JP7049078B2 - シミュレータドーム及びスクリーン把持治具 - Google Patents
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Description
特許文献1には、コクピットの側面周囲に配されたスクリーン及び背面板と、スクリーン及び背面板の上部に設けた天井と、を備えるシミュレータドームが開示されている。特許文献1のシミュレータドームでは、背面板にコクピット等の各種機材を出し入れするための機材搬入用扉を設けている。
一方、スクリーン分割体と支持フレーム部との連結を解除し、さらに、介在プレートをスクリーン分割体と支持フレーム部との間から取り除いた状態では、スクリーン分割体と支持フレーム部とが間隔をあけて位置する。これにより、スクリーン分割体と支持フレーム部との間に生じる摩擦を軽減したり無くしたりして、スクリーン分割体を容易に着脱することができる。
また、所定のスクリーン分割体を取り外した状態であっても、吊り治具によって支持フレーム部の高さ位置を維持することができる。このため、所定のスクリーン分割体を取り付ける際に、所定のスクリーン分割体が支持フレーム部と干渉することを防止できる。すなわち、所定のスクリーン分割体の取付作業が支持フレーム部によって阻害されることも防止できる。
例えば所定のスクリーン分割体が他のスクリーン分割体と共にスクリーン部を構成している状態では、所定のスクリーン分割体にかかる支持フレーム部の荷重が大きくなるように吊り治具の長さを調整することで、支持フレーム部を所定のスクリーン分割体により安定的に支持できる。
一方、所定のスクリーン分割体をシミュレータドームの他の部分に対して取り外す際には、所定のスクリーン分割体にかかる支持フレーム部の荷重を小さくするように又は無くすように吊り治具の長さを調整することで、所定のスクリーン分割体を簡単に取り外すことができる。
また、カバー部がスクリーン部及び天井部に対して着脱自在とされているため、スクリーン分割体の着脱作業がカバー部によって阻害されることを防止できる。また、カバー部はスクリーン部及び天井部の外側から隙間を覆うため、カバー部の着脱作業をシミュレータドームの外側から簡単に行うことができる。
一方、突起部をスクリーン部及び天井部の一方から取り外した状態では、スクリーン分割体と天井部との接触面積が減る。このため、スクリーン分割体と天井部との間に生じる摩擦をさらに軽減し、スクリーン分割体を容易に着脱することができる。
なお、突起部が天井部に設けられる場合、突起部は例えば着脱されないスクリーン分割体のみに接触するように天井部に設けられてもよい。また、突起部がスクリーン部に設けられる場合、突起部は例えば着脱されないスクリーン分割体のみに設けられてもよい。
また、スクリーン把持治具がスクリーン分割体を把持した状態で移動したり、スクリーン把持治具をクレーンで吊るしたりすることで、スクリーン分割体の運搬性向上を図ることもできる。
また、スクリーン部に機材搬入用扉を設けないことで、シミュレータドーム(特にスクリーン部)の形状が単純となるため、シミュレータドームを容易に製造することができる。
また、スクリーン部に機材搬入用扉を設けないことで、スクリーン部に投影される映像のリアル感低下を抑制することもできる。
図1,2に示すように、本実施形態に係るシミュレータドーム1は、スクリーン部2と、天井部3と、を備える。また、シミュレータドーム1は、複数のプロジェクタ4と、支持フレーム部5と、を備える。
突出部13は、径方向において床板部6よりも外側に突出している。突出部13は、径方向において床板部6の外周から突出して突出部13の下側に配される支持部14によって支持される。支持部14は、床板部6の外周に対して着脱自在に固定される。
天板部15は、スクリーン本体11の周方向全体に形成されている。すなわち、天板部15は、平面視円環の板状に形成されている。径方向における天板部15の長さは、任意であってよいが、例えばプロジェクタ4が径方向において天板部15よりも内側に位置できるように設定されてよい。
周方向における各スクリーン分割体20の両端には、スクリーン側フランジ部23が形成されている。スクリーン側フランジ部23は、本体分割部21の外面(スクリーン部2の外周面)から突出すると共に本体分割部21の下端部から上端部まで延びている。スクリーン側フランジ部23は、スクリーン分割体20(スクリーン部2)の剛性を向上させる役割を果たす。
周方向に隣り合う二つのスクリーン分割体20,20は、互いのスクリーン側フランジ部23,23を、周方向に重ね合せた上でネジ止め等により相互に連結することで、互いに固定される。
さらに、本実施形態の天井部3は、スクリーン本体11と共に中空の楕円体(球体を含む)の一部を構成している。このため、天井部3の内面及び外面は、それぞれスクリーン本体11の内周面及び外周面に滑らかに連なる。
図4に示すように、本実施形態の天井部3には、その外周端部から径方向において天井部3の内側に突出する突出板部17が形成されている。突出板部17は、スクリーン部2の天板部15に対向するように配される。突出板部17は、例えば天井部3の周方向全体に形成されてもよい。本実施形態の突出板部17は、天井部3の周方向に間隔をあけて複数配列されている。
図1,3,4に示すように、周方向における各天井分割体30の両端には、天井側フランジ部31が形成されている。天井側フランジ部31は、天井分割体30(天井部3)の外面から突出すると共に、天井部3の外周端部から中央部まで延びている。周方向に隣り合う二つの天井分割体30,30は、互いの天井側フランジ部31,31を周方向に重ね合せた上でネジ止め等により相互に連結することで、互いに固定される。
前述した天井部3の突出板部17は、周方向における天井分割体30の両端部及び中間部の計三か所に形成されている。
また、周方向における天井分割体30の外周端部の寸法は、周方向におけるスクリーン分割体20の上端部の寸法と等しい。
各天井側リブ7は、天井部3の外周端部から中央部まで延びる板材である。天井側リブ7は、天井部3の外周端部から中央部まで延びる円弧状に形成されている。天井側リブ7の長手方向の中途部には、天井部3の内側に突出する拡幅部41が形成されている。
天井側リブ7の一部は、天井部3の外周端部からスクリーン部2に向けて突出している。すなわち、本実施形態の天井側リブ7は、天井部3の外周端部からスクリーン部2に向けて突出する突起部42を含む。突起部42の先端は、スクリーン部2に接触する。
拡幅部41及び突起部42を含む天井側リブ7は、図示例のように一体に形成されてもよいが、例えば、拡幅部41を含む天井側リブ7の部位と、突起部42を含む天井側リブ7の部位とが、別個に形成されてもよい。
環状枠部51は、平面視環状に形成されると共に径方向においてスクリーン部2(特に天板部15)の内側に配され、複数のプロジェクタ4を支持する。環状枠部51は、例えば平面視円形の環状に形成されてもよいが、本実施形態では平面視正多角形の環状に形成されている。
環状枠部51は、例えば径方向に所定の幅寸法を有する環状の板材によって構成されてもよい。本実施形態の環状枠部51は、径寸法が互いに異なる二つの環状枠53,53によって構成されている。プロジェクタ4は、二つの環状枠53,53によって支持されるように環状枠部51上に配される。
吊り治具8の長手方向の第一端部は、天井部3に接続されている。吊り治具8の第一端部は、図示例のように天井側リブ7の拡幅部41に接続されてもよいし、例えば天井部3(天井分割体30)の内面から一体に突出する突起に接続されてもよい。
吊り治具8の長手方向の第二端部は、支持フレーム部5に接続されている。吊り治具8の第二端部は、例えば環状枠部51に接続されてもよいが、本実施形態では梁部52に接続されている。吊り治具8は、例えば全ての梁部52に接続されてもよいが、本実施形態では一部の梁部52に接続されている。具体的に、吊り治具8は、周方向におけるドア付きスクリーン分割体20Aの両端に位置する天板部上側フランジ部24,24に連結される二つの梁部52に接続されている。
また、梁部52の高さ寸法は、天板部上側フランジ部24及び突起部42に作用する天井部3の荷重が小さくなるように又は無くなるように設定されている。梁部52の高さ寸法は、例えば軸方向に配列された天板部上側フランジ部24及び突起部42の高さ寸法を足し合わせた寸法よりも微小に大きく設定されている。
具体的に、支柱9は、図4に示すように、各スクリーン分割体20の上端部とこれに対応する天井分割体30の突出板部17との間に一つずつ挟まれる。すなわち、本実施形態のシミュレータドーム1は複数の支柱9を備える。本実施形態において、各支柱9は、周方向におけるスクリーン分割体20や天井分割体30の中間部に配されている。各支柱9は、天板分割部22の上面のうち周方向の中間領域と、周方向において天井分割体30の中間部に形成された第二突出板部17Bと、の間に挟まれる。
把持部102には、ドア付きスクリーン分割体20Aを上下方向(軸方向)から把持する第一把持部102Aと、ドア付きスクリーン分割体20Aを左右方向(幅方向)から把持する第二把持部102Bと、がある。
ドア付きスクリーン分割体20Aを取り外す場合には、はじめに、図6に示すようにドア付きスクリーン分割体20Aとこれに対応する天井分割体30との隙間Gを覆うカバー部10を取り外す。
次いで、ドア付きスクリーン分割体20Aと天井分割体30との間に配された支柱9(図1参照)を取り外す。また、ドア付きスクリーン分割体20Aの突出部13を支持する支持部14(図1参照)を床板部6から取り外す。
また、上記した全ての工程の前後又は途中において、例えば、ドア付きスクリーン分割体20A(特にその天板部上側フランジ部24)に接触する突起部42を含む天井側リブ7(図5参照)を天井部3から取り外してもよい。
本実施形態では、ドア付きスクリーン分割体20Aのスクリーン側フランジ部23が、径方向において隣り合う他のスクリーン分割体20のスクリーン側フランジ部23よりも外側に位置した状態で、ドア付きスクリーン分割体20Aの移動を一旦停止する。その上で、第二把持部102Bによりドア付きスクリーン分割体20Aを左右方向(幅方向)から把持する。これにより、ドア付きスクリーン分割体20Aを安定した状態で保持することができる。その後、ドア付きスクリーン分割体20Aを、シミュレータドーム1の他の部分から完全に離れた位置まで移動させることで、ドア付きスクリーン分割体20Aの取り外し作業が完了する。
取り外されたドア付きスクリーン分割体20Aや他のスクリーン分割体20は、スクリーン把持治具100に把持された状態で保管することができる。
なお、隙間Gを利用してスクリーン分割体20を着脱する方法は、上記したスクリーン把持治具100を用いた方法に限らず、例えばクレーン等の別の治具を用いた方法などであってもよい。クレーンを用いる場合には、例えば、クレーンの吊り具をスクリーン分割体20と天井部3との隙間Gに挿入してスクリーン分割体20の上端部に引っ掛けることで、スクリーン分割体20を着脱できる。
また、スクリーン部2に機材搬入用扉を設けないことで、スクリーン部2に投影される映像のリアル感低下を抑制することもできる。
このため、スクリーン分割体20と支持フレーム部5とを連結した状態では、スクリーン分割体20と支持フレーム部5とが相互に固定される。これにより、シミュレータドーム1の剛性を高めることができる。
一方、スクリーン分割体20と支持フレーム部5との連結を解除し、さらに、介在プレート54をスクリーン分割体20と支持フレーム部5との間から取り除いた状態では、スクリーン分割体20と支持フレーム部5とが間隔をあけて位置する。これにより、スクリーン分割体20と支持フレーム部5との間に生じる摩擦を軽減したり無くしたりして、スクリーン分割体20を容易に着脱することができる。
また、所定のスクリーン分割体20を取り外した状態であっても、吊り治具8によって支持フレーム部5の高さ位置を維持することができる。このため、所定のスクリーン分割体20を取り付ける際に、所定のスクリーン分割体20が支持フレーム部5と干渉することを防止できる。すなわち、所定のスクリーン分割体20の取付作業が支持フレーム部5によって阻害されることも防止できる。
例えば所定のスクリーン分割体20が他のスクリーン分割体20と共にスクリーン部2を構成している状態では、所定のスクリーン分割体20にかかる支持フレーム部5の荷重が大きくなるように吊り治具8の長さを調整することで、支持フレーム部5を所定のスクリーン分割体20により安定的に支持できる。
一方、所定のスクリーン分割体20をシミュレータドーム1の他の部分に対して取り外す際には、所定のスクリーン分割体20にかかる支持フレーム部5の荷重を小さくするように又は無くすように吊り治具8の長さを調整することで、所定のスクリーン分割体20を簡単に取り外すことができる。
また、支柱9が着脱可能であることで、隙間Gを利用したスクリーン分割体20の着脱作業が支柱9によって阻害されることも防止できる。
また、カバー部10がスクリーン部2及び天井部3に対して着脱自在とされているため、スクリーン分割体20の着脱作業がカバー部10によって阻害されることを防止できる。また、カバー部10はスクリーン部2及び天井部3の外側から隙間Gを覆うため、カバー部10の着脱作業をシミュレータドーム1の外側から簡単に行うことができる。
さらに、本実施形態のスクリーン把持治具100によれば、スクリーン分割体20を把持した状態で転動部材107を利用して移動したり、スクリーン把持治具100をクレーンで吊るしたりすることで、スクリーン分割体20の運搬性向上を図ることもできる。
また、本発明のシミュレータドームにおいて、上記の突起部は、例えばスクリーン部に着脱可能に設けられて、天井部に向けて突出すると共に天井部の外周端部に接触してもよい。この場合、突起部は、例えば天井側リブと同様に、周方向に隣り合う二つのスクリーン分割体(例えばスクリーン側フランジ部)の間に着脱可能に配されるスクリーン側リブによって構成されてもよい。また、突起部は、例えば着脱されないスクリーン分割体のみに設けられてもよい。
このような構成では、梁部が周方向において天板部上側フランジ部と干渉しない位置に配されることになる。このため、所定のスクリーン分割体を径方向に移動させて着脱する際に、梁部とスクリーン分割体の天板部上側フランジ部とが干渉することを抑制又は防止できる。したがって、所定のスクリーン分割体をシミュレータドームの他の部分に対して容易に着脱することができる。
2 スクリーン部
3 天井部
4 プロジェクタ
5 支持フレーム部
7 天井側リブ
8 吊り治具
9 支柱
10 カバー部
11 スクリーン本体
12 ドア
13 突出部
15 天板部
20 スクリーン分割体
20A ドア付きスクリーン分割体
23 スクリーン側フランジ部
24 天板部上側フランジ部
31 天井側フランジ部
42 突起部
51 環状枠部
52 梁部
54 介在プレート
G 隙間
Claims (9)
- 平面視円環状に形成されたスクリーン部と、
前記スクリーン部の上部に設置された天井部と、を備え、
前記スクリーン部が、該スクリーン部の周方向に配列された複数のスクリーン分割体によって構成され、
少なくとも一つの前記スクリーン分割体の上端部と前記天井部の外周端部との間に、隙間が形成され、
前記隙間が、前記スクリーン部の上端部と前記天井部の外周端部との間に設けられたスペーサによって形成され、
前記スペーサは、前記スクリーン部の周方向に間隔をあけて複数配列されているシミュレータドーム。 - 前記スペーサが、前記スクリーン部の上端部上に配され、前記スクリーン部の内周面に光を投射するプロジェクタを支持する支持フレーム部によって構成されている請求項1に記載のシミュレータドーム。
- 前記スクリーン分割体と前記支持フレーム部とが、介在プレートを介して着脱可能に連結されている請求項2に記載のシミュレータドーム。
- 前記天井部から前記支持フレーム部まで延び、前記支持フレーム部を天井部の下方に吊下げる吊り治具を備える請求項2又は請求項3に記載のシミュレータドーム。
- 前記天井部から前記支持フレーム部に至る前記吊り治具の長さが、調整可能とされている請求項4に記載のシミュレータドーム。
- 前記隙間に配されて、前記スクリーン分割体及び前記天井部に対して着脱可能に連結される支柱を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシミュレータドーム。
- 前記隙間を前記スクリーン部及び前記天井部の外側から覆うカバー部を備え、
前記カバー部は、前記スクリーン部及び前記天井部に対して着脱自在に取り付けられる請求項1に記載のシミュレータドーム。 - 前記スクリーン部及び前記天井部の少なくとも一方に着脱可能に設けられて、前記スクリーン部及び前記天井部の他方に向けて突出する突起部を備え、
前記突起部の先端が前記スクリーン部及び前記天井部の他方に接触する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のシミュレータドーム。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のシミュレータドームのうち一つの前記スクリーン分割体を他の前記スクリーン分割体及び前記天井部に対して着脱するために用いるスクリーン把持治具であって、
前記スクリーン分割体を前記シミュレータドームの外側から把持する把持部を備え、
前記把持部は、前記隙間に挿入可能とされ、前記スクリーン分割体の上端部に取り付けられる上側取付部を有するスクリーン把持治具。
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