JP7042388B1 - ブロック共重合体組成物、熱収縮性フィルム、及び容器 - Google Patents

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Abstract

適度な曲げ弾性率、引張破断強度、流動性、ガラス転移温度のバランスを保ちつつ、収縮仕上がり性が良好な熱収縮性フィルムを実現可能なブロック共重合体組成物、及びこれを用いた熱収縮フィルム及び当該熱収縮フィルムが装着された容器の提供。ブロック共重合体組成物を、下記(1)~(4)を満たす、ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位を有するブロック共重合体を少なくとも1種含有するブロック共重合体組成物が提供される。(1)前記ブロック共重合体組成物中の前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位と前記共役ジエン単量体単位の合計を100質量%とした場合、前記共役ジエン単量体含有量が10~20質量%である(2)下記一般式P1で表される構造を有する前記ブロック共重合体を60~100質量%含む(S)-[(S/B)]2(P1)(上記一般式P1中、(S)は前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の重合鎖であり、(S/B)は前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位と前記共役ジエン単量体単位を有する共重合鎖である)(3)前記ブロック共重合体組成物中の前記ブロック共重合体の数平均分子量が100,000~200,000である(4)JIS K7244-1及びJIS K7244-5に従い、昇温速度4℃/min、周波数1Hzの条件で測定した動的粘弾性測定における、温度70℃及び温度100℃で測定した貯蔵弾性率をそれぞれE'70、E'100とした場合に、下記計算式F1に基づく計算値が0.5×1016~2.0×1016であるE'70×(E'70-E'100)/30 (F1)

Description

本発明は、ブロック共重合体組成物、熱収縮性フィルム、及び容器に関する。
包装用フィルムやPETボトル飲料等のラベルとして熱収縮性フィルムが用いられている。特許文献1には、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる所定のブロック共重合体を用いることで耐自然収縮性に優れる熱収縮性フィルムが得られることが開示されている。
特許第3543917号
ブロック共重合体(組成物)を用いた熱収縮性フィルムを、PETボトル飲料等のラベルに使用する場合には、印刷された文字に歪みが無く、収縮後にシワなどの収縮ミスが無いこと、すなわち熱収縮後の外観(収縮仕上がり性)が良好であることが望ましいが、材料としてのブロック共重合体(組成物)に求められる特性、即ち熱収縮フィルムに加工する際のガラス転移温度や流動性、さらに常温域における弾性率及び破断強度を満たしながら、これらのバランスを保つことも必要である。この場合、収縮仕上がり性は、延伸状態にあるブロック共重合体(組成物)を、数十℃程度の比較的広い範囲に渡り温度を連続的に変化させた場合の収縮挙動の結果であり、一方、ブロック共重合体(組成物)を熱収縮フィルムに加工する条件の指標となるガラス転移温度や流動性や、及び熱収縮フィルムの使用時(主に常温域)の機械物性の目安となる弾性率及び破断強度については、ブロック共重合体(組成物)の温度自体が大きく変化する場合を想定せずに評価される項目である。そのため両者間のバランスを図ることは困難であり、収縮仕上がり性と機械的・熱的特性とを両立させるブロック共重合体(組成物)の構造や組成、及びその特性が満たすべき要件はこれまで不明瞭であった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、本発明は、適度な曲げ弾性率、引張破断強度、流動性、ガラス転移温度のバランスを保ちつつ、収縮仕上がり性が良好な熱収縮性フィルムを実現可能なブロック共重合体組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、当該ブロック共重合体組成物を用いた熱収縮フィルム及び当該熱収縮フィルムが装着された容器を提供することを目的とする。
本発明によれば、ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位を有するブロック共重合体を少なくとも1種含有するブロック共重合体組成物であって、下記(1)~(4)を満たす、ブロック共重合体組成物が提供される。
(1)前記ブロック共重合体組成物中の前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位と前記共役ジエン単量体単位の合計を100質量%とした場合、前記共役ジエン単量体含有量が10~20質量%である
(2)前記ブロック共重合体組成物は、下記一般式P1で表される構造を有する前記ブロック共重合体を60~100質量%含む
(S)-[(S/B)] (P1)
(上記一般式P1中、(S)は前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の重合鎖であり、(S/B)は前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位と前記共役ジエン単量体単位を有する共重合鎖である)
(3)前記ブロック共重合体組成物中に含まれる、前記ブロック共重合体の数平均分子量が100,000~200,000である
(4)前記ブロック共重合体組成物を、JIS K7244-1及びJIS K7244-5に従い、昇温速度4℃/min、周波数1Hzの条件で測定した動的粘弾性測定における、温度70℃及び温度100℃で測定した貯蔵弾性率をそれぞれE'70、E'100とした場合に、下記計算式F1に基づく計算値Vが0.5×1016~2.0×1016である
V=E'70×(E'70-E'100)/30 (F1)
なお、本明細書において、チルダ記号「~」は、その前後に記載される数値を含む数値範囲を示すために用いる記号である。具体的には「X~Y」の記載(X、Yはともに数値)は、「X以上Y以下」であることを示している。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、 本発明の別の観点によれば、上記ブロック共重合体組成物を含有する熱収縮性フィルムが提供される。
本発明の別の観点によれば、上記熱収縮性フィルムが装着された容器が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.ブロック共重合体組成物
本発明の一実施形態に係るブロック共重合体組成物は、ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位を有するブロック共重合体を少なくとも1種含有するブロック共重合体組成物である。
ブロック共重合体は、ビニル芳香族炭化水素単量体単位及び共役ジエン単量体単位を有するブロック共重合体である。ブロック共重合体は、ビニル芳香族炭化水素単量体及び共役ジエン単量体をブロック共重合させることにより合成される共重合体である。ブロック共重合体は、ビニル芳香族炭化水素単量体単位及び/又は共役ジエン単量体単位によって構成されるブロック鎖を複数有する共重合体である。
ビニル芳香族炭化水素単量体単位は、ブロック共重合に用いられるビニル芳香族炭化水素単量体に由来する共重合体の構成単位である。ビニル芳香族炭化水素単量体としては、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,5-ジメチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。一態様においては、ビニル芳香族炭化水素単量体は、好ましくはスチレンである。これらの単量体は、単独で使用しても2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
共役ジエン単量体単位は、ブロック共重合に用いられる共役ジエン単量体に由来する共重合体の構成単位である。共役ジエン単量体としては、例えば、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(イソプレン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられる。一態様においては、共役ジエン単量体は、好ましくは1,3-ブタジエン又はイソプレンである。これらの単量体は、単独で使用しても2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
ビニル芳香族炭化水素単量体単位及び共役ジエン単量体単位を有するブロック共重合体は、有機溶剤中で有機リチウム化合物を重合開始剤としたリビングアニオン重合反応により得ることができる。リビングアニオン重合では、重合反応に供したビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンはほぼ全量が重合体に転化し得るため、それらの添加量や添加順序を変更することで任意の一次構造を持つブロック共重合体を得ることができる。
ブロック共重合体組成物は、下記条件(1)~(4)を少なくとも満たす。
(1)ブロック共重合体組成物中のビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位の合計を100質量%とした場合、共役ジエン単量体含有量が10~20質量%である
(2)前記ブロック共重合体組成物は、下記一般式P1で表される構造を有するブロック共重合体を60~100質量%含む
(S)-[(S/B)] (P1)
(上記一般式P1中、(S)はビニル芳香族炭化水素単量体単位の重合鎖であり、(S/B)はビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位を有する共重合鎖である)
(3)ブロック共重合体組成物に含まれる、ブロック共重合体の数平均分子量が100、000~200、000である
(4)前記ブロック共重合体組成物を、JIS K7244-1及びJIS K7244-5に従い、昇温速度4℃/min、周波数1Hzの条件で測定した動的粘弾性測定における、温度70℃及び温度100℃で測定した貯蔵弾性率をそれぞれE'70、E'100とした場合に、下記計算式F1に基づく計算値Vが0.5×1016~2.0×1016である
V=E'70×(E'70-E'100)/30 (F1)
ブロック共重合体組成物中のビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位の合計を100質量%とした場合、共役ジエン単量体単位の含有量は10~20質量%であり、好ましくは12~20質量%であり、より好ましくは15~18質量%である。ブロック共重合体組成物中において、ビニル芳香族炭化水素単量体単位及び共役ジエン単量体単位は、ブロック共重合体を構成する構成単位として存在する。ブロック共重合体組成物が2種以上のブロック共重合体を含む場合には、当該単位の含有量は、これらのブロック共重合体中の各単量体単位の合計に基づいて算出される。共役ジエン単量体単位の含有量は、具体的には例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。共役ジエンに由来する構造単位の含有率を12質量%以上とすることにより、得られる熱収縮性フィルムの耐破断性が良好となり、共役ジエンに由来する構造単位の含有率を20質量%以下とすることにより、得られる熱収縮性フィルムの耐自然収縮性や剛性が良好となる。
なお、共役ジエン単量体単位の含有量は、仕込み量から算出することができる。
また、共役ジエン単量体単位の含有量は、公知のハロゲン付加法を用い、算出してもよい。一般的なハロゲン付加法の測定例としては、該試料を完全に溶解することが可能な溶媒に溶解させた後、過剰量の一塩化よう素/四塩化炭素溶液を添加し十分反応させ、未反応の一塩化よう素をチオ硫酸ナトリウム/エタノール溶液で滴定する。前述の方法により得られた二重結合量から共役ジエン単量体単位の含有量を算出する。ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量については、共役ジエン単量体単位の含有量に基づき算出しうる。
ブロック共重合体組成物中のビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位の合計を100質量%とした場合、ビニル芳香族炭化水素単量体単位は、好ましくは80~90質量%であり、より好ましくは80~88質量%であり、さらに好ましくは82~85質量%である。ブロック共重合体組成物が2種以上のブロック共重合体を含む場合には、当該単位の含有量は、これらのブロック共重合体中の各単量体単位の合計に基づいて算出される。ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量は、具体的には例えば、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
ブロック共重合体組成物は、下記一般式P1で表される構造を有するブロック共重合体を60~100質量%含み、好ましくは70~100質量%含む。
(S)-[(S/B)] (P1)
一般式P1中、「(S)」はビニル芳香族炭化水素単量体単位の重合鎖である。「(S)」は、例えば、ビニル芳香族炭化水素単量体単位を95質量%超含む重合鎖であり、好ましくは実質的にビニル芳香族炭化水素単量体単位のみからなる。また、「(S/B)」はビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位を有する共重合鎖である。
一態様においては、一般式P1は、好ましくは下記一般式P1-1又はP1-2で表される構造である。
(S)-(S/B)1-(S/B)2 (P1-1)
(S)-(S/B)2-(S/B)1 (P1-2)
一般式P1-1又はP1-2中、「(S/B)1」はビニル芳香族炭化水素単量体単位84~95質量%と共役ジエン単量体単位5~16質量%の共重合鎖である。ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位の組成分布は、ランダム状(ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位の組成が一定である状態)またはテーパー状(ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位の組成が連続的に変化する状態)のいずれであっても差し支えないが、一態様においてはテーパー状であることが好ましい。当該共重合鎖の組成分布は、重合時における各単量体の添加量と添加方法により制御される。テーパー状の共重合鎖は、重合活性末端に対し過剰量のビニル芳香族炭化水素(例えばスチレン)及び共役ジエン(例えば1,3-ブタジエン)とを、同時に一括添加して重合させることにより得ることができる。
「(S/B)2」はビニル芳香族炭化水素単量体単位40~75質量と共役ジエン単量体単位25~60質量%の共重合鎖である。ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位の組成分布は、ランダム状(ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位の組成が一定である状態)またはテーパー状(ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位の組成が連続的に変化する状態)のいずれであっても差し支えないが、一態様においてはテーパー状であることが好ましい。当該共重合鎖の組成分布は、重合時における各単量体の添加量と添加方法により制御される。「(S)」については、一般式P1における場合と同様である。
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)測定におけるブロック共重合体組成物中のブロック共重合体の数平均分子量が、ポリスチレン換算で100000~200000であり、好ましくは150000~200000である。ブロック共重合体組成物中に含まれるブロック共重合体の何れかのブロック共重合体の数平均分子量がこのような範囲であることが必要である。ブロック共重合体組成物は、好ましくは、数平均分子量がこのような範囲であるブロック共重合体を60~100質量%含む。当該数平均分子量は、具体的には例えば、100000、110000、120000、130000、140000、150000、160000、170000、180000、190000、200000であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
ブロック共重合体組成物を、JIS K7244-1及びJIS K7244-5に従い、昇温速度4℃/min、周波数1Hzの条件で測定した動的粘弾性測定における、温度70℃及び温度100℃で測定した貯蔵弾性率をそれぞれE'70、E'100とした場合に、下記計算式F1に基づく計算値Vが0.5×1016~2.0×1016であり、好ましくは1.0×1016~2.0×1016である。
V=E'70×(E'70-E'100)/30 (F1)
計算式F1に基づく当該計算値Vは、具体的には例えば、0.5×1016、0.6×1016、0.7×1016、0.8×1016、0.9×1016、1.0×1016、1.1×1016、1.2×1016、1.3×1016、1.4×1016、1.5×1016、1.6×1016、1.7×1016、1.8×1016、1.9×1016、2.0×1016であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
ブロック共重合体組成物の動的粘弾性測定における損失正接値(tanδ)は、好ましくは80~105℃の範囲に少なくとも1つのピークを有し、より好ましくは90~100℃の範囲に少なくとも1つのピークを有する。損失正接値(tanδ)の何れかのピーク温度は、具体的には例えば、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。tanδがピークを示す温度を80℃以上とすることにより、得られる熱収縮性フィルムの自然収縮率が高くなることを抑制でき、tanδがピークを示す温度を105℃以下とすることにより、得られる熱収縮性フィルムの熱収縮率を十分に高めることができる。なお、tanδのピークはガラス転移温度に関する指標となる。
ブロック共重合体組成物のメルトマスフローレイト(MFR)は、JIS K7210-1に記載された方法(200℃、5kg)により、好ましくは1~9g/10minであり、より好ましくは2~6g/10minである。
本発明の一実施形態に係るブロック共重合体の製造方法は、特に制限されないが、例えば、有機溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として上記ビニル芳香族炭化水素単量体及び共役ジエン単量体を重合する方法である。
有機溶媒としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、あるいはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
有機リチウム化合物は、分子中に1個以上のリチウム原子が結合した化合物である。有機リチウム化合物としては、例えば、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウムのような単官能有機リチウム化合物、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウムのような多官能有機リチウム化合物等が挙げられる。
リビングアニオン重合では、モノマー(ビニル芳香族炭化水素、及び共役ジエン)の添加量や添加方法を変えることで任意の一次構造を持つブロック共重合体を得ることができ、それによりブロック共重合体の物性を制御することが可能である。例えば、有機リチウム化合物とモノマーの比率により分子量を、各ブロック鎖のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの比率により貯蔵弾性率や損失正接(tanδ)を制御することができる。
このようにして得られたブロック共重合体は、水、アルコール、二酸化炭素などの重合停止剤を、活性末端を不活性化させるのに充分な量を添加することにより、不活性化される。得られたブロック共重合体溶液より共重合体を回収する方法としては、(A)メタノール等の貧溶媒により析出させる方法、(B)加熱ロール等により溶媒を蒸発させて析出させる方法(ドラムドライヤー法)、(C)濃縮器により溶液を濃縮した後にベント式押出機で溶媒を除去する方法(脱揮押出法)、(D)溶液を水に分散させ、水蒸気を吹き込んで溶媒を加熱除去して共重合体を回収する方法(スチームストリッピング法)等、任意の方法が採用できる。特に脱揮押出法が好ましい。
本発明の一実施形態に係るブロック共重合体組成物は、上記の製造方法等により得られた少なくとも1種のブロック共重合体と、必要に応じてその他の添加剤を混合することにより得られる。
その他の添加剤としては、例えば、各種安定剤、滑剤、加工助剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、耐光性向上剤、軟化剤、可塑剤、顔料等が挙げられる。各添加剤はブロック共重合体溶液に添加しても良いし、回収した共重合体とブレンドし、溶融混合しても良い。
安定剤としては、例えば、2-tert-ブチル-6-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアクリレート、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートや2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤、トリスノニルフェニルフォスファイト等の燐系酸化防止剤などが挙げられる。ブロッキング防止剤、帯電防止剤、滑剤としては、例えば、脂肪酸アマイド、エチレンビスステアロアマイド、ソルビタンモノステアレート、脂肪族アルコールの飽和脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの添加剤はブロック共重合体に対して5質量%以下の範囲で使用することが好ましい。
本発明の一実施形態に係るブロック共重合体組成物は、2以上のブロック共重合体を含む場合があるが、これらのブロック共重合体の混合方法としては公知の方法を採用することができる。例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサー及びVブレンダー等でドライブレンドしても良く、更に押出機で溶融してペレット化しても良い。一態様においては、溶融混合が好ましい。また、重合体溶液同士を混合した後、溶剤を除去する方法も用いることができる。
2.熱収縮性フィルム
本発明の一実施形態に係る熱収縮性フィルムは、上記ブロック共重合体組成物を含有する熱収縮性フィルムである。熱収縮性フィルムは、上記ブロック共重合体組成物を用い公知の方法、例えば、Tダイ法、チューブラ法で押し出したシート、フィルムを一軸、二軸あるいは多軸に延伸することによって得ることができる。特にTダイ法による二軸延伸が好ましい。
一軸延伸の例としては、例えば、押し出されたシートをテンターで押し出し方向と直交する方向に延伸する方法、押し出されたチューブ状フィルムを円周方向に延伸する方法等が挙げられる。
二軸延伸の例としては、例えば、押し出されたシートをロールで押し出し方向に延伸した後、テンター等で押し出し方向と直交する方向に延伸する方法、押し出されたチューブ状フィルムを押し出し方向及び円周方向に同時または別々に延伸する方法等が挙げられる。
延伸温度は、例えば、60~120℃が好ましい。60℃未満では延伸時にシートやフィルムが破断してしまい、また、120℃を越える場合は良好な収縮特性や厚み精度が得られないため好ましくない。延伸倍率は、特に制限はないが、1.5~8倍が好ましい。1.5倍未満では熱収縮性が不足してしまい、また、8倍を越える場合は延伸が難しいため好ましくない。これらのフィルムを熱収縮性ラベルや包装材料として使用する場合、熱収縮率は80℃において20%以上必要である。20%未満では収縮時に高温が必要となるため、被覆される物品に悪影響を与えてしまい好ましくない。フィルムの厚さは10~300μmが好適である。
上記熱収縮性フィルムは、熱収縮性ラベル、熱収縮性キャップシール等として用いることができる。その他、包装フィルム等として用いることができる。
本発明の一実施形態に係る容器は、上記熱収縮性フィルムがラベル等として装着されたペットボトル等の容器である。
以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に説明する。また、これらはいずれも例示的なものであって、本発明の内容を限定するものではない。
[ブロック共重合体の調整:P-1]
1000リットルの重合缶に、467リットルのシクロヘキサンと70.0gのテトラヒドロフラン、1265ミリリットルのn-ブチルリチウム(シクロヘキサン10%溶液)、及びスチレン34kgを添加し、温度65℃で30分反応させた後、スチレン66kgとブタジエン9kgを添加し、温度50℃で80分反応させた後、スチレン66kgとブタジエン25kgを添加し、温度50℃で170分反応させた後、重合液に過剰のメタノールを添加し、重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的のブロック共重合体P-1を得た。なお、前記「ブタジエン」は「1,3-ブタジエン」であり、以降も単に「ブタジエン」表記する。
[ブロック共重合体の調整:P-2]
1000リットルの重合缶に、467リットルのシクロヘキサンと70.0gのテトラヒドロフラン、2838ミリリットルのn-ブチルリチウム(シクロヘキサン10%)、及びスチレン62kgを添加し、温度65℃で60分反応させた後、スチレン120.1kgとブタジエン17.9kgを添加し、温度40℃で190分反応させた後、重合液に過剰のメタノールを添加し、重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的のブロック共重合体P-2を得た。
[ブロック共重合体の調整:P-3]
1000リットルの重合缶に、467リットルのシクロヘキサンと70.0gのテトラヒドロフラン、1503ミリリットルのn-ブチルリチウム(シクロヘキサン10%)、及びスチレン32kgを添加し、温度65℃で30分反応させた後、スチレン40.99kgとブタジエン5.01kgを添加し、温度50℃で50分反応させた後、スチレン92.96kgとブタジエン29.04kgを添加し、温度50℃で200分反応させた後、重合液に過剰のメタノールを添加し、重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的のブロック共重合体P-3を得た。
[ブロック共重合体の調整:P-4]
1000リットルの重合缶に、467リットルのシクロヘキサンと70.0gのテトラヒドロフラン、1265ミリリットルのn-ブチルリチウム(シクロヘキサン10%)、及びスチレン34kgを添加し、温度65℃で30分反応させた後、スチレン66kgとブタジエン9kgを添加し、温度50℃で80分反応させた後、スチレン65.98kgとブタジエン25.03kgを添加し、温度50℃で170分反応させた後、重合液に過剰のメタノールを添加し、重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的のブロック共重合体P-4を得た。
[ブロック共重合体の調整:P-5]
1000リットルの重合缶に、467リットルのシクロヘキサンと70.0gのテトラヒドロフラン、1336ミリリットルのn-ブチルリチウム(シクロヘキサン10%)、及びスチレン32kgを添加し、温度65℃で30分反応させた後、スチレン40.99kgとブタジエン5.01kgを添加し、温度50℃で50分反応させた後、スチレン44.01kgとブタジエン9.99kgを添加し、温度50℃で110分反応させた後、スチレン49.03kgとブタジエン18.97kgを添加し、温度50℃で140分反応させた後、重合液に過剰のメタノールを添加し、重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的のブロック共重合体P-5を得た。
[ブロック共重合体の調整:P-6]
1000リットルの重合缶に、467リットルのシクロヘキサンと70.0gのテトラヒドロフラン、1679ミリリットルのn-ブチルリチウム(シクロヘキサン10%)、及びスチレン32kgを添加し、温度65℃で30分反応させた後、スチレン61.03kgとブタジエン14.97kgを添加し、温度50℃で30分反応させた後、スチレン58.97kgとブタジエン33.03kgを添加し、温度50℃で170分反応させた後、重合液に過剰のメタノールを添加し、重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的のブロック共重合体P-6を得た。
[ブロック共重合体の調整:P-7]
1000リットルの重合缶に、467リットルのシクロヘキサンと70.0gのテトラヒドロフラン、1404ミリリットルのn-ブチルリチウム(シクロヘキサン10%)、及びスチレン122kgを添加し、温度60℃で90分反応させた後、スチレン46.02kgとブタジエン31.98kgを添加し、温度50℃で160分反応させた後、重合液に過剰のメタノールを添加し、重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的のブロック共重合体P-7を得た。
[ブロック共重合体の調整:P-8]
1000リットルの重合缶に、467リットルのシクロヘキサンと70.0gのテトラヒドロフラン、4072ミリリットルのn-ブチルリチウム(シクロヘキサン10%)、及びスチレン44kgを添加し、温度80℃で50分反応させた後、スチレン92.04kgとブタジエン63.96kgを添加し、温度40℃で200分反応させた後、重合液に過剰のメタノールを添加し、重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的のブロック共重合体P-8を得た。
<数平均分子量>
[GPC測定]
下記のGPC測定装置、および条件でブロック共重合体のGPC測定を実施した。
装置名:HLC-8220GPC(東ソー社製)
カラム:ShodexGPCKF-404(昭和電工社製)を直列に4本接続
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:0.2質量%
検量線:標準ポリスチレン(VARIAN社製)を用いて作製した。
表1に、ブロック共重合体P1~P8の構造、各ブロックが占める質量割合、さらに各ブロック中のスチレン及びブタジエンの質量比率(ブロック内単量体単位比[SM/BM])を示した。なお、構造を示す一般式において単に(S/B)と示されているブロックは、(S/B)1または(S/B)2のどちらにも属さない(S/B)ブロックである。また、表1中にブロック共重合体の構造(一般式)が示されている場合、左側のブロックから順に、第1ブロック、第2ブロック、第3ブロック、第4ブロックと称する。また、表1中の「SM」は、スチレンに由来する単量体単位、「BM」はブタジエンに由来する単量体単位をそれぞれ表す。
Figure 0007042388000001
[実施例1~3及び比較例1~3]
各ブロック共重合体を、表2の組成にしたがって必要に応じて溶融混練により混合し、ブロック共重合体組成物を得た。なお、表2のP-1~P-8の各ブロック共重合体の含有量(質量%)は、ブロック共重合体組成物へ添加したビニル芳香族炭化水素単量体単位及び共役ジエン単量体単位を有するブロック共重合体の合計量を100質量%としたときの、各ブロック共重合体の割合を表す。スチレン割合は、スチレン等のビニル芳香族炭化水素単量体単位の割合である。ブタジエン割合は、ブタジエン等の共役ジエン単量体単位の割合である。
また、各種測定及び評価用の熱収縮性フィルムの作製には、Tダイ法による二軸延伸装置を用いた。実施例または比較例に記載の各ブロック共重合体組成物を、Tダイを備えたシート押出機により温度210℃で厚さ約0.3mmのシートを押出成形し、10m/minのラインスピードで、縦延伸機で流れ方向(MD)に80℃下で1.2倍に延伸し、その後、横延伸機により流れ方向と直交する方向(TD)に90℃下で4.5倍に延伸することによって、平均厚み約50μmの熱収縮性フィルムを作製した。
物性及び評価については下記の方法・基準により行った。
[スチレン割合・ブタジエン割合]
ブロック共重合体組成物中に含まれるスチレン割合、及びブタジエン割合は、各ブロック共重合体の合成用いた原料の添加量に基づき以下の方法により計算した。
(スチレン割合(質量%))=(スチレンの合計添加量)/(スチレンとブタジエンの合計添加量)×100
(ブタジエン割合(質量%))=(ブタジエンの合計添加量)/(スチレンとブタジエンの合計添加量)×100
<MFR>
ブロック共重合体組成物のメルトマスフローレイト(MFR)は、JIS K 7210-1に従い、200℃、5kgの条件下で測定した。なお実施例1~3のブロック共重合体組成物のMFRは、いずれも1~6g/10minの範囲内であった。
<動的粘弾性測定>
ブロック共重合体組成物の貯蔵弾性率(E')は、JIS K7244-1及びJIS K7244-5に従い、以下の手順に従い測定した。さらに同時に測定された損失弾性率(E'')を(E')で除することにより、損失正接値(tanδ)を算出した。
(1)各ブロック共重合体組成物のペレットを用いて、射出成形により厚さ4mm、幅10mmの成形品を作製し、この成形品から適当な大きさの試験片を切り出し、23℃、50%RH室内に48時間保管して養生処理を施した。
(2)TA Instruments社製 動的粘弾性測定装置 RSA3を使用し、昇温速度4℃/分、測定周波数1Hzにて室温~120℃の温度範囲におけるE'、および損失弾性率(E")を測定し、次式により上記温度範囲における損失正接値(tanδ)を算出した。
tanδ=E"/E'
各ブロック用重合体組成物の動的粘弾性測定から、損失正接値(tanδ)がピークを示す温度を読み取り、また30℃、70℃、100℃における貯蔵弾性率E'30、E'70、E'100の値を読み取り、F1式に従い計算値Vを算出した。
<引張試験>
ブロック共重合体組成物の引張破断強度は、JIS K7139に準拠して作成したダンベル型試験片タイプAを、JIS K7161-1に準拠して測定を行い、以下の基準で評価した。
優:引張破断強度75MPa超
良:引張破断強度60MPa~75MPa
不良:引張破断強度60MPa未満
<曲げ弾性率>
ブロック共重合体組成物の曲げ弾性率は、JIS K 7139に準拠して作成したタイプBの短冊形試験片をJIS K7171に準拠して測定を行い、以下の基準で評価した。
優:曲げ弾性率1200MPa超
良:曲げ弾性率1000MPa~1200MPa
不良:曲げ弾性率1000MPa未満
<熱収縮率>
熱収縮性フィルムの熱収縮率は、熱収縮性フィルムを作製し下記の方法で測定した。
(1)熱収縮性フィルムから、MD幅が100mm、TD幅が100mmの試験片を切り出した。なお本明細書においてMD幅とは、熱収縮性フィルム試験片のMD(フィルム製造時の押し出し流れ方向)に沿う長さであり、TD幅とは、同様にTD(MDに対し直角方向)に沿う長さである。
(2)この試験片を70℃、80℃、90℃または100℃の温水中に、10秒間、完全に浸漬させた後、取り出し、水分を十分に拭き取り、TD幅の長さL(mm)を測定した。
(3)次式により熱収縮率を算出した。
熱収縮率(%)={(100-L)/100}×100
<到達収縮率>
熱収縮性フィルムの到達収縮率は、TD方向100℃10秒条件での熱収縮率について以下の基準で評価した。
優:70%超
良:50%~70%
不良:50%未満
<自然収縮率の測定>
熱収縮性フィルムの自然収縮率は、下記の方法で測定した。
(1)熱収縮性フィルムから、MD幅100mm、TD幅350mmの試験片を切り出した。
(2)試験片の中央部に、TDの標線間隔が300mmとなるよう標線を入れ、40℃の環境試験機に保管し、7日保管後の標線間隔N(mm)を測定した。
(3)次式により自然収縮率を測定した。
自然収縮率(%)={(300-N)/300}×100
<耐自然収縮性>
熱収縮性フィルムの耐自然収縮性は、TD方向40℃168時間条件での熱収縮率の測定によって得られる耐自然収縮率について、以下の基準で評価した。
優:10%未満
良:10%~30%
不良:30%超
<収縮仕上がり性>
熱収縮フィルムの収縮仕上がり性は、収縮後のフィルム外観を下記の基準により目視判定して評価した。
優:熱収縮率を測定した後の試験片が、70℃、80℃、90℃、100℃の全ての条件において、シワ、ゆがみ、波打ちのいずれも示さない
良:熱収縮率を測定した後の試験片が、70℃、80℃、90℃、100℃のいずれか1条件において、シワ、ゆがみ、波打ちのいずれかを示す
不良:熱収縮率を測定した後の試験片が、70℃、80℃、90℃、100℃のうち2条件以上で、シワ、ゆがみ、波打ちのいずれかを示す
Figure 0007042388000002

Claims (3)

  1. ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位を有するブロック共重合体を少なくとも種含有するブロック共重合体組成物であって、下記(1)~(4)を満た前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位はスチレンに由来する単量体単位であり、前記共役ジエン単量体単位は1,3-ブタジエンに由来する単量体単位である、ブロック共重合体組成物。
    (1)前記ブロック共重合体組成物中の前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位と前記共役ジエン単量体単位の合計を100質量%とした場合、前記共役ジエン単量体含有量が10~20質量%である
    (2)前記ブロック共重合体組成物は、下記一般式P1で表される構造を有する前記ブロック共重合体を70~100質量%含み、
    (S)-[(S/B)] (P1)
    (上記一般式P1中、(S)は前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位の重合鎖であり、(S/B)は前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位と前記共役ジエン単量体単位を有する共重合鎖である)
    上記一般式P1は、下記一般式P1-1又はP1-2で表される構造である
    (S)-(S/B)1-(S/B)2 (P1-1)
    (S)-(S/B)2-(S/B)1 (P1-2)
    (上記一般式P1-1又はP1-2中、「(S/B)1」はビニル芳香族炭化水素単量体単位84~95質量%と共役ジエン単量体単位5~16質量%の共重合鎖であり、「(S/B)2」はビニル芳香族炭化水素単量体単位40~75質量と共役ジエン単量体単位25~60質量%の共重合鎖である)
    (3)前記ブロック共重合体組成物中に含まれる、前記ブロック共重合体の数平均分子量は100,000~200,000である
    (4)前記ブロック共重合体組成物を、JIS K7244-1及びJIS K7244-5に従い、昇温速度4℃/min、周波数1Hzの条件で測定した動的粘弾性測定における、温度70℃及び温度100℃で測定した貯蔵弾性率をそれぞれE'70、E'100とした場合に、下記計算式F1に基づく計算値Vが0.5×1016~2.0×1016 Pa/℃である
    V=E'70×(E'70-E'100)/30 (F1)
  2. 請求項1に記載のブロック共重合体組成物を含有する熱収縮性フィルム。
  3. 請求項2に記載の熱収縮性フィルムが装着された容器。
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