JP6679969B2 - 光波長変換シート、バックライト装置、画像表示装置、および光波長変換シートの製造方法 - Google Patents
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図1に示される光波長変換シート10は、入射する光のうち一部の光の波長を他の波長に変換し、入射した光の他の一部および波長変換された光を出射させるシートである。光波長変換シート10は多層構造となっており、多層構造のうちの一層が光波長変換層11となっている。
光波長変換層11は、バインダ樹脂16と、バインダ樹脂16に分散された量子ドット17と、ラジカル重合開始剤と、カチオン重合開始剤とを含んでいる。光波長変換層11は、光散乱性粒子18をさらに含んでいることが好ましい。光散乱性粒子18を含むことにより、内部ヘイズを高めることができる。
バインダ樹脂16は、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物を含む重合性化合物の硬化物である。バインダ樹脂16においては、ラジカル重合性化合物の重合体16A(以下、ラジカル重合性化合物の重合体を「第1のバインダ樹脂」と称する。)とカチオン重合性化合物の重合体16B(以下、カチオン重合性化合物の重合体を「第2のバインダ樹脂」と称する。)は相分離して、海島構造となっており、また第1のバインダ樹脂16Aと第2のバインダ樹脂16Bとの屈折率差(絶対値)が0.01以上0.30以下であることが好ましい。第1のバインダ樹脂16Aと第2のバインダ樹脂16Bが海島構造となっており、かつ第1のバインダ樹脂16Aと第2のバインダ樹脂16Bの屈折率差が0.1以上0.5以下となっていることにより、海島構造の島部が光散乱性粒子のように光散乱効果を発揮するので、波長変換効率をより向上させることができる。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合開始剤から発生したラジカルの作用により重合する化合物であり、分子内にラジカル重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。ラジカル重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和基が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。
ラジカル重合性モノマーは、重量平均分子量が1000以下のものである。ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を含むモノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ビフェニル骨格含有アクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
ラジカル重合性オリゴマーは、重量平均分子量が1000を超え10000以下のものである。上記ラジカル重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましく、ラジカル重合性官能基が3つ(3官能)以上の多官能オリゴマーが好ましい。上記多官能オリゴマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ラジカル重合性プレポリマーは、重量平均分子量が1万を超えるものであり、重量平均分子量としては1万以上8万以下が好ましく、1万以上4万以下がより好ましい。重量平均分子量が8万を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる光波長変換層の外観が悪化するおそれがある。このため、重量平均分子量が8万を超えるラジカル重合性プレポリマーを用いている場合には、上記ラジカル重合性モノマーや上記ラジカル重合性オリゴマーを混合して用いることが好ましい。多官能ラジカル重合性プレポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性化合物は、カチオン重合開始剤の分解により発生した酸(ブレンステッド酸あるいはルイス酸)によってカチオン重合する化合物であり、カチオン重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。カチオン重合性官能基としては、例えば、エポキシ基やオキセタニル基等の環状エーテル基、ビニルエーテル基等が挙げられる。
エポキシ化合物は、分子内に1個以上のエポキシ基を有する化合物である。エポキシ化合物としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、ノボラックフェノール型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、これらの変性物等の芳香族系、あるいは、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、及びアルキレンオキサイド等の脂肪族系が挙げられる。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等の脂肪族系エポキシ化合物、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート等の分子内に1個以上のエポキシ基と1個以上のエステル基を含有する脂環式エポキシ化合物等が挙げられる。これらの中では、接着強度および硬化性の点で、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート等の脂環式エポキシ化合物が好ましい。エポキシ化合物は、エポキシ樹脂を含む概念である。
オキセタン化合物は、分子内に1個以上のオキセタニル基を有する化合物である。オキセタン化合物としては、特に限定されないが、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物は、分子内に1個以上のビニルエーテル基を有する化合物である。ビニルエーテル化合物としては、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、1−メチル−3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−メチル−2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−ヒドロキシメチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、p−キシレングリコールモノビニルエーテル、m−キシレングリコールモノビニルエーテル、o−キシレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、ペンタエチレングリコールモノビニルエーテル、オリゴエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールモノビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノビニルエーテル、テトラプロピレングリコールモノビニルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノビニルエーテル、オリゴプロピレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル等、及びこれらの誘導体などが挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、光または熱によってラジカルを発生させる化合物である。光波長変換層11中に存在するラジカル重合開始剤はバインダ樹脂形成の際に使用されなかったものである。光波長変換層11中に存在するラジカル重合開始剤は、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)、または飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)等の質量分析法によって、確認することができる。
アルキルフェノン系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1,2−ジフェニル−2,2−ジメトキシエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、および2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーが挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート、およびビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
チタノセン化合物としては、特に限定されないが、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロチタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルチタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(2,6−ジフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(2,4−ジフルオロフェニル)チタニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)チタニウム、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、光または熱によって、酸を発生させる化合物である。光波長変換層11中に存在するカチオン重合開始剤はバインダ樹脂形成の際に使用されなかったものである。光波長変換層11中に存在するカチオン重合開始剤は、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)、または飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)等の質量分析法によって、確認することができる。
スルホニウム塩としては、特に限定されないが、例えば、ベンジルメチルp−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、2−メチルベンジルメチルp−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナ−ト、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のトリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。
ヨードニウム塩としては、特に限定されないが、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ヨードニウム(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフロオロホスフェート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−アルキルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等のジアリールヨードニウム塩が挙げられる。
量子ドット17は、量子閉じ込め効果(quantum confinement effect)を有するナノサイズの半導体粒子である。量子ドット17の粒子径および平均粒子径は、例えば、1nm以上20nm以下となっている。量子ドット17は、励起源から光を吸収してエネルギー励起状態に達すると、量子ドット17のエネルギーバンドギャップに該当するエネルギーを放出する。よって、量子ドット17の粒子径又は物質の組成を調節すると、エネルギーバンドギャップを調節することができ、様々なレベルの波長帯のエネルギーを得ることができる。とりわけ、量子ドット17は、狭い波長帯で強い蛍光を発生することができる。
光散乱性粒子18は、光波長変換シート10に進入した光を散乱させることによって光の進行方向を変化させる作用を有する粒子である。
バリアフィルム12、13は、水分や酸素の透過を抑制して、量子ドット17を水分や酸素から保護するためのフィルムである。図1に示されるバリアフィルム12、13は、光透過性基材19、20と、光透過性基材19、20における光波長変換層11側に設けられ、かつ水分や酸素の透過を抑制する機能を有するバリア層21、22とを備えている。バリアフィルム12、13は、バリア層21、22を備えていればよく、光透過性基材19、20は備えていなくともよい。
光透過性基材19、20の厚みは、特に限定されないが、10μm以上300μm以下であることが好ましい。光透過性基材19、20の厚みが、10μm未満であると、光波長変換シートのアッセンブリ、取扱い時における皺や折れが発生するおそれがあり、また300μmを超えると、ディスプレイの軽量化および薄膜化に適さないおそれがある。光透過性基材19、20の厚みのより好ましい下限は50μm以上、より好ましい上限は200μm以下である。
バリア層21、22は、水分や酸素の透過を抑制する機能を有する蒸着層23、24と、蒸着層23、24における光波長変換層11側に設けられ、かつ水分や酸素の透過を抑制し、かつ蒸着層の割れ性を抑制するゾルゲル層25、26との積層体となっている。ただし、バリア層は、ゾルゲル層を備えていなくともよい。また、バリア層を構成する蒸着層やゾルゲル層はそれぞれ2層以上存在してもよい。例えば、バリア層は、蒸着層/ゾルゲル層/蒸着層/ゾルゲル層の順に積層された積層体であってもよい。この場合、光透過性基材は備えていても、備えていなくともよく、また蒸着層としてシリカの蒸着層を用いた場合にはバリア性が優れているものの、光波長変換シートが曲げられたときに割れが発生してしまいバリア性が低下してしまうおそれがあるので、蒸着層としては、シリカ蒸着層よりバリア性が劣るものの、光波長変換シートが曲げられた場合であっても割れ難いという観点から、シリカ以外の無機酸化物材料、例えばアルミナの蒸着層を用いてもよい。
蒸着層23、24は、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長(PVD)法や化学気相成長(CVD)法等の蒸着法で形成された層である。蒸着層は、バリア性を高めることができるという利点を有する。
ゾルゲル層25、26は、金属アルコキシドを加水分解し、縮合重合することによって得られた層である。金属アルコキシドは、加水分解性を有するものの中から適宜選択して用いることができ、例えば、下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
(RX)nM(ORY)(m−n) (1)
一般式(1)中、Mは金属原子である。RXは炭素数1〜8の有機基を表す。RYは、炭素数1〜12のアルキル基を表し、mは金属原子Mの価数であり、nは0以上、m以下の整数である。RX及びRYが複数ある場合、複数あるRX、及び複数あるRYは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
光拡散層14、15は、表面に凹凸形状を有しており、この凹凸形状によって光波長変換シート10に入射する光および出射する光を拡散させることができる。光拡散層14、15を設けることにより、光波長変換シート10における光波長変換効率をより高めることができる。光拡散層14、15は、光散乱性粒子とバインダ樹脂とを含んでいる。
表面凹凸形成粒子は、主に、光拡散層の表面に凹凸形状を形成するとともに光散乱性機能を発揮するためのものである。
バインダ樹脂としては、特に限定されないが、光波長変換層11の欄で説明した第1のバインダ樹脂16Aと同様のバインダ樹脂を用いることができるので、ここでは説明を省略するものとする。
光波長変換シート10は、例えば、以下のようにして作製することができる。まず、図3(A)に示されるように、光透過性基材19の一方の面に蒸着法により蒸着層23を形成する。また、同様にして、光透過性基材20の一方の面に蒸着層24を形成する。次いで、蒸着層23上に、金属アルコキシドを含むゾルゲル層用組成物を塗布し、加熱乾燥させて、図3(B)に示されるようにゾルゲル層25を形成して、第1の層としてのバリア層21およびバリアフィルム12を形成する。また、同様にして、蒸着層24上にゾルゲル層26を形成して、第2の層としてのバリア層22およびバリアフィルム13を形成する。
図6に示される画像表示装置50は、バックライト装置60と、バックライト装置60の出光側に配置された表示パネル100とを備えている。画像表示装置50は、画像を表示する表示面50Aを有している。図6に示される画像表示装置50においては、表示パネル100の表面が表示面50Aとなっている。
図6に示される表示パネル100は、液晶表示パネルであり、入光側に配置された偏光板101と、出光側に配置された偏光板102と、偏光板101と偏光板102との間に配置された液晶セル113とを備えている。偏光板101、102は、入射した光を直交する二つの直線偏光成分(S偏光およびP偏光)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、P偏光)を透過させ、前記一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、S偏光)を吸収する機能を有している。
図6に示されるバックライト装置60は、エッジライト型のバックライト装置として構成され、光源65と、光源65の側方に配置された導光板としての光学板70と、光学板70の出光側に配置された光波長変換シート10と、光波長変換シート10の出光側に配置されたレンズシート75と、レンズシート75の出光側に配置されたレンズシート80と、レンズシート80の出光側に配置された反射型偏光分離シート85と、光学板70の出光側とは反対側に配置された反射シート90とを備えている。バックライト装置60は、光学板70、レンズシート75、80、反射型偏光分離シート85、反射シート90を備えているが、これらのシート等は備えられていなくともよい。本明細書において、「出光側」とは、各部材においてバックライト装置から出射する方向に向かう光が出射される側を意味する。
光源65は、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状の発光ダイオード(LED)や白熱電球等の種々の態様で構成され得る。本実施の形態において、光源65は、光学板70の後述する入光面70C側に、線状に並べて配置された多数の点状発光体、具体的には、多数の発光ダイオード(LED)によって、構成されている。
導光板としての光学板70は、平面視形状が四角形形状に形成されている。光学板70は、表示パネル100側の一方の主面によって構成された出光面70Aと、出光面70Aに対向するもう一方の主面からなる裏面70Bと、出光面70Aおよび裏面70Bの間を延びる側面とを有している。側面のうちの光源65側の側面が、光源65からの光を受ける入光面70Cとなっている。入光面70Cから光学板70内に入射した光は、入光面70Cと、入光面70Cと対向する反対面とを結ぶ方向(導光方向)に光学板内を導光され、出光面70Aから出射される。
レンズシート75、80は、入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させる機能を有する。本実施形態においては、図8に示されるように、入射角度が大きい光L3の進行方向を変化させて出光側から出射させて、正面方向の輝度を集中的に向上させる機能(集光機能)とともに、入射角度が小さい光L4を反射させて、光波長変換シート10側に戻す機能(再帰反射機能)を有している。レンズシート75、80は、光透過性基材76と、光透過性基材76の一方の面に設けられたレンズ層77とを備えている。
光透過性基材76は、光透過性基材19、20と同様のものであるので、ここでは説明を省略するものとする。
レンズ層77は、図7および図8に示されるように、シート状の本体部78、および本体部78の出光側に並べて配置された複数の単位レンズ79を備えている。
反射型偏光分離シート85は、レンズシート80から出射される光のうち、第1の直線偏光成分(例えば、P偏光)のみを透過し、かつ第1の直線偏光成分と直交する第2の直線偏光成分(例えば、S偏光)を吸収せずに反射する機能を有する。反射型偏光分離シート95で反射された第2の直線偏光成分は再度反射され、偏光が解消された状態(第1の直線偏光成分と第2の直線偏光成分とを両方含んだ状態)で、再度、反射型偏光分離シート85に入射する。よって、反射型偏光分離シート85は再度入射する光のうち第1の直線偏光成分を透過し、第1の直線偏光成分と直交する第2の直線偏光成分は再度反射される。以下、同上の過程を繰り返す事により、レンズシート80から出光した光の70〜80%程度が第1の直線偏光成分となった光源光として出光される。したがって、反射型偏光分離シート95の第1の直線偏光成分(透過軸成分)の偏光方向と表示パネル100の偏光板101の透過軸方向とを一致させることにより、バックライト装置60からの出射光は全て表示パネル100で画像形成に利用可能となる。したがって、光源65から投入される光エネルギーが同じであっても、反射型偏光分離シート85を未配置の場合に比べて、より高輝度の画像形成が可能となり、又光源65のエネルギー利用効率も向上する。とりわけ、反射型偏光分離シート85で反射された光は、光波長変換シート10で波長変換が行われ得る。したがって、反射型偏光分離シート85を配置することによって、光波長変換シート10の波長変換効率がさらに上昇させることができる。したがって、更なる光の利用効率の改善を期待することができる。
反射シート90は、光学板70の裏面70Bから漏れ出した光を反射して、再び光学板70内に入射させる機能を有する。反射シート90は、白色の散乱反射シート、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等から、構成され得る。反射シート90での反射は、正反射(鏡面反射)でもよく、拡散反射でもよい。反射シート90での反射が拡散反射の場合には、当該拡散反射は、等方性拡散反射であってもよいし、異方性拡散反射であってもよい。
光波長変換シート10を組み込むバックライト装置は、図9に示されるような直下型のバックライト装置であってもよい。図9に示されるバックライト装置110は、光源65と、光源65の光を受け、かつ光拡散板として機能する光学板111と、光学板111の出光側に配置された光波長変換シート10、光波長変換シート10の出光側に配置されたレンズシート75と、レンズシート75の出光側に配置された反射型偏光分離シート85とを備えている。本実施形態においては、光源65は、光学板111の側方ではなく、光学板111の直下に配置されている。図9において、図6と同じ符号が付されている部材は、図6で示した部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。なお、バックライト装置110においては、反射シート90は備えられていない。
光拡散板としての光学板111は、平面視形状が四角形形状に形成されている。光学板111は、光源65側の一方の主面によって構成された入光面111Aと、光波長変換シート10側の他方の主面によって構成された出光面111Bとを有している。入光面111Aから光学板111内に入射した光は、光学板111内で拡散され、出光面111Bから出射される。
光学板111中の光拡散性粒子としては、拡散板として一般的に用いられる光拡散性粒子が挙げられる。
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、光波長変換層用組成物を得た。
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製、屈折率1.50):20質量部
・ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(製品名「jER828」、三菱化学社製、屈折率1.58):80質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.20質量部
・ラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.2質量部
・カチオン重合開始剤(ベンジルメチルp−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、製品名「サンエイド SI−45」、三新化学工業社製):0.8質量部
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製、屈折率1.50):80質量部
・ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(製品名「jER828」、三菱化学社製、屈折率1.58):20質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.20質量部
・ラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.8質量部
・カチオン重合開始剤(ベンジルメチルp−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、製品名「サンエイド SI−45」、三新化学工業社製):0.2質量部
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製、屈折率1.50):50質量部
・ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(製品名「jER828」、三菱化学社製、屈折率1.58):50質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.20質量部
・ラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.25質量部
・カチオン重合開始剤(ベンジルメチルp−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、製品名「サンエイド SI−45」、三新化学工業社製):0.5質量部
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製、屈折率1.50):50質量部
・ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(製品名「jER828」、三菱化学社製、屈折率1.58):50質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.20質量部
・ラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.5質量部
・カチオン重合開始剤(ベンジルメチルp−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、製品名「サンエイド SI−45」、三新化学工業社製):0.25質量部
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製、屈折率1.50):50質量部
・ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(製品名「jER828」、三菱化学社製、屈折率1.58):50質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.20質量部
・ラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.5質量部
・カチオン重合開始剤(ベンジルメチルp−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、製品名「サンエイド SI−45」、三新化学工業社製):0.5質量部
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製、屈折率1.50):50質量部
・ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(製品名「jER828」、三菱化学社製、屈折率1.58):50質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.20質量部
・ラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.5質量部
・カチオン重合開始剤(ベンジルメチルp−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、製品名「サンエイド SI−45」、三新化学工業社製):4.0質量部
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製、屈折率1.50):50質量部
・ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(製品名「jER828」、三菱化学社製、屈折率1.58):50質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.20質量部
・ラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):4.0質量部
・カチオン重合開始剤(ベンジルメチルp−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、製品名「サンエイド SI−45」、三新化学工業社製):0.5質量部
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製、屈折率1.50):50質量部
・ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(製品名「jER828」、三菱化学社製、屈折率1.58):50質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.20質量部
・アルミナ粒子(製品名「DAM−03」、電気化学工業社製、平均粒子径4μm):10質量部
・ラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.5質量部
・カチオン重合開始剤(ベンジルメチルp−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、製品名「サンエイド SI−45」、三新化学工業社製):0.5質量部
・メトキシプロピレングリコールアクリレート(製品名「AM−30PG」、新中村化学工業社製、屈折率1.44):50質量部
・フルオレン骨格含有エポキシ化合物(製品名「オグソールEG−200」、大阪ガスケミカル社製、屈折率1.62):50質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.20質量部
・ラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.5質量部
・カチオン重合開始剤(ベンジルメチルp−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、製品名「サンエイド SI−45」、三新化学工業社製):0.5質量部
・ビフェニル骨格含有アクリレート(製品名「401P」、新中村化学工業社製、屈折率1.58):50質量部
・ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(製品名「jER828」、三菱化学社製、屈折率1.58):50質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.20質量部
・ラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):0.5質量部
・カチオン重合開始剤(ベンジルメチルp−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、製品名「サンエイド SI−45」、三新化学工業社製):0.5質量部
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製、屈折率1.50):100質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.20質量部
・ラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):1.0質量部
・ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(製品名「jER828」、三菱化学社製、屈折率1.58):100質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒径5.2nm):0.20質量部
・カチオン重合開始剤(ベンジルメチルp−メトキシカルボニルオキシフェニルスルホニウム・ヘキサフルオロアンチモナート、製品名「サンエイド SI−45」、三新化学工業社製):1.0質量部
下記に示す組成に従って、組成(a)のエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、イソプロピルアルコール、及びイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、予め調製した組成(b)のエチルシリケート、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌し、さらに予め調製した組成(c)のポリビニルアルコール水溶液、酢酸、イソプロピルアルコールおよびイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のゾルゲル層用組成物を得た。
<組成(a)>
・EVOH(エチレン共重合率29%):0.122質量部
・イソプロピルアルコール:0.659質量部
・水:0.439質量部
<組成(b)>
・エチルシリケート40(製品名「エチルシリケート40」、コルコート社製):9.146質量%
・イソプロピルアルコール:8.780質量部
・アルミニウムアセチルアセトン:0.018質量部
・水:16.291質量部
<組成(c)>
・ポリビニルアルコール:1.220質量部
・イソプロピルアルコール:19.893質量部
・水:43.329質量部
・酢酸:0.103質量部
下記に示す組成となるように各成分を配合して、光拡散層用組成物を得た。
(光拡散層用組成物)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:99質量部
・表面凹凸形成粒子(架橋ポリスチレン樹脂ビーズ、製品名「SBX−4」、積水化成品工業株式会社製、平均粒子径4μm):158質量部
・ラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184、BASFジャパン社製):1質量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1(質量比)):170質量部
まず、2枚のバリアフィルムを次のような方法で作製した。高周波スパッタリング装置において、電極に周波数13.56MHz、電力5kWの高周波電力を印加することにより、チャンバー内で放電を生じさせて、大きさ7インチおよび厚みが50μmの光透過性基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「ルミラーT60」、東レ社製)の片面にターゲット物質(シリカ)からなる、厚みが50nmであり、かつ屈折率が1.46であるシリカ蒸着層を形成した。また、シリカ蒸着層の表面に上記ゾルゲル層用組成物を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜を160℃で加熱して、ゾルゲル層を形成した。これにより、ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面にシリカ蒸着層およびゾルゲル層が形成されたバリアフィルムを2枚形成した。
実施例2においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
実施例3においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
実施例4においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
実施例5においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
実施例6においては、光波長変換層の膜厚を10μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
実施例7においては、光波長変換層の膜厚を150μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
実施例8においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物6を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
実施例9においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物7を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
実施例10においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物8を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
実施例11においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物9を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
実施例12においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物10を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
比較例1においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物11を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
比較例2においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物12を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
上記実施例および比較例に係る光波長変換シートにおいて、以下のようにして光波長変換層中のラジカル重合開始剤およびカチオン重合開始剤の有無を確認した。具体的には、まず、光波長変換シートからバリアフィルムを剥離して、光波長変換層の一部を取り出した。次いで、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)を用いて、この取り出された光波長変換層の一部中のラジカル重合開始剤およびカチオン重合開始剤の有無を確認した。
上記実施例および比較例に係る光波長変換シートにおいて、以下のようにして光波長変換層とバリアフィルムとの密着性を評価した。具体的には、まず、初期の各光波長変換シートから、25mm幅の試験片を、周縁部に浮きが生じないようにカッターを用いて切り出した。次いで、得られた試験片を引っ張り試験機(機器名「テンシロン」、エ−・アンド・デ−(A&D)社製)に付属している、チャッキング用冶具に固定し、室温で、試験片の表面を0°として、この表面に対して剥離角180°の方向に引張速度0.3m/分の条件でバリアフィルムを引っ張り、光波長変換層からバリアフィルムを引き剥がし、光波長変換層とバリアフィルムとの密着性を評価した。なお、光波長変換層からバリアフィルムを引き剥がすのに要する力である剥離強度が測定可能な場合には剥離強度を測定した。評価基準は以下の通りとした。
○:バリアフィルムのPET基材が破断した、または剥離強度が2N/25mm以上であった。
×:非密着による測定不能または剥離強度が2N/25mm未満であった。
上記実施例および比較例に係る光波長変換シートの作製段階で得られた積層体をロールに巻取る際の状態および巻き取った後の積層体の状態を目視により観察し、評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:積層体はロールに巻き取られ、またロールに巻き取られた積層体の外観は良好であった。
×:積層体をロールに巻き取ることができなかった、またはロールに巻き取ることができたが、光波長変換層用組成物の塗膜がはみ出していた、搬送中にバリアフィルムが剥離していた、または光波長変換層用組成物の塗膜の厚みが部分的に変化した等の不具合が観察された。
上記実施例および比較例に係る光波長変換シートにおいて、光波長変換シートを60℃、相対湿度90%の環境下に500時間放置する耐湿熱性試験を施し、耐湿熱性試験の前後における光波長変換シートの周縁部の色味変化および外観変化について調べた。具体的には、まず、各光波長変換シートに、光波長変換シートを60℃、相対湿度90%の環境下に500時間放置する耐湿熱性試験を行った。
10C…周縁部
11…光波長変換層
12、13…バリアフィルム
14、15…光拡散層
16…バインダ樹脂
17…量子ドット
18…光散乱性粒子
19、20…光透過性基材
21、22…バリア層
27…塗膜
50…画像表示装置
60、110…バックライト装置
100…表示パネル
Claims (14)
- 多層構造の光波長変換シートであって、
前記多層構造のうちの一層が、バインダ樹脂と、前記バインダ樹脂に分散された量子ドット、ラジカル重合開始剤およびカチオン重合開始剤とを含む光波長変換層であり、
前記バインダ樹脂が、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物を含む重合性化合物の硬化物であり、
前記バインダ樹脂において、前記ラジカル重合性化合物の重合体および前記カチオン重合性化合物の重合体が海部と島部からなる海島構造を形成している、光波長変換シート。 - 前記ラジカル重合開始剤が、アルキルフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、およびチタノセン系化合物からなる群から選択される1以上の化合物である、請求項1に記載の光波長変換シート。
- 前記カチオン重合開始剤が、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、およびジアゾニウム塩からなる群から選択される1以上の化合物である、請求項1に記載の光波長変換シート。
- 前記ラジカル重合性化合物と前記カチオン重合性化合物との質量比が2:8〜8:2である、請求項1に記載の光波長変換シート。
- 前記カチオン重合性化合物が、環状エーテル化合物である、請求項1に記載の光波長変換シート。
- 前記環状エーテル化合物が、エポキシ化合物およびオキセタン化合物の少なくともいずれかである、請求項5に記載の光波長変換シート。
- 前記ラジカル重合性化合物の重合体と前記カチオン重合性化合物の重合体との屈折率差が0.01以上0.30以下である、請求項1に記載の光波長変換シート。
- 前記光波長変換層の少なくとも一方の面に密着し、かつ水分および酸素の透過を抑制するバリア層をさらに備える、請求項1に記載の光波長変換シート。
- 前記光波長変換層が、光散乱性粒子をさらに含む、請求項1に記載の光波長変換シート。
- 光源と、
前記光源からの光を受ける請求項1に記載の光波長変換シートと
を備える、バックライト装置。 - 請求項10に記載のバックライト装置と、
前記バックライト装置の出光側に配置された表示パネルと
を備える、画像表示装置。 - 多層構造の光波長変換シートの製造方法であって、
第1の層と、量子ドット、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、ラジカル重合開始剤、およびカチオン重合開始剤を含む光波長変換層用組成物の塗膜と、第2の層とをこの順で、かつ前記光波長変換層用組成物の塗膜が前記第1の層および前記第2の層に接触するように配置する工程と、
前記光波長変換層用組成物を硬化させて、前記量子ドットおよびバインダ樹脂を含む光波長変換層を形成するとともに、第1の層、前記光波長変換層、および前記第2の層を一体化する工程と、を備え、
前記バインダ樹脂が、前記ラジカル重合性化合物と前記カチオン重合性化合物を含む重合性化合物の硬化物であり、
前記バインダ樹脂において、前記ラジカル重合性化合物の重合体および前記カチオン重合性化合物の重合体が海部と島部からなる海島構造を形成している、光波長変換シートの製造方法。 - 前記第1の層および前記第2の層が、水分および酸素の透過を抑制するバリア層である、請求項12に記載の光波長変換シートの製造方法。
- 前記光波長変換層用組成物において、前記ラジカル重合開始剤の含有量が前記ラジカル重合性化合物100質量部に対し0.3質量部以上8.0質量部以下であり、前記カチオン重合開始剤の含有量が前記カチオン重合性化合物100質量部に対し0.5質量部以上8.0質量部以下である、請求項12に記載の光波長変換シートの製造方法。
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