JP7045821B2 - 外貼り断熱シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、容易に、貼ることができ且つ一定期間の使用後引き剥がすことができる、窓貼りシートを提供せんとするものである。
この発明の請求項1にかかる外貼り断熱シートは、空気層形成材と、
空気層形成材の表面に積層された耐候性を有する、空気層形成材を支持する支持材と、
前記空気層形成材の支持材とは反対の側に積層される基材と、
前記空気層形成材と基材との間に積層された熱可塑性合成樹脂からなる、挟着材と、
前記基材の空気層形成材とは反対の側に積層された、アクリル系粘着剤であって再剥離可能に貼着できる再剥離型の粘着剤の粘着剤層とを備え、
前記基材、挟着材及び支持材のうち少なくともその一つには、耐候剤が含有されており、
前記空気層形成材は、気泡粒フィルムとベースフィルムと重ね合わせた積層体であり、気泡粒フィルム及びベースフィルムの長さ方向及び幅方向に空気を閉じ込めた気泡粒が配列されており、
前記気泡粒は、気泡粒フィルムの気泡粒の周辺領域を、ベースフィルムの気泡粒フィルムとの対向面に接着して、空気が閉じ込められた独立気泡であり、
前記支持材は、空気層形成材の気泡粒フィルムの表面に熱圧着された、熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記挟着材は、空気層形成材のベースフィルムの裏面に熱圧着された熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記基材は、挟着材の裏面に熱圧着された、強度を保持し且つ経時的変化の少ない熱可塑性合成樹脂からなるフィルムで構成され、
前記基材は、熱接着性改質層が形成されており、前記挟着材は、熱接着性改質層が形成されており、前記基材の熱接着性改質層の面と前記挟着材の熱接着性改質層の面とを対向させて熱圧着されており、
前記粘着剤層において被着面に貼着されるとともに、支持材、空気層形成材及び挟着材が積層された基材とともに粘着剤層を被着面から引き剥がすことができることを特徴とする、外貼り断熱シートである。
この発明の請求項2にかかる外貼り断熱シートは、空気層形成材の気泡粒フィルムの表面には、熱可塑性合成樹脂フィルムからなる支持材が熱圧着され、且つ、空気層形成材のベースフィルムの裏面には、熱可塑性合成樹脂フィルムからなる挟着材が熱圧着されたことを特徴とする、請求項1に記載の外貼り断熱シートである。
この発明の請求項3にかかる外貼り断熱シートは、前記空気層形成材の厚みは2.8~14.8mm以下であり、空気層形成材と支持材と挟着材と基材と粘着剤層とを合わせた厚みは、3.0~15.0mm以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の外貼り断熱シートである。
支持材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状の支持材を、第1積層体の空気層形成材の気泡粒フィルムに熱圧着して、空気層形成材の気泡粒フィルムと支持材とを積層し、且つ、空気層形成材の気泡粒フィルムと支持材とを熱圧着する工程と、
前記空気層形成材に積層される基材と、前記基材の空気層形成材とは反対の面に積層された、アクリル系粘着剤であって再剥離可能に貼着できる再剥離型粘着剤の粘着剤層と、前記粘着剤層の基材とは反対側の面に仮着された離型フィルムとを有する、第2積層体を準備する工程と、
前記空気層形成材を構成するベースフィルムと、挟着材と前記基材とを積層する工程と、
ローラとローラとが協働して、前記積層された空気層形成材と挟着材と第2積層体とを、一方及び/又は他方から圧して、空気層形成材を構成するベースフィルム、挟着材及び基材を熱圧着する工程とを備え、
前記気泡粒は、気泡粒フィルムの気泡粒の周辺領域を、ベースフィルムの気泡粒フィルムとの対向面に接着して、空気が閉じ込められた独立気泡であり、
前記基材、挟着材及び支持材のうち少なくともその一つには、耐候剤が含有されており、
前記支持材は、空気層形成材の気泡粒フィルムの表面に熱圧着された、熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記挟着材は、空気層形成材のベースフィルムの裏面に熱圧着された熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記基材は、挟着材の裏面に熱圧着された、強度を保持し且つ経時的変化の少ない熱可塑性合成樹脂からなるフィルムで構成され、
前記基材は、熱接着性改質層が形成されており、前記挟着材は、熱接着性改質層が形成されており、前記基材の熱接着性改質層の面と前記挟着材の熱接着性改質層の面とを対向させて熱圧着されており、
前記粘着剤層において被着面に貼着されるとともに、支持材、空気層形成材及び挟着材が積層された基材とともに粘着剤層を被着面から引き剥がすことができることを特徴とする、外貼り断熱シートの製造方法である。
この発明の請求項5にかかるにかかる外貼り断熱シートの製造方法は、ローラによって、空気層形成材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状の気泡粒フィルムを、長さ方向及び幅方向に空気を閉じ込めた気泡粒を有する気泡粒フィルムに成形するとともに、前記空気層形成材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状のベースフィルムを、ベースフィルムに成形し、且つ、気泡粒フィルムの気泡粒の周辺とベースフィルムとを積層して空気層形成材に成形する第1積層体を成形する工程と、
支持材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状の支持材を、第1積層体の空気層形成材の気泡粒フィルムに熱圧着して、空気層形成材の気泡粒フィルムと支持材とを積層し、且つ、空気層形成材の気泡粒フィルムと支持材とを熱圧着する工程と、
前記空気層形成材を構成するベースフィルムと、挟着材と前記基材とを積層する工程と、
ローラとローラとが協働して、前記積層された空気層形成材と挟着材と基材とを、一方及び/又は他方から圧して、空気層形成材を構成するベースフィルム、挟着材及び基材とを熱圧着する工程と、
前記基材の空気層形成材が積層される側とは反対の側に積層される、アクリル系粘着剤であって再剥離可能に貼着できる再剥離型粘着剤の粘着剤層と、前記粘着剤層の基材に積層される面とは反対側の面に仮着された離型フィルムとを有する、第2積層体を準備する工程と、
空気層形成材に接着された基材の空気層形成材とは反対側の側に、第2積層体の粘着剤層を接着する工程とを備え、
前記気泡粒は、気泡粒フィルムの気泡粒の周辺領域を、ベースフィルムの気泡粒フィルムとの対向面に接着して、空気が閉じ込められた独立気泡であり、
前記基材、挟着材及び支持材のうち少なくともその一つには、耐候剤が含有されており、
前記支持材は、空気層形成材の気泡粒フィルムの表面に熱圧着された、熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記挟着材は、空気層形成材のベースフィルムの裏面に熱圧着された熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記基材は、挟着材の裏面に熱圧着された、強度を保持し且つ経時的変化の少ない熱可塑性合成樹脂からなるフィルムで構成され、
前記基材は、熱接着性改質層が形成されており、前記挟着材は、熱接着性改質層が形成されており、前記基材の熱接着性改質層の面と前記挟着材の熱接着性改質層の面とを対向させて熱圧着されており、
前記粘着剤層において被着面に貼着されるとともに、支持材、空気層形成材及び挟着材が積層された基材とともに粘着剤層を被着面から引き剥がすことができることを特徴とする、外貼り断熱シートの製造方法である。
この発明の請求項6にかかる外貼り断熱シートの製造方法は、まず、基材に挟着材が積層され、その後、基材に接着された挟着材と空気層形成材のベースフィルムとを接着することを含む、請求項4又は5に記載の外貼り断熱シートの製造方法である。
この発明の請求項7にかかる外貼り断熱シートの製造方法は、基材を構成する熱可塑性合成樹脂フィルムの大気圧プラズマ処理又はコロナ処理された熱接着性改質層が形成された面と、挟着材を構成する熱可塑性合成樹脂フィルムのコロナ処理された面とを対向させて積層し、基材と挟着材とを加熱圧着して接着することを含む、請求項6に記載の外貼り断熱シートの製造方法である。
請求項1の発明によれば、
本発明にかかる外貼り断熱シートは、空気層形成材と、
空気層形成材の表面に積層された耐候性を有する、空気層形成材を支持する支持材と、
前記空気層形成材の支持材とは反対の側に積層される基材と、
前記空気層形成材と基材との間に積層された熱可塑性合成樹脂からなる、挟着材と、
前記基材の空気層形成材とは反対の側に積層された、アクリル系粘着剤であって再剥離可能に貼着できる再剥離型の粘着剤の粘着剤層とを備え、
前記基材、挟着材及び支持材のうち少なくともその一つには、耐候剤が含有されており、
前記空気層形成材は、気泡粒フィルムとベースフィルムと重ね合わせた積層体であり、気泡粒フィルム及びベースフィルムの長さ方向及び幅方向に空気を閉じ込めた気泡粒が配列されており、
前記気泡粒は、気泡粒フィルムの気泡粒の周辺領域を、ベースフィルムの気泡粒フィルムとの対向面に接着して、空気が閉じ込められた独立気泡であり、
前記支持材は、空気層形成材の気泡粒フィルムの表面に熱圧着された、熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記挟着材は、空気層形成材のベースフィルムの裏面に熱圧着された熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記基材は、挟着材の裏面に熱圧着された、強度を保持し且つ経時的変化の少ない熱可塑性合成樹脂からなるフィルムで構成され、
前記基材は、熱接着性改質層が形成されており、前記挟着材は、熱接着性改質層が形成されており、前記基材の熱接着性改質層の面と前記挟着材の熱接着性改質層の面とを対向させて熱圧着されており、
前記粘着剤層において被着面に貼着されるとともに、支持材、空気層形成材及び挟着材が積層された基材とともに粘着剤層を被着面から引き剥がすことができるので、窓ガラス戸を構成するサッシ(窓枠)の内側において窓ガラスの外側に貼ることにより、窓ガラス面に対して直接、窓ガラスに日光が当たることを防ぐことができる。特に、熱割れ現象が発生し易い網入りガラスにおいて、直接日光が当たらないことにより、温度の差が発生し難くなり、熱割れ現象の発現を抑える効果が生じる。
請求項4の発明によれば、
ローラによって、空気層形成材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状の気泡粒フィルムを、長さ方向及び幅方向に空気を閉じ込めた気泡粒を有する気泡粒フィルムに成形するとともに、前記空気層形成材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状のベースフィルムを、ベースフィルムに成形し、且つ、気泡粒フィルムの気泡粒の周辺とベースフィルムとを積層して空気層形成材に成形する第1積層体を成形する工程と、
支持材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状の支持材を、第1積層体の空気層形成材の気泡粒フィルムに熱圧着して、空気層形成材の気泡粒フィルムと支持材とを積層し、且つ、空気層形成材の気泡粒フィルムと支持材とを熱圧着する工程と、
前記空気層形成材に積層される基材と、前記基材の空気層形成材とは反対の面に積層された、アクリル系粘着剤であって再剥離可能に貼着できる再剥離型粘着剤の粘着剤層と、前記粘着剤層の基材とは反対側の面に仮着された離型フィルムとを有する、第2積層体を準備する工程と、
前記空気層形成材を構成するベースフィルムと、挟着材と前記基材とを積層する工程と、
ローラとローラとが協働して、前記積層された空気層形成材と挟着材と第2積層体とを、一方及び/又は他方から圧して、空気層形成材を構成するベースフィルム、挟着材及び基材を熱圧着する工程とを備え、
前記気泡粒は、気泡粒フィルムの気泡粒の周辺領域を、ベースフィルムの気泡粒フィルムとの対向面に接着して、空気が閉じ込められた独立気泡であり、
前記基材、挟着材及び支持材のうち少なくともその一つには、耐候剤が含有されており、
前記支持材は、空気層形成材の気泡粒フィルムの表面に熱圧着された、熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記挟着材は、空気層形成材のベースフィルムの裏面に熱圧着された熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記基材は、挟着材の裏面に熱圧着された、強度を保持し且つ経時的変化の少ない熱可塑性合成樹脂からなるフィルムで構成され、
前記基材は、熱接着性改質層が形成されており、前記挟着材は、熱接着性改質層が形成されており、前記基材の熱接着性改質層の面と前記挟着材の熱接着性改質層の面とを対向させて熱圧着されており、
前記粘着剤層において被着面に貼着されるとともに、支持材、空気層形成材及び挟着材が積層された基材とともに粘着剤層を被着面から引き剥がすことができる外貼り断熱シートを、効率的に製造することができる。
空気層形成材12と、
空気層形成材12を構成する気胞粒フィルム20の表面に積層された耐候性を有する、空気層形成材12を支持する支持材14と、
空気層形成材12を構成するベースフィルム22の裏面に積層された挟着材40と、
前記空気層形成材12の支持材14とは反対の側すなわち挟着材40に積層される基材16と、
前記基材16の空気層形成材12とは反対の側に積層された粘着剤層18とを備え、
前記粘着剤層18において被着面Gに貼着されるとともに、空気層形成材12及び支持材14並びに挟着材40が積層された基材16とともに粘着剤層18を被着面Gから引き剥がすことができることを特徴とする。
また、支持材14及び基材16には、予めコロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理、逆スパッタ処理及び粗面化処理などの表面処理や公知のアンカーコート処理が施されて良い。
外貼り断熱シートの高さが3.0mm未満であれば、熱伝導率が高くなり、耐候性が乏しく、外貼り断熱シート10の高さが15.0mmを超えると、剛性が乏しくなり、風雨に曝されると凹んだり歪んだりして耐候性に劣る。
本件発明の外貼り断熱シート10は、柔軟性を有しており、凹凸のある網入りガラスの外側面にも貼着することができる。
本発明の外貼り断熱シート10の空気層形成材12としては、厚みが3mm以下であることが好ましく、より好ましくは1mm以下である。空気層形成材12が3mmより厚いと、窓に貼り付けた際に窓枠(サッシ)との段差が発生し、窓の開閉ができなくなる場合がある。
サイズ(面積)は高さによって変わるが、気泡粒24の底面の略円形の対粒間距離が1mmとすれば、高さが2 .8~4mmで、略円形の径は8~10mm程度が好適である。
支持材14 は、気泡粒フィルム20の気泡粒24の頂部に積層されたポリエチレン等の熱可塑性合成樹脂フィルムないしはフィルム状の層状である。
挟着材40は、空気層形成材12のベースフィルム22の裏面に積層されたポリエチレン等の熱可塑性合成樹脂フィルムないしはフィルム状の層状である。
挟着材40は、空気層形成材12のベースフィルム22と基材16との間に介在して、
空気層形成材12を基材16に積層して強く接着できるように形成されている。
支持材14及び挟着材40は、従来公知の熱可塑性樹脂から構成することができる。従来公知の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテンまたはエチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α-メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナイロン6-6、ナイロン6-10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイドや、その他、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フッ素樹脂、アリル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ケトン樹脂、アミノ樹脂、ポリ乳酸などの生分解性樹脂を例示することができる。さらに、熱可塑性樹脂は、これらのブレンド物や、これら樹脂が適宜共重合により変性されたものであってもよい。上記熱可塑性樹脂のうち、支持材14の変形防止性に優れているという観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンまたはポリ塩化ビニルが好ましく、支持材14の変形を長期にわたって有効に防止できる観点から、ポリエチレンテレフタレート、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンがより好ましい。
本発明にかかる基材16は、一般的にはある程度の耐候性を有する熱可塑性樹脂フィルムが好ましいが、強度を保持し且つ経時的変化の少ないものを用いる。例えば、通常は透明プラスチックフィルムが使用されるが、用途によっては必ずしも透明である必要はない。また、通常はある程度剛性を有するものが使用され、好ましくは引張弾性率が100~500kg/mm2程度のものが用いられる。
基材16を構成するポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムの方が挟着材40を構成するポリエチレン(PE)樹脂フィルムより融点が高い。
基材16、挟着材40及び支持材14の少なくとも一方に含有される耐候剤としては、任意の適切な耐候剤を採用し得る。このような耐候剤としては、好ましくは、紫外線吸収剤および酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種である。耐候剤は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
粘着剤層18を構成するアクリル系粘着剤は、従来からアクリル系粘着剤として使用されている任意のアクリル系粘着剤が使用可能であり、例えば、アルキル (メタ) アクリレートを主体とし、該アルキル (メタ) アクリレートと共重合可能な改質モノマーとの共重合体が挙げられる。
この発明の一実施の形態の外貼り断熱シート10は、再剥離可能に貼着できる再剥離型粘着剤が用いられている。
粘着剤としては、たとえば、アクリル系、天然ゴム系、合成ゴム系、エチレン-酢酸ビニル共重合体系、エチレン-アクリル酸エステル系、スチレン-イソプレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエンブロック共重合体系、ポリウレタン系、ポリエステル系などの各種粘着剤があげられる。
架橋剤としては、従来よりアクリル系共重合体の架橋剤として使用されている架橋剤であれば特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、キレート系架橋剤等が挙げられる。
第1の外貼り断熱シートの製造方法は、空気層形成材12に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状の第1積層体60を送る工程と、
前記空気層形成材12に積層される基材16と、前記基材16の空気層形成材とは反対の面に積層された粘着剤層18と、前記粘着剤層の基材とは反対側の面に仮着された離型フィルム50とを有する、第2積層体70を準備する工程と、
第1積層体により空気層形成材を成形し、且つ、該空気層形成材12と第2積層体70とを積層する工程と、
前記積層された空気層形成材12と第2積層体70の一方及び/又は他方から圧着して、空気層形成材12と、第2積層体70とを熱圧着する工程と、
支持材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状の支持材を、第1積層体からなる空気層形成材に熱圧着して、空気層形成材と支持材14とを積層し、且つ、空気層形成材12に支持材14を形成する工程とを備え、
前記粘着剤層において被着面に貼着されるとともに、空気層形成材及び支持材が積層された基材とともに粘着剤層を被着面から引き剥がすことができることを特徴とする。
第2の外貼り断熱シートの製造方法は、空気層形成材12に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状の第1積層体60を送る工程
前記基材16の空気層形成材が積層される側とは反対の側に積層される粘着剤層18と、前記粘着剤層の基材とは反対側の面に仮着された離型フィルム50とを有する、第2積層体70を準備する工程と、
前記空気層形成材12に積層される基材16を準備する工程と、
第1積層体60により空気層形成材12を形成し、且つ、前記空気層形成材12のと基材16とを接し合わせて、空気層形成材12と基材16とを積層する工程と、
前記積層された空気層形成材12と基材16の一方及び/又は他方から加圧して、空気層形成材12と、基材16とを熱圧着する工程と、
支持材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状の支持材14を、第1積層体からなる空気層形成材に熱圧着して、空気層形成材と支持材14とを積層し、且つ、空気層形成材12に支持材14を形成する工程と、
空気層形成材12に接着された基材16の空気層形成材とは反対側の側に、第2積層体70の粘着剤層18を接着する工程とを備え、
前記粘着剤層において被着面に貼着されるとともに、空気層形成材及び支持材が積層された基材とともに粘着剤層を被着面から引き剥がすことができることを特徴とする。
更に、第1の外貼り断熱シート及び第2の外貼り断熱シートの製造方法は、ローラ80とローラ82が協働して、空気層形成材12を構成するベースフィルム22と、第2積層体70に積層された挟着材40と接着する工程を含む。
第1の外貼り断熱シート及び第2の外貼り断熱シートの製造方法は、積層された第1積層体60と基材16の一方の面及び/又は他方の面から、ローラ80及びローラ82により、約180~220℃の温度にて加熱して、第1積層体60のベースフィルム122を、基材16と接し合う側において熱圧着する工程(熱圧着工程)を含む。
第1の外貼り断熱シート及び第2の外貼り断熱シートの製造方法は、支持材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状の支持材14を、ローラ84によって、第1積層体からなる空気層形成材に熱圧着して、空気層形成材と支持材14とを積層し、且つ、空気層形成材12に支持材14を熱圧着する工程を含む。
第2積層体70は、前記基材16の支持材14が積層される面とは反対の面に積層される粘着剤層18と、前記粘着剤層18の基材16とは反対側の面に仮着された離型フィルム50とを積層されている。
第2の外貼り断熱シートの製造方法は、第2積層体70を構成する粘着剤層18が、基材16とは反対側の面に離型フィルム50が付着されている状態において、空気層形成材12と支持材14と基材16とが一体となった状態で、ローラ86によって、基材16と接着されている。
耐候性を有するポリエチレンフィルムで形成された気泡粒フィルム20とベースフィルム22を有する空気層形成材12と、
空気層形成材12の表面に積層された耐候性を有する、ポリエチレンフィルム(厚さ30~40μm)で形成された支持材14と、空気層形成材12を構成するベースフィルム22の裏面に積層された、ポリエチレンフィルム(厚さ30~40μm)で形成された挟着材40と、
前記支持材14のうち一方の支持材14の空気層形成材12とは反対の面に積層された、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)で形成された基材16と、
前記基材16の挟着材40とは反対の面に、アクリル系粘着剤を添付してなる粘着剤層18(厚さ約1mm)とを備え、
空気層形成材12と支持材14と基材16と粘着剤層18とを合わせた厚さは、約4ないし5mmであり、
前記粘着剤層18において窓ガラスの被着面Gに貼着されるとともに、厚さ3mmの空気層形成材12及び支持材14が積層された基材16とともに粘着剤層18を窓ガラスの被着面Gから、一定期間経過後、例えば、貼着から約6ヶ月後に、空気層形成材12と支持材14と基材16と粘着剤層18とを一体として被着面Gから引き剥がすことができる。
気泡粒24は、縦の並び(図5図示L1~L4)が直線状であり、0.8mm~1.2mmの間隔をおいて直線状に並んでいる。
気泡粒24は、横の並び(図5図示R1~R4)が直線状であり、隣接するL1の気泡粒24とL2の気泡粒24とが縦方向に約半径分ずれて、直線状に並んでいる。
基材16を構成するポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムの方が挟着材40を構成するポリエチレン(PE)樹脂フィルムより融点が高い。
(1)耐候性試験
JIS-L-0891 B法で行ったところ、部分的黄褐色の斑紋が見られる程度で問題がないことがわかった。
ガラス板の外側面に断熱シートを貼り付け試験片とする。室温が3℃程低下することがわかった。
(3)紫外線遮蔽率
A波、B波の全体で、95%以上の遮蔽率であった。
外貼り断熱シート10は、窓ガラスを嵌め込む枠体(サッシ)の内側に、密に収まるように、略方形に形成するとよい。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
12 空気層形成材
14 支持材
16 基材
18 粘着剤層
20 気泡粒フィルム
22 ベースフィルム
24 気泡粒
40 挟着材
50 離型フィルム
60 第1積層体
70 第2積層体
80 ローラ
82 ローラ
84 押圧ローラ
86 積層ローラ
G 被着面
Claims (7)
- 空気層形成材と、
空気層形成材の表面に積層された耐候性を有する、空気層形成材を支持する支持材と、
前記空気層形成材の支持材とは反対の側に積層される基材と、
前記空気層形成材と基材との間に積層された熱可塑性合成樹脂からなる、挟着材と、
前記基材の空気層形成材とは反対の側に積層された、アクリル系粘着剤であって再剥離可能に貼着できる再剥離型の粘着剤の粘着剤層とを備え、
前記基材、挟着材及び支持材のうち少なくともその一つには、耐候剤が含有されており、
前記空気層形成材は、気泡粒フィルムとベースフィルムと重ね合わせた積層体であり、気泡粒フィルム及びベースフィルムの長さ方向及び幅方向に空気を閉じ込めた気泡粒が配列されており、
前記気泡粒は、気泡粒フィルムの気泡粒の周辺領域を、ベースフィルムの気泡粒フィルムとの対向面に接着して、空気が閉じ込められた独立気泡であり、
前記支持材は、空気層形成材の気泡粒フィルムの表面に熱圧着された、熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記挟着材は、空気層形成材のベースフィルムの裏面に熱圧着された熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記基材は、挟着材の裏面に熱圧着された、強度を保持し且つ経時的変化の少ない熱可塑性合成樹脂からなるフィルムで構成され、
前記基材は、熱接着性改質層が形成されており、前記挟着材は、熱接着性改質層が形成されており、前記基材の熱接着性改質層の面と前記挟着材の熱接着性改質層の面とを対向させて熱圧着されており、
前記粘着剤層において被着面に貼着されるとともに、支持材、空気層形成材及び挟着材が積層された基材とともに粘着剤層を被着面から引き剥がすことができることを特徴とする、外貼り断熱シート。 - 空気層形成材の気泡粒フィルムの表面には、熱可塑性合成樹脂フィルムからなる支持材が熱圧着され、且つ、空気層形成材のベースフィルムの裏面には、熱可塑性合成樹脂フィルムからなる挟着材が熱圧着されたことを特徴とする、請求項1に記載の外貼り断熱シート。
- 前記空気層形成材の厚みは2.8~14.8mm以下であり、空気層形成材と支持材と挟着材と基材と粘着剤層とを合わせた厚みは、3.0~15.0mm以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の外貼り断熱シート。
- ローラによって、空気層形成材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状の気泡粒フィルムを、長さ方向及び幅方向に空気を閉じ込めた気泡粒を有する気泡粒フィルムに成形するとともに、前記空気層形成材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状のベースフィルムを、ベースフィルムに成形し、且つ、気泡粒フィルムの気泡粒の周辺とベースフィルムとを積層して空気層形成材に成形する第1積層体を成形する工程と、
支持材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状の支持材を、第1積層体の空気層形成材の気泡粒フィルムに熱圧着して、空気層形成材の気泡粒フィルムと支持材とを積層し、且つ、空気層形成材の気泡粒フィルムと支持材とを熱圧着する工程と、
前記空気層形成材に積層される基材と、前記基材の空気層形成材とは反対の面に積層された、アクリル系粘着剤であって再剥離可能に貼着できる再剥離型粘着剤の粘着剤層と、前記粘着剤層の基材とは反対側の面に仮着された離型フィルムとを有する、第2積層体を準備する工程と、
前記空気層形成材を構成するベースフィルムと、挟着材と前記基材とを積層する工程と、
ローラとローラとが協働して、前記積層された空気層形成材と挟着材と第2積層体とを、一方及び/又は他方から圧して、空気層形成材を構成するベースフィルム、挟着材及び基材を熱圧着する工程とを備え、
前記気泡粒は、気泡粒フィルムの気泡粒の周辺領域を、ベースフィルムの気泡粒フィルムとの対向面に接着して、空気が閉じ込められた独立気泡であり、
前記基材、挟着材及び支持材のうち少なくともその一つには、耐候剤が含有されており、
前記支持材は、空気層形成材の気泡粒フィルムの表面に熱圧着された、熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記挟着材は、空気層形成材のベースフィルムの裏面に熱圧着された熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記基材は、挟着材の裏面に熱圧着された、強度を保持し且つ経時的変化の少ない熱可塑性合成樹脂からなるフィルムで構成され、
前記基材は、熱接着性改質層が形成されており、前記挟着材は、熱接着性改質層が形成されており、前記基材の熱接着性改質層の面と前記挟着材の熱接着性改質層の面とを対向させて熱圧着されており、
前記粘着剤層において被着面に貼着されるとともに、支持材、空気層形成材及び挟着材が積層された基材とともに粘着剤層を被着面から引き剥がすことができることを特徴とする、外貼り断熱シートの製造方法。 - ローラによって、空気層形成材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状の気泡粒フィルムを、長さ方向及び幅方向に空気を閉じ込めた気泡粒を有する気泡粒フィルムに成形するとともに、前記空気層形成材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状のベースフィルムを、ベースフィルムに成形し、且つ、気泡粒フィルムの気泡粒の周辺とベースフィルムとを積層して空気層形成材に成形する第1積層体を成形する工程と、
支持材に成形される前の半溶融状態の熱可塑性合成樹脂フィルム状の支持材を、第1積層体の空気層形成材の気泡粒フィルムに熱圧着して、空気層形成材の気泡粒フィルムと支持材とを積層し、且つ、空気層形成材の気泡粒フィルムと支持材とを熱圧着する工程と、
前記空気層形成材を構成するベースフィルムと、挟着材と前記基材とを積層する工程と、
ローラとローラとが協働して、前記積層された空気層形成材と挟着材と基材とを、一方及び/又は他方から圧して、空気層形成材を構成するベースフィルム、挟着材及び基材とを熱圧着する工程と、
前記基材の空気層形成材が積層される側とは反対の側に積層される、アクリル系粘着剤であって再剥離可能に貼着できる再剥離型粘着剤の粘着剤層と、前記粘着剤層の基材に積層される面とは反対側の面に仮着された離型フィルムとを有する、第2積層体を準備する工程と、
空気層形成材に接着された基材の空気層形成材とは反対側の側に、第2積層体の粘着剤層を接着する工程とを備え、
前記気泡粒は、気泡粒フィルムの気泡粒の周辺領域を、ベースフィルムの気泡粒フィルムとの対向面に接着して、空気が閉じ込められた独立気泡であり、
前記基材、挟着材及び支持材のうち少なくともその一つには、耐候剤が含有されており、
前記支持材は、空気層形成材の気泡粒フィルムの表面に熱圧着された、熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記挟着材は、空気層形成材のベースフィルムの裏面に熱圧着された熱可塑性合成樹脂からなる層状であり、
前記基材は、挟着材の裏面に熱圧着された、強度を保持し且つ経時的変化の少ない熱可塑性合成樹脂からなるフィルムで構成され、
前記基材は、熱接着性改質層が形成されており、前記挟着材は、熱接着性改質層が形成されており、前記基材の熱接着性改質層の面と前記挟着材の熱接着性改質層の面とを対向させて熱圧着されており、
前記粘着剤層において被着面に貼着されるとともに、支持材、空気層形成材及び挟着材が積層された基材とともに粘着剤層を被着面から引き剥がすことができることを特徴とする、外貼り断熱シートの製造方法。 - まず、基材に挟着材が積層され、その後、基材に接着された挟着材と空気層形成材のベースフィルムとを接着することを含む、請求項4又は5に記載の外貼り断熱シートの製造方法。
- 基材を構成する熱可塑性合成樹脂フィルムの大気圧プラズマ処理又はコロナ処理された熱接着性改質層が形成された面と、挟着材を構成する熱可塑性合成樹脂フィルムのコロナ処理された面とを対向させて積層し、基材と挟着材とを加熱圧着して接着することを含む、請求項6に記載の外貼り断熱シートの製造方法。
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