されたシグナルペプチド/リーダー配列のコード配列を有する配列番号1を含むことが意図される。いくつかの実施態様において、nnnは、配列番号1の5’末端の開始コドンである。
b.HBV表面抗原
ワクチンは、HBV表面抗原を含み得る。哺乳動物において、1つ以上のHBV血清型に対する免疫応答を誘発することができるHBV表面抗原が本明細書に提供される。表面抗原は、抗HBV免疫応答が誘導され得る免疫原として特に効果的になる、表面タンパク質エピトープを含むことができる。HBV表面抗原は、完全長翻訳産物、その変種、そのフラグメント、またはその組み合わせを含むことができる。
HBV表面抗原は、コンセンサスタンパク質を含み得る。HBV遺伝子型AまたはCのいずれからの一次単離体からの表面抗原の配列からコンセンサスHBV表面抗原を生成した。具体的には、コンセンサスHBV表面抗原は、Sタンパク質またはSタンパク質、pre-S2、およびpre-S1の組み合わせを含む(図3および4)。適切なタンパク質フォールディングおよびより優れたCTLプロセシングを提供するために、細胞内タンパク質切断部位をコンセンサスHBV表面抗原に導入した。コンセンサスHBV表面抗原中のコドン使用頻度をヒト遺伝子のコドンバイアスを反映するように修正した。さらに、内部TATAボックス、反復配列、および構造化配列等のシス作用モチーフである、非常に高い(例えば、80パーセントを超える)または非常に低い(例えば、30パーセント未満)のGC含有量の領域を避けた。翻訳開始を増大させるためにKozak配列をコンセンサスHBV表面抗原に導入し、タンパク質発現を増加させるためにIgEリーダー配列を追加した。
コンセンサスHBV表面抗原をコードする核酸配列は、配列番号9、配列番号11、配列番号13、および配列番号15である。配列番号9は、遺伝子型Aに由来し、Sタンパク質、pre-S2、およびpre-S1(LHBs-A)を含む長いコンセンサスHBV表面抗原タンパク質をコードする。配列番号11は、遺伝子型Cに由来し、Sタンパク質、pre-S2、およびpre-S1(LHBs-C)を含む長いコンセンサスHBV表面抗原タンパク質をコードする。配列番号13は、遺伝子型Aに由来し、Sタンパク質(SHBs-A)を含む短いコンセンサスHBV表面抗原タンパク質をコードする。配列番号15は、遺伝子型Cに由来し、Sタンパク質(SHBs-C)を含む短いコンセンサスHBV表面抗原タンパク質をコードする。
いくつかの実施形態は、コンセンサスHBV表面抗原のアミノ酸配列の全長にわたって同一のタンパク質、コンセンサスHBV表面抗原の免疫原性フラグメント、および同一タンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列に関する。このため、コンセンサスHBV表面抗原配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大95%の同一性、コンセンサスHBV表面抗原配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大96%の同一性、コンセンサスHBV表面抗原配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大96%の同一性、コンセンサスHBV表面抗原配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大97%の同一性、コンセンサスHBV表面抗原配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大98%の同一性、およびコンセンサスHBV表面抗原配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大99%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子が提供され得る。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメントおよび本明細書に示されるHBV表面抗原タンパク質のアミノ酸配列の全長にわたって同一のタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
いくつかの実施形態は、本明細書の核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって95%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって96%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって97%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって98%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって99%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるコンセンサスHBV表面抗原タンパク質のコード配列のアミノ酸配列の全長にわたって同一である本明細書に開示されるコード配列を有する核酸分子は、本明細書に開示される同一のタンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結するIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
いくつかの実施形態は、完全長HBV表面抗原コンセンサスタンパク質のアミノ酸配列の全長にわたって特定の同一性パーセントを有するタンパク質、HBV表面抗原コンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント、およびHBV表面抗原コンセンサスタンパク質の免疫原性フラグメント(複数)をコードする核酸配列に関する。完全長HBV表面抗原コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大80%の同一性、完全長HBV表面抗原コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大85%の同一性、完全長HBV表面抗原コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大90%の同一性、完全長HBV表面抗原コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大91%の同一性、完全長HBV表面抗原コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大92%の同一性、完全長HBV表面抗原コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大93%の同一性、完全長HBV表面抗原コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大94%の同一性、完全長HBV表面抗原コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大95%の同一性、完全長HBV表面抗原コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大96%の同一性、完全長HBV表面抗原コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大97%の同一性、完全長HBV表面抗原コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大98%の同一性、完全長HBV表面抗原コンセンサス配列のアミノ酸配列の全長にわたって最大99%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする、そのような核酸分子が提供され得る。同様に、本明細書に示される免疫原性フラグメントおよび本明細書に示されるHBV表面抗原タンパク質に対して上に示されるものと同様の同一性パーセントを有するタンパク質の免疫原性フラグメントをコードする核酸配列も提供される。
いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって80%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって83%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって85%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって90%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって91%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって92%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって93%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって94%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって95%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって96%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって97%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって98%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態は、本明細書の完全長核酸HBV表面抗原コード配列のアミノ酸配列の全長にわたって99%の同一性を有する免疫原性タンパク質をコードする核酸分子に関する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるコンセンサスHBV表面抗原タンパク質のコード配列のアミノ酸配列の全長にわたって同一である本明細書に開示されるコードHBV表面抗原配列を有する核酸分子は、本明細書に開示される同一のタンパク質配列をコードするコード配列の5’末端に連結するIgEリーダー配列をコードする配列を含む。
いくつかの実施形態において、核酸配列は、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態において、核酸配列は、IgEリーダーをコードするコード配列を含まない。
いくつかの実施形態は、配列番号9、配列番号11、配列番号13、および配列番号15のフラグメントに関する。フラグメントは、配列番号9、配列番号11、配列番号13、または配列番号15の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、または少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。フラグメントは、配列番号9、配列番号11、配列番号13、または配列番号15のフラグメントと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であり得る。フラグメントは、配列番号9、配列番号11、配列番号13、または配列番号15のフラグメントと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性であり得る。いくつかの実施形態において、フラグメントは、例えば、IgEリーダーのような免疫グロブリンリーダーのようなリーダー配列をコードする配列を含む。いくつかの実施形態において、フラグメントは、リーダー配列をコードするコード配列を含まない。いくつかの実施形態において、フラグメントは、IgEリーダー等のリーダー配列をコードするコード配列を含まない。
さらに、コンセンサスHBV表面抗原のアミノ酸配列、LHBs-A、LHBs-C、SHBs-A、およびSHBs-Cは、それぞれ、配列番号10、配列番号12、配列番号14、および配列番号16である。
タンパク質は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16と同一であり得る。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列のアミノ酸配列の全長にわたって95%の同一性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列のアミノ酸配列の全長にわたって96%の同一性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列のアミノ酸配列の全長にわたって97%の同一性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列のアミノ酸配列の全長にわたって98%の同一性を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列のアミノ酸配列の全長にわたって99%の同一性を有する免疫原性タンパク質に関する。
いくつかの実施形態は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16と同一であるタンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって80%同一のアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって85%同一のアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって90%同一のアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって91%同一のアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって92%同一のアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって93%同一のアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって94%同一のアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって95%同一のアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって96%同一のアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって97%同一のアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって98%同一のアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16に示される完全長コンセンサスアミノ酸配列のアミノ酸配列の全長にわたって99%同一のアミノ酸配列を有する免疫原性タンパク質に関する。
コンセンサスタンパク質のフラグメントは、コンセンサスタンパク質を少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、または少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%含むことができる。配列番号10、配列番号12、配列番号14、および配列番号16の免疫原性フラグメントが提供され得る。免疫原性フラグメントは、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、または少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。
配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16の免疫原性フラグメントと同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントが提供され得る。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16のアミノ酸配列の全長にわたって95%同一であるタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、または少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。
配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16の免疫原性フラグメントと同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質の免疫原性フラグメントが提供され得る。そのような免疫原性フラグメントは、配列番号10、配列番号12、配列番号14、または配列番号16のアミノ酸配列の全長にわたって95%同一であるタンパク質の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、または少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%を含むことができる。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して96%の同一性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して97%の同一性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して98%の同一性を有する免疫原性フラグメントに関する。いくつかの実施形態は、本明細書のコンセンサスタンパク質配列の免疫原性フラグメントに対して99%の同一性を有する免疫原性フラグメントに関する。
c.HBVコアおよび表面抗原の組み合わせ
ワクチンは、上に記載されたHBVコアおよび表面抗原の組み合わせを含み得る。このHBV抗原の組み合わせは、哺乳動物において、1つ以上のHBV血清型に対する免疫応答を誘発することができる。ワクチンは、HBV抗原の特定の組み合わせを有するように設計されるか、または仕立てられてもよく、それは、哺乳動物における免疫応答のレベルまたは強さを制御する能力を提供する。
組み合わせは、(1)HBV-M-Core、LHBs-A、SHBs-A、LHBs-C、およびSHBs-C、(2)HBV-M-Core、LHBs-A、SHBs-A、およびLHBs-C、(3)HBV-M-Core、LHBs-A、およびSHBs-A、(4)HBV-M-CoreおよびLHBs-A、(5)HBV-M-Core、SHBs-A、LHBs-C、およびSHBs-C、(6)HBV-M-Core、LHBs-C、およびSHBs-C、(7)HBV-M-CoreおよびSHBs-C、(8)HBV-M-Core、LHBs-A、LHBs-C、およびSHBs-C、(9)HBV-M-core、LHBs-A、およびSHBs-C、(10)HBV-M-CoreおよびSHBs-C、(11)HBV-M-Core、LHBs-A、SHBs-A、およびSHBs-C、(12)HBV-M-Core、LHBs-A、およびSHBs-C、(13)HBV-M-Core、SHBs-A、およびSHBs-C、(14)LHBs-A、SHBs-A、LHBs-C、およびSHBs-C、(15)LHBs-A、SHBs-A、およびLHBs-C、(16)LHBs-AおよびSHBs-A、(17)SHBs-A、LHBs-C、およびSHBs-C、(18)LHBs-CおよびSHBs-C、(19)LHBs-A、LHBs-C、およびSHBs-C、(20)LHBs-AおよびSHBs-C、(21)LHBs-A、SHBs-A、およびSHBs-C、(22)LHBs-AおよびSHBs-C、(23)SHBs-AおよびSHBs-C、(24)HBV-M-CoreおよびSHBs-A、(25)HBV-M-Core、LHBs-A、およびLHBs-C、または(26)LHBs-AおよびLHBs-Cをコードする1つ以上の核酸を含むことができる。
例示的な実施形態は、HBV-M-Core、LHBs-A、およびLHBs-Cをコードする1つ以上の核酸を含むワクチンに関する。別の例示的な実施形態は、HBV-M-Core、SHBs-A、およびSHBs-Cをコードする1つ以上の核酸を含むワクチンに関する。さらに別の例示的な実施形態は、HBV-M-Core、LHBs-A、およびLHBs-C、ならびにIL-12等のアジュバントをコードする1つ以上の核酸を含むワクチンに関する。
組み合わせワクチンはまた、1つ以上のタンパク質サブユニットの形態の1つ以上のコンセンサスHBVコアタンパク質および/もしくはHBV表面抗原タンパク質、1つ以上のコンセンサスHBVコアタンパク質および/もしくはコンセンサスHBV表面抗原タンパク質を含む1つ以上の死滅ウイルス粒子、または1つ以上のコンセンサスHBVコアタンパク質および/もしくはHBV表面抗原タンパク質を含む1つ以上の弱毒化ウイルス粒子も含む。弱毒化ワクチンは、弱毒化生ワクチン、死菌ワクチン、および1つ以上のコンセンサスHBVコアタンパク質および/もしくはHBV表面抗原タンパク質をコードする外来遺伝子を送達する組換えベクターを使用するワクチン、ならびにサブユニットおよび糖タンパク質ワクチンであり得る。弱毒化生ワクチン、外来抗原を送達する組換えベクターを使用するもの、サブユニットワクチン、および糖ワクチンの例は、米国特許第4,510,245号、同第4,797,368号、同第4,722,848号、同第4,790,987号、同第4,920,209号、同第5,017,487号、同第5,077,044号、同第5,110,587号、同第5,112,749号、同第5,174,993号、同第5,223,424号、同第5,225,336号、同第5,240,703号、同第5,242,829号、同第5,294,441号、同第5,294,548号、同第5,310,668号、同第5,387,744号、同第5,389,368号、同第5,424,065号、同第5,451,499号、同第5,453,364号、同第5,462,734号、同第5,470,734号、同第5,474,935号、同第5,482,713号、同第5,591,439号、同第5,643,579号、同第5,650,309号、同第5,698,202号、同第5,955,088号、同第6,034,298号、同第6,042,836号、同第6,156,319号、および同第6,589,529号に記載されており、そのそれぞれは、参照することにより本明細書に組み込まれる。
d.ワクチン構築物およびプラスミド
本ワクチンは、HBVコアタンパク質、HBV表面抗原、およびHBVコアタンパク質/表面抗原の組み合わせをコードする核酸構築物またはプラスミドを含み得る。本明細書において提供されるものは、コンセンサスタンパク質配列、コンセンサスタンパク質配列と相同の配列、コンセンサスタンパク質配列のフラグメント、およびコンセンサスタンパク質配列のフラグメントと相同の配列が含まれる、開示されるHBVコア抗原をコードする核酸配列を含むことができる、遺伝子構築物である。さらに、コンセンサスタンパク質配列、コンセンサスタンパク質配列と相同の配列、コンセンサスタンパク質配列のフラグメント、およびコンセンサスタンパク質配列のフラグメントと相同の配列が含まれる、本明細書に開示されるHBV表面抗原をコードする核酸配列を含むことができる、遺伝子構築物が本明細書に提供される。遺伝子構築物は、機能性染色体外分子として細胞に存在することができる。遺伝子構築物は、セントロメア、テロメア、またはプラスミドもしくはコスミドを含む線状微小染色体であり得る。
遺伝子構築物は、また、組換えアデノウイルス、組換えアデノウイルス関連ウイルス、および組換えワクチンが含まれる組換えウイルスベクターのゲノムの一部であり得る。遺伝子構築物は、細胞内に生存する弱毒生微生物または組換え微生物ベクターの遺伝子材料の一部であり得る。
遺伝子構築物は、核酸のコード配列の遺伝子発現の調節エレメントを含むことができる。調節エレメントは、プロモーター、エンハンサー、開始コドン、終止コドン、またはポリアデニル化シグナルであり得る。
核酸配列は、ベクターになり得る遺伝子構築物を構成することができる。ベクターは、哺乳動物において免疫応答を誘発するのに有効な量で哺乳動物の細胞内に抗原を発現することができる。ベクターは組換えであり得る。ベクターは、抗原をコードする異種核酸を含むことができる。ベクターはプラスミドであり得る。ベクターは、細胞を、抗原をコードする核酸でトランスフェクトするのに有用であることができ、形質転換された宿主細胞は培養され、抗原の発現が生じる条件下で維持される。
コード配列を、発現の安定性および高いレベルのために最適化することができる。いくつかの場合において、コドンは、分子内結合によって形成されるようなRNAの二次構造形成を低減するために選択される。
ベクターは、抗原をコードする異種核酸を含むことができ、抗原コード配列の上流にあり得る開始コドン、および抗原コード配列の下流にあり得る終止コドンをさらに含むことができる。開始および終結コドンは、抗原コード配列とともにフレーム内にあり得る。ベクターは、抗原コード配列と動作可能に連結しているプロモーターを含むこともできる。抗原コード配列と動作可能に連結しているプロモーターは、シミアンウイルス40(SV40)のプロモーター、マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター、ウシ免疫不全ウイルス(BIV)長末端反復(LTR)プロモーターのようなヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロモーター、モロニーウイルスプロモーター、トリ白血病ウイルス(ALV)プロモーター、CMV最初期プロモーターのようなサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、エプスタイン・バーウイルス(EBV)プロモーター、またはラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーターであり得る。プロモーターは、また、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、またはヒトメタロチオネインのようなヒト遺伝子からのプロモーターであり得る。プロモーターは、また、天然または合成の筋肉または皮膚特異的プロモーターのような組織特異的プロモーターであり得る。そのようなプロモーターの例は、米国特許出願公開第20040175727号に記載されており、その内容はその全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。
ベクターは、HBVコアタンパク質コード配列の下流にあり得るポリアデニル化シグナルを含むこともできる。ポリアデニル化シグナルは、SV40ポリアデニル化シグナル、LTRポリアデニル化シグナル、ウシ成長ホルモン(bGH)ポリアデニル化シグナル、ヒト成長ホルモン(hGH)ポリアデニル化シグナル、またはヒトβグロブリンポリアデニル化シグナルであり得る。SV40ポリアデニル化シグナルは、pCEP4ベクター(Invitrogen,San Diego,CA)からのポリアデニル化シグナルであり得る。
ベクターは、コンセンサスHBVコアタンパク質コード配列またはコンセンサスHBV表面抗原タンパク質コード配列の上流にエンハンサーを含むこともできる。エンハンサーは、DNA発現に必要であり得る。エンハンサーは、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、またはCMV、HA、RSV、もしくはEBVのうちの1つのようなウイルスエンハンサーであり得る。ポリヌクレオチド機能の増強は、米国特許第5,593,972号、同第5,962,428号、および国際公開公報第94/016737号に記載されており、それぞれの内容は、参照することにより完全に組み込まれる。
ベクターは、ベクター染色体外性を維持し、細胞内にベクターの複数のコピーを産生するため、哺乳類の複製の起点を含むこともできる。ベクターは、エプスタイン・バーウイルスの複製の起点を含むことができるInvitrogen(San Diego,CA)からのpVAX1、pCEP4、またはpREP4、および組込みなしで高コピーエピソーム複製を生じることができる核抗原EBNA-1コード領域であり得る。ベクターは、pVAX1、または本明細書に記載されている変種プラスミドのような変化を有するpVax1変種であり得る。変種pVax1プラスミドは、主鎖ベクタープラスミドpVAX1の2998塩基対変種である(Invitrogen,Carlsbad CA)。CMVプロモーターは、塩基137~724に位置している。T7プロモーター/初回抗原刺激部位は、塩基664~683にある。多重クローニング部位は、塩基696~811にある。ウシGHポリアデニル化シグナルは、塩基829~1053にある。カナマイシン抵抗性遺伝子は、塩基1226~2020にある。pUC起点は、塩基2320~2993にある。
Invitrogenから入手可能なpVAX1の配列に基づいて、以下の突然変異体がpVAX1の配列において見出され、これを本明細書に記載されたプラスミド1~6のセットの主鎖として使用した:
C>G241 CMVプロモーター、
C>T1942 主鎖、ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル(bGHpolyA)の下流、
A>-2876 主鎖、カナマイシン遺伝子の下流、
C>T3277 pUCの複製の起点(複製起点)高コピー数突然変異体(Nucleic Acid Research 1985を参照されたい)、
G>C 3753 RNASeH部位の上流のpUC複製起点の最末端、
塩基対2、3、および4は、CMVプロモーターの上流の主鎖においてACTからCTGに変わる。
ベクターの主鎖は、pAV0242であり得る。ベクターは、複製欠損アデノウイルス型5(Ad5)ベクターであり得る。
ベクターは、ベクターが投与される哺乳類またはヒトの細胞における遺伝子発現に十分に適切であり得る調節配列を含むこともできる。コンセンサスHBVコード配列は、宿主細胞におけるコード配列のより効率的な転写を可能にし得るコドンを含むことができる。
ベクターは、エシェリキア・コリ(大腸菌)におけるタンパク質産生に使用することができるpSE420(Invitrogen,San Diego,Calif)であり得る。 ベクターは、酵母のサッカロマイセス・セレビシエ株におけるタンパク質産生に使用することができるpYES2(Invitrogen,San Diego,Calif)でもあり得る。ベクターは、昆虫細胞におけるタンパク質産生に使用することができる、MAXBAC(商標)完全バキュロウイルス発現系(Invitrogen,San Diego,Calif.)でもあり得る。ベクターは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞のような哺乳類細胞におけるタンパク質産生に使用され得る、pcDNA IまたはpcDNA3(Invitrogen,San Diego,Calif.)でもあり得る。ベクターは、参照することにより完全に組み込まれるSambrook et al.,Molecular Cloning and Laboratory Manual,Second Ed.,Cold Spring Harbor(1989)を含む、日常的な技術および容易に入手可能な出発材料によりタンパク質を産生する発現ベクターまたは系であり得る。
いくつかの実施形態において、ベクターは、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、または配列番号21の核酸配列を含み得る。配列番号17は、コンセンサスHBVコアタンパク質をコードし、配列番号18~21は、コンセンサスHBV表面抗原をコードする。配列番号17~21のベクターマップは、それぞれ、図5~9に示される。
e.ワクチンの医薬組成物
ワクチンは、医薬組成物の形態であり得る。医薬組成物は、ワクチンを含み得る。
医薬組成物は、約5ナノグラム~約10mgのワクチンDNAを含み得る。いくつかの実施形態において、本発明による医薬組成物は、約25ナノグラム~約5mgのワクチンDNAを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約50ナノグラム~約1mgのDNAを含有するいくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.1~約500マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1~約350マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5~約250マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約10~約200マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約15~約150マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約20~約100マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約25~約75マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約30~約50マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約35~約40マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約100~約200マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約10マイクログラム~約100マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約20マイクログラム~約80マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約25マイクログラム~約60マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約30ナノグラム~約50マイクログラムのDNAを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約35ナノグラム~約45マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態において、医薬組成物は、約0.1~約500マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの好ましい実施形態において、医薬組成物は、約1~約350マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの好ましい実施形態において、医薬組成物は、約25~約250マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの好ましい実施形態において、医薬組成物は、約100~約200マイクログラムDNAを含有する。
いくつかの実施形態において、本発明による医薬組成物は、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100ナノグラムのDNAのワクチンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95,100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、755、760、765、770、775、780、785、790、795、800、805、810、815、820、825、830、835、840、845、850、855、860、865、870、875、880、885、890、895、900、905、910、915、920、925、930、935、940、945、950、955、960、965、970、975、980、985、990、995、または1000マイクログラムのDNAのワクチンを含むことができる。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10mg以上のDNAのワクチンを含むことができる。
他の実施形態において、医薬組成物は、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100ナノグラム以下のDNAのワクチンを含むことができる。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95,100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、755、760、765、770、775、780、785、790、795、800、805、810、815、820、825、830、835、840、845、850、855、860、865、870、875、880、885、890、895、900、905、910、915、920、925、930、935、940、945、950、955、960、965、970、975、980、985、990、995、または1000マイクログラム以下のDNAのワクチンを含むことができる。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10mg以下のDNAのワクチンを含むことができる。
医薬組成物は、使用される投与様式に従って製剤目的のための他の薬剤をさらに含んでもよい。医薬組成物が注射用医薬組成物である場合、これらは滅菌で発熱物質を含まず、粒子を含まない。等張製剤が好ましく使用される。一般に、等張のための添加剤には、塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、およびラクトースが含まれる。いくつかの場合において、リン酸緩衝生理食塩水のような等張溶液が好ましい。安定剤には、ゼラチンおよびアルブミンが含まれる。いくつかの実施形態において、血管収縮剤が製剤に添加される。
ワクチンは、薬学的に許容される賦形剤をさらに含むことができる。薬学的に許容される賦形剤は、ビヒクル、アジュバント、担体、または希釈剤としての機能分子であり得る。薬学的に許容される賦形剤は、免疫刺激複合体(ISCOMS)のような界面活性剤、フロイント不完全アジュバント、モノホスホリル脂質Aを含むLPS類似体、ムラミルペプチド、キノン類似体、スクアレンおよびスクアレンのような小胞、ヒアルロン酸、脂質、リポソーム、カルシウムイオン、ウイルスタンパク質、ポリアニオン、ポリカチオン、もしくはナノ粒子が含まれ得るトランスフェクション促進剤、または他の既知のトランスフェクション促進剤であり得る。
トランスフェクション促進剤は、ポリ-L-グルタミン酸(LGS)を含むポリアニオン、ポリカチオン、または脂質である。トランスフェクション促進剤は、ポリ-L-グルタミン酸であり、より好ましくは、ポリ-L-グルタミン酸は6mg/ml未満の濃度でワクチンに存在する。トランスフェクション促進剤は、免疫刺激複合体(ISCOMS)のような界面活性剤、フロイント不完全アジュバント、モノホスホリル脂質Aを含むLPS類似体、ムラミルペプチド、キノン類似体、ならびにスクアレンおよびスクアレンのような小胞を含むことができ、ヒアルロン酸を遺伝子構築物とともに投与に使用することもできる。いくつかの実施形態において、DNAベクターワクチンは、脂質、レクチンリポソーム、もしくはDNAリポソーム混合物(例えば、国際公報第09324640号を参照すること)のような当該技術において既知の他のリポソームを含むリポソーム、カルシウムイオン、ウイルスタンパク質、ポリアニオン、ポリカチオン、もしくはナノ粒子のようなトランスフェクション促進剤、または他の既知のトランスフェクション促進剤を含むこともできる。好ましくは、トランスフェクション促進剤は、ポリ-L-グルタミン酸(LGS)を含むポリアニオン、ポリカチオン、または脂質である。ワクチン中のトランスフェクション剤の濃度は、4mg/ml未満、2mg/ml未満、1mg/ml未満、0.750mg/ml未満、0.500mg/ml未満、0.250mg/ml未満、0.100mg/ml未満、0.050mg/ml未満、または0.010mg/ml未満である。
薬学的に許容される賦形剤はアジュバントであり得る。アジュバントは、ワクチンにおいて、代替的なプラスミドに発現される、または上記のプラスミドと組み合わされたタンパク質として送達される、他の遺伝子であり得る。アジュバントは、α-インターフェロン(IFN-α)、β-インターフェロン(IFN-β)、γ-インターフェロン、血小板由来増殖因子(PDGF)、TNFα、TNFβ、GM-CSF、表皮増殖因子(EGF)、皮膚T細胞攻撃ケモカイン(CTACK)、上皮胸腺発現ケモカイン(TECK)、粘膜関連上皮ケモカイン(MEC)、IL-12、IL-15、MHC、CD80、D86(IgEからのシグナル配列を欠失し、場合によりシグナルペプチドを含むIL-15が含まれる)からなる群から選択される。アジュバントは、IL-12、IL-15、IL-28、CTACK、TECK、血小板由来増殖因子(PDGF)、TNFα、TNFβ、GM-CSF、上皮増殖因子(EGF)、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10、IL-18、IL-21、IL-31、IL-33、またはこれらの組み合わせであり得る。例示的な実施形態において、アジュバントはIL-12である。
有用なアジュバントであり得る他の遺伝子には、MCP-1、MIP-la、MIP-1p、IL-8、ランテス、L-セレクチン、P-セレクチン、E-セレクチン、CD34、GlyCAM-1、MadCAM-1、LFA-1、VLA-1、Mac-1、pl50.95、PECAM、ICAM-1、ICAM-2、ICAM-3、CD2、LFA-3、M-CSF、G-CSF、IL-4、IL-18の突然変異形態、CD40、CD40L、血管増殖因子、線維芽細胞増殖因子、IL-7、神経増殖因子、血管内皮増殖因子、Fas、TNFレセプター、Flt、Apo-1、p55、WSL-1、DR3、TRAMP、Apo-3、AIR、LARD、NGRF、DR4、DR5、KILLER、TRAIL-R2、TRICK2、DR6、カスパーゼICE、Fos、c-jun、Sp-1、Ap-1、Ap-2、p38、p65Rel、MyD88、IRAK、TRAF6、IkB、不活性NIK、SAP K、SAP-1、JNK、インターフェロン応答遺伝子、NFkB、Bax、TRAIL、TRAILrec、TRAILrecDRC5、TRAIL-R3、TRAIL-R4、RANK、RANK LIGAND、Ox40、Ox40 LIGAND、NKG2D、MICA、MICB、NKG2A、NKG2B、NKG2C、NKG2E、NKG2F、TAP1、TAP2、およびこれらの機能的フラグメントをコードするものが含まれる。
f.ワクチン送達の方法
HBVウイルス感染に対する免疫応答が誘導され得る特に有効な免疫原となるエピトープを含む、HBVコアタンパク質および/またはHBV表面抗原の遺伝子構築物およびタンパク質を提供するための薬学的製剤を送達するための方法が本明細書に提供される。ワクチンを送達する、またはワクチン接種の方法は、治療的および/または予防的な免疫応答を誘導するために提供することができる。ワクチン接種の方法は、複数のHBV遺伝子型に対する免疫応答を哺乳動物において生成することができる。ワクチンを個体に送達して、哺乳動物の免疫系の活性を調節し、免疫応答を増強することができる。ワクチンの送達は、細胞内で発現され、細胞の表面に送達され、その時点で免疫系が認識し、細胞性、液性、または細胞性および液性の応答を誘導する核酸分子としてのHA抗原のトランスフェクションであり得る。ワクチンの送達は、本明細書に考察されているワクチンを哺乳動物に投与して、複数のHBVウイルスに対する免疫応答を哺乳動物に誘導および誘発することに使用できる。
哺乳動物へのワクチンの送達、その結果としての哺乳動物の細胞へのベクターの送達によって、トランスフェクトされた細胞は、コンセンサスHBVコアタンパク質およびコンセンサスHBV表面抗原を発現および分泌する。これらの分泌タンパク質または合成抗原は、免疫系により外来性であると認識され、抗原に対して作製された抗体、および抗原に対して特異的なT細胞応答が含まれ得る免疫応答を開始する。いくつかの例では、本明細書において考察されたワクチンでワクチン接種された哺乳動物は、初回抗原刺激免疫系を有し、HBVウイルス株を負荷したとき、初回抗原刺激免疫系は、体液性、細胞性、または両方のいずれかにかかわらず、続くHBVウイルスの急速な除去を可能にする。ワクチンを個体に送達して、個体の免疫系の活性を調節し、それにより免疫応答を増強することができる。
ワクチンのDNAを送達する方法は、米国特許第4,945,050号および同第5,036,006号に記載されており、この両方は参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
ワクチンを哺乳動物に投与して、免疫反応を哺乳動物に誘発することができる。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、アンテロープ、バイソン、スイギュウ、ウシ科、シカ、ハリネズミ、ゾウ、ラマ、アルパカ、マウス、ラット、またはニワトリ、好ましくはヒト、ウシ、ブタ、またはニワトリであり得る。
g.アジュバントを用いたワクチンの送達
医薬組成物、好ましくは本明細書に記載されているワクチンは、タンパク質または遺伝子コードアジュバントと組み合わせて投与することができ、これらには、α-インターフェロン(IFN-α)、β-インターフェロン(IFN-β)、γ-インターフェロン、IL-12、IL-15、IL-28、CTACK、TECK、血小板由来増殖因子(PDGF)、TNFα、TNFβ、GM-CSF、表皮増殖因子(EGF)、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10、IL-12、IL-18、MCP-1、MIP-la、MIP-1p、IL-8、ランテス、L-セレクチン、P-セレクチン、E-セレクチン、CD34、GlyCAM-1、MadCAM-1、LFA-1、VLA-1、Mac-1、pl50.95、PECAM、ICAM-1、ICAM-2、ICAM-3、CD2、LFA-3、M-CSF、G-CSF、IL-4、IL-18の突然変異形態、CD40、CD40L、血管増殖因子、線維芽細胞増殖因子、IL-7、神経増殖因子、血管内皮増殖因子、Fas、TNFレセプター、Flt、Apo-1、p55、WSL-1、DR3、TRAMP、Apo-3、AIR、LARD、NGRF、DR4、DR5、KILLER、TRAIL-R2、TRICK2、DR6、カスパーゼICE、Fos、c-jun、Sp-1、Ap-1、Ap-2、p38、p65Rel、MyD88、IRAK、TRAF6、IkB、不活性NIK、SAP K、SAP-1、JNK、インターフェロン応答遺伝子、NFkB、Bax、TRAIL、TRAILrec、TRAILrecDRC5、TRAIL-R3、TRAIL-R4、RANK、RANK LIGAND、Ox40、Ox40 LIGAND、NKG2D、MICA、MICB、NKG2A、NKG2B、NKG2C、NKG2E、NKG2F、TAP1、もしくはTAP2、またはこれらの機能性フラグメントが含まれ得る。例示的な実施形態において、アジュバントはIL-12である。
h.ワクチンを用いて免疫応答を生成する方法
ワクチンを使用して、哺乳動物において、治療的または予防的免疫応答を含む免疫応答を生成することができる。免疫応答は、HBVコア抗原、HBV表面抗原、またはそれらの組み合わせを対象とする抗体および/またはキラーT細胞を生成することができる。そのような抗体およびT細胞を単離することができる。
いくつかの実施形態は、個体へのワクチンの投与を含む、HBVコアタンパク質、HBV表面抗原タンパク質、およびそれらの組み合わせに対する免疫応答を生成する方法を提供する。いくつかの実施形態は、ワクチンを投与することを含む、個体にHBV感染に対して予防的にワクチン接種する方法を含む。いくつかの実施形態は、ワクチンを投与することを含む、HBVに感染している個体に治療的にワクチン接種する方法を提供する。ワクチンを投与する前のHBV感染の診断は、日常的に実施することができる。
i.ワクチンを用いた治療方法
ワクチンを使用して、哺乳動物において、肝臓を保護する免疫応答を生成することができる。免疫応答は、肝臓への損傷または肝臓の炎症を引き起こさない抗原特異的CTL応答を生成することができる。いくつかの実施形態において、ワクチンは、末梢に送達され、肝臓を標的とする抗原特異的免疫応答を確立し、肝臓の損傷または炎症を引き起こすことなく、HBVに感染した細胞を払拭または排除することができる。いくつかの実施形態において、治療は、HBVコンセンサスコア抗原を含むワクチンの末梢への送達を含み、肝臓を標的とする抗原特異的免疫応答を確立し、肝臓への損傷または肝臓の炎症を引き起こすことなく、HBVに感染した細胞を払拭または排除することができる。
3.投与経路
ワクチンまたは医薬組成物は、経口、非経口、舌下、経皮、直腸内、経粘膜、局所、吸入、口腔内投与、胸膜内、静脈内、動脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、鼻腔内 鞘内、および関節内、またはこれらの組み合わせを含む異なる経路で投与することができる。獣医学的使用では、組成物を、通常の獣医学の診療に適切に許容される製剤として投与することができる。獣医師は、特定の動物に最も適した投与レジメンおよび投与経路を容易に決定することができる。ワクチンは、伝統的なシリンジ、無針注射装置、「微粒子銃」、または電気穿孔(「EP」)、「流体力学法」、もしくは超音波のような他の物理的方法により投与することができる。
ワクチンのベクターは、インビボ電気穿孔を用いるおよび用いないDNA注入(DNAワクチン接種とも呼ばれる)、組換えアデノウイルス、組換えアデノウイルス関連ウイルス、および組換えワクシニアのようなリポソーム仲介、ナノ粒子促進組換えベクターを含むいくつかの周知の技術により哺乳動物に送達することができる。HBV抗原は、DNA注入を介し、インビボ電気穿孔を伴って送達することができる。
a.電気穿孔
ワクチンまたは医薬組成物は、電気穿孔によって投与され得る。電気穿孔を介したワクチンの投与は、細胞膜に可逆的細孔を形成させるのに有効なエネルギーのパルスを、哺乳動物の組織に送達すように構成され得る電気穿孔装置を使用して達成することができ、好ましくは、エネルギーのパルスは、使用者により予め設定された電流入力と同様の定電流である。電気穿孔装置は、電気穿孔構成要素および電極アセンブリーまたはハンドルアセンブリーを含むことができる。電気穿孔構成要素は、制御装置、電流波形発生器、インピーダンス試験器、波形自動記録器、入力要素、状況報告要素、通信ポート、記憶装置構成要素、電源、および電源スイッチが含まれる、電気穿孔装置の様々な要素の1つ以上を含み、組み込むことができる。電気穿孔は、インビボ電気穿孔装置、例えば、CELLECTRA(登録商標) EPシステム(Inovio Pharmaceuticals,Inc.,Blue Bell,PA)またはElgenエレクトロポレーター(Inovio Pharmaceuticals,Inc.)を使用することにより実現され、プラスミドによる細胞のトランスフェクションを促進することができる。
本発明のDNAワクチンの送達を促進することができる電気穿孔装置および電気穿孔法の例には、Draghia-Akliらによる米国特許第7,245,963号、Smithらによる米国特許公開第2005/0052630号に記載されたものが含まれ、これらの内容は参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。DNAワクチンの送達の促進に使用することができる他の電気穿孔装置および電気穿孔法には、2006年10月17日出願の米国特許仮出願第60/852,149号および2007年10月10日出願の同第60/978,982号の特許法119条(e)に基づく利益を主張する、2007年10月17日出願の同時係属および共有の米国特許出願第11/874072号において提供されたものが含まれ、これらはその全体が参照することにより組み込まれる。
Draghia-Akliらによる米国特許第7,245,963号は、身体または植物内の選択された組織の細胞への生体分子の導入を促進するためのモジュール式電極システムおよびこれらの使用を記載する。モジュール式電極システムは、複数の針電極、皮下注射針、プログラム可能定電流パルス制御装置から複数の針電極へ導電性インクを提供する電気コネクタ、および電源を含むことができる。操作者は、支持構造に装填された複数の針電極を掴み、それらを身体または植物の選択された組織の中にしっかりと挿入することができる。次に生体分子は、選択された組織内に皮下注射針を介して送達される。プログラム可能定電流パルス制御装置を作動し、定電流電気パルスが複数の針電極に適用される。適用された定電流電気パルスは、複数の電極の間の細胞への生体分子の導入を促進する。米国特許第7,245,963号の全ての内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
Smithらにより提出された米国特許公開第2005/0052630号は、身体または植物内の選択された組織の細胞への生体分子の導入を効果的に促進するために使用される電気穿孔装置を記載する。電気穿孔装置は、操作がソフトウェアまたはファームウェアにより特定される動電学的装置(「EKD装置」)を含む。EKD装置は、電極配列の間に一連のプログラム可能定電流パルスパターンを、使用者の制御およびパルスパラメータの入力に基づいて生成し、電流波形データの記憶および取得を可能にする。電気穿孔装置は、また、針電極の配列を有する交換可能な電極ディスク、注入針の中央注入チャンネル、および取り外し可能なガイドディスクを含む。米国特許公開第2005/0052630号の全ての内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
電極配列および方法は、米国特許第7,245,963号に記載されており、米国特許公開第2005/0052630号を、筋肉のような組織のみならず、他の組織または臓器の中にも深く侵入するように適合させることができる。電極配列の構成のため、注入針(選択された生体分子を送達する)も、標的臓器の中に完全に挿入され、注入は、電極により予め描かれた領域内の標的組織に対して垂直に施用される。米国特許第7,245,963号および米国特許第2005/005263号に記載されている電極は、好ましくは長さが20mmであり、ゲージが21である。
加えて、電気穿孔装置およびその使用を組み込むいくつかの実施形態において考慮されるように、以下の特許:1993年12月28日発行の米国特許第5,273,525号、2000年8月29日発行の米国特許第6,110,161号、2001年7月17日発行の同第6,261,281号、および2005年10月25日発行の同第6,958,060号、ならびに2005年9月6日発行の米国特許第6,939,862号に記載される電気穿孔装置が存在する。さらに、様々な装置のいずれかを使用したDNAの送達に関する2004年2月24日発行の米国特許第6,697,669号、およびDNAを注入する方法を描写する2008年2月5日発行の米国特許第7,328,064号に提供された主題を網羅する特許が、本明細書において考慮される。上記の特許は、その全体が参照として組み込まれる。
4.ワクチンを調製する方法
本明細書で考察されているワクチンを含むDNAプラスミドを調製する方法が、本明細書に提供される。DNAプラスミドは、哺乳類発現プラスミドへの最終サブクローニングステップの後、当該技術において既知の方法を使用して、大規模発酵タンク中の細胞培養物への接種に使用することができる。
本発明のEP装置で使用されるDNAプラスミドは、既知の装置および技術の組み合わせを使用して処方および製造することができるが、好ましくは、これらは2007年5月23日出願の米国公開出願第20090004716号に記載されている最適化プラスミド製造技術を使用して製造される。いくつかの例において、これらの研究に使用されるDNAプラスミドを、10mg/mL以上の濃度で処方することができる。製造技術は、また、契約対象特許である2007年7月3日出願の米国特許第7,238,522号に記載されているものを含む、米国特許出願第60/939792号に記載されているものに加えて、当業者に一般的に既知の様々な装置およびプロトコルを含む、または組み込む。上記に参照された出願および特許である米国特許出願第60/939,792号および米国特許第7,238,522号は、それぞれ、その全体が本明細書に組み込まれる。
本発明を下記の実施例においてさらに説明する。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、例示のためにのみ提示されていることを理解するべきである。上記の考察および例から、当業者は、本発明の本質的な特性を確認することができ、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変更および修正を行って様々な用途および条件に適合させることができる。したがって、本明細書において示され、記載されているものに加えて、本発明の様々な変更が、前述の記載から当業者には明白である。そのような変更は、添付の特許請求の範囲の範囲内であることも意図される。
実施例1
HBVコアタンパク質
HBV修飾MCoreもしくはM-core構築物とも称されるコンセンサスHBVコアタンパク質を、HBV遺伝子型A、B、C、D、およびEのエピトープ配列から設計した。これらの遺伝子型からのHBVコアタンパク質配列は、広範囲の遺伝子型に対して免疫を誘導し、したがってHBVの汎用ワクチンをもたらすコンセンサスコアの構成物に含まれるように選択した。いくつかの実施形態において、Mコア構築物の修飾は、IgEリーダー配列の付加を含んだ。いくつかの実施形態では、Mコアタンパクを、増強発現のためのコドン最適化およびRNA最適化の使用によりコードした。
1.コンセンサスコア抗原の構築および発現
各遺伝子型のコア遺伝子のコンセンサス配列を生成し、次いで、全部で5個の遺伝子型コンセンサスのコンセンサス配列を生成することによって、HBV遺伝子型A、B、C、D、およびE Coreコンセンサスヌクレオチド配列を構築し、このようにして、重度に連続する遺伝子型に対するバイアスを回避した。さらに、重度に連続する遺伝子型に対するサンプリングバイアスを避けるため、異なる国々から配列を採取した。最終HBcAgコンセンサス配列を開発するため、クラスタルXソフトウェアを使用して配列を整列した。図10に示されるように、多重遺伝子型コンセンサスHBcAg配列の異なる遺伝子型からのすべての標本配列に対する相対接近が観察された。
コンセンサス配列を生成した後、いくつかの修正を行い、プラスミドからの抗原発現レベルを上昇させた。具体的には、高効率IgEリーダー配列およびC末端HAタグを追加し、構築物をRNA最適化およびコドン最適化した。これは、IgEリーダーおよびHA Tagを有するM-core配列(配列番号5)をコードする核酸配列をもたらし、これは、EcoRIおよびNotIで消化され、サイトメガロウイルス媒介性早期プロモーターの制御下で、発現ベクターpVAX(Invitrogen)中にクローン化された。次いで、結果として生じる構築物をpMCore(配列番号17)と名付けた。
対照として使用されたpMCore構築物およびpVAXを使用してインビトロ発現試験を完了した。陽性発現を示す結果を、図11Aおよび11Bに示されるゲル画像で表す。
さらに、B型肝炎のコア遺伝子を含有するpMCore DNAプラスミドをトランスフェクトすることによって、HBcAgタンパク質を発現した(図12)。35S-メチオニンを含有するTNT(登録商標)Quick Coupled Expression of Transcription/Translation(Promega,Madison,WI)Systemを使用して、pMCoreの発現を検出した。コードされたHAエピトープ、Clone HA-7(Sigma-Aldrich)を標的とする抗HAモノクローナル抗体を使用して、合成された遺伝子生成物を免疫沈降した。免疫沈降されたタンパク質を12% SDS-PAGEゲル上で電気泳動し、続いて、固定し、乾燥した。放射性35Sの組み込みで合成されたタンパク質を、オートラジオグラフィーによって検出した。このライセート上でのインビトロ翻訳アッセイは、28kDaの予想される分子量で検出可能なHBcAgを示した(図13)。
免疫蛍光法アッセイによって抗HA標識化モノクローナル抗体を使用して、発現をさらに確認した。製造業者のガイドラインに従って、TURBOFECT(Thermo Scientific)を使用して、横紋筋肉腫(RD)細胞株をpMCoreでトランスフェクトした。まず、細胞を2%ホルムアルデヒドで固定し、次いで、タンパク質発現に関してアッセイした。固定された細胞を、「一次標準溶液」(0.1%BSA、0.2%サポニン、0.02%アジ化ナトリウム)中に希釈されたウサギモノクローナルHAタグ(Invitrogen)を用いて、室温で1時間インキュベートした。続いて、細胞を、DyLight 594標識抗ウサギ二次抗体(Thermo Scientific)を用いて、室温で20分間インキュベートした。図14に示されるように、トランスフェクトされたRD細胞の細胞質および核の周りのHBcAgを視覚化するために、共焦点画像解析を使用した。発現パターンは、コンセンサスコア遺伝子を担持するDNAプラスミドが、インビトロで異なる細胞中に高度に発現されることを確認させた。具体的には、Zeiss Axiovert 100倒立型共焦点顕微鏡を使用して画像を得た。Image Jソフトウェア(NIH,Rockville,MD)を使用して、開花強度の分析および定量化を行った。
2.マウスの免疫化
C57BL/6トランスジェニックマウスを、それぞれ4匹のマウスの2群に分け、2週間に1回の間隔で20μgのDNAによる3回の電気穿孔免疫化に使用した(群1-pVAXベクター対照、群2 pM-Core)。マウスを、0日目、14日目、28日目に免疫化し、35日目に殺処理した。脾臓、肝臓、および血清を、殺処理した動物から収集した。
さらに、TおよびB細胞免疫応答の生成を評価するために、Balb/cマウスを免疫化し、種々の末梢組織における両方の応答に関して測定した。免疫化スキームに示されるように、マウスは、30μgのpMCoreまたはpVaxの3回の筋肉内免疫化を受け、その後、電気穿孔が続く(図15)。特に、6~8週齢の雌のBalb/cマウスをJackson Laboratoriesから購入した。国立衛生研究所およびペンシルベニア大学のInstitutional Care and Use Committee(IACUC)ガイドラインに従って、動物を維持した。DNA免疫化研究のため、8匹の動物を2つの群に分けた。免疫化群の各動物は、前脛骨筋(TA)に、2週間隔で30μgのpMCoreの合計3回の免疫化を受けた。各免疫化は、CELLECTRA適応定電流電気穿孔装置(Inovio Pharmaceuticals,Blue Bell,PA)を使用したインビボ電気穿孔を伴った。筋肉内に完全に挿入された26ゲージ固形ステンレス製電極からなる三角形3電極アレイを通して、2つの0.2Amp定電流矩形波パルスを送達した。各パルスは、パルス間に1秒間の遅延を有する52ミリセカンドの長さである。
Balb/Cマウス系統のインビボ研究は、腫瘍壊死因子(TNF-α)、インターフェロンガンマT細胞(IFN-γ)、ならびに脾臓から取ったCD8およびCD4 T細胞におけるCD107aの分泌の大きさに高まりを示した。図16および17は、pM-CoreによるBalb/Cマウスのワクチン接種が、脾臓からのCD8+およびCD4+ T細胞によるIFN-γ分泌の大きさを高めたことを示す。図18および19は、pM-CoreによるBalb/Cマウスのワクチン接種が、脾臓からのCD8+およびCD4+ T細胞によるTNF-α分泌の大きさを高めたことを示す。図20および21は、pM-CoreによるBalb/Cマウスのワクチン接種が、脾臓からのCD8+およびCD4+ T細胞によるCD 107a分泌の大きさを高めたことを示す。
さらなる実験において、T細胞中のIFN-γおよびTNF-α分泌を検査した。これらのさらなる実験のための脾細胞を収集するために、マウスを最後の免疫化から1週間後に殺処理し、脾臓を収集し、R10培地(10%FBSおよび1倍Antibiotic-Antimycoticが補充されたRPMI培地)に配置した。脾臓を個別に粉砕し、40μM細胞ストレーナーで濾し、赤血球を溶解するために5分間、1mLのACK溶解緩衝液で処置した。脾細胞を完全R10培地中で再懸濁し、さらなる免疫学的アッセイに使用した。
脾細胞のサブセットを、1mL当たり107の濃度で、R10培地中で再懸濁し、100μLを96ウェル丸底プレート上に播種した。pMCoreを含有する100μLの培地は、陽性対照としてペプチドもしくは10ng/mlのPMA(Sigma,St.Louis,MO,USA)および500ng/mlのイオノマイシン(Calbiochem,Novabiochem,La Jolla,CA,USA)混合物または陰性対照として0.1%のジメチルスルホキシド(Sigma,St.Louis,MO,USA)をプールした。すべてのウェルは、5μL/mLの2つのタンパク質輸送阻害剤、ブレフェルジンA(GolgiPlug)およびモネンシン(Golgistop)(すべてBD Bioscienceより)を含有した。細胞を37℃、5% CO2中で5時間インキュベートし、LIVE/DEAD Fixable Dead Cell Stain(Invitrogen)で、37℃で10分間染色した。マウスCD3、CD4、およびCD8に特異的な抗体を使用して、細胞外染色を実施した。次いで、脾細胞を透過処理し、それぞれ、BD CYTOFIX/CYTOPERMおよびPERM/WASH(BD Bioscience)を使用して洗浄した。
細胞内サイトカイン染色。
次いで、細胞内サイトカインをマウスインターフェロン-γおよび腫瘍壊死因子-αに対する抗体で染色した。リンパ球のサブセットを、1mL当たり107の濃度で、R10培地中で再懸濁し、100μLを96ウェル丸底プレート上に播種した。pMCoreを含有する100μLの培地は、陽性対照としてペプチドもしくは10ng/mlのPMA(Sigma,St.Louis,MO,USA)および500ng/mlのイオノマイシン(Calbiochem,Novabiochem,La Jolla,CA,USA)混合物または陰性対照として0.1%のジメチルスルホキシド(Sigma,St.Louis,MO,USA)をプールした。すべてのウェルは、5μL/mLの2つのタンパク質輸送阻害剤、ブレフェルジンA(GolgiPlug)およびモネンシン(Golgistop)(すべてBD Bioscienceより)を含有した。細胞を37℃、5% CO2中で5時間インキュベートし、LIVE/DEAD(登録商標)Fixable Dead Cell Stain(Invitrogen)で、37℃で10分間染色した。マウスCD3、CD4、およびCD8に特異的な抗体を使用して、細胞外染色を実施した。次いで、脾細胞を透過処理し、それぞれ、BD Cytofix/Cytoperm(商標)およびPerm/Wash(商標)(BD Bioscience)を使用して洗浄した。次いで、インターフェロン-γおよび腫瘍壊死因子-α、インターロイキン-2およびリソソーム関連膜タンパク質1に対する抗体で細胞を細胞内染色した。
CD3-Phycoerythrin/Cy7(PE/Cy7)、CD4-ペリジニンクロロフィルタンパク質(PerCP)、CD8-アロフィコシアニン(APC)、IFN-γ-Alexa Fluor 700、TNF-a-フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、およびIL-2-フィコエリトリン(phycoerythryin)シアニン(PE)(すべてBD Biosciences,San Jose,CAより)を含む、複合化抗マウス抗体の細胞外および細胞内染色の間に使用した。
誘導された平均HBcAg特異的IFN-γT細胞応答は、脾細胞百万個当たり2000(±210)SFUで強力であった。興味深いことに、刺激された脾細胞の細胞内染色は、CD4+およびCD8+細胞の両方が、それぞれ、0.74および0.94のほぼ同量の抗原特異的IFN-γを産生するが、それぞれ、CD4+およびCD8+細胞の約0.3%および1.5%では異なるレベルのTNF-αを産生することを明らかにした(図22)。両方のサイトカインに対して二重陽性であった細胞において、同様の傾向が観察された。脾臓において、二重陽性CD8+細胞よりも少ない約0.2%の二重陽性CD4+細胞が存在し、それは平均すると0.7%である(図23)。
肝臓へのHBV特異的T細胞移動も、pMコアDNAワクチンを投与した動物において示された。高頻度でのHBVコア抗原特異的T細胞の標的化、および肝臓に対するエフェクター機能は、HBV免疫療法の開発の目標である。免疫化の後、動物を殺処理し、肝臓を取り出し、肝臓へのHBV特異的エフェクターT細胞移動を決定した。結果は、pMコアワクチンがエフェクターT細胞をインビボで肝臓に駆動することを示す。図24および25は、インターフェロン-γT細胞肝臓応答を示し、図26および27は、腫瘍壊死因子-α肝臓免疫応答を示し、ならびにpM-Coreのワクチン接種による結果である反応の上昇を示す。
pMコアDNA構築物によりコードされるMコアコンセンサス免疫原は、強力に平衡したCD4+/CD8+ T細胞免疫応答を駆動する。誘導されたT細胞は、高頻度で肝臓に移動し、HBV感染後の免疫クリアランスのために正確なエフェクター表現型を示し、本免疫治療ワクチンのさらなる開発を支援する。
また、DNA免疫化後の肝臓内抗原特異的T細胞の能力を産生するサイトカインも検査した。各マウスの肝静脈中に1mLのPBSを直接注射することによって、各肝臓を灌流した。具体的には、肝臓を収集し、粉砕し、5mLの44%等張Percoll中で再懸濁した。3mLの66%等張Percollとの混合物を基礎とし、勾配分離のために2000rpmで20分間遠心分離した。リンパ球を採取し、10mLのR10中で洗浄し、必要に応じて、ACK溶解緩衝液で処理した。肝臓から単離されたCD4およびCD8 T細胞の両方は、インビトロにおいてHBcAgペプチドで刺激されると、IFN-γおよびTNF-αを産生する(図28および29)。CD4 T細胞は、高い割合の二重産生株(producer)を示したが、CD8は、皆無かそれに近いIFN-γ+TNF-α+産生細胞を示した。代わりに、CD8 T細胞の大半は、IFN-γまたはTNF-αのみを産生した。肝臓において豊富なHBcAg特異的CD4 T細胞が観察され、これは脾臓におけるものと反対であった。静止肝臓におけるHBcAg特異的CD4 T二重陽性パーセントは、脾臓において観察されるものに相当した。その上、末梢性CD8 T細胞が、肝臓常在CD8 T細胞よりも優れた二重産生株であることが確認された。免疫化されたマウスから肝臓常在B細胞の抗体産生能力もまた観察された。興味深いことに、粘膜臓器である肝臓は、IgGよりも高い抗原特異的IgAを産生したこと(図30)は、これまでに研究されていない観察である。
図31は、酵素結合免疫吸着スポット(ELISPOT)アッセイを使用した、pM-Coreにより誘導される細胞免疫応答を示す。脾細胞を、pMCoreの全長におよび、8個のアミノ酸と重複する、15merペプチドの2つのプールで刺激した。R10培地中の200,000個の脾細胞を、96ウェルIFN-γ捕捉抗体(R&D system)被覆プレートで平板培養し、特定のペプチドプールの存在により5%CO2中、37℃で一晩刺激した。細胞を洗浄し、プレートを、ビオチン化抗マウスIFN-γ検出抗体(R&D system)とともに一晩インキュベートした。ストレプトアビジン-アルカリフォスファターゼ、5-ブロモ-4-クロロ-3’-インドリルホスフェートp-トルイジン塩、およびニトロブルーテトラゾリウムクロリドを連続的に使用して、スポットを発生させた。スポットは、自動化ELISPOT読み取り機(CTL Limited)を使用してカウントした。図31に示されているように、pMCoreによる免疫化は、強力な細胞免疫応答を誘導することができた。平均HBcAg特異的IFN-γT細胞応答は、脾細胞百万個当たり約2000(±210)SFUであった。
ELISPOTアッセイを使用して、IFN-γをさらに検査した。具体的には、脾細胞を、HBcAgの全長におよび、8個のアミノ酸と重複する、15merペプチドの2つのプールで刺激した。33個の総個体ペプチドが存在し、最初の17個のペプチドがプール1に、および最後の16個がプール2に入るように、無作為にプールした。出来る限り天然の抗原に近いペプチドを作製するために、IgELsおよびHAタグを除外した。R10培地中の200,000個の脾細胞を、96ウェルIFN-γ捕捉抗体(R&D system)被覆プレートで平板培養し、特定のペプチドプールの存在により5%CO2中、37℃で一晩刺激した。細胞を洗浄し、プレートを、ビオチン化抗マウスIFN-γ検出抗体(R&D system)とともに一晩インキュベートした。ストレプトアビジン-アルカリフォスファターゼ、5-ブロモ-4-クロロ-3’-インドリルホスフェートp-トルイジン塩、およびニトロブルーテトラゾリウムクロリドを連続的に使用して、スポットを発生させた。スポットは、自動化ELISPOT読み取り機(CTL Limited)を使用してカウントした。最終免疫化の1週間後、pMCoreで免疫化されたマウスが、エクスビボでの刺激に続く、IFN-γELISPOTアッセイによって確認されるように、強いHBcAg T細胞応答の根拠を示したことが確認された。図32は、主要なエピトープがペプチドプール2に偏っていることを示した。
インビボ細胞傷害性アッセイにおいて、研究は、フローサイトメトリーと組み合わせたカルボキシフルオセイン二酢酸スクシニミジルエステル(CFSE)標識化を使用して実施した。細胞個体群の細胞における細胞分裂を評価した。脾細胞を未処置マウスから単離し、2つの個体群に分けた。CFSEで高く標識した一方の個体群を、関連するペプチド(例えば、HBVコアペプチド)でパルスした。CFSEで低く標識した他方の個体群を、関連性のないペプチド(例えば、HCV NS3ペプチド)でパルスした。標識したペプチド処理細胞を組み合わせ、フロー分析が実施される養子移入実験に使用した。処理した標識化標的細胞の組み合わせた群を、対照群と免疫群の2群のマウスに投与した。脾細胞をそれぞれの群のマウスから単離し、試料をフローサイトメトリーかけた。CFSEの量を測定した。典型的には、そのような実験において2つのピークが形成され、第1は関連性のないペプチドであり、第2は、ピークにおいてより大きいCFSEを示している免疫ペプチドである。
図33は、ワクチン接種により誘導されたCD8 T細胞が、インビボで標的細胞を特異的に排除できることを示す。結果は、未処置マウスの脾臓および肝臓の試料が、関連性のないペプチドおよび関連するペプチドのピークにおける細胞とほぼ等しい量を含有したことを示し、一方、結果は、免疫化群のうち、関連するペプチドでパルスしたものから誘導された細胞のピークが、関連性のないペプチドより有意に低いことを示した。これらのデータは、HBVペプチドで処理された標的細胞が、HBVワクチンで免疫化されたマウスにおいて特異的に排除されたが、非免疫化マウスでは排除されなかったことを示す。関連性のないペプチドで処理された標的細胞の排除は、仮にあったとしても、HBVワクチンで免疫化されたマウスと非免疫化マウスでは同じであり、HBVペプチドで処理された標的細胞の排除より有意に少なかった。
DNA免疫化後に誘導されたHBV特異的CD8 T細胞のインビボで標的細胞を特異的に排除する能力をさらに検査した。コア抗原を標的とするヒトCTLは、HBV対慢性感染の急性クリアランスにおいて重要である。最終免疫化の一週間後、2つの群のうちのそれぞれから、pVaxまたはpMCoreで免疫化された4匹のマウスを、HBcAg(関連性のある)またはHCV-NS3/4A(関連性のない)ペプチドのいずれかでパルスされていた標的脾細胞に養子移植した。簡潔に、未処置マウスからの脾細胞を1μMまたは1nM CFDA SE(invitrogen)のいずれかで染色した。次いで、標識脾細胞を指示されるペプチド(1μM)で被覆し、各個体群の107細胞を未処置マウスまたは免疫化されたマウスに静脈内注射した。24時間または90時間後、脾臓および肝臓からの細胞を単離し、フローサイトメトリーで分析した。死滅パーセントを以下のように計算した:100-([(感染したものの内パルスされた関連性のあるペプチド%/感染したものの内パルスされた関連性のないペプチド%)/(感染していないパルスされたペプチド%/感染していないパルスされた関連性のないペプチド%)]×100)。死滅を追跡するためにCFSE標識脾細胞上で開閉することによって、図34に示されるようにpMCoreワクチン接種されたマウスが、抗原でパルスされた標的細胞の強い特異的死滅を誘導することができたことが観察された。脾臓で観察される平均死滅パーセントは約83%であった一方、肝臓における平均は76%であり、肝臓へ遊走し、肝臓内で保持されるワクチン誘導CTLが、HBVペプチドでパルスされた標的細胞を死滅させることができることを示す。これは、任意の方法による、および特に全身免疫化による、肝臓におけるHBcAg特異的CTL応答の誘導を示す最初の研究であった。このデータは、末梢免疫化が、肝臓に遊走し、標的細胞を溶解することができるエフェクター細胞を誘導することができるという根拠を提供する。
図35は、CFSE標識化を使用するT細胞増殖アッセイから集めたデータを示す。pVaxベクター(対照)により、またはHBV Mコアを発現するプラスミドpMCoreにより処理した、CD3+CD4+細胞およびCD3+CD8+の増殖率を比較した。簡潔には、単離された脾細胞を、製造会社の説明書に従ってカルボキシフルオセイン二酢酸スクシニミジルエステル(CFDA-SE)Cell Tracer Kit(Invitrogen)で染色した。染色した細胞を生理食塩水で3回洗浄し、pMCore特異的重複ペプチドで刺激した。細胞を37℃で96時間インキュベートした。48時間後、50%の培養培地を取り出し、新たなR10に置き換えた。4日目に細胞を収集し、CD3、CD4、およびCD8特異的モノクローナル抗体(BD Pharmingen)で染色した。細胞を、1%パラホルムアルデヒド(PFA)を有するPBSで固定し、FACScalibur(Becton Dickinson)で取得した。データをFlowJoプログラムの使用により分析した。低CFSEおよび中CFSE個体群を増殖細胞と考慮した。図35に示されているように、脾臓から単離されたCD3+CD8+T細胞は、CD3+CD4+T細胞と比較してより多く増殖した。
T細胞増殖アッセイを用いたさらなる実験もまた、CFSE標識化を使用した。具体的には、単離された脾細胞を、製造会社の説明書に従ってカルボキシフルオセイン二酢酸スクシニミジルエステル(CFDA-SE)Cell Tracer Kit(Invitrogen)で染色した。染色した細胞を生理食塩水で3回洗浄し、1μg/mLの濃度でHBcAgプールペプチドを含有する培地の200μLの総体積で、96ウェルU字型の底付きプレートに播種した。細胞を37℃で96時間インキュベートした。48時間後、50%の培養培地を取り出し、新たなR10に置き換えた。上で考察されるように、CD4およびCD8 T細胞の両方の間のサイトカイン産生における差異は、それらの最終増殖能に相当した。抗原特異的ペプチドによる刺激の4日後、CD8+T細胞は、CD4+細胞よりも2倍以上高く増殖し(図36)、応答における明快なCD8 T細胞バイアスを示す。
図37Aおよび37Bは、pVaxベクター(対照)により、またはHBV Mコアを発現するプラスミドpMCoreにより処理した動物からの血清の段階希釈における抗HBVコア抗体の比較を示すELISAデータである。簡潔には、高結合ELISAプレート(Costar,Corning,NY)を、1μg/mlのPBS中HBcAgタンパク質により4℃で24時間被覆し、次にPBS-Tweenで洗浄し、1%BSAを含有するPBSにより室温で2時間ブロックした。段階的に希釈した血清試料をウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。洗浄後、結合血清Antibodyを、HRP標識ヤギ抗マウスIgG(図37A)またはIgA(図37B)で明らかにした。ペルオキシダーゼ結合Abを、テトラメチルベンジジン(Sigma-Aldrich)を基質として使用して検出し、450nmでのODを、Multiscan ELISA Plate Readerで測定した。免疫化マウスから集めた血清における抗原特異的液性応答が、観察された。
pMCoreで免疫化されたマウスにおいて誘導される免疫応答をさらに探究するために、B細胞ELISpotによって、ならびにそれぞれワクチン接種後に採取された脾細胞および血清を使用するELISAにおいて、抗原特異的IgGおよびIgA応答を分析した。脾細胞を単離し、上に記載されるように精製した。ELISAに関して、高結合ELISAプレート(Costar,Corning,NY)を、1μg/mlのPBS中HBcAgタンパク質により4℃で24時間被覆し、次いで、0.1%PBS-Tweenで洗浄し、次に1%BSAを含有するPBSにより室温で2時間ブロックした。段階的に希釈した血清試料をウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。洗浄後、結合血清Antibodyを、HRP標識ヤギ抗マウスIgAまたはIgGで明らかにした。ペルオキシダーゼ結合抗体を、テトラメチルベンジジン(Sigma-Aldrich)を基質として使用して検出し、450nmでのOD値を、Multiscan ELISA Plate Readerで測定した。対照動物と比較して、免疫化されたマウスの血清において高IgGおよびIgA力価が観察された(図38)。免疫化されたマウスからのB細胞ELISpot(図39)は、それぞれ、細胞百万個当たり約200SFUおよび100SFUのHBcAg特異的IgGおよびIgAを示す。これは、pMCoreでの免疫化によるB細胞区画の活性化を例示した。合成HBcAgプラスミドは、3回の免疫化後、抗原特異的細胞性および液性応答を効果的に誘導した。
図40は、脾臓および肝臓の細胞のCD4+およびCD8+からのTNF-αおよびIFN-γの率を示す。
HBVの小型動物モデルが不在であるので、HBcAgを使用し、流体力学的注入を介してマウスの肝臓に一過的にトランスフェクトした。免疫化マウスの肝臓に、pMCoreまたはHCV NS3/4Aのいずれかでトランスフェクトした。トランスフェクションの3日後の免疫組織化学的染色は、NS3/4Aでトランスフェクトしたものと比較して、HBcAgトランスフェクト肝細胞のクリアランスを示した。血清中のALTレベルを測定して、免疫化マウスにより誘導されたクリアランスが肝損傷を引き起こさなかったことを確実にした。図41の結果は、免疫化マウスにより誘導されたクリアランスが肝損傷を引き起こさなかったことを示した。
また、直接水圧注射も使用してマウス肝臓を一時的にトランスフェクトした。ここで、免疫化された、または未処置のマウス肝臓を、pMCoreまたはC型肝炎抗原をコードする無関係のプラスミド(HCV NS3/4A)のいずれかでトランスフェクトした。簡潔に、免疫化されたマウスに、2mL(マウスの重量の約10%体積)のRingers溶液中100μgのプラスミドを7秒以内に静脈内注射し、肝臓を一時的にトランスフェクトした。肝臓を抗HAモノクローナル抗体で染色することによって、プラスミドの発現またはクリアランスを決定した。トランスフェクションの3日後の免疫組織化学的染色(図42)は、NS3/4Aでトランスフェクトされた動物の肝臓と比較して、HBcAgでトランスフェクトされた肝細胞のクリアランスを示した。図43のpMCoreを水圧注射されたマウスから単離されたCD8 T細胞は、無関係のプラスミドでトランスフェクトされた免疫化された動物の肝臓と比較して、脱顆粒のマーカーである、高頻度のIFN-γ+CD107a+を示した。
pMCoreでトランスフェクトされた肝細胞のクリアランスが脱顆粒に関与すると思われることから、死滅が肝臓損傷を引き起こすと考えられた。免疫化されたマウスが、有意な肝臓損傷を誘導することなくトランスフェクトされた肝細胞を払拭することができたかどうかを検査するために、血清において酵素レベルが上昇する際に(図44)、肝臓損傷の存在を示すように、酵素アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の活性を測定するアッセイを使用した。具体的には、BioTek Synergy 2マイクロプレートリーダー上で吸光度式アッセイ(Stanbio Laboratory)を使用して、血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)活性を測定した。結果は、1リットル当たりのユニット(U/L)で報告され、1分当たり1μmol/LのNADHを酸化する酵素の量を表す。これらの研究は、HBcAgでトランスフェクトされた肝細胞の特定のクリアランスが、5-30U/Lの正常範囲を超えてトランスフェクトされ免疫化された動物においてALTレベルを上昇しなかったことを示した(図44)。
実施例2
HBV表面タンパク質
1.HBsAg DNAワクチン設計
非常に変わりやすい抗原配列を有する変化しやすい病原体という状況におけるコンセンサス免疫原の使用は、単一の先天免疫原による免疫化と比較して、天然のウイルス多様性と戦うためのより直接的な免疫応答の誘導において有効であり得る。8-2肝炎遺伝子型A大表面抗原配列および70肝炎遺伝子型C大表面抗原配列をGenBankから採取し、多重アラインメントの実施後、遺伝子型特異的大表面抗原および小表面抗原コンセンサス配列を得た。クラスタルX(バージョン1.8)ソフトウェアを使用して、コンセンサス配列を生成するために使用する多重アラインメントを作製した。
世界中で最も一般的な遺伝子型のうちの2つである遺伝子型AまたはCをコードするコンセンサス配列を使用して、HBV表面エンベロープタンパク質のmajor S単体、またはpreS1/S2およびmajor SをコードするDNA構築物を生成した(図52A、図59A~59D)。preS1のアミノ末端ドメインがウイルス結合および侵入を補助し得る一方、preS2のカルボキシル末端が感染力に関与し得るように、完全長HBsまたはmajor S単体をコードする構築物によって誘発される免疫応答における違いを検査した。major Sのみの構築物を小HBs(SHBs)と称し、preS1/S2を含有するプラスミドを大HBs(LHBs)と称した。
HBV遺伝子型Aの一次単離体からのエピトープ配列からコンセンサスHBV表面タンパク質を設計し、結果として生じるコンセンサスタンパク質が、HBV遺伝子型A一次単離体の表面タンパク質との94.2パーセント~99.8パーセントの配列同一性を有するようにした。具体的には、そのようなコンセンサスタンパク質の2つの型を設計した(図4および図52B)。1つは、Sタンパク質を含み、SHBs-Aとも称され、その中の配列番号13は核酸配列であり、配列番号14はアミノ酸配列である。2つ目は、Sタンパク質、pre-S2、およびpre-S1を含み、LHBs-Aとも称され、その中の配列番号9は核酸配列であり、配列番号10はアミノ酸配列である。
また、HBV遺伝子型Cの一次単離体からのエピトープ配列からもコンセンサスHBV表面タンパク質を設計し、結果として生じるコンセンサスタンパク質が、HBV遺伝子型C一次単離体の表面タンパク質との96.5パーセント~99.8パーセントの配列同一性を有するようにした。具体的には、そのようなコンセンサスタンパク質の2つの型を設計した(図4)。1つは、Sタンパク質を含み、SHBs-Cとも称され、その中の配列番号15は核酸配列であり、配列番号16はアミノ酸配列である。2つ目は、Sタンパク質、pre-S2、およびpre-S1を含み、LHBs-Cとも称され、その中の配列番号11は核酸配列であり、配列番号12はアミノ酸配列である。
コンセンサス遺伝子型AまたはC大および小表面抗原コンセンサス配列の生成後、コドン最適化およびRNA最適化を実施した。上記のコンセンサスHBV表面抗原に関して、細胞内タンパク質切断部位をコンセンサスHBV表面抗原に導入し、適切なタンパク質フォールディングおよびより優れた抗原プロセシングを提供した(図3)。コンセンサスHBV表面抗原中のコドン使用頻度をヒト遺伝子のコドンバイアスを反映するように修正した。さらに、内部TATAボックス、反復配列、および構造化配列等のシス作用モチーフである、非常に高い(例えば、80パーセントを超える)または非常に低い(例えば、30パーセント未満)のGC含有量の領域を避けた。Kozak配列をコンセンサスHBV表面抗原に導入し、翻訳開始を増大した。以前に説明されているように(Yan et al.,Vaccine(2008)26:5210-5215)、高効率IgEリーダー配列を開始コドンの上流に追加し、タンパク質発現を強化および増加させた(図3および52Bを参照されたい)。最適化された遺伝子を合成し、配列を検証した。
コンセンサスHBV表面抗原SHBs-A、LHBs-A、SHBs-C、およびLHBs-Cを、発現ベクター中にクローン化し、それぞれ、pSHb A(pSHb-Aとも称される)、pLHb A(pLHb-Aとも称される)、pSHb C(pSHb-Cとも称される)、およびpLHb C(pLHb-Cとも称される)構築物を産生した(図4)。合成された遺伝子型A大および小表面抗原遺伝子を、BamHIおよびXhoI部位で発現ベクターpGX0001中にサブクローン化し、一方、合成された遺伝子型C大および小表面抗原遺伝子を、EcoRIおよびNotI部位でpGX0001中にサブクローン化した。HBcAgプラスミド(pMCore)の生成を実施例1に記載した。
2.多重HBsAg DNAワクチンのインビトロ発現
製造業者のガイドラインに従って、TurboFect(商標)(Thermo Scientific)を使用して、横紋筋肉腫(RD)およびヒト肝癌(Hep G2)細胞株をpLHBs-A、pLHBs-C、pSHBs-A、およびpSHBs-Cでトランスフェクトした。細胞内アッセイのため、細胞を洗浄し、Cytofix/Cytopermキット(BD PharMingen,San Diego,CA)を使用し、それら説明書に従って固定した。固定化に続いて、免疫化されたマウスからの血清またはMouse monoclonal antibody to Hepatitis B Virus Surface(Abcam,Cambridge,MA)で細胞を染色した。次いで、フルオレセインイソチオシアネート複合体化抗マウス二次抗体(BD Biosciences,San Jose,CA)で細胞を染色した。細胞を洗浄し、2%パラホルムアルデヒドで固定した。CellQuestソフトウェア(BD Biosciences)を使用してLSR機器上で染色および固定された細胞を取得し、FlowJoソフトウェア(Tree Star,Ashland,OR)で分析した。
4つの構築物の構築および最適化に続いて、細胞内染色によって各プラスミドのタンパク質発現を確認した。RDまたはHep G2細胞を、個々の構築物で、または対照として空のpGX0001ベクターで一時的にトランスフェクトした。48時間後、抗HBsAgポリクローナルマウス血清または市販のマウスモノクローナル抗体を使用して、細胞を細胞内染色した。フローサイトメトリーを使用して発現を確認した(図52C)。各構築物でトランスフェクトされた細胞において、空のベクター(pGX0001)でトランスフェクトされた細胞よりも上昇したレベルのHBsタンパク質発現が観察された。
実施例3
小型動物モデルにおける個々の合成HBsAg DNAプラスミドの免疫原性
発現研究に続いて、個々のプラスミドの抗原特異的液性および細胞性応答を誘導する能力をインビボで評価した。6~8週齢の雌のBalb/cマウスをJackson Laboratoriesから購入した。国立衛生研究所およびペンシルベニア大学のInstitutional Care and Use Committee(IACUC)ガイドラインに従って、動物を維持した。Balb/cマウスに、15μgの小もしくは大S抗原のいずれかを発現するプラスミドまたはpGX0001対照を用いて、2週間隔で0週目、2週目、および4週目に3回の筋肉内(IM)免疫化を行った。以前に説明されているように(Hirao et al.,Vaccine(2008)26:440-448)、各ワクチン接種の直後に、感染部位への電気穿孔を行った。
免疫化のため、ヌクレアーゼを含まない水(Qiagen,Valencia,CA 91355)を使用して、すべてのDNAを希釈した。免疫化群の各動物は、15μgの適切なプラスミドの合計3回の筋肉内免疫化を受けた。複合研究のため、各動物は、両方の前脛骨筋(TA)に合計45μgのDNAを受けた。免疫化に続いて、CELLECTRA(登録商標)適応定電流電気穿孔装置(Inovio Pharmaceuticals,Blue Bell,PA)を使用してインビボ電気穿孔を行った。筋肉に完全に挿入された26ゲージ固形ステンレス製電極からなる三角形3電極アレイを通して、2つの0.2Amp定電流矩形波パルスを送達した。各パルスは、パルス間に1秒間の遅延を有する52ミリセカンドの長さである。古いDNAワクチンは、有意な抗体応答の生成と一致していないため、最初にワクチン誘導性液性応答を検査した。
1.抗体ELISAアッセイ
ELISAを実施し、標的抗原として組換え完全長HBsAgタンパク質を使用した各免疫化の7日間後、マウスから採取された血清における抗原特異的IgG応答を分析した。高結合ELISAプレート(Costar,Corning,NY)を、1μg/mlのPBS中組換えタンパク質により4℃で24時間被覆し、次に0.1%PBS-Tweenで洗浄し、1%BSAを含有するPBSにより室温で2時間ブロックした。段階的に希釈した血清試料をウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。洗浄後、HRP標識ヤギ抗マウスIgGによって結合IgGを検出した。ペルオキシダーゼ結合抗体を、テトラメチルベンジジン(Sigma-Aldrich)を基質として使用して検出し、450nmでのOD値を、Multiscan ELISA Plate Readerで測定した。
遺伝子型のいずれかからのpLHBsおよびpSHBsの両方が、高度免疫原性であった。さらなる免疫化は、これらの応答を抗体応答で引き上げ、第3の免疫化の2週間後、最大の増強を示した(図53A)。対照的に、pGX0001対照で免疫化されたマウスは、バックグラウンドレベルのIgG応答のみを呈した。各群においてIgG応答の規模における多少の差異が観察されたが、各免疫化後の漸進的な増強は、群内で一致した。
2.IFN-γ ELISPOT
pLHBs-A、pLHBs-C、pSHBs-A、およびpSHBs-C構築物の細胞免疫応答を誘導する能力をIFN-γ ELISPOTによって検査した。Genescript(Piscataway,NJ)によって、HepBコンセンサスコア、表面抗原A、および表面抗原C 15-merペプチドのマッチングを合成し、DMSO中で再懸濁し、各ペプチドに対して約1mg/mLの最終濃度でプールした。製造会社の説明書に従って、IFN-γ ELISpot(MabTech,Sweden)を使用して、細胞性応答を測定した。R10(10%熱失活ウシ胎仔血清を有するL-グルタミンおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI 1640)ならびにPMA/IM(PMA 0.1μg/mLおよびイオノマイシン0.5μg/mL、Sigma Aldrich,St.Louis,MO)対照を用いて、試料を3通りに走らせた。
コンセンサス大HBV表面タンパク質から発達させた合成ペプチドの2つのプールに応じて、HBsAg特異的IFN-γ分泌細胞を分析した。第1のペプチドプールは、preS1およびpreS2タンパク質にまたがるペプチドを含有し、一方第2のペプチドプールは、major Sタンパク質にまたがるペプチドから作製された。全4つのコンセンサス構築物は、強いT細胞応答を誘導することができ、2つの遺伝子型図53Bにおいて交差免疫反応性が観察された。まとめると、preSタンパク質は、major Sタンパク質とほぼ同じ大きさであるが、major Sタンパク質に対する細胞媒介性免疫(CMI)応答においてエピトープバイアスが存在した。これらの結果は、HBV表面抗原の完全長またはmajor S部分のみのいずれかをコードする合成DNA免疫原が、HBVの主要な遺伝子型を標的とするのに十分多種多様な免疫原性を呈することを示す。完全長構築物は、HBV天然タンパク質に対するIgGの誘導において、より短い構築物よりも有意な差異を示さなかった。
3.HBV表面抗原(15-mer)ペプチドマッピング
CMIの規模の確認後、遺伝子型特異的標的に対する細胞性応答の広がりを調査した。そのため、種々のマトリックスペプチドプールに対してインターフェロン-γ ELISpotアッセイのセットを実施した。GenScript(Piscataway,NJ)によって、それぞれが8個のアミノ酸が重複する15個のアミノ酸残基を含有するLBHs-AまたはLHBs-Cタンパク質のいずれかにまたがる2セットのペプチドを合成した。免疫優性エピトープをマッピングするために、2セットのペプチドを、それぞれ大または小HBsAg群に対して16または12プールのいずれかにプールした。上に記載されるように、IFN-γ ELISpotアッセイを実施した。これらの異なるセットのプールされたペプチドをマトリックスアッセイにおいて使用して、各構築物のエピトープをマッピングした。細胞百万個当たり50SFUを超える応答が陽性であると見なされた。
これらのデータは、BALB/cマウスにおいてこれらの合成表面抗原プラスミドによって多種多様なエピトープ応答が誘導されたことを例証する。pLHBs-Aで免疫化されたマウスにおいて、16のうち12の陽性LHBs-Aマトリックスプールが、およびpLHBs-Cで免疫化されたマウスにおいて16のうち8つの陽性LHBs-Cマトリックスプールが観察された。小HBSプラスミドは、12のSHBs-Aマトリックスペプチドプールのうち9つが対応するpSHBs-Aで免疫化されたマウスにおいてより高い倍数の応答を示した一方で、pSHBs-Cで免疫化されたマウスは、すべてのSHBs-Cマトリックスプールに対して応答を呈した(図53C)。これらのデータは、これら4つのHBs構築物によって誘導される高度で広範な交差反応性細胞性応答を示す。結果として、これらの遺伝子型特異的コンセンサスワクチンは、これらの遺伝子型にわたって最大8%異なる、種々の一次表面抗原単離体に対する交差反応性細胞性応答を誘導することができる可能性がある。
実施例4
ワクチン接種されたマウスの肝臓および脾臓においてみられる細胞傷害性アッセイおよび抗原特異的CTL
抗ウイルス性エフェクターCD8 T細胞は、HBVに感染した肝細胞を排除するための細胞活性であるである細胞傷害性を誘導することができる。免疫化されたマウスの肝臓に戻ることもできるHBs特異的CTLを末梢において生成する構築物の能力を、インビボ細胞傷害性アッセイを使用して評価した。未処置マウスからの脾細胞を、1μM(高)または1nM(低)CFDA SE(Invitrogen,Grand Island,NY,USA)のいずれで染色した。次いで、標識脾細胞を指示されるペプチド(関連性のあるペプチドまたは関連性のないペプチド)(1μM)で被覆し、各集団の107細胞を未処置または免疫化されたマウスに静脈内注射した。90時間後、血液、脾臓、または肝臓から細胞を単離し、フローサイトメトリーで分析した。死滅パーセントを以下のように計算した:100-([(感染したもののうちパルスされた関連性のあるペプチド%/感染したもののうちパルスされた関連性のないペプチド%)/(感染していないパルスされたペプチド%/感染していないパルスされた関連性のないペプチド%)]×100)。
HBV特異的CTLの肝臓への転移は、感染した細胞の肝臓内排除に必須である。HBsAg合成ペプチドでパルスされた養子移植された標的脾細胞の抗原特異的排除が観察された。SHBs構築物で免疫化されたマウスの脾臓における標的細胞の平均死滅パーセントは、それぞれ、遺伝子型AおよびCに対して39%および48%であった。LHBs構築物の平均標的細胞排除は、遺伝子型Aに対して35%であり、遺伝子型Cに対して51%であった。クリアランスは強力であったが、それぞれ、脾臓および肝臓において83%および76%標的クリアランスが記録された実施例1において記載されるように、コアAgプラスミド単体で免疫化したマウスにおいて観察された応答ほど強力ではなかった。CTLの、HBsに対して生成されるものが肝臓における抗原クリアランスを標的とすることができるという実証は、HBsおよびHBcの組み合わせを補助し、細胞能力をさらに拡大し、逃避を制限することを促す。肝臓における標的細胞の排除パーセントは、SHBs-AおよびSHBs-Cに対して45%および66%であり、LHBs-AおよびLHBs-C群において60%および74%であった(図54)。肝臓へのワクチン特異的CTLの輸送があるため、T細胞応答を抑制し、耐性を誘導することが知られる臓器は、機能的CMIの誘導における構築物の有効性を強調する。
実施例5
HBsAg-HBcAg DNAカクテルの免疫原性
各合成HBsAgプラスミドでの免疫化が広範囲の交差反応性免疫応答を誘発したため、表面抗原を超えて応答を拡張し、ウイルス内の多種多様な抗原に対する免疫原性をさらに強化した。HBcAg(pMCore)をコードするプラスミドとHBsプラスミドを組み合わせて、免疫化のためのHBs-HBc DNAワクチンカクテルを作製し、HBVのコア抗原がHBcAg特異的CTL応答の誘導を通してウイルス性クリアランスに関与するため、T細胞が排除を認識する免疫エピトープの数の上昇によって、そのカクテルが細胞性応答を強化するかどうかを決定した。
マウスの5つの群を、HBsのみの抗原またはHBsおよびHBcを組み合わせた抗原のワクチンカクテルで免疫化した。各マウスは、2回の注射に続いて、両方のTAに電気穿孔を受けた。表面抗原(両方の遺伝子型)のみを含有するカクテル、または実施例1に記載される表面抗原およびコンセンサスコア抗原プラスミド(pMCore)の両方を含有するカクテルのいずれかで、マウスを免疫化した(表3を参照されたい)。HBsAgのみで免疫化されたマウスは、それらの血清において高IgG力価を生成した。興味深いことに、SHBs-pMCore群において同様の力価が見られたが、LHBs-pMCoreカクテル群においてはより脆弱であった(図55A)。抗原標的における上昇は、いくつかの抗体阻害を引き起こし得る。
HBs-HBcで免疫化されたマウスによって誘発される免疫応答をさらに探究するために、各免疫化群からのIFN-γの産生を評価した。pMCoreを有しない群に対する脾細胞百万個当たりの平均SFUは、約689であり、それぞれ遺伝子型Aペプチドに対して666、ならびに遺伝子型Cペプチドに対して1160および1312であった。その上、平均的なpMCoreの追加は、脾細胞百万個当たりの合計SFUを遺伝子型Cに対して400スポット増加し、遺伝子型Aペプチドで脾細胞が刺激された際、応答を倍増した(図55B)。
CD8 T細胞は、HBVクリアランスに関与する主要なエフェクター細胞であることが既知である。どのT細胞型が観察されたIFN-γ産生に関与するのかを決定し、これらのT細胞が、TNF-αおよびIL-2、ならびにCD107a等の脱顆粒マーカー等の他の抗ウイルス性サイトカインを放出することによる再遭遇に応じて、複数の抗ウイルス性機能を誘導できるかどうかを検査することが重要である。適切なペプチドによるエクスビボでの刺激後、免疫化されたマウスからのCD8 T細胞の、これらのサイトカインおよびマーカーを誘導する能力を評価した。多色フロー分析は、すべての群において、各群からの有意な割合のCD8 T細胞が、多機能性(すなわち、複数のサイトカインを産生した)活性化CD8 T細胞であったことを明らかにした(図56A~F)。これらのCD8 T細胞においてリンパ球脱顆粒マーカーであるCD107aの抗原特異的誘導もまた観察された。HBs-HBcカクテル群からのCD8 T細胞は、表面抗原ペプチドで刺激された際、より高い多機能性活性を示し、IFN-γ、TNF-α、およびIL-2、ならびに脱顆粒マーカーCD107aのようなCD8 T細胞抗ウイルス性サイトカインの相乗効果を確認した。移植された抗原パルス細胞からのクリアランスを通したCTLの誘導もまた、観察された。LHBs構築物を含むカクテルに関して、HBsに対する抗体応答における減少があったが、SHBs-pMCoreワクチンカクテルは、SHBsでのみ免疫化された動物において検出された液性応答を維持した。
実施例6
カクテルでのアカゲザルの免疫化は、強い細胞性HBc特異的およびHBs特異的免疫応答ならびに液性HBs特異的免疫応答を誘導する
前のDNA構築物のDNAワクチン効力は、大型動物およびヒトにおいて一貫して弱い。マウスにおいて、pLHBsまたはpSHBsおよびpMCoreの組み合わせによって触発される強い抗体およびT細胞応答は、より似たヒト免疫応答を模倣する非ヒト霊長類モデル(NHP)におけるこれらの構築物の免疫原性の評価に先んじる。NHPの大きなサイズおよび異系交配MHC集団は、マウスモデルと比較して、典型的に、減少された、または存在しない免疫原性をもたらすため、これはワクチン免疫原性の障害である。これらの研究において、IL-12、Th1-駆動型サイトカインを追加して、分析した。IL-12は、種々の病原体からの異なる抗原に対する免疫応答を強化するためにアジュバントとして免疫化に追加された際、CD8 T細胞を刺激し、その拡大を補助することによってCMIを駆動することを示している。このアジュバントは、マウスにおいて、ならびにマカクおよびヒトにおいてDNAワクチンのT細胞応答を上昇する。
1.ワクチン接種
American Association for Accreditation of Laboratory Animal Careの基準に従って、15匹のインドアカゲザルをBioqual(Rockville,MD)に収容した。アカゲザルを、各群が5匹のサルを含むように群に配置した。表4を参照されたい。
1つの群に、筋肉内(IM)送達(インビボ電気穿孔としても既知である)を介して、構築物pMCore、pSHb A、およびpSHb Cのそれぞれを1.0mg含むワクチンを投与した。この群は、「小」群と称される。第2の群に、IM送達を介して、構築物pMCore、pLHb A、およびpLHb Cのそれぞれを1.0mg含むワクチンを投与した。この群は、「長」群と称される。第3の群に、IM送達を介して、構築物pMCore、pLHb A、およびpLHb Cのそれぞれを1.0mg、ならびに0.4mgのprhIL-12(最適化されたアカゲザルIL-12を発現したプラスミド)を含むワクチンを投与した。この群は、「長+IL-12」または「pLHBs+12」群と称される。構築物prhIL-12は、アカゲザルIL-12タンパク質をコードする。四頭筋の単一部位にDNAを送達し、続いて、0.5A定電流、52msパルス長およびパルス間に1秒間の間隔で、3パルスを有する定電流CELLECTRA(登録商標)装置(Inovio Pharmaceuticals、Blue Bell、PA)を用いてインビボEPを行った。0、4、12、および30週目に、動物にワクチン接種した。
2.試料採取
0週目の免疫化の前、またならびに各免疫化後(すなわち、0、4、および12週目の後)にも、サルから試料を収集した。各免疫化の2週間後に動物を採血した。EDTA管に血液(各時点で20mL)を採取し、Accuspin管(Sigma-Aldrich)を用いる標準的なFicoll-Hypaque手順を使用して、PBMCを単離した。さらに5mLの血液をクロット管に採取し、分析用に血清の一部を取り出した。
pSHBs/pMCoreでの2回の免疫化後、HBsAgに対する高力価抗体応答が観察されたが、pLHBs/pMCoreでの免疫化後は観察されなかった。この応答は、図55Aのマウス抗体データと一致した。pLHBs/pMCoreに対する応答は、第3の免疫化後引き上げられた。IL-12アジュバントは、早ければ2回の免疫化の直後に、pLHBs/pMCoreカクテル免疫化の抗体価を増強した(図57A)。
PBMCからの細胞免疫応答は、第1の免疫化後、HBsまたはHBc特異的応答をほとんど、または全く示さない。しかしながら、第2の免疫化後に応答が観察され、その後のそれぞれの免疫化後、引き上げられた。第3の免疫化後、すべての群においてPBMC百万個当たり2000SFUを超える強い応答が観察され、大部分はコア抗原に対して標的化していた。IL-12アジュバントの追加は、pLHBs/pMCoreカクテル単体と比較して、T細胞応答の規模をPBMC百万個当たり1000SFUで増強した(図57B)。細胞性応答の広がりをさらに明確にするために、コンセンサスコアペプチドのマトリックスプールを作製し、可能性のあるエピトープの数を決定した。T細胞応答は、複数のペプチドプールにわたっており、12個のペプチドエピトープに対する平均応答を有した(図57C)。これらの応答は、小型動物モデルにおいてこれまでに見られたものと一致する。これらの結果は、カクテルが強固な規模および広がりの両方を有する細胞性応答を誘導することができ、これらの応答の規模が、IL-12の追加によってさらに強化され得ることをここで示唆する。
図45~48は、小、長、および長+IL-12群に投与されるワクチンによって誘導された細胞免疫応答を示す。実施例1に上で詳述されるように、酵素結合免疫吸着スポット(ELISPOT)アッセイを利用して、細胞免疫応答を決定した。図45~48に示されるように、T細胞応答は、各ワクチン接種によって引き上げられた。しかしながら、HBVコア抗原は、HBV表面抗原AおよびHBV表面抗原Cよりも免疫原性であった。またデータは、より長いコンセンサスHBV表面抗原(すなわち、Sタンパク質、pre-S2、およびpre-S1を含む)が、より小さいコンセンサスHBV表面抗原(すなわち、Sタンパク質を含む)と同じ程度に免疫原性であることも示す。
図45~48と同様に、図49は、ELISPOTアッセイによって測定された、小、長、および長+IL-12群に投与されたワクチンによって誘導された細胞免疫応答を示すが、しかしながら、コア抗原、表面抗原A、および表面抗原Cを被覆するペプチドの異なるプールを検査した。この場合もやはり、T細胞応答は、各ワクチン接種によって引き上げられ、IL-12の追加は細胞免疫応答を強化し、長いおよび短いコンセンサスHBV表面抗原は、同様に免疫原性であった。
図50は、小、長、および長+IL-12群に対する抗HBV抗体応答を比較するELISAデータを示す。ELISAは、実施例1において上で詳述されるように、実施した。免疫化されたサルから採取した血清における抗原特異的液性応答を観察した。具体的には、長いコンセンサス表面抗原(すなわち、Sタンパク質、pre-S2、およびpre-S1)を含むワクチンは、より優れた抗体応答を有し、それは、ワクチン中に存在する追加のエピトープによるものであり得る。
図51は、免疫化の前(prevac)ならびに免疫化後0週目、4週目、および12週目(すなわち、それぞれ、1回目の後、2回目の後、および3回目の後)の長+IL-12群に対する抗HBV抗体応答を比較するELISAデータを示す。ELISAを、実施例1において上に記載されるように実施した。図51のデータは、2回の免疫化または投薬が、測定可能な抗体産生に必要であることを示した。さらに、第3の免疫化または投薬後、抗HBV抗体応答における著しい上昇が観察された。
実施例7
実施例5におけるマウスを用いた実験と同様に、脾細胞、すなわち、CD8およびCD4 T-細胞を実施例6の免疫化されたアカゲザルから単離し、コンセンサスコアおよびコンセンサス表面抗原の組み合わせの投与に応じてINF-γおよびTNF-α分泌のレベルを検査した。これらのCD8およびCD4 T細胞からの腫瘍壊死因子、インターフェロンγ、およびCD107aの分泌を検査するために、CD8およびCD4 T細胞を多機能性および表現型フロー分析を用いて研究し、実施例6の免疫化されたサルのCD8およびCD4 T細胞が、実施例1において研究されたマウスCD8およびCD4 T細胞と同様の特徴を有するかどうかを決定した。
細胞免疫応答の機能をさらに明確にするために、遺伝子型AおよびCのコアおよび表面抗原での刺激に続いて、抗ウイルス性サイトカインに対する細胞内染色を実施した。抗ウイルス性サイトカインに対する抗体での細胞内染色は、免疫化されたサルのCD4およびCD8 T細胞の両方において、抗ウイルス性サイトカイン(IFN-γ、TNF-α、およびIL-2)の抗原特異的産生が誘導されたことを明らかにした。図57Dは、3回の免疫化に続いて、HBV特異的CD4およびCD8 T細胞応答の両方が観察されたことを示す。IFN-γ ELISpotにおいて見られる結果と同様に、コア抗原に対する応答が優勢であった。IL-12の追加は、応答の全体的な規模を増強したが、しかしながら、予想通りに、この効果は、CD8 T細胞に対してより明白であった。平均1%であるCD4およびCD8応答の両方の誘導は、Th1およびTh2免疫の両方を成す広範囲の免疫応答の誘導を示唆し、ヒト試験におけるこの戦略の進歩を強く後押しする。
HBsおよびHBc抗原の両方に対する抗体およびT細胞応答は、実施例5におけるマウスによって生成された結果と類似していた。これらの応答は、Th1極性化サイトカインアジュバントであるIL-12をpLHBs-pMCoreカクテルに追加した場合、より一層優れていた。pLHBs-pMCore+IL-12製剤は、好ましい組み合わせとして極めて有効であったように思われる。ワクチンを含まない製剤が、肝臓損傷に関連するパラメーターの上昇をもたらしたことは注目に値する。
実施例8
肝臓血液化学パネルを使用した、ワクチン接種後の非ヒト霊長類における肝臓機能の分析
能動的にHBVに感染した患者の臨床研究が、疾患中において、T細胞応答が肝臓病態に関連し得る可能性を示唆しているため、肝臓機能に対するこれらの多価のワクチンの全体的な安全性の予備分析を実施した。肝臓機能を検査するために、免疫化の前、第3のワクチン接種後、ならびに第4のワクチン接種の直前および第4のワクチン接種後のワクチン接種された動物において、アルカリフォスファターゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、および総ビリルビンの血清レベルを分析した。血液化学パネルは、IDEXX Laboratoriesによって実行し、アルカリフォスファターゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、および総ビリルビンを含んだ。この分析の結果を図58に示す。免疫化期間の完了前、その間、および後の肝臓機能試験におけるアルカリフォスファターゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、および総ビリルビンの上昇がないことは、HBV特異的免疫応答の誘導が、ワクチン接種された動物の肝臓に対する著しい損傷を誘導しなかったことを示唆した。
まとめると、データは、特定の電気穿孔と組み合わせて設計されたHBV抗原をコードするこの合成DNAワクチンカクテルの投与が、マウスおよびNHPの両方において、全体的な毒性を回避しながら、強く多種多様な細胞性応答および液性応答を駆動することを支持する。
前述の詳細な説明および付随する実施例は、単なる例示に過ぎず、添付の特許請求の範囲およびその同等物によってのみ定義される本発明の範囲に対する制限としては扱われないことが理解される。
開示される実施形態に対する種々の変更および修正が、当業者には明らかであろう。限定することなく、化学構造、置換体、誘導体、中間体、合成物、組成物、製剤、または本発明の使用方法に関するものを含む、そのような変更および修正が、それらの趣旨と範囲から逸脱することなく、行われ得る。