JP7039862B2 - 偏光フィルムの製造方法及び偏光フィルム、偏光板 - Google Patents
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Description
かかる偏光板は、一般に偏光能を有する偏光フィルムの両面あるいは片面に接着剤層を介して保護フィルムが接着されて構成されている。現在、知られている代表的なPVOH系偏光フィルムとしては、PVOH系フィルムにヨウ素を染色・吸着させたものや有機染料を染色・吸着させたものが挙げられるが、中でもヨウ素を染色・吸着させた偏光フィルムは、偏光性能が特に優れる点から好ましく用いられる。
かかる異物は、偏光フィルムに付着し、欠点となって偏光フィルムの品質を低下させてしまい、歩留まりも低下するという問題点があった。
方法であって、該製造方法中の染色工程で使用する処理液をハイドロタルサイトに接触さ
せることを特徴とする偏光フィルムの製造方法に関するものである。
本発明で用いるPVOH系フィルムは、PVOH系樹脂を含有する樹脂水溶液を用いて流延製膜される。
PVOH系樹脂水溶液中のPVOH系樹脂の濃度は、通常5~50重量%、好ましくは20~40重量%である。
本発明においては、PVOH系フィルムに、膨潤処理、染色処理、ホウ酸架橋処理、延伸処理、洗浄処理、乾燥処理等を施して、偏光性能を付与し、偏光フィルムとなるが、好ましくは、少なくとも1)膨潤工程、2)染色工程、3)ホウ酸架橋工程、及び4)延伸工程の4つの工程を有する製造方法であることが好ましい。
また、上記バッチ処理を行なう場合に使用するイオン交換性粘土鉱物の使用量は、PVOH樹脂濃度が50ppmの処理液100重量部に対して、通常0.1~20重量部であり、好ましくは0.5~5重量部である。
連続処理を行なう際の、処理液の通液速度としては、粒状イオン交換性粘土鉱物を体積10mlになるように充填塔につめた際で、通常1~100g/hr、好ましくは5~80g/hrである。
なお、偏光度は、一般的に2枚の偏光フィルムを、その配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H11)と、2枚の偏光フィルムを、配向方向が互いに直交する方向になる様に重ね合わせた状態で、波長λにおいて測定した光線透過率(H1)より、下式にしたがって算出される。
〔(H11-H1)/(H11+H1)〕1/2
単体透過率は、分光光度計を用いて偏光フィルム単体の光線透過率を測定して得られる値である。
以下、本発明の偏光板の製造方法について説明する。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
厚さ60μmのポリビニルアルコール系フィルムをロールから巻出し、膨潤槽において、水温30℃の水に浸漬しつつ1.7倍に延伸した。次に30℃のヨウ素/ヨウ化カリウムからなる染色槽に浸漬しつつ1.6倍延伸した後、55℃のホウ酸/ヨウ化カリウムからなる処理液でホウ酸架橋を行なうと同時に延伸槽で2.1倍延伸を行った。その後、ヨウ化カリウム水溶液で洗浄を行い、乾燥して総延伸倍率5.8倍の偏光膜を連続的に得た。
[参考例1-1]
上記偏光膜製造時の染色槽の処理液を用意し、処理液中のPVOH濃度をUV吸光度法
(特開2001-316491号公報に記載の方法に準拠した)で測定した。
次いで、上記処理液30gに対して、粉末状活性白土(和光純薬工業(株)社製)0.3
gを添加し、常温下、「MIX-ROTAR MR-5」(ASONE社製:回転数40
rpm)を使用し30分間撹拌後、2時間静置し、得られた上澄み液をデカンテーション
し、UV吸光度法にてPVOH濃度を測定した。更に、残渣に対して上記と同じ操作を4
回繰り返し、合計5回処理を行なった際の上澄み液中のPVOH濃度の変化、および吸着
除去率の変化を測定した。結果は表1に示す。
参考例1-1において、活性白土に代えて、粉末状ハイドロタルサイト(和光純薬工業
(株)社製)を用いた以外は、参考例1-1と同様にして、上澄み液中のPVOH濃度の変
化、および吸着除去率の変化を測定した。結果は表1に示す。
参考例1-1において、粉末状活性白土に代えて、粒状活性白土(水澤化学工業(株)社
製、商品名「ガレオナイト#136」)を用い、その配合量を3gに変更し、処理回数を
合計4回の処理に変更した以外は、参考例1-1と同様にして、上澄み液中のPVOH濃
度の変化、および吸着除去率の変化を測定した。結果は表1に示す。
参考例1-1において、粉末状活性白土に代えて、粒状活性炭(二村化学工業(株)社製
、「太閤活性炭GL130A」)を用い、その配合量を3gに変更し、処理回数を合計4
回の処理に変更した以外は、参考例1-1と同様にして、上澄み液中のPVOH濃度の変
化、および吸着除去率の変化を測定した。結果は表1に示す。
また、粒状活性炭が染色槽の処理液中のヨウ素と反応し吸着してしまい、上澄み液は無
色透明となった。
[参考例2-1]
上記偏光膜製造時のホウ酸架橋に用いた処理液を用意し、処理液中のPVOH濃度をU
V吸光度法(特開2001-316491号公報に記載の方法に準拠した)で測定した。
次いで、上記処理液60gに対して、粉末状活性白土(和光純薬工業(株)社製)0.6
gを添加し、ホットプレートスターラーを使用し、60℃で30分間撹拌後、60℃で2
時間静置し、得られた上澄み液をデカンテーションし、UV吸光度法にてPVOH濃度を
測定した。更に、残渣に対して上記と同じ操作を2回繰り返し、合計3回処理を行なった
際の上澄み液中のPVOH濃度の変化、および吸着除去率の変化を測定した。結果は表2
に示す。
参考例2-1において、粉末状活性白土に代えて、粉末状ハイドロタルサイト(和光純
薬工業(株)社製)を用いた以外は、参考例2-1と同様にして、上澄み液中のPVOH濃
度の変化、および吸着除去率の変化を測定した。結果は表2に示す。
参考例2-1において、粉末状活性白土に代えて、粒状活性白土(水澤化学工業(株)社
製、商品名「ガレオナイト#136」)を用いた以外は、参考例2-1と同様にして、上
澄み液中のPVOH濃度の変化、および吸着除去率の変化を測定した。結果は表2に示す
。
参考例2-1において、粉末状活性白土に代えて、粒状活性炭(二村化学工業(株)社製
、「太閤活性炭GL130A」)を用いた以外は、参考例2-1と同様にして、上澄み液
中のPVOH濃度の変化、および吸着除去率の変化を測定した。結果は表2に示す。
また、比較例1-1では、活性炭がPVOHに対してある程度の吸着除去性能を示すものであることがわかるが、染色槽の処理液中に含まれるヨウ素と反応してしまい、染色槽の本来の機能が失われてしまっていることがわかった。
更に、比較例2-1の結果からは、粒状活性炭は延伸槽中のPVOH吸着除去性能には劣るものであることがわかった。
[参考例3-1]
粉末状活性白土(和光純薬工業(株)社製)0.3gを5mlビュレットに充填し、0.
48mlの吸着層とした後、上記偏光膜製造時の染色槽処理液(PVOH濃度28.4p
pm)を2.3g/hrで通液し、流出した処理液中のPVOH濃度を測定した。
結果、流出液量360gの時点までPVOHは検出されず、その後徐々に検出量が増え
たが、流出液量450gの時点でも流出液中のPVOH濃度は5.6ppmであり、処理
液中に溶解していたPVOHの99.8%が吸着除去できた。
粒状活性白土(水澤化学工業(株)社製、商品名「ガレオナイト#136」;粒度710
~250μm約80%)15gを50mlビュレットに充填し、27.2mlの吸着層と
した後、染色槽処理液(PVOH濃度38.4ppm)を60g/hrで通液し、流出し
た処理液中のPVOH濃度を測定した。
結果、流出液量2000gの時点までPVOH濃度は1ppm以下であり、その後徐々
に検出量が増えたが、流出液量4300gの時点でも流出液中のPVOH濃度は8.2p
pmであった。更に、通液速度を20g/hrに下げたところ、流出液中のPVOH濃度
が1.7ppmとなり、流出液量5000gまで継続してもPVOH濃度が増えることは
なかった。
粒状活性白土(水澤化学工業(株)社製、商品名「ガレオナイト#136」;粒度710
~250μm約80%)5gを50mlビュレットに充填し、9.1mlの吸着層とした
後、染色槽処理液(PVOH濃度37.0ppm)を20g/hrで通液し、流出した処
理液中のPVOH濃度を測定した。
結果、流出液量850gの時点までPVOH濃度は1ppm以下であり、その後徐々に
検出量が増えたが、流出液量2000gの時点でも流出液中のPVOH濃度は10ppm
以下であった。流出液量5000gまで通液を継続し、PVOH濃度20.8ppmにな
った時点で、カラムを沸騰水750gで50g/hrの速度で通液洗浄した。その後、染
色液の通液を再開したところ、PVOHの吸着性能が回復しており、流出液中のPVOH
濃度は1ppm以下となった。
Claims (5)
- ポリビニルアルコール系フィルムを用いた偏光フィルムの製造方法であって、該製造方
法中の染色工程で使用する処理液をハイドロタルサイトに接触させることを特徴とする偏
光フィルムの製造方法。 - 偏光フィルムの製造方法が、1)膨潤工程、2)染色工程、3)ホウ酸架橋工程、及び
4)延伸工程を有するものであることを特徴とする請求項1記載の偏光フィルムの製造方
法。 - 接触をバッチ処理により行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光フィル
ムの製造方法。 - 接触を充填塔を用いた連続処理により行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の
偏光フィルムの製造方法。 - 請求項1~4いずれか1項に記載の方法で偏光フィルムを製造し、得られた偏光フィル
ムを用いて偏光板を製造することを特徴とする偏光板の製造方法。
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