JP7035772B2 - 硫化物固体電解質の製造方法 - Google Patents

硫化物固体電解質の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、硫化物固体電解質の製造方法に関する。
全固体電池は、正極層および負極層の間に固体電解質層を有する電池である。全固体電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。全固体電池における固体電解質層を構成する固体電解質として、硫化物固体電解質が知られている。
硫化物固体電解質は、Liイオン伝導性が高いため、電池の高出力化を図る上で有用であり、従来から種々の研究がなされている。特許文献1には、酸化物固体電解質層が被覆された酸化物活物質と、硫化物固体電解質とに対して、大気圧未満に減圧された圧力下で、硫化物固体電解質を塑性変形させながら混合する処理を加えることにより、硫化物固体電解質層を形成する被覆工程を有する複合活物質の製造方法が開示されている。特許文献1は、硫化物固体電解質層の被覆効率を向上させることが可能な複合活物質の製造方法を提供することができる。特許文献2には、原料組成物を非晶質化して硫化物ガラスを合成する非晶質化工程と、硫化物ガラスを結晶化温度以上の温度で加熱し、ガラスセラミックスを合成する熱処理工程とを有し、熱処理工程が不活性ガス雰囲気の開放環境下で行われ、熱処理工程における熱処理温度および熱処理時間が特定の範囲にある硫化物固体電解質の製造方法が開示されている。特許文献2は、硫黄成分の揮発を抑制することができる硫化物固体電解質の製造方法を提供することができる。
特開2017-152348号公報 特開2014-127389号公報
硫化物固体電解質には、不純物として単体硫黄が混入する場合がある。硫化物固体電解質に存在する単体硫黄を除去する方法としては、例えばトルエン等の有機溶媒を用いて洗浄・除去する方法があるが、当該方法では、硫化物固体電解質の表面に存在する単体硫黄を除去することができるものの、硫化物固体電解質中に存在する単体硫黄までを除去することは困難である。また、当該方法を用いることで、容量維持率が低下する場合がある。そこで、本発明者等は、硫化物ガラスを結晶化する際、硫化物ガラスを流動させながら加熱する流動加熱工程について検討したところ、硫化物固体電解質中に存在する単体硫黄を除去することができる一方で、上記工程に要する時間が長いという課題を発見した。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、硫化物固体電解質中に存在する単体硫黄を十分に除去することができ、かつ工程に要する時間を短縮することが可能な硫化物固体電解質の製造方法を提供することを主目的とする。
上記課題を達成するために、本開示においては、Li元素、P元素およびS元素を含有する硫化物ガラスを、流動させながら200℃以上、220℃以下の加熱温度で加熱する流動加熱工程を有し、上記流動加熱工程は、大気圧下で、上記硫化物ガラスを流動させながら上記加熱温度まで昇温加熱する昇温加熱処理と、上記昇温加熱処理後に、大気圧未満の減圧下で、上記硫化物ガラスを流動させながら加熱する減圧加熱処理と、を有する硫化物固体電解質の製造方法を提供する。
本開示によれば、流動加熱工程が、Li元素、P元素およびS元素を含有する硫化物ガラスを、流動させながら200℃以上、220℃以下の加熱温度で加熱する工程であり、大気圧下で、上記硫化物ガラスを流動させながら上記加熱温度まで昇温加熱する昇温加熱処理と、上記昇温加熱処理後に、大気圧未満の減圧下で、上記硫化物ガラスを流動させながら加熱する減圧加熱処理と、を有することにより、硫化物固体電解質中に存在する単体硫黄を十分に除去することができ、かつ工程に要する時間を短縮することが可能な硫化物固体電解質の製造方法を提供することができる。
本開示における硫化物固体電解質の製造方法は、硫化物固体電解質中に存在する単体硫黄を十分に除去することができ、かつ工程に要する時間を短縮することができるという効果を奏する。
本開示における硫化物固体電解質の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本開示における流動加熱工程を説明するための説明図である。 硫化物ガラスの昇温加熱処理に要する時間に対するLiイオン伝導度を示すグラフである。 硫化物ガラスの圧力に対する気体伝熱量を示すグラフである。
以下、本開示における硫化物固体電解質の製造方法について、詳細に説明する。
本開示における硫化物固体電解質の製造方法は、Li元素、P元素およびS元素を含有する硫化物ガラスを、流動させながら200℃以上、220℃以下の加熱温度で加熱する流動加熱工程を有し、上記流動加熱工程は、大気圧下で、上記硫化物ガラスを流動させながら上記加熱温度まで昇温加熱する昇温加熱処理と、上記昇温加熱処理後に、大気圧未満の減圧下で、上記硫化物ガラスを流動させながら加熱する減圧加熱処理と、を有する製造方法である。
本開示における硫化物固体電解質の製造方法について、図面を参照して説明する。図1は、本開示における硫化物固体電解質の製造方法の一例を示すフローチャートである。図1に例示するように、本開示における硫化物固体電解質の製造方法は、Li元素、P元素およびS元素を含有する硫化物ガラスを、流動させながら200℃以上、220℃以下の加熱温度で加熱する流動加熱工程を有する。また、上記流動加熱工程は、大気圧下で、上記硫化物ガラスを流動させながら上記加熱温度まで昇温加熱する昇温加熱処理と、上記昇温加熱処理後に、大気圧未満の減圧下で、上記硫化物ガラスを流動させながら加熱する減圧加熱処理と、を有する。
本開示によれば流動加熱工程が、Li元素、P元素およびS元素を含有する硫化物ガラスを、流動させながら200℃以上、220℃以下の加熱温度で加熱する工程であり、大気圧下で、上記硫化物ガラスを流動させながら上記加熱温度まで昇温加熱する昇温加熱処理と、上記昇温加熱処理後に、大気圧未満の減圧下で、上記硫化物ガラスを流動させながら加熱する減圧加熱処理と、を有することにより、硫化物固体電解質中に存在する単体硫黄を十分に除去することができ、かつ工程に要する時間を短縮することが可能な硫化物固体電解質の製造方法を提供することができる。このような効果が得られる理由としては、次のようなことが考えられる。すなわち、図2に示すように、流動加熱工程において硫化物ガラスを流動させた際、流動加熱装置内の硫化物ガラスに温度勾配が生じる場合がある。温度勾配が生じると、流動加熱工程における加熱処理に時間を要し、さらに硫化物固体電解質の品質にばらつきが生じるおそれがある。一方、本開示においては、流動加熱工程が、大気圧下で昇温する昇温加熱処理と、昇温加熱処理の後に、大気圧未満に減圧する減圧加熱処理とを有する、すなわち硫化物ガラスを流動する際に大気圧下から減圧下へと変化させることにより、図2に示すように、流動する硫化物ガラスの流動回転方向および回転中心を変えることができる。これにより、流動性を向上させることができ、均一に加熱処理することができるため、加熱処理(流動加熱工程)に要する時間を短縮することができると考えられる。また、上記理由により、硫化物固体電解質の品質のばらつきを抑制することができる。また、硫化物固体電解質中に存在する単体硫黄を除去するといった観点から、流動加熱工程を大気圧未満の減圧下で行う場合があるが、昇温加熱処理を減圧下で行うと処理に要する時間が長くなるという問題がある。これに対し、本開示においては、昇温加熱処理が、大気圧下で200℃以上220℃以下の温度に昇温する処理であるため、大気圧未満の減圧下で昇温する場合に比べて昇温速度を向上させることができる。これは、図4に示すように、大気圧未満の減圧下に比べて、大気圧下での硫化物ガラスの気体伝熱量が増加することに起因すると考えられる。昇温速度が向上することにより、流動加熱工程に要する時間を短縮することが可能となる。さらに、本開示における流動加熱工程は、200℃以上220℃以下の温度で行われるため、リチウムイオン伝導度の高い硫化物固体電解質を得ることができる。なお、このことは、例えば図3に示すグラフにより明らかである。
以下、本開示における硫化物固体電解質の製造方法における流動加熱工程について説明する。
1.流動加熱工程
流動加熱工程は、Li元素、P元素およびS元素を含有する硫化物ガラスを、流動させながら200℃以上、220℃以下の加熱温度で加熱する工程である。また、流動加熱工程は、大気圧下で、硫化物ガラスを流動させながら加熱温度まで昇温加熱する昇温加熱処理と、昇温加熱処理後に、大気圧未満の減圧下で、硫化物ガラスを流動させながら加熱する減圧加熱処理と、を有する。
流動加熱工程は、Li元素、P元素およびS元素を含有する硫化物ガラスを、流動させながら200℃以上、220℃以下の加熱温度で加熱する工程である。流動加熱工程における加熱温度が200℃以上220℃以下であることにより、硫化物ガラスを結晶化してガラスセラミックスである硫化物固体電解質を得ることができる。また、例えば図3に示すグラフからも明らかなように、加熱温度が200℃以上220℃以下であることにより、Liイオン伝導度が良好な硫化物固体電解質を得ることができる。また、200℃以上220℃以下の加熱温度は、単体硫黄の融点以上の温度であるため、硫化物固体電解質中に存在する単体硫黄を融解し、硫化物固体電解質の表面に液体の単体硫黄を溶出させることができ、硫化物固体電解質の表面から液体の単体硫黄を揮発させることができる。このようにして、硫化物固体電解質中に存在する単体硫黄を除去することができる。
ここで、硫化物固体電解質の結晶化温度は、示差熱分析(DTA)により決定することができる。硫化物固体電解質の結晶化温度は、硫化物固体電解質の組成によって異なるが、例えば130℃以上250℃以下である。また、上記「単体硫黄の融点」とは、硫化物固体電解質に含まれる単体硫黄の融点を意味し、融点の異なる複数の単体硫黄の同素体が含まれている場合には、最も融点が低い同素体の融点を意味する。単体硫黄には30以上の同素体が存在するが、融点を有する単体硫黄として、一般的には環状のS硫黄が知られている。S硫黄には、α硫黄(斜方硫黄、融点112.8℃)、β硫黄(単斜硫黄、融点119.6℃)、γ硫黄(単斜硫黄、融点106.8℃)の3つの結晶形が存在する。
硫化物ガラスを流動させる方法は、例えば、流動加熱装置内に硫化物ガラスを投入し、硫化物ガラスに振動を加えることで流動させる方法が挙げられる。流動加熱装置を用いた場合、振動の条件は特に限定されないが、振動周波数は、例えば10Hz以上100Hz以下であり、振幅は、例えば1mm以上10mm以下である。なお、流動加熱工程において流動加熱装置を用いない場合、容器内に硫化物ガラスを投入し、上記容器を回転させることで硫化物ガラスを流動させてもよい。
流動加熱工程は、少なくとも昇温加熱処理および減圧加熱処理を有する。以下、昇温加熱処理および減圧加熱処理について説明する。
流動加熱工程においては、大気圧(760torr)下で、硫化物ガラスを流動させながら所定の加熱温度(200℃以上220℃以下)まで昇温加熱する(昇温加熱処理)。昇温加熱処理は、密閉された環境下にて行われることが好ましい。大気圧下で昇温加熱することにより、硫化物ガラスへの気体伝熱量が増加し、硫化物ガラスが結晶化する温度までの昇温速度が向上する。なお、この結果は、例えば図4に示すグラフからも明らかである。
昇温加熱処理の処理時間は、大気圧下で200℃以上220℃以下の加熱温度まで昇温加熱することができる程度の時間であればよいが、例えば大気圧下での処理時間が長すぎる場合には、流動加熱工程に要する時間が長くなるおそれがある。したがって、昇温加熱処理の処理時間は、例えば3分以上であり、5分以上であってもよく、10分以上であってもよい。一方、昇温加熱処理の処理時間は、例えば1時間以下であり、40分以下であってもよく、30分以下であってもよく、20分以下であってもよい。
流動加熱工程においては、昇温加熱処理後に、大気圧未満の減圧下で、硫化物ガラスを流動させながら加熱する(減圧加熱処理)。流動加熱工程が行われる雰囲気を大気圧から大気圧未満に減圧することで、例えば図2に示すように、流動する硫化物ガラスの流動回転方向と回転中心とを変えることができ、流動性を向上させることができる。流動性が向上すると、流動加熱工程において均一な加熱処理が可能となり、流動加熱工程に要する時間の短縮を図ることができる。さらに、流動加熱工程において均一な加熱処理が可能となることで、温度勾配が生じることによる品質のばらつきを抑制し、電池性能の高い硫化物固体電解質を得ることができる。減圧加熱処理における減圧は、大気圧(760torr)未満であればよいが、上述したように、流動する硫化物ガラスの流動回転方向と回転中心とを変えることができ、流動性を向上させることができる程度であることが好ましい。具体的には、大気圧(760torr)と減圧加熱処理において減圧した圧力との差が、例えば500torr以上であり、600torr以上であってもよく、700torr以上であってもよく、750torr以上であってもよい。また、減圧加熱処理において減圧された圧力は、大気圧未満であればよいが、例えば100torr以下であり、80torr以下であってもよく、60torr以下であってもよく、40torr以下であってもよく、20torr以下であってもよく、10torr以下であってもよい。
減圧加熱処理の処理時間は、硫化物ガラスの流動性を向上させるという効果が得られる程度の時間であればよく、例えば3分以上であり、5分以上であってもよく、10分以上であってもよい。一方、減圧加熱処理の処理時間は、例えば1時間以下であり、40分以下であってもよく、30分以下であってもよく、20分以下であってもよい。
流動加熱工程は、上述した昇温加熱処理と、昇温加熱処理後の減圧加熱処理を有していればよいが、例えば減圧加熱処理の後に、減圧状態から大気圧に解放した状態で、硫化物ガラスを流動させながら加熱する大気圧加熱処理を有していてもよい。大気圧加熱処理は、密閉された環境下にて行われることが好ましい。大気圧加熱処理の処理時間は、上述した減圧加熱処理の処理時間と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。また、昇温加熱処理の後には、減圧加熱処理と上記大気圧加熱処理とを繰り返し行ってもよい。減圧加熱処理と大気圧加熱処理とを繰り返し行うことで、硫化物ガラスの流動性をより向上させることができる。減圧加熱処理および大気圧加熱処理を繰り返し行う場合、上記処理を繰り返す回数は特に限定されないが、例えば、流動加熱工程の時間が所定の範囲内となるように、上記処理が繰り返されることが好ましい。具体的には、減圧加熱処理および大気圧加熱処理が、2回以上繰り返されることが好ましい。流動加熱工程の時間は、例えば1時間以上であり、2時間以上であってもよく、2.5時間以上であってもよい。一方、振動熱処理工程の時間は、例えば5時間以下であり、4.5時間以下であってもよく、4時間以下であってもよい。
硫化物ガラスは、Li元素、P元素およびS元素を含有していればよく、例えば、市販のものを用いてもよく、原料組成物を非晶質化することで得たものを用いてもよい。原料組成物は、Li元素、P元素およびS元素を含有していればよく、通常、Li元素、P元素およびS元素を含有する原料を混合することにより得られる。原料組成物における各原料の混合比率は、オルト組成またはその近傍の組成が得られる割合であることが好ましい。ここで、オルトとは、一般的に、同じ酸化物を水和して得られるオキソ酸の中で、最も水和度の高いものをいう。本開示においては、硫化物で最もLiSが付加している結晶組成をオルト組成という。例えば、LiS-P系ではLiPSがオルト組成に該当する。
原料組成物は、さらにLiX(Xはハロゲンである)を含有していてもよい。Xとしては、具体的には、F、Cl、Br、Iを挙げることができ、中でもCl、Br、Iが好ましい。原料組成物におけるLiXの含有量は、特に限定されるものではないが、例えば1mol%以上であり、5mol%以上であってもよく、10mol%以上であってもよい。一方、原料組成物におけるLiXの含有量は、例えば60mol%以下であり、50mol%以下であってもよく、40mol%以下であってもよい。
原料組成物を非晶質化する方法としては、例えば、メカニカルミリングおよび溶融急冷法を挙げることができ、中でもメカニカルミリングが好ましい。常温での処理が可能であり、製造工程の簡略化を図ることができるからである。メカニカルミリングは、原料組成物を、機械的エネルギーを付与しながら混合する方法であれば特に限定されるものではないが、例えばボールミル、振動ミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミル等を挙げることができ、中でもボールミルが好ましく、特に遊星型ボールミルが好ましい。所望の硫化物ガラスを効率良く得ることができるからである。
メカニカルミリングの各種条件は、所望の硫化物ガラスを得ることができるように設定する。例えば、遊星型ボールミルを用いる場合、容器に原料組成物および粉砕用ボールを加え、所定の回転数および時間で処理を行う。一般的に、回転数が大きいほど、硫化物ガラスの生成速度は速くなり、処理時間が長いほど、原料組成物から硫化物ガラスへの転化率は高くなる。遊星型ボールミルを行う際の台盤回転数としては、例えば200rpm以上500rpm以下であることが好ましい。また、遊星型ボールミルを行う際の処理時間は、例えば1時間以上100時間以下であり、中でも1時間以上50時間以下であることが好ましい。また、ボールミルに用いられる容器および粉砕用ボールの材料としては、例えばZrOおよびAl等を挙げることができる。また、粉砕用ボールの径は、例えば1mm以上20mm以下である。
メカニカルミリングは、乾式メカニカルミリングであってもよく、湿式メカニカルミリングであってもよいが、後者が好ましい。容器等の壁面に原料組成物が固着することを防止でき、より非晶質性の高い硫化物固体電解質を得ることができるからである。湿式メカニカルミリングに用いられる液体は、原料組成物との反応で硫化水素を発生しない性質を有するものであることが好ましい。非晶質化工程においては、例えばメカニカルミリングの後に、硫化物ガラスを乾燥することが好ましい。乾燥方法としては、例えばホットプレートを用いた乾燥方法が挙げられる。
2.その他の工程
本開示においては、流動加熱工程を有していればよいが、必要に応じてその他の工程を有していてもよい。その他の工程としては、例えば、硫化物ガラスを微粒化する微粒化工程が挙げられる。微粒化工程を有することにより、流動加熱工程において用いられる硫化物ガラスを微粒化することができ、流動性をより効果的に向上させることができる。また、流動加熱工程において、硫化物固体電解質中の単体硫黄をより効果的に除去することが可能となる。
硫化物ガラスを微粒化する方法としては、例えば、ビーズミル、遊星型ボールミル等のメディア型粉砕やジェット粉砕等を挙げることができるが、中でも、遊星型ボールミルが好ましい。粉砕条件は、硫化物ガラスを所望の粒子径に粉砕することができるように設定する。例えば、遊星型ボールミルを用いる場合、硫化物ガラス、接着性ポリマー、溶媒および粉砕用ボールを加え、所定の回転数および時間で処理を行う。粉砕用ボールのボール径(φ)としては、例えば、0.2mm以上2mm以下であり、0.6mm以上1mm以下であることがより好ましい。また、遊星型ボールミルを行う際の台盤回転数としては、例えば、100rpm以上400rpm以下であり、150rpm以上300rpm以下であることがより好ましい。また、遊星型ボールミルを行う際の処理時間は、例えば、0.5時間以上5時間以下であり、1時間以上4時間以下であることがより好ましい。
3.硫化物固体電解質
本開示における硫化物固体電解質の製造方法により得られる硫化物固体電解質は、通常、結晶性を有する材料であり、ガラスセラミックスであることが好ましい。また、硫化物固体電解質材料は、Liイオン伝導度が高いことが好ましい。常温(25℃)におけるLiイオン伝導度は、例えば、1×10-3S/cm以上であり、2.5×10-3S/cm以上であることが好ましく、4×10-3S/cm以上であることがより好ましい。
硫化物固体電解質の形状としては、例えば、粒子状を挙げることができる。また、硫化物固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば、0.1μm以上50μm以下である。硫化物固体電解質の用途は特に限定されず、Liイオン伝導性を利用する任意の用途を挙げることができる。中でも、本開示における硫化物固体電解質は、全固体電池(リチウム固体電池)に用いられることが好ましい。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本開示をさらに具体的に説明する。
[比較例]
<微粒化工程>
硫化物ガラス(10LiI-15LiBr-37.5LiPS)75gと、脱水ヘプタン(キシダ化学株式会社製)120gと、脱水n-ブチルエーテル(キシダ化学株式会社製)80gと、破砕メディア(粒径Φ0.3mm)400gとを、遊星型ボールミル機の容器(500ml、ZrO)に投入し、容器を完全に密閉した。密閉した容器を遊星型ボールミル機(フリッチュ製P5)に取り付け、台盤回転数150rpmで22時間のメカニカルミリング処理を行った。その後、破砕メディアを分離して得たスラリーを、120℃に設定したホットプレートで3時間乾燥させ、硫化物ガラスを微粒化した。微粒化した後の硫化物ガラスの平均粒径(D50)は0.5μmであった。
<流動加熱工程>
微粒化した硫化物ガラス300gを、流動加熱装置(中央化工機株式会社製、振動乾燥機UV-15)に投入し、圧力500Pa(3.75torr)の減圧下、振動(振動周波数25Hz、振幅3mm)によって流動させながら、設定温度200℃で3時間熱処理し、比較例における硫化物固体電解質を得た。
[実施例1]
流動加熱工程において、流動加熱装置内を大気圧(760torr)下で室温(25℃)から200℃まで昇温させた(昇温加熱処理)後、流動加熱装置内を200℃に保ちつつ、7torrまで減圧した(減圧加熱処理)こと以外は、比較例と同様にして硫化物固体電解質を得た。
[実施例2]
昇温加熱処理後の減圧加熱処理を10分間行った後に、流動加熱装置内を200℃に保ちつつ大気圧(760torr)に解放する大気圧加熱処理を10分間行い、その後、減圧加熱処理(10分間)および大気圧加熱処理(10分間)を繰り返し行ったこと以外は、実施例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。
[評価]
比較例と実施例1および実施例2と比較した結果、実施例1および実施例2では、流動加熱工程が、大気圧下で行われる昇温加熱処理と、大気圧未満の減圧下で行われる減圧加熱処理とを有することにより、例えば図2に示すように、流動加熱装置内に投入された硫化物ガラスの流動回転方向と回転中心を変化させ、流動性を向上させることができた。これにより、硫化物ガラスを結晶化しつつ、硫化物固体電解質中に存在する単体硫黄を除去する流動加熱工程に要する時間を短縮することができた。なお、上記効果は、減圧加熱処理および大気圧加熱処理を繰り返し行った実施例2の方が、実施例1に比べてより顕著であった。また、実施例1、2では、昇温加熱処理が、大気圧下で昇温する工程であることにより、比較例に比べて硫化物ガラスへの気体伝熱量が増加し、所定の加熱温度までの昇温速度を向上させることができた。

Claims (1)

  1. Li元素、P元素およびS元素を含有する硫化物ガラスを、回転流動させながら200℃以上、220℃以下の加熱温度で加熱する流動加熱工程を有し、
    前記流動加熱工程は、大気圧下で、前記硫化物ガラスを回転流動させながら前記加熱温度まで昇温加熱する昇温加熱処理と、前記昇温加熱処理後に、大気圧未満の減圧下で、前記硫化物ガラスを回転流動させながら加熱する減圧加熱処理と、前記減圧加熱処理後に、大気圧下で、前記硫化物ガラスを回転流動させながら加熱する大気圧加熱処理と、を有し、
    前記減圧下の圧力が、10torr以下であり、
    前記減圧加熱処理および前記大気圧加熱処理を繰り返し行う、硫化物固体電解質の製造方法。
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