JP7043127B2 - 殺菌剤組成物 - Google Patents
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Description
そのような殺菌剤組成物として、特許文献1には、特定のアミンオキシドを有効成分とするレジオネラ属菌の殺菌に有効な殺菌剤が開示されている。また、特許文献2には、直鎖アルキル基を有する特定のアミンオキシド型界面活性剤と特定の金属塩とを所定の比率で含む洗浄および消毒用液体組成物が開示されている。
一方、殺菌性能を有する洗浄剤として、特許文献3には、特定のアミンオキシド型界面活性剤と、特定のノニオン界面活性剤とを含有する液体洗浄剤組成物が開示されている。
本発明は、アミンオキシド型界面活性剤を含有し、殺菌効果に優れた殺菌剤組成物を提供する。
(a)成分のようなアミンオキシド型界面活性剤が殺菌作用を有することは知られているが、低濃度では殺菌効果が発現しづらく、満足できる殺菌効果が得られない。本発明では、(b)成分として所定のアミン化合物を併用することにより、(a)成分のアミンオキシドの効果を相乗的に向上できることを見出した。この理由は定かではないが、(a)成分と(b)成分との複合体が疎水性の細菌の表面に対して有効に作用するためと考えられる。従来、本発明の(b)成分を(a)成分と併用した場合に、相乗的に殺菌効果が向上することは当業界では知られていなかった。
本発明の(a)成分は、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が7以上18以下である、アルキル又はアルケニルアミンオキシドである。
(a)成分は、殺菌効果の観点から、アルキル基又はアルケニル基の炭素数は、好ましくは9以上、より好ましくは11以上、そして、好ましくは16以下、より好ましくは14以下である。また、(a)成分は、炭素数が7以上18以下のアルキル基を有するものが好ましい。
(1)ラウリルジメチルアミンオキシド等の長鎖アルキル(炭素数8以上18以下)ジ短鎖アルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキシド、
(2)ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド等の脂肪酸(炭素数8以上18以下)アミドプロピルジ短鎖アルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキシド
が挙げられ、殺菌効果の観点から、(1)長鎖アルキル(炭素数8以上18以下)ジ短鎖アルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキシドがより好ましい。
本発明の(b)成分は、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が8以上24以下であり、オキシアルキレン基としてオキシエチレン基を含み、オキシエチレン基の平均付加モル数が1以上8以下である、モノ又はポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルアミンである。
炭素数8以上24以下のアルキル基又はアルケニル基としては、例えばドデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、これらは、ノルマル、イソであってもよく、2級のアルキル基又はアルケニル基であってもよい。ここで2級のアルキル基又はアルケニル基とは、アミンの窒素原子と結合する炭素原子が第3級の炭素原子であるアルキル基又はアルケニル基をいう。
また(b)成分は、本発明の効果を損なわない範囲内で、オキシエチレン基以外のオキシアルキレン基、例えばオキシプロピレン基が付加されていてもよい。(b)成分において、オキシプロピレン基の平均付加モル数は、好ましくは0.5以下、そして、好ましくは0以上、また0が好ましい。
本発明の殺菌剤組成物は、(a)成分を、殺菌効果の観点から、好ましくは0.00005質量%以上、より好ましくは0.0001質量%以上、更に好ましくは0.0005質量%以上、より更に好ましくは0.001質量%以上、そして、経済性の観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは0.1質量%以下含有する。
「食品加工設備及び/又は調理設備」とは、食品加工工場において、食品を加工する際及び/又は調理する際に用いられる機器及び設備を意味する。かかる機器としては、例えば、パイプ、部品、ネットコンベアやフリーザー、スライサー、精米機等の食品製造又は調理機器が挙げられる。また、かかる設備としては、例えば、床、壁、作業台などが挙げられる。
具体的には、本発明の殺菌剤組成物は、好ましくは硬質物品の硬質表面への塗布用殺菌剤、より好ましくは食品加工設備又は調理設備の硬質表面への塗布用殺菌剤である。
また、具体的には、本発明の殺菌剤組成物は、好ましくは硬質物品の硬質表面への噴霧用殺菌剤、より好ましくは食品加工設備又は調理設備の硬質表面への噴霧用殺菌剤である。
(1)冷蔵庫、食器棚などの食品、食器、調理器具の保存場所、
(2)排水溝、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所、及び
(3)その周辺の床や壁等
である。本発明では、これらを便宜上「台所周りの硬質物品」とする。
また、本発明の殺菌対象である硬質表面、更に台所周りの硬質表面は、プラスチック(シリコーン樹脂などを含む)、金属、陶器、木、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明は、(a)成分を含有する殺菌剤組成物に、(b)成分を含有させて、前記殺菌剤組成物の殺菌効果を増強する、殺菌剤組成物の殺菌効果増強方法を提供する。すなわち、(b)成分は、(a)成分の殺菌効力増強剤として機能する。本発明は、(b)成分からなる、(a)成分の殺菌効力増強剤を提供する。また、本発明は、(b)成分による(a)成分の殺菌効力増強方法を提供する。これらの本発明の態様には、本発明の殺菌剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。
本発明は、本発明の殺菌剤組成物を、対象物、好ましくは硬質表面に接触させて殺菌する、殺菌方法を提供する。
機械力をかけずに放置するとは、例えば、組成物の接触以外に、殺菌のための意図的な操作を行わないことである。例えば、接触させた組成物が硬質表面を自然に流下することや、殺菌を意図しない振動が硬質表面に伝わることなどは、機械力をかけずに放置すると理解できる。
放置した後は、通常、水ですすぐ。すすぐ際は、手などで機械力(物理的力)を掛けてもよく、単に水流ですすいでもよい。
なお、放置する際の温度は、室温でよく、例えば、10℃以上30℃以下が挙げられる。
前記殺菌剤組成物を、油汚れ等が付着した硬質表面に接触させる方法は、噴霧又は塗布が好ましく、液滴状にして噴霧する又は泡状にして塗布する方法が好ましい。具体的には、スプレー手段を用いる。すなわち本発明の殺菌剤組成物を、スプレイヤーを具備する容器に充填してなる硬質表面用殺菌剤物品を用いるのが好ましい。本発明は、本発明の殺菌剤組成物を、スプレイヤーを具備する容器に充填してなる、スプレー容器入り硬質表面用殺菌剤物品を提供する。
液滴状に噴霧する機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、本発明のスプレー容器入り硬質表面用殺菌剤物品は、1回の操作で、好ましくは0.1mL以上、より好ましくは0.3mL以上、そして、好ましくは5mL以下、より好ましくは2mL以下の組成物を噴霧する。
硬質物品、及び食品加工設備及び/又は調理設備は、前述のものが挙げられる。
本発明の硬質表面の殺菌方法の対象とする硬質表面の材質は、プラスチック(シリコーン樹脂などを含む)、金属、陶器、木、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明の硬質表面の殺菌方法は、前記殺菌剤組成物を接触させた硬質表面を、水で濯ぐ工程、好ましくは前記殺菌剤組成物を接触させた硬質表面を、放置後、水で濯ぐ工程を含むことができる。
(1)組織培養フラスコにLB培地を10mL入れて、シャーレに培養した菌(黄色ブドウ球菌又は大腸菌)を白金耳にて取り出し、LB培地に入れた。
(2)上記フラスコを200rpm、37℃で16時間培養した。
(3)上記LB培地を50mL遠沈管に移し、4000rpm、15℃、10分遠心分離した。
(4)上澄みのLB培地を廃棄し、10mLの生理食塩水を添加して、再度(3)と同じ条件で遠心分離した。
(5)上澄みの生理食塩水を廃棄し、生理食塩水を添加してOD1の菌液を作製した。
(6)(5)で作成した液を用いてBSA0.5%、OD0.001の菌液を作製した。
(7)8cm×3cm×0.1cmのSUS304の板の上に(6)で作製した菌液を0.3mL添加して均一に塗り広げた。
(8)(7)の板に、殺菌剤組成物を0.3mL添加して、均一に塗り広げて30分間静置した。
(9)LP停止液を1mL封入した拭き取り棒に、板上に残存している液を流し込み、拭き取り棒にて板上をスワブしてふき取った。
(10)拭き取り棒から液を取り出し、それを10倍おきに段階希釈した。
(11)段階希釈した液を標準寒天培地に0.1mL添加して、コンラージ棒にて塗り広げた。
(12)(11)で作製した培地を37℃、24時間培養してコロニー数をカウントして生菌数〔Log(cfu/mL)〕とした。
また、表中の成分は以下のものである。
・a-1:ラウリルジメチルアミンオキシド〔一般式(a1)中、R1aがラウリル基、R2a及びR3aが、それぞれメチル基、q及びpが、それぞれ0の化合物〕
・a-2:ミリスチルジメチルアミンオキシド〔一般式(a1)中、R1aがミリスチル基、R2a及びR3aが、それぞれメチル基、q及びpが、それぞれ0の化合物〕
・b-1:ポリオキシエチレン硬化牛脂アミン(平均付加モル数2.1)〔一般式(b1)中、R1bが硬化牛脂アルキル基、m+nが2.1の化合物〕
・b-2:ポリオキシエチレン硬化牛脂アミン(平均付加モル数8)〔一般式(b1)中、R1bが硬化牛脂アルキル基、m+nが8の化合物〕
・b-3:ポリオキシエチレンココアミン(平均付加モル数2.1)〔一般式(b1)中、R1bがココアルキル基、m+nが2.1の化合物〕
・b’-1:ポリオキシエチレン硬化牛脂アミン(平均付加モル数20)〔一般式(b1)中、R1bが硬化牛脂アルキル基、m+nが20の化合物〕
Claims (7)
- (a)成分を、0.00005質量%以上5質量%以下含有する、請求項1記載の殺菌剤組成物。
- (a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)が、0.1以上10以下である、請求項1又は2記載の殺菌剤組成物。
- (a)成分の含有量及び(b)成分の含有量の合計の割合が、界面活性剤の全含有量に対して、70質量%以上である、請求項1~3の何れか1項記載の殺菌剤組成物。
- 請求項1~4の何れか1項記載の殺菌剤組成物を硬質表面に接触させる殺菌方法。
- 前記殺菌剤組成物が、(a)成分を0.0005質量%以上0.5質量%以下含有する、請求項6記載の殺菌方法。
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