JP7028736B2 - 端子付き電線およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、端子付き電線およびその製造方法に関する。
近年、自動車の多機能化および高性能化に伴い、自動車に様々な電装機器が搭載されてきている。そのため、自動車の電気回路は複雑化し、各電装機器に電力や電気信号を安定的に供給することが必要不可欠になっている。様々な電装機器が搭載された自動車には、複数本の被覆電線を束ねることによって形成されたワイヤーハーネスが配索される。自動車内においては、ワイヤーハーネスが回路基板に端子を介して接続されたり、ワイヤーハーネス同士がコネクタを介して接続されたりすることによって電気回路が形成される。
また、ワイヤーハーネス同士を接続するコネクタの内部に設けられた圧着端子に被覆電線が圧着接続されて構成された端子付き電線が提案されている。この端子付き電線は、端子圧着装置によって圧着端子が被覆電線に圧着される。
特許文献1、2には、被覆電線に対して圧着される圧着端子の圧着部を、被覆電線の端末部を挿入可能、かつ導体から絶縁被覆の先端部までを覆う長さの筒状に形成し、導体の先端部に対応する一端部に、止水を行う封止部を設けた構成が記載されている。
国際公開第2015/056672号 国際公開第2015/199078号
ところで、特許文献1、2の端子付き電線において、被覆電線の導体および圧着端子は、圧着の際に塑性変形されている。しかしながら、塑性変形後も、導体および圧着端子が有する弾性によって変形前の形状にある程度復元しようとする復元力が発生する。この復元力により導体部および圧着端子の形状がある程度復元すると、導体部と圧着端子との密着性が低下する場合がある。このように導体部および圧着端子の形状がある程度復元しようとする現象はスプリングバックとも呼ばれる。なお、このようなスプリングバックは、比較的太径の被覆電線を用いた場合に発生しやすい。スプリングバックが発生し、導体と圧着端子との密着性が低下すると、圧着部の導通性能が低下する場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、圧着部の導通性能の低下が抑制された端子付き電線およびその製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る端子付き電線は、長手方向に延伸する導体と該導体の外周に形成された絶縁性の被覆とを有し、先端部において前記導体の外周の被覆が除去されて該導体が露出している被覆電線と、前記被覆電線の先端部が管状部に挿入され、前記露出している導体と前記被覆の一部とに圧着接続された圧着端子と、を備え、前記圧着端子は、前記露出している導体と圧着される導体圧着部と、前記被覆と圧着される被覆圧着部と、を有し、前記導体圧着部は、前記長手方向に垂直な断面において、前記管状部の外周の一部が圧潰されて窪んだ窪み部を有する凹形状であり、かつ、前記導体圧着部は、前記長手方向に沿った断面において、前記長手方向に略直線状に延びるように該導体を圧着しているストレート圧着部と、前記ストレート圧着部よりも先端側において、前記ストレート圧着部側から凹形状に反った側部を前記ストレート圧着部側に有する隆起部とを有する、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る端子付き電線は、前記導体圧着部は、前記長手方向に垂直な断面における前記窪み部の底部が、前記窪み部と対向する下部側に凹んだ2つの凹部と、前記2つの凹部の間に位置し前記下部側とは反対側に突出した凸部とを有する、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る端子付き電線は、前記長手方向に垂直な断面における前記凸部の曲率半径をR1、前記2つの凹部の曲率半径の小さくない方をR2とすると、R1≧R2が成り立つ、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る端子付き電線は、前記導体圧着部の、前記長手方向に垂直な断面における前記窪み部と、前記窪み部に対して幅方向両側に位置する側部との接続部の曲率半径の大きくない方をR3とすると、R3≧R1≧R2が成り立つ、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る端子付き電線は、前記長手方向に垂直な断面における前記2つの凹部の外表面のそれぞれと前記凸部の外表面との接続点における、前記凹部の外表面のそれぞれの接線と前記凸部の外表面の接線のそれぞれとが、略一致する、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る端子付き電線は、前記導体圧着部は、前記長手方向に沿った断面において、前記ストレート圧着部の上面を基準とした前記隆起部の高さをH1、前記ストレート圧着部よりも基端側の導体圧着部である基端側圧着部の最大高さをH2とすると、H1<H2が成り立つ、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る端子付き電線は、前記基端側圧着部は、前記ストレート圧着部側において、前記ストレート圧着部側から凹形状に反った側部を有する、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る端子付き電線は、前記隆起部における凹形状に反った側部の曲率半径をRa、前記基端側圧着部における凹形状に反った側部の曲率半径をRbとすると、Ra≧Rbが成り立つ、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る端子付き電線は、前記導体圧着部は先端側が封止されている、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る端子付き電線の製造方法は、長手方向に延伸する導体と該導体の外周に形成された絶縁性の被覆とを有し、先端部において前記導体の外周の被覆が除去されて該導体が露出している被覆電線の先端部を、圧着端子の管状部に挿入する挿入工程と、前記圧着端子の外周に圧力を加えて該圧着端子を前記露出している導体と前記被覆の一部とに圧着接続する圧着工程と、を含み、前記圧着工程において、前記圧着端子に対して、前記露出している導体と圧着する導体圧着部と、前記被覆と圧着する被覆圧着部と、を形成し、前記導体圧着部を、前記長手方向に垂直な断面において、前記管状部の外周の一部が圧潰されて窪んだ窪み部を有する凹形状に形成し、前記導体圧着部を、前記長手方向に沿った断面において、前記長手方向に略直線状に延びるように該導体を圧着しているストレート圧着部と、前記ストレート圧着部よりも先端側において、前記ストレート圧着部側から凹形状に反った側部を前記ストレート圧着部側に有する隆起部とを有するように形成する、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る端子付き電線の製造方法は、前記圧着端子の管状部は、長手方向で径が略一定の等径管状部と、前記等径管状部に連続して前記等径管状部よりも先端側に位置し、外周の一部の高さが前記等径管状部から先端側に向かうにつれて低くなるように傾斜している傾斜管状部と、を有しており、前記圧着工程において、前記圧着端子に対して、歯型の先端が前記等径管状部の前記傾斜管状部側の先端の位置または前記傾斜管状部の上方に位置するように前記歯型を前記圧着端子に当接させて、前記歯型で前記圧着端子を圧潰する、ことを特徴とする。
本発明によれば、圧着部の導通性能の低下が抑制された端子付き電線を実現することができるという効果を奏する。
図1は、圧着接続する圧着端子と被覆電線との概略構成を示す模式図である。 図2は、圧着端子の模式的なA-A線断面図である。 図3は、端子付き電線の概略構成を示す模式図である。 図4は、図3のB-B線断面における端面図である。 図5は、図3のC-C線断面における主要部を示す端面図である。 図6は、圧着接続に用いる雌型歯型の概略構成を示す模式図である。 図7は、歯型による圧着を説明する模式図である。 図8は、雌型歯型の先端の位置の一例を説明する模式図である。 図9は、比較形態の雌型歯型の先端の位置の一例を説明する模式図である。 図10は、雌型歯型の先端の位置の他の一例を説明する模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。また、必要に応じて、互いに直交する長手方向X、幅方向Y、高さ方向Zによって方向を説明する。
(圧着端子および被覆電線の概略構成)
端子付き電線について説明する前に、図1を参照して、圧着端子および被覆電線の概略構成を説明する。被覆電線10は、長手方向Xに延伸する導体である導体11と、導体11の外周に形成された絶縁性の被覆12とを有している。被覆電線10は、先端部において導体11の外周の被覆12が除去されて、所定の長さの導体11が露出している。被覆電線10は、長手方向Xにおいて、前方側が先端側であり、後方側が基端側である。
導体11は、たとえばアルミニウム(Al)からなる素線を撚って構成した芯線であるが、Al合金や銅(Cu)からなるものもよい。被覆12は、絶縁性を有するたとえばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンやノンハロゲン材料などの樹脂からなる。この樹脂には、可塑剤等の添加材が添加されていてもよい。
圧着接続前の圧着端子20Aは、クローズバレル形式の端子であり、表面に錫メッキ(Snメッキ)処理が施された黄銅等の銅合金からなる板材を加工して形成したものである。圧着端子20Aは、先端側である長手方向Xの前方から基端側である後方に向かって順次接続された、端子接続部21と、トランジション部22と、傾斜管状部23Aと、等径管状部24Aと、段差部25Aと、等径管状部26Aと、被覆電線挿入口27Aとを有する。
図1と図2とを参照して圧着端子20Aの構成を説明する。図2は、圧着端子20Aの模式的なA-A線断面図であり、圧着端子20Aの幅方向Yにおける略中心を通り、長手方向Xおよび高さ方向Zと平行な断面における断面図である。端子接続部21は、本実施形態では雌型圧着端子の接続構造からなり、先端側である長手方向Xの前方から、基端側である後方に向かって延伸し、雄型圧着端子が有する挿入タブが挿入される中空四角柱体をなす。本実施形態では、四角柱体の対向する2面は幅方向Yに平行であり、他の対向する2面は高さ方向Zに平行である。なお、本実施形態では端子接続部21は雌型圧着端子の接続構造であるが、接続構造はこれに限定されず、雄型圧着端子や丸型圧着端子などの他の形状の接続構造であってもよい。
トランジション部22は、端子接続部21と傾斜管状部23Aとを接続している部分である。傾斜管状部23Aと等径管状部24Aと段差部25Aと等径管状部26Aとは、被覆電線10の先端部における、露出した導体11および被覆12の先端側の一部が挿入される管状部28Aを形成している。トランジション部22には、傾斜管状部23Aの先端側を封止する封止部22aが形成されている。
等径管状部24Aは、図2に示すように長手方向Xにおける長さがL1であり、長手方向Xで内径が略一定の円管状の部分である。等径管状部24Aの内径D1は、被覆電線10の露出した導体11が挿入可能な値に設定されている。等径管状部26Aは、長手方向Xにおける長さがL2であり、長手方向Xで径が略一定の円管状の部分である。等径管状部26Aの中心軸と等径管状部24Aの中心軸とは略一致している。等径管状部26Aの内径D2は、被覆電線10の被覆12が挿入可能な値に設定されており、等径管状部24Aよりも径が太い。等径管状部24Aと等径管状部26Aとは段差部25Aを介して接続している。段差部25Aは等径管状部24Aと等径管状部26Aとを接続するように長手方向Xに置いて径が変化している部分である。
傾斜管状部23Aは、等径管状部24Aに連続して等径管状部24Aよりも先端側に位置している。傾斜管状部23Aは、高さ方向Zにおいて、外周の一部23Aaの高さが、等径管状部24Aから先端側に向かうにつれて低くなるように傾斜している。傾斜管状部23Aの先端側(被覆電線挿入口27Aとは反対側)は封止部22aによって閉塞している。
傾斜管状部23Aおよび等径管状部24Aの内面の一部、たとえば破線で示した領域Seには、溝や突起で構成された、セレ-ションとも呼ばれる係止部が形成されている。この係止部は、圧着端子20Aが被覆電線10に圧着された際に、被覆電線10の先端部に露出した導体11に食い込み、圧着端子20Aと導体11との導通性を良好な状態にするともに、被覆電線10が圧着端子20Aから抜けにくくする。
圧着端子20Aは、たとえば以下のようにして製造する。まず、プレス加工によって所定の形状に打ち抜いた板材の一部を長手方向Xに沿って管状になるように丸め、端部を突き合わせて長手方向Xに沿ってレーザ溶接し、管状部とする。さらにこの管状部の前方側を押し潰して閉塞し、幅方向Yに沿ってレーザ溶接して封止し、封止部22aを形成する。これにより管状部28Aの形状が完成する。また、丸めた板材を長手方向Xに沿ってレーザ溶接した後に管状部の前方側を押し潰して閉塞するのではなく、プレス加工によって所定の形状に打ち抜いた板材の一部を長手方向Xに沿って管状になるように丸めるとともに、管状部の前方側を押し潰して閉塞した後に、管状部を長手方向Xに沿って溶接し、閉塞部を幅方向Yに沿って溶接してもよい。なお、図1に示すように、上記2箇所のレーザ溶接によって溶接ビードB1、B2が形成される。
なお、端子接続部21は、板材の他の部分を、端子接続部21の構造となるように折り曲げ加工して形成する。これにより、圧着端子20Aが製造される。
(端子付き電線の概略構成)
つぎに、端子付き電線の概略構成を説明する。端子付き電線は、被覆電線10の先端部の露出した導体11と被覆12の一部とが、圧着端子20Aの被覆電線挿入口27Aから管状部28Aに挿入され、圧着端子20Aが露出している導体11と被覆12の一部とに圧着接続されたものである。図2を参照すると、被覆電線10の先端部を管状部28Aに挿入すると、露出した導体11は等径管状部26Aおよび段差部25Aを通過して、等径管状部24Aおよび傾斜管状部23Aに亘って挿入される。一方、被覆12は等径管状部26Aに挿入されるが、被覆12の先端部は段差部25Aによってそれ以上の挿入を規制される。この挿入状態にて圧着端子20Aの外周に圧力を加えて、露出している導体11と被覆12の一部とに圧着接続する。
図3は、端子付き電線の概略構成を示す模式図である。この端子付き電線1は、被覆電線10と、圧着端子20とを備える。圧着端子20は、被覆電線10に圧着接続した後の圧着端子20である。
圧着端子20は、先端側である長手方向Xの前方から基端側である後方に向かって順次接続された、端子接続部21と、封止部22aが形成されているトランジション部22と、導体圧着部23と、被覆圧着部25とを有する。端子接続部21とトランジション部22とは圧着端子20Aにおける対応する要素を同じなので説明を省略する。
導体圧着部23は、露出している導体11と圧着される部分であり、圧着端子20Aの傾斜管状部23Aと等径管状部24Aとの外周に圧力を加えることで塑性変形して形成されたものである。被覆圧着部25は、等径管状部26Aに挿入された被覆と圧着される部分であり、圧着端子20Aの等径管状部26Aの外周に圧力を加えることで塑性変形して形成されたものである。導体圧着部23は封止部22aによって先端側が封止されている。
つぎに、圧着端子20の長手方向に垂直な断面(垂直断面)における導体圧着部23の断面構造について説明する。図4は、図3のB-B線断面における端面図であり、圧着端子20Aの等径管状部24Aに対応する部分の断面における端面図である。
導体圧着部23は、垂直断面において、露出した導体11が収容される管状の内部空間Sを形成する下部231、側部232a、232b、および窪み部233を有する。垂直断面において、下部231は窪み部233に対向して高さ方向Zの下側に位置し、略幅方向Yに延びている。なお、本明細書において、高さ方向Zにおける上側、下側は、構成要素間の相対的な位置関係を説明するために、便宜的に向きを特定したものである。側部232a、232bは幅方向Yの両側に位置し、略高さ方向Zに延びている。窪み部233は高さ方向Zの上側に位置する。窪み部233は高さ方向Zの下側(下部231側)に底部を有する逆台形状の形状を有する。なお、窪み部233の側部のそれぞれは側部232a、232bのそれぞれに対して傾斜しており、これにより内部空間Sにおける側部空間Sa、Sbが形成されている。
このような窪み部233は、等径管状部24Aの外周の一部(本実施形態では高さ方向Zの上側)を中心軸に向けて圧潰して窪ませることで、形成することができる。
さらに、導体圧着部23は、垂直断面における窪み部233の底部が、下部231側に凹んだ2つの凹部233a、233bと、幅方向Yにおいて2つの凹部233a、233bの間に位置し下部231とは反対側に突出した凸部233cとを有している。すなわち、窪み部233の底部は略W字状になっている。本実施形態では、凸部233cは太線で示すように略円弧状であり、その曲率半径はR1である。また、凹部233a、233bもそれぞれ太線で示すように略円弧状であり、それぞれの曲率半径はR2a、R2bである。
また、本実施形態では、垂直断面における凸部233cの外表面と凹部233aの外表面との接続点を接続点C3とすると、接続点C3における、凸部233cの外表面の接線と凹部233aの外表面の接線とは略一致しており、接線TLaで示される。この2つの接線が略一致するということは、凸部233cと凹部233aとが略滑らかに接続していることを意味する。同様に、本実施形態では、垂直断面における凸部233cの外表面と凹部233bの外表面との接続点を接続点C4とすると、接続点C4における、凸部233cの外表面の接線と凹部233bの外表面の接線とは略一致しており、接線TLbで示される。このことは、凸部233cと凹部233bとが略滑らかに接続していることを意味する。
また、本実施形態では、垂直断面において、窪み部233と、その幅方向Yの両側に位置する側部232a、232bのそれぞれとの接続部C1、C2は、いずれも太線で示すように略円弧状であり、その曲率半径はそれぞれR3a、R3bである。
また、本実施形態では、導体圧着部23の先端側が封止部22aによって封止されているので、導体圧着部23の内部への水分に侵入に対する止水性を容易に確保することができる。特に、このように止水性を確保することによって、導体圧着部23と導体11とが互いに異なる金属材料系からなる場合に、導体圧着部23の内部においていずれかに腐食が生じるという、いわゆる電食の発生を好適に防止することができる。
つぎに、圧着端子20の長手方向に沿った断面(長手断面)における導体圧着部23およびトランジション部22の断面構造について説明する。図5は、図3のC-C線断面における主要部を示す端面図であり、端子付き電線1の幅方向Yにおける略中心を通り、長手方向Xおよび高さ方向Zと平行な断面における端面図である。
導体圧着部23は、長手断面において、長手方向Xの後方から前方に向かって順次接続された、基端側圧着部23aと、ストレート圧着部23bと、隆起部23cとを有する。
基端側圧着部23aは、高さ方向Zにおいて、外周の一部23aaの高さが、先端側に向かうにつれて低くなるように傾斜している。本実施形態では、基端側圧着部23aの外周の一部23aaの形状は、略S字を傾けた形状になっており、基端側では略上に凸の形状であり、先端側では略下に凸の形状である。
ストレート圧着部23bは、基端側圧着部23aに連続して基端側圧着部23aよりも先端側に位置している。ストレート圧着部23bは、長手断面において、長手方向Xに略直線状に延びるように導体11を圧着している部分である。長手方向におけるストレート圧着部23bの長さはL3である。ストレート圧着部23bは導体との接触面積が比較的広く、かつ密着性も安定しているので、導体11と圧着端子20との導通性を確保するために良好に寄与する導通確保エリアとして機能する。
隆起部23cは、ストレート圧着部23bに連続してストレート圧着部23bよりも先端側に位置している。隆起部23cは、ストレート圧着部23b側から凹形状に反った側部23caをストレート圧着部23b側に有する。本実施形態では、側部23caは長手断面において太線で示すように略円弧状であり、その曲率半径はRaである。なお、隆起部23cにおける、側部23caとは反対側の側部23cbについては、その形状は特に限定されないが、本実施形態ではストレート圧着部23b側から凹形状に反った形状を有している。
また、本実施形態では、長手断面において、図5に破線で示すストレート圧着部23bの上面を基準とした、高さ方向Zにおける隆起部23cの高さはH1である。また、基端側圧着部23aの最大高さはH2である。
また、本実施形態では、上述したように、基端側圧着部23aの外周の一部23aaの形状は、基端側では略上に凸の形状であり、先端側では略下に凸の形状である。したがって、基端側圧着部23aは、ストレート圧着部23b側において、ストレート圧着部23b側から凹形状に反った側部23abを有する。本実施形態では、側部23abは長手断面において太線で示すように略円弧状であり、その曲率半径はRbである。
本実施形態では、圧着端子20の導体圧着部23における隆起部23cが、ストレート圧着部23b側から凹形状に反った側部23caをストレート圧着部23b側に有する。その結果、図5に示すように、凹形状に反った側部23caには、略矢印の方向に力F1が発生する。この力F1は、導体圧着部23のスプリングバックを抑制する方向に作用する。これにより、導体11と圧着端子20との密着性の低下が抑制されるため、導体圧着部23の導通性能の低下が抑制される。
なお、仮に、隆起部におけるストレート圧着側の側部が、ストレート圧着部側に凸形状に突出している場合は、スプリングバックを促進する力が発生するので、導体圧着部はよりスプリングバックしやすくなる。その結果、たとえば側部が徐々にめくり上がって導通確保エリアであるストレート圧着部にも次第に復元力の影響が及ぶおそれがあり、導通性能が低下するおそれがある。
ここで、ストレート圧着部が比較的長ければ、元々の導通確保エリアが広いため、仮にスプリングバックが発生しても導通性能の低下への影響は比較的小さい。しかしながら、比較的太径の被覆電線を用いて端子付き電線を構成する場合、圧着端子を構成する部材の厚さも比較的厚くなるため、スプリングバックの力が強くなる。さらには、圧着端子が挿入されるコネクタハウジングのキャビティのサイズの制約等の理由から、圧着端子はその外形に比して長手方向において短く作製される。その結果、ストレート圧着部の長さに制約が生じるため、スプリングバックの力が強くなることと合わせて、導通性能の低下が顕著になるおそれがある。
したがって、比較的太径の被覆電線を用いて端子付き電線を構成する場合、本実施形態のように、隆起部23cに、ストレート圧着部23b側から凹形状に反った側部23caをストレート圧着部23b側に設けることによって、導体圧着部23の導通性能の低下を抑制することが効果的である。本発明者らの検討によれば、導体の断面積が3mm(3sq)以上の被覆電線について、凹形状に反った側部23caを設けることの効果がより好適に発揮されるが、当該効果は導体の断面積や被覆電線の太さに依らずに発揮されることは言うまでも無い。
また、本実施形態では、図5に示すように、長手断面において、隆起部23cの高さH1、基端側圧着部23aの最大高さH2について、H1<H2が成り立つようにしている。これにより、基端側圧着部23aが隆起部23cのスプリングバックを抑制する作用が強くなるので、導体圧着部23の導通性能の低下をより確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、基端側圧着部23aが、ストレート圧着部23b側において、ストレート圧着部23b側から凹形状に反った側部23abを有している。上述したH1<H2が成り立つ場合、基端側圧着部23aは塑性変形量が比較的大きいためスプリングバックはしにくいが、凹形状に反った側部23abを設けることによって、基端側圧着部23aのスプリングバックをより確実に抑制することができる。さらには、導通確保エリアであるストレート圧着部23bを挟んだ基端側圧着部23aと隆起部23cとの両方を、スプリングバックを抑制する形状とすることで、導体圧着部23の形状がより一層安定することとなる。その結果、導体圧着部23の導通性能の低下をより確実に抑制しつつ、導通性能を安定させることができる。
また、隆起部23cにおける凹形状に反った側部23caの曲率半径Ra、基端側圧着部23aにおける凹形状に反った側部23abの曲率半径Rbについて、Ra≧Rbが成り立つようにすれば、隆起部23cのスプリングバックをより確実に抑制することができるので好ましい。
また、本実施形態では、垂直断面における窪み部233の底部の外表面が、下部231側に凹んだ2つの凹部233a、233bと、幅方向Yにおいて2つの凹部233a、233bの間に位置し下部231とは反対側に突出した凸部233cとを有している。すなわち、窪み部233の底部は略W字状になっている。これにより、窪み部233がスプリングバックしようとしても、凹部233a、233bが凸部233cを曲げ戻さなければ、すなわち凸部233cの凸形状を解消するように変形させなければスプリングバックできないこととなる。すなわち凸部233cは窪み部233のスプリングバックを抑制するように機能する。これにより、窪み部233のスプリングバックが抑制されるので、導体圧着部23の導通性能の低下をより確実に抑制することができる。
なお、本実施形態とは異なり、窪み部の底部に2つの凹部とその間の凸部が無く、略U字状になっている構造の場合は、当該構造は垂直断面において窪み部のスプリングバックを抑制する構造ではないこととなる。
また、凸部233cの曲率半径R1、凹部233aの曲率半径R2a、凹部233bの曲率半径R2bについて、R1≧R2aかつR1≧R2bが成り立てば、凸部233cは曲げ戻しにくくなるので、導体圧着部23の導通性能の低下をより確実に抑制することができ、好ましい。なお、R2aとR2bとは同じ値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。したがって、R2aとR2bとのうち小さくない方をR2とすると、R1≧R2が成り立つことが好ましい。
また、本実施形態では、凸部233cと凹部233a、および凸部233cと凹部233bが略滑らかに接続している。このことは、凸部233cと凹部233aとの接続部、および凸部233cと凹部233bとの接続部に局所的に変形または変位している箇所が少ないまたは無いことを意味している。このように接続部に局所的な変形または変位がないと、凸部233cと凹部233a、233bによるスプリングバック抑制に寄与する力が、局所的な変形や変位によって意図しない方向に作用することが抑制される。その結果、スプリングバック抑制の作用を、より効果的に発揮させることができる。
また、好ましくは、垂直断面における窪み部233と側部232aとの接続部C1の曲率半径R3aについて、R1≧R2a≧R3aが成り立てば、内部空間Sにおける側部空間Saの断面積が十分に大きくなる。その結果、圧着時において、導体11を構成する素線が側部空間Saにわたって入り込みやすくなる。これにより、圧着後における導体圧着部23と導体11との接触面積がより大きくなり、密着性も安定する。その結果、導体圧着部23の導通性能の向上と安定化を実現できる。同様に、好ましくは、垂直断面における窪み部233と側部232bとの接続部C2の曲率半径R3bについて、R1≧R2b≧R3bが成り立てば、内部空間Sにおける側部空間Sbの断面積が十分に大きくなる。その結果、導体圧着部23の導通性能の向上と安定化を実現できる。なお、R3aとR3bとは同じ値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。したがって、R3aとR3bとのうち大きくない方をR3とし、R2aとR2bとのうち小さくない方をR2とすると、R3≧R1≧R2が成り立つことが好ましい。
(端子付き電線の製造)
つぎに、端子付き電線1の製造について説明する。まず、図1に示すように、先端部において導体11が露出している被覆電線10の先端部を、圧着端子20Aの管状部28Aに、被覆電線挿入口27Aから挿入する挿入工程を行う。つづいて、圧着端子20Aの外周に圧力を加えて、圧着端子20Aを露出している導体11と被覆12の一部とに圧着接続する圧着工程を行う。圧着工程においては、少なくとも導体圧着部23と被覆圧着部25とを形成する。また、導体圧着部23を、少なくとも窪み部233を有する凹形状に形成する。さらに、導体圧着部23を、ストレート圧着部23bと隆起部23cとを少なくとも有するように形成する。これにより端子付き電線1が完成する。
上記圧着接続に用いる歯型の一例について説明する。圧着接続を行う際には、クリンパとも呼ばれる雌型歯型と、アンビルとも呼ばれる雄型歯型とを組み合わせて用いる。図6は、圧着接続に用いる雌型歯型の概略構成を示す模式図である。
雌型歯型100は、長手方向Xにおいて連結している導体加圧部110と被覆加圧部120とを有している。図6(a)は雌型歯型100を導体加圧部110側から見た図であり、図6(b)は雌型歯型100を被覆加圧部120側から見た図である。
導体加圧部110は、主に等径管状部24Aの側面に圧力を加え、導体圧着部23を形成するための部分である。導体加圧部110は、略立方体の一面に、長手方向Xに沿って延びる溝111が形成された形状を有している。溝111の底面には、幅方向Yの両側において長手方向Xに沿って延びるように2つの底部112、112が形成されている。さらに、2つの底部112、112の間には、長手方向Xに沿って延びるように2つの凸部113、113が形成されている。さらに、2つの凸部113、113の間は、長手方向Xに沿って延びるように凹部114が形成されている。
被覆加圧部120は、主に等径管状部26Aの側面に圧力を加え、被覆圧着部25を形成するための部分である。被覆加圧部120は、略立方体の一面に、長手方向Xに沿って延びるU字形状の溝121が形成された形状を有している。
図7は、歯型による圧着を説明する模式図である。なお、図7は圧着端子20Aの等径管状部24Aの部分を長手方向Xに垂直な断面で切断した端面を示している。圧着を行う際には、圧着端子20Aに被覆電線10の先端部を挿入した状態で、圧着端子20Aを雌型歯型100と雄型歯型200との間に配置する。雄型歯型200は、雌型歯型100の導体加圧部110と対向する位置において、所定の形状の当接面201を有している。そして、雌型歯型100と雄型歯型200とを互いに接近させ、雌型歯型100と雄型歯型200とを噛み合わせて圧着端子20Aに圧力を加え、圧着を行う。これにより、図3、4に示すような導体圧着部23の形状が形成される。具体的には、雄型歯型200の当接面201によって導体圧着部23の下部231の形状が形成される。雌型歯型100の2つの底部112、112によって側部232a、232bのそれぞれと窪み部233との接続部C1、C2の形状がそれぞれ形成される。2つの凸部113、113によって凹部233a、233bの形状がそれぞれ形成される。凹部114によって凸部233cの形状が形成される。
なお、雄型歯型200は、雌型歯型100の被覆加圧部120と対向する位置において、被覆加圧部120のU字形状の溝121と同様の形状のU字溝を有している。雌型歯型100と雄型歯型200とを噛み合わせて圧着端子20Aに圧力を加える際には、等径管状部26Aは、雌型歯型100の溝121と雄型歯型200のU字溝に挟まれて圧力が加えられ、図3に示すような被覆圧着部25の形状が形成される。
ここで、導体圧着部23の隆起部23cを形成するためには、雌型歯型100の先端の位置、すなわち雌型歯型100の導体加圧部110の先端の位置に注意する必要がある。
図8は、雌型歯型の先端の位置の一例を説明する模式図である。図8(a)に示す例では、雌型歯型100の導体加圧部110は、その先端115が傾斜管状部23A側の等径管状部24Aの先端24Aaの位置に位置するように当接される。この場合、図8(b)に示すように、雌型歯型100の導体加圧部110によって等径管状部24Aの外周に圧力を加えると、等径管状部24Aが圧潰されて、基端側圧着部23aとストレート圧着部23bと隆起部23cとが形成される。
一方、図9は、比較形態の雌型歯型の先端の位置の一例を説明する模式図である。図9(a)に示す例では、雌型歯型100の導体加圧部110は、その先端115が等径管状部24Aの途中の位置に位置するように当接される。この場合、図9(b)に示すように、雌型歯型100の導体加圧部110を等径管状部24Aの外周に当接すると、等径管状部24Aの先端24Aaから所定の長さの部分24Abには導体加圧部110が当接しないこととなる。この状態で導体加圧部110によって等径管状部24Aを圧潰すると、部分24Abは十分に圧潰されずに隆起部123cとして残る。この隆起部123cはストレート圧着部123b側に凸形状に突出した側部123caをストレート圧着部123b側に有するものとなる。このような形状の隆起部123cの場合、図9(c)に示すように側部123caにはスプリングバックを促進する方向に力F2が生じる。その結果、スプリングバックによる導通性能の低下を引き起こすおそれがある。
図10は、雌型歯型の先端の位置の他の一例を説明する模式図である。図10(a)に示す例では、雌型歯型100の導体加圧部110は、その先端115が傾斜管状部23Aの上方に位置するように当接される。この場合、図10(b)に示すように、雌型歯型100の導体加圧部110によって等径管状部24Aの外周に圧力を加えると、等径管状部24Aおよび傾斜管状部23Aの一部が圧潰されて、基端側圧着部23aとストレート圧着部23bと隆起部23cとが形成される。
(実施例1~3および比較例1~3)
導体がアルミニウムからなり断面積が5mm(5sq)以上の被覆電線と、厚さが約0.4mmの銅合金板材を加工して形成した圧着端子とを用いて、端子付き電線を作製した。なお、圧着端子については、等径管状部(等径管状部24Aに相当)の長さが2.3mmまたは4mmのものを用いた。また、雌型歯型については、図6に示すように導体加圧部の溝の底面に2つの底部と2つの凸部と1つの凹部が形成されているもの(第1雌型歯型とする)、または1つの凹部が存在せずに2つの凸部が一体となって台形状となっているもの(第2雌型歯型とする)を用いた。また、雌型歯型の先端位置(導体加圧部の先端位置)については、傾斜管状部の途中から等径管状部の先端までの間(等径管状部の先端も含む)、または等径管状部の途中とした。
そして、製造した端子付き電線に導通試験を行った。この導通試験では、まず製造後の各端子付き電線の電気抵抗値を測定した。その後、各端子付き電線に温度サイクル試験を行った。温度サイクル試験は、各端子付き電線に、環境温度140℃で15分、-40℃で15分を1サイクルとして240サイクルを行う環境下に置く試験とした。温度サイクル試験後、再び各端子付き電線の電気抵抗値を測定し、試験前後での電気抵抗値の差が1.5mΩ以内のものを、導通試験の合格と判定した。
表1に、実施例1~3および比較例1~3の端子付き電線の特徴と導通試験の合格数とを示す。ここで、垂直断面形状とは、導体圧着部の垂直断面における窪み部の底部の形状である。W型は図4に示すように2つの凹部の間に1つの凸部が存在する形状であり、第1雌型歯型を用いて圧着接続したものである。U形状は、窪み部の底部に2つの凹部とその間の凸部が存在しない形状であり、第2雌型歯型を用いて圧着接続したものである。また、隆起部基端側形状とは、導体圧着部の隆起部におけるストレート圧着部側の側部の形状であって、凹形状とはストレート圧着部側から凹形状に反った形状であり、凸形状はストレート圧着部側に凸形状に突出した形状である。また、等径部長さとは、等径管状部(等径管状部24Aに相当)の長さである。また、歯型先端位置は、雌型歯型の先端位置であり、傾斜部は傾斜管状部であり、等径部は等径管状部である。
Figure 0007028736000001
表1に示すように、歯型先端位置が傾斜部の途中から等径部先端までの間の場合は、隆起部基端側形状は凹形状となった(実施例1~3)。また、歯型先端位置が等径部の途中場合は、隆起部基端側形状は凸形状となった(比較例1~3)。実施例1の場合は、等径部長さが2.3mmと短いが、導通試験合格数は10本中10本であり、導通性能が導通試験後も良好でありかつ導通試験前後で安定であることが確認された。また、実施例2の場合は、等径部長さが4mmと短いが、導通試験合格数は10本中10本であり、導通性能が導通試験後も良好でありかつ導通試験前後で安定であることが確認された。また、実施例3の場合は、等径部長さが4mmと短いが、導通試験合格数は10本中8本であり、導通性能が導通試験後も良好でありかつ導通試験前後で安定であることが確認された。ただし、実施例3の場合は等径部長さが同じ4mmである実施例2の場合よりも合格数は少なかった。この理由は、垂直断面形状がU形状であるためと考えられる。
比較例1の場合は、導通試験合格数は10本中3本であった。この理由は、垂直断面形状はW形状であるものの、隆起部基端側形状が凸形状であるためと考えられる。比較例2の場合は、導通試験合格数は10本中5本であった。比較例2が比較例1よりも合格数が多い理由は、等径部長さが4mmと比較例1の2.3mmよりも長く、そのためストレート圧着部も長くなるためであると考えられる。比較例3の場合は、導通試験合格数は10本中1本と最も少なかった。この理由は、垂直断面形状はU形状かつ隆起部基端側形状が凸形状であり、スプリングバックが最も発生しやすい形状であるためと考えられる。
なお、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各実施形態の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
10 被覆電線
11 導体
12 被覆
20、20A 圧着端子
21 端子接続部
22 トランジション部
22a 封止部
23 導体圧着部
23a 基端側圧着部
23b ストレート圧着部
23c 隆起部
23ca、23cb 側部
23A 傾斜管状部
23Aa 一部
25A 段差部
24A、26A 等径管状部
24Aa 先端
24Ab 部分
25 被覆圧着部
27A 被覆電線挿入口
28A 管状部
100 雌型歯型
110 導体加圧部
111 溝
112 底部
113、233c 凸部
114、233a、233b 凹部
115 先端
120 被覆加圧部
121 溝
123b ストレート圧着部
123c 隆起部
123ca 側部
200 雄型歯型
201 当接面
231 下部
232a、232b 側部
233 窪み部
B1、B2 溶接ビード
C1、C2 接続部
C3、C4 接続点
F1、F2 力
S 内部空間
Sa、Sb 側部空間

Claims (11)

  1. 長手方向に延伸する導体と該導体の外周に形成された絶縁性の被覆とを有し、先端部において前記導体の外周の被覆が除去されて該導体が露出している被覆電線と、
    前記被覆電線の先端部が管状部に挿入され、前記露出している導体と前記被覆の一部とに圧着接続された圧着端子と、
    を備え、前記圧着端子は、前記露出している導体と圧着される導体圧着部と、前記被覆と圧着される被覆圧着部と、を有し、
    前記導体圧着部は、前記長手方向に垂直な断面において、前記管状部の外周の一部が圧潰されて窪んだ窪み部を有する凹形状であり、かつ、
    前記導体圧着部は、前記長手方向に沿った断面において、前記長手方向に略直線状に延びるように該導体を圧着しているストレート圧着部と、前記ストレート圧着部よりも先端側において、前記ストレート圧着部側から凹形状に反った側部を前記ストレート圧着部側に有する隆起部とを有する、
    ことを特徴とする端子付き電線。
  2. 前記導体圧着部は、前記長手方向に垂直な断面における前記窪み部の底部が、前記窪み部と対向する下部側に凹んだ2つの凹部と、前記2つの凹部の間に位置し前記下部側とは反対側に突出した凸部とを有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の端子付き電線。
  3. 前記長手方向に垂直な断面における前記凸部の曲率半径をR1、前記2つの凹部の曲率半径の小さくない方をR2とすると、R1≧R2が成り立つ、
    ことを特徴とする請求項2に記載の端子付き電線。
  4. 前記導体圧着部の、前記長手方向に垂直な断面における前記窪み部と、前記窪み部に対して幅方向両側に位置する側部との接続部の曲率半径の大きくない方をR3とすると、R3≧R1≧R2が成り立つ、
    ことを特徴とする請求項3に記載の端子付き電線。
  5. 前記長手方向に垂直な断面における前記2つの凹部の外表面のそれぞれと前記凸部の外表面との接続点における、前記凹部の外表面のそれぞれの接線と前記凸部の外表面の接線のそれぞれとが、略一致する、
    ことを特徴とする請求項2~4のいずれか一つに記載の端子付き電線。
  6. 前記導体圧着部は、前記長手方向に沿った断面において、前記ストレート圧着部の上面を基準とした前記隆起部の高さをH1、前記ストレート圧着部よりも基端側の導体圧着部である基端側圧着部の最大高さをH2とすると、H1<H2が成り立つ、
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の端子付き電線。
  7. 前記基端側圧着部は、前記ストレート圧着部側において、前記ストレート圧着部側から凹形状に反った側部を有する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の端子付き電線。
  8. 前記隆起部における凹形状に反った側部の曲率半径をRa、前記基端側圧着部における凹形状に反った側部の曲率半径をRbとすると、Ra≧Rbが成り立つ、
    ことを特徴とする請求項7に記載の端子付き電線。
  9. 前記導体圧着部は先端側が封止されている、
    ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一つに記載の端子付き電線。
  10. 長手方向に延伸する導体と該導体の外周に形成された絶縁性の被覆とを有し、先端部において前記導体の外周の被覆が除去されて該導体が露出している被覆電線の先端部を、圧着端子の管状部に挿入する挿入工程と、
    前記圧着端子の外周に圧力を加えて該圧着端子を前記露出している導体と前記被覆の一部とに圧着接続する圧着工程と、
    を含み、
    前記圧着工程において、
    前記圧着端子に対して、前記露出している導体と圧着する導体圧着部と、前記被覆と圧着する被覆圧着部と、を形成し、
    前記導体圧着部を、前記長手方向に垂直な断面において、前記管状部の外周の一部が圧潰されて窪んだ窪み部を有する凹形状に形成し、
    前記導体圧着部を、前記長手方向に沿った断面において、前記長手方向に略直線状に延びるように該導体を圧着しているストレート圧着部と、前記ストレート圧着部よりも先端側において、前記ストレート圧着部側から凹形状に反った側部を前記ストレート圧着部側に有する隆起部とを有するように形成する、
    ことを特徴とする端子付き電線の製造方法。
  11. 前記圧着端子の管状部は、長手方向で径が略一定の等径管状部と、前記等径管状部に連続して前記等径管状部よりも先端側に位置し、外周の一部の高さが前記等径管状部から先端側に向かうにつれて低くなるように傾斜している傾斜管状部と、を有しており、
    前記圧着工程において、前記圧着端子に対して、歯型の先端が前記等径管状部の前記傾斜管状部側の先端の位置または前記傾斜管状部の上方に位置するように前記歯型を前記圧着端子に当接させて、前記歯型で前記圧着端子を圧潰する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の端子付き電線の製造方法。
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