JP7031670B2 - 近赤外線吸収色素、光学フィルタおよび撮像装置 - Google Patents

近赤外線吸収色素、光学フィルタおよび撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、可視光を透過し、近赤外光を遮断する近赤外線吸収色素、光学フィルタ、および該光学フィルタを備えた撮像装置に関する。
従来、クロコニウム骨格を有する化合物(以下、クロコニウム系化合物)は近赤外吸収色素として知られており、光学フィルタ、特に近赤外線カットフィルタの用途で利用されている。
近年、近赤外線カットフィルタは、多種多様な用途に使用され、近赤外線カットフィルタに用いられる近赤外吸収色素に求められる特性も多様化している。このような状況下、各種要求特性に応じて種々のクロコニウム系化合物に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
特開2016-079144号公報 特開2017-068120号公報
本発明は、近赤外光の長波長域において優れた遮光性を実現できるとともに、高い可視光透過性を有する近赤外線吸収色素、光学フィルタ、および該光学フィルタを用いた色再現性に優れる撮像装置の提供を目的とする。
本発明は、式(AI)で示されるクロコニウム系化合物からなる近赤外線吸収色素(以下、近赤外線吸収色素(AI)ともいう)を提供する。
Figure 0007031670000001
式(AI)中、
環Zは、ヘテロ原子を有しない、置換されていてもよい6員環、またはヘテロ原子を環中に0~3個有し、置換されていてもよい5員環であり、
とR、RとR、およびRと環Zを構成する炭素原子またはヘテロ原子は、互いに連結して窒素原子とともにそれぞれヘテロ環A、ヘテロ環Bおよびヘテロ環Cを形成していてもよく、ヘテロ環を形成していない場合、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素原子間に不飽和結合、ヘテロ原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよく、かつ置換されていてもよい炭化水素基を示し、Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基または炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいアルキル基もしくはアルコキシ基を示し、
は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基または炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
また、本発明に係る光学フィルタは、上記近赤外線吸収色素(AI)と樹脂とを含有する吸収層を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る撮像装置は、固体撮像素子と、撮像レンズと、上記光学フィルタを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、近赤外光の長波長域において優れた遮光性を実現できるとともに、高い可視光透過性を有する近赤外線吸収色素を提供できる。さらに、本発明によれば、該色素を用いた光学フィルタ、および該光学フィルタを用いた色再現性に優れる撮像装置を提供できる。
実施形態の光学フィルタの一例を概略的に示す断面図である。 実施形態の光学フィルタの別の一例を概略的に示す断面図である。 実施例で得られたクロコニウム系化合物の分光透過率曲線を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本明細書において、近赤外線吸収色素を「NIR色素」、紫外線吸収色素を「UV色素」と略記することもある。
本明細書において、式(AI)で示される化合物からなるNIR色素をNIR色素(AI)ともいい、他の色素についても同様である(例えば、後述の式(A1-1)で示される化合物からなるNIR色素をNIR色素(A1-1)ともいう)。また、例えば、式(1n)で表される基を基(1n)とも記し、他の式で表される基も同様である。
<NIR色素(AI)>
本発明のNIR色素(AI)は、中央にクロコニウム骨格を有し、クロコニウム骨格の左右に各1個のベンゼン環が結合し、そのベンゼン環は、それぞれ4位で窒素原子と結合するとともに、ベンゼン環の2位と3位の炭素原子を含む炭化水素環またはヘテロ環とともに縮合環構造を形成した分子構造を有するクロコニウム系化合物からなる。
Figure 0007031670000002
式(AI)において、環Zは、ヘテロ原子を有しない、置換されていてもよい6員環、またはヘテロ原子を環中に0~3個有し、置換されていてもよい5員環である。
環Zは、芳香環であっても脂環であってもよく、芳香環が好ましい。環Zが5員環の場合、ヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子、酸素原子のいずれであってもよいが、可視光透過率を高める観点から、窒素原子および硫黄原子が好ましい。環Zの具体例としては、ピロリジン環、ピロール環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、トリアゾール環等が挙げられる。
環Zは、これらの中でも、ヘテロ原子の電子を非局在化でき、非共有電子対の基底状態のエネルギー準位を安定化する効果が得られて可視光透過率を向上できる特性が得られる環が好ましい。具体的に、環Zは、芳香族ヘテロ環が好ましく、特にピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環およびトリアゾール環が好ましい。
さらに、環Zは、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、またはトリアゾール環が、環の一部として有する-NH-は、水素原子が置換されておらず、かつ窒素原子がクロコニウム骨格に結合するベンゼン環の2位の炭素に結合する構成が好ましい。
環Zは、該環Zを構成する炭素原子または窒素原子に結合する1つ以上の水素原子が、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、アミノ基、N-置換アミノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、N-置換カルバモイル基、イミド基、または炭素数1~12のアルキル基もしくはアルコキシ基等の置換基で置換されていてもよい。上記炭素数1~12のアルキル基もしくはアルコキシ基の水素原子はさらにハロゲン原子等で置換されていてもよい。なお、環Zを構成する窒素原子に結合する水素原子は置換されていないことが好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、以下の説明に挙げるハロゲン原子においても同様の原子を例示できる。アルキル基、アルコキシ基を構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、これらの組み合わせであってもよく、不飽和結合を含んでいてもよい。置換基は、樹脂、例えば後述の吸収層に用いる透明樹脂への溶解性の観点から、炭素数4~12の長鎖アルキル基が好ましく、また、可視光透過率を高める観点から、ハロゲン原子、スルホ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、カルバモイル基等の電子吸引性の高い基が好ましい。
式(AI)において、RとR、RとR、およびRと環Zを構成する炭素原子またはヘテロ原子(窒素原子)は、互いに連結してベンゼン環の4位に結合した窒素原子とともにそれぞれヘテロ環A、ヘテロ環Bおよびヘテロ環Cを形成していてもよい。式(AI)は、ヘテロ環A、ヘテロ環Bおよびヘテロ環Cのすべてが形成されていてもよく、1個または2個が形成されていてもよい。1個以上のヘテロ環を有する式(AI)において、ヘテロ環Aおよびヘテロ環Bは、員数が3~6のヘテロ環であり、ヘテロ環Cは員数が5または6のヘテロ環であるのが好ましい。なお、「ヘテロ環A」は、以下、「環A」ともいう。ヘテロ環Bおよびヘテロ環Cについても同様である。
環A、環Bとしては、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環等が挙げられる。環Cとしては、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環等が挙げられる。
環A、環Bおよび環Cは、各々の環を構成する炭素原子または窒素原子に結合する1つ以上の水素原子が、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、アミノ基、N-置換アミノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、N-置換カルバモイル基、イミド基、炭素数1~12のアルキル基または炭素数1~12のアルコキシ基等の置換基で置換されていてもよい。アルキル基、アルコキシ基を構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよくこれらの組み合わせであってもよい。
ヘテロ環を形成していない場合のRおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素原子間に不飽和結合、ヘテロ原子(酸素原子等)、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよく、かつ置換されていてもよい炭化水素基、好ましくは炭素数1~20の炭化水素基を示す。置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、アミノ基、N-置換アミノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、N-置換カルバモイル基、イミド基、炭素数1~12のアルキル基または炭素数1~12のアルコキシ基等が挙げられる。
アルキル基、アルコキシ基を構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよくこれらの組み合わせであってもよい。アルキル基もしくはアルコキシ基の水素原子はさらにハロゲン原子等で置換されていてもよい。ヘテロ環を形成していない場合のR、Rとしては、可視光透過性や樹脂への溶解性等の観点から、分岐していてもよく、炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよい炭素数1~20のアルキル基が好ましく、炭素数1~12のアルキル基がより好ましく、炭素数2~8のアルキル基がさらに好ましい。
また、ヘテロ環を形成していない場合のR、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基またはアルキル基もしくはアルコキシ基、好ましくは炭素数1~20のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。アルキル基、アルコキシ基を構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよくこれらの組み合わせであってもよい。アルキル基もしくはアルコキシ基の水素原子はハロゲン原子等で置換されていてもよい。Rとしては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基が好ましく、水素原子、アルキル基がより好ましい。また、Rは、吸収スペクトルの急峻性、特に可視域と近赤外域の境界付近の変化の急峻性の観点から、水素原子、ハロゲン原子が好ましく、水素原子が特に好ましい。
なお、本明細書において、「飽和もしくは不飽和の環構造」とは、特に他に明示しなければ、炭化水素環および環構成原子として酸素原子を有するヘテロ環をいう。この場合、環を構成する炭素原子に炭素数1~10のアルキル基が結合した構造もその範疇に含むものとする。
式(AI)において、クロコニウム骨格の左右に結合するベンゼン環が有する基R~R、ベンゼン環に隣接して縮合環を形成する環Zは、左右で異なってもよいが、生産性の観点から同一が好ましい。
また、式(AI)で示される化合物は、式(AI-1)に示す化合物と同一の化合物である。なお、式(AI-1)中の記号は式(AI)における定義と同じである。
Figure 0007031670000003
NIR色素(AI)は、クロコニウム骨格の左右に結合するベンゼン環の2、3位に特定の5員環または6員環が縮合した構造を有する。NIR色素(AI)は、該構造に起因して、近赤外光の長波長側に高い吸収特性を有し、かつ、可視光、特に可視光の中でも短波長側の青色透過率が高い。
NIR色素(AI)によれば、例えば、ジクロロメタンに溶解して測定される波長400~1100nmの吸収スペクトルにおいて、最大吸収波長λmax(AI)を800~1000nmとする吸収特性が得られる。また、範囲を限定して最大吸収波長λmax(AI)を850~1000nmとする吸収特性も得られ、さらに範囲を限定して、最大吸収波長λmax(AI)を880~980nmとする吸収特性も得られる。このような吸収特性は、例えば、850~1050nmに吸収極大が求められる環境光センサーに用いられる吸収層として好適な特性である。
NIR色素(AI)は、ジクロロメタン溶液中で最大吸収波長λmax(AI)の光における透過率が10%となるように濃度調整をしたときの、波長430~480nmの光の平均透過率は、90%以上が好ましく、92%以上がより好ましく、93%以上がさらに好ましい。また、NIR色素(AI)は、ジクロロメタン溶液中で最大吸収波長λmax(AI)の光における透過率が10%となるように濃度調整をしたときの、波長410~480nmの光の平均透過率は、90%以上が好ましく、92%以上がより好ましく、93%以上がさらに好ましい。
NIR色素(AI)の吸収特性の上記効果は、ベンゼン環を縮合環、特にヘテロ環との縮合環とすることで、分子の平面性を高めたことによる効果と考えられる。さらに、縮合環が芳香族ヘテロ環の場合、ヘテロ原子の電子を非局在化できるため、可視光透過率をより一層高められる。
NIR色素(AI)は、有機溶媒に対する溶解性が良好であり、樹脂への相溶性も良好である。その結果、吸収層を薄くしても優れた分光透過率特性を有し、光学フィルタを薄型化できるため、加熱による吸収層の熱膨張を抑制できる。そのため、例えば、該吸収層上に積層する反射層や、反射防止層等の機能層を形成する際の熱処理時において、それらの層の割れ等の発生を抑制できる。
NIR色素(AI)の具体例として、式(A11)~(A15)、(A21)~(A27)、(A31)~(A34)で示される化合物からなる色素が挙げられる。
Figure 0007031670000004
Figure 0007031670000005
Figure 0007031670000006
Figure 0007031670000007
式(A11)~(A15)中のR、R、RおよびRは式(AI)において環A、環Bおよび環Cが形成されていない場合のR、R、RおよびRの定義と同じであり、式(A21)~(A27)中のRおよびRは式(AI)において環Cが形成されていない場合のRおよびRの定義と同じであり、式(A31)~(A34)中のRおよびRは式(AI)において環Aおよび環Cが形成されていない場合のRおよびRの定義と同じである。
また、式(A11)~(A14)、(A21)~(A26)、(A31)~(A33)中のRは、いずれも、独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、アミノ基、N-置換アミノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、N-置換カルバモイル基、イミド基、および炭素数1~12のアルキル基またはアルコキシ基から選択される基である。アルキル基、アルコキシ基を構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、これらの組み合わせでもよく、不飽和結合を含んでいてもよい。アルキル基もしくはアルコキシ基の水素原子はハロゲン原子等で置換されていてもよい。さらに、式(A21)~(A27)中の2価の基Qは、式(AI)において環Aが形成される場合の、RとRが結合した2価の基を示しており、式(A31)~(A34)中の2価の基Xは、式(AI)において環Bが形成される場合の、RとRが結合した2価の基を示している。
式(A11)~(A15)において、RおよびRは、可視光透過性や樹脂への溶解性等の観点から、それぞれ独立して、炭素原子間にヘテロ原子を含んでよい炭素数1~20のアルキル基が好ましく、炭素原子間にヘテロ原子を含んでよい炭素数2~12のアルキル基、例えば、基(1a)~(5a)がより好ましい。
Figure 0007031670000008
また、式(A11)~(A15)、(A21)~(A27)において、Rは、樹脂への溶解性、可視光透過性等の観点から、独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基もしくはアルコキシ基(例えば、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基等)が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、メチル基がより好ましい。アルキル基もしくはアルコキシ基の水素原子はハロゲン原子等で置換されていてもよい。Rは、可視域と近赤外域の境界付近の変化の急峻性の観点から、水素原子、ハロゲン原子が好ましく、水素原子が特に好ましい。
さらに、式(A11)~(A14)、(A21)~(A26)、(A31)~(A33)において、Rは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基が好ましく、水素原子、ニトロ基、トリフルオロメチル基がより好ましい。
式(A21)~(A27)において、2価の基Qとしては、水素原子が炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、置換されてもよい炭素数1~10のアシルオキシ基で置換されてもよい炭素数3~8のアルキレン基、またはアルキレンオキシ基が挙げられる。アルキレンオキシ基の場合の酸素の位置はNの隣以外の場所が好ましい。2価の基Qとしては、炭素数3~5のアルキレン基が特に好ましい。
式(A31)~(A34)において、2価の基Xの好ましい態様は、前述の2価の基Qと同様である。また、式(A31)~(A34)において、Rは、樹脂への溶解性、可視光透過性等の観点から、独立して、分岐していてもよく、炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよい炭素数1~12のアルキル基が好ましく、炭素数2~8のアルキル基がより好ましく、Rは、水素原子、ハロゲン原子が好ましく、水素原子が特に好ましい。
NIR色素(AI)として好ましい色素の例を表1に示す。なお、表1におけるRおよびRの具体的な構造は、それぞれ式(1a)~(5a)に対応する。色素(A1-1)~(A1-19)において、左右に1個ずつ計2個存在するRは左右で同じであり、R~Rについても同様である。色素(A2-1)~(A2-8)のQおよびR~Rについても同様である。色素(A3-1)~(A3-5)のR、X、R、Rについても同様である。色素(A2-1)~(A2-8)のQおよび色素(A3-1)~(A3-5)のXは、左側が窒素原子に結合し右側がベンゼン環の炭素原子に結合する。色素(A3-3)における、RのH、-CHは、NHに近い側から順番にHおよび-CHが結合していることを示す。
Figure 0007031670000009
NIR色素(AI)は、例えば、米国特許公開第2014/0061505号明細書、国際公開第2014/088063号明細書等に記載の方法で製造可能である。具体的には、NIR色素(AI)は、4,5-ジヒドロキシ-4-シクロペンテン-1,2,3-トリオン(クロコン酸)と、クロコン酸と結合して式(AI)に示す構造を形成可能な縮合環を有する化合物とを反応させて製造できる。例えば、NIR色素(AI)が左右対称の構造である場合、クロコン酸1当量に対して上記範囲で所望の構造の縮合環を有する化合物2当量を反応させればよい。
以下に、具体例として、NIR色素(A11)を得る際の反応経路を示す。下記スキーム(F1)においてクロコン酸を(s)で示す。スキーム(F1)によれば、所望の置換基(R、R)を有するベンゾチアジアゾール化合物(a)のベンゼン環に、所望の置換基(R、R)を有する置換アミノ基を導入し(c)、これを還元することでフェニレンジアミン化合物(d)を得る。さらに所望の置換基Rを有するカルボン酸(e)またはアルデヒド(f)を反応させてベンゾイミダゾール化合物(g)を得る。クロコン酸(s)1当量に対し、ベンゾイミダゾール化合物(g)2当量を反応させて、色素(A11)を得る。
Figure 0007031670000010
スキーム(F1)中、R~Rは、式(A11)におけるR~Rと同じ意味であり、Buはブチル基、t-Buはt-ブチル基、Phはフェニル基、HBraq.は臭化水素酸、THFはテトラヒドロフランを示す。また、以下の記載において、Meはメチル基、Etはエチル基を示す。以下、本明細書中、Me、Et、Bu、t-Bu、Ph、HBraq.、THFは、使用した場合、前記と同じ意味で用いられる。
本発明のNIR色素(AI)の用途は特に限定されない。例えば、近赤外光、特に比較的長波長側の近赤外光を遮蔽する光学フィルタに適用可能である。また上記のように環境光センサーに用いられる吸収層としても適用可能である。
<光学フィルタ>
本発明の一実施形態の光学フィルタ(以下、「本フィルタ」ともいう)は、本発明のNIR色素(AI)と樹脂とを含有する吸収層を備える。本フィルタは、NIR色素(AI)と樹脂とを含有する吸収層を有する限り他の構成は特に制限されない。例えば、樹脂基板として該吸収層のみで構成される光学フィルタでもよい。
本フィルタは、例えば、透明基材を有し、該透明基材上に上記吸収層を備えた構成でもよい。図1Aは本実施形態の光学フィルタの一例を概略的に示す断面図である。光学フィルタ10Aは、透明基材12と透明基材12の一方の主面上に配置された吸収層11を有する。光学フィルタ10Aにおいて、吸収層11をNIR色素(AI)と樹脂とを含有する吸収層で構成できる。
本フィルタは、誘電体多層膜からなる反射層を有してもよい。その場合、本フィルタは、透明基材を含む構成でも、透明基材を含まない構成でもよい。本フィルタが、透明基材を含まない場合、吸収層そのものが、基板(すなわち、色素含有樹脂基板)としての機能を備える構成でもよい。図1Bは、透明基材と吸収層と反射層を有する実施形態の光学フィルタの一例を概略的に示す断面図である。光学フィルタ10Bは、透明基材12と透明基材12の一方の主面上に配置された吸収層11と透明基材12の他方の主面上に設けられた反射層13を有する。光学フィルタ10Bにおいて、吸収層11をNIR色素(AI)と樹脂とを含有する吸収層で構成できる。光学フィルタ10Bはさらに、吸収層11の透明基材12とは反対側の主面上に反射防止層14を有する。
本フィルタが吸収層と反射層と透明基材を有する構成の場合、積層順は光学フィルタ10Bに限定されない。例えば、吸収層と反射層は、透明基材の同一主面上に有してもよく、その場合、これらの積層順は特に限定されない。また、光学フィルタ10Bは、反射防止層14を有しない構成であってもよく、他の機能層を有してもよい。以下、本フィルタの構成要素(任意の構成要素を含む)について説明する。
(吸収層)
吸収層はNIR色素(AI)の1種または2種以上を含有する。吸収層は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、さらにNIR色素(AI)以外のNIR色素(以下、その他のNIR色素という。)を含有してよい。
吸収層中におけるNIR色素(AI)の含有量は、NIR色素(AI)とその他のNIR色素との合計量で樹脂100質量部に対して、0.1~30質量部が好ましい。0.1質量部以上で所望の近赤外線吸収能が得られ、30質量部以下で、近赤外線吸収能の低下やヘイズ値の上昇等が抑制される。また、NIR色素(AI)とその他のNIR色素の合計の含有量は、0.5~25質量部がより好ましく、1~20質量部がさらに好ましい。吸収層がNIR色素としてNIR色素(AI)のみを含有する場合の含有量についても、上記NIR色素の合計での含有量と同様にできる。
その他のNIR色素としては、例えば、NIR色素(AI)の最大吸収波長λmax(AI)より短波長側に最大吸収波長を有するNIR色素が挙げられる。具体的には、ジクロロメタンに溶解して測定される波長400~1100nmの吸収スペクトルにおいて、660nm以上、NIR色素(AI)の最大吸収波長λmax(AI)-30nm以下に最大吸収波長λmax(AII)を有するNIR色素(AII)が挙げられる。なお、2種以上のNIR色素により広い吸収幅を得る場合、NIR色素(AII)の最大吸収波長λmax(AII)は、λmax(AI)-50nm以下が好ましく、λmax(AI)-80nm以下がより好ましく、λmax(AI)-100nm以下がさらに好ましい。
さらに、その他のNIR色素としては、例えば、NIR色素(AI)の最大吸収波長λmax(AI)より長波長側に最大吸収波長を有するNIR色素が挙げられる。具体的には、ジクロロメタンに溶解して測定される波長400~1100nmの吸収スペクトルにおいて、NIR色素(AI)の最大吸収波長λmax(AI)+30nm以上、1100nm以下に最大吸収波長λmax(AIII)を有するNIR色素(AIII)が挙げられる。なお、2種以上のNIR色素により広い吸収幅を得る場合、NIR色素(AIII)の最大吸収波長λmax(AIII)は、λmax(AI)+50nm以上が好ましく、λmax(AI)+80nm以上がより好ましく、λmax(AI)+100nm以上がさらに好ましい。
NIR色素(AII)としては、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ジチオール金属錯体系化合物、ジイモニウム系化合物、ポリメチン系化合物、フタリド化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、インドフェノール系化合物、およびスクアリリウム系化合物のうち、上記範囲に最大吸収波長λmax(AII)を有する色素が挙げられる。
NIR色素(AIII)としては、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ジチオール金属錯体系化合物、ジイモニウム系化合物、ポリメチン系化合物、フタリド化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、インドフェノール系化合物、およびスクアリリウム系化合物のうち、上記範囲に最大吸収波長λmax(AIII)を有する色素が挙げられる。NIR色素(AII)、NIR色素(AIII)はそれぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
吸収層は、NIR色素(AI)と樹脂を含有し、典型的には、樹脂中にNIR色素(AI)が均一に溶解または分散した層または(樹脂)基板である。樹脂は、通常、透明樹脂であり、吸収層は、NIR色素(AI)以外にその他のNIR色素を含有してもよい。さらに、吸収層は、NIR色素以外の色素、特にはUV色素を含有してもよい。
UV色素は、具体例に、オキサゾール系化合物、メロシアニン系化合物、シアニン系化合物、ナフタルイミド系化合物、オキサジアゾール系化合物、オキサジン系化合物、オキサゾリジン系化合物、ナフタル酸系化合物、スチリル系化合物、アントラセン系化合物、環状カルボニル系化合物、トリアゾール系化合物等の色素が挙げられる。この中でも、オキサゾール系化合物、メロシアニン系化合物からなる色素が好ましい。また、UV色素は、吸収層に1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
透明樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルフォスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、およびポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記透明樹脂は、透明性、NIR色素(AI)の溶解性、ならびに耐熱性の観点からは、ガラス転移点(Tg)の高い樹脂が好ましい。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる1種以上が好ましく、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれる1種以上がより好ましい。
吸収層は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、密着性付与剤、色調補正色素、レベリング剤、帯電防止剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤、可塑剤等の任意成分を有してもよい。
吸収層は、例えば、NIR色素(AI)を含む色素と、樹脂または樹脂の原料成分と、必要に応じて配合される各成分とを、溶媒に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを基材に塗工し乾燥させ、さらに必要に応じて硬化させて形成できる。上記基材は、本フィルタに任意に含まれる透明基材でもよいし、吸収層を形成する際にのみ使用する剥離性の基材でもよい。また、溶媒は、安定に分散できる分散媒または溶解できる溶媒であればよい。
また、塗工液は、微小な泡によるボイド、異物等の付着による凹み、乾燥工程でのはじき等の改善のため界面活性剤を含んでもよい。さらに、塗工液の塗工には、例えば、浸漬コーティング法、キャストコーティング法、またはスピンコート法等を使用できる。上記塗工液を基材上に塗工後、乾燥させることにより吸収層が形成される。また、塗工液が樹脂の原料成分を含有する場合、さらに熱硬化、光硬化等の硬化処理を行う。
また、吸収層は、押出成形によりフィルム状に製造可能でもあり、このフィルムを他の部材に積層し熱圧着等により一体化させてもよい。例えば、本フィルタが透明基材を含む場合、このフィルムを透明基材上に貼着してもよい。
本フィルタは、吸収層を2層以上有してもよい。吸収層が2層以上で構成される場合、各層は同じでも異なってもよい。吸収層が2層以上の構成の場合、一方の層が、NIR色素と樹脂を含む近赤外線吸収層、もう一方の層が、UV色素と樹脂を含む紫外線吸収層とする例が挙げられる。また、吸収層が2層以上の場合においても、吸収層は、それそのものが基板(樹脂基板)であってもよい。
本フィルタにおいて、吸収層の厚さは、0.1~100μmが好ましい。吸収層が複数層からなる場合、各層の合計の厚さは、0.1~100μmが好ましい。厚さが0.1μm未満では、所望の光学特性を十分に発現できないおそれがあり、厚さが100μm超では、層の平坦性が低下し、吸収率の面内バラツキが生じるおそれがある。吸収層の厚さは、0.3~50μmがより好ましい。また、反射層や、反射防止層等の他の機能層を備えた場合、その材質によっては、吸収層が厚すぎると割れ等が生ずるおそれがある。そのため、吸収層の厚さは、0.3~10μmがより好ましい。
(透明基材)
本フィルタにおいて透明基材は任意の構成要素である。本フィルタが透明基材を備える場合、該透明基材の厚さは、0.03~5mmが好ましく、薄型化の点から、0.05~1mmがより好ましい。透明基材の構成材料としては、可視光を透過するものであれば、ガラスや(複屈折性)結晶、ポリイミド樹脂等種々の樹脂が利用できる。
透明基材用のガラスとしては、フツリン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラス等にCuO等を添加した吸収型のガラス(近赤外線吸収ガラス)、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられる。なお、「リン酸塩ガラス」には、ガラスの骨格の一部がSiOで構成されるケイリン酸塩ガラスも含むものとする。
透明基材用のガラスがフツリン酸塩系ガラスの場合、具体的にカチオン%表示で、P5+を20~45%、Al3+を1~25%、Rを1~30%(但し、Rは、Li、Na、Kのうち少なくとも1つであって、左記の値は、それぞれの含有割合を合計した値である)、Cu2+を1~20%、R2+を1~50%(但し、R2+は、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+のうち少なくとも1つであって、左記の値は、それぞれの含有割合を合計した値である)含有するとともに、アニオン%表示で、Fを10~65%、O2-を35~90%含有していることが好ましい。
また、透明基材用のガラスがリン酸塩系ガラスの場合、質量%表示で、Pを30~80%、Alを1~20%、ROを0.5~30%、(但し、ROは、LiO、NaO、KOのうちの少なくとも1つであって、左記の値は、それぞれの含有割合を合計した値である。)、CuOを1~12%、ROを0.5~40%(但し、ROは、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnOのうちの少なくとも1つであって、左記の値は、それぞれの含有割合を合計した値である)含有することが好ましい。
市販品を例示すると、NF-50E、NF-50EX、NF-50T、NF-50TX(以上、旭硝子(株)製、商品名)等、BG-60、BG-61(以上、ショット社製、商品名)等、CD5000(HOYA(株)製、商品名)等が挙げられる。
上記したCuO含有ガラスは、金属酸化物をさらに含有してもよい。金属酸化物として、例えば、Fe、MoO、WO、CeO、Sb、V等の1種または2種以上を含有すると、CuO含有ガラスは紫外線吸収特性を有する。これらの金属酸化物の含有量は、上記CuO含有ガラス100質量部に対して、Fe、MoO、WOおよびCeOからなる群から選択される少なくとも1種を、Feが0.6~5質量部、MoOが0.5~5質量部、WOが1~6質量部、CeOが2.5~6質量部とする、またはFeとSbの2種をFeが0.6~5質量部+Sbが0.1~5質量部とする、もしくはVとCeOの2種をVが0.01~0.5質量部+CeOが1~6質量部とすることが好ましい。
(反射層)
本フィルタにおいて反射層は任意の構成要素である。反射層は、誘電体多層膜からなり、特定の波長域の光を遮蔽する機能を有する。反射層としては、例えば、可視光を透過し、吸収層の遮光域以外の波長の光を主に反射する波長選択性を有するものが挙げられる。この場合、反射層の反射領域は、吸収層の近赤外域における遮光領域を含んでもよい。反射層は、上記特性に限らず、所定の波長域の光を遮断する仕様に合わせて適宜設計してよい。
本フィルタにおいて反射層を備える場合、NIR色素(AI)の最大吸収波長λmax(AI)の光における透過率が1%以下の反射特性を有するとよい。これにより、本フィルタは、NIR色素(AI)の最大吸収波長λmax(AI)において、相乗的に、高い遮光性(高OD値)が得られる。
本フィルタは反射層を1層有してもよく、2層以上有してもよい。反射層が2層以上で構成される場合、各層は同じでも異なってもよい。反射層が2層以上の構成の場合、一方の層が、少なくとも近赤外光を遮蔽する、特には、上記反射特性を有する近赤外線反射層、もう一方の層が、少なくとも紫外光を反射する紫外線反射層とする組合せでもよい。
反射層は、低屈折率の誘電体膜(低屈折率膜)と高屈折率の誘電体膜(高屈折率膜)とを交互に積層した誘電体多層膜から構成される。高屈折率膜の材料としては、Ta、TiO、Nbが挙げられる。このうち、成膜性、屈折率等における再現性、安定性等の点から、TiOが好ましい。低屈折率膜の材料としては、SiO、SiO等が挙げられる。成膜性における再現性、安定性、経済性等の点から、SiOが好ましい。また、反射層の膜厚は、2~10μmが好ましい。
(反射防止層)
反射防止層としては、誘電体多層膜や中間屈折率媒体、屈折率が漸次的に変化するモスアイ構造等が挙げられる。中でも高い光利用効率、生産性の観点から誘電体多層膜の使用が好ましい。
本フィルタは、NIR色素(AI)を含有する吸収層を有することで、近赤外光の長波長域において優れた遮光性を実現できるとともに、高い可視光透過性を実現できる。本フィルタは、例えば、デジタルスチルカメラ等の撮像装置や環境光センサー等に使用できる。
本フィルタを用いた撮像装置は、固体撮像素子と、撮像レンズと、本フィルタとを備える。本フィルタは、例えば、撮像レンズと固体撮像素子との間に配置されたり、撮像装置の固体撮像素子、撮像レンズ等に粘着剤層を介して直接貼着されたりして使用できる。
[例1]
NIR色素(AI)として、スキーム(F1)を用いて、表1に構造を示すNIR色素(A1-7)を製造した。色素(A1-7)の製造においては、スキーム(F1)中の化合物(a)として2,1,3-ベンゾチアジアゾールを東京化成工業株式会社より入手し出発物質として用いた。
(化合物(b)の製造)
以下の式にしたがって、化合物(a)から、化合物(b)を製造した。還流装置を装備したフラスコに、化合物(a)を25.0g(183.7ミリモル)、48%臭化水素酸を150mL加えた。100℃に昇温後、臭素を8.5mL(165.4ミリモル)滴下し、100℃で9時間撹拌し、放冷した。反応終了後、ジクロロメタン200mLを加え析出した固体を溶解し、さらに亜硫酸ナトリウム水溶液100mLを加えた。有機層を回収し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧除去して未精製の化合物(b)を得た。これを200mLのヘキサン/酢酸エチル(4:1、容量比)に懸濁させ、溶け残った固体を濾過することで副生成物である4,7-ジブロモ-2,1,3-ベンゾチアジアゾールを除去した。
濾液を再び濃縮し、200mLのヘキサンに懸濁させ、溶け残った固体を濾過することで化合物(b)として11.2gの4-ブロモ-2,1,3-ベンゾチアジアゾールを得た。さらに濾液を濃縮し、ヘキサン/酢酸エチル(97:3、容量比)を展開液としたカラムクロマトグラフィーで精製し、8.0gの化合物(b)を得た。合計の収率は54%であった。
Figure 0007031670000011
(化合物(c)の製造)
上記で得られた化合物(b)を用いて以下の式にしたがって、化合物(c)を製造した。還流装置を装備したフラスコに、PEPPSITM-IPrを0.20g(1.44ミリモル)、化合物(b)(ジブロモ体を8.0モル%含む)を2.98g(Br当量:14.5ミリモル)、t-ブトキシカリウムを1.95g(17.4ミリモル)、トルエンを60mL加えた。脱気および窒素置換を行った後、ジイソブチルアミンを2.75mL(16.0ミリモル)加え、100℃で5時間撹拌した。反応終了後、セライト濾過にて反応液中の固体を除去し、濾液を濃縮して未精製の化合物(c)を得た。これをヘキサン/酢酸エチル(24:1、容量比)を展開液としたカラムクロマトグラフィーで精製し、2.60gの化合物(c)を得た。収率は79%であった。
Figure 0007031670000012
(化合物(d)の製造)
上記で得られた化合物(c)を用いて以下の式にしたがって、化合物(d)を製造した。還流装置を装備したフラスコに、化合物(c)を2.60g(9.9ミリモル)、THFを100mL、水素化アルミニウムリチウムを0.94g(24.7ミリモル)加え、窒素雰囲気下、75℃で1時間還流した。その後、氷冷しながら水0.9mL、15%水酸化ナトリウム水溶液0.9mL、水2.8mLを順次加えて反応を停止させた。濾過にて反応液中の固体を除去し、濾液を濃縮して未精製の化合物(d)を得た。
Figure 0007031670000013
(化合物(e)の製造)
上記で得られた化合物(d)を用いて以下の式にしたがって、化合物(e)を製造した。還流装置を装備したフラスコに、上記で得られた化合物(d)と98%ギ酸を50mL加え、100℃で2時間還流した。反応終了後、ギ酸を減圧除去し、これに酢酸エチル50mL、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mLを加えた。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧除去して未精製の化合物(e)を得た。これをヘキサン/酢酸エチル(2:1、容量比)を展開液としたカラムクロマトグラフィーで精製し、2.1gの化合物(e)を得た。化合物(c)からの収率は87%であった。
Figure 0007031670000014
(NIR色素(A1-7)の製造)
上記で得られた化合物(e)を用いて以下の式にしたがって、NIR色素(A1-7)を製造した。還流装置および分水装置を装備したフラスコに、化合物(e)を0.2g(0.82ミリモル)、クロコン酸を0.06g(0.41ミリモル)、トルエンを1.5mLおよび1-ブタノールを1.5mL加え、撹拌しながら125℃で3時間還流した。反応終了後、溶媒を減圧除去して未精製のNIR色素(A1-7)を得た。これをヘキサン/酢酸エチル(2:8、容量比)を展開液としたカラムクロマトグラフィーで精製し、0.14gのNIR色素(A1-7)を得た。収率は56%であった。
Figure 0007031670000015
[例2]
NIR色素(AI)として、以下の方法により、表1に構造を示すNIR色素(A3-2)を製造した。NIR色素(A3-2)の製造において、出発物質として用いた化合物(β)はWO14/088063に記載の方法で製造した。
(化合物(γ)の製造)
以下の式にしたがって、化合物(β)から、化合物(γ)を製造した。フラスコに、化合物(β)を10.0g(52.83ミリモル)、DMFを200mL加え、0℃に冷却してN-ブロモスクシンイミド(式中、「NBS」)9.40g(52.83ミリモル)をゆっくり加えた。0℃で1時間反応後、水を200mL加え、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の溶液で抽出、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧除去して未精製の化合物(γ)を14.0g得た。
Figure 0007031670000016
(化合物(δ)の製造)
上記で得られた化合物(γ)を用いて以下の式にしたがって、化合物(δ)を製造した。フラスコに化合物(γ)を13.57g(50.60ミリモル)加え、0℃の氷浴下で濃硫酸70.0gをすばやく滴下し、30分撹拌した。その後、60%濃硝酸を6.38g(60.72ミリモル)と濃硫酸18.86g(192.27ミリモル)からなる混酸を、氷浴下で滴下し、室温に戻して1時間撹拌した。反応終了後、100mLの氷水に適時氷塊を加えながら反応液を滴下し、その後、塩基性になるまで40%水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。溶液が塩基性になったことをPH試験紙で確認した後、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の溶液を500mL加えた。
有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧除去して未精製の化合物(δ)を得た。これをヘキサン/酢酸エチル(9:1、容量比)を展開液としたカラムクロマトグラフィーで精製し、14.0gの化合物(δ)を得た。化合物(β)からの収率は88%であった。
Figure 0007031670000017
(化合物(ε)の製造)
上記で得られた化合物(δ)を用いて以下の式にしたがって、化合物(ε)を製造した。フラスコに化合物(δ)を5.0g(15.96ミリモル、Mw:313.19)、THFを50mL加え、窒素雰囲気下、-40℃で1.42Mのビニルマグネシウムクロリドを40.5mL(57.46ミリモル)加えた。-40℃で1時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を50mL加え、反応を停止した。室温に戻した後、水50mLを加え、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の溶液で抽出、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧除去して未精製の化合物(ε)を得た。
Figure 0007031670000018
(化合物(ζ)の製造)
上記で得られた化合物(ε)を用いて以下の式にしたがって、化合物(ζ)を製造した。フラスコに上記で得られた化合物(ε)とTHFを30mL加え、0℃に冷却してパラジウム炭素を1.0g、メタノールを90mL、ギ酸アンモニウムを5.03g(79.8ミリモル)加えた。室温で1時間撹拌した後、水を100mL加えた。その後、反応溶液をセライトろ過し、ろ液中のメタノールとTHFを減圧除去した。これに酢酸エチルを加え、分液操作を行って有機層を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧除去して未精製の化合物(ζ)を得た。これをヘキサン:酢酸エチル=4:1でカラム精製を行い、化合物(ζ)を1.10g得た。化合物(δ)からの収率は30%であった。
Figure 0007031670000019
(NIR色素(A3-2)の製造)
上記で得られた化合物(ζ)を用いて以下の式にしたがって、NIR色素(A3-2)を製造した。還流装置および分水装置を装備したフラスコに、化合物(ζ)を0.24g(1.1ミリモル)、クロコン酸を0.07g(0.5ミリモル)、トルエンを1.5mLおよび1-ブタノールを1.5mL加え、撹拌しながら125℃で1時間還流した。反応終了後、溶媒を減圧除去して未精製のNIR色素(A3-2)を得た。これを酢酸エチルで洗浄した後、ジクロロメタン/メタノール(97:3、容量比)を展開液としたカラムクロマトグラフィーで精製し、0.05gのNIR色素(A3-2)を得た。収率は15%であった。
Figure 0007031670000020
<NIR色素の評価>
(1)ジクロロメタン中における色素の吸収特性
上記で得られたNIR色素(A1-7)およびNIR色素(A3-2)をそれぞれジクロロメタン中に溶解し、紫外可視分光光度計((株)島津製作所製、UV-3100)を用いて分光透過率曲線(400~1100nm)を測定した。最大吸収波長λmaxの光における透過率を10%としたときの分光透過率曲線を図2に示す。
NIR色素(A1-7)の最大吸収波長λmaxは、892nmであった。
NIR色素(A3-2)の最大吸収波長λmaxは、924nmであった。
NIR色素(A1-7)の最大吸収波長λmaxにおける光の透過率を10%としたときの波長430~480nmの光の平均透過率は、93.4%であった。
NIR色素(A3-2)の最大吸収波長λmaxにおける光の透過率を10%としたときの波長430~480nmの光の平均透過率は、93.7%であった。
NIR色素(A1-7)の最大吸収波長λmaxにおける光の透過率を10%としたときの波長410~480nmの光の平均透過率は、93.4%であった。
NIR色素(A3-2)の最大吸収波長λmaxにおける光の透過率を10%としたときの波長410~480nmの光の平均透過率は、93.4%であった。
本発明の近赤外線吸収色素は、近赤外光の長波長域において優れた遮光性を実現できるとともに、高い可視光透過性を有することから、近赤外光、特に比較的長波長側の近赤外光を遮蔽する光学フィルタに適用可能である。また環境光センサー用の吸収層に用いることも可能である。本発明の光学フィルタは撮像装置に適用できる。
10A,10B…光学フィルタ、11…吸収層、12…透明基材、13…反射層、14…反射防止層。

Claims (18)

  1. 式(AI)で示されるクロコニウム系化合物からなる近赤外線吸収色素。
    Figure 0007031670000021
    式(AI)中、
    環Zは、少なくとも1つの窒素原子または硫黄原子をヘテロ原子として含む、置換されていてもよい5員環であり、
    とR、RとR、およびRと環Zを構成する炭素原子またはヘテロ原子は、互いに連結して窒素原子とともにそれぞれヘテロ環A、ヘテロ環Bおよびヘテロ環Cを形成していてもよく、ヘテロ環を形成していない場合、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素原子間に不飽和結合、ヘテロ原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよく、かつ置換されていてもよい炭化水素基を示し、Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基または炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいアルキル基もしくはアルコキシ基を示し、
    は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基または炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
  2. 前記環Zは、それぞれ独立して、ピロリジン環、ピロール環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環またはトリアゾール環である請求項に記載の近赤外線吸収色素。
  3. 前記環Zは、それぞれ独立して、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環またはトリアゾール環である請求項1または2に記載の近赤外線吸収色素。
  4. 前記ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、またはトリアゾール環が、環の一部として有する-NH-は、置換されておらず、かつクロコニウム骨格に結合するベンゼン環の2位の炭素に結合する請求項に記載の近赤外線吸収色素。
  5. 前記近赤外線吸収色素(AI)は、ジクロロメタンに溶解して測定される波長400~1100nmの吸収スペクトルにおける最大吸収波長λmax(AI)が、800~1000nmの範囲内にある、請求項1~のいずれか1項に記載の近赤外線吸収色素。
  6. 前記近赤外線吸収色素(AI)は、ジクロロメタン溶液中で前記近赤外線吸収色素(AI)の最大吸収波長λmax(AI)の光における透過率が10%となるように濃度調整したときの波長430~480nmの光の平均透過率が、90%以上である、請求項1~のいずれか1項に記載の近赤外線吸収色素。
  7. 前記近赤外線吸収色素(AI)は、ジクロロメタン溶液中で前記近赤外線吸収色素(AI)の最大吸収波長λmax(AI)の光における透過率が10%となるように濃度調整したときの波長410~480nmの光の平均透過率が、90%以上である、請求項に記載の近赤外線吸収色素。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載の近赤外線吸収色素である近赤外線吸収色素(AI)と樹脂とを含有する吸収層を備えたことを特徴とする光学フィルタ。
  9. 前記吸収層は、ジクロロメタンに溶解して測定される波長400~1100nmの吸収スペクトルにおいて、660nm以上、前記近赤外線吸収色素(AI)の最大吸収波長λmax(AI)-30nm以下の波長領域に最大吸収波長λmax(AII)を有する近赤外線吸収色素(AII)をさらに含む請求項に記載の光学フィルタ。
  10. 前記近赤外線吸収色素(AII)は、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ジチオール金属錯体系化合物、ジイモニウム系化合物、ポリメチン系化合物、フタリド化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、インドフェノール系化合物、スクアリリウム系化合物から選ばれる少なくとも1種を含む請求項記載の光学フィルタ。
  11. さらに誘電体多層膜からなる反射層を有する請求項8~10のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  12. 前記反射層は、前記近赤外線吸収色素(AI)の最大吸収波長λmax(AI)の光における透過率が1%以下である請求項11記載の光学フィルタ。
  13. さらに透明基材を有し、前記透明基材上に前記吸収層を備えた請求項8~12のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  14. 前記透明基材は、ガラスからなる請求項13に記載の光学フィルタ。
  15. 前記ガラスは、近赤外線吸収ガラスである請求項14に記載の光学フィルタ。
  16. 前記透明基材は、樹脂からなる請求項13に記載の光学フィルタ。
  17. 前記吸収層は、樹脂基板として機能する請求項8~12のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  18. 固体撮像素子と、撮像レンズと、請求項8~17のいずれか1項に記載の光学フィルタとを備えたことを特徴とする撮像装置。
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