JP7040201B2 - 画像形成装置、発光寿命予測方法、および情報処理装置 - Google Patents

画像形成装置、発光寿命予測方法、および情報処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置、発光寿命予測方法、および情報処理装置に関する。
従来、LED(Light Emitting Diode)等の光源には発光寿命があるため、光源を他装置に搭載して使用する際は、光源の発光寿命を考慮する必要がある。
例えば、光源であるLEDを複数有する発光部であるLEDアレイヘッドを、感光体への光書込み部として使用する、MFP(Multi Function Printer/Peripheral)等の画像形成装置が知られている。この装置に光書込み部としてLEDアレイヘッドを搭載する際は、装置の製品としての使用条件(保障印刷枚数、使用紙サイズ、書込み解像度、一回の発光における光源の最大発光時間、印字率、画質調整用の各種パターンサイズとパターン形成頻度等)を想定して、製品の機械寿命までのLED一光源の最大累積発光時間を算出し、製品の機械寿命到達の前に、算出された最大累積発光時間が、LEDの発光寿命に到達するか否かを予測し、到達しないことを確認するなど行っている。
このとき、LEDアレイヘッドの複数の光源それぞれの発光回数が一律であるとの前提でLED一光源について算出された最大累積発光時間をLEDアレイヘッドについて算出された最大累積発光時間として扱うと、実際には各光源によって発光回数が異なるため、LEDアレイヘッドとして発光寿命に到達するかの予測精度は低い。つまり複数の光源それぞれの発光のされ方によっては製品寿命の前に発光寿命に到達する光源が発生する可能性がある。または余裕を持たせて、より長い発光寿命の発光部を選択する必要がある。
それに対し特許文献1では、発光素子(光源)を複数備えた発光ヘッドと、前記各発光素子の点灯回数(発光回数)を計数する計数手段とを備え、複数の光源それぞれについて実際に発光した発光回数を計数している。
しかし、特許文献1に記載の装置は、複数の光源それぞれについて計数手段を有しているため、ハードウェア規模が大きくなってしまう。
上記課題を解決するために、請求項1にかかる発明は、感光体と、前記感光体表面を帯電する帯電部と、前記帯電された感光体表面を露光して前記感光体上に入力された画像データに応じた静電潜像を形成する発光部とを有する画像形成装置において、前記発光部は複数の光源をグループ分けしてなる複数の光源グループを成し、発光回数計測期間内において前記各光源グループの発光回数を計測するとともに、前記発光回数計測期間内における発光光源数割合を取得して、前記各光源グループの発光回数のうち前記発光光源数割合分をグループ発光回数として計測する計測部と、前記グループ発光回数に基づき、前記各光源グループに属する前記光源の発光時間であるグループ発光時間を算出し、算出した前記各グループ発光時間を累積した累積グループ発光時間を算出する発光時間算出部とを有する画像形成装置である。
本発明によれば、複数の光源を有する発光部を搭載した装置で、ハードウェア規模を抑制しつつ、精度の高い発光部の寿命予測を実現できる。
画像形成装置が有する画像形成部のハードウェア構成図である。 発光部の周辺斜視図である。 複数の発光素子の概念図である。 画像形成装置のハードウェア構成図である。 画像形成装置の機能ブロック図である。 書込み処理開始フローの例である。 発光時間算出フローの例である。 グループ発光時間算出の説明図である。 計測部による計測結果の例である。 静電潜像パターンに対する計測時間の説明図である。 計測部による計測時のカウンタ値とカウント信号の説明図である。 図11の一部拡大図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
まず、第一の実施形態の画像形成装置が有する画像形成部について説明する。
図1は画像形成部10においては、複数色、例えばブラック(以下Bkという)、マゼンタ(以下Mという)、イエロー(以下Yという)、シアン(以下Cという)の各画像をそれぞれ形成する複数の画像形成ユニット1Bk、1M、1Y、1Cが、中間転写体としての中間転写ベルト2と対向して水平方向に配列される。
この画像形成ユニット1Bk、1M、1Y、1Cは、それぞれ潜像担持体としてのドラム状感光体11Bk、11M、11Y、11C、帯電部12Bk、12M、12Y、12C、発光部である光源ヘッド13Bk、13M、13Y、13C、現像部14Bk、14M、14Y、14Cを有する。
感光体11Bk、11M、11Y、11Cは、中間転写ベルト2と対向して水平方向に配列され、中間転写ベルト2と同じ周速で回転駆動される。
この感光体11Bk、11M、11Y、11Cは、それぞれ、帯電部12Bk、12M、12Y、12Cにより均一に帯電された後に、発光部である光源ヘッド13Bk、13M、13Y、13Cによりそれぞれ露光されて静電潜像が形成される。
光源ヘッド13Bk、13M、13Y、13Cには、それぞれY、M、C、Bk各色の画像信号が入力され、感光体11Bk、11M、11Y、11CをBk、M、Y、C各色の画像信号に応じて露光して静電潜像を形成する。このように発光部である光源ヘッド13Bk、13M、13Y、13Cは感光体表面に光で静電潜像を書き込むため、光書込み部としての光書込みヘッドと呼ぶこともある。
この感光体11Bk、11M、11Y、11C上の静電潜像は、それぞれ現像装置14Bk、14M、14Y、14Cにより現像されてBk、M、Y、C各色のトナー像となる。
一方、記録媒体としての記録紙Pは画像形成装置100の下部に設置された、給紙カセットを用いて構成された給紙部3から転写紙搬送路に沿って中間転写ベルト2まで搬送される。
中間転写ベルト2は、感光体11Bk、11M、11Y、11Cと同じ周速で回転駆動される。
記録紙Pは、中間転写ベルト2により搬送され、感光体11Bk、11M、11Y、11C上のBk、M、Y、C各色のトナー像が転写部としてのコロナ放電器15Bk、15M、15Y、15Cが形成する電界の作用により順次に重ねて転写されることによりフルカラー画像が形成される。
この記録紙Pは、除電部4により徐電されて中間転写ベルト2から分離された後に定着部5によりフルカラー画像が定着され、排紙ローラ6より排出される。その後、中間転写ベルト2は、記録紙を搬送した後にクリーニング部7によりクリーニングされる。
以上図1について説明したが、以降の説明で、図1においてBk、M、Y、Cいずれかを付した符号が示す部材について説明を行う際、Bk、M、Y、Cによって互いに区別する必要が無い場合はBk、M、Y、Cの符号を省略することがある。
また以降の説明で図1の記録媒体の搬送方向に対応する方向を副走査方向、図1の紙面に対して垂直方向、つまり副走査方向に対しても垂直方向な方向になるが、その方向を主走査方向と呼ぶことがある。
図2は、発光部としての光源ヘッド13と、その周辺の斜視図である。光源ヘッド13Bkについて説明すると、光源ヘッド13Bkは、LEDアレイ13-1Bkとレンズアレイ13-2Bkを有している。LEDアレイ13-1Bkは、基板と、基板上に、光源であるLED素子を、複数有する。複数のLED素子は、記録媒体の搬送方向(図2中の矢印A)に対して垂直方向である主走査方向(図2中の矢印B)に並んで配置される。
各LED素子は画像データに応じて点灯する。複数のレンズからなるレンズアレイ13-2Bkを通して、感光体ドラム15Bk上に光が照射される。光源ヘッド13C、13M、13Yの構造も光源ヘッド13Bkと共通のため、説明を省略する。
また、感光体への静電潜像を書き込むのに用いるためにLEDアレイとレンズアレイがユニット化された光源ヘッドを、LED Print Head(以下、LPH)と呼ぶことがある。
図3は、LEDアレイ13-1の概略構成図である。記録媒体の搬送方向と垂直に並んでラインを形成する複数の光源である、複数のLED素子を模式的に示している。LEDアレイ13-1には、k個のLED素子、一例としてk=15744個のLED素子e1~e15744が搭載されている。本実施例ではk=15744個のLED素子は、l個のLED素子、一例としてl=384個のLED素子を搭載したチップ(図3中c1、c2…c41と示す。)を、m個、一例としてm=41個配列して構成されている。
なお、光源である各LED素子はそれぞれ独立して発光可能で、感光体への書き込み要求があった静電潜像に応じた位置に対応して素子が発光したり、発光しなかったりする。以降、ある時間に発光した光源を発光光源と呼ぶことがある。
そして本実施形態における光源ヘッド13は、1ラインのLED素子の列をあらかじめ、複数のグループにグループ化することで、発光部の発光寿命への到達予測(以降発光寿命予測と呼ぶことがある。)を行う。一例として、1グループに384個の光源が属する41のグループにグループ化する。なお、本実施例ではチップ単位にグループ化した制御について説明するが、グループ化はチップ化されたグループと一致しなくても良い。またk、l、mそれぞれの具体的な数値についてはこれに限られない。
図4は、画像形成装置100のハードウェア構成図である。図4に示すように、画像形成装置100は、CPU(Central Processing Unit)20と、ROM(Read Only Memory)30と、RAM(Random Access Memory)40、HDD(Hard Disk Drive)50と、通信I/F(interface)60と、操作部70と、画像読取部80と、図1で説明した画像形成部10とを有し、これらがシステムバス90を介して相互に接続されている。
CPU20は、画像形成装置100の動作を制御する。CPU20は、RAM40をワークエリア(作業領域)としてROM30又はHDD50に格納されたプログラムを実行することで、画像形成装置100全体の動作を制御し、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能などの各種機能を実現する。これらの各種機能の実行した動作(以降ジョブと呼ぶことがある)は、その都度、画像形成装置100の動作ログとしてHDD50に保存可能である。
通信I/F60は、外部装置からのジョブを公知のネットワークを介して受け付けたり、後述する画像読取部80で読み取って形成した読取画像データを公知のネットワークを介して外部に送信したりするインターフェイスである。
操作部70は、操作者の操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、各種の情報(例えば受け付けた操作を示す情報、画像形成装置1の動作状況を示す情報、画像形成装置1の設定状態を示す情報など)を表示する。操作部70は、一例としてタッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD:Liquid Cristal Display)で構成されるが、これに限られるものではない。例えばタッチパネル機能が搭載された有機EL(Electoro Luminescence)表示装置で構成されてもよい。さらに、これに加えて又はこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部や点灯ランプ等による表示部を設けることもできる。
画像読取部80は、原稿などを光学的に読み取って読取画像データを形成、つまり原稿に照射した光の反射光をセンサ等で検知して読取画像データを形成する。ADF(Auto Document Feeder)を有していてもよい。
そして画像形成部10は、図1で説明したように発光部である光源ヘッド13を有する。そして光源ヘッド13は、図2で説明したようにさらに、発光部制御部である光源ヘッド制御部13-4と、計測部であるカウンタ13-3mを有する。光源ヘッド制御部13-4は、一例として光源ヘッド13に設けられたASICなどであり、発光素子アレイ13-1の各光源が画像データに応じて感光体上を露光するように、光源をそれぞれ独立して制御可能である。カウンタ13-3mは後述するように、グループm毎の発光素子の発光回数をカウントする。
図5は、第1の実施形態の画像形成装置の機能ブロック図である。
画像形成装置100は、入力受付部110と、表示制御部120と、通信制御部130と、制御部140と、読出・書込処理部150と、記憶部160とを備える。
入力受付部110は、操作部70の処理によって実現され、操作者に対し操作に必要な情報を表示し、操作者による各種入力を受け付ける機能を実行する。
表示制御部120は、CPU20の処理によって実現され、入力受付部110に表示する表示画面を制御する機能を実行する。
通信制御部130は、通信I/F60の処理によって実現され、各種データを外部へメール送信したり、各種設定情報を外部機器から設定可能な場合には、外部機器とネットワーク1000経由で通信したりする機能を実行する。
制御部140は、CPU20の処理によって実現され、画像形成装置100全体を制御する機能を実行する。画像形成装置100内にCPU20に他のCPUを有している場合や、画像形成装置100内の各部の制御を行うのに特化したASIC等を有している場合は、それらと協働することによって実現してもよい。
制御部140は発光部寿命判断部141を有する。発光部寿命判断部141は、光源ヘッド制御部13-4によって実現されるがこれに限られず、CPU20によって実現されても良いし、CPU20と光源ヘッド制御部13-4とが協働して実現してもよい。
読出・書込処理部150は、CPU20の処理によって実行され、記憶部160に各種データを記憶したり、記憶部160に記憶された各種データを読み出したりする機能を実行する。
記憶部160は、HDD50の処理によって実行され、プログラムや文書データ、画像形成装置100の動作に必要な各種設定情報、画像形成装置100の動作ログ等を格納する機能を実行する。
記憶部160はさらに、発光時間記憶部161を有する。また記憶部160はさらに、計測時間記憶部162と、閾値記憶部163とを有していても良い。発光時間記憶部161、計測時間記憶部162、閾値記憶部163の詳細についてはそれぞれ後述する。
図6は、発光部による感光体への書込処理開始までのフロー図である。
一例としてMFP(Multi Function Printer/Peripheral)である画像形成装置100は、ユーザの印刷指示に基づく画像データ、具体的にはユーザがMFPのスキャナで読取った画像から生成された画像データや、ユーザが外部から送信し、LAN経由やFAX通信により受信した画像データ等を、画像形成部10によって印刷する。
すると画像形成装置100は、ウォームアップ動作を実行して印刷準備が完了し、ユーザの指示に応じた印刷要求を受け付けると図1で説明した画像形成部10による画像形成動作に対する制御である印刷制御が開始される。この印刷制御の一部として発光部発光制御が発生することで書込みが実行される。
まず制御部140が書込み要求を検出する(S101)と、制御部140は、印刷モードや印刷紙サイズなど条件に応じた各種印刷設定がCPUより行われて(S102)、制御部140によって発光部である光源ヘッド13が制御され、感光体への静電潜像の書込み処理が行われる(S103)。
図7は、発光部寿命判断部の実行する処理を説明するフロー図である。上述の発光部である光源ヘッド13による書込み処理S103が開始すると開始するフローである。
まず、カウンタ13-3mは、グループmにおける発光光源数割合を計測(カウント)する(S201)。発光光源数割合の詳細については後述する。
そして、発光時間算出部1411は、計測時間判断工程として、発光光源数割合を計測する時間である計測時間が経過したかを判断する。計測時間が経過していなければ、カウンタ13-3mによるステップS201の計測が継続する(S202)。
計測時間が経過すると、発光時間算出部1411は、発光光源数割合取得工程として、その時点での発光光源数割合を取得する(S203)。
すると発光時間算出部1411は、グループ発光時間算出工程として、グループmの前記各計測値および画像データ1dot分を形成する際の発光時間である1dot発光時間から、グループmの光源全てによるグループ発光時間を計算する(S204)。
次に発光時間算出部1411は、前回算出し記憶させた後述する累積グループ発光時間を発光時間記憶部161から読み出す(S205)。
さらに発光時間算出部1411は、累積グループ発光時間算出工程として、読み出した累積グループ発光時間に今回算出したグループ発光時間を加算する(S206)。
そして発光時間算出部1411は、記憶工程として、加算した結果更新された累積グループ発光時間を、発光時間記憶部161に記憶させて終了する(S207)。
このように累積グループ発光時間は、グループ発光時間算出のたびにグループ発光時間が加算されることで、更新される値である。
また上述の処理フローにあるようにS203~S207の各工程は計測時間が経過する度に、順番に実行されるため、それぞれ、計測時間とほぼ同じ所定間隔で実行されることになる。ただし、CPU20による処理に時間がかかったり割り込み処理が発生したりする場合などはこの限りではない。
以上の処理により、ハードウェア規模を抑制しつつ、またはCPU20を長く占有することなく、複数の素子を有する光源ヘッド等の発光寿命への到達を、実際の発光回数に基づき精度良く予測することができる。
つまり従来は、例えば印刷等における動作、つまり全光源の発光時間と製品寿命、最大印刷枚数等の想定に基づき1光源あたりの発光時間累積値を求め、光源寿命を十分満足するかどうか判断している。なお、印刷時は印刷画像によってどの光源が発光するのか変動するため、用紙全体の面積のうち、印刷(印字)されている部分の積算面積の占める割合(印字率、画像面積比、画像ドット比、印字デューティ、印刷率、印字比率、画像面積率等と呼ばれることもある。)を定めて、1光源あたりの発光時間を計算している。
理想的には、搭載されたLPHの各光源の、実際の発光時間累積値を把握し、光源寿命に達することがないかどうか判定できることが望ましい。製品で使用されたLPHの累積発光時間が分かると残寿命時間を知ることができ、LPHのリサイクル可否判定に応用すること等が可能になる。
しかしながら、例えば主走査1200dpi解像度のA3ノビサイズに対応するLPHにおいては、少なくとも15600個のLED光源(以下、光源)が必要である。そして副走査解像度1200dpiで、一例として長尺が19インチのA3ノビサイズについて露光する間カウントする構成を取った場合、1200×19=22800分カウント可能なカウンタ、つまり15bitのカウンタが、15600個必要(15×15600=234000bit)となり、非常に大きな回路構成となってしまう。
また、光源ヘッドが1ライン分発光する度に、各光源の発光状態をメモリに累積していく手段も考えられるが、処理が煩雑となり専用の制御回路を構成する必要がある。CPUで処理する場合は、CPUの占有率が高くなってしまう。
それに対し本実施形態では、光源を複数グループに分割し、各グループに属する光源の何%が発光したのかの割合を計測するため、一光源ごとにカウントする場合に比べて専用の制御回路を構成したり、CPUの占有率が高くなったりすることがない。そして、各グループに属する光源の何%が発光したのかの割合を、あらかじめ設定された複数段階に振り分けた発光光源数割合を計測することで、光源の発光回数検出精度を向上させている。
したがって、前述したように複数の素子を有する光源ヘッド等の発光寿命への到達を、ハードウェア規模を抑制しつつ、またはCPUを長く占有することなく、実際の発光回数に基づき精度良く予測するという効果を有する。
ここでさらに、比較工程として、図4の比較部1412がグループ1~mそれぞれのグループ発光時間を監視し、最も大きな値を示すグループ発光時間の数値と、閾値記憶部163にあらかじめ記憶された閾値とを比較し,最も大きな値を示すグループ発光時間の数値が閾値を超えたかどうかを判断する構成としてもよい。こうすることで、ユーザが累積グループ発光時間等の値に基づき自ら発光部の寿命を予測する必要がなくなる。
閾値はその目的、つまり発光部である光源ヘッド13が寿命に近いことを判断する目的、寿命に達する時期の予測を行う目的等に応じて適宜設定すればよい。また、閾値記憶部163に記憶される閾値は一つに限られず、複数記憶されていてもよい。複数の閾値と比較して判断することにより、寿命に達するまでの情報をより多く得られたり、寿命までの時間をより精度よく予測できたりする。
また前述の比較部1412が閾値を超えたと判断したあとさらに、通知工程として、通知部142がユーザへのメッセージを、表示制御部120を介して操作部70に表示させたり、通信制御部130を介していわゆるネットワークサービスで送信したりしてもよい。こうすることで、発光部である発光ヘッド13が寿命に近いことや、寿命に達する予測時期を速やかにユーザに通知することができる。その結果ユーザはLPH交換などの対応を行うことができ、画像形成装置100の異常画像発生やダウンタイムの低減も実現できる
なお、上述の各工程は、ASIC等のハードウェアで実現してもよいし、ソフトウェアで実現、つまりCPUがプログラムを実行してコンピュータに実行させてもよい。また、これらが協働して実現してもよい。
ここで発光回数の計測について詳細を述べる。図3で説明したように、本実施例のLPHは、384個のLEDを搭載したチップが41個配列され、LEDの総数としては15744個搭載された構成である。
計測部であるカウンタ13-3mは、41グループにグループ化された各グループに属する384個の光源のうち何%が発光したのかを1ライン分の発光動作ごとに計測する。
ここで光源のうち何%が発光したのかの割合をあらかじめ設定されたn段階に分けた発光光源数割合を計測する。以下に一例として0%~90%の10種類のカウンタを準備した場合の、発光光源数割合を用いた発光回数算出について説明する。
発光光源数割合が「0%」は、1ライン分の発光の際に384個の光源のうち発光光源数が0個の場合を示す。つまり一例としてグループ1のカウンタであるカウンタ13-31は、ある1ライン分の発光動作の際に384個の光源のうち発光光源が0個であったとき、すなわちそのラインのその光源グループが露光する領域に対応する画像が全白画像であったとき、発光光源数割合が「0%」のカウント回数を1回分加算する。
さらに発光光源数割合が「~10%」は、1ライン分の発光の際に384個の光源のうち発光光源数が1~38個の場合を示す。つまりグループ1のカウンタであるカウンタ13-31は、ある1ライン分の発光動作の際に384個の光源のうち発光光源が1~38個のいずれかの時に、発光光源数割合が「~10%」のカウント回数を1回分加算する。
同様に、「~20%」は発光光源数39~76個、「~30%」発光光源数が77~114個、「~40%」発光は発光光源数が115~152個、「~50%」は発光光源数153~190個、「~60%」は発光光源数191~228個、「~70%」は発光光源数229~266個、「~80%」は発光光源数267~304個、「~90%」は発光光源数305~342個というようにあらかじめ設定する。
A3ノビサイズの副走査ライン数は1200dpi換算すると22800ラインであるため、100%発光している回数は0%~90%のカウンタ値合計の22100を22800から減算することで求めることができる。したがって10種類のカウンタを準備することで、n=11段階の発光光源割合を設定することになる。
以上のように各カウンタ13-3mがそれぞれ、設定されたn段階の発光光源割合の発光回数を計測する。
なお、上述の実施例では各グループの光源数が一律になるようグループ化したが、各グループの光源の発光時間を算出できればこれに限られない。
次に発光時間の算出の一例を述べる。図8はグループ1のカウンタであるカウンタ13-31が計測した発光光源割合の一例を示す。
ここで、本実施形態では、発光光源数割合が「~10%」で発光した発光回数が3000回であるとき、グループ1に属する光源1個が、3000回の10%にあたる300回発光したと考える。図8の表の「グループ1の光源1個の発光回数」列に、各発光光源数割合での発光回数から算出されるグループ1の光源1個の発光回数である「300回」を記録する。
この時、LEDの1ライン(1dot)あたりの発光時間が10μsと設定されていた場合、グループ1の光源1個換算の発光時間は、発光回数に1dot発光時間を乗じた30.0msと算出できる。なお、ここでは説明を簡単にするため1ラインを1dotで露光する場合を例に説明する。しかし1ラインを複数のドットで形成するような場合は、1ラインあたりのドット数(露光回数)に応じて発光時間を算出すればよい。
グループ1のn=11段階のすべての発光光源割合について、上述のように、光源1個あたりの発光回数、そして発光時間を算出して足し合わせると、A3ノビサイズ印刷におけるグループ1のグループ発光時間は、74.7msと算出できる。
もちろん、グループ1の光源1個の発光回数はn段階の発光光源数割合、それぞれから算出した光源1個の発光回数(図8中の「グループ1の光源1個の発光回数」列の各数値)を足し合わせて、グループ1の光源1個の計測時間の間の発光回数7470回を求めた上で、1dot発光時間が10μsを乗じてグループ1のグループ発光時間74.7msを算出してもよい。このようにすべての光源グループ1~mについて発光時間を求める。
ハードウェア構成の動作の一例としては、CPU20が、各グループの計測部であるカウンタ13-3mからカウンタ値を取得して発光時間を算出する。さらにCPU20は、不揮発性メモリであるHDD50に記憶されている累積グループ発光時間を読出して今回のグループ発光時間を加算して累積グループ発光時間の値を更新する。計測時間が経過すると、CPU20は各グループの前記各計測値と1dotの画像形成における発光時間から各グループの発光時間を計算する。
図9に、ある時点に発光時間算出部1411によって算出され発光時間記憶部161に記憶された、累積グループ発光時間の例を示す。図9ではすべてのグループ1~mのうちの、グループ1,2,19,そしてグループ41について示している。図9で、単位が秒であった場合、グループ19の累積発光時間値が最も大きく、単位を時間にすると約27.8時間となる。例えば光源寿命を通知する閾値を25時間に設定していると、グループ19の光源が閾値を超えたので光源寿命に近づいたことを通知する。これにより、光源寿命になってしまう前にLPHの交換等対策を取ることが可能になる。
本実施形態のように384光源×41グループに分割し、発光光源数割合を0,10,20,30,40,50,60,70,80,90%の10種類とすると、準備するカウンタは15bit×10種類×41グループ(15×10×41=6150bit)となる。その結果、前述のようにLED15600個に対して15bitのカウンタを準備した場合の234000bitに対し、約97.4%の削減となる。
別の実施形態として、一例として400光源×39グループに分割し、発光光源数割合を0,10,20,30,40,50,60,70,80,90%の10種類とすると、準備するカウンタは15bit×10種類×39グループ(15×10×39=5850bit)となり、234000bitに対して97.5%の削減となる。
また、比較する閾値、つまり比較値を複数準備することで、LPH交換が必要となる時期の予測が行い易くなる。一例として閾値を光源寿命時間の50%、65%、80%とし、各閾値に達した時期から、より寿命に近いタイミングでLPHを交換できるように画像形成装置100の保守サービス担当がタイミングを調整できる。これはユーザによって使用頻度や印刷枚数などが異なるので、LPH交換の緊急性判断に寄与する。
なお、発光時間計算や不揮発性メモリである記憶部160へのアクセスをCPU20で行ってもよいし、光書込みヘッド制御部で実施しても良い。この場合、光書込みヘッド制御手段で行う場合は、累積発光時間値と閾値の比較を行うのであれば、例えばCPU20に割込み出力を行う或いは、累積発光時間値が閾値以上になったことを示す内部フラグを設けておき、CPU20が前記フラグの状態を検知することで光源寿命を知ることができる。
累積発光時間値を画像形成装置100内の不揮発性メモリに格納せずに、各グループの各カウンタ値をCPU経由で外部の不揮発性メモリに格納し、印刷等LPHの発光動作を行う毎にCPUが前記メモリに記憶された発光時間の値を読出して発光回数を累積することでも各グループの累積発光時間を求めることが可能である。
さらに、光源の光量が光源寿命に影響を与える構成を取る場合には、式1のように発光時間計算時に補正係数を用いることで補正された発光時間を算出してもよい。つまり一例として光源の光量を-30~+30%で変動させることができる光源ヘッド13の場合に、光量の変動に対応して発光寿命が+2~-2%となるのであれば、補正係数Aを0.98~1.02とすれば良い。光源の光量の影響も考慮することで、より精度の良い光源寿命判断をできる。
発光回数×1dotの画像形成における発光時間×補正係数A・・・(式1)
さらに、補正係数Bを用いて、発光回数を補正してもよい。例えば画像形成装置100が印刷物等によって1dot発光時間を変更できる構成の場合、変更された分が算出する発光回数の誤差となってしまうため、(式2)のように補正する。補正係数Bは一例として、1dot発光時間が8μs、10μs、12μsの3種類であれば、10μsを中央値にした場合それぞれ0.8、1.0、1.2にすれば良い。
発光回数×補正係数B・・・(式2)
前述ではユーザからの印刷指示に基づくA3ノビ画像を形成する場合を例に述べたが、濃度ムラや色ずれを検知して調整するための各種パターンを形成することもある。その場合、図10(a)に示すようにパターン含めて発光回数を計測して累積発光時間値を更新していく。
図10(a)(b)はいずれも同じ静電潜像、つまりユーザなどにより画像形成装置100に入力された入力画像と、調整用パターンAと、調整用パターンBを示している。そして図10(a)と図10(b)とでは、図中に「発光回数計測時間」として示したように、発光回数計測時間が異なっており、図10(b)の発光回数計測時間の方が、図10(a)発光回数計測時間よりも短い例である。
このとき、光源寿命判断の頻度を上げたい場合は、図10(b)に示すようにA3ノビ副走査サイズよりも短い期間で処理させるよう設定を変更する。計測時間記憶部162に計測時間を複数設定しておき、ユーザからの指示や、印刷する画像データに応じて適切な計測時間を選択するようにあらかじめ設定しておけばよい。図10(a)(b)いずれの場合も、計測時間内に全グループの累積発光時間値の更新が行えるようにする。
また、図10(a)と比較して短い周期で計測する例である図10(b)であれば、更にカウンタのbit数を削減できる。例えば図10(b)の計測時間として解像度1200dpiで副走査105mm周期と設定すれば5000回程度カウントできればよく、カウンタのbit数を13bitに削減できる。
ここで、図10(a)(b)のように、計測時間と計測時間の間に間隔を空けることなく連続して処理を行う場合は、計測時間が経過し、累積するカウンタ値が確定した以降の処理を、カウンタ値クリアまでに実施する必要がある。しかし、CPU20の処理速度などによってカウンタ値クリアに前に間に合わない場合は、以下に説明するように各カウンタ値を別途ラッチしてもよい。
図11は、書込み制御の際、カウンタ13-3mいずれかの計測タイミングを説明する図である。上から、カウンタ13-3mいずれかのカウンタ値、ラッチ値、そして制御部からカウンタ13-3mへのカウントラッチ信号、カウントクリア信号をそれぞれ示している。図10(b)の計測時間による処理の場合に対応している。
図12は、図11の領域Dを拡大した図である。カウンタ値Rの時点で計測時間が経過すると、制御部140はカウンタ13-3mにカウントラッチ信号を送信し、カウンタ値Rがラッチされる。そして制御部140は、カウンタ13-3mにカウントクリア信号を送信し、カウンタ13-3mはまた新たにカウントを開始する。
このように一定周期で本処理を行う場合はカウンタ値をラッチすることで、CPU20の処理速度等によらず、確実にカウンタ値以降の処理を実行することができる。そしてこのように各13-3mでカウンタ値をラッチしたとしても、例えば図10(a)で示す計測時間で384光源×41グループに分割して処理を行った場合、6150×2=12300bitとなり234000bitに対して約94.7%の削減となり、400光源×39グループに分割して処理を行った場合5850×2=11700bitとなり234000bitに対して95%の削減となる。
図10(b)で示す計測時間であれば、384光源×41グループに分割して処理を行った場合、5330×2=10660bitとなり234000bitに対して約97.7%の削減となり、400光源×39グループに分割して処理を行った場合5070×2=10140bitとなり234000bitに対して約95.7%の削減となる。
以上は画像形成装置100内で感光体に対する光書込みを行う発光部である光源ヘッド13の寿命を判断する方法について述べたが、これに限られず、ユーザからの指示や外部から入力された情報を処理して複数の光源を有する発光部を発光させる情報処理装置に適用可能である。
また、異常は本発明の各実施形態について詳述したが、かかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
100 画像形成装置
10 画像形成部
13 発光ヘッド
13-1 LEDアレイ
13-3m 計測部
141 発光部寿命判断部
1411 発光時間算出部
1412 比較部
142 通知部
特開2011-189633号公報

Claims (14)

  1. 感光体と、
    前記感光体表面を帯電する帯電部と、
    前記帯電された感光体表面を露光して前記感光体上に入力された画像データに応じた静電潜像を形成する発光部とを有する画像形成装置において、
    前記発光部は複数の光源をグループ分けしてなる複数の光源グループを成し、
    発光回数計測期間内において前記各光源グループの発光回数を計測するとともに、前記発光回数計測期間内における発光光源数割合を取得して、前記各光源グループの発光回数のうち前記発光光源数割合分をグループ発光回数として計測する計測部と、
    前記グループ発光回数に基づき、前記各光源グループに属する前記光源の発光時間であるグループ発光時間を算出し、
    算出した前記各グループ発光時間を累積した累積グループ発光時間を算出する発光時間算出部とを有する画像形成装置。
  2. 前記光源は異なる複数の光量で発光可能であって、前記発光時間算出部は前記光量に応じた補正係数により補正された前記発光時間を算出する請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記光源は、異なる複数画像データ1dot分の発光時間である1dot発光時間で発光可能であって、前記発光時間算出部は、前記1dot発光時間に応じた補正係数により補正された発光回数を算出する請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記累積グループ発光時間を所定の比較値と比較し、前記比較の結果をユーザに通知する請求項1ないし3いずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記比較値が複数である請求項4記載の画像形成装置。
  6. 前記画像形成装置は、
    前記累積グループ発光時間を記憶する記憶部を有し、
    前記発光時間算出部は、所定の時間間隔で前記累積グループ発光時間を算出し前記記憶部に記憶させる請求項1ないし5いずれかに記載の画像形成装置。
  7. 複数の光源を有する発光部の発光寿命予測方法であって、
    前記発光部は、複数の光源をグループ分けしてなる複数の光源グループを成し、
    発光回数計測期間内において前記各光源グループの発光回数を計測するとともに、前記発光回数計測期間内における発光光源数割合を取得して、前記各光源グループの発光回数のうち前記発光光源数割合分をグループ発光回数として計測する計測工程と、
    前記グループ発光回数に基づき、前記各光源グループに属する前記光源の発光時間であるグループ発光時間を算出し、
    算出した前記各グループ発光時間を累積した累積グループ発光時間を算出する発光時間算出工程とからなる発光寿命予測方法。
  8. 前記光源は異なる複数の光量で発光可能であって、前記発光時間算出工程は、前記光量に応じた補正係数により補正された前記発光時間を算出する請求項7記載の発光寿命予測方法。
  9. 前記光源は、異なる複数画像データ1dot分の発光時間である1dot発光時間で発光可能であって、前記発光時間算出工程は、前記1dot発光時間に応じた補正係数により補正された発光回数を算出する請求項7または8記載の発光寿命予測方法。
  10. 前記累積グループ発光時間を所定の比較値と比較し、前記比較の結果をユーザに通知する通知工程を有する請求項7ないし9いずれかに記載の発光寿命予測方法。
  11. 前記比較値が複数である請求項10記載の発光寿命予測方法。
  12. 前記累積グループ発光時間を記憶させる記憶工程を有し
    前記発光時間算出工程と、前記記憶工程は所定の時間間隔で実行される請求項7ないし11いずれかに記載の発光寿命予測方法。
  13. コンピュータに請求項7ないし12に記載の各工程を実行させることを特徴とする発光寿命予測プログラム。
  14. 複数の光源を備えた発光部を有し、
    入力されたデータに応じて前記光源を発光させる情報処理装置であって、
    前記発光部は、複数の光源をグループ分けしてなる複数の光源グループを成し、
    発光回数計測期間内において前記各光源グループの発光回数を計測するとともに、前記発光回数計測期間内における発光光源数割合を取得して、前記各光源グループの発光回数のうち前記発光光源数割合分をグループ発光回数として計測する計測部と、
    前記グループ発光回数に基づき、前記各光源グループに属する前記複数の光源の発光時間であるグループ発光時間を算出し、
    算出した前記各グループ発光時間を累積した累積グループ発光時間を算出する発光時間算出部とを有する情報処理装置。
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