JP2020196264A - 積層体、波長変換部材、バックライトユニット、及び画像表示装置 - Google Patents

積層体、波長変換部材、バックライトユニット、及び画像表示装置 Download PDF

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太 及川
昌志 高橋
Masashi Takahashi
昌志 高橋
智巳 川村
Tomomi Kawamura
智巳 川村
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【課題】平坦性に優れる積層体及び波長変換部材、並びにこれらを用いたバックライトユニット及び画像表示装置の提供。【解決手段】中間層11と、中間層11の両側にそれぞれ配置される被覆材12A及び被覆材12Bと、を備え、被覆材12Aの配向方向に対して被覆材12Bの配向方向がなす角度が20°以下である、積層体10。波長変換層11と、波長変換層11の両側にそれぞれ配置される被覆材12A及び被覆材12Bと、を備え、被覆材12Aの配向方向に対して被覆材12Bの配向方向がなす角度が20°以下である、波長変換部材10。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体、波長変換部材、バックライトユニット、及び画像表示装置に関する。
中間層の両側に樹脂シート等の被覆材を配置した積層体は、多くの技術分野で用いられている。たとえば、液晶表示装置等の画像表示装置のディスプレイの色再現性を向上させる手段として、量子ドット蛍光体を含む層と、その両側に設けられる被覆材とを備える波長変換部材が知られている(たとえば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特表2013−544018号公報 国際公開第2016/052625号
上記のような積層体に求められる特性として、平坦性に優れていることが挙げられる。たとえば、上述した量子ドット蛍光体を含む波長変換部材は、画像表示装置の画面の大きさに応じて大面積で用いられる場合がある。この場合、波長変換部材に反りが生じていると画面との密着性が充分に得られず、画質の悪化、組み込み不具合等が発生するおそれがある。
そこで、本開示は、平坦性に優れる積層体及び波長変換部材、並びにこれらを用いたバックライトユニット及び画像表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>中間層と、前記中間層の両側にそれぞれ配置される被覆材A及び被覆材Bと、を備え、前記被覆材Aの配向方向に対して前記被覆材Bの配向方向がなす角度が20°以下である、積層体。
<2>前記被覆材A及び前記被覆材Bは複層構造である、<1>に記載の積層体。
<3>前記被覆材A及び前記被覆材Bの少なくとも一方の水蒸気透過率が40℃、相対湿度90%の環境下で1×10−1g/(m・day)以下である、<1>又は<2>に記載の積層体。
<4>前記被覆材A及び前記被覆材Bの少なくとも一方の酸素透過率が30℃、相対湿度70%の環境下で1cm/(m・day・atm)以下である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の積層体。
<5>波長変換層と、前記波長変換層の両側にそれぞれ配置される被覆材A及び被覆材Bと、を備え、前記被覆材Aの配向方向に対して前記被覆材Bの配向方向がなす角度が20°以下である、波長変換部材。
<6>前記被覆材A及び前記被覆材Bは複層構造である、<5>に記載の波長変換部材。
<7>前記被覆材A及び前記被覆材Bの少なくとも一方の水蒸気透過率が40℃、相対湿度90%の環境下で1×10−1g/(m・day)以下である、<5>又は<6>に記載の波長変換部材。
<8>前記被覆材A及び前記被覆材Bの少なくとも一方の酸素透過率が30℃、相対湿度70%の環境下で1cm/(m・day・atm)以下である、<5>〜<7>のいずれか1項に記載の波長変換部材。
<9>前記波長変換層は、波長変換材料と、重合性化合物と、光重合開始剤とを含む組成物の硬化物である、<5>〜<8>のいずれか1項に記載の波長変換部材。
<10>前記重合性化合物は、チオール化合物と、(メタ)アリル化合物及び(メタ)アクリル化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含む、<9>に記載の波長変換部材。
<11>前記波長変換材料が量子ドット蛍光体を含む、<9>又は<10>に記載の波長変換部材。
<12><5>〜<11>のいずれか1項に記載の波長変換部材と、光源とを備えるバックライトユニット。
<13><12>に記載のバックライトユニットを備える画像表示装置。
本開示によれば、平坦性に優れる積層体及び波長変換部材、並びにこれらを用いたバックライトユニット及び画像表示装置が提供される。
本開示の波長変換部材の概略構成の一例を示す模式断面図である。 本開示のバックライトユニットの概略構成の一例を示す図である。 本開示の液晶表示装置の概略構成の一例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「層」又は「膜」との語には、当該層又は膜が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本開示において積層体又はこれを構成する層の平均厚みは、マイクロメータ、多層膜厚測定器等を用いて測定した任意の3箇所の厚みの算術平均値とする。
本開示において「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも一方を意味し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの少なくとも一方を意味し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味し、「(メタ)アリル」はアリル及びメタリルの少なくとも一方を意味する。
本開示において(メタ)アリル化合物は、分子中に(メタ)アリル基を有する化合物を意味し、(メタ)アクリル化合物は、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味する。
<積層体>
本開示の積層体は、中間層と、前記中間層の両側にそれぞれ配置される被覆材A及び被覆材Bと、を備え、前記被覆材Aの配向方向に対して前記被覆材Bの配向方向がなす角度が20°以下である。
被覆材は一般に、強度付与等のために延伸加工を施された大面積の樹脂シートを所望の大きさに切断して使用されるが、延伸加工により生じる分子の配向方向が樹脂シートの場所によって異なる傾向にある。たとえば、樹脂シートの中心付近では樹脂シートの流れる方向に沿って分子が配向し、中心から離れるほど樹脂シートの流れる方向から傾斜した方向に分子が配向する傾向にある。このため、同じ樹脂シートを切断して得られる被覆材の配向方向が、もととなった樹脂シートの場所によって異なる場合がある。
本発明者らが検討したところ、中間層の両側に配置される一対の被覆材の配向方向の違いが積層体の平坦性に影響する可能性が示唆された。さらに、中間層の両側に配置される一対の被覆材(被覆材A及び被覆材B)が、被覆材Aの配向方向に対して被覆材Bの配向方向がなす角度が20°以下となるように配置された積層体は、平坦性に優れていることがわかった。その理由は明らかではないが、たとえば、分子の配向性が被覆材内部に一定の応力を生じるように作用するところ、被覆材Aの配向方向に対して被覆材Bの配向方向がなす角度が20°以下となるように被覆材Aと被覆材Bを配置することで、被覆材Aの応力と被覆材Bの応力とが適切に相殺されることが考えられる。
すなわち、被覆材A及び被覆材Bとして配向方向が樹脂シートの流れ方向から傾斜しているものを用いる場合であっても、被覆材Aの配向方向に対して被覆材Bの配向方向がなす角度が20°以下となるようにすることで、被覆材Aの応力と被覆材Bの応力とが適切に相殺されて平坦性に優れる積層体を得ることができる。
本開示において被覆材の「配向方向」とは、被覆材における分子の配向する方向(たとえば、被覆材のもととなる樹脂シートの延伸加工により生じた分子の配向する方向)を意味する。被覆材の配向方向は、たとえば、配向性測定装置(野村商事株式会社、SST−4000)を用いて、25℃の温度環境下、被覆材に縦波の超音波パルスを送り、伝播時間(μsec)、又は伝播速度(km/sec)を測定し、得られた配向性、縦横比等のデータから算出される。被覆材の配向方向が一定でない場合は、当該被覆材の中心(被覆材が四角形である場合は、対角線の交点)またはそれに準じる場所における配向方向を当該被覆材の配向方向とする。
本開示において「被覆材Aの配向方向に対して被覆材Bの配向方向がなす角度」は、積層体を構成した状態での角度を意味する。すなわち、たとえば、被覆材Aと被覆材Bが表面と裏面とを有し、それぞれの裏面が中間層側になるように配置する場合、一方の被覆材の配向方向は当該被覆材の表面側からみたときの方向であり、もう一方の被覆材の配向方向は当該被覆材の裏面側からみたときの方向である。
積層体における被覆材Aの配向方向の向きと被覆材Bの配向方向の向きは、積層体を構成した状態で両者のなす角度が20°以下であれば、特に制限されない。
積層体の良好な平坦性を得る観点からは、被覆材Aの配向方向に対して被覆材Bの配向方向がなす角度は15°以下であることが好ましく、10°以下であることがより好ましい。
被覆材の材質は、被覆材を構成する分子に配向が生じているものであれば特に制限されない。たとえば、延伸加工された樹脂シートが挙げられる。樹脂の種類は特に制限されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニリデン共重合体等が挙げられる。樹脂シートを延伸加工する手法は特に制限されず、公知の手法であってよい。被覆材Aと被覆材Bの材質は同じであっても異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
被覆材は、単層構造であっても複層構造であってもよい。複層構造である被覆材の例としては、中間層との密着性、ガスバリア性、防湿性等の機能を果たす機能層が形成されたものが挙げられる。機能層は、延伸加工前の樹脂シートに形成されるものであっても延伸加工後の樹脂シートに形成されるものであってもよい。被覆材における樹脂シートと機能層の厚み比は、たとえば、5:5〜9.5:0.5(樹脂シート:機能層)であってもよい。
被覆材が複層構造であると、上述したような樹脂シートの延伸加工を行う際に生じる配向方向の傾斜に起因する反りが大きくなる場合がある。このため、積層体を構成する際に被覆材Aの配向方向に対して被覆材Bの配向方向がなす角度を20°以下とすることで得られる積層体の平坦性の向上効果がより大きい。
被覆材は、中間層を保護する観点から、酸素及び水の少なくとも一方に対するバリア性を有することが好ましく、酸素及び水の両方に対するバリア性を有することがより好ましい。酸素及び水の少なくとも一方に対するバリア性を有する被覆材としては特に制限されない。たとえば、樹脂シートの少なくとも一方の面に設けられる機能層としてのバリア層を有する構成が挙げられる。バリア層としてはアルミナ、シリカ等の無機物を含む無機層が挙げられる。
被覆材の水蒸気透過率は、たとえば、被覆材Aと被覆材Bの少なくとも一方の水蒸気透過率が、40℃、相対湿度90%の環境下で1×10−1g/(m・day)以下であることが好ましい。被覆材の水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(たとえば、MOCON社、AQUATRAN)を用いて測定することができる。
被覆材の酸素透過率は、たとえば、被覆材Aと被覆材Bの少なくとも一方の酸素透過率が、30℃、相対湿度70%の環境下で1cm(cc)/(m・day・atm)以下であることが好ましい。被覆材の酸素透過率は、酸素透過率測定装置(たとえば、MOCON社、OX−TRAN)を用いて測定することができる。
被覆材の平均厚みは、たとえば、被覆材Aと被覆材Bの少なくとも一方の平均厚みが、100μm〜150μmであることが好ましく、100μm〜140μmであることがより好ましく、100μm〜135μmであることがさらに好ましい。平均厚みが100μm以上であると、バリア性等の機能が充分なものとなる傾向にあり、平均厚みが150μm以下であると、光透過率の低下が抑えられる傾向にある。
中間層の材質は、特に制限されない。たとえば、入射光の波長を変換する機能、入射光を遮る機能等を有するものであってもよい。中間層は、1層のみでも2層以上であってもよい。積層体が後述する波長変換部材として用いられる場合、中間層の好ましい態様については後述する波長変換層の好ましい態様を参照できる。
中間層の厚みは、特に制限されない。たとえば、平均厚みが50μm〜200μmであることが好ましく、50μm〜150μmであることがより好ましく、80μm〜120μmであることがさらに好ましい。
積層体の全体の厚みは、特に制限されない。たとえば、250μm〜500μmの範囲内から選択される厚みであってもよい。
積層体の用途は、特に制限されない。平坦性に優れるという利点を活かす観点からは、たとえば、大面積の部材(たとえば、縦が70cm以上、横が120cm以上)の表面に配置する用途に好適に用いることができる。たとえば、後述する波長変換部材のように、画像表示装置の画像表示面に配置するための部材として好適に用いることができる。
<波長変換部材>
本開示の波長変換部材は、波長変換層と、前記波長変換層の両側にそれぞれ配置される被覆材A及び被覆材Bと、を備え、前記被覆材Aの配向方向に対して前記被覆材Bの配向方向がなす角度が20°以下である。
本開示の波長変換部材は、波長変換層の両側にそれぞれ配置される被覆材が上記条件を満たすことで、平坦性に優れている。このため、大面積の画像表示装置(たとえば、大型テレビ)に用いる場合も画面との密着性が充分に得られ、画質の悪化、組み込み不具合等の発生が抑制される傾向にある。
本開示において「波長変換部材」とは、波長変換部材に入射した光の波長を波長変換層により変換する機能を有する部材を意味する。波長変換部材は、たとえば、液晶表示装置等の画像表示装置のバックライトユニットに配置して用いられる。
波長変換部材は、光の利用効率をより向上させる観点から、全光線透過率が55%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、65%以上であることがさらに好ましい。波長変換部材の全光線透過率は、JIS K 7136:2000の測定法に準拠して測定することができる。
波長変換層の面側にそれぞれ配置される被覆材A及び被覆材B(以下、あわせて被覆材とも称する)は、被覆材Aの配向方向に対して被覆材Bの配向方向がなす角度が20°以下であるという条件を満たすものであれば、特に制限されない。被覆材の好ましい態様については、上述した積層体における被覆材の好ましい態様を参照できる。
波長変換層は、波長変換部材に入射した光の波長を変換しうるものであれば、特に制限されない。
波長変換層は、入射した光を2種以上の異なる波長に変換するものであってもよい。この場合、単独の層に入射した光を2種以上の異なる波長に変換するものであっても、入射した光を2種以上の異なる波長に変換する2以上の層の組み合わせであってもよい。
ある実施態様では、波長変換層は、入射した青色光を赤色光と緑色光とに変換するものであってもよい。この場合、波長変換層により得られる赤色光及び緑色光と、波長変換部材を透過した青色光とにより、白色光を得ることができる。
ある実施態様では、波長変換層は、入射した紫外光を青色光、赤色光及び緑色光に変換するものであってもよい。この場合、波長変換層により得られる青色光、赤色光及び緑色光により、白色光を得ることができる。
波長変換部材の全体の厚みは、特に制限されない。たとえば、250μm〜500μmの範囲内から選択される厚みであってもよい。
波長変換層の平均厚みは、たとえば、50μm〜200μmであることが好ましく、50μm〜150μmであることがより好ましく、80μm〜120μmであることがさらに好ましい。波長変換層の平均厚みが50μm以上であると、波長変換効率がより向上する傾向にあり、波長変換層の平均厚みが200μm以下であると、後述するバックライトユニットに波長変換部材を適用した場合に、バックライトユニットをより薄型化できる傾向にある。
波長変換層は、被覆材との密着性をより向上させる観点から、動的粘弾性測定により周波数10Hzかつ25℃の条件で測定した損失正接(tanδ)が0.4〜1.5であることが好ましく、0.4〜1.2であることがより好ましく、0.4〜0.6であることがさらに好ましい。波長変換層の損失正接(tanδ)は、動的粘弾性測定装置(たとえば、Rheometric Scientific社、Solid Analyzer RSA−III)を用いて測定することができる。
また、波長変換層は、被覆材との密着性、耐熱性、及び耐湿熱性をより向上させる観点から、ガラス転移温度(Tg)が25℃〜40℃であることが好ましく、25℃〜35℃であることがより好ましく、30℃〜35℃であることがさらに好ましい。波長変換層のガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定装置(たとえば、Rheometric Scientific社、Solid Analyzer RSA−III)を用いて測定することができる。
また、波長変換層は、被覆材との密着性、耐熱性、及び耐湿熱性をより向上させる観点から、周波数10Hzかつ25℃の条件で測定した貯蔵弾性率が1×10Pa〜1×10Paであることが好ましく、5×10Pa〜1×10Paであることがより好ましく、5×10Pa〜5×10Paであることがさらに好ましい。波長変換層の貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置(たとえば、Rheometric Scientific社、Solid Analyzer RSA−III)を用いて測定することができる。
(波長変換材料)
波長変換層は、波長変換材料を含むものであってもよく、波長変換材料として蛍光体を含むものであってもよい。蛍光体の種類は特に限定されるものではなく、たとえば、有機蛍光体及び無機蛍光体を挙げることができる。
有機蛍光体としては、ナフタルイミド化合物、ペリレン化合物等が挙げられる。
無機蛍光体としては、Y:Eu、YVO:Eu、Y:Eu、3.5MgO・0.5MgF、GeO:Mn、(Y・Cd)BO:Eu等の赤色発光無機蛍光体、ZnS:Cu・Al、(Zn・Cd)S:Cu・Al、ZnS:Cu・Au・Al、ZnSiO:Mn、ZnSiO:Mn、ZnS:Ag・Cu、(Zn・Cd)S:Cu、ZnS:Cu、GdOS:Tb、LaOS:Tb、YSiO:Ce・Tb、ZnGeO:Mn、GeMgAlO:Tb、SrGaS:Eu2+、ZnS:Cu・Co、MgO・nB:Ge・Tb、LaOBr:Tb・Tm、LaS:Tb等の緑色発光無機蛍光体、ZnS:Ag、GaWO、YSiO:Ce、ZnS:Ag・Ga・Cl、CaOCl:Eu2+、BaMgAl:Eu2+等の青色発光無機蛍光体、量子ドット蛍光体などが挙げられる。
画像表示装置の色再現性の観点からは、波長変換材料は量子ドット蛍光体を含むことが好ましい。量子ドット蛍光体としては特に制限されず、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、及びIV族化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む粒子が挙げられる。発光効率の観点からは、量子ドット蛍光体は、Cd及びInの少なくとも一方を含む化合物を含むことが好ましい。
II−VI族化合物の具体例としては、CdSe、CdTe、CdS、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe等が挙げられる。
III−V族化合物の具体例としては、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb等が挙げられる。
IV−VI族化合物の具体例としては、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe等が挙げられる。
IV族化合物の具体例としては、Si、Ge、SiC、SiGe等が挙げられる。
量子ドット蛍光体は、コアシェル構造を有するものであってもよい。コアを構成する化合物のバンドギャップよりもシェルを構成する化合物のバンドギャップを広くすることで、量子ドット蛍光体の量子効率をより向上させることが可能となる。コア及びシェルの組み合わせ(コア/シェル)としては、CdSe/ZnS、InP/ZnS、PbSe/PbS、CdSe/CdS、CdTe/CdS、CdTe/ZnS等が挙げられる。
量子ドット蛍光体は、シェルが多層構造である、いわゆるコアマルチシェル構造を有するものであってもよい。バンドギャップの広いコアにバンドギャップの狭いシェルを1層又は2層以上積層し、さらにこのシェルの上にバンドギャップの広いシェルを積層することで、量子ドット蛍光体の量子効率をさらに向上させることが可能となる。
波長変換層が量子ドット蛍光体を含む場合、成分、平均粒子径、層構造等が異なる2種以上の量子ドット蛍光体を組み合わせてもよい。2種以上の量子ドット蛍光体を組み合わせることで、波長変換層全体としての発光中心波長を所望の値に調節することができる。
波長変換層は、520nm〜560nmの緑色の波長域に発光中心波長を有する量子ドット蛍光体Gと、600nm〜680nmの赤色の波長域に発光中心波長を有する量子ドット蛍光体Rとを含むものであってもよい。
量子ドット蛍光体Gと量子ドット蛍光体Rとを含む波長変換層に430nm〜480nmの青色の波長域の励起光を照射すると、量子ドット蛍光体G及び量子ドット蛍光体Rからそれぞれ緑色光及び赤色光が発光される。その結果、量子ドット蛍光体G及び量子ドット蛍光体Rから発光される緑色光及び赤色光と、波長変換層を透過する青色光とにより、白色光を得ることができる。
波長変換材料は、分散媒体に分散された分散液の状態で用いてもよい。波長変換材料を分散する分散媒体としては、各種有機溶剤、シリコーン化合物及び単官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
分散媒体として使用可能な有機溶剤としては、波長変換材料の沈降及び凝集が確認されなければ特に限定されるものではなく、アセトニトリル、メタノール、エタノール、アセトン、1−プロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、ヘキサン等が挙げられる。
分散媒体として使用可能なシリコーン化合物としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等のストレートシリコーンオイル;アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
分散媒体として使用可能な単官能(メタ)アクリレート化合物としては、室温(25℃)において液体であれば特に限定されるものではなく、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリレート化合物(好ましくはイソボルニル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
分散液は、必要に応じて分散剤を含んでもよい。分散剤としては、ポリエーテルアミン(JEFFAMINE M−1000、HUNTSMAN社)等が挙げられる。
波長変換材料を分散する分散媒体は、波長変換層に含まれる他の成分と相分離するものであっても、相分離しないものであってもよい。たとえば、波長変換材料を分散する分散媒体としてシリコーン化合物を使用し、後述する重合性化合物と併用することで、シリコーン化合物が相分離して液滴状に分散した構造を重合性化合物の硬化物中に形成することができる。
波長変換層中の波長変換材料の含有率は、波長変換層全体に対して、たとえば、0.01質量%〜1.0質量%であることが好ましく、0.05質量%〜0.5質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜0.5質量%であることが更に好ましい。波長変換材料の含有率が0.01質量%以上であると、充分な波長変換機能が得られる傾向にあり、波長変換材料の含有率が1.0質量%以下であると、波長変換材料の凝集が抑えられる傾向にある。
波長変換層は、波長変換材料を含む硬化物の状態であってもよい。このような硬化物は、たとえば、波長変換材料と、重合性化合物と、光重合開始剤とを含む組成物(波長変換用樹脂組成物)を硬化して得られるものであってもよい。
波長変換用樹脂組成物に含まれる重合性化合物は特に制限されず、チオール化合物、(メタ)アリル化合物、(メタ)アクリル化合物等が挙げられる。
波長変換層と被覆材の密着性の観点からは、重合性化合物は、チオール化合物と、(メタ)アリル化合物及び(メタ)アクリル化合物からなる群より選択される少なくとも1種と、を含むことが好ましい。
重合性化合物としてチオール化合物と、(メタ)アリル化合物及び(メタ)アクリル化合物からなる群より選択される少なくとも1種と、を含む波長変換用樹脂組成物を硬化して得られる波長変換層は、チオール基と(メタ)アリル基又は(メタ)アクリロイル基の炭素炭素二重結合との間でエンチオール反応が進行して形成されるスルフィド構造(R−S−R’、R及びR’は有機基を表す)を含む。これにより、波長変換層と被覆材との密着性が向上する傾向にある。また、波長変換層の光学特性がより向上する傾向にある。
(1)チオール化合物
チオール化合物は、1分子中に1個のチオール基を有する単官能チオール化合物であってもよく、1分子中に2個以上のチオール基を有する多官能チオール化合物であってもよい。波長変換用樹脂組成物に含まれるチオール化合物は、1種のみでも2種以上であってもよい。
チオール化合物は、分子中にチオール基以外の重合性基(たとえば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基)を有していても、有していなくてもよい。
本開示において分子中にチオール基と、チオール基以外の重合性基を含む化合物は、「チオール化合物」に分類するものとする。
単官能チオール化合物の具体例としては、ヘキサンチオール、1−ヘプタンチオール、1−オクタンチオール、1−ノナンチオール、1−デカンチオール、3−メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸トリデシル、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
多官能チオール化合物の具体例としては、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−プロピレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、1,8−オクタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,8−オクタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、ヘキサンジオールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘキサキスチオグリコレート等が挙げられる。
波長変換層と被覆材との密着性、耐熱性、及び耐湿熱性をより向上させる観点からは、チオール化合物は、多官能チオール化合物を含むことが好ましい。チオール化合物の全量に対する多官能チオール化合物の割合は、たとえば、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。
チオール化合物は、(メタ)アクリル化合物と反応したチオエーテルオリゴマーの状態であってもよい。チオエーテルオリゴマーは、チオール化合物と(メタ)アクリル化合物とを重合開始剤の存在下で付加重合させることにより得ることができる。
チオエーテルオリゴマーの中でも、硬化物の光学特性、耐熱性、及び耐湿熱性をより向上させる観点から、多官能チオール化合物と多官能(メタ)アクリル化合物とを反応させて得られるチオエーテルオリゴマーが好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)とトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートとを付加重合させて得られるチオエーテルオリゴマーがより好ましい。
チオエーテルオリゴマーの重量平均分子量は、たとえば、3000〜10000であることが好ましく、3000〜8000であることがより好ましく、4000〜6000であることがさらに好ましい。
なお、チオエーテルオリゴマーの重量平均分子量は、後述する実施例に示すように、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される分子量分布から標準ポリスチレンの検量線を使用して換算して求められる。
また、チオエーテルオリゴマーのチオール当量は、たとえば、200g/eq〜400g/eqであることが好ましく、250g/eq〜350g/eqであることがより好ましく、250g/eq〜270g/eqであることがさらに好ましい。
なお、チオエーテルオリゴマーのチオール当量は、以下のようなヨウ素滴定法により測定することができる。
測定試料0.2gを精秤し、これにクロロホルム20mLを加えて試料溶液とする。デンプン指示薬として可溶性デンプン0.275gを30gの純水に溶解させたものを用いて、純水20mL、イソプロピルアルコール10mL、及びデンプン指示薬1mLを加え、スターラーで撹拌する。ヨウ素溶液を滴下し、クロロホルム層が緑色を呈した点を終点とする。このとき下記式にて与えられる値を、測定試料のチオール当量とする。
チオール当量(g/eq)=測定試料の質量(g)×10000/ヨウ素溶液の滴定量(mL)×ヨウ素溶液のファクター
波長変換用樹脂組成物がチオール化合物を含有する場合、波長変換用樹脂組成物中のチオール化合物の含有率は、波長変換用樹脂組成物の全量に対して、たとえば、5質量%〜80質量%であることが好ましく、15質量%〜70質量%であることがより好ましく、20質量%〜60質量%であることがさらに好ましい。
チオール化合物の含有率が5質量%以上であると、硬化物の被覆材との密着性がより向上する傾向にあり、チオール化合物の含有率が80質量%以下であると、硬化物の耐熱性及び耐湿熱性がより向上する傾向にある。
(2)(メタ)アリル化合物
(メタ)アリル化合物は、1分子中に1個の(メタ)アリル基を有する単官能(メタ)アリル化合物であってもよく、1分子中に2個以上の(メタ)アリル基を有する多官能(メタ)アリル化合物であってもよい。波長変換用樹脂組成物に含まれる(メタ)アリル化合物は、1種のみでも2種以上であってもよい。
(メタ)アリル化合物は、分子中に(メタ)アリル基以外の重合性基(たとえば、(メタ)アクリロイル基)を有していても、有していなくてもよい。
本開示において分子中に(メタ)アリル基以外の重合性基を有する化合物(ただし、チオール化合物を除く)は、「(メタ)アリル化合物」に分類するものとする。
単官能(メタ)アリル化合物の具体例としては、(メタ)アリルアセテート、(メタ)アリルn−プロピオネート、(メタ)アリルベンゾエート、(メタ)アリルフェニルアセテート、(メタ)アリルフェノキシアセテート、(メタ)アリルメチルエーテル、(メタ)アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
多官能(メタ)アリル化合物の具体例としては、ベンゼンジカルボン酸ジ(メタ)アリル、シクロヘキサンジカルボン酸ジ(メタ)アリル、ジ(メタ)アリルマレエート、ジ(メタ)アリルアジペート、ジ(メタ)アリルフタレート、ジ(メタ)アリルイソフタレート、ジ(メタ)アリルテレフタレート、グリセリンジ(メタ)アリルエーテル、トリメチロールプロパンジ(メタ)アリルエーテル、ペンタエリスリトールジ(メタ)アリルエーテル、1,3−ジ(メタ)アリル−5−グリシジルイソシアヌレート、トリ(メタ)アリルシアヌレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、トリ(メタ)アリルトリメリテート、テトラ(メタ)アリルピロメリテート、1,3,4,6−テトラ(メタ)アリルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラ(メタ)アリル−3a−メチルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラ(メタ)アリル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル等が挙げられる。
(メタ)アリル化合物としては、硬化物の耐熱性及び耐湿熱性の観点から、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート等のイソシアヌレート骨格を有する化合物、トリ(メタ)アリルシアヌレート、ベンゼンジカルボン酸ジ(メタ)アリル、及びシクロヘキサンジカルボン酸ジ(メタ)アリルからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、トリイソシアヌレート骨格を有する化合物がより好ましく、トリ(メタ)アリルイソシアヌレートがさらに好ましい。
(3)(メタ)アクリル化合物
(メタ)アクリル化合物は、1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリル化合物であってもよく、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリル化合物であってもよい。波長変換用樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル化合物は、1種でも2種以上であってもよい。
単官能(メタ)アクリル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリレート化合物;ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート;ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノアリールエーテル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチレンオキシド付加シクロデカトリエン(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート化合物;ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ化アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレート化合物;2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物;テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物;などが挙げられる。
多官能(メタ)アクリル化合物の具体例としては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等のトリ(メタ)アクリレート化合物;エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート化合物;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA(ポリ)エトキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA(ポリ)プロポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF(ポリ)エトキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF(ポリ)プロポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールS(ポリ)エトキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールS(ポリ)プロポキシジ(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
(メタ)アクリル化合物は、硬化物の耐熱性及び耐湿熱性をより向上させる観点からは、脂環構造又は芳香環構造を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。脂環構造又は芳香環構造としては、イソボルニル骨格、トリシクロデカン骨格、ビスフェノール骨格等が挙げられる。
(メタ)アクリル化合物は、アルキレンオキシ基を有するものであってもよく、アルキレンオキシ基を有する2官能(メタ)アクリル化合物であってもよい。
アルキレンオキシ基としては、たとえば、炭素数が2〜4のアルキレンオキシ基が好ましく、炭素数が2又は3のアルキレンオキシ基がより好ましく、炭素数が2のアルキレンオキシ基がさらに好ましい。
(メタ)アクリル化合物が有するアルキレンオキシ基は、1種でも2種以上であってもよい。
アルキレンオキシ基含有化合物は、複数個のアルキレンオキシ基を含むポリアルキレンオキシ基を有するポリアルキレンオキシ基含有化合物であってもよい。
(メタ)アクリル化合物がアルキレンオキシ基を有する場合、一分子中のアルキレンオキシ基の数は、2個〜30個であることが好ましく、2個〜20個であることがより好ましく、3個〜10個であることがさらに好ましく、3個〜5個であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル化合物がアルキレンオキシ基を有する場合、ビスフェノール構造を有することが好ましい。これにより、耐熱性により優れる傾向にある。ビスフェノール構造としては、たとえば、ビスフェノールA構造及びビスフェノールF構造が挙げられ、中でも、ビスフェノールA構造が好ましい。
アルキレンオキシ基を含有する(メタ)アクリル化合物の具体例としては、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート;ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノアリールエーテル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート化合物;トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート化合物;エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート化合物;エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート等のビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート化合物;などが挙げられる。
アルキレンオキシ基を含有する(メタ)アクリル化合物としては、中でも、エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート及びプロポキシ化エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレートが好ましく、エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
ある実施態様では、重合性化合物はチオール化合物としてチオエーテルオリゴマーと、(メタ)アリル化合物(好ましくは、多官能(メタ)アリル化合物)とを含むものであってもよい。この場合、(メタ)アリル化合物の含有率は、波長変換用樹脂組成物の全量に対して、たとえば、10質量%〜50質量%であってもよく、15質量%〜45質量%であってもよく、20質量%〜40質量%であってもよい。
重合性化合物がチオール化合物としてチオエーテルオリゴマーと(メタ)アリル化合物とを含む場合、併用する波長変換材料は、分散媒体としてシリコーン化合物に分散された分散液の状態であることが好ましい。
ある実施態様では、重合性化合物はチオール化合物としてチオエーテルオリゴマーの状態ではないものと、(メタ)アクリル化合物(好ましくは多官能(メタ)アクリル化合物、より好ましくは2官能(メタ)アクリル化合物)とを含むものであってもよい。この場合、(メタ)アクリル化合物の含有率は、波長変換用樹脂組成物の全量に対して、たとえば、40質量%〜90質量%であってもよく、60質量%〜90質量%であってもよく、75質量%〜85質量%であってもよい。
重合性化合物がチオール化合物としてチオエーテルオリゴマーの状態ではないものと、(メタ)アクリル化合物とを含む場合、併用する波長変換材料は、分散媒体として(メタ)アクリル化合物、好ましくは、単官能(メタ)アクリル化合物、より好ましくはイソボルニル(メタ)アクリレートに分散された分散液の状態であることが好ましい。
(光重合開始剤)
波長変換用樹脂組成物に含まれる光重合開始剤は特に制限されず、紫外線等の活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生する化合物が挙げられる。
光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(「ミヒラーケトン」とも称される)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等の芳香族ケトン化合物;アルキルアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン化合物;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンゾインアルキルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物;7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン化合物;2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニル−エトキシ−ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;などが挙げられる。波長変換用樹脂組成物は、1種類の光重合開始剤を単独で含有していてもよく、2種類以上の光重合開始剤を組み合わせて含有していてもよい。
光重合開始剤としては、硬化性の観点から、アシルホスフィンオキサイド化合物、芳香族ケトン化合物、及びオキシムエステル化合物からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、アシルホスフィンオキサイド化合物及び芳香族ケトン化合物からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、アシルホスフィンオキサイド化合物がさらに好ましい。
波長変換用樹脂組成物中の光重合開始剤の含有率は、波長変換用樹脂組成物の全量に対して、たとえば、0.1質量%〜5質量%であることが好ましく、0.1質量%〜3質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜1.5質量%であることがさらに好ましい。光重合開始剤の含有率が0.1質量%以上であると、波長変換用樹脂組成物の感度が充分なものとなる傾向にあり、光重合開始剤の含有率が5質量%以下であると、波長変換用樹脂組成物の色相への影響及び保存安定性の低下が抑えられる傾向にある。
(光拡散材)
光変換効率向上の観点から、波長変換層は、光拡散材をさらに含有していてもよい。
光拡散材の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、光散乱効率の観点から酸化チタンであることが好ましい。酸化チタンはルチル型酸化チタンであってもアナターゼ型酸化チタンであってもよいが、ルチル型酸化チタンであることが好ましい。
光拡散材の平均粒子径は、0.1μm〜1μmであることが好ましく、0.2μm〜0.8μmであることがより好ましく、0.2μm〜0.5μmであることがさらに好ましい。
本開示において光拡散材の平均粒子径は、以下のようにして測定することができる。
波長変換用樹脂組成物から抽出した光拡散材を、界面活性剤を含んだ精製水に分散させ、分散液を得る。この分散液を用いてレーザー回折式粒度分布測定装置(たとえば、株式会社島津製作所、SALD−3000J)で測定される体積基準の粒度分布において、小径側からの積算が50%となるときの値(メジアン径(D50))を光拡散材の平均粒子径とする。波長変換用樹脂組成物から光拡散材を抽出する方法としては、たとえば、波長変換用樹脂組成物を液状媒体で希釈し、遠心分離処理等により光拡散材を沈澱させて分収することで得ることができる。
なお、樹脂硬化物中に含まれる光拡散材の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡を用いた粒子の観察により、50個の粒子について円相当径(長径と短径の幾何平均)を算出し、その算術平均値として求めることができる。
波長変換用樹脂組成物が光拡散材を含有する場合、波長変換用樹脂組成物中で光拡散材が凝集するのを抑制する観点から、光拡散材は、表面の少なくとも一部に有機物を含む有機物層を有することが好ましい。有機物層に含まれる有機物としては、有機シラン、オルガノシロキサン、フルオロシラン、有機ホスホネート、有機リン酸化合物、有機ホスフィネート、有機スルホン酸化合物、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸の誘導体、アミド、炭化水素ワックス、ポリオレフィン、ポリオレフィンのコポリマー、ポリオール、ポリオールの誘導体、アルカノールアミン、アルカノールアミンの誘導体、有機分散剤等が挙げられる。
有機物層に含まれる有機物は、ポリオール、有機シラン等を含むことが好ましく、ポリオール又は有機シランの少なくとも一方を含むことがより好ましい。
有機シランの具体例としては、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、トリデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ペンタデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘプタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
オルガノシロキサンの具体例としては、トリメチルシリル基で終端されたポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメチルヒドロシロキサン(PMHS)、PMHSのオレフィンによる官能化(ヒドロシリル化による)により誘導されるポリシロキサン等が挙げられる。
有機ホスホネートの具体例としては、たとえば、n−オクチルホスホン酸及びそのエステル、n−デシルホスホン酸及びそのエステル、2−エチルヘキシルホスホン酸及びそのエステル並びにカンフィル(camphyl)ホスホン酸及びそのエステルが挙げられる。
有機リン酸化合物の具体例としては、有機酸性ホスフェート、有機ピロホスフェート、有機ポリホスフェート、有機メタホスフェート、これらの塩等が挙げられる。
有機ホスフィネートの具体例としては、たとえば、n−ヘキシルホスフィン酸及びそのエステル、n−オクチルホスフィン酸及びそのエステル、ジ−n−ヘキシルホスフィン酸及びそのエステル並びにジ−n−オクチルホスフィン酸及びそのエステルが挙げられる。
有機スルホン酸化合物の具体例としては、ヘキシルスルホン酸、オクチルスルホン酸、2−エチルヘキシルスルホン酸等のアルキルスルホン酸、これらアルキルスルホン酸と、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン等の金属イオン、アンモニウムイオン、トリエタノールアミン等の有機アンモニウムイオンなどとの塩が挙げられる。
カルボン酸の具体例としては、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、安息香酸、フタル酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等が挙げられる。
カルボン酸エステルの具体例としては、上記カルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グリセロール、ヘキサントリオール、エリトリトール、マンニトール、ソルビトール、ペンタエリトリトール、ビスフェノールA、ヒドロキノン、フロログルシノール等のヒドロキシ化合物との反応により生成するエステル及び部分エステルが挙げられる。
アミドの具体例としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられる。
ポリオレフィン及びそのコポリマーの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと、プロピレン、ブチレン、酢酸ビニル、アクリレート、アクリルアミド等から選択される1種又は2種以上の化合物との共重合体などが挙げられる。
ポリオールの具体例としては、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
アルカノールアミンの具体例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
有機分散剤の具体例としては、クエン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、陰イオン性、陽イオン性、双性、非イオン性等の官能基をもつ高分子有機分散剤などが挙げられる。
波長変換用樹脂組成物中における光拡散材の凝集が抑制されると、樹脂硬化物中における光拡散材の分散性が向上する傾向にある。
光拡散材は、表面の少なくとも一部に金属酸化物を含む金属酸化物層を有していてもよい。金属酸化物層に含まれる金属酸化物としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ジルコニア、ホスホリア(phosphoria)、ボリア(boria)等が挙げられる。金属酸化物層は一層であっても二層以上であってもよい。光拡散材が二層の金属酸化物層を有する場合、二酸化ケイ素を含む第一金属酸化物層及び酸化アルミニウムを含む第二金属酸化物層を含むものであることが好ましい。
光拡散材が金属酸化物層を有することで、脂環式構造とスルフィド構造とを含む樹脂硬化物中における光拡散材の分散性が向上する傾向にある。
光拡散材が有機物を含む有機物層と金属酸化物層とを有する場合、光拡散材の表面に、金属酸化物層及び有機物層が、金属酸化物層及び有機物層の順に設けられることが好ましい。
光拡散材が有機物層と二層の金属酸化物層とを有するものである場合、光拡散材の表面に、二酸化ケイ素を含む第一金属酸化物層、酸化アルミニウムを含む第二金属酸化物層及び有機物層が、第一金属酸化物層、第二金属酸化物層及び有機物層の順に設けられる(有機物層が最外層となる)ことが好ましい。
波長変換用樹脂組成物が光拡散材を含有する場合、波長変換用樹脂組成物中の光拡散材の含有率は、波長変換用樹脂組成物の全量に対して、たとえば、0.1質量%〜1.0質量%であることが好ましく、0.2質量%〜1.0質量%であることがより好ましく、0.3質量%〜1.0質量%であることがさらに好ましい。
(その他の成分)
波長変換用樹脂組成物は、液状媒体(有機溶媒等)、重合禁止剤、シランカップリング剤、界面活性剤、密着付与剤、酸化防止剤などのその他の成分をさらに含有していてもよい。波長変換用樹脂組成物は、その他の成分のそれぞれについて、1種類を単独で含有していてもよく、2種類以上を組み合わせて含有していてもよい。
(波長変換部材の構成例)
波長変換部材の概略構成の一例を図1に示す。但し、本開示の波長変換部材は図1の構成に限定されるものではない。また、図1における波長変換層及び被覆材の大きさは概念的なものであり、大きさの相対的な関係はこれに限定されない。なお、各図面において、同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略することがある。
図1に示す波長変換部材10は、波長変換層11と、波長変換層11の両面に設けられた被覆材12A及び12Bとを有する。被覆材12A及び被覆材12Bの種類及び平均厚みは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
被覆材12Aと被覆材12Bは、被覆材12Aの配向方向に対して被覆材12Bの配向方向がなす角度が20°以下となるように配置されている。
図1に示す構成の波長変換部材は、たとえば、以下のような公知の製造方法により製造することができる。
まず、連続搬送されるフィルム状の被覆材(以下、「第1の被覆材」ともいう。)の表面に波長変換用樹脂組成物を付与し、塗膜を形成する。波長変換用樹脂組成物の付与方法は特に制限されず、ダイコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法、ロールコーティング法等が挙げられる。
次いで、波長変換用樹脂組成物の塗膜の上に、連続搬送されるフィルム状の被覆材(以下、「第2の被覆材」ともいう。)を貼り合わせる。
次いで、第1の被覆材及び第2の被覆材のうち活性エネルギー線を透過可能な被覆材側から活性エネルギー線を照射することにより、塗膜を硬化し、硬化物層を形成する。その後、規定のサイズに切り出すことにより、図1に示す構成の波長変換部材を得ることができる。
活性エネルギー線の波長及び照射量は、波長変換用樹脂組成物の組成、波長変換層の厚み等に応じて設定することができる。ある実施態様では、280nm〜400nmの波長の紫外線を100mJ/cm〜5000mJ/cmの照射量で照射する。紫外線源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯等が挙げられる。
なお、第1の被覆材及び第2の被覆材のいずれも活性エネルギー線を透過可能でない場合には、第2の被覆材を貼り合わせる前に塗膜に活性エネルギー線を照射し、硬化物層を形成してもよい。
<バックライトユニット>
本開示のバックライトユニットは、光源と、本開示の波長変換部材と、を有する。
バックライトユニットとしては、色再現性を向上させる観点から、多波長光源化されたものが好ましい。好ましい一態様としては、430nm〜480nmの波長域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度ピークを有する青色光と、520nm〜560nmの波長域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度ピークを有する緑色光と、600nm〜680nmの波長域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度ピークを有する赤色光と、を発光するバックライトユニットを挙げることができる。なお、発光強度ピークの半値幅とは、ピーク高さの1/2の高さにおけるピーク幅を意味する。
色再現性をより向上させる観点から、バックライトユニットが発光する青色光の発光中心波長は、440nm〜475nmの範囲であることが好ましい。同様の観点から、バックライトユニットが発光する緑色光の発光中心波長は、520nm〜545nmの範囲であることが好ましい。また、同様の観点から、バックライトユニットが発光する赤色光の発光中心波長は、610nm〜640nmの範囲であることが好ましい。
また、色再現性をより向上させる観点から、バックライトユニットが発光する青色光、緑色光、及び赤色光の各発光強度ピークの半値幅は、いずれも80nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、40nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下であることが特に好ましく、25nm以下であることが極めて好ましい。
バックライトユニットの光源としては、たとえば、430nm〜480nmの波長域に発光中心波長を有する青色光を発光する光源を用いることができる。光源としては、たとえば、LED(Light Emitting Diode)及びレーザーが挙げられる。青色光を発光する光源を用いる場合、波長変換部材は、少なくとも、赤色光を発光する量子ドット蛍光体R及び緑色光を発光する量子ドット蛍光体Gを含むことが好ましい。これにより、波長変換部材から発光される赤色光及び緑色光と、波長変換部材を透過した青色光とにより、白色光を得ることができる。
また、バックライトユニットの光源としては、たとえば、300nm〜430nmの波長域に発光中心波長を有する紫外光を発光する光源を用いることもできる。光源としては、たとえば、LED及びレーザーが挙げられる。紫外光を発光する光源を用いる場合、波長変換部材は、量子ドット蛍光体R及び量子ドット蛍光体Gとともに、励起光により励起され青色光を発光する量子ドット蛍光体Bを含むことが好ましい。これにより、波長変換部材から発光される赤色光、緑色光、及び青色光により、白色光を得ることができる。
本開示のバックライトユニットは、エッジライト方式であっても直下型方式であってもよい。
エッジライト方式のバックライトユニットの概略構成の一例を図2に示す。但し、本開示のバックライトユニットは、図2の構成に限定されるものではない。また、図2における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
図2に示すバックライトユニット20は、青色光Lを出射する光源21と、光源21から出射された青色光Lを導光して出射させる導光板22と、導光板22と対向配置される波長変換部材10と、波長変換部材10を介して導光板22と対向配置される再帰反射性部材23と、導光板22を介して波長変換部材10と対向配置される反射板24とを備える。波長変換部材10は、青色光Lの一部を励起光として赤色光L及び緑色光Lを発光し、赤色光L及び緑色光Lと、励起光とならなかった青色光Lとを出射する。この赤色光L、緑色光L、及び青色光Lにより、再帰反射性部材23から白色光Lが出射される。
<画像表示装置>
本開示の画像表示装置は、上述した本開示のバックライトユニットを備える。画像表示装置としては特に制限されず、たとえば、液晶表示装置が挙げられる。
液晶表示装置の概略構成の一例を図3に示す。但し、本開示の液晶表示装置は、図3の構成に限定されるものではない。また、図3における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
図3に示す液晶表示装置30は、バックライトユニット20と、バックライトユニット20と対向配置される液晶セルユニット31とを備える。液晶セルユニット31は、液晶セル32が偏光板33Aと偏光板33Bとの間に配置された構成とされる。
液晶セル32の駆動方式は特に制限されず、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In−Plane−Switching)方式、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式等が挙げられる。
以下、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に制限されるものではない。
(波長変換用樹脂組成物の調製)
下記成分を表1に示す配合量(単位:質量部)で混合し、波長変換用樹脂組成物を調製した。表1中の「−」は未配合を意味する。
チオール化合物1…合成例1で合成したチオエーテルオリゴマー
チオール化合物2…多官能チオール化合物としては、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(SC有機化学株式会社、PEMP)
(メタ)アリル化合物…トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社、タイク)
(メタ)アクリル化合物…トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社、A−DCP)
光重合開始剤1…2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニル−エトキシ−ホスフィンオキサイド(BASF社、IRGACURE TPO)
光重合開始剤2…2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(株式会社ソート、SB−PI 718)
光拡散材…酸化ケイ素を含む第一金属酸化物層、酸化アルミニウムを含む第二金属酸化物層及びポリオール化合物を含む有機物層が、第一金属酸化物層、第二金属酸化物層及び有機物層の順に設けられている酸化チタン(Chemours社、タイピュア R−706、体積平均粒子径:0.36μm)
波長変換材料1…緑色光を発光するCdSeからなるコアとZnSからなるシェルとを有する量子ドット蛍光体のアミノ変性シリコーン分散液(Nanosys社、Gen2.0 QD Concentrate、量子ドット蛍光体濃度:8質量%)
波長変換材料2…赤色光を発光するCdSeからなるコアとZnSからなるシェルとを有する量子ドット蛍光体のアミノ変性シリコーン分散液(Nanosys社、Gen2.0 QD Concentrate、量子ドット蛍光体濃度:8質量%)
波長変換材料3…緑色光を発光するCdSeからなるコアとZnSからなるシェルとを有する量子ドット蛍光体のイソボルニルアクリレート分散液(Nanosys社、Gen3.5 QD Concentrate、量子ドット蛍光体濃度:10質量%)
波長変換材料4…赤色光を発光するInPからなるコアとZnSからなるシェルとを有する量子ドット蛍光体のイソボルニルアクリレート分散液(Nanosys社、Gen3.5 QD Concentrate、量子ドット蛍光体濃度:10質量%)
(合成例1)
温度計、撹拌装置、窒素導入管、及び真空配管を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(エバンスケメテックス社、PEMP)を174.0g量り取り、回転速度200回/分で撹拌しながら真空ポンプを用いて反応容器内を減圧し、30分間保持した。その後、あらかじめ55℃〜65℃で加温して溶解したトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート(日立化成株式会社、ファンクリルFA−731A)を26.0g配合し、30分間撹拌した。続いて、触媒としてトリエチルアミン0.25gを添加し、2時間にわたって反応させた。赤外分光分析測定によりアクリロイル基の吸収ピークが消失したことを確認して反応を終了し、チオエーテルオリゴマー(重量平均分子量:4600)を得た。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、下記の装置及び測定条件により、標準ポリスチレンの検量線を使用して換算することによって決定した値である。検量線の作成にあたっては、標準ポリスチレンとして5サンプルセット(PStQuick MP−H、PStQuick B[東ソー株式会社、商品名])を用いた。
装置:高速GPC装置 HLC−8320GPC(検出器:示差屈折計)(東ソー株式会社、商品名)
使用溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム:カラムTSKGEL SuperMultipore HZ−H(東ソー株式会社、商品名)
カラムサイズ:カラム長15cm、カラム内径4.6mm
測定温度:40℃
流量:0.35mL/分
試料濃度:10mg/THF5mL
注入量:20μL
(波長変換部材の作製)
上記で得られた各波長変換用樹脂組成物を、PETからなる被覆材A(厚み:110μm)の片面に塗布して塗膜を形成した。この塗膜上に、被覆材Aと同じ材質の被覆材B(厚み:110μm)を、被覆材Aの配向方向と被覆材Bの配向方向とがなす角度が表1に示す角度となるようにして配置した。次いで、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社)を用いて紫外線を照射し(照射量:1000mJ/cm)、波長変換用樹脂組成物を硬化させて波長変換部材を作製した。
被覆材A、Bの水蒸気透過率を、40℃、相対湿度90%の環境下で、水蒸気透過率測定装置(MOCON社、AQUATRAN)を用いて測定したところ、1×10−1g/(m・day)であった。
被覆材A、Bの酸素透過率を、30℃、相対湿度70%の環境下で、酸素透過率測定装置(MOCON社、OX−TRAN)を用いて測定したところ、1cm/(m・day・atm)であった。
(全光線透過率及びヘイズの評価)
上記で得られた各波長変換部材を、幅50mm、長さ50mmの寸法に裁断して評価用サンプルを得た。そして、濁度計(日本電色工業株式会社、NHD−2000)を用いて、JIS K 7136:2000の測定法に準拠して、評価用サンプルの全光線透過率及びヘイズを測定した。なお、評価用サンプルのヘイズは、下記式に従って求めた。
ヘイズ(%)=(Td/Tt)×100
Td:拡散透過率
Tt:全光線透過率
(密着性の評価)
上記で得られた各波長変換部材を、幅25mm、長さ100mmの寸法に裁断した後、被引張試験機(株式会社オリエンテック、RTC−1210)を用いて、25℃の温度環境下、引張速度300mm/分で片面のバリアフィルムを90度方向に引き剥がし、ピール強度を測定した。
(反り(S字カール)の評価)
波長変換部材(700mm×1200mmの長方形)を平板上に静置し、4角のうち対角線上にある2角が平板上から浮き上がった高さをそれぞれ表裏両面にて測定した。2角における高さの平均値を反り高さ(mm)とし、以下の評価基準に従い、反りを評価した。
−評価基準−
A:反り高さが5mm未満
B:反り高さが5mm以上10mm未満
C:反り高さが10mm以上
表1に示すように、被覆材Aの配向方向に対して被覆材Bの配向方向のなす角度が20°以下である実施例の波長変換部材は、被覆材Aの配向方向に対して被覆材Bの配向方向のなす角度が20°を超える比較例の波長変換部材と比較して反りが抑制され、平坦性に優れていた。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
10…波長変換部材、11…波長変換層、12A…被覆材、12B…被覆材、20…バックライトユニット、21…光源、22…導光板、23…再帰反射性部材、24…反射板、30…液晶表示装置、31…液晶セルユニット、32…液晶セル、33A…偏光板、33B…偏光板、L…青色光、L…赤色光、L…緑色光、L…白色光

Claims (13)

  1. 中間層と、前記中間層の両側にそれぞれ配置される被覆材A及び被覆材Bと、を備え、前記被覆材Aの配向方向に対して前記被覆材Bの配向方向がなす角度が20°以下である、積層体。
  2. 前記被覆材A及び前記被覆材Bは複層構造である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記被覆材A及び前記被覆材Bの少なくとも一方の水蒸気透過率が40℃、相対湿度90%の環境下で1×10−1g/(m・day)以下である請求項1又は請求項2に記載の積層体。
  4. 前記被覆材A及び前記被覆材Bの少なくとも一方の酸素透過率が30℃、相対湿度70%の環境下で1cm/(m・day・atm)以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 波長変換層と、前記波長変換層の両側にそれぞれ配置される被覆材A及び被覆材Bと、を備え、前記被覆材Aの配向方向に対して前記被覆材Bの配向方向がなす角度が20°以下である、波長変換部材。
  6. 前記被覆材A及び前記被覆材Bは複層構造である、請求項5に記載の波長変換部材。
  7. 前記被覆材A及び前記被覆材Bの少なくとも一方の水蒸気透過率が40℃、相対湿度90%の環境下で1×10−1g/(m・day)以下である請求項5又は請求項6に記載の波長変換部材。
  8. 前記被覆材A及び前記被覆材Bの少なくとも一方の酸素透過率が30℃、相対湿度70%の環境下で1cm/(m・day・atm)以下である、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  9. 前記波長変換層は、波長変換材料と、重合性化合物と、光重合開始剤とを含む組成物の硬化物である、請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  10. 前記重合性化合物は、チオール化合物と、(メタ)アリル化合物及び(メタ)アクリル化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含む、請求項9に記載の波長変換部材。
  11. 前記波長変換材料が量子ドット蛍光体を含む、請求項9又は請求項10に記載の波長変換部材。
  12. 請求項5〜請求項11のいずれか1項に記載の波長変換部材と、光源とを備えるバックライトユニット。
  13. 請求項12に記載のバックライトユニットを備える画像表示装置。
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