JP2006028203A - 異方性光散乱フィルム用組成物及び異方性光散乱フィルム - Google Patents

異方性光散乱フィルム用組成物及び異方性光散乱フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】散乱特性に異方性(前方か後方か、及び入射角度の依存性)を持たせ、縦横の散乱範囲に係る散乱特性までも制御することが容易であると共に、観察位置によって表示光の色が変化しない異方性光散乱フィルム及び組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも、熱可塑性樹脂(A)と、ラジカル重合性基を有する化合物(B)と、化学放射線によってラジカル種を発生する光重合開始剤(C)からなり、熱可塑性樹脂(A)とラジカル重合性基を有する化合物(B)の屈折率に差がある組成物を用い、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されており、且つその屈折率の異なる部分が、フィルムの厚さ方向に対して傾斜して層状に分布している構造である異方性光散乱フィルムを製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光の入射角度に応じて散乱性が異なる(或いは、入射角度選択性を持つ)と共に、光散乱特性に異方性を有する光散乱フィルム用組成物および異方性光散乱フィルムに関する。
反射型液晶表示装置や透過型液晶表示装置のなどの光を利用する表示装置では、観察の際の視野角を確保する(すなわち、表示装置の前面には、明るく表示画像を見せる)ことや、表示画面の全面にわたって均一な明るさで表示画面を見えるようにする目的で、装置の前面に光拡散フィルムを配置することが行われている。従来の光散乱フィルムとしては、表面をマット状に加工した樹脂フィルムや、内部に拡散材を包含した樹脂フィルムなどが用いられている。
従来のマット状に加工した樹脂フィルムや内部に拡散材を含有するフィルムの場合、入射光の入射角度に依存した散乱性の変化といった機能を持たせることは原理上困難であり、現実的にそのような機能は持ち合わせていない。
表面をマット状に加工した光散乱フィルムの場合、フィルム表面をサンドブラスター処理のように物理的にマット面を形成したり、或いは酸性又はアルカリ性の溶液による溶解処理により化学的にマット面を形成する。従って光の散乱性を制御する事が難しく、また縦と横の散乱性を変えるといったことも出来ないため散乱異方性を持たせることもできない。
また、内部に拡散材を包含した光散乱フィルムにおいても、散乱性を制御するために拡散材の屈折率や大きさ、形状等を制御する試みも為されているが、技術的に難易度が高く、実用上十分であるとは言えないのが現状である。
従って、上記の光散乱フィルムでは、散乱性の入射角度依存性がなく、光散乱の異方性も無いかもしくは少ないため、表示装置に使用した際に、不必要な散乱光が生じ、結果として表示の明るさやコントラストの低下或いは表示画像のぼけをまねくという問題点がある。
一方、光散乱に異方性を持つ散乱板を用いた反射型液晶表示装置に係る提案として、特許文献1が公知である。上記公報に開示された散乱板は、後方散乱特性がほとんどなく前方散乱特性が強い散乱板であり、液晶表示装置への入射光あるいは液晶表示装置から出射表示光のどちらか一方を選択的に散乱させる特性を有する。
しかしながら、上記公報では、散乱板の構成は具体的に説明されておらず、「透明微細粒子を透明な重合性高分子で固めたもの」とだけ記載されている。このような散乱板では、上述した「内部に拡散材を包含した光拡散フィルム」と同様に、散乱特性に異方性(前方か後方か)を持たせられたとしても、縦と横の散乱特性までも制御するのは難しい。
また、散乱板としてホログラムを用いた透過型液晶表示装置に係る提案として、特許文献2が公知である。上記提案は、バックライトを有する液晶表示装置からの出射表示光を散乱させるものであり、散乱板としてホログラムを採用しているため、散乱特性に異方性を持たせることも容易であり、縦と横の散乱特性も制御することも可能ではあるが、必然的に分光(波長分散)を伴ってしまうため、観察する視点を移動することに応じて、表示光の色が変化して視覚されることになる。
特開平8−20180号公報 特開平9−152602号公報
本発明は、散乱特性に異方性(前方か後方か、及び入射角度の依存性)を持たせ、縦横の散乱範囲に係る散乱特性までも制御することが容易であると共に、観察位置によって表示光の色が変化しない異方性散乱体を得るための組成物および異方性光散乱フィルムを提供することを目的とする。
本発明から得られる異方性散乱フィルムは、フィルム内部に屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されており、屈折率の異なる部分の大きさ、形、分布を、フィルム表面での縦横方向及びフィルムの厚さ方向に沿って最適化することにより、入射角度に依存した散乱特性に変化を持たせると共に、不必要な方向への光散乱を無くし、必要な方向(範囲)のみに光を散乱させるもので、本発明は、それぞれの屈折率に差があり、熱可塑性樹脂とラジカル重合性化合物からなることを特徴とした異方性散乱フィルム用組成物を提供する。
請求項1に記載の発明は,少なくとも、熱可塑性樹脂(A)と、ラジカル重合性基を有する化合物(B)と、化学放射線によってラジカル種を発生する光重合開始剤(C)からなり、前記熱可塑性樹脂(A)の屈折率と前記ラジカル重合性基を有する化合物(B)の屈折率に差があることを特徴とする異方性光散乱フィルム用組成物である。
また、請求項2記載の発明は、さらに、メラミン樹脂またはメラミン化合物(D)を添加したことを特徴とする異方性光散乱フィルム用組成物である。
また、請求項3記載の発明は、前記熱可塑性樹脂(A)が、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂あるいはビスフェノールF型フェノキシ樹脂いずれかからなることを特徴とする請求項1または2記載の異方性光散乱フィルム用組成物である。
また、請求項4に記載の発明は、前記ラジカル重合性基を有する化合物(B)が、常温、常圧の条件で液体であり、かつ常圧で沸点が100℃以上であるエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム用組成物である。
請求項5に記載の発明は、前記ラジカル重合性基を有する化合物(B)が、熱可塑性樹脂(A)との屈折率差が0.01以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム用組成物である。
請求項6に記載の発明は、前記ラジカル重合性基を有する化合物(B)が、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し、10から300重量部の範囲で配合したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム用組成物である。
請求項7に記載の発明は、前記熱可塑性樹脂(A)は、重量平均分子量が10,000から100,000の範囲であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム用組成物である。
請求項8に記載の発明は、前記化学放射線によってラジカル種を発生する光開始剤(C)を増感せしめる増感色素(E)をさらに添加することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム用組成物である。
請求項9に記載の発明は、基材に請求項1から8のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム用組成物からなる樹脂層設け、該樹脂層を露光することにより、樹脂層内部に、屈折率の異なる部分が不規則な形状、厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡部が形成されていることを特徴とする異方性光散乱フィルムである。
請求項10に記載の発明は、前記屈折率の異なる部分が、樹脂層の厚さ方向に対して傾斜して層状に分布している構造であることを特徴とする請求項9記載の異方性光散乱フィルムである。
請求項11に記載の発明は、前記基材が、プラスチックフィルムであることを特徴とする請求項9または10記載の異方性光散乱フィルムである。
本組成物を用いれば、所定角度で入射する光に対しては光散乱が生じ、逆にそれとは垂直な光に対しては透明フィルムとして機能することにより、光散乱性に入射角度選択性を持ち、そのため、散乱性を要する光と散乱性が不要な光をそのフィルムへの入射角度により分離することができ、結果として表示装置などに用いた場合に、不必要な散乱を生じることなく表示の明るさや細かさ、コントラストを向上し、且つ表示像のぼけを軽減させる等の効果がある光散乱フィルムを作製することができる。
また、光散乱が生じる入射角度で光が入射した際に、その散乱光の広がりが、縦横で異なるような散乱異方性も併せ持つフィルムの作製が可能である。そのため、必要な方向にのみ散乱光を出射することが出来、結果として表示装置などに用いた場合に、不必要な散乱を生じることなく表示の明るさ、コントラストを向上させる等の効果がある。
以下、図面に基づいて本発明を説明する。図1は、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布して、屈折率の高低(同図では、白と黒で表現する)からなる濃淡模様が形成された光散乱フィルム1を示す説明図であり、左が平面図、右が断面図である。
平面図から分かるように、屈折率の異なる部分の形状は横長である。また、断面図から分かるように、屈折率の異なる部分は、フィルムの厚さ方向に対して傾斜した層状に分布した構造である。図1では、屈折率の異なる部分が、層状に傾斜している方向については、屈折率の分布は一様(傾斜方向では、色が変化していない)である。
図2は、別の実施形態に係る光散乱フィルム1を示す説明図であり、左が平面図、右が断面図である。図2では屈折率の異なる部分の形状は縦長であり、また、屈折率の異なる部分が、層状に傾斜している方向については、屈折率の分布は不規則(傾斜方向でも、色が変化している)である。
図1、図2の光散乱フィルムの光学特性について、まず、断面図で考える。屈折率の異なる部分が層状に分布した上記傾斜方向に沿った角度(フィルムの垂線から角度θをなす、図2の矢印2の方向)で入射する光に対しては、光散乱が生じることになる。
上記傾斜方向とは垂直な角度(図の矢印3の方向)で入射する光に対しては、単なる透明フィルムとして機能し、入射光は散乱されずに出射する。
次に、平面図で考えると、屈折率の異なる部分の形状が縦長(或いは横長)であると、その部分に入射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分から出射光の光散乱特性が、横長(或いは縦長)となるような異方性を持つ。図1では形状が横長であるから出射光は縦長に散乱し、図2では形状が縦長であるから出射光は横長に散乱することになる。
図3は、本発明の組成物を用いて作製した光散乱フィルム1の持つ入射角度依存性の一例を示すグラフである。図中実線で示すように、ある特定入射角度範囲(図では0度から60度)の光に対してはヘイズ値が80%以上あり、逆にそれとは対称な入射角度(図では−60度から0度)の光に対してのヘイズ値は20%以下になっており、これが本明細書中で言う散乱性の入射角度依存性を示す。
また、上述したように、屈折率の異なる部分の形状が縦長(或いは横長)であると、その部分に入射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分からの出射光の光散乱特性が、横長(或いは縦長)となるような異方性を持つ。例えば、図1のように形状が横長であると、光散乱フィルムからの散乱出射光は、図4の様な縦長の楕円形となるような分布となる。
次に、本発明の異方性光散乱フィルム用組成物について詳細に説明する。上述したように、本発明の組成物で作製した異方性光散乱フィルムの内部は、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されている。
この屈折率の差異は、小さすぎると散乱性が悪くなり、逆に大きすぎるとどのような角度で光が入射しても光散乱が生じてしまうことになり、散乱性の入射角度依存性を持たせることが困難となる。
本発明の異方性光散乱フィルム用組成物は、熱可塑性樹脂(A)、ラジカル重合性基を有する化合物(B)で、かつ該熱可塑性樹脂(A)と屈折率差が0.01以上であることを特徴とする化合物とからなる。
上記熱可塑性樹脂(A)とは、加熱により反応が起こることなく軟化して塑性を示し、冷却と加熱を繰り返した場合、塑性が可逆的に保たれる樹脂である。熱可塑性樹脂は、柔軟性に富んでいるため、異方性光散乱フィルム作製時におけるラジカル重合性基を有する化合物のフィルム中の移動が容易となることで、屈折率差が大きくなり散乱性が向上する。さらに作製した光異方性散乱フィルムも柔軟性を有するため、光学フィルムとしての利用が容易である。
前記熱可塑性樹脂(A)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、並びにポリメタクリル酸メチル或いは各種アクリレート、メタクリレートの共重合体、並びにポリアミド、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、フェニレンオキシド、ポリアセタール類を挙げることができる。
このうち好ましい熱可塑性樹脂(A)としては、ビスフェノールA型あるいはビスフェノールF型フェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂は強靭で柔軟性に優れており、またPET(ポリエチレンテレフタレート)、TAC(トリアセテートセルロース)フィルム等の基材やフィラーとの密着性が良好であるため、異方性光散乱フィルムとして良好な特性を有している。
さらに、熱可塑性樹脂(A)として好ましいビスフェノールA型あるいはビスフェノールF型フェノキシ樹脂の重量平均分子量としては10,000から100,000が望ましい。この平均分子量よりも小さいビスフェノール型樹脂はエポキシ樹脂に分類され、熱硬化性樹脂である。一方、平均分子量の大きいビスフェノール型フェノキシ樹脂は有機溶剤への溶解性が乏しくなり異方性光散乱フィルムとして用いることが困難になる。
なお、本発明に使用する熱可塑性樹脂(A)と、ラジカル重合性基を有する化合物(B)の屈折率は異なっている必要があり、その屈折率差が大きいほど光の散乱する度合い、いわゆるヘイズ率が大きくなる。一般的には屈折率差が0.01以上、より好ましくは、0.05以上有することが好ましい。
さらに、上記ラジカル重合性基を有する化合物(B)は、分子内に1個以上の重合性エチレン性二重結合を有し、化学放射線によりラジカルを発生する開始剤の存在下、高分子化または架橋反応する化合物であり、重合性エチレン性二重結合としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基或いはアリル基を挙げることができる。
例えば、ポリエステルアクリレート、ポリオールポリアクリレート、変性ポリオールポリアクリレート、イソシアヌル酸骨格のポリアクリレート、メラミナクリレート、ヒダントイン骨格のポリアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ビスフェノールA型ジアクリレートなどの多官能アクリレート、或いはこれらアクリレートに対応するメタクリレート類、メチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、アクリロイルオキシエチルフタレート及びこれらに対応するメタクリレート類、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル等のビニル化合物等が挙げられる。
これら1官能であるビニルモノマーの他に多官能ビニルモノマーを含むものであり、またこれらの混合物であっても良く、さらに、熱可塑性樹脂(A)との屈折率差が0.01以上であるモノマーを選択する必要がある。また、これらの化合物はモノマーのままで或いはオリゴマーや反応性ポリマーとしても使用できる。
本発明の組成物において用いられる化学放射線によってラジカル種を発生する光重合開始剤(C)としては、J.Photochem.Sci.Technol.,2,283(1987).に記載される化合物、具体的には、芳香族ケトン類、チオキサントン類、ビスイミダゾール類、アシルフォスフィンオキサイド類、有機過酸化物、鉄アレーン錯体、トリハロゲノメチル置換s−トリアジン、スルフォニウム塩、ジアゾニウム塩、フォスフォニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられ。芳香族ケトン類としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、ベイゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。チオキサントン類としては、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
さらに、ジアリールヨードニウム塩も好ましく、Macromolecules,10,1307(1977).に記載の化合物、例えば、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p−アニシル)ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウムなどのヨードニウムのクロリド、ブロミド、あるいはフッ化ホウ素塩、ヘキサフルオロフォスフェート塩、ヘキサフルオロアルセネート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩、芳香族スルホン酸塩等を挙げることが出来る。
本発明のメラミン樹脂またはメラミン化合物(D)は、加熱することによりフェノキシ樹脂のヒドロキシ基とメラミン誘導体のメチロール基あるいはメトキシメチル基との間の脱水あるいは脱アルコール縮合反応を起こす。このため、フェノキシ基をメラミン誘導体にて架橋反応をさせることが可能となり、異方性散乱フィルムの耐久性、例えば、耐溶剤性を向上させることができる。このようなメラミン誘導体としては、メチロール基あるいはメトキシメチル基を有している化合物であればよい。このメラミン誘導体の中でも、溶解性、特に、溶剤に対する溶解性が大きいほど好ましい。具体的には、ジ−メチロールメラミン、トリ−メチロールメラミン、テトラ−メチロールメラミン、ペンタ−メチロールメラミン、ヘキサ−メチロールメラミン、あるいはジ−メトキシメチルメラミン、トリ−メトキシメチルメラミン、テトラ−メトキシメチルメラミン、ペンタ−メトキシメチルメラミン、ヘキサ−メトキシメチルメラミンなどのメラミン化合物、またはこれらの化合物とホルムアルデヒド等反応させることにより得られるメラミン樹脂を挙げることができるが、これに限定されるものでない。
本発明の化学放射線によってラジカル種を発生する光開始剤(C)を増感せしめる増感色素(E)としては、シアニンまたはメロシアニン誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体などの有機染料化合物が使用でき、その他に「色素ハンドブック」(大河原信他編 講談社1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編、シーエムシー 1981年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシー 1986年)に記載されている色素及び増感剤が用いられる。なお、これらに限定されるものではなく、その他の可視域の光に対して吸収を示す色素及び増感剤であれば用いることが出来る。これらは必要に応じて任意の比率で二種以上を用いてもかまわない。
本発明の組成物に含有されるラジカル重合性基を有する化合物(B)の量は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し、10から300重量部、好ましくは20から200重量部である。また、化学放射線によってラジカル種を発生する光重合開始剤(C)の量は、ラジカル重合性基を有する化合物(B)100重量部に対し、0.1から50重量部、好ましくは1から30重量部である。
また、該メラミン樹脂またはメラミン化合物(D)の量は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し、0.1から50重量部、好ましくは1から30重量部である。
さらに、該増感色素(E)の量は、ラジカル重合性基を有する化合物(B)100重量部に対し、0.1から10重量部、好ましくは0.2から5重量部までの範囲をとることが可能である。使用量は、感光層膜厚と該膜厚の光学濃度によって制限を受ける。すなわち、光学濃度が2を越えない範囲で使用することが好ましい。
この様にこれらの各成分を適宜選択し、任意の割合で混合して得た感光液をバーコーター、アプリケーター、ドクターブレード、ロールコーター、ダイコーター、コンマコーター等の公知の塗工手段を用いてガラス板、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリアセテートセルロース(TAC)フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム等の基材に塗布し、一体に形成しそのまま使用してもよい。
なお、感光液を塗布する際は、必要に応じて適当な溶剤で希釈してもよいが、その場合には基材上に塗布した後に、乾燥を要する。上記溶剤としては、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
さらに、記録可能な屈折率差は作製方法や記録材料などにより制限を受けるため、大きな屈折率差を持つ場合はフィルム膜厚を薄く、小さな屈折率差を持つ場合はフィルム膜厚を厚くすることで、本発明の組成物を用いて異方性光散乱性フィルムを実現することが可能である。
屈折率の異なる部分の大きさは、光散乱を生じるためにランダムで規則性はないが、必要な散乱性を持つために、その平均の大きさは直径で0.1μmから300μmの範囲内でそれぞれの用途に必要な散乱性に応じて適宜選択する。
また、前記屈折率の異なる部分のフィルム表面上での分布は、光散乱を生じるためにランダムで規則性はないが、必要な散乱性を持たせるために、フィルム全体の平均屈折率を<n>とすると、その確率分布は<n>を中心とする正規分布を呈する。或いは、屈折率nの最小値nminで最大値をとり指数関数的に屈折率の最大値nmaxまで単調減少するような確率分布、或いは単調増加する確率分布に従って分布していてもよい。
以下、本発明の異方性光散乱性フィルムを作製する手段について述べる。本発明の光散乱フィルムは光学的な露光手段により作製することができる。図5はランダムマスクパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図である。UV光源6から出た紫外光はコリメート光学系7により平行光8とし、マスク原版9を照射する。
マスク原版9のUV照射側とは反対の面には感光材料5を密着して配置しており、マスク原版9のパターンを感光材料5に露光照射する。この際、図示のようにUV平行光8とマスク原版9は所定角度αだけ傾いて配置されているため、パターン露光は感光材料5中で、所定角度傾いてなされることになる。この角度が、異方性光散乱性フィルム中の屈折率の異なる部分の傾斜角度(すなわち、入射角度依存性の散乱角度θ)に相当することになるので、前記角度は用途に応じて0から60度程度の範囲内で適宜選択する。
図5で用いている所定のランダムパターンを持つマスク原版9は、計算機を用いた乱数計算から作製した白黒パターンデータを、フォトリソグラフィーの手法によりガラス基板10上の金属クロムパターン11としてエッチングしたものを用いてもよい。もちろんマスク原版の作成方法としては、上記方式に限定されるものではなく、リス乾板を使った写真手法などにより作製しても同様なマスクを作製できる事は周知である。
図6は、図2に示す構造の異方性光散乱性フィルムを、スペックルパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図である。レーザー光源13から出たレーザー光14ですりガラス15を照射する。すりガラス15のレーザー照射側とは反対の面には所定距離Fをおいて感光材料5を配置し、すりガラス15で透過散乱したレーザー光が作り出す複雑な干渉パターンであるスペックルパターンを感光材料5に露光照射される。
この際、図示のようにすりガラス10と感光材料5は所定角度αだけ傾いて配置されているため、スペックルパターンは感光材料中で、所定角度傾いて露光されることになる。この角度が、異方性光散乱性フィルム中の屈折率の異なる部分の傾き(すなわち、入射角度依存性の散乱ピーク角度θ)に相当することになるので、前記角度は用途に応じて0から60度程度の範囲内で適宜選択する。
記録に使用するレーザ光源は、アルゴンイオンレーザーの514.5nm、488nm457.9nm、363.5nm又は357.1nmの波長のうち、感光材料の感度に応じて適宜選択して使用する事ができる。またアルゴンイオンレーザー以外でもコヒーレント性の良いレーザー光源であれば仕様可能で、例えばヘリウムネオンレーザーやクリプトンイオンレーザー、532nm、355nmを発振可能な半導体レーザーなどが使用できる。
スペックルパターンは、コヒーレント性が良い光が粗面で散乱反射または透過した時に生じる明暗の斑点模様であり、粗面の微小な凹凸で散乱した光が不規則な位相関係で干渉するために生じるものである。
「光測定ハンドブック」(朝倉書店 田光幸敏治ほか著 1994年11月25日発行)の記述(p.266−p.268)によれば、濃度や位相が位置によってランダムな値を示すようなスペックルパターンでは、前記パターンの大きさは、感光材料から拡散板を見込む角度に反比例して、パターンの平均径が決定される。従って、拡散板の大きさを、水平方向よりも垂直方向で大きくした場合、感光材料上に記録されるパターンは、水平方向よりも垂直方向が細かいものとなる。
図6の光学系での作製方法によるスペックルパターンは、使用するレーザー光の波長λ及びすりガラスの大きさD、すりガラスと感光材料との距離Fが、記録されるスペックルパターンの平均サイズdを決定し、一般に次式で表される。
d=1.2λF/D
また、このスペックルパターンの奥行き方向の平均長さtは
t=4.0λ(F/D)
で表される。
以上よりλ及びF/Dの値を最適な散乱性を持つように最適化することで所望の3次元的な屈折率分布を持つ異方性光散乱性フィルムを得ることが出来る。
一例として、λ=0.5μmで、F/D=2とすると、d=1.2μm、t=8μmとなり、フィルム表面上の濃淡模様は平均1.2μmで分布し、フィルム厚み方向には前記傾斜角度に従った方向に平均8μmの大きさで分布することになる。
ただし、これらの大きさはあくまでも平均の大きさであり、実際にはこれらの大きさを中心に大小様々な大きさで屈折率の異なる部分が表面上及び奥行き方向に傾斜して分布することになり、図2に示すような本発明の異方性光散乱性フィルムとなる。
なお、前述のプラスチックフィルム等の基材と一体で異方性散乱膜を設けたフィルムとする場合は、基材との接着性が優れた組成とする必要があり、さらに接着剤等の別部材を用いることなく、露光後も密着性が優れている必要がある。
前記課題を、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂あるいはビスフェノールF型フェノキシ樹脂いずれかからなる熱可塑性樹脂(A)と、ラジカル重合性基を有する化合物(B)と、化学放射線によってラジカル種を発生する光重合開始剤(C)を含む異方性光散乱フィルム組成物を用いることにより解決できる。
以下、本発明の実施の形態について具体的な実施例と本発明の特徴を明確にするための比較例を挙げて説明する。
<実施例1>
フェノキシ樹脂(Inchem Corp製、商品名PKHH、重量平均分子量52,000)100重量部、トリプロピレングリコールジアクリレート(大阪有機化学(株)製、商品名VISCOAT−310HP)100重量部および1−ヒドロキシシクロフェニルケトン(チバスペシャリティケミカルズ(株)製、商品名IRGACURE184)5.4重量部を2−ブタノン100重量部に混合溶解したものを感光液とした。当該感光液をTACフィルム(富士写真フィルム(株)製 商品名フジタックTD−80 厚み80μm)に、膜厚が約30μmになるようにドクターブレードで塗布、乾燥し記録用媒体とした。
光源としてアルゴンレーザー(363.5nm)のレンズを用いて広げた光ですりガラス15を介して、記録材料面から露光し(α=30゜、50mJ/cm)、85℃で5分間加熱後、高圧水銀灯で記録用媒体を全面照射することで定着して、異方性光散乱性フィルムを得た。得られた該フィルムの厚みは29μmであった。
評価は、島津製作所(株)製の分光光度計を用い各角度で透過率(波長範囲;400−600nm)を測定した。この全波長平均透過率を表1に示す。
また、機材との密着性を、クロスカットテープピールテストにより評価したところ、100/100と良好であった。

<実施例2>
フェノキシ樹脂(Inchem Corp製、商品名PKHH、重量平均分子量52,000)の代わりにフェノキシ樹脂(Inchem Corp製、商品名PKHB、重量平均分子量32,000)を用い、TACフィルム(富士写真フィルム(株)製 商品名フジタックTD−80 厚み80μm)に乾燥膜厚が約25μmとなるように塗布、乾燥した。前記以外は実施例1と同様にして操作し、異方性光散乱性フィルムを得た。得られた当該フィルムの厚みは33μmであった。各角度での全波長透過率の結果を表1に示す。
また、基材との密着性を、クロスカットテープピールテストにより評価したところ、100/100で良好であった。
<実施例3>
フェノキシ樹脂(Inchem Corp製、商品名PKHH、重量平均分子量52,000)の代わりにフェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名ビスコート1256、重量平均分子量51,000)を用い、TACフィルム(富士写真フィルム(株)製 商品名フジタックTD−80 厚み80μm)に乾燥膜厚が約25μmとなるように塗布、乾燥した。前記以外は実施例1と同様にして操作し、異方性光散乱性フィルムを得た。得られた当該フィルムの厚みは25μmであった。各角度での全波長透過率を結果を表1に示す。
また、基材との密着性を、クロスカットテープピールテストにより評価したところ、100/100で良好であった。
<実施例4>
トリプロピレングリコールジアクリレート(大阪有機化学(株)製、商品名VISCOAT−310HP)の代わりにネオペンチルグリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名NKエステルA−NPG)を使う以外は実施例1と同様にして操作し、異方性光散乱性フィルムを得た。得られた当該フィルムの厚みは28μmであった。各角度での全波長透過率を結果を表1に示す。
また、機材との密着性を、クロスカットテープピールテストにより評価したところ、100/100と良好であった。
<実施例5>
1−ヒドロキシシクロフェニルケトン(チバスペシャリティケミカルズ(株)製、商品名IRGACURE84)に代りに、4、4’−ビス(tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェートを使用し、4,4’−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン0.25重量部をさらに感光液に加えに、光源としてアルゴンレーザ(363.5nm)の代わりにクリプトンレーザ(413nm)に変える以外は実施例1と同様にして操作し、異方性光散乱性フィルムを得た。得られた当該フィルムの厚みは32μmであった。各角度での全波長透過率の結果を表1に示す。
また、機材との密着性を、クロスカットテープピールテストにより評価したところ、100/100と良好であった。
<実施例6>
トリプロピレングリコールジアクリレート(大阪有機化学(株)製、商品名VISCOAT−310HP)の代わりにトリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名ライトアクリレートTMP−A)を、TACフィルム(富士写真フィルム(株)製 商品名フジタックTD−80 厚み80μm)に乾燥膜厚が約30μmとなるように塗布、乾燥した。前記以外は実施例1と同様にして操作し、異方性光散乱性フィルムを得た。得られた当該フィルムの厚みは30μmであった。各角度での全波長透過率を結果を表1に示す。
また、基材との密着性を、クロスカットテープピールテストにより評価したところ、100/100で良好であった。
Figure 2006028203
<比較例1>
トリプロピレングリコールジアクリレート(大阪有機化学(株)製、商品名VISCOAT−310HP)の代わりにイソシアヌール酸EO変性トリアクリレート(東亞合成(株)製、商品名アロニックスM−315)を使う以外は実施例1と同様にして操作し、異方性光散乱性フィルムの作製を試みた。しかしながら散乱性が発現しなかった。
<比較例2>
フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名ビスコート1256、重量平均分子量51,000)の代わりにエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1007、重量平均分子量2,900)を用い、TACフィルム(富士写真フィルム(株)製 商品名フジタックTD−80 厚み80μm)に乾燥膜厚が約30μmとなるように塗布、乾燥した。前記以外は実施例1と同様にして操作し、異方性光散乱性フィルムを得た。得られた当該フィルムの厚みは30μmであった。基材との密着性を、クロスカットテープピールテストにより評価したところ、0/100で、基材から剥離してしまった。
<実施例7>
フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名ビスコート1256、重量平均分子量51,000)100重量部、ポリプロピレングリコールジアクリレート(東亞合成(株)製、商品名アロニックスM−220)100重量部、メラミン樹脂(三和ケミカル(株)製、商品名ニカラックMW−30)20重量部、および1−ヒドロキシシクロフェニルケトン(チバスペシャリティケミカルズ(株)製、商品名IRGACURE184)5.4重量部を、2-ブタノン100重量部に混合溶解したものを感光液とした。当該感光液をTACフィルム(富士写真フィルム(株)製 商品名フジタックTD−80 厚み80μm)に、膜厚が約30μmになるようにドクターブレードで塗布、乾燥し記録用媒体とした。
光源としてアルゴンレーザー(363.5nm)を用い、レンズを用いて広げた光ですりガラス15を介して、記録材料面から露光し(α=30゜、50mJ/cm)、85℃で5分間加熱後、高圧水銀灯で記録用媒体を全面照射することで定着して、異方性光散乱性フィルムを得た。得られた該フィルムの厚みは29μmであった。
評価は、島津製作所(株)製の分光光度計を用い各角度で透過率(波長範囲;400−600nm)を測定した。この全波長平均透過率を表2に示す。
<実施例8>
フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名ビスコート1256、重量平均分子量51,000)の代わりにフェノキシ樹脂(Inchem Corp製、商品名PKHB、重量平均分子量32,000)を用い、TACフィルム(富士写真フィルム(株)製 商品名フジタックTD−80 厚み80μm)に乾燥膜厚が約25μmとなるように塗布、乾燥した。前記以外は実施例7と同様にして操作し、異方性光散乱性フィルムを得た。得られた当該フィルムの厚みは35μmであった。各角度での全波長透過率の結果を表2に示す。
また、基材との密着性を、クロスカットテープピールテストにより評価したところ、100/100で良好であった。
<実施例9>
トリプロピレングリコールジアクリレート(東亞合成(株)製、商品名アロニックスM−220)の代わりに1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(共和社化学(株)製、商品名ライトアクリレート1.6HX−A)を使う以外は実施例7と同様にして操作し、異方性光散乱性フィルムを得た。得られた当該フィルムの厚みは28μmであった。各角度での全波長透過率の結果を表2に示す。
また、機材との密着性を、クロスカットテープピールテストにより評価したところ、100/100と良好であった。
<実施例10>
メラミン樹脂(三和ケミカル(株)製、商品名ニカラックMW−30)の代わりに、メチル化メラミン樹脂(住友化学工業(株)製、商品名スミマールM−100)を使う以外は実施例7と同様にして操作し、異方性光散乱性フィルムを得た。得られた当該フィルムの厚みは33μmであった。各角度での全波長透過率の結果を表2に示す。
また、機材との密着性を、クロスカットテープピールテストにより評価したところ、100/100と良好であった。
<実施例11>
1−ヒドロキシシクロフェニルケトン(チバスペシャリティケミカルズ(株)製、商品名IRGACURE184)の代りに、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート(チバスペシャリティケミカルズ(株)製、商品名IRGACURE250)を使用し、4,4’−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン0.25重量部をさらに感光液に加えに、光源としてアルゴンレーザ(363.5nm)の代わりにクリプトンレーザ(413nm)を使用した以外は実施例7と同様にして操作し、異方性光散乱性フィルムを得た。得られた当該フィルムの厚みは32μmであった。各角度での全波長透過率を結果を表2に示す。
Figure 2006028203
<比較例3>
トリプロピレングリコールジアクリレート(東亞合成(株)製、商品名アロニックスM−220)の代わりにイソシアヌール酸EO変性トリアクリレート(東亞合成(株)製、商品名アロニックスM−315)を使う以外は実施例7と同様にして操作し、異方性光散乱性フィルムの作製を試みた。しかしながら散乱性が発現しなかった。
<比較例4>
フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名ビスコート1256、重量平均分子量51,000)の代わりにエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1007、重量平均分子量2,900)を用い、TACフィルム(富士写真フィルム(株)製 商品名フジタックTD−80 厚み80μm)に乾燥膜厚が約30μmとなるように塗布、乾燥した。前記以外は実施例7と同様にして操作し、異方性光散乱性フィルムを得た。得られた当該フィルムの厚みは30μmであった。基材との密着性を、クロスカットテープピールテストにより評価したところ、0/100で、基材から剥離してしまった。
本発明の光散乱フィルムを示す説明図であり、左が平面図、右が断面図である。 本発明の光散乱フィルムを示す説明図であり、左が平面図、右が断面図である。 本発明の光散乱フィルムの持つ入射角度依存性の一例を示すグラフである。 本発明の光散乱フィルムが持つ光散乱の異方性を説明する図である。 図1に示す構造の光散乱フィルムを、マスクパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図である。 図2に示す構造の光散乱フィルムを、スペックルパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図である。
符号の説明
1…光散乱フィルム
2…散乱方向から入射する照明光
3…透過方向から入射する照明光
4…実測したヘイズ値のプロット
5…感光材料
6…UV光源
7…コリーメート光学系
8…平行光
9…マスク原版
10…ガラス基板
11…クロムパターン
12…光ファイバー
13…レーザー光源
14…レーザー光
15…すりガラス
16…ビームエキスパンダー
17…コリメーター

Claims (11)

  1. 少なくとも、熱可塑性樹脂(A)と、ラジカル重合性基を有する化合物(B)と、化学放射線によってラジカル種を発生する光重合開始剤(C)からなり、前記熱可塑性樹脂ラジカル重合性基A)の屈折率と前記ラジカル重合性基を有する化合物ラジカル重合性基B)の屈折率に差があることを特徴とする異方性光散乱フィルム用組成物。
  2. さらに、メラミン樹脂またはメラミン化合物(D)を含むことを特徴とする請求項1記載の異方性光散乱フィルム用組成物。
  3. 前記熱可塑性樹脂(A)が、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂あるいはビスフェノールF型フェノキシ樹脂いずれかからなることを特徴とする請求項1または2記載の異方性光散乱フィルム用組成物。
  4. 前記ラジカル重合性基を有する化合物(B)が、常温、常圧の条件で液体であり、かつ常圧で沸点が100℃以上であるエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム用組成物。
  5. 前記ラジカル重合性基を有する化合物(B)が、熱可塑性樹脂(A)との屈折率差が0.01以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム用組成物。
  6. 前記ラジカル重合性基を有する化合物(B)が、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し、10から300重量部の範囲で配合したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム用組成物。
  7. 前記熱可塑性樹脂(A)は、重量平均分子量が10,000から100,000の範囲であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム用組成物。
  8. 前記化学放射線によってラジカル種を発生する光開始剤(C)を増感せしめる増感色素(E)をさらに添加することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム用組成物。
  9. 基材に請求項1から8のいずれかに記載の異方性光散乱フィルム用組成物からなる樹脂層を設け、該樹脂層を露光することにより、樹脂層内部に、屈折率の異なる部分が不規則な形状、厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡部が形成されていることを特徴とする異方性光散乱フィルム。
  10. 前記屈折率の異なる部分が、樹脂層の厚さ方向に対して傾斜して層状に分布している構造であることを特徴とする請求項9記載の異方性光散乱フィルム。
  11. 前記基材が、プラスチックフィルムであることを特徴とする請求項9または10記載の異方性光散乱フィルム。
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