JP2002250805A - 異方性光散乱フィルム用組成物及び異方性光散乱フィルム - Google Patents

異方性光散乱フィルム用組成物及び異方性光散乱フィルム

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JP2002250805A
JP2002250805A JP2001049850A JP2001049850A JP2002250805A JP 2002250805 A JP2002250805 A JP 2002250805A JP 2001049850 A JP2001049850 A JP 2001049850A JP 2001049850 A JP2001049850 A JP 2001049850A JP 2002250805 A JP2002250805 A JP 2002250805A
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compound
light
scattering
scattering film
composition
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JP2001049850A
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English (en)
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Makoto Kume
誠 久米
Yasushi Oe
靖 大江
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】散乱特性に異方性(前方か後方か、及び入射角
度の依存性)を持たせ、縦横の散乱範囲に係る散乱特性
までも制御することが容易であると共に、観察位置によ
って表示光の色が変化しない異方性散乱フィルム及び組
成物を提供する。 【解決手段】少なくとも、(A)分子内に少なくともひ
とつのカチオン重合性基を有する化合物と、(B)ラジ
カル重合性を有する化合物と、(C)化学放射線によっ
てラジカル種及びカチオン種を発生する光重合開始剤か
らなり、前記(B)の屈折率が(A)よりも高い組成物
を用い、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分
布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形
成されており、且つその屈折率の異なる部分が、フィル
ムの厚さ方向に対して傾斜して層状に分布している構造
である異方性散乱フィルムを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の入射角度に応
じて散乱性が異なる(或いは、入射角度選択性を持つ)
と共に、光散乱特性に異方性を有する光拡散フィルム用
組成物及び異方性光拡散フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】反射型液晶表示装置や透過型液晶表示装
置のなどの光を利用する表示装置では、観察の際の視野
角を確保する(すなわち、表示装置の前面には、明るく
表示画像を見せる)ことや、表示画面の全面にわたって
均一な明るさで表示画面を見えるようにする目的で、装
置の前面に光拡散フィルムを配置することが行われてい
る。従来の光散乱フィルムとしては、表面をマット状に
加工した樹脂フィルムや、内部に拡散材を包含した樹脂
フィルムなどが用いられている。
【0003】従来のマット状に加工した樹脂フィルムや
内部に拡散材を含有するフィルムの場合、入射光の入射
角度に依存した散乱性の変化といった機能を持たせるこ
とは原理上困難であり、現実的にそのような機能は持ち
合わせていない。
【0004】表面をマット状に加工した光散乱フィルム
の場合、フィルム表面をサンドブラスター処理のように
物理的にマット面を形成したり、或いは酸性又はアルカ
リ性の溶液による溶解処理により化学的にマット面を形
成する。従って光の散乱性を制御する事が難しく、また
縦と横の散乱性を変えるといったことも出来ないため散
乱異方性を持たせることもできない。
【0005】また、内部に拡散材を包含した光散乱フィ
ルムにおいても、散乱性を制御するために拡散材の屈折
率や大きさ、形状等を制御する試みも為されているが、
技術的に難易度が高く、実用上十分であるとは言えない
のが現状である。
【0006】従って、上記の光散乱フィルムでは、散乱
性の入射角度依存性がなく、光散乱の異方性も無いかも
しくは少ないため、表示装置に使用した際に、不必要な
散乱光が生じ、結果として表示の明るさやコントラスト
の低下或いは表示画像のぼけを招くという問題点があ
る。
【0007】一方、光散乱に異方性を持つ散乱板を用い
た反射型液晶表示装置に係る提案として、特開平8−2
0180号公報が公知である。上記公報に開示された散
乱板は、後方散乱特性がほとんどなく前方散乱特性が強
い散乱板であり、液晶表示装置への入射光あるいは液晶
表示装置から出射表示光のどちらか一方を選択的に散乱
させる特性を有する。
【0008】しかしながら、上記公報では、散乱板の構
成は具体的に説明されておらず、「透明微細粒子を透明
な重合性高分子で固めたもの」とだけ記載されている。
このような散乱板では、上述した「内部に拡散材を包含
した光拡散フィルム」と同様に、散乱特性に異方性(前
方か後方か)を持たせられたとしても、縦と横の散乱特
性までも制御するのは難しい。
【0009】また、散乱板としてホログラムを用いた透
過型液晶表示装置に係る提案として、特開平9−152
602号公報が公知である。上記提案は、バックライト
を有する液晶表示装置からの出射表示光を散乱させるも
のであり、散乱板としてホログラムを採用しているた
め、散乱特性に異方性を持たせることも容易であり、縦
と横の散乱特性も制御することも可能ではあるが、必然
的に分光(波長分散)を伴ってしまうため、観察する視
点を移動することに応じて、表示光の色が変化して視覚
されることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、散乱特性に
異方性(前方か後方か、及び入射角度の依存性)を持た
せ、縦横の散乱範囲に係る散乱特性までも制御すること
が容易であると共に、観察位置によって表示光の色が変
化しない異方性散乱フィルムを得るための組成物及び異
方性散乱フィルムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る異方性散乱
フィルムは、フィルム内部に屈折率の異なる部分が不規
則な形状、厚さで分布することにより、屈折率の高低か
らなる濃淡模様が形成されており、屈折率の異なる部分
の大きさ、形、分布を、フィルム表面での縦横方向及び
フィルムの厚さ方向に沿って最適化することにより、入
射角度に依存した散乱特性に変化を持たせると共に、不
必要な方向への光散乱を無くし、必要な方向(範囲)の
みに光を散乱させるもので、本発明に係る異方性散乱フ
ィルム用組成物は、それぞれの屈折率に差があり、カチ
オン重合性化合物とラジカル重合性化合物からなること
を特徴とするものである。
【0012】即ち、請求項1の発明は、少なくとも、
(A)分子内に少なくともひとつのカチオン重合性を有
する化合物と、(B)分子内に少なくともひとつのラジ
カル重合性を有する化合物と、(C)化学放射線によっ
てラジカル種及びカチオン種を発生する光重合開始剤か
らなり、該(B)分子内に少なくともひとつのラジカル
重合性を有する化合物の屈折率が、該(A)分子内に少
なくともひとつのカチオン重合性を有する化合物の屈折
率よりも高いことを特徴とする異方性光散乱フィルム用
組成物である。
【0013】請求項2の発明は、前記(A)分子内に少
なくともひとつのカチオン重合性を有する化合物が、オ
キシラン環を有する化合物、オキセタン環を有する化合
物、ビニルエーテル化合物、から選ばれる少なくともひ
とつあるいは数種の化合物からなることを特徴とする請
求項1記載の異方性光散乱フィルム用組成物である。
【0014】請求項3の発明は、前記(B)分子内に少
なくともひとつのラジカル重合性を有する化合物が、常
温、常圧で液体で、かつ常圧で沸点が100℃以上で、
エチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上含む化合物
であることを特徴とする請求項1または2記載の異方性
光散乱フィルム用組成物である。
【0015】請求項4の発明は、さらに、前記(C)化
学放射線によってラジカル種及びカチオン種を発生する
光重合開始剤、を増感せしめる(D)増感色素を添加す
ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の異
方性光散乱フィルム用組成物である。
【0016】請求項5の発明は、さらに、(E)高分子
結合剤を含む請求項1〜4のいずれかに記載の異方性光
散乱フィルム用組成物である。
【0017】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
かに記載の異方性光散乱フィルム用組成物を用いて製造
された異方性光散乱フィルムである。
【0018】請求項7の発明は、フィルム内部に、屈折
率の異なる部分が不規則な形状、厚さで分布することに
より、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されてお
り、且つその屈折率の異なる部分が、フィルムの厚さ方
向に対して傾斜して層状に分布している構造であること
を特徴とする請求項6記載の異方性光散乱フィルムであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を説
明する。図1は、屈折率の異なる部分が不規則な形状、
厚さで分布して、屈折率の高低(同図では、白と黒で表
現する)からなる濃淡模様が形成された異方性光散乱フ
ィルム(以下、単に光散乱フィルムともいう)1を示す
説明図であり、左が平面図、右が断面図である。
【0020】平面図から分かるように、屈折率の異なる
部分の形状は横長である。また、断面図から分かるよう
に、屈折率の異なる部分は、フィルムの厚さ方向に対し
て傾斜した層状に分布した構造である。図1では、屈折
率の異なる部分が、層状に傾斜している方向について
は、屈折率の分布は一様(傾斜方向では、色が変化して
いない)である。
【0021】図2は、別の実施形態に係る光散乱フィル
ム1を示す説明図であり、左が平面図、右が断面図であ
る。図2では屈折率の異なる部分の形状は縦長であり、
また、屈折率の異なる部分が、層状に傾斜している方向
については、屈折率の分布は不規則(傾斜方向でも、色
が変化している)である。
【0022】図1、図2の光散乱フィルムの光学特性に
ついて、まず、断面図で考える。屈折率の異なる部分が
層状に分布した上記傾斜方向に沿った角度(フィルムの
垂線から角度θをなす、図2の矢印2の方向)で入射す
る光に対しては、光散乱が生じることになる。
【0023】上記傾斜方向とは垂直な角度(図の矢印3
の方向)で入射する光に対しては、単なる透明フィルム
として機能し、入射光は散乱されずに出射する。
【0024】次に、平面図で考えると、屈折率の異なる
部分の形状が縦長(或いは横長)であると、その部分に
入射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分か
ら出射光の光散乱特性が、横長(或いは縦長)となるよ
うな異方性を持つ。図1では形状が横長であるから出射
光は縦長に散乱し、図2では形状が縦長であるから出射
光は横長に散乱することになる。
【0025】図3は、本発明の組成物を用いて作製した
光散乱フィルム1の持つ入射角度依存性の一例を示すグ
ラフである。図中実線で示すように、ある特定入射角度
範囲(図では0度から60度)の光に対してはヘイズ値
が80%以上あり、逆にそれとは対称な入射角度(図で
は−60度から0度)の光に対してのヘイズ値は20%
以下になっており、これが本明細書中で言う散乱性の入
射角度依存性を示す。
【0026】また、上述したように、屈折率の異なる部
分の形状が縦長(或いは横長)であると、その部分に入
射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分から
の出射光の光散乱特性が、横長(或いは縦長)となるよ
うな異方性を持つ。例えば、図1のように形状が横長で
あると、光散乱フィルムからの散乱出射光は、図4の様
な縦長の楕円形となるような分布となる。
【0027】次に、本発明の異方性光散乱フィルム用組
成物について詳細に説明する。上述したように、本発明
の組成物で作製した異方性光散乱フィルムの内部は、屈
折率の異なる部分が不規則な形状、厚さで分布すること
により、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されてい
る。
【0028】この屈折率の差異を数値で言えば、0.0
05以上、0.25以下、更に好ましくは0.01以
上、0.25以下である。この値より小さすぎると散乱
性が悪くなり、逆に大きすぎるとどのような角度で光が
入射しても光散乱が生じてしまうことになり、散乱性の
入射角度依存性を持たせることが困難となる。
【0029】本発明の組成物において用いられる(A)
分子内に少なくともひとつのカチオン重合性を有する化
合物は、(B)分子内に少なくともひとつのラジカル重
合性を有する化合物よりは反応性が低く、屈折率も低い
必要があり、また、露光後の加熱時に液体であるような
ものが望ましい。該(A)分子内に少なくともひとつの
カチオン重合性を有する化合物は、(B)分子内に少な
くともひとつのラジカル重合性を有する化合物が重合す
る際に液体として存在すると、(B)分子内に少なくと
もひとつのラジカル重合性を有する化合物の拡散移動を
起き易くする、いわゆる可塑剤的な役割を果たす。さら
に、樹脂が硬化するときに該化合物も硬化するため、異
方性散乱フィルム中では重合物として存在することとな
り、熱劣化等の悪影響を及ぼすことはなく適当な該化合
物を組み合わせることによって硬化物の特性を向上させ
ることもできる。また、屈折率も(B)分子内に少なく
ともひとつのラジカル重合性を有する化合物よりも低い
ため散乱性に悪影響を及ぼすことはない。また、該化合
物(B)と前記化合物(A)及び(C)は異なる工程で
重合硬化させ、一方を硬化させるときには他方は硬化さ
せないようにするため、反応機構、反応性の異なる化合
物を用いることが好ましい。
【0030】このような要求を満たす(A)分子内に少
なくともひとつのカチオン重合性を有する化合物として
は、オキシラン環を有する化合物、オキセタン環を有す
る化合物、ビニルエーテル化合物から選ばれる一つある
いは2種以上の化合物から選ばれるものが挙げられる。
また、(B)分子内に少なくともひとつのラジカル重合
性を有する化合物としては、化学放射線によりラジカル
を発生する重合開始剤の存在下、化学放射線照射により
高分子化または架橋反応するラジカル重合性を有する化
合物で、例えば、構造単位中にエチレン性の不飽和結合
を少なくとも1個以上含むものであり、1官能であるビ
ニルモノマーの他に多官能ビニルモノマーを含むもので
あり、またこれらの混合物であってもよい。また、常
温、常圧で液体で、かつ沸点が100℃以上であるもの
が好ましい。さらに、該化合物(B)は、上記化合物
(A)よりも屈折率が高い必要がある。
【0031】化合物(A)としてのオキシラン環を有す
る化合物として好ましいものは、脂肪族多価アルコール
またはそのアルキレンオキサイド付加物の(ポリ)グリ
シジルエーテル、グリシジルアクリレートやグリシジル
メタクリレート等が挙げられる。その代表例としては、
1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,
6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセ
リンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパ
ンのトリグリシジルエーテル、(ジ、トリ、ポリ)エチ
レングリコールのジグリシジルエーテル、(ジ、トリ、
ポリ)プロピレングリコールのジグリシジルエーテル等
が挙げられる。
【0032】その他の化合物(A)としてのオキシラン
環を有する化合物としては、1,2,5,6−ジエポキ
シ−4,7−メタノペルヒドロインデン、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)−3’,4’−エポキシ−
1,3−ジオキサン−5−スピロシクロヘキサン、1,
2−エチレンジオキシ−ビス(3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメタン)、4’,5’−エポキシ−2’−メチ
ルシクロヘキシルメチル−4,5−エポキシ−2−メチ
ルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレングリコー
ル−ビス(3,4−エポキシキクロヘキサンカルボキシ
レート)、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル)アジペート、1,2,7,8−ジエポキシオクタ
ンあるいは、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
のようなエポキシ基あるいはエポキシシクロヘキシル基
を有する脂環式エポキシ化合物が挙げられる。
【0033】また、化合物(A)としてのオキセタン環
を有する化合物として好ましいものは、トリメチレンオ
キサイド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジク
ロロメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメ
チルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチ
ル)オキセタン、3−エチル−3−(p−トリルメチ
ル)オキセタン、3−エチル−3−(ナフトキシメチ
ル)オキセタン、3,3’−ビス(フェノキシメチル)
オキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキ
セタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン等が挙げられ
る。
【0034】また、化合物(A)としてのビニルエーテ
ル化合物として好ましいものは、ビニル−2−クロロエ
チルエーテル、ビニル−n−プロピルエーテル、ビニル
−n−ブチルエーテル、ビニルイソアミルエーテル、ビ
ニル−n−オクタデシルエーテル、トリエチレングリコ
ールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンメタノ
ールジビニルエーテル、トリメチロールメタントリビニ
ルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−トリルビニ
ルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル、ナ
フチルビニルエーテル、ビス(4−ビニロキシメチルシ
クロヘキシルメチル)グルタレート、ビス(4−ビニロ
キシブチル)イソフタレート等のビニルエーテル化合物
が挙げられるがこの限りではない。また、これらの化合
物の屈折率は、(B)分子内に少なくともひとつのラジ
カル重合性を有する化合物よりも屈折率が低い必要があ
る。
【0035】前記化合物(B)として、(メタ)アクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル
酸、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の高
沸点ビニルモノマー、さらには、脂肪族ポリヒドロキシ
化合物、例えば、プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,10−デカンジオール、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール、ソルビトール、マンニトールなどのモノ、ジ
あるいはポリ(メタ)アクリル酸エステル類、またはエ
チルカルビトールアクリレート、ノルボルネンメタノー
ルアクリレート、アダマンタンメタノールアクリレー
ト、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ジ
シクロペンテニルオキシエチルアクリレート、フェニル
カルビトールアクリレート、ノニルフェノキシエチルア
クリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル
アクリレート、ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチ
ルサクシネート、アクリロイルオキシエチルフタレー
ト、フェニルアクリレート、トリブロモフェニルアクリ
レート、トリブロモフェノキシエチルアクリレート、2
−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、2−
(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o−ビフ
ェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、
イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、p
−ブロモベンジルアクリレート、ラウリルアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールモノアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート、4−ヒドロキシブチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−アクリロイ
ルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレー
ト、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレ
ート、2−アクリロイルオキシハイドロゲンフタレー
ト、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイ
ドロゲンフタレート、ビスフェノールA(EO変性)ジ
アクリレート、ビスフェノールF(EO変性)ジアクリ
レート、及びこれらアクリレートに対応するメタアクリ
レート等が挙げられるがこの限りではない。また、これ
らの化合物の屈折率は、前記化合物(A)よりも屈折率
が高い必要がある。
【0036】本発明の組成物において用いられる(C)
化学放射線によってラジカル種及びカチオン種を発生す
る光重合開始剤としては、J.Photochem.S
ci.Technol.,2,283(1987).に
記載される化合物、具体的には鉄アレーン錯体、トリハ
ロゲノメチル置換s−トリアジン、スルフォニウム塩、
ジアゾニウム塩、フォスフォニウム塩、セレノニウム
塩、アルソニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。
また、ヨードニウム塩としては、Macromolec
ules、10、1307(1977).に記載の化合
物、例えば、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨード
ニウム、フェニル(p−アニシル)ヨードニウム、ビス
(m−ニトロフェニル)ヨードニウム、ビス(p −t
ert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p −
クロロフェニル)ヨードニウムなどのヨードニウムのク
ロリド、ブロミド、あるいはホウフッ化塩、ヘキサフル
オロフォスフェート塩、ヘキサフルオロアルセネート
塩、芳香族スルホン酸塩等や、ジフェニルフェナシルス
ルホニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート等のス
ルホニウム有機ホウ素錯体類を挙げることが出来る。
【0037】さらに、記録する化学放射線の波長に応じ
て、本発明の(C)化学放射線によってラジカル種及び
カチオン種を発生する光重合開始剤を増感せしめる
(D)増感色素を加えても良い。(C)光重合開始剤を
増感せしめる(D)増感色素としては、ミヒラーズケト
ン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
等のベンゾフェノン誘導体、シアニンまたはメロシアニ
ン誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘導体、キサンテ
ン誘導体、チオキサンテン誘導体、アズレニウム誘導
体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体などの
有機染料化合物が使用でき、その他に「色素ハンドブッ
ク」(大河原信他編、講談社1986年)、「機能性色
素の化学」(大河原信他編、シーエムシー、1981
年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編、シーエムシ
ー、1986年)に記載されている色素及び増感剤が用
いられる。なお、これらに限定されるものではなく、そ
の他の可視域の光に対して吸収を示す色素及び増感剤で
あり、使用する光重合開始剤を分光増感出来れば用いる
ことが出来る。これらは必要に応じて任意の比率で二種
以上で用いてもかまわない。
【0038】本発明の組成物に含有される成分(B)の
量は、成分(A)100重量部に対して10から250
重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは20
から200重量部である。この範囲より少ないと高い散
乱性が得られず、この範囲よりも多いと粘度が低くなり
感材を保持できなくなってしまう。成分(C)の光重合
開始剤の量は、成分(A)100重量部に対し、0.1
から20重量部、好ましくは1から10重量部である。
成分(D)を使用する場合の量は、成分(A)100重
量部に対して0.05から5重量部の範囲をとることが
可能であり、好ましくは0.1から0.5重量部であ
る。使用量は、感光層膜厚と該膜厚の光学濃度によって
制限を受ける。すなわち、光学濃度が2を越えない範囲
で使用することが好ましい。
【0039】さらに請求項1に記載の異方性光散乱フィ
ルム用組成物には、必要に応じて公知の高分子結合剤、
シランカップリング剤、可塑剤、重合禁止剤、連鎖移動
剤、酸化防止剤、レベリング剤、消泡剤などの各種添加
剤を加えても良い。(E)高分子結合剤は異方性光散乱
フィルム用組成物の成膜性、膜厚の均一性、保存安定性
などを向上させるために使用される。(E)高分子結合
剤は光重合性化合物や光重合開始剤と混合でき、材料の
屈折率差を妨げない脂肪族のものであれば良く、その具
体例としては、塩素化ポリエチレン、ポリメチルメタク
リレート、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルの共重合体、塩化ビニルとアクリ
ロニトリルの共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホ
ルマール、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、
アセチルセルロースなどが挙げられるが、これらに限定
されるものではない。また、これらは1つ又は2つ以上
混合して使用しても良い。
【0040】この様にこれらの各成分を適宜選択し、任
意の割合で混合して得た感光液をバーコーター、アプリ
ケーター、ドクターブレード、ロールコーター、ダイコ
ーター、コンマーコーター等の公知の塗工手段を用いて
ガラス板やフィルム等の基材に塗布する。
【0041】なお、感光液を塗布する際は、必要に応じ
て適当な溶剤で希釈してもよいが、その場合には基材上
に塗布した後に、乾燥を要する。上記溶剤としては、ジ
クロルメタン、クロロホルム、アセトン、2−ブタノ
ン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、メタノー
ル、エタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキ
シエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシ
エチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2
−メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテ
ル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−
(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エト
キシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシ
エトキシ)エチルアセテート、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン等が挙げられる。
【0042】さらに、記録可能な屈折率差は作製方法や
記録材料などにより制限を受けるため、大きな屈折率差
を持つ場合はフィルム膜厚を薄く、小さな屈折率差を持
つ場合はフィルム膜厚を厚くすることで、本発明の組成
物を用いて光散乱フィルムを実現することが可能であ
る。
【0043】屈折率の異なる部分の大きさは、光散乱を
生じるためにランダムで規則性はないが、必要な散乱性
を持つために、その平均の大きさは直径で0.1μmか
ら300μmの範囲内でそれぞれの用途に必要な散乱性
に応じて適宜選択する。
【0044】また、前記屈折率の異なる部分のフィルム
表面上での分布は、光散乱を生じるためにランダムで規
則性はないが、必要な散乱性を持たせるために、フィル
ム全体の平均屈折率を<n>とすると、その確率分布は
<n>を中心とする正規分布を呈する。或いは、屈折率
nの最小値n minで最大値をとり指数関数的に屈折
率の最大値n maxまで単調減少するような確率分
布、或いは単調増加する確率分布に従って分布していて
もよい。
【0045】以下、本発明の光散乱フィルムを作製する
手段について述べる。本発明の光散乱フィルムは光学的
な露光手段により作製することができる。最初にレーザ
ー露光等を用いてスペックルパターンを形成し、その後
硬化処理により未硬化部分を硬化させて異方性光散乱フ
ィルムを形成する。図5はランダムマスクパターンを利
用して作製する光学系の一例を示す説明図である。UV
光源6から出た紫外光はコリメート光学系7により平行
光8とし、マスク原版9を照射する。
【0046】マスク原版9のUV照射側とは反対の面に
は感光材料5を密着して配置しており、マスク原版9の
パターンを感光材料5に露光照射する。この際、図示の
ようにUV平行光8とマスク原版9は所定角度αだけ傾
いて配置されているため、パターン露光は感光材料5中
で、所定角度傾いてなされることになる。この角度が、
光散乱フィルム中の屈折率の異なる部分の傾斜角度(す
なわち、入射角度依存性の散乱角度θ)に相当すること
になるので、前記角度は用途に応じて0から60度程度
の範囲内で適宜選択する。
【0047】また、ここで使用する感光材料5は、UV
光の露光部と未露光部を屈折率の変化形態で記録できる
感光材料であり、記録しようとする濃淡模様より高い解
像力を持ち、その厚みの方向にもパターンを記録できる
ような材料である必要がある。
【0048】図5で用いている所定のランダムパターン
を持つマスク原版9は、計算機を用いた乱数計算から作
製した白黒パターンデータを、所謂フォトリソグラフィ
ーの手法によりガラス基板10上の金属クロムパターン
11としてエッチングしたものを用いてもよい。もちろ
んマスク原版の作成方法としては、上記方式に限定され
るものではなく、リス乾板を使った写真手法などにより
作製しても同様なマスクを作製できる事は周知である。
【0049】図6は、図2に示す構造の光散乱フィルム
をスペックルパターンを利用して作製する光学系の一例
を示す説明図である。レーザー光源13から出たレーザ
ー光14ですりガラス15を照射する。すりガラス15
のレーザー照射側とは反対の面には所定距離Fをおいて
感光材料5を配置し、すりガラス15で透過散乱したレ
ーザー光が作り出す複雑な干渉パターンであるスペック
ルパターンを感光材料5に露光照射される。
【0050】この際、図示のようにすりガラス10と感
光材料5は所定角度αだけ傾いて配置されているため、
スペックルパターンは感光材料中で、所定角度傾いて露
光されることになる。この角度が、光散乱フィルム中の
屈折率の異なる部分の傾き(すなわち、入射角度依存性
の散乱ピーク角度θ)に相当することになるので、前記
角度は用途に応じて0から60度程度の範囲内で適宜選
択する。
【0051】記録に使用するレーザ光源は、アルゴンイ
オンレーザーやクリプトンイオンレーザーの647.9
nm、514.5nm、488nm、457.9nm、
413nm、364nm或いは351nmの波長のう
ち、感光材料の感度に応じて適宜選択して使用する事が
できる。またアルゴンイオン、クリプトンイオンレーザ
ー以外でもコヒーレント性の良いレーザー光源であれば
仕様可能で、例えばヘリウムネオンレーザーや半導体レ
ーザなどが使用できる。
【0052】スペックルパターンは、コヒーレント性が
良い光が粗面で散乱反射または透過した時に生じる明暗
の斑点模様であり、粗面の微小な凹凸で散乱した光が不
規則な位相関係で干渉するために生じるものである。
【0053】「光測定ハンドブック朝倉書店田光幸敏治
ほか著1994年11月25日発行」の記述(p.26
6〜p.268)によれば、濃度や位相が位置によって
ランダムな値を示すようなスペックルパターンでは、前
記パターンの大きさは、感光材料から拡散板を見込む角
度に反比例して、パターンの平均径が決定される。従っ
て、拡散板の大きさを、水平方向よりも垂直方向で大き
くした場合、感光材料上に記録されるパターンは、水平
方向よりも垂直方向が細かいものとなる。
【0054】図6の光学系での作製方法によるスペック
ルパターンは、使用するレーザー光の波長λ及びすりガ
ラスの大きさD、すりガラスと感光材料との距離Fが、
記録されるスペックルパターンの平均サイズdを決定
し、一般に次式で表される。 d=1.2λF/D また、このスペックルパターンの奥行き方向の平均の長
さtは t=4.0λ(F/D)2 で表される。
【0055】以上よりλ及びF/Dの値を最適な散乱性
を持つように最適化することで所望の3次元的な屈折率
分布を持つ本発明の光散乱フィルムを得ることが出来
る。
【0056】一例として、λ=0.5μmで、F/D=
2とすると、d=1.2μm、t=8μmとなり、フィ
ルム表面上の濃淡模様は平均1.2μmで分布し、フィ
ルム厚み方向には前記傾斜角度に従った方向に平均8μ
mの大きさで分布することになる。
【0057】ただし、これらの大きさはあくまでも平均
の大きさであり、実際にはこれらの大きさを中心に大小
様々な大きさで屈折率の異なる部分が表面上及び奥行き
方向に傾斜して分布することになり、図2に示すような
本発明の異方性光散乱フィルムとなる。
【0058】以下、本発明の実施の形態について具体的
な実施例を挙げて説明する。
【0059】<実施例1>ポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル(デナコールEX−861、ナガセ化
成工業(株)製商品名)100重量部、フェノキシエチ
ルアクリレート(VISCOAT#192、大阪有機化
学(株)製商品名)50重量部、および4,4’−ビス
(tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフル
オロフォスフェート5.0重量部、4,4’−ビス(ジ
エチルアミノ)ベンゾフェノン0.2重量部をメチルエ
チルケトン(関東化学(株)製)100重量部に混合溶
解したものを感光液とした。該感光液を青板ガラス
(1.1mm厚、5インチ角)に、膜厚が約30ミクロ
ンになるようにドクターブレードで塗布、乾燥し記録用
媒体とした。
【0060】該記録用媒体を、図6に示した光学系で、
光源としてクリプトンレーザー(413nm)をレンズ
を用いて広げた光ですりガラス15を介して、記録材料
面から露光し(α=22゜、10mJ/cm2)、85
℃で5分間加熱後、高圧水銀灯で記録用媒体を全面照射
することで定着した。さらに、該記録用媒体を130℃
で30分加熱し、硬化物をガラス基板から剥離すること
によって光散乱性フィルムを得た。得られた該フィルム
の厚みは29ミクロンであった。
【0061】評価は、島津製作所(株)製の分光光度計
で各角度で透過率(波長範囲;400〜600nm)を
測定した。結果(全波長平均透過率)を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】<実施例2>ポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル100重量部の代わりにラウリルアル
コール(EO変性)グリシジルエーテル(デナコールE
X−171、ナガセ化成工業(株)製商品名)50重量
部と3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,
4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(アラ
ルダイトCY179、日本スペシャリティケミカルズ
(株)製商品名)50重量部の混合系にした以外は実施
例1と同様にして操作し、作製した光散乱性フィルムを
得た。得られた該フィルムの厚みは25ミクロンであっ
た。結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】<実施例3>ポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル100重量部の代わりに3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレート(アラルダイトCY17
9、日本スペシャリティケミカルズ(株)製商品名)5
0重量部と3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタ
ン(OXT−101、東亜合成(株)製商品名)50重
量部の混合系にし、高分子結合剤としてアクリル樹脂
(BR−90、三菱レイヨン(株)製商品名)50重量
部を添加した以外は実施例1と同様にして操作し、作製
した光散乱性フィルムを得た。得られた該フィルムの厚
みは28ミクロンであった。結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】<実施例4>4、4’−ビス(ジエチルア
ミノ)ベンゾフェノンの代わりに、カルボニルビス(p
−ジメチルアミノベンジリデン)、光源としてクリプト
ンレーザー(413nm)の代わりにアルゴンレーザー
(514.5nm)を使う以外は実施例1と同様にして
操作し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られた該
フィルムの厚みは30ミクロンであった。結果を表4に
示す。
【0068】
【表4】
【0069】<実施例5>フェノキシエチルアクリレー
トの代わりにビスフェノールA(EO変性)ジアクリレ
ート(アロニックスM−210、東亜合成(株)製商品
名)を使う以外は実施例1と同様にして操作し、作製し
た光散乱性フィルムを得た。得られた該フィルムの厚み
は29ミクロンであった。結果を表5に示す。
【0070】
【表5】
【0071】<実施例6>4、4’−ビス(tert−
ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフ
ェートの代わりにトリクロロメチルトリアジンを使う以
外は実施例1と同様にして操作し、作製した光散乱性フ
ィルムを得た。得られた該フィルムの厚みは28ミクロ
ンであった。結果を表6に示す。
【0072】
【表6】
【0073】<比較例1>フェノキシエチルアクリレー
トの代わりにトリプロピレングリコールジアクリレート
(VISCOAT−310HP 、大阪有機化学製
(株)商品名)を使う以外は実施例1と同様にして操作
し光散乱性フィルムを作製を試みたが、散乱性は発現し
なかった。得られた該フィルムの厚みは30ミクロンで
あった。
【0074】<比較例2>ポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテルの代わりにビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(エピコート1007、油化シェルエポキシ
(株)製商品名、エポキシ当量1750〜2200)を
使う以外は実施例1と同様にして操作し光散乱性フィル
ムを作製を試みたが、散乱性は発現しなかった。得られ
た該フィルムの厚みは30ミクロンであった。
【0075】
【発明の効果】本発明に係る組成物を用いれば、所定角
度で入射する光に対しては光散乱が生じ、逆にそれとは
垂直な光に対しては透明フィルムとして機能することに
より、光散乱性に入射角度選択性を持ち、そのため、散
乱性を要する光と散乱性が不要な光とを、そのフィルム
への入射角度により分離することができ、結果として表
示装置などに用いた場合に、不必要な散乱を生じること
なく表示の明るさや細かさ、コントラストを向上し、且
つ表示像のぼけを軽減させる等の効果がある異方性光散
乱フィルムを作製することができる。
【0076】また、光散乱が生じる入射角度で光が入射
した際に、その散乱光の広がりが、縦横で異なるような
散乱異方性をも併せ持つフィルムの作製が可能である。
そのため、容易に必要な方向にのみ散乱光を出射するこ
とが出来、結果として表示装置などに用いた場合に、不
必要な散乱を生じることなく表示の明るさ、コントラス
トを向上させる等の効果がある。
【0077】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光散乱フィルムを示す説明図であり、
左が平面図、右が断面図である。
【図2】本発明の光散乱フィルムを示す説明図であり、
左が平面図、右が断面図である。
【図3】本発明の光散乱フィルムの持つ入射角度依存性
の一例を示すグラフ。
【図4】本発明の光散乱フィルムが持つ光散乱の異方性
を説明する図である。
【図5】図1に示す構造の光散乱フィルムを、マスクパ
ターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図で
ある。
【図6】図2に示す構造の光散乱フィルムを、スペック
ルパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明
図である。
【符号の説明】
1・・・光散乱フィルム 2・・・散乱方向から入射する照明光 3・・・透過方向から入射する照明光 4・・・実測したヘイズ値のプロット 5・・・感光材料 6・・・UV光源 7・・・コリーメート光学系 8・・・平行光 9・・・マスク原版 10・・ガラス基板 11・・クロムパターン 12・・光ファイバー 13・・レーザー光源 14・・レーザー光 15・・すりガラス 16・・ビームエキスパンダー 17・・コリメーター
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 2H042 BA02 BA06 BA14 BA15 BA20 4F071 AA33 AA42 AF29 AH12 BB12 BC01 4J011 AA05 AC04 CA08 DA02 FA00 FB01 FB18 QA01 QA02 QA03 QA08 QA12 QA21 QA22 SA21 SA83 SA84 SA86 SA87 UA01 UA02 UA08 VA01 WA10 4J100 AE02P AE09P AE70P AE76P BA02P BB01P BC04P BC43P BC49P CA01 FA03 JA32 JA37 JA43

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、(A)分子内に少なくともひ
    とつのカチオン重合性を有する化合物と、(B)分子内
    に少なくともひとつのラジカル重合性を有する化合物
    と、(C)化学放射線によってラジカル種及びカチオン
    種を発生する光重合開始剤からなり、該(B)分子内に
    少なくともひとつのラジカル重合性を有する化合物の屈
    折率が、該(A)分子内に少なくともひとつのカチオン
    重合性を有する化合物の屈折率よりも高いことを特徴と
    する異方性光散乱フィルム用組成物。
  2. 【請求項2】前記(A)分子内に少なくともひとつのカ
    チオン重合性を有する化合物が、オキシラン環を有する
    化合物、オキセタン環を有する化合物、ビニルエーテル
    化合物、から選ばれる少なくともひとつあるいは数種の
    化合物からなることを特徴とする請求項1記載の異方性
    光散乱フィルム用組成物。
  3. 【請求項3】前記(B)分子内に少なくともひとつのラ
    ジカル重合性を有する化合物が、常温、常圧で液体で、
    かつ常圧で沸点が100℃以上で、エチレン性不飽和結
    合を少なくとも1個以上含む化合物であることを特徴と
    する請求項1または2記載の異方性光散乱フィルム用組
    成物。
  4. 【請求項4】さらに、前記(C)化学放射線によってラ
    ジカル種及びカチオン種を発生する光重合開始剤、を増
    感せしめる(D)増感色素を添加することを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム
    用組成物。
  5. 【請求項5】さらに、(E)高分子結合剤を含む請求項
    1〜4のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム用組成
    物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の異方性光
    散乱フィルム用組成物を用いて製造された異方性光散乱
    フィルム。
  7. 【請求項7】フィルム内部に、屈折率の異なる部分が不
    規則な形状、厚さで分布することにより、屈折率の高低
    からなる濃淡模様が形成されており、且つその屈折率の
    異なる部分が、フィルムの厚さ方向に対して傾斜して層
    状に分布している構造であることを特徴とする請求項6
    記載の異方性光散乱フィルム。
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