JP7049295B2 - 紫外線照射を放出する装置 - Google Patents

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Description

本出願は、紫外(UV)光又は紫外線を放出するためのデバイス及び方法に関する。より具体的には、UV光又はUV線を照射エリア全体に放出し、表面及び周囲エリアを殺菌消毒するデバイス及び方法に関する。
表面の消毒及び殺菌に対する持続的なニーズに伴い、UV光は、化学薬品及び殺菌剤の効果的な代替物になることが分かってきた。多くの化学薬品又は殺菌剤は、効力を失い、化学薬品又は殺菌剤に反応しない「スーパーバグ」を最終的にもたらすことが分かってきている。このような化学薬品又は殺菌剤とは異なり、UV光は、微生物を殺し、その再生能力を破壊するので、微生物ソース及び非微生物ソース(例えば、卵、化学物質)を消毒することに対して非常に有効である。残念ながら、現行のUVデバイスは、その効力、透過長、及び/又は、放出スペクトルの何れかにおいて限界を有する。現行のデバイスは、透過長が限定的である。したがって、現行のデバイスは、作動中、頻繁な再配置はもちろんのこと、UVエネルギーを集束し、且つ、伝達するための1若しくは複数の光学フィルタ、保護ケーシング及び/又はガイドを必要とする。このようなデバイスは、数ミリメートル、数インチ、更には数フィート等の短距離透過には使える場合があるが、全UV波長スペクトルを長い距離に亘って(特に、数フィートを超える距離で)、暴露の隙間をほとんど、又は、全く作らずに照射することはできない。
よって、依然として、微生物ソース及び非微生物ソースの双方に対する幅広いスペクトル保護を必要とする広範なエリアに亘る効果的な消毒及び殺菌が必要とされている。
機能デバイス又は装飾用デバイスが開示される。機能デバイス又は装飾用デバイスは、UV光を広範なエリアに亘り、且つ、長い距離に亘って透過させ、微生物、他の病原体及び非微生物ソースを不活性化する。この結果、デバイスの周囲エリアは、殺菌消毒される。各デバイスは、可変的又は動的な論理プロセスによって起動される。可変的又は動的な論理プロセスは、各デバイスの起動を制御する。この結果、デバイスによって検出可能な1若しくは複数のオブジェクトが不存在のとき、或いは、対象のオブジェクトが存在するときにのみ、各デバイスの起動は、自動的に行われる。
1若しくは複数の実施形態において、紫外線を投射するためのデバイスが開示される。デバイスは、紫外光を約10ナノメートルから400ナノメートルまでの波長範囲で放出する少なくとも1つの紫外線発光源と、紫外光透過材料で形成されるレンズと、を含む。少なくとも1つの紫外線発光源は、レンズ内に埋め込まれる。レンズは、機能的形状に形成され、且つ、少なくとも1つの紫外線発光源から放出される紫外光をフィルタ処理しない。少なくとも1つの紫外線発光源は、紫外光透過材料に永続的に埋め込まれる。紫外光透過材料は、装飾的形状を有してもよい。紫外光透過材料は、少なくとも1つの紫外線発光源から放出される紫外光をさほどフィルタ処理せず、又は、屈折させない。紫外光透過材料は、紫外光を、18フィートまでの距離に亘って伝播してもよい。レンズは、機能的要素の形状に形成される。機能的要素は、便座、ドアハードウェア、取手、幅木(フロアモールディング)及び廻り縁(クラウンモールディング)を含む。なお、機能的要素は、これらに限定されない。デバイスは、シールドを更に備えてもよい。デバイスは、放熱のための熱交換器を更に備えてもよく、又は、熱交換器と連結されてもよい。デバイスは、可変的な論理プロセスによって制御されてもよい。デバイスは、オブジェクトの存在を検出するためのセンサと、センサの起動に応じて、少なくとも1つの紫外線発光源の動作を停止させるコントローラと、を更に備えてもよい。センサは、動き検出器、赤外線検出器、マイクロ波ドプラ検出器、音声検出器、振動検出器、近接検出器、熱検出器、化学物質検出器、圧力検出器、レーザ検出器、磁気検出器及びロードセルのうち1若しくはそれ以上を含んでもよい。
紫外線を照射するデバイスが開示される。デバイスは、レンズであり、約10ナノメートルから400ナノメートルまでの範囲で紫外光を放出する。デバイスは、紫外光を透過し、且つ、標的へ紫外光を伝播する材料から形成される。1又は複数の実施形態において、デバイスは、紫外光を標的上にのみ集束することができる。デバイスは、可変的な論理プロセスによって起動されてもよい。可変的な論理プロセスは、検出用に選択された範囲内で対象のオブジェクトを検出すると、デバイスの起動を許容する。デバイスは、検出器と動作可能に通信状態にある。更なる実施形態は、制御モジュールと、電源と、を備える。
加えて、紫外光透過材料を介して紫外線を投射することにより、殺菌保護を提供するための方法が開示される。紫外光透過材料は、紫外線をフィルタ処理しないレンズを形成する。紫外線は、レンズに埋め込まれる少なくとも1つの紫外線発光源によって生成される。レンズは、機能的形状に形成される。方法は、オブジェクトを検出するための検出器を準備する段階と、検出器の動作がないことに応じて、少なくとも1つの紫外線発光源により生成される紫外線放射サイクルを起動する段階と、検出器の動作に応じて、少なくとも1つの紫外線発光源により生成される紫外線放射サイクルを停止する段階と、を含む。方法は、紫外線放射サイクルを停止した後に検出器が停止していることに応じて、第2の紫外線放射サイクルを起動してもよい。方法は、検出器の作動に応じて、検出器の動作に対する応答時間を示す識別子をメモリに格納してもよい。方法は、検出器の作動に対するこの応答を、少なくとも1つの紫外線発光源により生成される将来の紫外線放射サイクルに反復して適用してもよい。識別子は、後日の所定の時間における次のサイクルに自動的に影響するように、次のサイクルに適用されてもよい。方法は、適正な機能的能力を保証するように、デバイスの完全性を検証してもよい。この結果、不具合が発見されるならば、デバイスは、起動しない。
デバイスから紫外線を照射する方法が説明される。紫外線は、デバイスのレンズを形成する紫外光透過材料を通じて照射される。レンズは、紫外線をフィルタ処理しない。紫外線は、少なくとも1つの紫外線発光源によって生成される。紫外線発光源は、紫外光透過材料内に配置され、選択されたオブジェクトへ紫外光を、デバイスを超えて出射する。方法は、デバイスに、プロセッサからの論理ベースアルゴリズムを実行する制御モジュールを提供する段階と、制御モジュールを検出器に動作可能に連結する段階と、制御モジュールを一定の時間期間に亘って実行し、検出器の動作を判定する段階と、論理ベースアルゴリズムが検出器の動作に関連づけられるデータを取得できるようにする段階と、検出器の動作に基づいて、紫外光を伝播する段階と、を含む。デバイスは、電源によって動作可能である。デバイスの検出器は、オブジェクトに感応してもよい。紫外線は、オブジェクトへ向かって投射される。
追加的な実施形態では、デバイスを通じて、紫外線を照射することによって、殺菌保護を提供する方法が説明される。デバイスは、紫外線をさほどフィルタ処理又は屈折させないレンズを形成する紫外光透過材料を備える。紫外線は、レンズに埋め込まれた少なくとも1つの紫外線発光源により生成される。レンズは、機能的形状に形成される。方法は、デバイスに、プロセッサからの論理ベースアルゴリズムを実行する制御モジュールを提供する段階と、制御モジュールを検出器に動作可能に連結する段階と、制御モジュールを一定の時間期間に亘って実行し、検出器の動作を判定する段階と、論理ベースアルゴリズムが検出器の動作及び検出器が動作していないことに関連づけられるデータを取得できるようにする段階と、検出器が動作していないことに関連づけられるデータに基づいて、紫外光を伝播する段階と、を含む。
図面を参照して、様々な実施形態をより詳細に説明する。
本書において説明される代表的なデバイスの平面図である。 図1の線2?2に沿う断面図である。 図1のデバイスの側面図であり、デバイスは、カバー又はシールドを更に備える。 図3のデバイスの部分平面図である。 本書において説明される別の代表的なデバイスの正面図である。 本書において説明されるデバイスとともに動作することに適した代表的なUV発光源又はUV発光パッケージを示す。 本書において説明されるデバイスとともに動作することに適した代表的なUV発光源又はUV発光パッケージを示す。 本書において説明されるデバイスとともに動作することに適した代表的なUV発光源又はUV発光パッケージを示す。 本書において説明されるデバイスとともに動作することに適した代表的なUV発光源又はUV発光パッケージを示す。 本書において説明されるデバイスとともに動作することに適した代表的なUV発光源又はUV発光パッケージを示す。 本書において説明されるデバイスとともに動作することに適した代表的なUV発光源又はUV発光パッケージを示す。 本書において説明される論理プロセスを示す。 本書において説明されるデバイスの代表的なブロック図である。 本書において説明される別の代表的な論理プロセスの代表的なフローチャートである。 本書において説明される更に別の代表的な論理プロセスの代表的なフローチャートである。 本書において説明されるデバイスが起動する前のカビ及び菌類が付着した排水溝を示す。 本書において説明されるデバイスが起動した後のカビ及び菌類のない図11の排水溝を示す。
以下、様々な実施形態を用いて、詳細が説明される。多くの発明概念が広く具現化されるように、以下に説明がなされている。本書において説明される実施形態は、単に代表例であって、発明の範囲を限定するものではない。
図1乃至図4に示される実施形態では、代表的なデバイス2が、便座25の形式で示されている。図1乃至図4に示されている実施形態において、デバイス2は、複数の紫外線(UV)発光源又は発光パッケージ1を含む。複数の紫外線(UV)発光源又は発光パッケージ1は、便座25内に配置又は埋設され、UV線又はUV光を発して外側へ投射する。この結果、複数の紫外線(UV)発光源又は発光パッケージ1は、デバイス2の表面及びその周囲エリアを消毒、殺菌及び/又は除染する。図示され、且つ、本書において説明される如く、デバイス2は、UV光透過材料で形成される。UV光透過材料は、UV発光源1を支持するだけでなく、UV発光源1により放出される光子を集束もする。デバイス2は、便座25の形状に形成されているが、UV光透過材料が、多くの種類の所望される機能的又は装飾的形状に形成され得ることは、理解されるべきである。たとえば、UV光透過材料は、ドアハードウェア(取手、プッシュプレート、プッシュバー、ノブ、他)、給水栓、シンク、額縁、廻り縁、電話、照明器具、シャワーブース、バスタブ、食洗機ライナ、洗濯乾燥機タブ、手すり、ハンドル、ケース及びエンクロージャ、家具、玩具、電子装置又は他のあらゆるタイプのデバイス又はオブジェクトに形成されてもよい。デバイス2の機能的又は装飾的形状、特に、UV光透過材料の形状を形成する方法は、当技術分野で周知である。したがって、UV光透過材料の形状を形成する方法は、射出成形、熱処理、真空又は冷間成形、レーザ又は水処理、押出、3D印刷などを含んでもよい。適切な材料の選択に当たっては、所望される使用場所に置かれる場合に必要な強度、耐久性、可撓性及び熱特性等の要素が考慮される。
UV発光源1をUV光透過材料に埋め込むことにより、光の劣化は、ほとんど生じない。したがって、UV光の閉塞又は偶発的な方向変化は生じない。入射角の変化も極めて少ない。この結果、デバイスは、非常に長い距離に光を投射することができる。UV光透過材料は、好ましくは、屈折及び光子偏向を最小限に抑える材料である。UV光透過材料は、光子の広範囲且つ非常に長い距離に亘る投射を可能にする。結果的に、デバイス2は、典型的なUV光エミッタよりも長いUV光照射範囲を有する改良されたUV光エミッタである。ここで使用されるUV光透過材料は、装飾的に成形される場合、デバイス2に装飾上の目的を与えると同時に、広範な照射エリアに亘って病原菌及び微生物に対する衛生作用、消毒作用及び殺菌動作も提供する。同様に、UV光透過材料は、機能的に成形される場合、デバイス2に機能上の目的を与えると同時に、広範な照射エリアに亘って病原菌及び微生物に対する衛生作用、消毒作用及び殺菌活動も提供する。UV光透過材料を選択することにより、多くの実施形態において、UV光透過材料の使用中の劣化は、ほとんど生じないか、ごく僅かとなる。
本書に開示される実施形態において、UV光線を透過する任意のUV光透過材料が使用されてもよい。概して炭素、フッ素及び/又は水素原子を含有する化学的に単純なもの(例えば、フルオロポリマ)等の透明プラスチックがUV光透過材料として例示されるが、この限りではない。加えて、アクリレート、ポリアクリレート(例えば、ポリメタクリル酸メチル)、環状オレフィン共重合体、ポリイミド石英、ポリエーテルイミド、非晶質ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンからなる群から選択された他の透明プラスチックがUV光透過材料として好適である。これらの材料は、UV光に対して容認できる透過性を与えるように修正する場合にも好適である。材料は、さらに、耐熱用に選択されてもよいが、材料は、全体として、UV透過をブロックする添加剤を含まない。材料は、機能目的で使用される場合、強度及び耐久性又は他の機械的特徴に合わせて適切に選択されてもよい。他の例示的なUV光透過材料には、ケイ酸塩(石英ガラス、水晶)、サファイア及びフッ化マグネシウムが含まれるが、この限りではない。多くのプラスチック材料の透過率は、その厚さに依存し得ることから、実施形態によっては、UV光の透過性を高めるために、より薄い材料の方が好まれる場合がある。より厚い材料が望まれる場合、UV光透過材料内に配置される、又は、埋め込まれる1若しくは複数のUV発光源は、UV発光源1の頂面近くに光透過材料がほとんどないように、又は、その薄層しかないように配置されてもよく、埋め込まれてもよい。
UV光透過材料内への永続的な配置又は埋込みは、UV発光源1を、環境因子、損傷及びいたずらからも保護する。UV光透過材料内への少なくとも1つのUV発光源1の永続的な埋込みは、デバイス2がそのエネルギーの100%近く、又は、そのほぼ100%を保持し、且つ、送出することを可能にする。この結果、光出力は、高められる。UV光透過材料は、ある意味で、UV発光源1のための単一のレンズとして機能するように形成されてもよい。したがって、UV光透過材料は、UV光を、(UV光透過材料のみを透過する場合の)最小の屈折率差に起因して、非常に長い距離に亘って分散させるだけでなく、単一レンズは、レンズ全体に光子エネルギーを分散させることができる。この結果、UV光伝播は、意図的に位置合わせされたシールド、反射器又は吸収体のない状態で、UV発光源1から360度、すなわち、全方向性となる。このことは、既存のデバイスを凌ぐ著しい改良である。
図1、図3及び図4に示されるような1若しくは複数の実施形態において、デバイス2による照射エリアは、便座25の成形された周面全体に亘って均一である。光は、デバイス表面から全方向的に発せられ、且つ、投射される。このパターンは、非常に有益である。このパターンは、このようなデバイスの表面を出る前にUV光を劣化させ、かつ、狭く限定的なUV光スペクトルしか提供しない場合が多い既存のデバイスを凌ぐ著しい改良をもたらす。本書において説明されるデバイスから送られるUV光の効力は、他の既存デバイスと比べて大きな改善をもたらす。なぜなら、デバイスの周囲の大きな作動半径内の任意のオブジェクトへ伝達されるUV光が累積的され、多量に存在するからである。デバイスは、オブジェクト上の病原菌及び微生物を効果的に殺すことができる。より多い累積量のUV光は、UV光暴露の持続時間が、より低いUV光出力を有する比較例のデバイスに必要とされる持続時間よりも短縮され得ることも意味する。加えて、デバイス2の全方向性の能力は、オブジェクト及びその周囲エリアを十分に消毒、殺菌、又は、除染するためのデバイスの移動又は再配置が不要であることを意味する。
図1乃至図4に具体的に示される如く、UV発光源1は、デバイス2の側面近くで位置決めされる(即ち、便座25に埋め込まれる)。上述の如く、便座25は、作動中において、複数のUV発光源1のための単一レンズとして作用する。幾つかの実施形態によれば、便座25は、カバー又はシールド30を更に含む。カバー又はシールド30は、迅速な取付けができるように、締結具11及び止めナット10(又は、締結に適する他の任意の手段)で便器(図示せず)へねじ止めされてもよい(例えば、図3を参照)。図1、図3及び図4に示される実施形態において、便座25は、便座25を囲んで周状に間隔を置いて配置される8個の発光源1を含むが、便座25には、これより多い、又は、少ない数のUV発光源1が組み込まれてもよいことは理解されるべきである。例えば、実施形態によっては、単一のUV発光源1のみが利用されてもよい。他の実施形態では、より多数のUV発光源1が利用され、且つ、便座25内のあらゆる場所で位置決めされてもよい。更なる実施形態において、1若しくは複数のUV発光源1は、カバー又はシールド30上で位置決めされてもよい。UV発光源1の位置は、デバイス2が据え付けられる環境に依存してもよい。たとえば、デバイス2が、壁へ取り付けられるならば、UV発光源1は、デバイス2の正面表面にのみ必要である場合がある。具体的には、図3を参照すると、カバー30が含まれる場合、カバー30は、カバー30を引き揚げ、且つ、降ろすために蝶番7を介して取り付けるように構成される。UV発光源1が、起動されると、カバー30は、UV光に暴露される。その結果、カバー30は、消毒殺菌される。カバー30がUV光の吸収(又は、ブロック又は反射)材を備えているならば、カバー30は、UV光透過を吸収(又は、ブロック又は反射)し、カバー30を介する更なる透過を防止する。他の実施形態において、カバー30は、完全に、又は、部分的にUV光透過材料から形成されてもよい。したがって、カバー30は、所望に応じて、デバイス2からのUV光透過の方向及び広がりを吸収し、ブロックし、又は、その他の方法で影響を与えるように設計されてもよい。実施形態によっては、デバイス2は、電源5によって電力を供給されても、バッテリ又は他のポータブル電源によって作動するモバイルであってもよい。
図5は、複数のUV発光源1a及び1bを備える別の代表的なデバイス2を示す。図1乃至図4のデバイス2と同様に、図5のデバイス2も、複数のUV発光源1a及び1bのための単一レンズとして作用する。UV発光源1bは、UV光透過材料内に完全に埋め込まれる。UV発光源1aは、後に詳述される如く、部分的に埋め込まれる。UV発光源1a及び1bの双方は、UV光透過材料製である前板125内に埋め込まれる。前板125は、背板又はシールド130によって支持される。図5の一実施形態において、背板130は、UV光透過材料ではない。例えば、背板130は、反射材料から形成されてもよい。この結果、光子伝播は前方及び側方方向でのみ増強される。したがって、背板130へ向かって伝播する光子は、前板125へ向かって反射し返され、且つ、前板125の正面及び側面から離れて外向きに反射される。この例において、デバイス2は、ドア、壁又は家具上のハードウェアコンポーネントとしての使用に適する。デバイス2は、最適には、背板130の背後に位置決めされるオブジェクトを消毒し、殺菌し、又は、その他の方法で除染する必要性がほとんどない、又は、全くないときに位置決めされる。実施形態によっては、図5のデバイス2は、電源(図示せず)によって電力を供給されても、バッテリ又は他のポータブル電源によって作動するモバイルであってもよい。
図示されていないが、本書に記載されるデバイスは、さらに、他の使用法を有してもよい。例えば、本書に記載されるデバイスは、医療デバイスであってもよいし、医療デバイスへ結合されてもよい。図1乃至図5に示されるデバイス2と同様に、このような医療デバイス又は他のデバイスは何れも、UV光透過材料がUV光を方向づける単一レンズとして作用する方法で、全体又は一部がUV光透過材料内に永続的に埋め込まれるUV発光源を有することになる。デバイスが医療目的である場合等の実施形態によっては、デバイスは、UV光を特有のオブジェクト及び/又は場所へと集束するように設計されてもよい。デバイスの中には、より高いUV光出力を必要とし得るものがあることから、このようなデバイスの適切な部分は、シールドも含んでもよい。必要に応じて、デバイスの適切な部分は、当技術分野で知られるパッシブヒートシンク等の熱交換器を含んでもよい。実施形態によっては、シールドは、UV光がデバイスから放出されると、UV光の少なくとも幾分かを方向を変えた上で集束させる。実施形態によっては、シールドは、少なくとも幾分かのUV光をブロックし、デバイスに近い所定の領域での損傷を防止する。実施形態によっては、シールドは、少なくとも幾分かのUV光を強化し、デバイスから放出される際のUV光出力を向上させる。シールドは何れも、単独で、又は、組み合わせて使用されてもよい。シールドは、デバイスと一体的に製造されてもよい。シールドは、デバイスに近接していてもよい。
図1、図3及び図4を再度参照すると、UV発光源1は、例えば、AC、DC、太陽、誘導、風及び/又はバッテリ電源又は燃料電池等の電源5によって電力を供給される。図5のUV発光源1a及び1bも、同様に電力を供給される。電源5は、実施形態によっては、例えば、デバイス2の光出力を変えるために使用され得る可変電源であってもよい。UV発光源1、1a及び1bは、更に、制御モジュール3へ動作可能に連結(有線式又は無線式に)される。制御モジュール3は、少なくとも1つの検出器4と動作可能に(有線式又は無線式に)接続される。制御モジュールは、少なくとも1つのデータ格納ユニット又はメモリを含む。少なくとも1つのデータ格納ユニット又はメモリは、携帯式であってもよいし、携帯式でなくともよい。データ格納ユニットは、プログラムされた命令、データ又はこれらの双方を格納する。制御モジュール3は、無線通信インタフェース(例えば、トランシーバチップなどを介する)を含む。無線通信インタフェースは、必要に応じて、一体化されてもよいし、追加コンポーネントとして設けられてもよい。プロセッサは、概して、制御モジュール3に接続される。プロセッサは、デバイスの多くの動作を制御する。デバイスの動作には、データの格納、1若しくは複数のUV発光源1(並びに、UV発光源1a及び1b)に対する命令、1若しくは複数のUV発光源1(並びに、UV発光源1a及び1b)との通信、ユーザインタフェースに対する命令及びユーザインタフェースとの通信が含まれる。プロセッサは、メモリ(例えば、ランダム・アクセス・メモリ、フラッシュメモリなどのうちの1若しくはそれ以上)等の少なくとも1つのデータ格納ユニットに格納される命令を検索し、実行してもよい。したがって、制御モジュール3は、少なくとも1つの検出器4及びユーザインタフェースから入力を受信し、1若しくは複数のUV発光源1(1a及び1bを含む)へ出力を送信し、ユーザインタフェースを介して出力を送信してもよい。ユーザ入力は、ボタン形式であってもよいし、キーパッド又はLCD画面からであってもよいし、これらの組合せであってもよい。実施形態によっては、制御モジュールは、出力を、ディスプレイ又は1若しくは複数のステータスインジケータ等の形式で、ユーザに提供してもよい。図8は、通信モジュール802、制御モジュール/プロセッサ804、検出器806、電源808、ユーザインタフェース810及びメモリ812を含む様々なモジュールを示す。通信モジュール802、制御モジュール/プロセッサ804、検出器806、電源808、ユーザインタフェース810及びメモリ812は、本書に記載されるデバイス2に接続されてもよい。制御/プロセッサ804、検出器806、電源808、ユーザインタフェース810及びメモリ812等のモジュールのうちの幾つかは、デバイス2自体に包含される場合もあれば、デバイス2から遠隔に存在する場合もあることは理解される。
図1、図3及び図4の実施形態に示される如く、コントローラ3、検出器4及び電源5は、デバイス2上又はデバイス2に隣接して配置されるハブ6内で位置決めされるが、他にも、便座25上、カバー30上又は他の任意の場所等に配置されてもよいことは理解されるべきである。配置場所は、デバイス2内部であってもよいし、デバイス2の近くであってもよい。配置場所は、デバイス2に隣接していてもよい。遠隔又は無線動作が可能なコンポーネントと共に構成される場合等では、配置場所は、幾分かの距離だけ離隔されてもよい。幾つかの実施形態によれば、コントローラ3は、LCD画面を含んでもよい。コントローラ3は、動作状態を制御及び/又は設定するための他の適切な手段、出力を表示するための他の適切な手段及びユーザ入力を可能にするための他の適切な手段を含んでもよい。
検出器4は、後に詳述される如く、動き検出器、赤外線センサ、音声検出器、振動検出用デバイス、近接検出器、熱検出器、化学物質検出器、ドプラマイクロ波検出器、圧力検出器、ロードセル、レーザ検出器、磁気検出器或いはオブジェクト又はヒトを検出する他のあらゆるデバイス又は方法のうちの1つ又はそれ以上を含み、UV光への望ましくない暴露を回避及び防止してもよい。
デバイス2は、作動中、デバイス2と動作可能に接続される少なくとも1つの検出器4と通信する。1若しくは複数の実施形態において、検出器4が、その有効範囲内に、検出器4の反応対象であるヒト又は他の移動するオブジェクト等のオブジェクトを検出できないならば、UV発光源1は、起動されてもよい(又は、引き続き作動状態に留まる)。例えば、検出器4が動作センサであって、典型的には、デバイス2の近くのヒトに関連づけられる動きを検出すると、検出器4は、制御モジュール3と通信し、制御モジュール3を用いて、UV発光源1の動作を停止させるための信号又は他の出力、或いは、UV発光源1をオフ状態に切り替えるための信号又は他の出力を生成する。この結果、UV光への暴露は回避され、或いは、最小限に抑えられる。検出器4は、その反応対象であるオブジェクト(例えば、物体又はヒト)の検出における感応度に関して較正されてもよい。実施形態によっては、デバイス2が大きい(例えば、長い、又は、広い)、又は、デバイス2が大空間内で作動する必要がある場合等、複数の検出器4が必要とされてもよい。複数の検出器4は、同一タイプの検出器であってもよいし、異なるタイプの検出器であってもよい。したがって、検出器4は、検出器4が起動されるとUV発光源1の動作を停止するために動作可能に接続される連結ユニットとして作動する。したがって、UV発光源1を作動させるための改良されたプロセスが提供される。UV発光源1は、デバイス2上及びその周囲の有効範囲を消毒し、殺菌しかつ除染するために、その意図された目的に沿って安全に、最適にかつ有効な方式で機能することができる。
検出器4は、物体又はヒトに対する検出デバイス又は検出方法の何れであってもよい。検出器4は、UV光の予め決められた特有の放出を提供してもよい。これらの実施形態では、検出器4が、検出器4の感応範囲内のオブジェクト等のその反応対象であるオブジェクトを検出すると、1若しくは複数のUV発光源1が起動されてもよい。オブジェクトが検出器4の感応範囲内に存在しなくなるまで、UV発光源1は、作動状態のままであり続けてもよい。あるいは、1若しくは複数のUV発光源1の動作は、予め決められた時間期間後に停止されてもよい。
物体又はヒトの存在を検出することに加えて、検出器は、別のオブジェクト(たとえば、ドア、建物の電源、システムを有効化することができる他のデバイス又はシステム)に通信可能式に結合されてもよい。検出器は、デバイスの近く又は近傍の物体又はヒトの存在又は存在する可能性を検出又は判定することができる。例えば、デバイス2が、便座25である場合、検出器4は、トイレの入口へ通信可能式に結合されてもよい。この場合、検出器4は、閉鎖位置から開放位置へのドアの動きを検出して、物体又はヒトがトイレに入る前にデバイス2の動作を停止することができる。検出器4が起動されると、UV発光源1の動作を停止させるための信号が生成される。同様に、検出器4は、トイレの照明がオンであるかオフであるかを検出するために選択され、且つ、使用されてもよい。結果的に、制御モジュール3により、おそらくはバスルームが開いている場合の照明がオフである場合にのみ、UV発光源1を起動する信号が生成される。
後により詳しく説明するように、発光源1の起動及び停止(ならびに、UV発光源1a及び1bの起動及び停止)は、コントローラ3に関連づけられる動的(可変的)な論理プロセス及びアルゴリズム命令によって制御され、少なくとも1つのデータ格納ユニットに格納されてもよい。
図1乃至図5のデバイス2、又は、本書に記載される他の機能的又は装飾的デバイスは何れも、1若しくは複数のUV発光源1を有する。図6A乃至図6Eに示される如く、UV発光源1は、典型的な発光ダイオード(LED)又は改良された発光ダイオードの幾つか(但し全てではない)のコンポーネントに類似してもよいし、これらを含んでもよい。したがって、UV発光源1は、例えば、TO39(図6B及び図6Cを参照)、表面搭載式ダイオード(図6Dを参照)、TO38(図示せず)又はP8D型(図示せず)に類似する。図6Aから図6Dまでの発光源1は、概して、少なくとも1つの半導体チップ又はダイ103を有する半導体デバイス又はパッケージによって構成される。UV発光源1が、典型的なLEDの何れかに似せて設計される場合、チップ又はダイ103は、pn接合を備えることになる。また、UV発光源1は、実施形態によっては、典型的なレーザ放出ダイオードのコンポーネントに類似し、これらを含んでもよい(図6Eを参照)。
典型的な又は従来のLEDダイ又はレーザダイオードと同様に、図6Aから図6FまでのUV発光源1は何れも、UV機能部分の一部としてUV発光材料を含む。しかしながら、ダイ上に白又は単色の何れかであり、且つ、可視スペクトル(約450nmから940nmまで)内にあるUV発光材料を有する典型的なLEDダイとは異なり、本書において説明される図6Aから図6DまでにおけるUV発光源1のUV発光材料、又は、図6Eから図6FまでのUV発光源1に関連づけられるダイ103上のもの等のUV発光材料は、約265nmから約280nmまでの間の殺菌範囲での放出を含む約10nmから400nmまでの間の紫外光スペクトル内で発光する(イオン化UV及び非イオン化UV)。本書に記載されるUV発光材料は、固体材料であってもよいし、気体であってもよい。図6Aから図6Eまでは、固体のUV発光材料を備える。これらの実施形態において、固体のUV発光材料は、ダイ103又はレーザダイオード114のコンポーネントである。UV発光材料の例には、可変形状及び可変サイズのナノ結晶、又は、紫外光スペクトル内で発光する、又は、紫外光スペクトルの一部においてのみ発光するナノ結晶の組合せが含まれる。更なる例には、一酸化錫のシェルで覆われた二酸化錫のナノ結晶、仮晶エピタキシャル構造又は層の有無を問わない窒化アルミニウム、仮晶エピタキシャル構造又は層の有無を問わない窒化ガリウム、フッ化リチウムストロンチウムアルミニウムでドープされたセリウム、ホウ素ダイヤモンドなどが含まれる。したがって、発光材料は、これらのうちの広範なスペクトルに亘って発光する1若しくは複数(または、こうした発光材料のあらゆる適切な組合せ)であってもよいし、これらのうちの狭いスペクトル(例えば、単色)に亘って発光する1若しくは複数(または、こうした発光材料のあらゆる適切な組合せ)であってもよい。図6Fは、当業者には既知であるような気体のUV発光材料を備える。
発光材料の量は、輝度又は光出力を変えるために変更されてもよい。また、光出力は、電源により、図6Aから図6FまでのUV発光源1へ、ひいては、UV発光材料へ供給される電力量によって変更されてもよい。
様々な実施形態において、UV発光材料を備える1若しくは複数の半導体チップ又はダイ103は、空胴102内に取り付けられる。空胴及び/又はその関連構造は、UV光の伝播方向が約20度から150度までの範囲となる類のものであってもよい。図6Aにおいて、空胴102は、アンビル106の頂上に位置決めされ、ワイヤ101とワイヤボンドされる。ワイヤ101は、ポスト105上に存在する。ポスト105は、アンビル106から離間し、ポスト105とアンビル106との間に空隙104が形成される。陽極107は、ポスト105へ接続される。陰極108は、アンビル106へ接続される。陽極107及び陰極108は、纏めてリードフレームと称される。電力は、図1、図3及び図4の電源5に類似する電源によってUV発光源1へ供給される。コンポーネントのこの構造は、典型的な、又は、従来のLEDに使用されるコンポーネントに類似する。図6Bでは、UV発光材料を備える半導体チップ103は、陽極107を右にした状態で陰極108の上に描かれている。この構造には、追加の可変的なリードフレームも含まれてもよい。リードフレームは、取付けポイントとして機能してもよい。図6Dでは、UV発光材料を備える1若しくは複数の半導体チップ103が中心に位置決めされる一方で、陽極107及び陰極108は、周辺に位置決めされている。図6Eには、UV発光源1、即ち、UV発光材料を備えるレーザダイオードが、示されている。UV発光源1は、フォトダイオードピン109と、フォトダイオードワイヤ110と、フォトダイオード111と、レーザダイオードピン112と、レーザダイオード114と、レーザダイオードワイヤ113とを備える。図6Fでは、ガス形態のUV発光材料が蛍光電球115から発光する。この場合、陽極107及び陰極108は、UV光透過材料内に単に部分的に埋め込まれる。
図1乃至図5の実施形態と同様に、図6Aから図6Fまでに示されるUV発光材料(チップ又はダイ、レーザダイオード又はバルブの何れかに関連づけられる)は各々、UV光透過材料内に完全に埋め込まれる。UV光透過材料は、レンズを形成する。UV発光材料は、UV光透過材料内に完全に埋め込まれるが、UV発光源1の追加コンポーネントは、図5のUV光源1aに関連して説明された如く、必ずしも埋め込まれない。
説明された全ての実施形態において、UV発光材料は、検出器と機能的に通信する制御モジュールによって制御され、そのUV光をさらに先へ放出する。2つ以上のUV発光源1が同時に制御される場合、図6Aから図6FまでのUV発光源1の何れにも、1若しくは複数の集積回路又は個別コンポーネントが接続されてもよい。実施形態によっては、UV発光源1が2つ以上のチップ又はダイ103を含む場合、これらは、纏めて逆並列構造で接続されてもよい。この結果、光スペクトルの可変性が許容される。光スペクトルの可変性は、1若しくは複数のチップが可視光スペクトル内で発光するときの色を含んでもよいし、1若しくは複数の蛍光体又はカラーコーティング剤を含む場合の色を含んでもよい。実施形態によっては、複数のダイ103が含まれる場合、これらは、独立して制御されてもよい。たとえば、あるUV発光源は、UV発光材料を備える少なくとも1つのダイと、可視光スペクトルにおいて発光する材料を備える1つのダイと、を含んでもよい。これらのダイ103は、作動中において、可視光スペクトルにおいて発光する材料が活性であるときはUV発光材料が不活性であり、かつその逆でもあるように、独立して制御されてもよい。別の例において、デバイスは、少なくとも1つのUV発光源のみならず、可視光スペクトルにおいて発光する可視源も有してもよい。ここで、少なくとも1つのUV発光源は、(可視光スペクトルにおいて発光する)可視源が活性であるときはUV発光材料が不活性であってもよく、かつその逆でもあるように、独立して制御される。
UV発光源1(図5の1a及び1b、又は本書に別段で記述されているものを含む)の何れも、追加のフォトニック結晶又は追加の反射デバイスを、又はカップリング又は動作のための追加の金属格子構造を必要としない。実施形態によっては、UV発光源1は、離隔されたレンズ又はシェル内又はその下に封入もされない。したがって、これらの実施形態では、UV発光源1とUV光透過材料との間に、UV発光源1からのエネルギー放出に伴って屈折率の変化を生じさせる空気は存在しない。さらに、これらの実施形態では、屈折率が異なる追加のレンズ、UV光透過材料が異なる追加のレンズ又はUV光不透過性の材料から形成される追加のレンズは存在しない。追加のレンズは、所定の角度での光子通過を妨げたり、光出力を変えたり、UV光の投射を最小化したりする。このことは、キャップ又はレンズを有する典型的な又は従来のLEDとは対照的である。従来のLEDは、その近くに空気を有するので、LEDコンポーネントの近くにおいて低い屈折率を示す。典型的な又は従来のLEDのキャップ又はレンズは、レンズ材としてエポキシを用いることが多い。しかしながら、エポキシは、大部分のUV光スペクトルに許容性がなく、概して、350nmを超える波長しか通さない。したがって、エポキシは、UVCとして知られる殺菌波長(265nmから約280nmまで)を含む短い波長の透過をブロックする。エポキシレンズを通過するUV光は、比較的短時間でエポキシを修復不可能なまでに劣化させる。さらに、ほとんどのエポキシキャップ又はレンズは、キャップ又はコーン形に成形される。エポキシキャップ又はレンズ(又は、UV光透過材料より高い屈折率又はこれとは異なる屈折率を有する別の材料の1つ)は、UV光を散乱し、キャップ又はレンズの形状に起因してこれを所定の角度でのみ、概してレンズの一部においてのみより高い入射角で放出させる。
追加的な実施形態において、UV発光源1は、ネイティブレンズを含んでもよい。これらの実施形態において、ネイティブレンズは、好ましくは、本書において説明されるようなUV光透過材料で製造される。ネイティブレンズは、デバイスのUV光透過材料に溶融され、又は、その他の方法でこれに接着される。したがって、ネイティブレンズは、デバイスの単一の機能レンズを形成する。したがって、単一の機能レンズ(UV光透過材料)を介してUV光を放出する際の屈折率には変化が少なく、最小限であるか、全くない。この結果、UV発光にはまだ、単一レンズを有することによる十分な利点がある。このような構成では、動作のためのフォトニック結晶、追加の反射デバイス又は追加の金属格子構造は不要である。
光出力は、チップタイプの関数であり、且つ、チップタイプによって変わるが、UV光透過材料の透過率にも依存する。より大きい、又は、より狭い空間放射パターンを有するより集束された光出力は、LEDへ供給される電流を調整し、且つ、UV光透過材料の形状、遮蔽率又は透過率を変更することによって生成されてもよい。このことは、光出力及び光分布が、UV光透過材料の材料特性及び/又は厚さを変えることによって制御され、且つ、精細に調整され得ることを意味する。例えば、少なくとも1つのUV発光源1を含むUV光透過材料は、UV光に対する透過性が低い第2の材料又はUV光透過をブロックするものの間に差し込まれてもよい。本書において説明されるデバイスには、様々な配置のUV光透過材料、UV光不透過材料又はUV光透過性がより低い材料が提供されてもよい。UV光透過材料の表面特性も、光出力を補助する光入射角等の表面特性を変更するように操作されてもよい。例えば、実施形態によっては、表面からより多い光を放出できるように、且つ、表面が平坦である場合に生じ得るあらゆる内反射を最小限に抑えるために、UV光透過材料の表面全体又は一部は、小面又は角を伴って成形されてもよい。紫外光透過材料は、光透過を最大化するために、研磨面も有してもよい。
本書において説明されるデバイスの何れにおいても、UV発光源の埋込むことは、UV機能部分(UV発光材料)を紫外光透過材料内に埋め込むことと、リードフレーム107、108をUV光透過材料内に部分的又は完全に埋め込むことと、必要に応じて、任意のシールドを部分的又は完全に埋め込むことと、を含む。図1乃至図4に示される如く、UV発光源1は、便座25のUV光透過材料内に完全に埋め込まれる。図5では、UV発光源1bは、前板125のUV光透過材料内に完全に埋め込まれているが、UV発光源1aは、部分的にしか埋め込まれていない。部分的な埋込みの場合、ダイ103の全体、空胴102、ワイヤ101、ポスト105、アンビル106及び間隙104は、前板125のUV光透過材料内に埋め込まれる。リードフレーム107、108は、部分的にしか埋め込まれず、陽極及び陰極は各々、露出している。さらなる実施形態において、本書において説明されるような埋込みは、検出器4の有無に関わらず制御モジュール3も含んでもよい。
UV光透過材料内の埋込みの深さは、変わってもよい。埋込みの深さに影響し得る変動値には、機能的又は装飾的デバイスとして形成される場合にUV発光源1及びUV光透過材料に負荷され得る力の関数、場所及び種類が含まれる。UV発光源1は、実施形態によっては、UV光透過材料の外面より下約1/8インチから2インチ以上までの範囲内の深さに位置決めされてもよい。例えば、プッシュプレート内のUV発光源1は、UV光透過材料の外面より約1/8インチ下に存在してもよい。便座内のUV発光源1は、UV光透過材料の外面より約1/2インチ下に存在してもよい。ドアの取手内のUV発光源1は、UV光透過材料の外面より約3/4インチ下に存在してもよい。
上述の実施形態の何れにおいても、UV発光源1の埋込みが完全か部分的かに関わらず、UV発光源1(UVエミッタ)とUV光透過材料(レンズ)との間の空間的分離は、最小限であるか、ほとんどないか、又は、全く存在しない。したがって、不透過材料の追加に起因する間隙又は透過率もしくは屈折率の重大な差は存在しない。代わりに、UV発光源1(UVエミッタ)とUV光透過材料(レンズ)は、代替エミッタにおいて必要とされるフォトニック結晶、追加の反射デバイス又は追加の金属格子構造等の中間コンポーネント又は追加コンポーネントを必要とすることなく、直接的に結合又は接続される。本書において説明されるデバイスの場合、UV発光源1(UVエミッタ)及びUV光透過材料(レンズ)は、制御モジュール3、検出器4、電源5及び必要に応じて選択されるシールドとの作動に際して、分離不可能な単一の機能デバイス2となる。
制御モジュールに関連づけられる論理回路は、概して、マイクロプロセッサ、プリント基板、論理回路、マイクロコンピュータ、CPU及びインタフェースのうちの1若しくはそれ以上を含む。インターフェースは、遠隔式に操作されてもよい(無線周波数、WiFi、赤外線、レーザ及び/又はインターネットを基礎として)。論理回路は、図7に視覚的に描かれているような問題解決(時系列学習)論理を含む。論理回路は、上述のデバイスのUV光透過材料(レンズ)に埋め込まれたUV発光源1を起動する。したがって、問題解決論理は、デバイスの起動及び停止を開始するためのアルゴリズム的かつ反復的な論理起動プロセスである。
図7に示される如く、起動サイクルの規則セットは、オン201と、オフ202と、変動部203とを含む。201、202及び203間の実線は、イベント状態を表す。203及び201から始まり、207、206及び205間で延びる破線は、データを表す。上述のデバイスにより実行される反復の一例において、起動サイクルは、初期プログラム204からのデータが、オン201、オフ202及び変動部203の起動ポテンシャルを指示することによって開始される。初期プログラム204は、デバイス2上の制御モジュール3に指図する。上述の如く、制御モジュール3は、デバイス2上に搭載されてもよいし、遠隔制御されてもよい。初期プログラム204により制御モジュール3から指図されると、デバイス2は、1若しくは複数のUV発光源1を起動する。しかしながら、検出器4の検出範囲内の何らかの存在によって生成される動き、音声又は他の活動があって検出器4が起動されると、デバイス2は、変動部203を起動する。この結果、オフ202状態が起動される。制御モジュール3の成功した指図(例えば、初期プログラム204による1若しくは複数のUV発光源1の成功した起動)及び制御モジュール3の成功しなかった指図(変動部203イベントによる1若しくは複数のUV発光源1の中断された起動及びオフ202状態のトリガ)の双方からの累積データは、データとして捕捉されてもよい。実施形態によっては、データは、格納データ207である。格納データの幾分かは、動的プログラム206によって処理されてもよい。処理には、所定の時間期間(例えば、24時間周期)において成功した1若しくは複数のUV発光源1の起動の最適頻度及び持続時間を決定するアルゴリズムが含まれてもよい。このことは、検出器4が起動されるとき、1若しくは複数のUV発光源1は停止状態であることを保証する。検出器4の起動は、検出器4、ひいては、デバイス2の有効感度内のオブジェクト又は存在物を表す。したがって、デバイス2は、手動入力なしに、且つ、有害なUV光を、オブジェクト又は存在物に投射することなく、完全な暴露サイクルを自動的に起動できるようにする方法も提供する。動的プログラム206がデータの処理を終えると、新しいプログラムが機能しているプログラム205へ伝達され、次に、プログラム205は、オン201、オフ202及び変動部203に指図する。初期プログラム204は、次に、静止状態に設定される。このプロセスは、概して、反復的である。これは、実施形態によっては、無期限に続いても、設定された反復回数だけ継続するように設定されてもよい。追加的な実施形態において、論理は、オン201、オフ202及び変動部204状態のみを含んでもよいし、上述の論理の任意の組合せを含んでもよい。
このアルゴリズム論理起動プロセスによれば、1若しくは複数のUV発光源1は、オブジェクト又は存在物がない場合に起動される。このことは、1若しくは複数のUV発光源1が、検出器4が停止状態を続ける限りにおいて起動されることを意味する。さらに、上述のプロセスでは、検出器4の検出範囲又は検出感度内にオブジェクト又は存在物がある場合等で検出器4が起動されると、UV発光源1は(作動状態であるとき)停止される。プロセスは、追加的なプログラム及びアルゴリズムに更に対応してもよい。アルゴリズム論理起動プロセスは、蓄積されてもよい。アルゴリズム論理起動プロセスは、持続時間が長い所定の起動が存在する場合もあれは、持続時間が短い所定の起動が存在する場合もあるように、UV発光源1の起動長さを変える追加的な論理を含んでもよい。例えば、短い持続時間は、より頻繁に起動されてもよい一方で、長い持続時間は、より少ない頻度で発生してもよい。また、持続時間の間、UV発光源1の部分集合のみが起動されてもよい。例えば、UV発光源1は、UV光に短時間暴露されるだけで破壊される病原菌及び微生物を殺すために、短時間でのみ動作してもよい。UV発光源1は、UV光に長時間暴露されなければ破壊されないカビ、菌類及び藻類を殺すために、長い持続時間に亘ってトリガされてもよい。変動値は、何れも、変動部203イベントの高いトラフィック時間並びに長期不在回数に対する潜在的な論理応答として計算され、動的プログラム206に書き込まれてもよい。また、類似の論理は、UV光の輝度を変えるために適用されてもよい。
図9及び図10は、上述のデバイスの起動例を提供している。これらの例は、検出器を動き検出器として参照しているが、これは、プロセスに適するあらゆるタイプの検出器を単に例示したものである。さらに、これらの例は、記述された通りに動作し得る検出器の数又は種類を限定するものではない。まず、図9を参照すると、デバイスの論理プロセスは、902において開始される。デバイスは、検出器4により904においてヒト又は動きのある物体が検出されていない場合にのみ、905において、UV発光源1から放射線を予め決められたUVサイクル(予め規定された持続時間、輝度及び時刻)で放出する。検出器4により、910においてヒト又は動きのある物体が検出されていなければ、UVサイクルは継続し、912においてそのサイクルを終了し、且つ、914において停止する。904において、検出器4によりヒト又は物体が検出されているならば、UVサイクルは、906において停止される。同様に、活性サイクル905の間に検出器4によりヒト又は物体が検出されるならば、UVサイクルは、906において同じく停止される。検出器は、908においてヒト又は物体が存在しなくなるまで、プロンプト状態を続けてもよい。サイクルは、912において継続され、且つ、914における完了時点で停止される。
図10を参照すると、実施形態によっては、プロセスは、1002で開始される。デバイスは、1004において、放射線をUV発光源1から予め規定されたUVサイクルに亘って放出する。サイクルは、継続され、1008において物体又はヒトが存在していないならば、1014で完了する。サイクルは、1008において物体又はヒトが存在しているならば、1010で早期に停止される。サイクルが1014で完了されるか、1010で早期停止されるかに関わらず、プロセスは、1016又は1012それぞれにおいて、次の予め規定されたイベントへ自動的に移行する。
上述のデバイス2は、家庭、オフィス、会社、病院又はこれらに類似するもの等のあらゆる環境での使用に適する。デバイス2又はその任意の実施形態の起動は、デバイス2が存在する環境を18フィート以上までの距離に亘って消毒殺菌する。デバイス2は、その広スペクトル性に起因して殺菌力があり、環境内の物質が空中を浮遊するものか、液体、固体であるか、凍結しているかを問わず、効力がある。
上述の如く、デバイス2は、UV光を約10nmから約400nmまでの間の波長又は波長範囲で透過するためのUVエミッタ及びUVレンズの双方である単一物とみなされてもよい。したがって、デバイス2は、UV光を約265nmから約280nmまでの殺菌波長でも放出することができる。デバイス2は、UV光を18フィート以上までの距離で放出してもよい。この距離は、UV発光源1に対する出力電力に大幅な増加があるならば、さらに延びてもよい。デバイス2は、デバイスが検出器4によってある存在を検出するならば、デバイスが停止状態になることを保証するように、動的な(可変)論理プロセスによって起動される。起動は、動的な(可変)論理プロセス及び上述の関連アルゴリズムにより制御される制御モジュール3によって制御される。
さらなる例では、発光ダイオードに類似するが、UV光透過材料内に埋め込まれたUV発光源を試験した。最初の光透過材料は、ガラス及び処理ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を包含していた。これらの材料により、微生物(汚染水中の細菌、藻類及び寄生虫)の30%は、5分間のUV光暴露後に殺された。暴露時間を少なくとも30分又は30分以上まで延ばすと、殺生率は大幅に上がった。
UV光を紫外線透過PMMAに投射すると、30秒から45秒以内に様々な微生物の内部構造が暗くなり、3分以内に細菌ならびに寄生生物が全て(100%)殺された。この時点で、90%を超える生物に細胞壁破裂が確認された。藻類は、30分の暴露で、又は、暴露30分の後に同様の細胞壁破裂を示して殺された。
約1インチから3インチを隔てた距離に位置合わせされたハンドヘルドデバイスを、シャワ及び丸い排水溝(図11)等の家財表面に存在する菌類及びカビのコロニについて試験した。図12に示されているように、95%を超える菌類及びカビが、15分及び30分の暴露で殺された。
クレームにおいて、「comprising(を備える、含む)」という用語は、他のエレメント又はステップを排除するものではなく、且つ、不定冠詞「a」又は「an」は、複数形を排除するものではない。所定の手段が互いに異なる従属クレームにおいて記載されているということは、これらの手段を組み合せて有利に用いてはならないことを指すものではない。
これまでの記述は、本発明の所定の教示を少なくとも部分的に具現する例を含んでいる。添付のクレームにより規定される本発明は、記述されている実施形態に限定されない。開示した実施形態に対しては、本発明を逸脱することなく変更及び修正が行われてもよい。本明細書において使用した用語の意味は、別段の明確な指摘のない限り、一般的かつ慣習的意味を有することが意図される。したがって、本明細書において使用した用語の意味は、例示した構造又は開示した実施形態の詳細を限定するためのものではない。実施形態に関するこれまでの記述は、本発明の所定の新規特徴を示し、説明し、且つ、示唆しているが、例示されている形式ならびにその使用法に関しては、発明の範囲を逸脱することなく、当業者により様々な省略、置換及び変更が行われ得ることは理解されるであろう。具体的には、1若しくは複数の実施形態は、他の構造において、これらの実施形態により製造される物質の最終用途に適するものとして現れ得ることが認識されるであろう。

Claims (12)

  1. 紫外線照射を放出する装置において、
    バクテリア及びウイルスを殺すために265-280nmの殺菌波長範囲内の紫外光を射出する少なくとも1個の紫外光射出源、
    紫外光の透過を阻止することはなく且つ紫外光の存在下においての劣化が無視可能である少なくとも1個の紫外光透過性ポリマーから形成されているレンズ、
    を有しており、
    該紫外光射出源と該紫外光透過性ポリマーとがそれらの間に空間的分離が無く直接接触しているように該少なくとも1個の紫外光射出源が環境因子から保護されるように該紫外光透過性ポリマーによって完全に取り囲まれているように該紫外光透過性ポリマーの内部で且つその外面の下に埋め込まれており、且つ
    該紫外光射出源によって射出された紫外光が該紫外光透過性ポリマーを介して全方向パターンで伝播し、且つ、更に、空中浮遊、液体、凍結、及び固体、及びそれらの組み合わせの内の一つ又はそれ以上の物質を有する環境内又は環境上で殺菌力を発生させるように該紫外光透過性ポリマーの該外面から放出するものであって、該全方向パターンは該紫外光透過性ポリマー全体を介して同時的に全ての方向に分布されている、
    装置。
  2. 該紫外光透過性ポリマーがUV-C光の波長を透過させる請求項1記載の装置。
  3. 更に、少なくとも1個の可視光を射出する可視光射出源を有している請求項1記載の装置。
  4. 該可視光射出源及び紫外光射出源の内の少なくとも1個がプロセッサへ動作接続されており、該プロセッサが該射出源の動作を制御する請求項3記載の装置。
  5. 更に、可視光射出源を有している請求項1記載の装置。
  6. 該紫外光透過性ポリマーの該外面から放出する光が、同時的に全ての方向に放出するように全方向性パターンで放出する請求項1記載の装置。
  7. 該紫外光射出源とレンズとが別々の部品として分割可能ではない請求項1記載の装置。
  8. 更に、該少なくとも1個の紫外光射出源から射出する紫外光が所定の方向にフォーカスされるか又は反射されるようにシールドを有している請求項1記載の装置。
  9. 該紫外光射出源が外部環境要因から保護されており且つそれによって影響されない請求項1記載の装置。
  10. 更に、ユーザーインターフェースを有している請求項1記載の装置。
  11. 更に、通信モジュールを有している請求項1記載の装置。
  12. 本装置が存在する環境を18フィート以上までの距離にわたり消毒殺菌させることが可能な請求項1記載の装置。
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