JP7033911B2 - 水田作業機 - Google Patents
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Description
原動部の動力が伝達される第一静油圧式無段変速装置と、
前記第一静油圧式無段変速装置からの出力が入力される変速機構が内装されたミッションケースと、
機体の走行方向に沿って事前に設定された供給量で、農用資材を圃場面に供給する作業装置と、が備えられ、
前記ミッションケース内に、前記第一静油圧式無段変速装置から出力された動力を、走行伝動系及び作業伝動系に並列的に分岐させる分岐部が設けられ、
前記走行伝動系の動力が走行用の車輪に伝達され、前記作業伝動系の動力が、前記第一静油圧式無段変速装置から出力された動力を変速可能な第二静油圧式無段変速装置を通って前記作業装置に伝達され、
前記第二静油圧式無段変速装置の出力部よりも下流に、一定のギヤ比で減速するギヤ減速機構が設けられ、
前記ギヤ減速機構よりも下流に、入力される動力に対して出力される動力の角速度を変化させる不等速変速装置が備えられている。
ところが本発明のように、第二静油圧式無段変速装置の出力部よりも下流にギヤ減速機構が設けられていると、第二静油圧式無段変速装置の出力部から出力される動力の回転速度を高くしても、ギヤ減速機構で減速した上で作業装置に適切なトルク・回転速度の動力を伝達できる。
加えて、減速機構よりも下流に不等速変速装置が設置され、不等速変速装置よりも下流では変速が行われない。そのため、不等速変速装置から出力される動力の角速度が例えば出力軸の1回転の間で高低に変化する状態を作り出すと、その状態を作業装置にもそのまま伝達させることができる。
原動部の動力が伝達される第一静油圧式無段変速装置と、
前記第一静油圧式無段変速装置からの出力が入力される変速機構が内装されたミッションケースと、
機体の走行方向に沿って事前に設定された供給量で、農用資材を圃場面に供給する作業装置と、が備えられ、
前記ミッションケース内に、前記第一静油圧式無段変速装置から出力された動力を、走行伝動系及び作業伝動系に並列的に分岐させる分岐部が設けられ、
前記走行伝動系の動力が走行用の車輪に伝達され、前記作業伝動系の動力が、前記第一静油圧式無段変速装置から出力された動力を変速可能な第二静油圧式無段変速装置を通って前記作業装置に伝達され、
前記第二静油圧式無段変速装置の出力部よりも下流に、一定のギヤ比で減速するギヤ減速機構が設けられ、
前記作業伝動系に動力の伝達方向を変換するベベルギヤが設けられ、当該ベベルギヤが前記ギヤ減速機構とは別途に設けられ、
前記ベベルギヤが前記ギヤ減速機構よりも下流に設けられている。
尚、作業装置で必要とする動力の速度、例えば回転速度が低い場合、その低い回転速度に合わせて第二静油圧式無段変速装置が出力する動力の回転速度も低くしなければならないとすると、第二静油圧式無段変速装置の出力部からは低トルク・低速回転の動力が出力されることになる。その場合、作業装置に伝達されるのが低トルク・低速回転の動力であれば、作業装置の駆動抵抗により、作業装置の駆動が停止してしまう可能性がある。
ところが本発明のように、第二静油圧式無段変速装置の出力部よりも下流にギヤ減速機構が設けられていると、第二静油圧式無段変速装置の出力部から出力される動力の回転速度を高くしても、ギヤ減速機構で減速した上で作業装置に適切なトルク・回転速度の動力を伝達できる。
本発明によると、第二静油圧式無段変速装置が静油圧式無段変速装置であるので、静油圧式無段変速装置を操作することによって、その出力部から出力される動力を少しだけ高速側に変速したり、少しだけ低速側に変速したりというような、細かな変速を無理なく行うことができる。
本発明によると、ベベルギヤでは変速を行わなくてもよいため、ベベルギヤの径が大きくなることを回避できる。
ミッションケース内に支持された第1軸と、当該第1軸の下流に平面視で前記第1軸と交差する方向に沿って配置された第2軸とが設けられ、
前記ベベルギヤは、前記第1軸に設けられる第1ベベルギヤと、前記第2軸に設けられ且つ前記第1ベベルギヤに噛み合う第2ベベルギヤとを有し、
前記ミッションケースに前記第2軸の少なくとも上流側端部が挿入される開口部が形成され、前記第2ベベルギヤの直径が前記開口部の直径よりも小さく設定されていると好適である。
前記作業装置が、機体の走行方向に沿って事前に設定された供給間隔で、農用資材を圃場面に間欠的に供給すると好適である。
これにより、圃場面や農用資材の状態等に応じて、供給間隔を細かく適切に設定できるようになって、水田作業機の作業精度を向上させることができる。
前記作業装置として、機体の走行方向に沿って事前に設定された供給間隔で、農用資材としての種子を圃場面に点播する播種装置が備えられていると好適である。
前記作業装置として、機体の走行方向に沿って事前に設定された供給間隔で、農用資材としての苗を圃場面に供給する苗植付装置が備えられていると好適である。
本発明の実施形態における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。機体11の走行時における前進側の進行方向が「前」であり、後進側の進行方向が「後」である。前後方向での前向き姿勢を基準として右側に相当する方向が「右」であり、左側に相当する方向が「左」である。
図1及び図2に示すように、乗用型田植機は、右及び左の前輪1(走行用の車輪に相当)、右及び左の後輪2(走行用の車輪に相当)を備えた機体11の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられ、リンク機構3の後部に苗植付装置5(作業装置に相当)が支持されている。
図1及び図2に示すように、機体11に、運転座席13、及び前輪1を操向操作する操縦ハンドル14が備えられている。
これにより、計測装置18及び慣性計測装置19によって、機体11の位置及び機体11の方位が検出される。
図1に示すように、機体11の前部に、ミッションケース20が支持されており、ミッションケース20の右及び左の横側部に連結された前車軸ケース21に、右及び左の前輪1が支持されている。機体11の後部に、後車軸ケース22が支持されており、後車軸ケース22に右及び左の後輪2が支持されている。
図3に示すように、ミッションケース20の右の横側部に、ポンプ26が連結されており、ポンプ26は油圧シリンダ4に作動油を供給する。無段変速装置24の入力軸24aがミッションケース20に入り込んでおり、ポンプ26の入力軸26aと、無段変速装置24の入力軸24aとに亘って伝動軸27が連結されている。
水田において植付作業を行う場合、副変速装置31を低速状態に操作するのであり、路上等において高速で走行する場合に、副変速装置31を高速状態に操作する。
前輪デフ装置36に伝達された動力が、ベベルギヤ40、出力軸39、伝動軸41、後車軸ケース22の内部の伝動軸(図示せず)を介して、右及び左の後輪2に伝達される。
分岐された作業伝動系の動力が苗植付装置5に伝えられ、走行伝動系の動力が前輪1及び後輪2(走行用の車輪)に伝達される状態となっている。
図4に示すように、ミッションケース20の右の横側部に、静油圧式無段変速装置45が連結されており、静油圧式無段変速装置45の入力軸45aと伝動軸28とが連結されている。静油圧式無段変速装置45の入力軸45aがミッションケース20の反対側に突出しており、静油圧式無段変速装置45に冷却風を送るファン46が、静油圧式無段変速装置45の入力軸45aの突出部に連結されている。
植付作業の開始時において、作業者は、設定部(図示せず)により複数の設定株間のうちの一つを設定(選択)する。そして、設定部により一つの株間が設定された状態において植付作業を開始すると、設定された株間に対応して制御装置(図示せず)が操作信号を出力し、その操作信号によりポンプ斜板及びモータ斜板の傾斜角度が調節されることで無段変速装置45による変速動作が実施される。
苗植付装置5が作動すると、苗のせ台10が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、回転ケース7が図1の紙面の反時計方向に回転駆動され、2組の植付アーム8が、苗のせ台10の下部から交互に苗(農用資材に相当)を取り出して圃場面としての田面に植え付ける。これにより、機体11の走行方向に沿って、事前に設定された供給量、即ち設定株間(供給間隔に相当)で、苗が田面に間欠的に植え付け供給される。
植付クラッチ56を遮断状態に操作すると、苗植付装置5への動力が遮断されて、苗植付装置5が停止し、苗のせ台10及び回転ケース7が停止する。
図4に示すように、不等速変速装置52は、伝動軸49に連結された等速ギヤ58及び不等速ギヤ59、伝動軸48に相対回転自在に外嵌された等速ギヤ60及び不等速ギヤ61を備えており、等速ギヤ58,60が咬合し、不等速ギヤ59,61が咬合している。
作業装置として、機体11の走行方向に沿って事前に設定された供給間隔で、農用資材としての苗を圃場面に供給する苗植付装置5が備えられている例を説明したが、作業装置として、別の装置が備えられていてもよい。
例えば、作業装置として、機体11の走行方向に沿って事前に設定された供給間隔で、農用資材としての種子を圃場面に点播する播種装置が備えられていてもよい。
ミッションケース20において、ミッションケース20の右の横側部に、無段変速装置24を設け、ミッションケース20の左の横側部に、静油圧式無段変速装置45を設けてもよい。
無段変速装置24に代えて、ギヤ変速型式の複数段の変速位置を備えた変速装置(図示せず)を設けてもよい。静油圧式無段変速装置45に代えて、ベルト無段型式の無段変速装置45を設けてもよい。
ミッションケース20の内部において、伝動軸28,29,47,48,49等を、左
右方向ではなく前後方向に配置するように構成してもよい。
エンジン23に代えて、電動モータ(図示せず)を原動部として使用してもよい。
2 :後輪(車輪)
5 :苗植付装置(作業装置)
11 :機体
20 :ミッションケース
23 :エンジン(原動部)
24 :第一静油圧式無段変速装置(変速装置)
45 :第二静油圧式無段変速装置(無段変速装置)
45b :出力軸(出力部)
48 :伝動軸(第1軸)
50 :伝動ギヤ(減速機構)
51 :伝動ギヤ(減速機構)
52 :不等速変速装置
53 :第1ベベルギヤ(ベベルギヤ)
54 :出力軸(第2軸)
55 :第2ベベルギヤ(ベベルギヤ)
AP :開口部
Claims (6)
- 原動部の動力が伝達される第一静油圧式無段変速装置と、
前記第一静油圧式無段変速装置からの出力が入力される変速機構が内装されたミッションケースと、
機体の走行方向に沿って事前に設定された供給量で、農用資材を圃場面に供給する作業装置と、が備えられ、
前記ミッションケース内に、前記第一静油圧式無段変速装置から出力された動力を、走行伝動系及び作業伝動系に並列的に分岐させる分岐部が設けられ、
前記走行伝動系の動力が走行用の車輪に伝達され、前記作業伝動系の動力が、前記第一静油圧式無段変速装置から出力された動力を変速可能な第二静油圧式無段変速装置を通って前記作業装置に伝達され、
前記第二静油圧式無段変速装置の出力部よりも下流に、一定のギヤ比で減速するギヤ減速機構が設けられ、
前記ギヤ減速機構よりも下流に、入力される動力に対して出力される動力の角速度を変化させる不等速変速装置が備えられている水田作業機。 - 原動部の動力が伝達される第一静油圧式無段変速装置と、
前記第一静油圧式無段変速装置からの出力が入力される変速機構が内装されたミッションケースと、
機体の走行方向に沿って事前に設定された供給量で、農用資材を圃場面に供給する作業装置と、が備えられ、
前記ミッションケース内に、前記第一静油圧式無段変速装置から出力された動力を、走行伝動系及び作業伝動系に並列的に分岐させる分岐部が設けられ、
前記走行伝動系の動力が走行用の車輪に伝達され、前記作業伝動系の動力が、前記第一静油圧式無段変速装置から出力された動力を変速可能な第二静油圧式無段変速装置を通って前記作業装置に伝達され、
前記第二静油圧式無段変速装置の出力部よりも下流に、一定のギヤ比で減速するギヤ減速機構が設けられ、
前記作業伝動系に動力の伝達方向を変換するベベルギヤが設けられ、当該ベベルギヤが前記ギヤ減速機構とは別途に設けられ、
前記ベベルギヤが前記ギヤ減速機構よりも下流に設けられている水田作業機。 - ミッションケース内に支持された第1軸と、当該第1軸の下流に平面視で前記第1軸と交差する方向に沿って配置された第2軸とが設けられ、
前記ベベルギヤは、前記第1軸に設けられる第1ベベルギヤと、前記第2軸に設けられ且つ前記第1ベベルギヤに噛み合う第2ベベルギヤとを有し、
前記ミッションケースに前記第2軸の少なくとも上流側端部が挿入される開口部が形成され、前記第2ベベルギヤの直径が前記開口部の直径よりも小さく設定されている請求項2に記載の水田作業機。 - 前記作業装置が、機体の走行方向に沿って事前に設定された供給間隔で、農用資材を圃場面に間欠的に供給する請求項1~3のいずれか1項に記載の水田作業機。
- 前記作業装置として、機体の走行方向に沿って事前に設定された供給間隔で、農用資材としての種子を圃場面に点播する播種装置が備えられている請求項4に記載の水田作業機。
- 前記作業装置として、機体の走行方向に沿って事前に設定された供給間隔で、農用資材としての苗を圃場面に供給する苗植付装置が備えられている請求項4に記載の水田作業機。
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