JPH0729489U - ポジトロンエミッションｃｔ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 設置スペースが小さく、かつ、容易に検出器
を着脱することができるポジトロンエミッションＣＴ装
置を提供する。 【構成】 ガントリ１は、開口部が形成されたベースプ
レート２と、ベースプレート２に取り付けられたリング
状の第１シールド３と、その開口部がベースプレート２
と対向する支持部材４と、支持部材４に取り付けられた
第２シールド５と、第１シールド３と第２シールド５と
の間に配備されるリング状に構成された複数個の検出器
６とからなり、支持部材４をａ軸を中心に開放可能に構
成し、検出器６を前方向から着脱する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、放射性医薬を投与された被検体の周りに、検出器をリング状に配 置して、被検体から放出されるポジトロン（陽電子）を検出して被検体の断層像 を得るポジトロンエミッションＣＴ装置（以下「ポジトロンＥＣＴ装置」という ）に係り、特に、リング状に配置される検出器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のポジトロンＥＣＴ装置としては、例えば実開平４−５９４９２号公報で 開示されたポジトロンＥＣＴ装置における検出器の取付け装置が知られている。 図４は、従来のポジトロンＥＣＴ装置に備えられて検出器装置の概略構成を示 した図である。 図に示すように、ＢＧＯシンチレータと光電子増幅管等からなる検出器を同一 のケース内６０に複数個組み合わせて形成された検出器ブロック６１をリング状 に連ねて構成した検出器リング６２が、一対のリング状のフレーム６３に支持さ れている。この検出器リング６２が、図示しない一対のリング状の鉛のシールド に挟み込まれてガントリ内に設けられる。その空洞部６４に被検体が挿入されて 被検体から放出されるポジトロン（陽電子）を検出して被検体の断層像を得るも のである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した従来のポジトロンＥＣＴ装置には、次のような問題が ある。 すなわち、検出器リング６２が、一対のシールドによって挟み込まれている関 係で、例えば、メンテナンスのために、検出器ブロック６１を取り外す場合、装 置の空洞部６４の半径方向に取り外すしかなく、検出器装置の外周に取り外しす るための空間が必要となる。特に上部や下部の検出器ブロック６１の取り外しは 見にくく作業性の低下などの問題がある。

【０００４】 この考案は、このような事情に鑑みてなされたものであって、装置の外周部に 検出器の取り外すための空間を必要とせず、かつ、検出器の着脱を容易に行うこ とができるポジトロンＥＣＴ装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、このような目的を達成するため、次のような構成をとる。 すなわち、この考案は、一対のシールドの間に多数個の検出器がリング状に配 列された多層検出器を備えたポジトロンエミッションＣＴ装置において、前記多 層検出器の軸線方向へ開閉可能な支持部材に前記シールドの一方を取り付けたも のである。

【０００６】

【作用】

この考案の装置によれば、一対のシールドの間に多数個の検出器がリング状に 配列された多層検出器を備えたポジトロンエミッションＣＴ装置において、前記 多層検出器の軸線方向へ開閉可能な支持部材に前記シールドの一方を取り付けた ので、シールドを取り付けた支持部材を多層検出器の軸線方向へ開くことにより 、装置内部に支持されていた検出器を軸線方向に取り出すことができ、また、取 り付けることができる。

【０００７】

【実施例】

以下、図面を参照してこの考案の一実施例を説明する。 図１は、ポジトロンＥＣＴ装置の水平断面図である。 図に示すように、本実施例のポジトロンＥＣＴ装置のガントリ１は、開口部が 形成されたベースプレート２と、ベースプレート２に取り付けられたリング状の 第１シールド３と、その開口部がベースプレート２と対向する支持部材４と、支 持部材４に取り付けられた第２シールド５と、第１シールド３と第２シールド５ との間に支持されるリング状に構成された複数個の検出器６とから構成され、各 部の開口部で構成された空洞部７内に被検体が保持される。なお、符号８はコリ メータを示し、空洞部７内を移動可能に支持されて必要に応じて検出位置から装 置奥部へ退避されるものである。符号９は被検体の関心部位の位置決めに使用さ れる投光器を示す。以下、各部の構成を詳細に説明する。

【０００８】 検出器６は、図２に示すように、シンチレータ１１と光電子増幅管１２とが結 合して構成されている。収納ケース１０内に検出器６がＸ方向に４列、Ｙ方向に ８列の最大３２個着脱自在に収納される。

【０００９】 図３は、複数個の検出器６を収納した収納ケース１０を取り出した状態を示し た斜視図である。収納ケース１０は、図に示すように、円筒Ｄを、その空洞ｄの 中心軸線ｅを中心として放射状に延ばした平面により３２個に等分に分割した形 状をしている。図２に示すように、各収納ケース１０のベースプレート２側の側 面に複数個の位置決め部材１３が突設され、外周縁部に複数個の取り付け孔１４ が設けられている。

【００１０】 ベースプレート２は、上枠２１と下枠２２と第１縦枠２３と第２縦枠２４とか らなる本体に取り付けられており、その空洞ｄの中心軸線ｅを中心として放射状 に、収納ケース１０の位置決め部材１３と取り付け孔１４とにそれぞれ適合する 複数個の位置決め孔２５とネジ孔２６とが形成されている。このベースプレート ２に検出器６を収納した収納ケース１０が精度良く位置決めされてネジ部材３０ によって、リング状に保持される。

【００１１】 支持部材４は、図３に示すように、第１縦枠２３側の一側端の上下に設けられ た支軸４１と支軸４２とが、上枠２１に形成されたボス２７と下枠２２に形成さ れたボス２８とに挿通されることによって、回動自在に軸支されている。また、 支持部材４の遊端側に設けられた複数個の取り付け孔４３と、これらの取り付け 孔４３に対応するように第２縦枠２４に設けられた複数個のネジ孔２９に、図示 しないネジ部材を挿通して螺着することにより、支持部材４を本体側に取り付け るように構成されている。

【００１２】 支持部材４の開口部の内側に第１シールド３と同様のリング状の第２シールド ５が取り付けられている。支持部材４を閉じた状態では、各検出器６のシンチレ ータ部分が第１，第２シールド３，５によって挟み込まれるので、検出器６への 外乱の侵入が阻止される。一方、メンテナンスなどのために支持部材４を開放す ると、第２シールド５を保持した状態で、ａ軸を中心に支持部材４を検出器に対 して前部が全面オープン状態にできるので、検出器６を取り外す際、作業者がガ ントリ１の前部から検出器６を収納した収納ケース１０を取り付けていたネジ部 材を外すことにより、どの部分に位置する収納ケース１０であっても前方向に引 き出すことができ、容易に作業を行うことができる。

【００１３】 また、検出器６の本体内部への支持が、ベースプレート２だけで行えるので、 構造が簡単になり、コストが低減できる。

【００１４】 なお、支持部材４と第２シールド５を２分割し、両側に支軸を設けることによ り、観音開きの構造としてもよい。また、支持部材４の下部にレール等を設ける ことにより、前方向へ支持部材４を引き出すようにしてもよい、これによって、 より装置の設置面積を小さくすることができる。

【００１５】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、この考案のポジトロンＥＣＴ装置によれば、 リング状の多層検出器の軸線方向が支持部材により開放されるので、次のような 効果が得られる。 （１）検出器の着脱のために、装置外周方向に空間を設ける必要がないので、 装置に必要な設置スペースが小さくなり、比較的狭い検査室内にも装置を設置す ることができる。

【００１６】 （２）リング状の多層検出器の下部に位置する検出器と床面との空間を小さく できるので、装置自体をコンパクト化することができ、さらに、被検体を挿入す る空洞部を床面から低い位置に設けることができるので、患者の不安を少なくで きる。

【００１７】 （３）検出器の取り付けや取り出しが容易となり、組立作業者やサービスマン の作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るポジトロンＥＣＴ装置の水平断
面図である。

【図２】複数個の検出器を収納した収納ケースとベース
プレートの斜視図である。

【図３】収納ケースを取り出した状態を示した斜視図で
ある。

【図４】従来装置の検出器の取り付け構造を示した概略
斜視図である。

【符号の説明】

１ … ガントリ ２ … ベースプレート ３ … 第１シールド ４ … 支持部材 ５ … 第２シールド ６ … 検出器 １０ … 収納容器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対のシールドの間に多数個の検出器が
   リング状に配列された多層検出器を備えたポジトロンエ
   ミッションＣＴ装置において、前記多層検出器の軸線方
   向へ開閉可能な支持部材に前記シールドの一方を取り付
   けたことを特徴とするポジトロンエミッションＣＴ装
   置。