JP7039855B2 - 運転支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、他の物体との衝突の可能性をドライバに警告する運転支援装置に関する。
従来、警報音を出力することによって、所定の危険事象についてドライバに警告する運転支援装置がある。例えば特許文献1には、自車両が危険ポイントとして登録されている交差点にどの程度接近しているかによって危険度を判定し、危険度に応じた態様で警告処理を実施する運転支援装置が開示されている。警告処理は、ディスプレイに所定の警告メッセージを表示したり、スピーカから警報音を出力したりする処理である。また、特許文献1に開示の運転支援装置では、警告処理を実施中において、ドライバがブレーキ操作を行ったことを検出した場合には、運転支援装置が通知している危険事象をドライバが認識したものとみなし、警告処理を停止する。
特開2007-280263号公報
特許文献1に開示の運転支援装置は、ドライバがブレーキペダルを操作したことに基づいて、運転支援装置が通知している危険事象をドライバが認識したものとみなして、警告処理を停止する。しかしながら、車両を減速させる操作(以降、減速操作)は、単なる速度調整を目的として習慣的に(換言すれば無意識に)実施されうる。すなわち、減速操作は危険事象の回避等を意図せずに実施されうる。
故に、ドライバが減速操作を実施したからといって、必ずしもドライバが危険事象を認識したとは限らない。換言すれば、減速操作が実行されたからといって単純に、ドライバに危険性を訴えかける強さを弱くする制御態様は好ましくない。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、警告処理の実施態様をより適切に制御可能な運転支援装置を提供することにある。
その目的を達成するための第1の運転支援装置は、車両周辺に存在する物体についての情報を取得する周辺監視センサの出力データに基づいて、車両と衝突する可能性がある物体である要注意物を検出するリスク検出部(F2)と、周辺監視センサの出力データに基づいて、リスク検出部によって検出された要注意物と車両との衝突の危険度合いの高さを示すリスクレベルを算出するリスクレベル算出部(F3)と、車両が走行している環境についての情報であって、少なくとも車両が走行している道路の勾配及び曲率の少なくとも何れか一方を含む走行環境情報を取得する走行環境認識部(F6)と、所定の報知デバイスと連携して要注意物についてドライバに警告する処理である警告処理を、リスクレベル算出部が算出したリスクレベルに応じた態様で開始する警告処理部(F4)と、ドライバが実施している運転操作の内容を示す情報を出力する操作量センサから、ドライバが実施している運転操作の内容を示す情報を逐次取得する操作情報取得部(F5)と、操作情報取得部が特定している運転操作の内容に基づいて警告処理が開始されてからのドライバの行動のパターンを逐次判定するとともに、走行環境認識部が取得している走行環境情報に基づいて、ドライバの実施した行動パターンが、要注意物との衝突を回避するための所定の安全行動に該当するか否かを判定する行動判定部(F8)と、警告処理部が警告処理を実施している場合に、行動判定部の判定結果に基づいて、リスクレベル算出部が算出したリスクレベルを補正するリスクレベル補正部(F9)と、を備え、行動判定部は、警告処理が開始されてからのドライバの行動パターンとして、アクセルペダルをオフにする操作であるアクセルオフ操作を実施したか、及び、ブレーキペダルをオンにするブレーキオン操作を実施したかを逐次判定するものであって、行動判定部による判定対象に設定されている複数のドライバの行動パターンのそれぞれには、要注意物との衝突のリスク低減に寄与する度合いを示す安全化寄与度が、走行環境に応じて複数段階で設定されており、リスクレベル補正部は、ドライバによって実行された行動パターンに対応付けられている安全化寄与度に応じてリスクレベルの補正量を決定し、警告処理部は、リスクレベル補正部による補正が実行された場合には、警告処理の実施態様を、補正されたリスクレベルに応じた実施態様に変更するように構成されており、道路には速度調整のための習慣的な減速操作が実施される区間である習慣的減速区間が予め設定されており、同一の行動パターンに対する習慣的減速区間での安全化寄与度の値は、習慣的減速区間として設定されていない区間である通常区間での安全化寄与度の値よりも小さい値に設定されていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための第2の運転支援装置は、車両周辺に存在する物体についての情報を取得する周辺監視センサの出力データに基づいて、車両と衝突する可能性がある物体である要注意物を検出するリスク検出部(F2)と、周辺監視センサの出力データに基づいて、リスク検出部によって検出された要注意物と車両との衝突の危険度合いの高さを示すリスクレベルを算出するリスクレベル算出部(F3)と、車両が走行している環境についての情報であって、少なくとも車両が走行している道路の勾配及び曲率の少なくとも何れか一方を含む走行環境情報を取得する走行環境認識部(F6)と、所定の報知デバイスと連携して要注意物についてドライバに警告する処理である警告処理を、リスクレベル算出部が算出したリスクレベルに応じた態様で開始する警告処理部(F4)と、ドライバが実施している運転操作の内容を示す情報を出力する操作量センサから、ドライバが実施している運転操作の内容を示す情報を逐次取得する操作情報取得部(F5)と、操作情報取得部が特定している運転操作の内容に基づいて警告処理が開始されてからのドライバの行動のパターンを逐次判定するとともに、走行環境認識部が取得している走行環境情報に基づいて、ドライバの実施した行動パターンが、要注意物との衝突を回避するための所定の安全行動に該当するか否かを判定する行動判定部(F8)と、安全行動が実施されたと行動判定部が判定したことに基づいて、リスクレベル算出部が算出したリスクレベルを補正するリスクレベル補正部(F9)と、を備え、行動判定部はアクセルペダルをオフにする操作であるアクセルオフ操作を実施したか否かを逐次判定するものであって、行動判定部は、アクセルオフ操作が実施されたと判定された時点であるアクセルオフ時点での車両の位置が、習慣的な減速操作が実施される区間として予め設定されている習慣的減速区間に該当する場合にはドライバが安全行動を実施したとは判定しない一方、アクセルオフ時点における車両の位置が、習慣的減速区間として設定されていない区間である場合に安全行動を実施したと判定するように構成されており、警告処理部は、リスクレベル補正部による補正が実行された場合には、警告処理の実施態様を、補正されたリスクレベルに応じた実施態様に変更することを特徴とする。
上記目的を達成するための第3の運転支援装置は、車両周辺に存在する物体についての情報を取得する周辺監視センサの出力データに基づいて、車両と衝突する可能性がある物体である要注意物を検出するリスク検出部(F2)と、周辺監視センサの出力データに基づいて、リスク検出部によって検出された要注意物と車両との衝突の危険度合いの高さを示すリスクレベルを算出するリスクレベル算出部(F3)と、車両が走行している環境についての情報であって、少なくとも車両が走行している道路の勾配及び曲率の少なくとも何れか一方を含む走行環境情報を取得する走行環境認識部(F6)と、所定の報知デバイスと連携して要注意物についてドライバに警告する処理である警告処理を、リスクレベル算出部が算出したリスクレベルに応じた態様で開始する警告処理部(F4)と、ドライバが実施している運転操作の内容を示す情報を出力する操作量センサから、ドライバが実施している運転操作の内容を示す情報を逐次取得する操作情報取得部(F5)と、操作情報取得部が取得している運転操作の内容に基づいて警告処理が開始されてから、ドライバがアクセルペダルをオフにする操作であるアクセルオフ操作を実施したか否かを判定する行動判定部(F8)と、警告処理部は、行動判定部によってアクセルオフ操作が実施されたと判定された時点であるアクセルオフ時点での車両の位置が、習慣的な減速操作が実施される区間として予め設定されている習慣的減速区間に該当しない場合には、警告処理の実施態様を弱める一方、アクセルオフ時点での車両の位置が習慣的減速区間である場合には警告処理の実施態様を弱めないことを特徴とする。
上記の構成では、行動判定部が、警告処理が開始されてからのドライバの行動パターンを逐次判定するとともに、車両が走行している走行環境を鑑みて、ドライバの実施した行動パターンが、要注意物との衝突を回避するための所定の安全行動に該当するか否かを判定する。
一般的に、単なる速度調整を目的として習慣的に実施される場合の減速操作は、下り坂等の所定の走行環境において実行される。そのため、上記構成のようにドライバの行動が安全行動を実施したか否かの判定に走行環境情報を用いることで、走行環境に由来する習慣的な減速操作を、要注意物との衝突を回避するための減速操作として誤って取り扱う恐れを低減できる。故に、上記の構成によれば、警告処理の実施態様をより適切に制御可能となる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
運転支援システム100の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 周辺視デバイス4の設置位置の一例を示した図である。 運転支援ECU1の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 リスクレベル毎の警報態様の一例を示した図である。 アクセルオフ操作に対する安全化寄与度の走行環境毎の設定例を示した図である。 アクセルオフ操作に対する安全化寄与度の走行環境毎の設定例を示した図である。 ドライバがアクセルオフ操作とブレーキオン操作を実施した場合に適用される安全化寄与度の走行環境毎の設定例を示した図である。 ドライバが目視のみを実施した場合に適用される安全化寄与度の走行環境毎の設定例を示した図である。 警告開始関連処理を説明するためのフローチャートである。 警告態様制御処理を説明するためのフローチャートである。 アクセルオフ操作に対する安全化寄与度の走行環境毎の設定例を示した図である。 ドライバがアクセルオフ操作とブレーキオン操作を実施した場合に適用される安全化寄与度の走行環境毎の設定例を示した図である。 変形例3におけるドライバの行動パターンに対する安全化寄与度の走行環境毎の設定例を示した図である。
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明が適用された運転支援システム100について図を用いて説明する。本実施形態の運転支援システム100は、図1に示すように、運転支援ECU1、スピーカ2、ディスプレイ3、周辺視デバイス4、ロケータ5、周辺監視センサ6、車両状態センサ7、及びドライバカメラ8を備えている。なお、部材名称中のECUは、Electronic Control Unitの略であり、電子制御装置を意味する。
スピーカ2、ディスプレイ3、周辺視デバイス4、ロケータ5、周辺監視センサ6、車両状態センサ7、及びドライバカメラ8のそれぞれは、車両内に構築された通信ネットワーク(以降、LAN:Local Area Network)を介して、運転支援ECU1と相互通信可能に接続されている。以降では便宜上、運転支援システム100が搭載されている車両のことを自車両とも記載する。
運転支援ECU1は、スピーカ2などの報知デバイスと連携して、自車両と衝突する可能性がある物体(例えば先行車両)が存在することをドライバに知らせるための処理(以降、警告処理)を実施するECUである。運転支援ECU1が請求項に記載の運転支援装置に相当する。ここでの報知デバイスとは、音、光、振動、熱等を用いて運転席に着座している乗員(以降、ドライバ)に所定の情報を報知する装置である。上述したスピーカ2の他、ディスプレイ3や周辺視デバイス4も報知デバイスに該当する。
なお、本実施形態の運転支援システム100は報知デバイスとして、スピーカ2、ディスプレイ3、及び周辺視デバイス4を備えるものとするがこれに限らない。報知デバイスとして、触覚デバイスを備えていてもよい。触覚デバイスは、振動等を発生させることでドライバの触覚を刺激するデバイスである。触覚デバイスとしては、例えばステアリングホイールや、アクセルペダル、ブレーキペダル、運転席、シートベルト等の、ドライバの体に接する部分に配置されたバイブレータを採用することができる。
運転支援ECU1は、コンピュータとして構成されている。すなわち、運転支援ECU1は、種々の演算処理を実行するCPU11、不揮発性のメモリであるフラッシュメモリ12、揮発性のメモリであるRAM13、I/O14、及びこれらの構成を接続するバスラインなどを備える。CPU11は例えばマイクロプロセッサ等を用いて実現されればよい。I/O14は、運転支援ECU1が外部装置(例えば周辺監視センサ6)とデータの入出力をするためのインターフェースである。I/O14は、ICやデジタル回路素子、アナログ回路素子などを用いて実現されればよい。
フラッシュメモリ12には、通常のコンピュータを運転支援ECU1として機能させるためのプログラム(以降、運転支援プログラム)等が格納されている。なお、上述の運転支援プログラムは、フラッシュメモリ12を含む非遷移的実体的記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に格納されていればよい。CPU11が運転支援プログラムを実行することは、運転支援プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。運転支援ECU1は、CPU11が運転支援プログラムを実行することによって、種々の機能を提供する。運転支援ECU1が備える種々の機能については別途後述する。
スピーカ2は、運転支援ECU1から入力された信号に基づいて音声や警報音を出力する。なお、スピーカ2は、超音波を使うことで鋭い指向性を実現するパラメトリック・スピーカであっても良い。
ディスプレイ3は、運転支援ECU1から入力された画像を表示するデバイスである。本実施形態では一例としてディスプレイ3は、インストゥルメントパネルの車幅方向中央部(以降、中央領域)の最上部に設けられたディスプレイ(いわゆるセンターディスプレイ)とする。ディスプレイ3は、フルカラー表示が可能なものであり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いて実現することができる。
なお、他の態様としてディスプレイ3は、フロントガラスの運転席前方の一部分に虚像を映し出すヘッドアップディスプレイであってもよい。また、ディスプレイ3は、インストゥルメントパネルにおいて運転席の正面に位置する領域に配置されたディスプレイ(いわゆるメータディスプレイ)であってもよい。ディスプレイ3は、上述した位置以外の位置に搭載されたディスプレイや、ドライバによって車室内に持ち込まれた情報処理端末(例えばスマートフォン)が備えるディスプレイであってもよい。
周辺視デバイス4は、LED等を用いて実現されている発光装置である。周辺視デバイス4は、自車両の正面方向に目線を向けているドライバの周辺視野に入る位置に配置されている。ここでの周辺視野とは、有効視野から外れた領域であって、且つ、視界に入る領域を指す。有効視野は、目線が向いている方向を基準として、例えば垂直方向は30度以内、水平方向は20度以内となる範囲を想定すればよい。車室内において自車両の正面方向に目線を向けているドライバの周辺視野に入る部分とは、例えばインストゥルメントパネルの上面部(以降、インパネ上面部)200や、フロントピラーの車室内側の表面部300などである。
本実施形態では一例として周辺視デバイス4は、図2に示すようにインパネ上面部200に、複数の発光素子を車幅方向に沿って並べることによって実現されている。周辺視デバイス4を構成する複数の発光素子は、フロントガラスの下端部とインパネ上面部200との接続する部分に沿って配置されていてもよいし、インパネ上面部200において座席側の縁部に沿って配置されていてもよい。
周辺視デバイス4は、運転支援ECU1の指示に基づいて、複数の発光素子の一部又は全部を発光させる。また、周辺視デバイス4は、運転支援ECU1からの指示内容に応じた位置の発光素子を所定の発光態様で発光させることにより、部分的な誘目スポットSptを形成する。ここでの発光態様を構成する要素には、色や、輝度、点滅の有無、明滅間隔などが含まれる。周辺視デバイス4が提供する誘目スポットSpt自体は、複数の発光素子の一部を局所的に発光させることによって実現されるため、誘目スポットSptの位置は幅方向に移動可能である。加えて周辺視デバイス4は、誘目スポットSptの発光色及び発光サイズを変更可能である。
ロケータ5は、車両の現在位置を測位する装置である。ロケータ5は、GNSS受信機51、慣性センサ52、地図データベース(以下、DB)53を用いて実現されている。GNSS受信機51は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を構成する測位衛星から送信される航法信号を受信することで、当該GNSS受信機51の現在位置を逐次(例えば100ミリ秒毎に)検出するデバイスである。慣性センサ52は、例えば3軸ジャイロセンサ及び3軸加速度センサである。
地図DB53は、道路の接続関係等を示す地図データを記憶している不揮発性メモリである。地図データは、例えば、複数の道路が交差、合流、分岐する地点(以降、ノード)に関するノードデータと、その地点間を結ぶ道路(以降、リンク)に関するリンクデータを有する。リンクデータには、道路形状情報や、制限速度情報、道路種別情報などの情報も収録されている。道路形状情報は、道路の勾配、曲率などといった道路形状を示す情報であり、制限速度情報は、道路の制限速度を示す情報である。道路種別情報は、高速道路であるか否かといった道路の種別を示す情報である。
ロケータ5は、GNSS受信機51の測位結果、慣性センサ52での計測結果、及び、地図データを組み合わせることにより、自車両の現在位置、及び、自車両が走行している道路(以降、走行路)を逐次特定する。そして、特定した現在位置を示す車両位置データを運転支援ECU1に逐次提供する。自車両の現在位置は、例えば緯度、経度、高度によって表現されれば良い。
また、ロケータ5は、地図DB53から現在位置を基準として定まる所定範囲の地図データ(以降、周辺地図データ)を読み出し、運転支援ECU1に提供する。周辺地図データには、少なくとも走行路の勾配や曲率といった走行路の形状を示す情報(以降、走行路情報)が含まれていれば良い。また、本実施形態ではより好ましい態様として、周辺地図データには、走行路がトンネルを通過する場合にはトンネルの位置を示す情報(以降、トンネル位置情報)も含まれているものとする。さらに、ドライバの操作によって所定の目的地まで経路である走行予定経路が計画されている場合、ロケータ5が出力する周辺地図データには、右左折等の進路変更を実施する交差点(以降、右左折交差点)の位置を示す情報(以降、右左折位置情報)も含まれているものとする。
なお、地図データは、外部サーバ等から広域通信網を介して取得する構成としてもよい。また、ロケータ5は上述した機能を備えていればよく、自車両にナビゲーション装置が搭載されている場合には、そのナビゲーション装置をロケータ5として利用してもよい。
周辺監視センサ6は、自車両の周辺に存在する物体についての情報を収集する装置である。周辺監視センサ6としては、例えば、車両外部の所定範囲を撮像する周辺監視カメラ、車両外部の所定範囲に探査波を送信するミリ波レーダ,LIDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)、ソナー等を採用することができる。また、他の車両と相互通信を実施する車車間通信装置も、車両の周辺に存在する他車両についての情報を収集する装置に該当するため、周辺監視センサ6に含まれる。
ここでは一例として周辺監視センサ6は、車両前方を撮像するように搭載された周辺監視カメラ(以降、前方監視カメラ)とする。周辺監視センサ6としての前方監視カメラは、撮像画像を運転支援ECU1へ逐次出力する。もちろん、周辺監視センサ6は、上述したセンサ以外の周知のものであってもよい。また、運転支援ECU1は、複数のセンサを備えていてもよい。
車両状態センサ7は、自車両の走行制御に関わる状態量を検出するセンサである。本実施形態における運転支援システム100は、車両状態センサ7として、ブレーキセンサ、アクセルセンサ、車速センサ、シフトポジションセンサ、及び舵角センサを備える。ブレーキセンサは、ブレーキペダルの位置、換言すれば、ドライバによってブレーキペダルが踏み込まれている量(以降、ブレーキ踏込量)を検出するセンサである。アクセルセンサは、アクセルペダルの位置、換言すれば、アクセルペダルがドライバによって踏み込まれている量(以降、アクセル踏込量)を検出するセンサである。車速センサは、自車両の走行速度を検出するセンサである。シフトポジションセンサは、シフトレバーの設定ポジションを検出するセンサである。舵角センサは、ハンドルの回転角(いわゆる操舵角)を検出するセンサである。
各センサは、検出対象とする物理状態量の現在の値(つまり検出結果)を示すデータを運転支援ECU1に逐次提供する。種々のセンサの検出結果は、任意の電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)等を介して運転支援ECU1に提供される構成となっていても良い。
ブレーキセンサや、アクセルセンサ、舵角センサ、シフトポジションセンサ等は、ドライバの運転操作の内容を検出するセンサとしても機能する。ドライバの運転操作の内容を検出するセンサのことを以降では便宜上、操作量センサとも記載する。なお、車両状態センサ7として運転支援ECU1が接続されるべきセンサの種類は適宜設計されればよく、上述した全てのセンサと接続されている必要はない。また、上述した以外のセンサ、例えばヨーレートセンサと接続されていても良い。ヨーレートセンサは自車両の垂直軸周りの回転角速度(すなわち、ヨーレート)を検出するセンサである。
ドライバカメラ8は、ドライバの顔部を撮影するように設置されているカメラである。ドライバカメラ8は、例えば近赤外光源、近赤外カメラ、及びそれらを制御する制御ユニットを用いて実現される。ドライバカメラ8は、近赤外カメラの撮像画像に対して周知の画像認識処理を施すことで、運転席における乗員の姿勢や、ドライバの顔の向き、視線方向、瞼の開き度合い等を逐次検出する。
なお、ドライバカメラ8は、運転席に着座している乗員の顔領域を撮影するように、例えばステアリングコラムカバーや、インストゥルメントパネルの運転席に対向する部分等、適宜設計される位置に配置されていればよい。ドライバカメラ8は、撮影画像から特定したドライバの頭部姿勢や、顔の向き、視線方向、瞼の開き度合い等を示す情報を、運転支援ECU1へ逐次出力する。
<運転支援ECU1が備える機能について>
運転支援ECU1は、CPU11が上述の運転支援プログラムを実行することによって、図3に示す種々の機能ブロックに対応する機能を提供する。すなわち、運転支援ECU1は機能ブロックとして、周辺物情報取得部F1、リスク検出部F2、リスクレベル算出部F3、警告処理部F4、車両状態認識部F5、走行環境認識部F6、ドライバ状態認識部F7、行動判定部F8、及びリスクレベル補正部F9を備える。
なお、運転支援ECU1が備える機能ブロックの一部又は全部は、一つあるいは複数のIC等を用いて(換言すればハードウェアとして)実現されていてもよい。また、運転支援ECU1が備える機能ブロックの一部又は全部は、CPU11によるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されていてもよい。
周辺物情報取得部F1は、周辺監視センサ6の出力データに基づいて、自車両の周辺に存在する所定の対象物についての情報を取得する構成である。本実施形態の周辺物情報取得部F1は、周辺監視センサ6としての前方監視カメラの撮像画像に対して画像認識処理を実施し、自車両前方に存在する所定の対象物を検出するとともに、検出した対象物の自車両に対する相対位置や、相対的な移動方向、移動速度等を特定する。
ここでの対象物とは、例えば、歩行者、人間以外の動物、他車両、道路沿いに設置される構造物などである。他車両には自転車や原動機付き自転車、オートバイも含まれる。道路沿いに設置される構造物とは、例えば、ガードレール、縁石、樹木、電柱、道路標識、信号機などである。また、本実施形態ではより好ましい態様として、走行区画線等の路面標示や、路上の落下物なども対象物として登録されているものとする。
周辺物情報取得部F1は、自車両の周辺に存在する対象物毎に、相対位置等の情報を取得する。以降では便宜上、自車両の周辺に存在する対象物毎の種別や相対位置、移動方向、移動速度を示す情報を周辺物情報と称する。なお、前方監視カメラの撮像画像から対象物についての情報を抽出する機能は、前方監視カメラ自体に備えられていても良い。その場合、前方監視カメラから提供されるデータをそのまま周辺物情報として利用することができる。
リスク検出部F2は、周辺物情報取得部F1が取得した周辺物情報に基づいて、自車両と衝突する可能性がある物体(以降、要注意物)が存在するか否かを判定する。換言すれば、リスク検出部F2は、自車両と衝突する可能性がある位置に存在する物体を要注意物と判定する構成である。要注意物が存在するか否かを判定することは、自車両周辺に存在する要注意物を検出することに相当する。
本実施形態では一例として、リスク検出部F2は、自車両の前方に存在する物体(例えば先行車両や歩行者)を要注意物として検出する。もちろん、他の態様として、自車両がこれから進入する交差点に、自車両の進行方向と交差する方向(例えば横方向)から接近してきている物体を要注意物として抽出しても良い。
また、リスク検出部F2は、要注意物を検出している場合、その要注意物と自車両とが衝突するまでの残り時間である衝突残余時間(以降、TTC:Time-To-Collision)を逐次算出する。TTCは、要注意物の相対位置、相対速度、及び相対的な移動方向に基づいて算出されれば良い。例えば、TTCは、要注意物と自車両との距離を相対速度で除算した値とすればよい。TTCは周知の算出アルゴリズムを援用することができる。TTCは、加速度を考慮したTTC2ndであってもよい。リスク検出部F2が算出したTTCは後述するリスクレベル算出部F3等によって利用される。複数の要注意物が存在している場合には、複数の要注意物のそれぞれに対してTTCを算出すればよい。
なお、走行区画線、停止線等の路面標示といった、自車両の走行を妨げない物体については、自車両と衝突する可能性がない物体として取り扱えば良い。また、対向車線を走行する他車両は、方向指示器等によって自車両が存在する方向に移動する予定があることを明示していない限りは、自車両と衝突する可能性がない物体として取り扱えばよい。隣接車線を走行する他車両も同様である。なお、他車両の進路に関する情報(例えば方向指示器の作動状態)は、車車間通信によって受信したり、周辺監視カメラの撮像画像を解析したりすることで特定すれば良い。また、他の態様として、自車両の前方に存在する物体であっても、自車両と離れつつある物体は、自車両と衝突する可能性がない物体として取り扱ってもよい。
リスクレベル算出部F3は、リスク検出部F2によって要注意物が検出されている場合、リスク検出部F2が算出しているTTCに基づいて、当該要注意物と自車両とが衝突する危険度合いの高さを表すリスクレベルを決定する。リスクレベルは、その値が大きいほど、要注意物と自車両とが衝突する可能性が高いことを意味するパラメータである。なお、リスク検出部F2によって要注意物が検出されていない場合には、リスクレベルを最小値に設定するものとする。
本実施形態では一例としてリスクレベル算出部F3は、リスクレベルを1~5までの5段階で判定する。レベル1は最もリスクレベルが低い状態であって、要注意物との衝突の危険性がほとんどない(換言すれば十分に小さい)状態に相当する。レベル1の状態は、要注意物との衝突の危険性をドライバに報知する必要がない状態に対応するレベルである。レベル5は要注意物と自車両とが衝突する可能性が非常に高い状態、又は、衝突が避けられない状態を意味するレベルである。レベル5は、ドライバに要注意物との衝突の危険性を強く訴えかけるべき状態に対応する。
リスクレベル算出部F3は、リスク検出部F2によって算出されているTTCが小さいほどリスクレベルを高く判定する。具体的には、TTCが所定の第1閾値Th1以上である場合にはリスクレベルを1に設定し、TTCが第1閾値Th1未満、かつ、所定の第2閾値Th2以上である場合にはリスクレベルを2に設定する。また、TTCが第2閾値Th2未満、かつ、所定の第3閾値Th3以上である場合にはリスクレベルを3に設定する。TTCが第3閾値Th3未満、かつ、所定の第4閾値Th4以上である場合にはリスクレベルを4に設定する。そして、TTCが所定の第4閾値Th4未満である場合にはリスクレベルを5に設定する。
第1閾値Th1の具体的な値は適宜設計されればよい。ここでは一例として第1閾値Th1は14秒とする。なお、この閾値Th1を14秒に設定する構成は、物体の視覚的な大きさの増加率によって当該物体への接近を知覚するというドライバの性質を考慮した構成である。TTCが14秒以上となる領域では、ドライバは先行車両等の要注意物の大きさの変化を知覚しづらく、それに伴い要注意物に自車両が接近していることを知覚しづらい。故に、TTCが14秒以上となる領域は、警告処理を実施しても警告している事象をドライバによって理解されにくく、逆にドライバに煩わしさを与えてしまう恐れがある領域に相当する。このようなドライバの性質を鑑みると、TTCが14秒以上の場合は、衝突のリスクがほとんどない状態(つまりレベル1)であると判定することが好ましい。
第2閾値Th2は、第1閾値Th1よりも小さい範囲において適宜決定されればよい。例えば第2閾値Th2は10秒とすればよい。第3閾値Th3は、第2閾値Th2よりも小さい範囲において適宜決定されればよい。例えば第3閾値Th3は6秒とすればよい。第4閾値Th4は、第3閾値Th3よりも小さい範囲において適宜決定されればよい。例えば第4閾値Th4は3秒とすればよい。
リスクレベル算出部F3が算出したリスクレベルは警告処理部F4及びリスクレベル補正部F9等に提供される。なお、リスク検出部F2によって複数の要注意物が検出されている場合には、複数の要注意物のそれぞれに対して上記の方法によってリスクレベルを算出すれば良い。また、本実施形態では一例として、リスクレベルを決定するための指標として、TTCを採用する構成を例示するが、これに限らない。リスクレベルを算出するための指標は、車間距離であってもよい。また、車間距離を自車両の走行速度で除算したパラメータである接近度によってリスクレベルを評価してもよい。さらに、リスクレベル算出部F3は、後述するドライバ状態認識部F7によってドライバが脇見している状態等の不適正状態であると判定されている場合には、ドライバが適正状態と判定されている場合よりもリスクレベルを1段階高めに判定しても良い。なお、本実施形態では一例としてリスクレベル算出部F3はリスクレベルを1~5までの5段階で判定するが、これに限らない。リスクレベルは3段階や4段階で評価されてもよいし、6段階以上で評価されてもよい。
警告処理部F4は、警報音等を用いてリスク検出部F2によって検出されている要注意物の存在をドライバに報知する処理(つまり警告処理)を実行する構成である。警告処理部F4は、原則的に、リスクレベル算出部F3によって算出されているリスクレベルに応じた報知態様で警告処理を実施する。ただし、後述するリスクレベル補正部F9によってリスクレベル算出部F3が算出したリスクレベルが補正されている場合には、その補正後のリスクレベルに応じた態様で警告処理を実施する。つまり、警告処理部F4による警告処理の実施態様(換言すれば各報知デバイスの作動態様を)は、最終的なリスクレベルによって決定される。
図4は上述したリスクレベル毎の各報知デバイスの作動の態様(換言すればリスクレベル毎の報知態様)の一例を示す図である。例えば警告処理部F4は、リスクレベルが1に設定されている場合、何れの報知デバイスも注意喚起のためには動作させない。
リスクレベルが2に設定されている場合には、ディスプレイ3に車両前方に存在する物体との衝突に注意を促す画像(以降、注意画像)を表示させる。また、周辺視デバイス4において、要注意物が存在する方向に対応する部分を、所定の色で発光させることにより、誘目スポットSptを形成する。そのような態様によれば、ドライバは要注意物が存在する方向を直感的に認識できる。換言すれば、ドライバの視線を要注意物が存在する方向に誘導することができる。発光色は、過度にドライバに視覚的な刺激を与えない色とすればよく、ここでは一例として橙色とする。他の態様として発光色は黄色みがかった緑や、黄色など、ドライバに弱く注意を促す色味とすればよい。本実施形態では周辺視デバイス4の一部を点灯させるものとするが、他の態様として、周辺視デバイス4の全体を所定の色合いで点灯させても良い。
なお、リスクレベルが2に設定されている場合には、ディスプレイ3や周辺視デバイス4を用いて視覚的にドライバに要注意物に対する注意を促す一方、スピーカ2は作動させない。警報音等の聴覚的な刺激は、視覚的な刺激に比べるとドライバに煩わしさを与える恐れが高いためである。換言すれば、相対的にリスクレベルが低い段階では、視覚的な刺激を付加する一方、聴覚的な刺激は付加しないことによってドライバに煩わしさを与えてしまう恐れを低減することができる。
リスクレベルが3に設定されている場合、警告処理部F4は、ディスプレイ3に注意画像を表示しつつ、スピーカ2から警報音を出力させる。なお、リスクレベルが3の場合に出力させる警報音は、後述するリスクレベルが4の場合に出力される警報音よりも相対的に低い音に設定されている。吹鳴パターンとしては、相対的に長い音を所定の間隔で繰り返し出力するパターンとする。音圧も相対的に小さい値に設定されている。
また、リスクレベルが3に設定されている場合、警告処理部F4は、周辺視デバイス4において要注意物が存在する方向に対応する部分を、相対的に長い間隔で(換言すればゆっくりと)点滅させる。すなわち、点滅タイプの誘目スポットSptを形成する。点滅タイプの誘目スポットSptによれば、点灯し続けるタイプの誘目スポットSptよりも、ドライバの視線を要注意物が存在する方向に強く誘導することが期待できる。
リスクレベルが4に設定されている場合、警告処理部F4は、ディスプレイ3に所定の警告画像を表示する。警告画像は、車両前方に存在する物体との衝突の危険性を強く訴えかける(つまり警告する)画像であって、注意画像よりもドライバに危機感を与えることが期待できる画像とする。例えば、注意画像の背景色が黄色である場合には、警告画像の背景色を赤色にした画像とすればよい。
また、リスクレベルが4に設定されている場合、警告処理部F4は、スピーカ2から警報音を出力させる。なお、リスクレベルが4の場合に出力させる警報音は、リスクレベルが3の場合に出力される警報音よりも相対的に高い音に設定されている。音の長さや、繰り返し間隔も相対的に短い値に設定されている。音圧も相対的に強い値に設定されている。さらに、リスクレベルが4に設定されている場合、警告処理部F4は周辺視デバイス4の一部又は全体を、標準間隔で点滅させる。発光色は、リスクレベルが3よりもドライバに強く注意を促す色(例えば赤色)とする。
リスクレベルが5に設定されている場合、警告処理部F4は、ディスプレイ3に警告画像を表示するとともに、スピーカ2から連続的な警報音を出力させる。リスクレベルが5の場合に出力させる警報音の音高は、リスクレベルが4の場合に出力される警報音と同じか、相対的に高い音に設定されている。音圧も、リスクレベルが4の場合に出力される警報音と同じか、相対的に強い値に設定されていればよい。さらに、リスクレベルが5に設定されている場合、警告処理部F4は周辺視デバイス4の一部又は全体を、標準間隔よりも短い間隔で点滅させる。発光色は、リスクレベルが4の場合と同じ色とすればよい。
以上で述べたリスクレベル毎の警告処理の実施態様は一例であって、適宜変更することができる。ただし、リスクレベルが高いほど、要注意物との衝突の危険性が高まっていることを、ドライバに強く訴えかける態様に設定されるものとする。要注意物との衝突の危険性をドライバに強く訴えかけるということは、ドライバに与える視覚的、触覚的、聴覚的な刺激を強めることに相当する。以降では、便宜上、警告処理がドライバに要注意物との衝突の危険性を訴えかける強度のことを警告強度とも称する。上述したように、リスクレベルが高いほど、警告強度は高くなるように設定されている。
車両状態認識部F5は、車両状態センサ7から入力される信号に基づいて、自車両の状態を逐次特定する。例えば、車両状態認識部F5は、自車両の走行速度や、操舵角、アクセル踏込量、ブレーキ踏込量、方向指示器の動作状態、自車両に作用している加速度等を逐次(例えば200ミリ秒毎に)特定する。自車両の走行速度等を示すデータは、自車両データとしてRAM13等に保存する。
生成時点が異なる複数の自車両データは、例えば、最新の自車両データが先頭となるように時系列順にソートされてRAM13に保存されれば良い。また、保存されてから一定時間経過した自車両データは順次破棄されていけば良い。自車両データの保存期間は、後述する行動判定処理を実施可能なように適宜設計されれば良い。例えば自車両データの保存期間は、6~12秒程度に設定されていれば良い。ここでは一例として自車両データの保存期間は10秒に設定されているものとする。
なお、アクセル踏込量やブレーキ踏込量等は、ドライバの運転操作の内容を示す情報である。故に、クセル踏込量やブレーキ踏込量等を取得する車両状態認識部F5が請求項に記載の操作情報取得部に相当する。
走行環境認識部F6は、自車両が走行している道路(つまり走行路)についての情報(以降、走行環境情報)を取得する構成である。走行環境情報とは、例えば、走行路が勾配や曲率などである。さらに、走行環境認識部F6は、トンネル入り口までの残り距離が所定距離以下となるトンネル進入準備区間に自車両が位置しているか否かも走行環境情報に該当する。また、走行予定経路が設定されている場合には、右左折交差点までの残り距離が所定距離以下となる右左折準備区間に自車両が位置しているか否かも走行環境情報に該当する。その他、変形例3として後述するカーブ進入準備区間内に自車両が位置しているか否かも走行環境情報に該当しうる。
走行環境認識部F6は、ロケータ5から逐次提供される周辺地図データに基づいて、走行路の勾配を取得し、走行路が上り勾配であるか下り勾配であるかを特定する。上り勾配や下り勾配とみなす角度は適宜設計されればよい。例えば、勾配が上り方向に5%(≒3度)以上となっている場合には、走行路は上り勾配であると判定する。また、勾配が下り方向に5%以上となっている場合には、走行路は下り勾配であると判定する。その間の値となっている場合には、勾配は平坦であると判定すれば良い。
以降では上り方向の勾配を正の値で表し、下り方向の勾配を負の値で表すこととする。例えば勾配が+5%以上の道路とは上り勾配の道路(以降、上り勾配路)を表し、勾配が-5%以下の道路とは下り勾配の道路(以降、下り勾配路)を指す。なお、道路の勾配を示すデータは、周知の傾斜センサから取得してもよい。
なお、本実施形態では、道路の勾配を上り勾配、平坦、下り勾配の3パターンに分類した態様を開示するが、これに限らない。急な上り勾配、上り勾配、平坦、下り勾配、急な下り勾配の5パターンに分類しても良い。例えば急な上り勾配とは勾配が+8%以上の状態を表し、急な下り勾配とは勾配が-8%以下の状態を表すものとすればよい。また、緩やかな上り勾配(例えば勾配が2%以上5%以下の状態)などのパターンを導入することで6パターン以上に分類しても良い。
また、走行環境認識部F6は、ロケータ5から提供される周辺地図データに基づいて走行路の曲率を取得し、走行路が直線道路であるか、カーブであるかを判定する。曲率が所定の閾値未満である場合(換言すれば曲率半径が所定の閾値よりも大きい場合)には、走行路は直線道路であると判定する。一方、曲率が所定の閾値以上である場合(換言すれば曲率半径が所定の閾値以下である場合)には、走行路はカーブであると判定する。なお、直線道路とカーブとを切り分ける閾値は、走行路の制限速度に応じた値が適用されることが好ましい。道路の曲率は、横加速度センサやヨーレートセンサの検出結果から推定しても良い。
さらに、走行環境認識部F6は、ロケータ5からトンネル位置情報が提供されている場合には、現在位置からトンネル入り口までの残り距離を算出し、現在位置がトンネル進入準備区間に該当するか否かを判定する。また、ロケータ5から右左折位置情報が提供されている場合には、現在位置から右左折交差点までの残り距離を算出し、現在位置が右左折準備区間に該当するか否かを判定する。なお、現在地はロケータ5から提供されるものを用いれば良い。
走行環境認識部F6の認識結果を示すデータは、走行環境データとしてRAM13等に保存される。走行環境認識部F6は、所定の時間間隔で(例えば200ミリ秒毎に)走行環境データを生成して保存する。生成時点が異なる複数の走行環境データは、例えば、最新の走行環境データが先頭となるように時系列順にソートされてRAM13に保存されれば良い。また、生成及び保存されてから所定時間(例えば10秒)経過した走行環境データは順次破棄されていけば良い。走行環境データの保存期間は、自車両データの保存期間と同じ値に設定されれば良い。
ドライバ状態認識部F7は、ドライバカメラ8の検出結果や、車両状態センサ7の検出結果に基づいて、ドライバの状態を逐次特定する構成である。ドライバ状態認識部F7は、例えば、ドライバカメラ8によって特定されているドライバの顔の向きや目線方向に基づいて、ドライバが車両前方を見ていない脇見状態であるか否かを判定する。例えばドライバの顔が、車両正面方向とのなす角度が20度以上となる方向に向けられている場合に、脇見状態であると判定する。
また、ドライバの瞼の開き度合いからドライバが居眠り状態であるか否かを判定する。さらに、ドライバが居眠り状態ではない場合であっても、瞼の開き度合い等の時間変化に基づいて、ドライバの意識レベルが低下している低覚醒状態であるか否かを判定する。また、視線のふらつき等によって、漫然状態であるか否かを判定する。漫然状態であるか否かは、舵角センサによって検出される操舵角のふらつき度合いを用いて判定しても良い。脇見状態、居眠り状態、低覚醒状態、及び漫然状態等といったドライバの状態を判定する方法は上述した方法に限らない。周知の方法を採用することができる。ドライバカメラ8や舵角センサが請求項に記載のドライバ状態センサに相当する。
ドライバ状態認識部F7は、ドライバが脇見状態、居眠り状態、低覚醒状態、及び漫然状態の何れかに該当すると判定した場合には、ドライバは運転操作に不適切な状態(以降、不適正状態)であると判定する。また、ドライバが脇見状態、居眠り状態、低覚醒状態、及び漫然状態の何れにも該当しないと判定している場合には、ドライバは運転操作に適した状態(以降、適正状態)であると判定する。
なお、ここでは一例としてドライバ状態認識部F7は脇見状態、居眠り状態、低覚醒状態、及び漫然状態の全ての状態を判定するものとするが、これに限らない。脇見状態、居眠り状態、低覚醒状態、及び漫然状態の一部のみを判定するように構成されていても良い。ドライバ状態認識部F7の判定結果は、行動判定部F8によって参照される。また、ドライバ状態認識部F7の判定結果は、リスクレベル算出部F3によるリスクレベルの算出に供されても良い。
行動判定部F8は、警告処理部F4が所定の態様で警告処理を実施している場合に、現時点でのドライバの運転操作の内容、ドライバの状態、及び、走行環境と、警告処理を開始した時点での上記項目とを比較することにより、ドライバが所定の安全行動を実施したか否かを判定する。便宜上、安全行動を実施したか否かを判定する処理のことを以降では行動判定処理とも称する。なお、警告処理を開始する直前(具体的には数秒以内の時点)の状態を、警告処理を開始した時点での状態とみなして取り扱うことができる。
ここでの安全行動とは、要注意物として検出されている自車両前方に存在する物体との衝突を回避/衝突時の被害を軽減するための減速操作を指す。本実施形態の行動判定部F8は、上記の安全行動としての意識的な減速操作と、走行環境に由来する習慣的な(無意識な)減速操作とを識別するために、ドライバの運転操作の内容だけでなく、走行環境も鑑みて、安全行動を実施したか否かを判定する。換言すれば、本実施形態における安全行動は、走行環境と対応付けられて定義されている。
本実施形態では、警告処理が実行されたことをトリガとしてドライバが実施しうる複数の行動パターンに対して、要注意物との衝突のリスク低減に寄与する度合いを示す安全化寄与度が設定されている。同じ行動パターンであっても、その行動を実施した状況に応じてリスク低減に寄与する度合いは異なる。故に、行動パターン毎の安全化寄与度自体も、走行環境と対応付けて設定されている。安全化寄与度が所定の閾値(ここでは1)以上に設定されている行動パターンが前述の安全行動に該当する。
図5~図8は、走行環境に応じた行動パターン毎の安全化寄与度の設定値の一例を示したものである。図5~図8は、行動判定部F8が、ドライバが安全行動を実施したか否かを判定するためのデータを概念的に表したものに相当する。なお、図5~図6は、ドライバがアクセルペダルをオフにする(換言すればリリースする)一方、ブレーキペダルを踏み込まなかった場合の、走行環境毎の安全化寄与度の一例を示している。
また、図7は、ドライバがアクセルペダルをオフにするとともに、ブレーキペダルを踏み込んだ場合の、走行環境毎の安全化寄与度の一例を示している。図8は、ペダル操作を実施しなかったものの、ドライバの状態が不適性状態から適正状態に移行した場合の安全化寄与度の一例を示したものである。以降では便宜上、アクセルペダルをオフにする操作をアクセルオフ操作と称し、ブレーキペダルを一定量以上踏み込む操作をブレーキオン操作と称する。
ドライバの行動パターン毎の安全化寄与度は、ドライバの行動パターンと走行環境の組み合わせ毎に割り当てられたパターン番号によって管理されれば良い。本実施形態では異例として、アクセルオフ操作のみを実施する行動パターンに対しては、Aから始まるパターン番号が付与されており、アクセルオフ操作とブレーキオン操作の両方を行う行動パターンに対しては、Bから始まるパターン番号が付与されている。また、アクセルオフ操作をしない行動パターンにはCから始まるパターン番号が付与されている。
図5~図8に示すように、ドライバが同じ行動を実施した場合であっても、その行動パターンに対応する安全化寄与度は実施環境に応じて異なる値に設定する。換言すれば、或る走行環境においては安全行動と見なす行動も、別の走行環境においては安全行動とは見なさない。
例えば、平坦な道(以降、平坦路)又は上り勾配路の途中でアクセルペダルをオフにする行動パターンは安全行動とみなす一方、下り勾配路の途中でアクセルペダルをオフにする行動パターンは安全行動とは見なさない。下り勾配路では、ドライバは習慣的な速度調整のための操作として、アクセルオフ操作を実施する可能性が高いためである。また、下り勾配路では重力によって車両は減速しにくいため、先行車両等との衝突の危険性も低下しにくい。よって、下り勾配路の途中でアクセルペダルをオフにするのみの行動は、安全行動とは見なさない。下り勾配路が、請求項に記載の習慣的減速区間の一例に相当する。
なお、上り勾配路の途中であれば、重力が減速方向に作用するため、アクセルペダルをオフにすることで、十分な減速効果が得られることが期待できる。また、平坦な道であれば、アクセルペダルをオフにすることで、エンジン等の駆動源による制動力(例えばエンジンブレーキや回生ブレーキ)が作用するとともに、重力に由来する加速度は作用しないため、減速効果が得られる。よって、平坦な道や上り勾配路の途中でアクセルオフ操作は安全行動として取り扱う。なお、平坦路でのアクセルオフ操作を安全行動とするか否かは車両の特性を鑑みて適宜設計されれば良い。他の態様においては、平坦路でのアクセルオフ操作は安全行動とは見なさない設定も採用可能である。
また、ブレーキオン操作に対しても、当該ブレーキ操作を実施した時の走行環境に応じて、安全化寄与度を異なる値に設定する。ドライバが上り勾配路でブレーキを所定量踏み込んだ場合と、下り勾配路で同一量踏み込んだ場合とでは、重力の作用方向の違いに由来して、発現される制動力は異なってくるためである。
さらに、走行環境が平坦路や上り勾配路から、下り勾配路に遷移した場合には、ドライバは習慣的な速度調整のための操作として、アクセルオフ操作を実施する可能性が高い。換言すれば、走行環境が平坦路/上り勾配路から下り勾配路に遷移した状況において実行されたアクセルオフ操作は、習慣的な減速操作である可能性が高い。走行環境が上り勾配路から平坦路へと遷移した場合のアクセルオフ操作も同様である。故に、パターン番号A-4~6に該当するパターンの行動は、安全行動として取り扱わない(つまり安全化寄与度は0に設定する)。
なお、全体の傾向として、アクセル操作のみ実施する場合よりも、アクセル操作とブレーキ操作を実施している場合のほうが、安全化寄与度は高く設定する。また、下り勾配となっている場合よりも上り勾配となっている場合のほうが、同一行動に対する安全化寄与度は高く設定する。さらに、ドライバ状態が不適正状態から適正状態に遷移した場合のほうが、ドライバが警告処理に基づいて要注意物の存在に気づいた可能性が高いため、安全化寄与度を高く設定する。行動判定部F8は、ドライバが安全行動を実施したと判定した場合には、その安全行動に対応付けられている安全化寄与度をリスクレベル補正部F9に提供する。
リスクレベル補正部F9は、行動判定部F8から提供される安全化寄与度に基づいて、リスクレベル算出部F3が算出しているリスクレベルを補正する。本実施形態では一例として、リスクレベル算出部F3が算出しているリスクレベルから、行動判定部F8から提供される安全化寄与度を減算した値を最終的なリスクレベルとして、警告処理部F4に提供する。つまり、安全化寄与度をそのまま補正量(厳密には低減量)として採用する。なお、リスクレベルの最小値は1であるため、リスクレベル算出部F3が算出しているリスクレベルから、安全化寄与度を減算した結果が0以下となる場合には、リスクレベルは最小値である1に設定する。便宜上、リスクレベル補正部F9が、行動判定部F8から提供される安全化寄与度に応じてリスクレベルを補正する処理のことを補正処理と簡略して記載する。
<運転支援ECU1の作動について>
次に、図9、図10に示すフローチャートを用いて運転支援ECU1の作動について説明する。まずは、図9に示すフローチャートを用いて、運転支援ECU1が実施する警告開始関連処理について説明する。警告開始関連処理は、警告処理を開始するための処理である。警告開始関連処理は、例えば、自車両が走行中であって、且つ、警告処理を実施していない状況において、逐次(例えば200ミリ秒毎に)実行される。
まず、ステップS101では車両状態認識部F5が、車両状態センサ7から入力される信号に基づいて、例えばアクセル踏込量などの現在の自車両の状態を特定する。そして、現在の自車両の状態を示す自車両データをRAM13に保存してステップS102に移る。ステップS102では走行環境認識部F6が、ロケータ5等から提供される情報に基づいて現在の走行環境を示す走行環境データを生成してステップS103に移る。
ステップS103ではドライバ状態認識部F7が、ドライバカメラ8の検出結果及び車両状態センサ7の検出結果の少なくとも何れか1つに基づいて現在のドライバの状態を特定し、ドライバが適正状態であるか不適正状態であるかを判定する。そして、その判定結果をRAM13に保存してステップS104に移る。
ステップS104では周辺物情報取得部F1が、周辺監視センサ6の出力データに基づいて、自車両の周辺に存在する所定の対象物についての情報を取得し、ステップS105に移る。ステップS105では、まずリスク検出部F2が、周辺物情報取得部F1が取得した周辺物情報に基づいて要注意物の有無を判定する。要注意物が存在する場合にはその要注意物とのTTCを算出する。そして、リスクレベル算出部F3が、リスク検出部F2が算出しているTTCに基づいてリスクレベルを算出する。なお、要注意物が存在しない場合にはリスクレベルを1に設定する。リスクレベルの算出が完了するとステップS106に移る。
ステップS106では警告処理部F4が、前ステップS105においてリスクレベル算出部F3によって算出されたリスクレベルが警告実施レベルであるか否かを判定する。警告実施レベルとは、警告処理部F4が警告処理を実施するレベルである。本実施形態では、リスクレベルが2以上に設定されている場合に警告処理部F4はリスクレベルに応じた態様で警告処理を実施する。すなわち、2以上のリスクレベルが警告実施レベルに該当する。
よって、ステップS106は、前ステップS105においてリスクレベル算出部F3によって算出されたリスクレベルが2以上であるか否かを判定する処理に相当する。リスクレベルが2以上に設定されている場合にはステップS106が肯定判定されてステップS107に移る。一方、リスクレベルが1に設定されている場合には、本フローを終了する。つまり、リスクレベルが1に設定されている場合には、警告処理を開始しない。以降では便宜上、リスクレベルとして設定されうるレベルのうち、警告処理を実施しない/停止するレベル(ここでは1)のことを以降では警告停止レベルとも称する。
ステップS108では、ステップS105においてリスクレベル算出部F3によって算出されたリスクレベルに応じた態様で警告処理を実施する。すなわち、各報知デバイスを、現在のリスクレベルに応じた態様で作動させ始める。ステップS108の処理が完了するとステップS109に移る。ステップS109では、ステップS101~S104で取得した、警告処理を開始する直前の状態を示す種々のデータを、直前状態データとして保存して本フローを終了する。
次に図10に示すフローチャートを用いて、運転支援ECU1が実施する警告態様制御処理について説明する。警告態様制御処理は、リスクレベル算出部F3が算出するリスクレベルやリスクレベル補正部F9による補正処理の結果に基づいて警告処理の実施態様を制御する処理である。警告態様制御処理は、警告処理を実行中において逐次(例えば100ミリ秒毎に)実行されればよい。
まずステップS201では周辺物情報取得部F1が、周辺監視センサ6の出力データに基づいて自車両の周辺に存在する所定の対象物についての情報を取得し、ステップS202に移る。ステップS202ではステップS105と同様に、リスクレベル算出部F3がリスク検出部F2と協働して現在のリスクレベルを算出し、ステップS203に移る。ステップS203では警告処理部F4が、前ステップS202で新たに算出されたリスクレベルが警告実施レベルであるか(つまり2以上であるか)否かを判定する。リスクレベルが2以上である場合にはステップS203が肯定判定されてステップS204に移る。一方、現在のリスクレベルが1である場合にはステップS203が否定判定されてステップS212に移る。
ステップS204~S206は、ステップS101~103と同様の処理の内容であって、現在のドライバの操作内容や、走行環境、ドライバの状態を取得する。各種情報を取得するとステップS207に移る。
ステップS207では行動判定部F8が、ステップS204~S206で取得した現在のドライバの操作状態、ドライバの状態、及び、走行環境を示す各種データと、直前状態データとを比較することで、ドライバが安全行動を実施したか否かを判定する。安全行動を実施したか否かの判定は、走行環境や、ドライバの状態、操作内容をパラメータとして予め設計されたマップやテーブル等を用いて実施すれば良い。
なお、ステップS207において行動判定部F8がドライバによってアクセルオフ操作が実施されたと判定した時点が請求項に記載のアクセルオフ時点に相当する。また、ステップS207において行動判定部F8が、ドライバが安全行動を実施したと判定した時点が請求項に記載の安全行動実施時点に相当する。
行動判定処理の結果、ドライバが安全行動を実施したと判定した場合(換言すればドライバによる安全行動を検出した場合)にはステップS208が肯定判定されてステップS209に移る。なお、行動判定部F8は、ドライバが安全行動を実施したと判定した場合には、当該実施された安全行動に対応する安全化寄与度をリスクレベル補正部F9に提供する。
一方、ドライバによって安全行動がまだ実施されていないと判定した場合にはステップS208が否定判定されてステップS211に移る。また、ドライバによって安全行動が実施されていない場合には、後述するステップS209での補正処理が実行されないため、ステップS202で算出されたリスクレベルがそのまま警告処理部F4による警告処理の実施態様を決定するリスクレベルとして採用される。
ステップS209ではリスクレベル補正部F9が、行動判定部F8から提供される安全化寄与度に基づいて、リスクレベル算出部F3が算出しているリスクレベルを補正する。そして、その補正したリスクレベルを警告処理部F4に提供してステップS210に移る。なお、ステップS209が実行した場合には、補正後のリスクレベルが、警告処理部F4による警告処理の実施態様を決定するリスクレベルとして採用される。
ステップS210では補正後のリスクレベルが警告実施レベルであるか否かを判定する。補正後のリスクレベルが2以上である場合にはステップS210が肯定判定されてステップS211に移る。一方、補正後のリスクレベルが1である場合にはステップS210が否定判定されてステップS212に移る。
ステップS211では以上の処理で定まった最終的なリスクレベルに応じた態様で警告処理を実施する。仮に、今回のフローで決定された最終的なリスクレベルが、前回実施したフローで決定された最終的なリスクレベルよりも高くなった場合には、警告処理の実施態様を、要注意物との衝突の危険性をより強くドライバに訴えかける態様に変更する。つまり、警告強度を強める。
また、今回のフローで決定された最終的なリスクレベルが、前回実施したフローで決定された最終的なリスクレベルよりも低くなった場合には、警告処理の実施態様を、要注意物との衝突の危険性をより弱くドライバに訴えかける態様に変更する。つまり、警告強度を弱める。なお、今回のフローで決定された最終的なリスクレベルと、前回実施したフローで決定された最終的なリスクレベルと同じである場合には、本フロー開始以前に行っていた態様での警告処理を継続して実施する。ステップS212では警告処理を停止して本フローを終了する。
<実施形態のまとめ>
運転支援ECU1が警告開始関連処理を逐次実施することにより、リスクレベルが警告実施レベル(つまり2以上)となったタイミングで警告処理が開始される。また、警告処理を実施している間は、ドライバが安全行動を実施したか否かを判定し、ドライバが安全行動を実施した場合には、当該安全行動に対応したレベルだけ、リスクレベルを低い値に補正する。
このような構成によればドライバは、アクセルオフ操作等の減速操作を実行することによって、警告処理の実施態様を相対的に弱い態様に遷移させることができる。つまり、ドライバが減速操作等の安全行動を実施したにも関わらず、同じ報知態様での警告処理を実施し続けることを抑制することができる。その結果、同じ態様で警告処理を実施し続けることによってドライバに煩わしさを与えてしまう恐れを低減できる。
また、本実施形態の行動判定部F8は、ドライバの操作内容だけでなく、路面の勾配等の走行環境も考慮して、ドライバが安全行動を実施したか否かを判定する。つまり、ドライバがどんな状況でどんな操作を実施したかによって、安全行動を実施したか否かを判定する。このような構成によれば、ドライバが実施した減速操作が、要注意物との衝突を避けるために意図的に実施した操作であるのか、走行環境に応じた習慣的な操作として無意識に実施した操作であるのかをより正確に識別できる。その結果、ドライバが走行環境に応じて無意識に実行した減速操作に基づいて警告処理の実施態様を相対的に弱い態様へと遷移させてしまう恐れを低減できる。換言すれば、警告処理の実施態様をより適切に制御できる。
さらに、本実施形態では、安全行動を実施したか否かの単純な2段階評価によって、警告処理の実施態様を制御するのではなく、行動パターン及び走行環境毎に予め設定されている安全化寄与度を用いて警告処理の実施態様を制御する。具体的には、安全化寄与度が大きいほど、警告処理の実施態様を、緊迫感を弱めた態様へ遷移させる。ここで、安全化寄与度自体が、衝突リスクの低減に寄与する度合いに応じて設定されるパラメータであるため、上記構成によれば、実際の衝突リスクの低減量に応じたレベルだけ警告処理の実施態様を弱めることができる。つまり、ドライバが実施した行動が安全性の向上に寄与する度合いに応じて、警告強度を弱めるレベル数を調整する。その結果、警告処理を実施することによってドライバに煩わしさを与えてしまう恐れをより一層低減できる。
さらに、本実施形態では、ドライバの状態の変化も考慮して警告処理の実施態様を制御する。例えば、ドライバが脇見等の不適正状態から、自車両前方に視線を向けた適正状態へと移行した場合には、自車両周辺の交通状況(例えば要注意物との位置関係)を把握したことが期待できる。そのような状態になれば、ドライバは次の瞬間には交通状況の認識結果に基づく操作を実行することが期待でき、ドライバに注意を促すという警告処理の役目はある程度果たされたことを意味する。故に、同じ強度での警告処理を継続する必要はない。上記の構成によれば、ドライバへ注意を促すことと、ドライバに煩わしさを与える恐れを低減することを両立することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。また、下記の種々の変形例は適宜組み合わせて実施することもできる。なお、前述の実施形態で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した実施形態の構成を適用することができる。
[変形例1]
上述した実施形態では、ブレーキペダルに対するドライバの操作内容をオン/オフの2パターンに分けて、安全化寄与度を設定した態様を開示したが、これに限らない。ブレーキペダルの踏み込み量(つまりブレーキ踏込量)に応じて、安全化寄与度を設定することが好ましい。
その場合には、ブレーキ踏込量が大きいほど安全化寄与度を高く設定することが好ましい。ただし、急ブレーキ等では後続車両との衝突の危険性が生じうるため、ブレーキペダルを踏み込む速度である踏込速度によって、安全化寄与度を補正してもよい。踏込速度が大きいほど、或いは、踏込速度が所定の閾値以上である場合には、安全化寄与度を相対的に小さい値に設定する。
なお、ブレーキオン操作に対する安全化寄与度は、ブレーキ踏込量と道路の勾配の両方に基づいて決定されても良い。すなわち、ブレーキ踏込量が大きいほど、道路勾配が大きいほど、安全化寄与度を大きく設定する。そのような設定によれば、同一のブレーキ踏込量であっても、道路の勾配が大きいほど、当該ブレーキ操作に対する安全化寄与度は高くなる。
また、上述した実施形態では、アクセルペダルに対するドライバの操作内容をオン/オフの2パターンに分けて安全化寄与度を設定した態様を開示したが、これに限らない。上り勾配である場合には、アクセルペダルの踏み込み量(つまりアクセル踏込量)を所定量低減する操作を安全行動として採用してもよい。
[変形例2]
上述した実施形態では、ドライバが不適正状態から適正状態に遷移したか否かといったドライバの状態遷移に基づいて警告処理の実施態様(換言すれば警告強度)を制御する構成を開示したが、これに限らない。運転支援ECU1は、ドライバの状態変化を考慮せずに警告処理の実施態様を制御しても良い。そのような構成を変形例2として以下説明する。
変形例2における運転支援ECU1は、ドライバ状態認識部F7を備えない。また、これに伴い、変形例2の運転支援システム100は、ドライバカメラ8を備えている必要はない。つまり、ドライバ状態認識部F7やドライバカメラ8は任意の要素である。
このように構成された運転支援ECU1の行動判定部F8は、ドライバの操作内容、及び、走行環境をパラメータとして予め設計されたマップやテーブル等を用いて実施すれば良い。図11~図12は、本変形例2における行動パターン毎、走行環境毎の安全化寄与度の設定態様の一例(換言すれば安全行動の一例)を示したものである。
[変形例3]
以上では、下り勾配路を習慣的減速区間に設定した態様を例示したが、これに限らない。一般的に、ドライバはトンネル進入準備区間や、右左折準備区間、カーブに進入するまでの残り距離が所定距離以内となる区間(以降、カーブ進入準備区間)を走行している場合にも、習慣的な操作として減速操作を実施しうる。つまり、トンネル進入準備区間、右左折準備区間、カーブ進入準備区間の一部又は全部を習慣的減速区間に設定しても良い。
例えば、トンネル進入準備区間及び右左折準備区間を習慣的減速区間に設定し、図13に示すように現在の車両位置がトンネル進入準備区間/右左折準備区間である場合の減速操作に対する安全化寄与度を、通常区間での減速操作に対する安全化寄与度よりも小さい値に設定しても良い。ここでの通常区間とは、習慣的減速区間として設定されていない区間である。
具体的には、通常区間に設定されている平坦路でのアクセルオフ操作に対する安全化寄与度を1に設定する一方、トンネル進入準備区間/右左折準備区間に設定されている平坦路でのアクセルオフ操作に対する安全化寄与度は0に設定する。すなわち、通常区間に設定されている平坦路でのアクセルオフ操作は安全行動(具体的には安全化寄与度を1)とみなす一方、トンネル進入準備区間/右左折準備区間に設定されている平坦路でのアクセルオフ操作は、安全行動と見なさない。
なお、図13では、パターン番号A-41が、通常区間に設定されている平坦路でのアクセルオフ操作を表しており、パターン番号A-42が、トンネル進入準備区間に設定されている平坦路でのアクセルオフ操作を表している。パターン番号A-43が、右左折準備区間に設定されている平坦路でのアクセルオフ操作を表している。
[変形例4]
走行環境認識部F6は、所定のセンサの出力データに基づいて路面の状態が、制動力が作用しにくい所定の状態(以降、制動力低下状態)であるか否かを特定し、リスクレベル補正部F9は、その特定結果に応じてリスクレベルの補正量を変更しても良い。例えば、リスクレベル補正部F9は、路面状態が制動力低下状態となっている場合には、種々の行動パターンに対応付けられている安全化寄与度を、路面状態が通常状態である場合よりも1段階下げて運用する。すなわち、路面状態が制動力低下状態となっている場合には、通常時よりもリスクレベルの低減量を1段階分だけ小さくする。
ここでの制動力低下状態とは、例えば、雨等で路面が濡れている状態や、積雪している状態、舗装されていない状態といった、路面とタイヤとの摩擦力が低下する状態を指す。タイヤが摩耗して摩擦力が低下している状態を、制動力低下状態に含めてもよい。
走行路の路面が制動力低下状態であるか否かは、周辺監視センサ6としての前方監視カメラの撮像画像を解析することによって特定されれば良い。また、路面が濡れているかといった天候に由来する路面状態は、降雨を検出するレインセンサの検出結果から推定しても良いし、ワイパーの作動状態から推定してもよい。その他、図示しないセンタから配信される天候情報を受信することによって特定しても良い。
[変形例5]
上述した実施形態では、ドライバが実施した安全行動に由来する設計上の補正量(換言すれば安全化寄与度)が、リスクレベル算出部F3が算出しているリスクレベルを警告停止レベルまで補正するために十分に大きい値である場合には、リスクレベルを警告停止レベルに補正する構成とした。例えば、リスクレベル算出部F3が算出したリスクレベルが3の状態において、ドライバが実施した安全行動に由来する補正量が2以上の場合、最終的なリスクレベルを1に補正する。
このような構成によれば、ドライバが所定の安全行動を実施すれば警告処理を即座に停止できるといった効果を奏する一方で、リスクが完全に解消されたわけではないにも関わらず、リスクが解消されたと錯覚させてしまう恐れが生じる。
そこで、リスクレベル補正部F9は、リスクレベル算出部F3が算出しているリスクレベルが警告実施レベルとなっている限りは、補正後のリスクレベルが警告停止レベルとなるほど十分な補正量を提供する安全行動をドライバが実施した場合であっても、警告停止レベルには設定せずに、警告実施レベルの中で最も低いレベル(具体的には2)に設定してもよい。例えば、リスクレベル算出部F3が算出したリスクレベルが3の状態において、ドライバが実施した安全行動に由来する補正量(換言すれば安全化寄与度)が2以上の場合であっても、最終的なリスクレベルを2に設定する。
このような構成によれば、警告処理自体は継続するため、リスクが完全に解消したわけではないことをドライバに通知することができる。また、警告処理の実施態様は、相対的に弱いレベルへと遷移しうるため、ドライバに煩わしさを与える恐れを低減できる。
[変形例6]
以上では、リスクレベル補正部F9は、行動パターンに対応付けられている安全化寄与度をそのままリスクレベルを補正する量(つまり補正量)として採用する構成を開示したが、これに限らない。安全化寄与度に所定の係数を乗じた値を補正量として採用しても良い。
また、以上では安全化寄与度という概念を用いて、ドライバが実施した安全行動から間接的に補正量を決定する構成を開示したが、これに限らない。ドライバが実施した安全行動から補正量が一意に定まるように構成されていればよく、例えば行動パターン毎に、走行環境毎の補正量を設定しておいてもよい。その場合、行動パターン毎、走行環境毎の補正量は、安全化寄与度と同様の思想によって設定されればよい。そのような構成においては補正量が安全化寄与度に相当する。
[変形例7]
上述した実施形態では、警告処理を開始してから所定の待機時間(例えば4秒)経過してもドライバによるアクセルオフ操作等の減速行動が観測されなかった場合、リスクレベル補正部F9は、リスクレベル算出部F3が算出しているリスクレベルを1段階高い値へと補正しても良い。つまり、リスクレベル補正部F9は、リスクレベル算出部F3が算出しているリスクレベルを所定量低い値へと補正するだけでなく、所定量高い値へと補正する機能を備えていても良い。
100 運転支援システム、1 運転支援ECU(運転支援装置)、2 スピーカ、3 ディスプレイ、4 周辺視デバイス、5 ロケータ、6 周辺監視センサ、7 車両状態センサ、8 ドライバカメラ、F1 周辺物情報取得部、F2 リスク検出部、F3 リスクレベル算出部、F4 警告処理部、F5 車両状態認識部(操作情報取得部)、F6 走行環境認識部、F7 ドライバ状態認識部、F8 行動判定部、F9 リスクレベル補正部

Claims (9)

  1. 車両周辺に存在する物体についての情報を取得する周辺監視センサの出力データに基づいて、前記車両と衝突する可能性がある物体である要注意物を検出するリスク検出部(F2)と、
    前記周辺監視センサの出力データに基づいて、前記リスク検出部によって検出された前記要注意物と前記車両との衝突の危険度合いの高さを示すリスクレベルを算出するリスクレベル算出部(F3)と、
    前記車両が走行している環境についての情報であって、少なくとも前記車両が走行している道路の勾配及び曲率の少なくとも何れか一方を含む走行環境情報を取得する走行環境認識部(F6)と、
    所定の報知デバイスと連携して前記要注意物についてドライバに警告する処理である警告処理を、前記リスクレベル算出部が算出した前記リスクレベルに応じた態様で開始する警告処理部(F4)と、
    前記ドライバが実施している運転操作の内容を示す情報を出力する操作量センサから、前記ドライバが実施している運転操作の内容を示す情報を逐次取得する操作情報取得部(F5)と、
    前記操作情報取得部が特定している運転操作の内容に基づいて前記警告処理が開始されてからの前記ドライバの行動のパターンを逐次判定するとともに、前記走行環境認識部が取得している前記走行環境情報に基づいて、前記ドライバの実施した行動パターンが、前記要注意物との衝突を回避するための所定の安全行動に該当するか否かを判定する行動判定部(F8)と、
    前記警告処理部が前記警告処理を実施している場合に、前記行動判定部の判定結果に基づいて、前記リスクレベル算出部が算出した前記リスクレベルを補正するリスクレベル補正部(F9)と、を備え、
    前記行動判定部は、前記警告処理が開始されてからの前記ドライバの行動パターンとして、アクセルペダルをオフにする操作であるアクセルオフ操作を実施したか、及び、ブレーキペダルをオンにするブレーキオン操作を実施したかを逐次判定するものであって、
    前記行動判定部による判定対象に設定されている複数の前記ドライバの行動パターンのそれぞれには、前記要注意物との衝突のリスク低減に寄与する度合いを示す安全化寄与度が、走行環境に応じて複数段階で設定されており、
    前記リスクレベル補正部は、前記ドライバによって実行された前記行動パターンに対応付けられている前記安全化寄与度に応じて前記リスクレベルの補正量を決定し、
    前記警告処理部は、前記リスクレベル補正部による補正が実行された場合には、前記警告処理の実施態様を、補正された前記リスクレベルに応じた実施態様に変更するように構成されており、
    道路には速度調整のための習慣的な減速操作が実施される区間である習慣的減速区間が予め設定されており、
    同一の前記行動パターンに対する前記習慣的減速区間での前記安全化寄与度の値は、前記習慣的減速区間として設定されていない区間である通常区間での前記安全化寄与度の値よりも小さい値に設定されていることを特徴とする運転支援装置。
  2. 前記リスクレベル算出部は、前記リスクレベルを3段階以上の複数段階で判定するものであって、
    複数段階の前記リスクレベルのうち、最も低いレベルは、前記警告処理部による前記警告処理を停止するレベルである警告停止レベルに設定されており、前記警告処理部は、前記リスクレベルが算出した前記リスクレベルが、前記警告停止レベルより高いレベルである警告実施レベルとなった場合に、前記警告処理に開始するものであって、
    前記リスクレベル補正部は、前記リスクレベル算出部が算出している前記リスクレベルが前記警告実施レベルとなっている限りは、前記リスクレベルを前記警告停止レベルにするほど十分な補正量を提供する前記安全行動を前記ドライバが実施した場合であっても、前記警告停止レベルには設定せず、前記警告実施レベルの中で最も低いレベルに設定することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
  3. 車両周辺に存在する物体についての情報を取得する周辺監視センサの出力データに基づいて、前記車両と衝突する可能性がある物体である要注意物を検出するリスク検出部(F2)と、
    前記周辺監視センサの出力データに基づいて、前記リスク検出部によって検出された前記要注意物と前記車両との衝突の危険度合いの高さを示すリスクレベルを算出するリスクレベル算出部(F3)と、
    前記車両が走行している環境についての情報であって、少なくとも前記車両が走行している道路の勾配及び曲率の少なくとも何れか一方を含む走行環境情報を取得する走行環境認識部(F6)と、
    所定の報知デバイスと連携して前記要注意物についてドライバに警告する処理である警告処理を、前記リスクレベル算出部が算出した前記リスクレベルに応じた態様で開始する警告処理部(F4)と、
    前記ドライバが実施している運転操作の内容を示す情報を出力する操作量センサから、前記ドライバが実施している運転操作の内容を示す情報を逐次取得する操作情報取得部(F5)と、
    前記操作情報取得部が特定している運転操作の内容に基づいて前記警告処理が開始されてからの前記ドライバの行動のパターンを逐次判定するとともに、前記走行環境認識部が取得している前記走行環境情報に基づいて、前記ドライバの実施した行動パターンが、前記要注意物との衝突を回避するための所定の安全行動に該当するか否かを判定する行動判定部(F8)と、
    前記安全行動が実施されたと前記行動判定部が判定したことに基づいて、前記リスクレベル算出部が算出した前記リスクレベルを補正するリスクレベル補正部(F9)と、を備え、
    前記行動判定部はアクセルペダルをオフにする操作であるアクセルオフ操作を実施したか否かを逐次判定するものであって、
    記行動判定部は、アクセルオフ操作が実施されたと判定された時点であるアクセルオフ時点での前記車両の位置が、習慣的な減速操作が実施される区間として予め設定されている習慣的減速区間に該当する場合には、前記ドライバが前記安全行動を実施したとは判定しない一方、前記アクセルオフ時点における前記車両の位置が、前記習慣的減速区間として設定されていない区間である場合に前記安全行動を実施したと判定するように構成されており
    前記警告処理部は、前記リスクレベル補正部による補正が実行された場合には、前記警告処理の実施態様を、補正された前記リスクレベルに応じた実施態様に変更することを特徴とする運転支援装置。
  4. 前記習慣的減速区間として、下り勾配となっている道路、交差点に進入するまでの残り距離が所定距離以内となっている区間、トンネル入り口までの残り距離が所定距離以内となっている区間、カーブに進入するまでの残り距離が所定距離以内となっている区間の少なくとも何れか1つが設定されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の運転支援装置。
  5. 前記車両に搭載されてあって、前記ドライバの状態を示す情報を出力するドライバ状態センサから入力されるデータに基づいて、前記ドライバの状態を逐次特定するドライバ状態認識部(F7)を備え、
    前記リスクレベル補正部は、前記行動判定部の判定結果と、前記ドライバ状態認識部の特定結果の両方に基づいて前記リスクレベルの補正量を決定することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の運転支援装置。
  6. 前記リスクレベル補正部は、前記行動判定部によって前記安全行動が実施されたと判定された時点である安全行動実施時点で前記車両が走行している道路の勾配が上り勾配である場合には、道路の勾配が下り勾配である場合よりも大きく前記リスクレベルを低減することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の運転支援装置。
  7. 前記リスクレベル補正部は、前記警告処理が開始されてから一定時間経過しても前記行動判定部によって前記安全行動が実行されたと判定されなかった場合には、前記リスクレベルを前記リスクレベル算出部が算出した値よりも所定量高い値に補正することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の運転支援装置。
  8. 前記行動判定部は、前記警告処理が開始されてからの前記ドライバの行動パターンとして、アクセルペダルをオフにしたのちにブレーキペダルを踏み込んだか否か、及び、アクセルオフ操作を実施しなかったものの要注意物が存在する方向に視線を向けたか否かの少なくとも何れか一方を判定するように構成されている請求項1から7の何れか1項に記載の運転支援装置。
  9. 車両周辺に存在する物体についての情報を取得する周辺監視センサの出力データに基づいて、前記車両と衝突する可能性がある物体である要注意物を検出するリスク検出部(F2)と、
    前記周辺監視センサの出力データに基づいて、前記リスク検出部によって検出された前記要注意物と前記車両との衝突の危険度合いの高さを示すリスクレベルを算出するリスクレベル算出部(F3)と、
    前記車両が走行している環境についての情報であって、少なくとも前記車両が走行している道路の勾配及び曲率の少なくとも何れか一方を含む走行環境情報を取得する走行環境認識部(F6)と、
    所定の報知デバイスと連携して前記要注意物についてドライバに警告する処理である警告処理を、前記リスクレベル算出部が算出した前記リスクレベルに応じた態様で開始する警告処理部(F4)と、
    前記ドライバが実施している運転操作の内容を示す情報を出力する操作量センサから、前記ドライバが実施している運転操作の内容を示す情報を逐次取得する操作情報取得部(F5)と、
    前記操作情報取得部が取得している運転操作の内容に基づいて前記警告処理が開始されてから、前記ドライバがアクセルペダルをオフにする操作であるアクセルオフ操作を実施したか否かを判定する行動判定部(F8)と、
    前記警告処理部は、前記行動判定部によってアクセルオフ操作が実施されたと判定された時点であるアクセルオフ時点での前記車両の位置が、習慣的な減速操作が実施される区間として予め設定されている習慣的減速区間に該当しない場合には、前記警告処理の実施態様を弱める一方、前記アクセルオフ時点での前記車両の位置が前記習慣的減速区間である場合には警告処理の実施態様を弱めないことを特徴とする運転支援装置。
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