JP7043727B2 - 光波長変換シートの劣化評価方法、光波長変換シート、バックライト装置、および画像表示装置 - Google Patents
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光波長変換シートの劣化を評価する際には、まず、図1に示されるように、劣化評価装置1および測定対象である光波長変換シート10を用意する。劣化評価装置1は、直下型のバックライト装置2、バックライト装置2の上方に配置され、かつ光波長変換シート10の輝度を測定する輝度計3と、輝度計3に電気的に接続された処理装置4とを備えている。
バックライト装置2は、光源5と、光源5上に配置され、光源5からの光を拡散させる機能を有する光拡散板6とを備えている。バックライト装置2は、光源5および光拡散板6の他、光拡散板6上にレンズシートや反射型偏光分離シートを備えていてもよい。図1に示されるバックライト装置2の発光面2Aは、光拡散板の出光面で構成されている。
光源5は、後述する量子ドット17によって波長変換される光を照射するものである。光源5としては、量子ドット17によって波長変換される光を照射するものであれば、特に限定されないが、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状の発光ダイオード(LED)や白熱電球等が挙げられる。量子ドット17が青色光を緑色光に変換する第1の量子ドットと、青色光を赤色光に変換する第2の量子ドットとを含む場合には、光源2としては、青色光を発する光源、特に青色発光ダイオードが好ましい。本明細書における「青色光」とは、380nm以上480nm未満の波長域を有する光であり、「緑色光」とは、480nm以上590nm未満の波長域を有する光であり、「赤色光」とは、590nm以上750nm以下の波長域を有する光である。
光拡散板6は、光源5側の一方の面によって構成された入光面6Aと、光波長変換シート10側の他方の面によって構成された出光面6Bとを有している。入光面6Aから光拡散板6内に入射した光は、光拡散板6内で拡散され、出光面6Bから出射される。
輝度計3は、光波長変換シート10のバックライト装置2側の一方の表面10Aとは反対側の他方の表面10Bの輝度分布を測定するものである。輝度計は、面全体の輝度分布を測定する面輝度計であってもよい。輝度計3としては、特に限定されず、市販品を用いていることができる。輝度計の市販品としては、例えば、UA-200(トプコンテクノハウス社製)が挙げられる。光波長変換シート10の表面10Bから輝度計3までの距離(焦点距離)は、適宜調節可能である。
処理装置4は、輝度計3によって測定された輝度分布をデータとして取り込み、取り込んだ輝度分布に基づいて輝度変化量分布を求める機能を有するものである。また、処理装置4は、指定した部分(例えば、光波長変換シートの任意の一方の端縁から他方の端縁までの直線部分)における輝度分布を抽出する機能を有していてもよい。
測定対象の光波長変換シート10は、入射する光のうち一部の光の波長を他の波長に変換し、入射した光の他の一部および波長変換された光を出射させるためのシートである。光波長変換シート10の大きさは、バックライト装置2の発光面2Aの大きさよりも小さいことが好ましい。このような大きさの光波長変換シート10を用いることにより、光波長変換シート10の端部よりも中央部側の劣化のみならず、光波長変換シート10の端部の劣化を評価することができる。本明細書における「端部の劣化」とは、光波長変換シートの端部に存在する量子ドットが劣化することを意味する。
光波長変換層11は、ホストマトリクス16と、ホストマトリクス16に分散された量子ドット17とを含んでいる。光波長変換層11は、波長効率を高めるために光散乱性粒子18を含んでいることが好ましい。また、光波長変換層11は、量子ドット17の劣化を抑制するための添加剤を含んでいることが好ましい。光波長変換層11の両面はバリアフルム12、13で覆われているが、光波長変換層11の側面は露出している。
ホストマトリクス16としては、特に限定されないが、バインダ樹脂、シリカガラス等のガラス、およびシリカゲルの少なくともいずれかが挙げられる。バインダ樹脂としては、特に限定されないが、重合性化合物の重合体が挙げられる。重合性化合物(硬化性化合物)は、重合可能な化合物であり、例えば、電離放射線重合性化合物(電離放射線硬化性化合物)や熱重合性化合物(熱硬化性化合物)が挙げられる。本明細書における電離放射線としては、可視光線、並びに紫外線、X線、電子線、α線、β線、およびγ線が挙げられる。
量子ドット17は、量子閉じ込め効果(quantum confinement effect)を有するナノサイズの半導体粒子である。量子ドット17の粒子径および平均粒子径は、例えば、1nm以上20nm以下となっている。量子ドット17は、励起源から光を吸収してエネルギー励起状態に達すると、量子ドットのエネルギーバンドギャップに該当するエネルギーを放出する。よって、量子ドット17の粒子径又は物質の組成を調節すると、エネルギーバンドギャップを調節することができ、様々なレベルの波長帯のエネルギーを得ることができる。とりわけ、量子ドット17は、狭い波長帯で強い蛍光を発生することができる。
光散乱性粒子18は、光波長変換層11に進入した光を散乱させることによって光の進行方向を変化させる作用を有する粒子である。
添加剤としては、特に限定されないが、量子ドットの酸化や劣化を抑制する化合物が好ましい。量子ドットの酸化や劣化を抑制する化合物としては、フェノール系化合物、アミン系化合物、硫黄系化合物、リン系化合物、ヒドラジン系化合物、アミド系化合物、およびヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。添加剤は、ホストマトリクスと結合していてもよい。
バリアフィルム12、13は、水分や酸素の透過を抑制して、量子ドット17を水分や酸素から保護するためのフィルムである。ここで、本明細書における「バリアフィルム」とは、部材単体で、40℃、相対湿度90%での水蒸気透過率が0.1g/(m2・24h)未満となり、かつ23℃、相対湿度90%での酸素透過率が0.1cm3/(m2・24h・atm)未満となるフィルムを意味するものとする。バリアフィルムには、単層構造のフィルムのみならず、多層構造のフィルムも含まれる。光波長変換層11を挟持する状態でバリアフィルム12、13を設置することで、より量子ドット17の耐久性を向上させることができる。図3に示されるバリアフィルム12、13は、光透過性基材19、20と、光透過性基材19、20における光波長変換層11側に設けられ、かつ水分や酸素の透過を抑制する機能を有するバリア層21、22とを備えている。
光透過性基材19、20の厚みは、特に限定されないが、10μm以上300μm以下であることが好ましい。光透過性基材19、20の厚みが、10μm未満であると、光波長変換シートのアッセンブリ、取扱い時における皺や折れが発生するおそれがあり、また300μmを超えると、ディスプレイの軽量化および薄膜化に適さないおそれがある。光透過性基材19、20の厚みのより好ましい下限は50μm以上、より好ましい上限は200μm以下である。
バリア層21、22は、水分や酸素の透過を抑制する機能を有する蒸着層から構成されている。蒸着層は、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長(PVD)法や化学気相成長(CVD)法等の蒸着法で形成された層である。蒸着層は、バリア性を高めることができるという利点を有する。
光拡散層14、15は、表面に凹凸形状を有しており、この凹凸形状によって光波長変換シート10に入射する光および出射する光を拡散させることができる。光拡散層14、15を設けることにより、光波長変換シート10における光波長変換効率をより高めることができる。光拡散層14、15は、光散乱性粒子とバインダ樹脂とを含んでいる。
光拡散層14、15中の光散乱性粒子は、主に、光拡散層14、15の表面に凹凸形状を形成するとともに光散乱性機能を発揮するためのものである。
バインダ樹脂としては、重合性化合物の重合体を用いることができる。重合性化合物としては、光波長変換層の欄で説明した重合性化合物と同様のものを用いることができるので、ここでは説明を省略するものとする。
図4に示される画像表示装置30は、バックライト装置40と、バックライト装置40の出光側に配置された表示パネル80とを備えている。画像表示装置30は、画像を表示する表示面30Aを有している。図5に示される画像表示装置30においては、表示パネル80の表面が表示面30Aとなっている。
図5に示される表示パネル80は、液晶表示パネルであり、入光側に配置された偏光板81と、出光側に配置された偏光板82と、偏光板81と偏光板82との間に配置された液晶セル83とを備えている。偏光板81、82は、入射した光を直交する二つの直線偏光成分(S偏光およびP偏光)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、P偏光)を透過させ、前記一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、S偏光)を吸収する機能を有している。
図5に示されるバックライト装置40は、エッジライト型のバックライト装置として構成され、光源50と、光源50の側方に配置された導光板としての光学板55と、光学板55の出光側に配置された光波長変換シート10と、光波長変換シート10の出光側に配置されたレンズシート60と、レンズシート60の出光側に配置されたレンズシート65と、レンズシート65の出光側に配置された反射型偏光分離シート70と、光学板55の出光側とは反対側に配置された反射シート75とを備えている。バックライト装置40は、光学板55、レンズシート60、65、反射型偏光分離シート70、反射シート75を備えているが、これらのシート等は備えられていなくともよい。本明細書において、「出光側」とは、各部材においてバックライト装置から出射する方向に向かう光が出射される側を意味する。
光源50は、上記光源と同様のものであるので、ここでは説明を省略するものとする。
導光板としての光学板65は、平面視形状が四角形形状に形成されている。光学板65は、表示パネル80側の一方の主面によって構成された出光面65Aと、出光面65Aに対向するもう一方の主面からなる裏面65Bと、出光面65Aおよび裏面65Bの間を延びる側面とを有している。側面のうちの光源50側の側面が、光源50からの光を受ける入光面55Cとなっている。入光面55Cから光学板55内に入射した光は、入光面55Cと、入光面55Cと対向する反対面とを結ぶ方向(導光方向)に光学板内を導光され、出光面55Aから出射される。
レンズシート60、65は、入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させる機能を有する。本実施形態においては、図7に示されるように、入射角度が大きい光L3の進行方向を変化させて出光側から出射させて、正面方向の輝度を集中的に向上させる機能(集光機能)とともに、入射角度が小さい光L4を反射させて、光波長変換シート10側に戻す機能(再帰反射機能)を有している。レンズシート60、65は、光透過性基材61と、光透過性基材61の一方の面に設けられたレンズ層62とを備えている。
光透過性基材61は、光透過性基材12、13と同様のものであるので、ここでは説明を省略するものとする。
レンズ層62は、図6および図7に示されるように、シート状の本体部63、および本体部63の出光側に並べて配置された複数の単位レンズ64を備えている。
反射型偏光分離シート70は、レンズシート65から出射される光のうち、第1の直線偏光成分(例えば、P偏光)のみを透過し、かつ第1の直線偏光成分と直交する第2の直線偏光成分(例えば、S偏光)を吸収せずに反射する機能を有する。反射型偏光分離シート70で反射された第2の直線偏光成分は再度反射され、偏光が解消された状態(第1の直線偏光成分と第2の直線偏光成分とを両方含んだ状態)で、再度、反射型偏光分離シート70に入射する。よって、反射型偏光分離シート70は再度入射する光のうち第1の直線偏光成分を透過し、第1の直線偏光成分と直交する第2の直線偏光成分は再度反射される。以下、同上の過程を繰り返す事により、レンズシート65から出光した光の70~80%程度が第1の直線偏光成分となった光源光として出光される。したがって、反射型偏光分離シート70の第1の直線偏光成分(透過軸成分)の偏光方向と表示パネル80の偏光板121の透過軸方向とを一致させることにより、バックライト装置40からの出射光は全て表示パネル80で画像形成に利用可能となる。したがって、光源50から投入される光エネルギーが同じであっても、反射型偏光分離シート70を未配置の場合に比べて、より高輝度の画像形成が可能となり、又光源50のエネルギー利用効率も向上する。とりわけ、反射型偏光分離シート70で反射された光は、光波長変換シート10で波長変換が行われ得る。したがって、反射型偏光分離シート70を配置することによって、光波長変換シート10の波長変換効率がさらに上昇させることができる。したがって、更なる光の利用効率の改善を期待することができる。
反射シート75は、光学板55の裏面55Bから漏れ出した光を反射して、再び光学板90内に入射させる機能を有する。反射シート75は、白色の散乱反射シート、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等から、構成され得る。反射シート75での反射は、正反射(鏡面反射)でもよく、拡散反射でもよい。反射シート75での反射が拡散反射の場合には、当該拡散反射は、等方性拡散反射であってもよいし、異方性拡散反射であってもよい。
光波長変換シート10を組み込むバックライト装置は、図8に示されるような直下型のバックライト装置であってもよい。図8に示されるバックライト装置90は、光源50と、光源50の光を受け、かつ光拡散板として機能する光学板100と、光学板100の出光側に配置された光波長変換シート10、光波長変換シート10の出光側に配置されたレンズシート60と、レンズシート60の出光側に配置されたレンズシート65と、レンズシート65の出光側に配置された反射型偏光分離シート70とを備えている。本実施形態においては、光源50は、光学板100の側方ではなく、光学板100の直下に配置されている。図8において、図5と同じ符号が付されている部材は、図5で示した部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。なお、バックライト装置90においては、反射シート75は備えられていない。
光拡散板としての光学板100は、光拡散板3と同様のものであるので、ここでは説明を省略するものとする。
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、光波長変換層用組成物を得た。
(光波長変換層用組成物1)
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV-5500」、DIC社製):92.5質量部
・トリフェニルホスフィン(ホスフィン系化合物、製品名「JC-263」、城北化学工業社製):7.5質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA-ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.2質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA-ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.2質量部
・ラジカル重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.2質量部
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV-5500」、DIC社製):95質量部
・トリフェニルホスフィン(ホスフィン系化合物、製品名「JC-263」、城北化学工業社製):5.0質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA-ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.2質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA-ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.2質量部
・ラジカル重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.2質量部
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV-5500」、DIC社製):50質量部
・トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)(製品名「TPMB」、昭和電工社製):50質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA-ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.2質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA-ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.2質量部
・ラジカル重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.2質量部
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV-5500」、DIC社製):70質量部
・トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)(製品名「TPMB」、昭和電工社製):30質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA-ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.2質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA-ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.2質量部
・ラジカル重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.2質量部
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV-5500」、DIC社製):100質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA-ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.2質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA-ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.2質量部
・ラジカル重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.2質量部
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV-5500」、DIC社製):99.8質量部
・トリフェニルホスフィン(ホスフィン系化合物、製品名「JC-263」、城北化学工業社製):0.2質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA-ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.2質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA-ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.2質量部
・ラジカル重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.2質量部
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV-5500」、DIC社製):97質量部
・トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)(製品名「TPMB」、昭和電工社製):3質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA-ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.2質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA-ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.2質量部
・ラジカル重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.2質量部
下記に示す組成となるように各成分を配合して、光拡散層用組成物1を得た。
(光拡散層用組成物1)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:99質量部
・光散乱性粒子(架橋ポリスチレン樹脂ビーズ、製品名「SBX-4」、積水化成品工業株式会社製、平均粒子径4μm):158質量部
・光重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184、BASFジャパン社製):1質量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1(質量比)):170質量部
まず、2枚のバリアフィルムを次のような方法で作製した。高周波スパッタリング装置において、電極に周波数13.56MHz、電力5kWの高周波電力を印加することにより、チャンバー内で放電を生じさせて、大きさ7インチおよび厚みが50μmの光透過性基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「ルミラーT60」、東レ社製)の片面にターゲット物質(シリカ)からなる、厚みが50nmであり、かつ屈折率が1.46であるバリア層としてのシリカ蒸着層を形成し、これにより、ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面にシリカ蒸着層が形成されたバリアフィルムを2枚形成した。
サンプル2~7においては、光波長変換組成物1の代わりに表1に示される各光波長変換組成物を用いたこと以外は、サンプル1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
上記サンプル1~7に係る光波長変換シートにおいて、光波長変換シートを60℃、相対湿度90%環境下に500時間放置する耐久性試験を行い、耐久性試験後の光波長変換シートにおいて、劣化している部分があるか否か評価した。
上記耐久性試験後のサンプル1~7に係る光波長変換シートにおいて、劣化している部分があるか否か目視により評価した。具体的には、発光ピーク波長が450nmの青色発光ダイオード上にある光拡散板上に、耐久性試験後の光波長変換シートを載せた。そして、青色発光ダイオードを点灯させた状態で、光波長変換シートの表面を目視により評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:端部の色味が中央部の色味と同等であったので、端部の劣化が確認されなかった。
×:端部の色味が中央部の色味と異なっていたので、端部の劣化が確認された。
2…バックライト装置
2A…発光面
3…輝度計
4…処理装置
5…光源
6…光拡散板
10…光波長変換シート
11…光波長変換層
16…バインダ樹脂
17…量子ドット
30…画像表示装置
40、90…バックライト装置
80…表示パネル
Claims (5)
- ホストマトリクスと、前記ホストマトリクス中に分散された量子ドットとを含む光波長変換層を備える光波長変換シートの劣化評価方法であって、
前記光波長変換シートの一方の表面に前記量子ドットによって波長変換可能な光を照射した状態で、前記光波長変換シートにおける前記一方の表面とは反対側の他方の表面の少なくとも一部の輝度分布を測定する工程と、
測定された前記輝度分布に基づいて前記輝度分布を測定する際の測定間隔毎の輝度の差の分布である輝度変化量分布を得る工程と、
得られた前記輝度変化量分布から極大値と、前記極大値に隣接する極小値とを検出する工程と、
前記極大値が得られる位置から前記極小値が得られる位置までの幅を求め、前記幅が5mm以下であるか否かによって前記光波長変換シートの劣化を評価する工程と、
を備える、光波長変換シートの劣化評価方法。 - 前記輝度分布を測定する工程が、少なくとも前記光波長変換シートの端部の輝度を測定する工程であり、前記輝度変化量分布を得る工程が、前記光波長変換シートの前記端部の輝度変化量を得る工程である、請求項1に記載の光波長変換シートの劣化評価方法。
- 前記輝度分布を測定する工程前に、直下型のバックライト装置の発光面に前記光波長変換シートを配置する工程をさらに備え、前記光波長変換シートの大きさが前記発光面の大きさよりも小さく、前記輝度分布を測定する工程において照射される前記光が前記バックライト装置から照射される光である、請求項1または2に記載の光波長変換シートの劣化評価方法。
- 前記光波長変換層の少なくとも片面に水分や酸素の透過を抑制するバリアフィルムをさらに備える、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光波長変換シートの劣化評価方法。
- 前記量子ドットによって波長変換可能な光が青色光であり、前記量子ドットが前記青色光を緑色光に変換する第1の量子ドットと、前記青色光を赤色光に変換する第2の量子ドットとを含む、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の光波長変換シートの劣化評価方法。
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