JP7028667B2 - レーザ装置およびレーザ装置の制御方法 - Google Patents
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図1は、実施形態1に係るレーザ装置の構成図である。レーザ装置100は、半導体レーザ素子であるLD1と、変更手段である温度調節器2と、半導体光増幅器(SOA)3と、ビームスプリッタ4、5、9と、第1検出器である受光素子6と、エタロンフィルタ7と、第2検出器である受光素子8と、第3検出器である受光素子10と、制御部11とを備えている。以下、受光素子6、8、10は、それぞれPD1、PD2、PD3と記載する場合がある。
制御部11は、SOA3が、APCの制御目標の強度となるレーザ光L2を出力するために必要な強度以上の強度のレーザ光L1を出力するように、レーザ光L1に供給する駆動電流を制御することが好ましい。すなわち、SOA3の利得には上限値があるので、その利得の範囲で、制御目標の強度となるレーザ光L2を実現できるレーザ光L1の強度となるように制御を行うことが好ましい。
制御部11は、受光素子6が受光するレーザ光L11に対するSL1の影響と、受光素子8が受光するレーザ光L12に対するSL2の影響とが所定量以下となる様に、所定の強度以上のレーザ光L1を出力するように、レーザ光L1に供給する駆動電流を制御することが好ましい。具体的には、上述したように、波長モニタ算出部17がレーザ光L1の波長を算出する際には、本来、L11/L12の比がLD1の出力するレーザ光の波長に対応する値となるが、PD1電流値,PD2電流値が迷光SL1,SL2による成分を含む場合には、同じPD2/PD1を与えていても、(レーザ光L11の強度)/(レーザ光L12の強度)が異なった値となってしまい、結果LD1の出力するレーザ光の波長が所望の値と異なる場合が想定される。そこで、受光素子6、8が受光する迷光SL1、SL2の強度がレーザ光L11,L12の強度に比較して相対的に十分小さくなる様に、レーザ光L1の強度をある程度以上の強度となる様に制御することが好ましい。このような強度としては、たとえば仕様等によりレーザ光L1が所定の波長間隔(または光の周波数間隔)で設定される場合、SOA-OFFの場合に算出されるPD2/PD1と、SOA3を最大出力とした場合のPD2/PD1との差が、その波長間隔の1/10以下(たとえば、周波数間隔が25GHzである場合に2.5GHz以下)、より好ましくは当該波長間隔の1/20以下、さらに好ましくは1/50以下に対応する量であることが好ましい。尚、仕様によりSOA3から出力されるレーザ光強度の範囲が設定される場合等では、SOA3から出力されるレーザ光強度が最小の場合(たとえば、10dBm)と、SOA3から出力されるレーザ光強度が最大の場合(たとえば、15dBm)とでのPD2/PD1の差が、上述した周波数差に対応する量であることが好ましい。すなわち、制御部11は、SOA3の出力が最大の場合におけるレーザ光L1の波長と、SOA3の出力が最小の場合におけるレーザ光L1の波長との差が、所定の値以下となる様にLD1に供給する駆動電流を制御することが好ましい。
制御部11がLD1に供給する駆動電力は、制御部11の性能やLD1の仕様によってその上限が決まる。このとき、制御部11は、LD1の電力変換効率が所定値以上となるようにLD1に供給する駆動電流を制御することが好ましい。図4は、LD1のI-L特性および電力変換効率の一例を示す図である。図2に示すように、LD1の光出力(Power)は、駆動電流(Current)の増加に従って増加する。しかし、電力変換効率(PCE)は、まず駆動電流の増加に従って増加し、その後減少する。したがって、PCEが所定値PCE1となる駆動電流I1を上限として、PCEがPCE1以上となる範囲の駆動電流とすることが好ましい。
制御部11は、LD1に供給する駆動電流にリミッタが設けられていることが好ましい。このリミッタは、駆動電流の制御目標値に対する上限または下限の少なくとも一方である。これにより、駆動電流のオーバーシュートやアンダーシュートが防止され、制御の速度や安定性が向上する。その結果、たとえば発振波長を変更するために要する時間も短縮できる。
制御部11は、温度調節器2に供給する駆動電流の制御を周期的に行い、SOA3に駆動電流を供給している期間と供給していない期間とで制御の周期を変更することが好ましい。温度調節器2に供給する駆動電流の制御を周期的に行うと、その周期的制御によって発生するノイズがレーザ光L1に重畳してしまい、レーザ光L1のスペクトル線幅が拡大してしまう場合がある。そこで、SOA3に駆動電流を供給している期間、すなわちレーザ光L2が出力される期間では、供給していない期間よりも制御の周期を長くすることによって、スペクトル線幅の拡大を抑制できる。
制御部11は、温度調節器2に供給する駆動電流の制御と、LD1に供給する駆動電流の制御とを所定の周期で行い、この所定の周期の1周期内において、LD1に供給する駆動電流の制御を行った後に温度調節器2に供給する駆動電流の制御を行うことが好ましい。換言すれば、まずLD1のAPCによる制御を行った後に、温度調節器2のAFCによる制御を行うことが、発振波長を変更するために要する時間の短縮上、好ましい。AFCによる制御を行った後にLD1のAPCによる制御を行うと、当該APCによる制御によって、AFCによって制御したLD1の発振波長が変化してしまう場合があるからである。
制御部11は、LD1のAPCによる制御を比例積分制御により行っているが、SOA3に駆動電流を供給している期間と供給していない期間とで、比例積分制御における比例定数および積分定数を変更することが好ましい。たとえば、SOA3に駆動電流を供給している期間、すなわちレーザ光L2が出力される期間では、比例定数および積分定数を比較的小さくすることによって、制御が安定化する。一方、SOA3に駆動電流を供給しておらず、レーザ光L2が出力されていない期間では、比例定数および積分定数を比較的大きくすることによって制御が高速化し、発振波長を変更するために要する時間の短縮できる。なお、比例定数および積分定数を比較的大きくすることによって、発振波長が瞬間的に意図しない値となる場合もあり得るが、レーザ光L2が出力されていない期間であれば特に問題とならない。
図5は、実施形態2に係るレーザ装置の構成図である。レーザ装置100Aは、レーザ装置100Aの構成において、ビームスプリッタ4をビームスプリッタ4Aに置き換え、ビームスプリッタ5を削除した構成を有する。
図6は、実施形態3に係るレーザ装置の構成図である。レーザ装置100Bは、レーザ装置100Aの構成において、制御部11を制御部11Bに置き換えた構成を有する。LD1、温度調節器2、SOA3、ビームスプリッタ4A、9、受光素子6、エタロンフィルタ7、受光素子8、受光素子10等はレーザ装置100Aの対応する要素と同じ構成、機能を有するので説明を省略する。
図9は、実施形態4に係るレーザ装置の構成図である。レーザ装置100Cは、レーザ装置100Bの構成において、ビームスプリッタ9、受光素子10を削除し、制御部11Bを制御部11Cに置き換えた構成を有する。LD1、温度調節器2、SOA3、ビームスプリッタ4A、受光素子6、エタロンフィルタ7、受光素子8等はレーザ装置100Bの対応する要素と同じ構成、機能を有するので説明を省略する。
2 温度調節器
4、4A、5、9 ビームスプリッタ
6、8、10 受光素子
7 エタロンフィルタ
11、11B、11C 制御部
12 PD1モニタ取得部
13 PD2モニタ取得部
14 PD3モニタ取得部
15 LD-APC出力算出部
15B LD出力算出部
16 LD-APC出力送信部
16B LD出力送信部
17、17B 波長モニタ算出部
18 AFC出力算出部
19 AFC出力送信部
20 SOA-APC出力算出部
20C SOA出力算出部
21 SOA-APC出力送信部
21C SOA出力送信部
22 制御目標指示部
23、23B、23C 記憶部
24B、24C SOA-迷光量算出部
100、100A、100B、100C レーザ装置
L1、L11、L12、L2、L21、L3、L31、L32 レーザ光
SL1、SL2 迷光
Claims (18)
- レーザ素子と、
前記レーザ素子の発振波長を変更する変更手段と、
前記レーザ素子から出力された第1レーザ光を光増幅して第2レーザ光として出力する光増幅器と、
前記第1レーザ光の一部である第1部分と前記第2レーザ光の一部である第1部分とを受光し、受光した光の強度のモニタ値を出力する第1検出器と、
光の波長に対して周期的な透過特性を有する光フィルタと、
前記光フィルタを透過した前記第1レーザ光の一部である第2部分と、前記第2レーザ光の一部である第2部分とを受光し、受光した光の強度のモニタ値を出力する第2検出器と、
前記第2レーザ光の強度の制御目標値に基づいて前記第1検出器が受光する前記第2レーザ光の第1部分の強度と前記第2検出器が受光する前記第2レーザ光の第2部分の強度とを求め、前記求めた強度に基づいて前記第1検出器によるモニタ値と前記第2検出器によるモニタ値とを補償し、前記補償したモニタ値に基づいて前記第1レーザ光の波長を求め、前記求めた波長が目標波長となるように前記変更手段に供給する駆動電流を制御するとともに、前記第1検出器によるモニタ値に基づいて、前記レーザ素子に供給する駆動電流を、前記第1レーザ光の出力が一定となるように制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
予め記憶部に記憶され、前記第2レーザ光の強度の制御目標値と前記第2レーザ光の第1部分の強度及び前記第2レーザ光の第2部分の強度とのそれぞれの関係を示す第1関係情報に基づいて、前記第2レーザ光の強度の制御目標値から前記第1検出器が受光する前記第2レーザ光の第1部分の強度と前記第2検出器が受光する前記第2レーザ光の第2部分の強度とをそれぞれ求めるとともに、
予め前記記憶部に記憶され、前記第1検出器によるモニタ値を補償する第1補償量と前記第2レーザ光の第1部分の強度との関係を示す第2関係情報に基づいて、前記第2レーザ光の第1部分の強度から前記第1補償量を求め、前記求めた前記第1補償量に基づいて、前記第1検出器によるモニタ値を補償するとともに、予め前記記憶部に記憶され、前記第2検出器によるモニタ値を補償する第2補償量と前記第2レーザ光の第2部分の強度との関係を示す第3関係情報に基づいて、前記第2レーザ光の第2部分の強度から前記第2補償量を求め、前記求めた前記第2補償量に基づいて、前記第2検出器によるモニタ値を補償することを特徴とするレーザ装置。 - 前記制御部は、前記光増幅器が制御目標の強度の前記第2レーザ光を出力するために必要な強度以上の強度の前記第1レーザ光を出力するように前記レーザ素子に供給する駆動電流を制御することを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
- 前記制御部は、前記第1検出器が受光する前記第1レーザ光の第1部分に対する前記第2レーザ光の第1部分の影響と、前記第2検出器が受光する前記第1レーザ光の第2部分に対する前記第2レーザ光の第2部分の影響とが所定量以下になる様に、所定の強度以上の前記第1レーザ光を出力するように前記レーザ素子に供給する駆動電流を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ装置。
- 前記制御部は、前記増幅器の出力が最大の場合における前記第1レーザ光の波長と、前記増幅器の出力が最小の場合における前記第1レーザ光の波長との差が、所定の値以下となる様に前記レーザ素子に供給する駆動電流を制御することを特徴とする請求項3に記載のレーザ装置。
- 前記制御部は、前記レーザ素子の電力変換効率が所定値以上となるように前記レーザ素子に供給する駆動電流を制御することを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載のレーザ装置。
- 前記制御部は、前記レーザ素子に供給する駆動電流にリミッタが設けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載のレーザ装置。
- 前記制御部は、前記変更手段に供給する駆動電流の制御を周期的に行い、前記光増幅器に駆動電流を供給している期間と供給していない期間とで前記制御の周期を変更することを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載のレーザ装置。
- 前記制御部は、前記変更手段に供給する駆動電流の制御と、前記レーザ素子に供給する駆動電流の制御とを所定の周期で行い、前記所定の周期の1周期内において、前記レーザ素子に供給する駆動電流の制御を行った後に前記変更手段に供給する駆動電流の制御を行うことを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載のレーザ装置。
- 前記制御部は、前記レーザ素子に供給する駆動電流の制御を比例積分制御により行い、前記光増幅器に駆動電流を供給している期間と供給していない期間とで前記比例積分制御における比例定数および積分定数を変更することを特徴とする請求項1~8のいずれか一つに記載のレーザ装置。
- レーザ素子と、
前記レーザ素子の発振波長を変更する変更手段と、
前記レーザ素子から出力された第1レーザ光を光増幅して第2レーザ光として出力する光増幅器と、
前記第1レーザ光の一部である第1部分と前記第2レーザ光の一部である第1部分を受光し、受光した光の強度のモニタ値を出力する第1検出器と、
光の波長に対して周期的な透過特性を有する光フィルタと、
前記光フィルタを透過した前記第1レーザ光の一部である第2部分と、前記第2レーザ光の一部である第2部分を受光し、受光した光の強度のモニタ値を出力する第2検出器と、
を備えるレーザ装置の制御方法であって、
前記第2レーザ光の強度の制御目標値に基づいて前記第1検出器が受光する前記第2レーザ光の第1部分の強度と前記第2検出器が受光する前記第2レーザ光の第2部分の強度とを求めるステップと、
前記求めた強度に基づいて前記第1検出器によるモニタ値と前記第2検出器によるモニタ値とを補償するステップと、
前記補償したモニタ値に基づいて前記第1レーザ光の波長を求めるステップと、
前記求めた波長が目標波長となるように前記変更手段に供給する駆動電流を制御するステップと、
前記第1検出器によるモニタ値に基づいて、前記レーザ素子に供給する駆動電流を、前記第1レーザ光の出力が一定となるように制御するステップと、
を含み、
前記第2レーザ光の第1部分の強度と前記第2レーザ光の第2部分の強度とを求めるステップでは、
予め記憶部に記憶され、前記第2レーザ光の強度の制御目標値と前記第2レーザ光の第1部分の強度及び前記第2レーザ光の第2部分の強度とのそれぞれの関係を示す第1関係情報に基づいて、前記第2レーザ光の強度の制御目標値から前記第1検出器が受光する前記第2レーザ光の第1部分の強度と前記第2検出器が受光する前記第2レーザ光の第2部分の強度とをそれぞれ求め、
前記第1検出器によるモニタ値と前記第2検出器によるモニタ値とを補償するステップでは、
予め前記記憶部に記憶され、前記第1検出器によるモニタ値を補償する第1補償量と前記第2レーザ光の第1部分の強度との関係を示す第2関係情報に基づいて、前記第2レーザ光の第1部分の強度から前記第1補償量を求め、前記求めた前記第1補償量に基づいて、前記第1検出器によるモニタ値を補償するとともに、予め前記記憶部に記憶され、前記第2検出器によるモニタ値を補償する第2補償量と前記第2レーザ光の第2部分の強度との関係を示す第3関係情報に基づいて、前記第2レーザ光の第2部分の強度から前記第2補償量を求め、前記求めた前記第2補償量に基づいて、前記第2検出器によるモニタ値を補償することを特徴とするレーザ装置の制御方法。 - 前記光増幅器が制御目標の強度の前記第2レーザ光を出力するために必要な強度以上の強度の前記第1レーザ光を出力するように前記レーザ素子に供給する駆動電流を制御することを特徴とする請求項10に記載のレーザ装置の制御方法。
- 前記第1検出器が受光する前記第2レーザ光の第1部分と前記第2検出器が受光する前記第2レーザ光の第2部分との影響が所定量以下となる様に、所定の強度以上の前記第1レーザ光を出力するように前記レーザ素子に供給する駆動電流を制御することを特徴とする請求項10または11に記載のレーザ装置の制御方法。
- 前記増幅器の出力が最大の場合における前記第1レーザ光の波長と、前記増幅器の出力が最小の場合における前記第1レーザ光の波長との差が、所定の値以下となる様に前記レーザ素子に供給する駆動電流を制御することを特徴とする請求項12に記載のレーザ装置の制御方法。
- 前記レーザ素子の電力変換効率が所定値以上となる範囲の強度の前記第1レーザ光を出力するように前記レーザ素子に供給する駆動電流を制御することを特徴とする請求項10~13のいずれか一つに記載のレーザ装置の制御方法。
- 前記レーザ素子に供給する駆動電流にリミッタを設けることを特徴とする請求項10~14のいずれか一つに記載のレーザ装置の制御方法。
- 前記変更手段に供給する駆動電流の制御を周期的に行い、前記光増幅器に駆動電流を供給している期間と供給していない期間とで前記制御の周期を変更することを特徴とする請求項10~15のいずれか一つに記載のレーザ装置の制御方法。
- 前記変更手段に供給する駆動電流の制御と、前記レーザ素子に供給する駆動電流の制御とを所定の周期で行い、前記所定の周期の1周期内において、前記レーザ素子に供給する駆動電流の制御を行った後に前記変更手段の制御を行うことを特徴とする請求項10~16のいずれか一つに記載のレーザ装置の制御方法。
- 前記レーザ素子に供給する駆動電流の制御を比例積分制御により行い、前記光増幅器に駆動電流を供給している期間と供給していない期間とで前記比例積分制御における比例定数および積分定数を変更することを特徴とする請求項10~17のいずれか一つに記載のレーザ装置の制御方法。
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