JP6339365B2 - ワイヤハーネス、被覆導線の接続方法およびワイヤハーネス構造体 - Google Patents

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Description

本発明は自動車等に用いられるワイヤハーネス等に関するものである。
従来、自動車用ワイヤハーネスにおける電線と端子との接続は、オープンバレル型と呼ばれる端子で電線をかしめて圧着する圧着接合が一般的である。しかし、このようなワイヤハーネスでは、電線と端子の接続部分に水分等が付着してしまうと、電線に用いられる金属表面の酸化が進み、接合部における抵抗が増加してしまう。また電線と端子に用いられる金属が異なる場合、異種金属間腐食が進んでしまう。当該接続部分における金属材料の腐食の進行は、接続部分の割れや接触不良の原因となり、製品寿命への影響を免れない。特に近年では、電線をアルミニウム合金とし、端子を銅合金とするワイヤハーネスが実用化されつつあり、接合部の腐食の課題が顕著になってきている。
ここで、例えばアルミニウムと銅のような異種金属の接触部分に水分が付着すると、腐食電位の違いから、いわゆる電食が発生する恐れがある。特に、アルミニウムと銅との電位差は大きいから、電気的に卑であるアルミニウム側の腐食が進行する。このため、導線と圧着端子との接続状態が不安定となり、接触抵抗の増加や線径の減少による電気抵抗の増大、さらには断線が生じて電装部品の誤動作、機能停止に至る恐れがある。
このような異種金属が接触するワイヤハーネスにおいて、例えば、一端閉塞型の筒状圧着部を有する端子を用い、この筒状圧着部内に電線の端部を挿入した後、該筒状圧着部をかしめ加工により圧着して、芯線端部を雨水や海水等の付着から保護する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2006−331931号公報
しかし、特許文献1のように圧着部の端部を封止した際、被覆部と圧着部との密着性が十分でないと、圧着部から水が浸入する恐れがある。
圧着部の密着性を高める方法としては、例えば、圧着部の内面に凸条部を形成し、被覆部を部分的に強く押圧する方法がある。このように凸条部を周方向に連続して形成すれば、止水性を高めることができると予測される。しかし、発明者らは、単に凸条部を圧着部の内面の全周に形成するのでは、必ずしも十分な止水性が確保できないことを見出した。
図9(a)は、このような端子を圧着する状態を示す図である。圧着部105の一方の端部は封止部122で封止される。また、圧着部105の内部には、被覆導線123が挿入される。この状態で、互いに対向する金型113a、113bを近づけることで、圧着部105と被覆導線123(被覆部127および導線125)が圧着される。
この際、金型113a、113bの内面には、突起115a、115bがそれぞれ形成される。突起115a、115bは、金型113a、113bのそれぞれの周方向に連続して形成される。また、突起115a、115bは、被覆導線123の軸方向に対して同一の位置に設けられる。
突起115a、115bの位置では、圧着部105が強く押し込まれるため、圧着部105に凸条部117a、117bが形成される。凸条部117a、117bは、圧着部105の内面に突出する部位である。
金型113a、113bを合わせた際に、突起115a、115bは周方向に連続する。したがって、凸条部117a、117bも、周方向に連続した環状に形成される。
ここで、金型113a、113bを合わせていくと、最終的な合わせ部109の部位で突起115a、115bが突き合わせられる。金型113a、113bを近づけていく段階では、突起115aによって、被覆部127は、下方に押し込まれる(図中X方向)。同様に、突起115bによって、被覆部127は、上方に押し込まれる(図中Y方向)。
一方、金型113a、113bが合わさる瞬間には、上下方向から被覆部127同士が押し込まれるため、被覆部127の樹脂は、急激に押し込み方向が変化して軸方向へ逃げる。すなわち、合わせ部109近傍においては、被覆部127は、急激な逃げ方向への変形が生じる。また、互いに対向して押し込まれあうため、十分な押し込み深さを得ることが困難である。
図9(b)は、このようにして形成された圧着状態を示す断面図である。前述したように、合わせ部109近傍では、被覆部127は、まっすぐに軸方向に逃げる(図中矢印Z)。
このように、被覆部127が直線状に逃げてしまうため、凸条部117a、117bの合わせ部109では、押し込み深さが不十分となり、被覆部127と圧着部105内面との密着性が劣る。このため、この合わせ部109を伝って、外部から圧着部105の内部へ水が浸入しやすくなる。したがって、より確実な止水性を確保する必要がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、高い止水性を確保することが可能なワイヤハーネス等を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、被覆導線と端子とが接続されるワイヤハーネスであって、前記端子は、前記被覆導線が圧着される圧着部と、端子本体と、を具備し、前記圧着部は、被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記被覆圧着部の内面には、中心に向かって突出し、周方向に所定長だけ連続する凸条部が形成され、前記被覆圧着部は、前記被覆圧着部の圧縮方向に2分割されており、少なくとも一方の分割部には、前記凸条部が複数形成され、前記被覆圧着部を周方向に2分割した際の、一の分割部に形成される前記凸条部の位置と、他の分割部に形成される前記凸条部の位置が、前記被覆圧着部の長手方向に対してずれており、前記凸条部は、前記一の分割部の半周部分に、当該分割部の半周分連続して設けられ、かつ前記他の分割部の半周部分に、当該分割部の半周分連続して設けられることを特徴とするワイヤハーネスである。
前記被覆圧着部の長手方向に対する前記他の分割部の前記凸条部の位置が、前記一の分割部の前記凸条部同士の略中央であってもよい。
前記凸条部は、前記被覆圧着部の周方向に対して所定の角度で形成されてもよい。
第1の発明によれば、凸条部を周方向において完全に連続して形成せず、一部を軸方向にずらして配置することで、高い止水性を確保することができる。
例えば、一対の金型で圧着する場合において、それぞれの金型の凸条部同士の突き合わせ部近傍では、樹脂が直線状に逃げてしまうため、圧着後に被覆導線の被覆部と圧着部との間に隙間が形成されやすくなる。本発明では、凸条部同士の突き合わせ部を無くすことで、急激な変形部を抑制し、樹脂が直線状に逃げることを防止することができるため、被覆部と圧着部との密着性を高めることができる。
このように凸条部をずらすためには、一対の金型のそれぞれの凸条部を形成するための突起の位置を互いにずらすことで容易に形成することができる。圧着部を周方向に2分割した際に、突起の位置を、互いの間の位置になるように形成することで、圧着部のバランスが良好であり、より確実に止水性を高めることができる。
また、凸条部を周方向に対して斜めに形成することもでき、この場合には、凸条部の長さを長くすることができる。
第2の発明は、端子と被覆導線との接続方法であって、前記端子は、前記被覆導線が圧着される圧着部と、端子本体とを有し、前記圧着部は、被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記圧着部に前記被覆導線を挿入し、一対の金型で前記圧着部を圧着する際に、それぞれの前記金型において前記被覆圧着部の内面に突出するように周方向に所定長だけ連続する凸条部を形成し、前記被覆圧着部は、前記被覆圧着部の圧縮方向に2分割されており、少なくとも一方の分割部には、前記凸条部が複数形成され、一対の前記金型のそれぞれによって形成される前記凸条部の位置を、前記被覆圧着部の長手方向に対してずらし、前記凸条部を、一の分割部の半周部分に、当該分割部の半周分連続して設け、かつ他の分割部の半周部分に、当該分割部の半周分連続して設けることを特徴とする端子と被覆導線の接続方法である。
第2の発明によれば、圧着部の内面に、容易に凸条部の位置を軸方向にずらして形成することができる。このため、止水性に優れたワイヤハーネスを製造することができる。
第3の発明は、複数本のワイヤハーネスが束ねられたワイヤハーネス構造体であって、前記ワイヤハーネスは、被覆導線と端子とが接続されており、前記端子は、前記被覆導線が圧着される圧着部と、端子本体と、を具備し、前記圧着部は、被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記被覆圧着部の内面には、中心に向かって突出し、周方向に所定長だけ連続する凸条部が形成され、前記被覆圧着部は、前記被覆圧着部の圧縮方向に2分割されており、少なくとも一方の分割部には、前記凸条部が複数形成され、前記被覆圧着部を周方向に2分割した際の、一の分割部に形成される前記凸条部の位置と、他の分割部に形成される前記凸条部の位置が、前記被覆圧着部の長手方向に対してずれており、前記凸条部は、前記一の分割部の半周部分に、当該分割部の半周分連続して設けられ、かつ前記他の分割部の半周部分に、当該分割部の半周分連続して設けられることを特徴とするワイヤハーネス構造体である。
本発明では、複数本のワイヤハーネスを束ねて用いることもできる。
本発明によれば、高い止水性を確保することが可能なワイヤハーネス等を提供することができる。
端子1を示す斜視図。 圧着後の圧着部5の正面拡大図。 ワイヤハーネスの圧着工程を示す図で、(a)は圧着前、(b)は圧着後を示す斜視図。 圧着前の圧着部5近傍の拡大断面図。 圧着後の圧着部5近傍の拡大断面図。 圧着後の圧着部5近傍の拡大断面図。 (a)、(b)は、圧着前の圧着部5近傍の他の実施形態を示す拡大断面図。 (a)、(b)は、圧着前の圧着部5近傍の他の実施形態を示す拡大断面図。 (a)は、凸条部117aと凸条部117bの位置が同一として圧着する状態を示す図、(b)は、凸条部117aと凸条部117bの位置が同一の場合の圧着状態を示す図。
以下、図面に基づいて、本発明の第1の実施の形態について詳細に説明する。図1は、端子1の斜視図である。端子1は、端子本体3と圧着部5とからなる。
端子1は、銅製である。端子本体3は、所定の形状の板材を、断面が矩形の筒体に形成したものである。端子本体3は、前端部18に、板材を矩形の筒体内に折り込んで形成される弾性接触片14を有する。端子本体3は、前端部18から雄端子などが挿入されて接続される。
圧着部5は、断面が円形の筒体となるように丸められ、側縁部同士を突き合わせて接合部21で接合して一体化することにより形成される。筒状に形成された圧着部5の後端部19から、後述する被覆導線が挿入される。また、圧着部5の前端部(端子本体3側)には封止部22が設けられる。すなわち、圧着部5は、被覆導線が挿入される後端部19以外は、封止される。なお、接合部21および封止部22は、例えばレーザ溶接等によって溶接される。
次に、端子1を用いて、被覆導線を圧着した状態について説明する。図2は、端子1と被覆導線23が圧着された状態を示す正面図である。圧着部5は、被覆導線23の被覆部を圧着する被覆圧着部5aと、被覆導線23の先端部分において、被覆部が除去されて導線が露出した部位を圧着する導線圧着部5bとからなる。
圧着部5には、金型の合わせ部である合わせ部9が形成される。なお、金型による圧着方法については後述する。被覆圧着部5aの外面には、凹溝7a、7bが形成される。合わせ部9よりも上方における半周部分には、凹溝7aが連続して設けられ、合わせ部9よりも下方の半周部分には凹溝7bが連続して形成される。
凹溝7a、7bは、それぞれ2つずつ形成される。凹溝7a、7bは、互いに、被覆圧着部5aの長手方向(被覆導線23の軸方向)に対して、互いにずれた位置に形成される。例えば、凹溝7a同士のピッチと、凹溝7b同士のピッチを同じにして、互いに半ピッチずらして形成される。この場合、一方の凹溝7bは、凹溝7aの中間(被覆圧着部5aの長手方向に対する中間)に形成される。また、一方の凹溝7aは、凹溝7bの中間(被覆圧着部5aの長手方向に対する中間)に形成される。
凹溝7a、7bは、他の部位と比較して、縮径された部位である。したがって、凹溝7a、7bに対応する被覆圧着部5aの内面は、中心方向に突出する部位となる。なお、本実施形態では、凹溝7a、7bの2分割した例を示すが、本発明はこれに限られず、周方向に複数に分割された凹溝を形成すればよい。また、凹溝7a、7bの配置数は図示した例には限られない。
次に、ワイヤハーネスを形成する工程について説明する。図3は、端子1と被覆導線23との接続工程を示す図である。まず、図3(a)に示すように、筒状の圧着部5に被覆導線23を挿入する。前述したように、圧着部5は、略筒状に丸められて、縁部同士が接合部21で接合される。また、圧着部5の前端部(端子本体3側)には封止部22が設けられる。すなわち、圧着部5は、被覆導線23が挿入される後端部19以外は、封止される。
被覆導線23は、導線25が絶縁性の被覆部27によって被覆される。導線25は、例えばアルミニウム系材料製である。被覆導線23を圧着部5に挿入する際には、被覆導線23の先端の一部の被覆部27が剥離され、導線25を露出させておく。なお、被覆部27としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン等、この技術の分野において通常用いられるものを選択することができる。
次に、図3(b)に示すように、図示を省略した金型によって、圧着部5を圧縮する。これにより、圧着部5が導線25および被覆部27と圧着され、ワイヤハーネス30が形成される。
図4は、圧着前における金型13a、13b等を示す図、図5は、圧着後の状態を示す図である。金型13a、13bのそれぞれには、内面に突出する突起15a、15bがそれぞれ形成される。突起15a、15bは、それぞれ、金型13a、13bの内周面において、周方向に連続する。すなわち、突起15a、15bは、環状の形態を、周方向に半割した形態である。
本実施形態では、突起15a、15bは、それぞれ2カ所ずつ形成される。金型13a、13bを対向させると、突起15a、15bの位置は、被覆圧着部5aの長手方向に対して異なる位置に形成される。
次に、図5に示すように、金型13a、13bを噛み合わせて、被覆導線23と圧着部5とを圧着する。なお、加締め後の導線圧着部5bの径は、被覆圧着部5aの径よりも小さい。したがって、導線圧着部5bは、被覆圧着部5aよりも強圧着となる。
被覆圧着部5aは、金型13a、13bの突起15a、15bに対応する部位が強く押し込まれ、径方向内側へ突出する凸条部17a、17bが形成される。すなわち、被覆圧着部5aの外周面に設けられる凹溝7a、7bに対応する、被覆圧着部5aの内周面に、凸条部17a、17bが形成される。
なお、凸条部17a、17bはプレス工程で端子を作る際に設けて、その後レーザ溶接を行っても良いし、前述したように、圧着工程の際に設けても良い。但し、プレス工程であらかじめ凸条部17a、17bを設けると、端子1に被覆導線23を挿入する際に邪魔になる恐れがある。また、接合部21をレーザ溶接した際に凸条部17a、17bがなだらかになってしまう恐れもある。このため、図4、図5に示すように、圧着と同時に金型13a、13bによって凸条部17a、17bを設けることが望ましい。
圧着後には、被覆圧着部5aの内面と被覆部27の外面との密着によって圧着部5を封止することができる。この際、圧着部5の後端部19以外の他の部位は、接合部21および封止部22によって水密に封止されるため、圧着部5への水分の浸入を防止することができる。以上により、ワイヤハーネス30が製造される。
ここで、前述したように、突起15a、15bの位置は、被覆圧着部5aの長手方向に互いにずれている。したがって、凸条部17a、17bの位置も、合わせ部9の上下でずれている。すなわち、凸条部17a、17bは、全周に連続せずに、所定長(半周分)だけ形成される。また、金型13a、13bを合わせた際に、突起15a、15bが突き合わさることがない。
ここで、金型13aによって、被覆圧着部5aが圧縮されていく過程では、突起15aの部位が特に大きく押し込まれていく。完全に金型13a、13bが組み合わさる瞬間には、突起15aの先端部近傍(合わせ部9近傍)が強く圧縮される。このように突起15aで被覆圧着部5aが圧縮されると、当該部位において、内部の被覆部27が強く圧縮される。
この際、合わせ部9の下部には、突起15aに対応する強圧縮部が存在しないため、被覆部27は、合わせ部9から下方側への変形が進行する(図中矢印A)。すなわち、被覆圧着部5aの軸方向への逃げが抑制される。
同様に、金型13bによって、被覆圧着部5aが圧縮されていく過程では、突起15bの部位が特に大きく押し込まれていく。完全に金型13a、13bが組み合わさる瞬間には、突起15bの先端部近傍(合わせ部9近傍)が強く圧縮される。このように突起15bで被覆圧着部5aが圧縮されると、当該部位において、内部の被覆部27が強く圧縮される。
この際、合わせ部9の上部には、突起15bに対応する強圧縮部が存在しないため、被覆部27は、合わせ部9から上方側への変形が進行する(図中矢印B)。すなわち、被覆圧着部5aの軸方向への逃げが抑制される。
このように、本発明では、図9に示した構造とは異なり、最終的な強圧縮部同士が突き合わさらないため、急激に変形方向が変化して、被覆部27が軸方向へ逃げることがない。また、互いに対向して押し込まれあわないため、合わせ部9近傍であっても、十分な押し込み深さを得ることができる。
図6は、圧縮後の圧着部5の断面図である。前述したように、本発明では、合わせ部9の近傍に、金型13a、13bの突起15a、15bが突き合わさることがない。このため、合わせ部9において、被覆部27は、軸方向の一直線状に軸方向に逃げるのではなく、波型に後方に逃げる。このように、被覆部27が蛇行して逃げることで、摩擦が大きくなり、被覆部27が圧着部5の外部に出にくくなる。
この結果、圧着部5の内部に、被覆部27を留めることができる。このため、この部位近傍の被覆部27を確実に被覆圧着部5aの内面に密着させることができる。したがって、被覆部27と被覆圧着部5aとの間の止水性を向上させることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、止水性を確保するための凸条部17a、17bを、あえて周方向に連続させずに、金型13a、13bの合わせ部9に対応する部位で、軸方向の位置をずらして形成する。このため、特に合わせ部における、凸条部17a、17bの形成時の、被覆部27の逃げをなだらかに安定させることができる。このため、合わせ部9において、被覆部27に直線状の逃げに伴う、被覆部27と被覆圧着部5aとの密着不足を防止することができる。
特に、凸条部17a、17bを複数形成し、互いに半ピッチずらして配置することで、上述した効果を安定して確保することができる。
なお、凸条部17a、17bの配置等は、図2等に示したものには限られない。すなわち、図2に示すように、合わせ部9の上下に、各々2つの凸条部17a、17bを形成するのではなく、他の形態であってもよい。
例えば、図7(a)に示すように、一方の凹溝7bを1カ所として、他方の凹溝7aを複数個所に形成してもよい。すなわち、凸条部17a、17bの形成数は、上下で同数でなくてもよい。なお、この場合には、凹溝7a(凸条部17a)の軸方向の中央位置に、凹溝7b(凸条部17b)を形成することが望ましい。
同様に、図7(b)に示すように、上方の凹溝7a(凸条部17a)を一つとして、下方の凹溝7b(凸条部17b)を二つ形成してもよい。なお、この場合には、凹溝7b(凸条部17b)の軸方向の中央位置に、凹溝7a(凸条部17a)を形成することが望ましい。
また、本発明では、凸条部17a、17bは、周方向にまっすぐに形成しなくてもよい。例えば、図8(a)、図8(b)に示すように、凹溝7a(凸条部17a)および凹溝7b(凸条部17b)を、被覆圧着部5aの周方向に対して所定の角度で形成してもよい。
図8(a)では、上方の凹溝7a(凸条部17a)が、合わせ部9から頂部に行くにつれて、前方(端子本体側)に向かって傾斜するように形成される。また、下方の凹溝7b(凸条部17b)が、合わせ部9から頂部に行くにつれて、後方(被覆導線側)に向かって傾斜するように形成される。この場合には、金型13a、13bは、まっすぐに対向するように移動するのではなく、互いに斜めに移動する。例えば、上方の金型13aは、前方から後方に斜めに移動し、下方の金型13bは、後方から前方に斜めに移動する。
また、図8(b)は、図8(a)に対して、傾斜方向を変えたものである。8(b)では、上方の凹溝7a(凸条部17a)と、下方の凹溝7b(凸条部17b)のいずれもが、合わせ部9から頂部に行くにつれて、前方(端子本体側)に向かって傾斜するように形成される。
このように、凹溝7a(凸条部17a)と、下方の凹溝7b(凸条部17b)を斜めに形成することで、凸条部17a、17bの全長を長くすることができる。このため、止水性を高めることができる。
なお、凹溝7a(凸条部17a)と、下方の凹溝7b(凸条部17b)の配置数、傾斜の有無および方向は、図示した例には限られず、適宜変更することができ、前述した各実施形態を互いに組み合わせることもできる。
また、凸条部17a、17bの断面形状は図示したような台形状には限られない。凸条部17a、17b断面形状は、半円状、矩形、三角形などの多角形等を有するものであってもよい。
また、凸条部17a、17bの断面形状が、長手方向に対して傾斜するようにしてもよい。例えば、凸条部17a、17bの基部(凸条部17a、17b以外の部位の被覆圧着部5aの内面位置)の中心線に対して、凸条部17a、17bの断面形状を非対称な形状とすることもできる。
また、凸条部17a、17bの形状がそれぞれ異なっていてもよい。例えば、凸条部17a、17bのそれぞれの幅や断面形状が互いに異なっていてもよい。また、凸条部17a、17b(凹溝7a、7b)の一部が合わせ部9において、互いに重なり合ってもよい。すなわち、凸条部17a、17bの位置が、被覆圧着部の長手方向に対してずれているとは、例えばそれらの中心位置が長手方向にずれていることを意味し、凸条部17a、17b(凹溝7a、7b)の幅方向の一部が、合わせ部9で一部が重なってもよい。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、実施例は、電線にアルミニウムを使った場合を記載したが、これに限定されず、電線に銅を使っても良い。また、本発明では、前述した各実施形態は、互いに組み合わせることができることは言うまでもない。
また、本発明にかかるワイヤハーネスを複数本束ねて使用することもできる。本発明では、このように複数本のワイヤハーネスが束ねられた構造体を、ワイヤハーネス構造体と称する。
1………端子
3………端子本体
5………圧着部
5a………被覆圧着部
5b………導線圧着部
7a、7b………凹溝
9………合わせ部
13a、13b………金型
14………弾性接触片
15a、15b………突起
17a、17b………凸条部
18………前端部
19………後端部
21………接合部
22………封止部
23………被覆導線
25………導線
27………被覆部
105………圧着部
109………合わせ部
113a、113b………金型
115a、115b………突起
117a、117b………凸条部
122………封止部
123………被覆部
125………導線
127………被覆部

Claims (5)

  1. 被覆導線と端子とが接続されるワイヤハーネスであって、
    前記端子は、前記被覆導線が圧着される圧着部と、端子本体と、を具備し、
    前記圧着部は、被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、
    前記被覆圧着部の内面には、中心に向かって突出し、周方向に所定長だけ連続する凸条部が形成され、
    前記被覆圧着部は、前記被覆圧着部の圧縮方向に2分割されており、
    少なくとも一方の分割部には、前記凸条部が複数形成され、
    前記被覆圧着部を周方向に2分割した際の、一の分割部に形成される前記凸条部の位置と、他の分割部に形成される前記凸条部の位置が、前記被覆圧着部の長手方向に対してずれており、
    前記凸条部は、前記一の分割部の半周部分に、当該分割部の半周分連続して設けられ、かつ前記他の分割部の半周部分に、当該分割部の半周分連続して設けられることを特徴とするワイヤハーネス。
  2. 前記被覆圧着部の長手方向に対する前記他の分割部の前記凸条部の位置が、前記一の分割部の前記凸条部同士の略中央であることを特徴とする請求項1記載のワイヤハーネス。
  3. 前記凸条部は、前記被覆圧着部の周方向に対して所定の角度で形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス。
  4. 端子と被覆導線との接続方法であって、
    前記端子は、前記被覆導線が圧着される圧着部と、端子本体とを有し、
    前記圧着部は、被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、
    前記圧着部に前記被覆導線を挿入し、一対の金型で前記圧着部を圧着する際に、それぞれの前記金型において前記被覆圧着部の内面に突出するように周方向に所定長だけ連続する凸条部を形成し、
    前記被覆圧着部は、前記被覆圧着部の圧縮方向に2分割されており、
    少なくとも一方の分割部には、前記凸条部が複数形成され、
    一対の前記金型のそれぞれによって形成される前記凸条部の位置を、前記被覆圧着部の長手方向に対してずらし、
    前記凸条部を、一の分割部の半周部分に、当該分割部の半周分連続して設け、かつ他の分割部の半周部分に、当該分割部の半周分連続して設けることを特徴とする端子と被覆導線の接続方法。
  5. 複数本のワイヤハーネスが束ねられたワイヤハーネス構造体であって、
    前記ワイヤハーネスは、被覆導線と端子とが接続されており、
    前記端子は、前記被覆導線が圧着される圧着部と、端子本体と、を具備し、
    前記圧着部は、被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、
    前記被覆圧着部の内面には、中心に向かって突出し、周方向に所定長だけ連続する凸条部が形成され、
    前記被覆圧着部は、前記被覆圧着部の圧縮方向に2分割されており、
    少なくとも一方の分割部には、前記凸条部が複数形成され、
    前記被覆圧着部を周方向に2分割した際の、一の分割部に形成される前記凸条部の位置と、他の分割部に形成される前記凸条部の位置が、前記被覆圧着部の長手方向に対してずれており、
    前記凸条部は、前記一の分割部の半周部分に、当該分割部の半周分連続して設けられ、かつ前記他の分割部の半周部分に、当該分割部の半周分連続して設けられることを特徴とするワイヤハーネス構造体。
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