本発明の実施の形態に係る照明制御システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明制御システム10のブロック図である。照明制御システム10は、設定器1と、第1照明制御システム11と、第2照明制御システム12とを備える。
設定器1は、照明制御システム10の一斉点灯、スケジュール点灯等の設定操作を行う。また、設定器1は、消費電力の見える化、故障箇所の把握等の管理を行う。設定器1は、例えばパソコンで構成される。
第1照明制御システム11は、第1スイッチ4-1を備える。第1スイッチ4-1は例えば壁スイッチである。また、第1照明制御システム11は、負荷の動作を制御する複数の第1端末器3-1を備える。これに限らず、第1照明コントローラ2-1には、第1端末器3-1が少なくとも1台接続されれば良い。第1端末器3-1の各々には複数のリモコンリレー6が接続される。各々のリモコンリレー6には負荷が接続される。負荷は、例えば照明器具20である。図1では便宜上、負荷の一部が省略されている。
第1照明制御システム11は、制御装置である第1照明コントローラ2-1を備える。第1照明コントローラ2-1は、第1スイッチ4-1の操作に応じて、第1端末器3-1に負荷の動作を制御させる。また、第1照明コントローラ2-1は、第1スイッチ4-1の操作に応じて、第2照明制御システム12に後述するゾーン制御指令を送信する。
さらに、第1照明制御システム11は、照度センサまたは人感センサ等のセンサ5-1及びリモコントランス7を備える。センサ5-1は、照度または人の通過の有無等をセンシングした情報を第1照明コントローラ2-1に送信する。
複数の第1端末器3-1は、通信線81によって第1照明コントローラ2-1と接続されている。通信線81には、第1スイッチ4-1並びにセンサ5-1も接続される。第1照明コントローラ2-1に接続された機器間は、一対の通信線81を渡り配線することにより接続される。通信線81にて接続された機器は、双極性の時分割多重信号で互いに通信する。双極性の時分割多重信号は、例えば±24Vの信号である。第1照明制御システム11では通信線81を用いた通信が行われるが、無線を用いて通信が行われても良い。無線は例えばブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、サブギガである。
第1端末器3-1の制御線とリモコンリレー6の入力側の一端は、制御信号線で接続されている。図1では、1台の端末器に対し、4台のリモコンリレー6の入力側の一端が制御信号線を介して接続されている。なお、リモコンリレー6を内蔵した第1端末器3-1を第1照明コントローラ2-1に接続してもよい。
リモコントランス7の入力側は、外部電源に接続される。リモコントランス7は、第1端末器3-1の制御側及びリモコンリレー6の入力側にリモコンリレー6のリレー駆動電力を供給する。リレー駆動電力は、例えばAC24Vである。リモコントランス7の出力側の一端は、第1端末器3-1の共通端子に接続される。また、リモコントランス7の出力側の他端は、リモコンリレー6の入力側の他端に接続される。
第1照明コントローラ2-1は、通信線81を介して第1端末器3-1、第1スイッチ4-1及びセンサ5-1と通信を行う。第1照明コントローラ2-1が送受信する通信信号は、アドレスデータ及び制御コマンドデータを含む。第1端末器3-1は、ディップスイッチ等で構成されたアドレス設定部を備える。アドレス設定部を操作することにより、第1端末器3-1の各々に固有のアドレスが割り当てられる。本実施の形態では、ディップスイッチでアドレス設定をしているが、赤外線通信、ブルートゥース(登録商標)等により、図示しないリモコン設定器を用いて設定しても良い。
第1端末器3-1は、通信線81を介して第1照明コントローラ2-1が送信する通信信号を受信する受信部を備える。また、第1端末器3-1は、通信信号のアドレスデータを第1端末器3-1に割り当てられた固有のアドレスと比較する比較部を有する。比較部が、通信信号のアドレスデータが第1端末器3-1に割り当てられた固有のアドレスと一致すると判断した場合、第1端末器3-1は通信信号の制御コマンドを実行する。つまり、第1端末器3-1は、共通端子とリモコンリレー6の一端との間を電気的に接続させる。この第1端末器3-1の制御側の動作により、リモコンリレー6の入力側には、リモコントランス7からリレー駆動電力が供給される。
リモコンリレー6の入力側にリレー駆動電力が入力されると、リモコンリレー6は負荷側の2つの端子間を断続させる。リモコンリレー6の負荷側の2つの端子間には、外部電源と照明器具20等の負荷が直列に接続される。これにより、照明器具20等の負荷に供給される外部電源の電力を断続させることができる。このようにして、第1端末器3-1は、負荷である照明器具20等の動作を制御する。
第2照明コントローラ2-2の構成は、第1照明コントローラ2-1と同様である。第2照明コントローラ2-2は、第2スイッチ4-2を備える。また、第2照明コントローラ2-2は、負荷の動作を制御する複数の第2端末器3-2を備える。これに限らず、第2照明コントローラ2-2には、第2端末器3-2が少なくとも1台接続されれば良い。第2照明コントローラ2-2は、第2スイッチ4-2の操作、または、後述するゾーン制御指令に応じて、第2端末器3-2に負荷の動作を制御させる。また、第2照明コントローラ2-2は、照度センサまたは人感センサ等のセンサ5-2を備える。
また、設定器1、第1照明コントローラ2-1及び第2照明コントローラ2-2は、有線または無線の通信網であるLAN(Local Area Network)80により接続されている。
図2は、実施の形態1に係る第1スイッチ4-1の正面図である。第1スイッチ4-1は、複数のボタン42を備える。複数のボタン42は、複数の第1端末器3-1、後述するグループおよびゾーンに対応するボタン42を含む。ボタン42の操作により、照明器具20が点灯または消灯する。また、ボタン42により照明器具20の調光率が操作されても良い。
第1スイッチ4-1は、第1スイッチ4-1の特定のボタン42が押下されたことを示す押下信号を第1照明コントローラ2-1に送信する。押下信号を受信した第1照明コントローラ2-1は、特定のボタン42とひも付けされた第1端末器3-1に操作コマンドを送信する。第1スイッチ4-1のボタン42と、第1端末器3-1の固有アドレスとのひも付け情報である対応テーブルは、第1照明コントローラ2-1に保管される。
第1スイッチ4-1及びセンサ5-1がアドレス設定部を備えている場合、第1スイッチ4-1及びセンサ5-1のアドレスは、アドレス設定部の操作により設定されても良い。第1スイッチ4-1及びセンサ5-1がアドレス設定部を備えていない場合、第1スイッチ4-1及びセンサ5-1のアドレスは、通電時に設定器1または図示しないリモコン設定器を用いて設定される。
また、第1スイッチ4-1は、複数の第1端末器3-1の状態を表示する表示部44、46を有する。表示部44、46は、複数の第1端末器3-1の状態をLEDにより表示する。表示部44、46は各々のボタン42に設けられている。表示部44は例えば赤色のLEDを備える。表示部46は例えば緑色のLEDを備える。ボタン42に対応する第1端末器3-1の負荷が点灯状態のとき、表示部44が点灯し表示部46が消灯する。ボタン42に対応する第1端末器3-1の負荷が消灯状態のとき、表示部44が消灯し表示部46が点灯する。
第2スイッチ4-2の構成は、第1スイッチ4-1の構成と同様である。第2スイッチ4-2は、複数の第2端末器3-2の状態を表示する表示部44、46を有する。第2スイッチ4-2のボタン42と、第2端末器3-2の固有アドレスとのひも付け情報である対応テーブルは、第2照明コントローラ2-2に保管される。
図3は、実施の形態1に係る照明制御システム10における通信フレームの構成を説明する図である。通信フレームは、照明制御システム10内で送受信される通信信号の単位である。通信信号に含まれる送信先アドレス領域には、機器アドレス、グループ番号またはゾーン番号を指定可能である。以下、送信先アドレス領域にグループ番号、ゾーン番号を指定した通信を、それぞれグループ同報、ゾーン同報と言う。
機器アドレスは、第1照明コントローラ2-1及び第2照明コントローラ2-2に接続されている機器のアドレスを示す。グループ番号は、各照明コントローラに接続される機器のうち、一括して制御される機器がグループ指定される番号である。また、ゾーン番号は、第1照明制御システム11と第2照明制御システム12とに亘った制御対象領域であるゾーンの番号である。ゾーンには、第1照明コントローラ2-1に接続された機器及び第2照明コントローラ2-2に接続された機器が含まれる。ここで、ゾーンとは、少なくとも1つ以上のグループからなる集合体であり、グループは少なくとも1つ以上の最小制御単位からなる集合体である。
通信信号に含まれる送信元アドレス領域には、通信信号の送信元の機器のアドレスが指定される。コマンド領域には、通信信号によるコマンドの種類が指定される。また、データ領域には、コマンドに対応したデータが指定される。
図3に示されるグループ情報登録は、グループに属する機器を各照明コントローラに登録するコマンドである。このとき、データ領域には、グループに含まれる機器のアドレスが指定される。ゾーン情報登録は、ゾーンに属するグループを各照明コントローラに登録するコマンドである。このとき、データ領域にはグループ番号と、ゾーンに属する壁スイッチの情報が指定される。
ゾーン制御指令は、照明コントローラ間で送受信されるコマンドである。第1スイッチ4-1は、ゾーンを指定するボタン42を有する。ボタン42の操作に応じて、第1照明コントローラ2-1は第2照明コントローラ2-2にゾーン制御指令を送信する。第1照明コントローラ2-1は、LAN80を介し第2照明コントローラ2-2にゾーン制御指令を送信する。第2照明コントローラ2-2は、ゾーン制御指令に応じて複数の第2端末器3-2のうちゾーンに属する第2端末器3-2に負荷の動作を制御させる。
また、第2スイッチ4-2が、ゾーンを指定するボタン42を有しても良い。ボタン42の操作に応じて、第2照明コントローラ2-2は第1照明コントローラ2-1にゾーン制御指令を送信する。第2照明コントローラ2-2は、LAN80を介し第1照明コントローラ2-1にゾーン制御指令を送信する。第1照明コントローラ2-1は、ゾーン制御指令に応じて複数の第1端末器3-1のうちゾーンに属する第1端末器3-1に負荷の動作を制御させる。
ゾーン制御指令に対応するデータ領域には、ゾーン番号及び調光指令が指定される。調光指令は、照明器具20のON/OFF、調光情報またはフェード時間等を含む。調光情報は、ON、OFF、調光率等の情報である。フェード時間は次の状態への遷移時間の情報である。
グループ番号登録は、各機器にグループ番号を登録するコマンドである。このとき、データ領域には、登録するグループ番号が指定される。
スイッチ情報登録は、第1スイッチ4-1または第2スイッチ4-2のボタン42に、ボタン42が属する機器、グループまたはゾーンを登録するコマンドである。このとき、データ領域には、ボタン42が属する機器、グループまたはゾーンを示すボタン属性と、ボタン42の番号とが指定される。
ボタン操作通知は、第1スイッチ4-1または第2スイッチ4-2が、ボタン42が押下されたことを第1照明コントローラ2-1または第2照明コントローラ2-2に通知するコマンドである。このとき、データ領域には、押下されたボタン42のボタン属性と番号が指定される。
グループ制御指令は、第1照明コントローラ2-1から第1照明コントローラ2-1の配下のグループに、または、第2照明コントローラ2-2から第2照明コントローラ2-2の配下のグループに送信されるコマンドである。第1スイッチ4-1は、グループを指定するボタン42を有する。第1照明コントローラ2-1は、ボタン42の操作によって指定されたグループに属する第1端末器3-1に、グループ制御指令を送信する。第1端末器3-1は、グループ制御指令に応じて負荷を制御する。
また、第2スイッチ4-2は、グループを指定するボタン42を有する。第2照明コントローラ2-2は、ボタン42の操作によって指定されたグループに属する第2端末器3-2に、グループ制御指令を送信する。第2端末器3-2は、グループ制御指令に応じて負荷を制御する。
グループ制御指令に対応するデータ領域には、調光指令が指定される。調光指令は、照明器具20のON/OFF、調光情報またはフェード時間等を含む。
スイッチ表示指令は、各照明コントローラから第1スイッチ4-1または第2スイッチ4-2に送信されるコマンドである。スイッチ表示指令に応じて、第1スイッチ4-1は第1端末器3-1の状態を表示部44、46に表示させる。また、スイッチ表示指令に応じて、第2スイッチ4-2は第2端末器3-2の状態を表示部44、46に表示させる。このとき、データ領域には、照明器具20のON/OFFまたは調光情報が指定される。
個別制御指令は、第1照明コントローラ2-1から第1照明コントローラ2-1の配下の機器に、または、第2照明コントローラ2-2から第2照明コントローラ2-2の配下の機器に送信されるコマンドである。第1スイッチ4-1は、配下の機器を指定するボタン42を有する。第1照明コントローラ2-1は、ボタン42の操作によって指定された第1端末器3-1に、個別制御指令を送信する。第1端末器3-1は、個別制御指令に応じて負荷を制御する。
また、第2スイッチ4-2は、配下の機器を指定するボタン42を有する。第2照明コントローラ2-2は、ボタン42の操作によって指定された第2端末器3-2に、個別制御指令を送信する。第2端末器3-2は、個別制御指令に応じて負荷を制御する。
個別制御指令に対応するデータ領域には、調光指令が指定される。調光指令は、照明器具20のON/OFF、調光情報またはフェード時間等を含む。
なお、図3において各コマンドの左欄には、コマンドの送信先が個別の機器、グループまたはゾーンの何れであるかが示されている。Aは送信先が個別の機器、Bは送信先がグループ、Cは送信先がゾーンであることを示す。
このように、各照明コントローラは通信線81を介し、機器アドレスを指定して個別制御指令を送信することにより、個々の機器を個別に操作できる。また、各照明コントローラは通信線81を介し、グループ番号を指定してグループ制御指令を送信することにより、グループ内の機器を一斉に操作できる。さらに、各照明コントローラ2はLAN80及び通信線81を介し、ゾーン番号を指定してゾーン制御指令を送信することにより、他の照明コントローラに接続された機器を操作できる。
ここで、第1照明コントローラ2-1に接続された機器と、グループ番号の対応関係は、設定器1により第1照明コントローラ2-1に登録される。また、第2照明コントローラ2-2に接続された機器と、グループ番号の対応関係は、設定器1により第2照明コントローラ2-2に登録される。また、ゾーン番号と、グループ番号及び壁スイッチの対応関係は、各照明コントローラに登録される。表1に、各照明コントローラにおける機器、グループ番号及びゾーン番号の対応関係の設定例を示す。
表1において、LC1は第1照明コントローラ2-1を示し、LC2は第2照明コントローラ2-2を示す。また、TU1~3は複数の第1端末器3-1を示し、SW1は第1スイッチ4-1または第2スイッチ4-2を示す。G1はグループ1の番号であり、G2はグループ2の番号である。Z1はゾーン1の番号である。
表1では、第1照明コントローラ2-1のグループ1に、TU1、TU2及びTU3が設定されている。また、第2照明コントローラ2-2のグループ1にTU1が設定され、グループ2にTU2、TU3及び第2スイッチ4-2が設定されている。また、第1照明コントローラ2-1では、ゾーン1にグループ1と第1スイッチ4-1が設定される。第2照明コントローラ2-2では、ゾーン1にグループ1が設定される。つまりゾーン1には、第1照明コントローラ2-1のグループ1と第1スイッチ4-1及び第2照明コントローラ2-2のグループ1が設定される。このように、ゾーンにグループ及び壁スイッチが設定されることにより、機器を個別に指定すること無しに各照明コントローラに接続された機器を一斉操作できる。また、機器を個別に指定して制御指令を送信しないため、通信信号の伝送量である通信トラフィックの増大を抑えることができる。
表1のまたぎは、他の照明コントローラからのゾーン制御指令の受付の可否を示している。第1照明コントローラ2-1には、第2照明コントローラ2-2からのゾーン制御指令の受付の可否が記憶される。第2照明コントローラ2-2には、第1照明コントローラ2-1からのゾーン制御指令の受付の可否が記憶される。ここでは、第1照明コントローラ2-1と第2照明コントローラ2-2は、共に他の照明コントローラからのゾーン制御指令を受付けている。
図4は、実施の形態1に係る照明制御システム10のグループ制御の通信シーケンスを説明する図である。図4に示される制御フロー図を用いて、第1照明コントローラ2-1でグループ1が指定された場合のグループ制御の動作を説明する。照明制御システム10の制御動作は、通信の受信等のイベント発生により開始される。つまり、照明制御システム10はイベントドリブン方式により動作する。
まず、ユーザが第1スイッチ4-1のうちグループ1を指定するボタン42を押下したとする。このとき、制御動作1に示されるように、第1スイッチ4-1はスイッチ入力を割り込み制御により読み出す。第1スイッチ4-1には、スイッチ状態がデータAとして書き込まれる。これにより、第1スイッチ4-1のうちグループ1のスイッチ状態が、押下なしから押下ありに変化する。
また、制御動作10に示されるように、第1照明コントローラ2-1は、第1スイッチ4-1の起動を割り込み制御によりモニタしている。第1照明コントローラ2-1は、定期的に起動モニタ信号を第1スイッチ4-1に送信する。起動モニタ信号は、第1スイッチ4-1のスイッチ状態の確認命令である。
第1スイッチ4-1は、第1照明コントローラ2-1からの起動モニタ信号を受信すると、制御動作2に示されるように、イベント状態を確認する。つまり、第1スイッチ4-1は、データAに書き込まれた第1スイッチ4-1のスイッチ状態を確認する。第1スイッチ4-1は、スイッチ状態に変化があった場合、制御動作3に示されるように第1照明コントローラ2-1にボタン操作通知を送信する。ボタン操作通知には、LC1のグループ1において押下ありという情報が含まれる。
ボタン操作通知を受信した第1照明コントローラ2-1は、制御動作11に示されるように、LC1のグループ1において押下ありというスイッチの変化情報をデータFとして記憶する。
ここで、第1照明コントローラ2-1は、制御対象のステータステーブルをデータGとして記憶している。制御対象のステータステーブルは、複数の第1端末器3-1の状態を示す。制御動作12に示されるように、第1照明コントローラ2-1は、スイッチ状態に応じてデータGを書き換える。制御対象のステータステーブルは、停電等によりデータが消失して動作が不安定化しないように、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリに保存される。制御対象のステータステーブルは、個々の機器アドレス及び制御状態を含む。制御状態は、ON/OFF、調光情報及びフェード時間等である。なお、制御動作12は、他の制御に優先して実施される。
次に、第1照明コントローラ2-1は、制御動作13に示されるように、指定されたグループ番号に対応する各機器アドレスにグループ制御指令を送信する。第1照明コントローラ2-1は、制御対象のステータステーブルが変化した機器のみに、ON/OFF指令等の調光指令を送信する。つまり、第1照明コントローラ2-1は、TU1、TU2、TU3に調光指令を送信する。
これに限らず、第1照明コントローラ2-1は、第1照明コントローラ2-1に接続された機器全てにグループ制御指令を送信しても良い。この場合、グループ制御指令は、制御対象であるグループ番号と調光指令とを含む。複数の第1端末器3-1は、自己の属するグループと、グループ制御指令で指定されたグループ番号とが一致した場合に、調光指令を実施する。この場合、通信線81の通信トラフィックは増大するが、第1照明コントローラ2-1に記憶された制御対象のステータステーブルと各機器の状態が不一致となるおそれを小さくできる。
この結果、制御動作7から9に示されるように、グループ1に属するTU1、TU2、TU3が点灯する。各第1端末器3-1は、第1照明コントローラ2-1から送信された制御状態を、データC~Eとして不揮発性メモリに記憶する。
次に、第1照明コントローラ2-1は、制御動作14に示されるように、第1スイッチ4-1にLED表示指令を送信する。ここでは、グループ1、TU1、TU2及びTU3に対応するボタン42において、表示部46を消灯させ、表示部44を点灯させる。つまり、LED表示を緑から赤に変化させる。
第1スイッチ4-1は、LED表示指令を受信すると、制御動作6に示されるようにLED表示を変化させる。また、第1スイッチ4-1は、LED表示状態をデータBとしてフラッシュメモリ等の不揮発性メモリに記憶する。これにより、ユーザによる第1スイッチ4-1の押下動作から始まった一連のイベントが終了する。
なお、図4の制御動作4に示されるように、第1スイッチ4-1はボタン操作通知を送信した後、データAとして一時的に記憶されたスイッチ状態をクリアしても良い。また、制御動作5に示されるように、第1スイッチ4-1はスイッチ状態に合わせてLED表示を自ら更新しても良い。この場合、第1スイッチ4-1は押下されたスイッチのLED表示を反転させる。
表1に示される例では、第1スイッチ4-1のグループ1に対応するボタン42を押下して、第1照明コントローラ2-1のグループ1を指定することにより、3台の第1端末器3-1を一斉に操作できる。
同様に、第2スイッチ4-2のグループ1に対応するボタン42を押下して、第2照明コントローラ2-2のグループ1を指定することにより、第2端末器3-2のうちTU1を操作できる。また、第2スイッチ4-2のグループ2に対応するボタン42を押下して、第2照明コントローラ2-2のグループ2を指定することにより、第2端末器3-2のうちTU2、TU3を一斉に操作できる。このように、第2スイッチ4-2により、第2端末器3-2の複数のグループを個別に操作できる。
以上から、照明制御システム10では、グループ番号を用いることにより各照明コントローラに接続された1台以上の機器を一斉に操作できる。なお、各照明コントローラに設定可能なグループ数は、2以上あってもよい。
次に、ゾーン設定及びゾーン制御について説明する。ゾーン制御では、照明制御システム10において、一方の照明コントローラに接続された壁スイッチから、一方の照明コントローラに接続された端末器と、他方の照明コントローラに接続された端末器とを一斉操作できる。言い換えると、ゾーン制御により、一方の照明コントローラに接続された壁スイッチから、一方の照明コントローラをまたいで他方の照明コントローラに接続された端末器を制御できる。以下、一方の照明コントローラをまたいで制御することを「またぎがある」、またいで制御しないことを「またぎが無い」と言う。
表1に示すように、1つのゾーン番号に複数の照明コントローラの配下のグループ番号および壁スイッチが登録される。このため、ゾーンには、個々の機器を直接登録できない。図3に示されるように、各照明コントローラが送受信するゾーン制御指令に対応するデータ領域には、ゾーン番号が指定され、端末器のアドレスを指定しない。
本実施形態の照明制御システム10は、第1スイッチ4-1の操作に応じて、第1照明コントローラ2-1は第2照明コントローラ2-2にゾーン制御指令を送信する。これにより、第1スイッチ4-1から第1照明コントローラ2-1をまたぎ、第2照明コントローラ2-2に接続された第2端末器3-2を制御できる。
第1スイッチ4-1は、ゾーンに対して点灯、消灯等の調光指令を行うボタン42を有する。このボタンをゾーンボタンと呼ぶ。ゾーンボタンが押下されると、第1照明コントローラ2-1から他の全ての照明コントローラに、ゾーン制御指令が送信される。
即ち、図3に示すように、ゾーン制御指令の送信先アドレス領域には、他の照明コントローラである第2照明コントローラ2-2のアドレスが設定される。また、ゾーン制御指令の送信元アドレス領域には、ゾーンボタンが押下された第1スイッチ4-1が接続された第1照明コントローラ2-1のアドレスが設定される。また、ゾーン制御指令のデータ領域には、ゾーン番号及び制御指令が設定される。
グループ設定とゾーン設定の特徴を表2に示す。
図5は、実施の形態1に係る照明制御システム10のゾーン制御の通信シーケンスを説明する図である。まず、図5を用いて、グループ情報登録及びゾーン情報登録の動作の一例を示す。
先ず、設定器1またはリモコン設定器は、LAN80を介して第1照明コントローラ2-1にグループ情報登録と、ゾーン情報登録のコマンドを送信する。グループ情報登録に対応するデータ領域には、G1=TU1、TU2、TU3というグループ情報が含まれる。また、ゾーン情報登録に対応するデータ領域には、Z1=G1、SW1、またぎ可というゾーン情報が含まれる。第1照明コントローラ2-1は、グループ情報及びゾーン情報を不揮発性メモリに保存する。ここで、またぎ可は、他の照明コントローラからのまたぎ制御指令を受付可であることを示す。
第1照明コントローラ2-1は、通信線81を介してTU1、TU2及びTU3にグループ番号登録のコマンドを送信する。また、第1照明コントローラ2-1は、通信線81を介して第1スイッチ4-1にスイッチ情報登録のコマンドを送信する。これにより、第1スイッチ4-1において、ゾーン番号であるZ1と、対応するボタン番号とがひも付けされる。
同様に、設定器1またはリモコン設定器は、LAN80を介して第2照明コントローラ2-2にグループ情報登録及びゾーン情報登録のコマンドを送信する。グループ情報登録に対応するデータ領域には、G1=TU1、G2=TU2、TU3、SW1というグループ情報が含まれる。また、ゾーン情報登録に対応するデータ領域には、Z1=G1、またぎ可というゾーン情報が含まれる。第2照明コントローラ2-2は、グループ情報及びゾーン情報を不揮発性メモリに保存する。
第2照明コントローラ2-2は、通信線81を介してTU1と、TU2及びTU3とにグループ番号登録のコマンドを送信する。また、第2照明コントローラ2-2は、通信線81を介して第2スイッチ4-2にスイッチ情報登録のコマンドを送信する。これにより、第2スイッチ4-2において、グループ番号であるG2と、対応するボタン番号とがひも付けされる。
次に、図5を用いてまたぎの無い場合の通常のスイッチ操作時の通信シーケンスを説明する。ここでは、第2スイッチ4-2のグループ2に対応するボタン42が押下された場合の動作を説明する。第2スイッチ4-2は、通信線81を介して第2照明コントローラ2-2にボタン操作通知のコマンドを送信する。ここでは、第2照明コントローラ2-2にG2に対応するボタン42がONされたことが通知される。
第2照明コントローラ2-2は、G2をONさせるグループ制御指令を送信する。グループ制御指令は、第2照明コントローラ2-2から通信線81を介して全ての第2端末器3-2であるTU1、TU2及びTU3にグループ同報される。この結果、第2端末器3-2にうち、G2に属するTU2及びTU3に接続された照明器具が点灯する。このときの第2端末器3-2の内部動作を以下に説明する。
グループ制御指令を受信した第2端末器3-2は、送信先アドレスに指定されたグループ番号であるG2と、自己に登録されたグループ番号とを比較する。送信先アドレスのグループ番号と自己のグループ番号が一致した場合、対象機器はグループ制御指令を処理する。つまり、グループ2に属するTU2、TU3は、制御側をONさせることにより、負荷として接続された照明器具20を点灯させる。ここで、制御側は、リモコンリレー6を内蔵した端末器の場合、負荷側となる。
また、第2照明コントローラ2-2は、第2スイッチ4-2にグループ2の状態を表示させるように、スイッチ表示指令を送信する。第2スイッチ4-2には、スイッチ表示指令がグループ同報される。第2スイッチ4-2は、G2に対応するボタン42の表示部44を赤点灯させる。
次に、またぎがある場合のスイッチ操作時の通信シーケンスを説明する。まず、照明器具20が消灯状態において、ゾーン1に対応する第1スイッチ4-1のゾーンボタンが操作された場合の動作について説明する。
第1スイッチ4-1は、通信線81を介して第1照明コントローラ2-1にボタン操作通知を送信する。ボタン操作通知に対応するデータ領域にはZ1がONされた情報が含まれる。ボタン操作通知を受信した第1照明コントローラ2-1は、不揮発性メモリに保存されたZ1=G1というゾーン情報を参照する。第1照明コントローラ2-1は、ゾーン情報に基づき、G1をONさせるようにグループ制御指令を送信する。
第1照明コントローラ2-1から通信線81を介して、複数の第1端末器3-1にG1をONさせるグループ制御指令がグループ同報される。この結果、G1に属するTU1、TU2及びTU3に接続された照明器具20が点灯する。このときの第1端末器3-1の内部動作を以下に説明する。
グループ制御指令は、送信先アドレスがG1であり、データ領域に負荷をONさせる調光指令を含む。複数の第1端末器3-1は、グループ制御指令を受信すると、送信先アドレスのグループ番号であるG1と、自己に登録されたグループ番号とを比較する。送信先アドレスのグループ番号と自己のグループ番号とが一致した場合、第1端末器3-1は調光指令を処理する。
グループ1に属するTU1、TU2及びTU3は、制御側をONさせ、負荷として接続された照明器具20を点灯させる。このように、第1照明コントローラ2-1は、ゾーンボタンの操作に応じて、複数の第1端末器3-1のうちゾーン1に属する第1端末器3-1に負荷の動作を制御させる。
また、第1照明コントローラ2-1は、LAN80を介して第2照明コントローラ2-2にゾーン制御指令を送信する。ゾーン制御指令は、ゾーンボタンの操作によって指定されたゾーンの情報を含む。ゾーン制御指令のデータ領域には、ゾーン番号であるZ1と、負荷をONさせる調光指令とが含まれる。
ゾーン制御指令を受信した第2照明コントローラ2-2は、不揮発性メモリに保存されたZ1=G1というゾーン情報を参照する。第2照明コントローラ2-2は、ゾーン情報に基づき、G1をONさせるようにグループ制御指令を送信する。
第2照明コントローラ2-2から通信線81を介して、複数の第2端末器3-2にG1をONさせるグループ制御指令がグループ同報される。この結果、G1に属するTU1に接続された照明器具20が点灯する。このときの第2端末器3-2の内部動作を以下に説明する。
グループ制御指令は、送信先アドレスがG1であり、データ領域に負荷をONさせる調光指令を含む。複数の第2端末器3-2は、グループ制御指令を受信すると、送信先アドレスのグループ番号であるG1と、自己に登録されたグループ番号とを比較する。送信先アドレスのグループ番号と自己のグループ番号とが一致した場合、第2端末器3-2は調光指令を処理する。このため、グループ1に属するTU1は、制御側をONさせ、負荷として接続された照明器具20を点灯させる。
本実施の形態では、複数の第2端末器3-2の各々は自己が属するグループを記憶している。ゾーン制御指令は、ゾーン番号として制御対象であるグループの情報を含んでいる。第2照明コントローラ2-2は、ゾーン制御指令を受信すると、制御対象であるグループの情報を複数の第2端末器3-2に送信する。複数の第2端末器3-2は、制御対象であるグループと自己が属するグループとが一致すると、負荷を制御する。
次に、第1照明コントローラ2-1は、第1スイッチ4-1及び第2スイッチ4-2にZ1がON状態であることを表示させるように、スイッチ表示指令をゾーン同報する。スイッチ表示指令がゾーン同報される場合、送信先アドレスにはゾーン番号が指定される。また、データ領域にはゾーンの状態が指定される。スイッチ表示指令は、第1照明コントローラ2-1が接続されている通信線81及びLAN80に送信される。
第1スイッチ4-1は、スイッチ表示指令をゾーン同報されると、ゾーン情報Z1=G1、SW1を参照する。第1スイッチ4-1は、自己がZ1に含まれていることを確認し、Z1に対応するボタン42の表示部46を赤点灯させる。このように、第1照明制御システム11ではゾーン1に第1スイッチ4-1が含まれるため、ゾーン同報により第1スイッチ4-1に複数の第1端末器3-1の状態を表示させることができる。
また、第2照明コントローラ2-2は、第1照明コントローラ2-1からスイッチ表示指令がゾーン同報されると、通信線81にスイッチ表示指令のコマンドをゾーン同報する。第2スイッチ4-2は、第2照明コントローラ2-2から通信線81を介してスイッチ表示指令がゾーン同報されると、ゾーン情報Z1=G1を参照する。第2照明制御システム12において、Z1に第2スイッチ4-2は含まれていない。このため、第2スイッチ4-2はスイッチ表示指令を処理しない。
本実施の形態では、第2スイッチ4-2は自己が属するグループG2を記憶している。第1照明コントローラ2-1は、第1スイッチ4-1の操作に応じてスイッチ表示指令を送信する。第2スイッチ4-2は、ゾーン番号として通知される制御対象であるグループと、自己が属するグループが一致すると、スイッチ表示指令に応じて表示部44、46に複数の第2端末器3-2の状態を表示する。
次に、第1スイッチ4-1において、2回目のゾーンボタンの操作がなされたとする。第1スイッチ4-1は、通信線81を介して第1照明コントローラ2-1にボタン操作通知を送信する。ボタン操作通知に対応するデータ領域にはZ1がOFFされた情報が含まれる。ボタン操作通知を受信した第1照明コントローラ2-1は、Z1=G1というゾーン情報を参照する。第1照明コントローラ2-1は、ゾーン情報に基づき、G1をOFFさせるようにグループ制御指令を送信する。
これにより、第1照明コントローラ2-1から通信線81を介して、複数の第1端末器3-1にG1をOFFさせるグループ制御指令がグループ同報される。この結果、グループ1に属するTU1、TU2及びTU3は、制御側をOFFさせ、負荷として接続された照明器具20を消灯させる。
また、第1照明コントローラ2-1は、LAN80を介して第2照明コントローラ2-2にゾーン制御指令を送信する。ゾーン制御指令のデータ領域には、ゾーン番号であるZ1と、負荷をOFFさせる調光指令とが含まれる。
ゾーン制御指令を受信した第2照明コントローラ2-2は、Z1=G1というゾーン情報を参照する。第2照明コントローラ2-2は、ゾーン情報に基づき、G1をOFFさせるようにグループ制御指令を送信する。
これにより、第2照明コントローラ2-2から通信線81を介して、複数の第2端末器3-2にG1をOFFさせるグループ制御指令がグループ同報される。この結果、グループ1に属するTU1は、制御側をOFFさせ、負荷として接続された照明器具20を消灯させる。
次に、第1照明コントローラ2-1は、第1スイッチ4-1及び第2スイッチ4-2にZ1がOFF状態であることを表示させるように、スイッチ表示指令をゾーン同報する。第1スイッチ4-1は、スイッチ表示指令をゾーン同報され、Z1に対応するボタンの表示部44を緑点灯させる。
また、第2照明コントローラ2-2は、第1照明コントローラ2-1からスイッチ表示指令がゾーン同報されると、通信線81にスイッチ表示指令をゾーン同報する。第2スイッチ4-2は、スイッチ表示指令がゾーン同報されると、ゾーン情報Z1=G1を参照する。第2照明制御システム12において、Z1に第2スイッチ4-2が含まれていないため、第2スイッチ4-2はスイッチ表示指令を処理しない。
本実施の形態では、一方の制御システムから他方の制御システムに制御情報を送信することにより、機器増設または配線変更をせずに、第1照明制御システム11から第2照明制御システム12を制御できる。従って、容易かつ安価で、照明コントローラまたいで端末器を制御できる。
また、本実施の形態では、グループ同報及びゾーン同報を用いることにより、機器ごとに指令を送信するよりも通信トラフィック等の通信リソースを節約できる。特に、ゾーン制御指令では、データ領域にゾーン番号を含めば良く、制御対象である個々の機器のアドレスを含まなくても良い。このため、通信信号を簡略化できる。
本実施の形態では、2台の照明コントローラを備えた照明制御システム10を例にしてゾーン設定及びゾーン制御を説明した。これに限らず、照明制御システム10が備える照明コントローラは、2台以上であっても良い。
また、本実施の形態では、またぎ制御の情報としてゾーンを使用した。これに限らず、第1照明コントローラ2-1から送信されるゾーン制御指令は、複数の第2端末器3-2のうち制御対象である第2端末器3-2を指定する情報を含めば良い。このとき、第2照明コントローラ2-2は、ゾーン制御指令に応じて制御対象である第2端末器3-2に負荷の動作を制御させる。例えば、本実施の形態ではスイッチのボタン操作通知および照明コントローラ間の通信でゾーンを対象としているが、グループ情報が指定されても良い。
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。