JP2005150695A - 半導体レーザ波長制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体レーザの光出力強度が変化しても光波長を一定に制御することができ、装置全体を小型化することができる半導体レーザ波長制御装置を提供する。
【解決手段】温度制御装置を駆動してレーザダイオード1の温度を制御することで、レーザダイオード1の光波長を所定の波長に制御する制御手段を備え、当該制御手段はローパス特性を有し、波長フィルタ7を通過した光を電気信号に変換した第1の光電変換信号とレーザダイオード1が所定の波長を発光するような目標値とを入力し、前記温度制御装置を駆動するための制御信号を出力すると共に、複数の極のうち大きい極が被制御対象のカットオフ周波数fcより大きくなるように、且つ零点が被制御対象のカットオフ周波数fcより小さくなるように設定される。
【選択図】 図7

Description

本発明は、光通信システムなどに用いられ、半導体レーザの発光波長が一定となるように制御する半導体レーザ波長制御装置に関する。
従来の半導体レーザ波長制御装置として、半導体レーザの発光波長を、半導体レーザの温度を制御することにより一定に保持するものが知られている。この種の半導体レーザ波長制御装置を、図1を参照して説明する。
図1は、従来の半導体レーザ波長制御装置(除算器あり)の構成を示すブロック図である。
図1に示す半導体レーザ波長制御装置は、レーザダイオード1と、熱電子冷却素子(TEC:Thermoelectric Cooler)2と、光スプリッタ3と、第1光/電気変換器4と、光強度制御基準生成部5と、自動光出力制御回路6と、波長フィルタ7と、第2光/電気変換器8と、波長制御目標値生成部9と、除算器10aと、温度制御回路11とを備えて構成されている。
このような構成において、まず、レーザダイオード1の光出力信号を、光スプリッタ3を使用して光出力A及びBに2分岐する。この分岐された一方の光出力Aは、第1光/電気変換器4に入力され、ここで、その光強度に応じた電気信号VPD1に変換される。
ここで、電気信号VPD1は、半導体レーザであるレーザダイオード1の光出力強度を表す信号である。例えば、光通信に使用される半導体レーザ装置においては、半導体レーザの平均光出力強度の変動が小さいことが必要されており、これを実現するためにAPC(Auto Power Control)を用いた自動光出力制御回路6が使用されている。
自動光出力制御回路6は、第1光/電気変換器4から出力される電気信号VPD1と光強度制御基準生成部5から生成される光出力強度制御目標値REF1とを比較し、双方の差が零となるようにレーザダイオード1への光出力強度制御電流を制御することによって、レーザダイオード1からの光出力強度を一定とする。
一方、光スプリッタ3にて分岐された他方の光出力Bは、光の透過率が光波長依存性を持つ波長フィルタ7を通過した後、第2光/電気変換器8に入力される。第2光/電気変換器8から出力される電気信号VPD2は、レーザダイオード1の光出力Bが波長フィルタ7を透過した後の光強度に対応する信号であり、光出力強度依存性と光波長依存性を有する。
レーザダイオード1から所望の波長を得るためには、第2光/電気変換器8から出力される電気信号VPD2に応じてレーザダイオード1の温度を変化させることによって、当該電気信号VPD2と、第1光/電気変換器4から出力される電気信号VPD1との比率を一定にする必要がある。
論理的には、一定な波長を得るために、電気信号VPD2と電気信号VPD1との除算結果(VPD2/VPD1)を常に一定にしなければならない。
これを実現するために、除算器10aが設けられる。電気信号VPD2と電気信号VPD1とを除算器10aに入力し、VPD2/VPD1の除算を行い、この除算結果をVOUTとして温度制御回路11へ出力する。
温度制御回路11は、VOUTが、波長制御目標値生成部9から生成される波長制御目標値REF2と等しくなるように、ペルチェ素子などの熱電子冷却素子2の温度を制御することによって、レーザダイオード1の温度を制御する。
このようにして、レーザダイオード1の温度が一定に保持される。レーザダイオード1、即ち半導体レーザの波長は、半導体レーザの温度に強く依存するため、温度を一定に保持することによって、安定した半導体レーザの波長が得られる。また、波長制御目標値REF2を調整することによって、所望の波長を得ることができる。つまり、上記の半導体レーザ波長制御装置においては、VPD2/VPD1は次式のようになる。即ち、
VPD2/VPD1=REF2
とすることによって、一定な波長を得ることができる。この種の従来の装置として、例えば特許文献1に記載のものがある。
熱電子冷却素子の反応速度及び制御対象物の熱容量の結果として全体の反応速度が決定し、光伝送でのレーザモジュールなどでは、これらの反応速度がローパスフィルタ(LPF)に近似でき、LPFのカットオフ周波数fCが0.01Hzから0.1Hz程度と非常に低い周波数となる。
熱電子冷却素子及び制御回路をフィードバック回路で構成する場合、フィードバックループでは、制御対象の温度と目標温度とを一致させるためには低周波数(DC)ゲインが十分必要である。系のエラー量は通常ループのゲイン分の1に比例する。環境温度が一定であり、目標温度が一定であれば、DCでのゲインで系のエラー量が決定する。
そのため、熱電子冷却素子とこれを制御するフィードバック回路では、系全体のループの安定性及び系全体のループのDCゲイン確保を考慮する必要がある。さらに、熱電子冷却素子の個体差が大きく、素子の種類を変えるとカットオフ周波数fCの範囲が広がるため、カットオフ周波数fCのばらつきも考慮する必要がある。
従来、この低周波数特性を持つ制御対象を用いた制御方式には、アナログ制御方式やPID制御方式などを採用している。
アナログ制御方式は、図2に示すように、DCゲインを上げるために高ゲイン段91とLPF92で構成されている。
このとき、図2に示す回路の伝達特性H(s)は下記(1)式で表される。
H(s)={A/RC}・{1/(s+1/RC)} ………(1)
ここで、Aは利得である。
ループ全体を安定させるためには、位相余裕を確保する必要がある。カットオフ周波数fCより制御回路の極(Pole)が十分に高周波であり、ループ全体のオープンループ利得が1となる周波数f0より制御回路のPoleが十分に高い周波数であれば位相余裕が確保できる。
しかし、この場合、制御対象に大きい信号で高周波の制御信号を加えることになり、制御対象からの出力信号はLPFにより平滑化されるが、制御対象内部では激しく変化することになり、好ましくない。したがって、カットオフ周波数fCより低い周波数もしくは近傍にPoleを設定している。このため、電気−熱変換素子のカットオフ周波数fCと合わせて2次のループとなり位相余裕が問題となるため、図3に示すように位相補償回路を加える方式が採用されている。
このとき、図3に示す回路の伝達特性H(s)は下記(2)式で表される。
Figure 2005150695
また、PID制御方式では、図4に示すように、比例項P、積分項I、微分項Dの3項の係数をパラメータとして制御特性を決定する。PID制御は自由度が大きく汎用性がある。PIDのパラメータを決定するには、調整則を用いて制御対象の特性の大まかな特徴に基づいて、おおよその値即ち初期設定を決める。しかし、この初期設定によって十分満足できる制御特性が得られるとは限らず、この制御で制御対象を制御しつつ実際の制御特性を見ながらパラメータを再調整することが必要となる場合が多い。またループの安定性についても、ステップ応答などに対し実際に制御しつつ制御量及び操作量が一定に落ち着くようにパラメータを調整する(例えば、非特許文献1参照)。
次に、図5に、除算器10aを使用しない半導体レーザ波長制御装置の構成を示し、その説明を行う。但し、図5において、図1の各部に対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図5に示す半導体レーザ波長制御装置が図1に示す装置と異なる点は、除算器10aに代え、減算器10を用いたことにある。また、波長制御目標値生成部9は、この図5においては、波長制御目標値REF2として、VPD2−VPD1の目標値を出力するようになっている。
即ち、減算器10によって、電気信号VPD2から電気信号VPD1を引き算し、この結果をVOUTとして温度制御回路11へ出力するようにした。温度制御回路11は、VOUTが、波長制御目標値生成部9から生成される波長制御目標値REF2と等しくなるように、熱電子冷却素子2の温度を制御することによって、レーザダイオード1の温度を制御する。この種の従来の装置として、例えば特許文献2に記載のものがある。
特開2001−7438号公報 特開2002−270954号公報 システム制御情報学会編、「PID制御」、第16頁〜第38頁、朝倉書店、平成14年9月発行
しかし、従来の図1に示した半導体レーザ波長制御装置においては、除算器10aを使用するが、この除算器10aは回路規模が大きいため、装置全体が大きくなるという問題がある。
また、除算器10aで除算されるVPD2とVPD1とは、双方が一定の倍率で変化するので、双方の割り算を行った場合は、図6に曲線21で示すように、波長を一定に保持することができる。図6は、VPD2/VPD1と、第1光/電気変換器4から出力される電気信号VPD1との依存関係を示す図である。
しかし、VPD2とVPD1との除算結果が割り切れない値である場合、この割り切れない値による設定誤差が生じるため、レーザダイオード1の発光波長を一定に制御することができないという問題がある。
一方、図5に示した半導体レーザ波長制御装置においては、除算器10aの代わりに減算器10を用いたので、上記の回路規模が大きくなることと、割り切れない値による設定誤差の問題は解消することができる。
減算器10を用いた構成の場合、波長制御目標値REF2は、REF2=VPD2−VPD1となるため、VPD2/VPD1が、次式(3)のようになる。
VPD2/VPD1=(VPD1+REF2)/VPD1
=1+(REF2/VPD1) …(3)
この式(3)に示すように、波長を一定に保つためには、第1光/電気変換器4から出力される電気信号VPD1を一定にしなければならない。
何故なら、減算器10を用い、VPD2−VPD1の計算を行った場合、双方は一定の倍率で変化するので、ある倍率変化した場合、VPD2の変化量とVPD1の変化量とに差が生じており、この差が計算されることになる。例えば、VPD2=2とVPD1=1とが各々3倍に変化した場合、6と3とになり、6−3の計算を行った場合、2−1の計算結果と異なることになる。
つまり、電気信号VPD1が変化した場合、電気信号VPD2とVPD1との計算結果に誤差が生じ、図6に曲線22で示すように、波長を一定に保持することができなくなる。このため、自動光出力制御回路6によって電気信号VPD1の変動を抑制することによって、波長を一定に保持するようになっている。
しかし、レーザダイオード1の経年劣化によって、当該レーザダイオード1に必要とされる光出力強度制御電流が、自動光出力制御回路6での制御範囲を超えた場合、波長を一定とすることができないという問題がある。
また、半導体レーザ波長制御装置の使用用途によっては、レーザダイオード1の光出力強度を連続的に変化させなければならないが、光出力強度が連続的に変化した場合、上述したように減算器10による計算誤差が生じるため、波長を一定とすることができないという問題がある。
また、制御対象の周波数特性が低いLPF特性を持つ場合、カットオフ周波数fCがfC<0.1Hzと低く、図3に示す上記従来のアナログ制御方式にあっては、位相補償がカットオフ周波数fCより十分低い必要があるため、RCの定数が大きな値となり、小型化及びLSI化は困難となるという未解決の課題がある。
また、時定数が非常に低いため、安定するまでに時間がかかるという未解決の課題がある。さらに、カットオフ周波数fCは制御対象である素子により個体差があり、またアナログ回路自体もばらつきが大きく、ループ全体を安定とするためには個体調整を必要とするなど、生産性にも問題があるという未解決の課題がある。
また、上記従来のPID制御方式にあっては、得られた制御特性に対して実機で評価し、パラメータを調整する必要があるため、素子の個体差を考慮するとパラメータ決めが困難であり、設計開発に多くの時間を要するという未解決の課題がある。また、素子の種類を変える場合にはパラメータの再設計が必要となり、さらに多くの開発工数を必要とするという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、半導体レーザの光出力強度が変化しても光波長を一定に制御することができ、装置全体を小型化することができる半導体レーザ波長制御装置を提供することを目的としている。
また、波長制御において制御対象が周波数特性が低いLPF特性を持つ場合、制御対象の個体差、種類変更を考慮しても十分に安定で設計しやすく、LSI化が可能となる温度制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る半導体レーザ波長制御装置は、半導体レーザと、半導体レーザからの光を受けると共に、前記光の波長により透過率が変化する光フィルタと、温度制御装置を駆動して前記半導体レーザの温度を制御することで、前記半導体レーザの光波長を所定の波長に制御する制御手段とを備える半導体レーザ波長制御装置において、前記制御手段はローパス特性を有し、前記光フィルタを通過した光を電気信号に変換した第1の光電変換信号と前記半導体レーザが所定の波長を発光するような目標値とを入力し、前記温度制御装置を駆動するための制御信号を出力すると共に、複数の極のうち大きい極が被制御対象のカットオフ周波数より大きくなるように、且つ零点が被制御対象のカットオフ周波数より小さくなるように設定されていることを特徴とする。
この前記制御手段は、前記第1の光電変換信号と前記目標値とを比較する比較手段と、該比較手段の出力を演算して、複数の極のうち大きい極が被制御対象のカットオフ周波数より大きくなるように、かつ零点が被制御対象のカットオフ周波数より小さくなるように設定されている演算手段とを備えたことを特徴とする。
演算手段は、前記比較手段の出力と帰還信号との差を整数倍する比例手段と、該比例手段の出力を積分した後、前記帰還信号として帰還させる第1の積分手段と、前記比較手段の出力を整数分の1倍して前記比例手段の出力に加算する信号を生成する加算信号生成手段と、該加算信号生成手段の出力を積分して前記制御信号として出力する第2の積分手段とを備えることを特徴とする。
また、前記演算手段は、比較手段の出力と帰還信号との差をK倍(Kは1以上の整数)する比例手段と、該比例手段の出力を積分した後、1/L倍(Lは1以上の整数)して前記帰還信号として帰還させる第1の積分手段と、前記比較手段の出力を1/N倍(Nは1以上の整数)して前記比例手段の出力に加算する信号を生成する加算信号生成手段と、該加算信号生成手段の出力と前記比例手段の出力とを加算した信号をM倍した後、積分して前記制御信号として出力する第2の積分手段とを備え、複数の極のうち大きい極が被制御対象のカットオフ周波数より大きくなるように前記K値及び前記L値が設定され、零点が被制御対象のカットオフ周波数より小さくなるように前記N値が設定され、低周波域から被制御対象のカットオフ周波数までの利得が少なくとも1となるように前記M値が設定されていることを特徴とする。
前記加算信号生成手段は、前記比較手段の出力を累算した値がN−1(Nは1以上の整数)より大きいときに、累算結果よりN−1を減算して+1を前記比例手段の出力に加算する信号とし、累算した値が−Nより小さいときに、累算結果にNを加算して−1を前記比例手段の出力に加算する信号とすることができる。
また、前記加算信号生成手段は、前記比較手段の出力を累算した値がN(Nは1以上の整数)より大きいときに、累算結果よりNを減算して+1を前記比例手段の出力に加算する信号とし、累算した値が−Nより小さいときに、累算結果にNを加算して−1を前記比例手段の出力に加算する信号とすることもできる。
前記第2の積分手段の出力をD/A変換するD/A変換手段を有し、前記比較手段は、前記第1の光電変換信号をA/D変換し、変換後の信号と前記目標値との差を検出するように構成してもよい。
また、前記第2の積分手段の出力をD/A変換するD/A変換手段を有し、前記比較手段は、前記第1の光電変換信号と前記目標値との差を検出し、この差をA/D変換するように構成してもよい。
さらに、前記第2の積分手段の出力をD/A変換するD/A変換手段を有し、前記比較手段は、前記第1の光電変換信号を比較器の正極入力へ接続し、前記目標値を比較器の負極入力に接続するように構成してもよい。
立ち上げ時と安定時とで前記K値、前記M値、前記N値及び前記L値を異なる値に設定するように構成してもよい。
さらに、半導体レーザから出力される光を分岐した一方の光を電気信号に変換した第2の光電変換信号と前記半導体レーザの光出力強度を所定強度に制御するための光出力強度制御目標値とが等しくなるように、前記半導体レーザへ出力する光出力強度制御電流を制御する第2の制御手段をさらに備え、前記第2の制御手段は、前記半導体レーザの光波長を所定波長に制御するための波長制御目標値を生成する第1の生成手段と、前記光フィルタの所望の波長に対する透過率に相当する変換係数を生成する第2の生成手段と、前記第2の光電変換信号から前記光出力強度制御目標値を減算して、光出力強度の変化量を求める減算手段と、前記変換係数と前記光出力強度の変化量とを乗算して、当該光出力強度の変化量に応じた前記波長制御目標値の補正値を求める乗算手段と、前記波長制御目標値の補正値と前記波長制御目標値とを加算して、前記波長制御目標値の補正値で前記波長制御目標値を補正する加算手段とを備え、前記加算手段で補正された目標値を前記制御手段に入力する目標値とすることを特徴とする。
前記第1の光電変換信号は、前記分岐した他方の光を前記光フィルタに通過させて電気信号に変換した信号であり、前記変換係数は、前記半導体レーザが所望の光出力強度及び波長となっている条件にあって、前記第1の光電変換信号を前記第2の光電変換信号で除算して得られる値である。
また、本発明は、半導体レーザから出力される光を分岐した一方の光を電気信号に変換した第2の光電変換信号と、前記半導体レーザの光出力強度を所定強度に制御するための光出力強度制御目標値とが等しくなるように、前記半導体レーザへ出力する光出力強度制御電流を制御する半導体レーザ波長制御装置において、前記半導体レーザの光波長を所定波長に制御するための波長制御目標値を生成する第1の生成手段と、前記半導体レーザが所望の光出力強度及び波長となっている条件にあって、前記分岐した他方の光を光透過性が光波長依存性を持つ波長フィルタを透過し、この透過光を電気信号に変換した第1の光電変換信号を、前記第2の光電変換信号で除算した値を変換係数として生成する第2の生成手段と、前記第2の光電変換信号から前記光出力強度制御目標値を減算して、光出力強度の変化量を求める減算手段と、前記変換係数と前記光出力強度の変化量とを乗算して、当該光出力強度の変化量に応じた前記波長制御目標値の補正値を求める乗算手段と、前記波長制御目標値の補正値と前記波長制御目標値とを加算して、前記波長制御目標値の補正値で前記波長制御目標値を補正する加算手段とを備え、前記加算手段で補正された波長制御目標値に前記第1の光電変換信号が等しくなるように、前記半導体レーザの温度を制御することを特徴とする。
本発明の構成によれば、制御対象の周波数特性が低いLPF特性を持つ場合、制御対象のカットオフ周波数を考慮して制御回路のパラメータを設定するので、十分安定且つLSI化が可能な制御回路とすることができる。
また、制御対象の個体差によるカットオフ周波数のばらつきや、制御対象である素子の種類変更を考慮して、制御対象のカットオフ周波数を考慮して制御回路のパラメータを変化させて、零点、極及び利得を設定するので、ループ全体を安定にするための位相余裕を確保するように制御回路を設計することができる。従って、十分安定な制御回路を容易に設計することができる。そして、多くの開発工数を必要とすることなく安定したレーザモジュールの温度制御を行うことができる。
さらに、素子の種類を変える場合でもパラメータの再設計が不要となり、開発工数を削減することができるという効果が得られる。
また、複数の極のうち大きい極が制御対象のカットオフ周波数より大きくなるように、また零点が制御対象のカットオフ周波数より小さくなるように、さらに低周波域から制御対象のカットオフ周波数までの利得が少なくとも1となるように制御回路のパラメータを調整するので、ループ全体を安定にするための位相余裕を確保するように制御回路を設計することができると共に、立ち上げ時と安定時とで制御回路のパラメータを変化させて安定状態への収束時間を短縮することができる。
さらに、制御回路をデジタル化することで、制御回路自体のばらつきをなくすことができ、累加算器を用いて制御回路を構成することで、計算上の桁数の増加を抑制することができるので、制御回路を小型化できLSI化に有利となるという効果が得られる。
一方、半導体レーザに必要とされる光出力強度制御電流が、この光出力強度制御電流を生成するための制御手段の制御範囲を超えた場合、又は半導体レーザの光出力強度を変化させた場合に、第2の光電変換信号が変化しても、第1の光電変換信号/第2の光電変換信号の除算結果が、常に固定値である変換係数となるため、半導体レーザの出力波長を一定に保つことができる。
また、分岐した他方の光を光透過性が光波長依存性を持つ波長フィルタを透過させた光を電気信号に変換した光電変換信号と光電変換信号との除算結果が、従来のように回路規模の大きい除算器を用いずとも、常に固定値となるようにしたので、半導体レーザの出力波長を一定に保つことができる。
従って、半導体レーザの光出力強度が変化しても光波長を一定に制御することができ、装置全体を小型化することができるという効果がある。
以上説明したように本発明は、制御対象の周波数特性が低いLPF特性を持つ場合、制御対象のカットオフ周波数を考慮して制御回路のパラメータを設定するので、十分安定且つLSI化が可能な制御回路とすることができる。
また、制御対象の個体差によるカットオフ周波数のばらつきや、制御対象である素子の種類変更を考慮して、制御対象のカットオフ周波数を考慮して制御回路のパラメータを変化させて、零点、極及び利得を設定するので、ループ全体を安定にするための位相余裕を確保するように制御回路を設計することができる。従って、十分安定な制御回路を容易に設計することができる。そして、多くの開発工数を必要とすることなく安定したレーザモジュールの温度制御を行うことができる。
さらに、素子の種類を変える場合でもパラメータの再設計が不要となり、開発工数を削減することができるという効果が得られる。
また、複数の極のうち大きい極が制御対象のカットオフ周波数より大きくなるように、また零点が制御対象のカットオフ周波数より小さくなるように、さらに低周波域から制御対象のカットオフ周波数までの利得が少なくとも1となるように制御回路のパラメータを調整するので、ループ全体を安定にするための位相余裕を確保するように制御回路を設計することができると共に、立ち上げ時と安定時とで制御回路のパラメータを変化させて安定状態への収束時間を短縮することができる。
さらに、制御回路をデジタル化することで、制御回路自体のばらつきをなくすことができ、累加算器を用いて制御回路を構成することで、計算上の桁数の増加を抑制することができるので、制御回路を小型化できLSI化に有利となるという効果が得られる。
一方、半導体レーザに必要とされる光出力強度制御電流が、この光出力強度制御電流を生成するための制御手段の制御範囲を超えた場合、又は半導体レーザの光出力強度を変化させた場合に、第2の光電変換信号が変化しても、第1の光電変換信号/第2の光電変換信号の除算結果が、常に固定値である変換係数となるため、半導体レーザの出力波長を一定に保つことができる。
また、分岐した他方の光を光透過性が光波長依存性を持つ波長フィルタを透過させた光を電気信号に変換した光電変換信号と光電変換信号との除算結果が、従来のように回路規模の大きい除算器を用いずとも、常に固定値となるようにしたので、半導体レーザの出力波長を一定に保つことができる。
従って、半導体レーザの光出力強度が変化しても光波長を一定に制御することができ、装置全体を小型化することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図7は、本発明の実施の形態に係る半導体レーザ波長制御装置の構成を示すブロック図である。但し、図7に示す本実施の形態において、図5に示した従来例の各構成要素に対応する要素には同一符号を付し、同一用途で適用されているものに関しては、その説明を省略する。
図7に示す半導体レーザ波長制御装置は、半導体レーザとしてのレーザダイオード1と、熱電子冷却素子2と、光スプリッタ3と、第1光/電気変換器4と、光強度制御基準生成部5と、自動光出力制御回路6と、波長フィルタ7と、第2光/電気変換器8と、減算手段としての減算器10と、制御手段としての温度制御回路11と、第2の生成手段としての変換係数生成部12と、乗算手段としての乗算器13と、加算手段としての加算器14と、第1の生成手段としての波長制御基準生成部15とを備えて構成されている。
この減算器10、変換係数生成部12、乗算器13、加算器14及び波長制御基準生成部15で第2の制御手段を構成している。
次に、これらの構成要素の説明を行う。
熱電子冷却素子2は、例えばペルチェ素子を用いる。ペルチェ素子は、ビスマス・テルルを基本材料とするP型半導体とN型半導体を、金属電極を介して接合して構成されており、N型半導体からP型半導体側に電流を流すと、P型半導体とN型半導体の接合部では電子のエネルギーレベルが高い状態から低い状態に遷移して周囲の結晶格子の振動エネルギーを吸収するので吸熱量が増加して温度を低下させる。
一方、P型半導体からN型半導体側に電流を流すと、該接合部では電子のエネルギーレベルが低い状態から高い状態に遷移して周囲の結晶格子に振動エネルギーを供給するので吸熱量が減少して温度を上昇させる。
従って、ペルチェ素子82に流す電流の方向と電流値を制御することにより、温度制御を行うことができる。
ここで、例えば、図15に示すように、ペルチェ素子駆動回路83は、駆動パルスのデューティ比を制御することによってペルチェ素子の吸熱及び発熱を制御するパルス幅変調方式で構成されている。図中PWM回路はパルス幅変調回路であって、制御信号uに応じて駆動パルスを出力するように構成されている。また、図中82はペルチェ素子、83aはペルチェ素子に直列に接続される抵抗、83bは駆動パルスの論理レベルを反転するインバータ、83c〜83fは、例えば、供給されるパルスの論理レベルが“1”の時に開放になり、供給されるパルスの論理レベルが“0”の時に短絡になるスイッチである。
そして、直列に接続されたスイッチ83d及び83f、並びに直列に接続されたスイッチ83e及び83cが並列に接続され、スイッチ83dと83fとの中間点と、83eと83cとの中間点とが、直列に接続されたペルチェ素子82及び抵抗83aで接続されている。
スイッチの動作を上記のように定義すれば、図15は、前記駆動パルスの論理レベルが“1”の時を示している。即ち、駆動パルスの論理レベルが“1”であればインバータ83bの出力の論理レベルは“0”であるので、スイッチ83e及び83dが短絡になり、スイッチ83c及び83fが開放になるので、この時には図15において矢印の方向にペルチェ電流が流れる。
一方、前記駆動パルスの論理レベルが“0”になると、インバータ83bの出力の論理レベルが“1”になるので、スイッチ83c及び83fが短絡になり、スイッチ83e及び83dが開放になって、図15において矢印の方向とは逆方向にペルチェ電流が流れる。
従って、このように駆動パルスによってペルチェ素子82の電流の方向を制御する方式によれば、駆動パルスのデューティ比が50%の時には吸熱量の増減がバランスして、前記接合部の温度変化がなく、駆動パルスのデューティ比を50%より増減させると、前記接合部の温度はこの増減に応じて上昇又は下降する。
このように、制御信号uに応じて駆動パルスのデューティ比を制御することによりペルチェ素子82の温度制御を行って、レーザダイオードの温度を設定目標温度に一定に保つことができる。このペルチェ素子82によってレーザダイオードの温度を制御する装置全体で温度制御装置を構成している。
ここで、このようなレーザモジュールでは、反応特性がローパスフィルタ(LPF)に近似でき、LPFのカットオフ周波数fCは0.01Hzから0.1Hz程度と非常に低い周波数となり、このカットオフ周波数fCは電気−熱変換素子により個体差がある。
そこで、制御信号uを出力する制御回路において、後述するような制御対象の素子によるカットオフ周波数fCの個体差を考慮して、十分安定した制御回路となるようにパラメータ設定を行う。
光強度制御基準生成部5は、光出力強度制御目標値REF1を自動光出力制御回路6及び減算器10へ出力するものである。
波長制御基準生成部15は、波長制御目標値REF2を加算器14へ出力するものである。
変換係数生成部12は、調整時にレーザダイオード1が所望の光出力強度及び波長に調整された際に、当該レーザダイオード1の光出力が波長フィルタ7を透過した後の光強度を表す第1の光電変換信号としての信号VPD2を、当該レーザダイオード1の光出力強度を表す第2の光電変換信号としての信号VPD1で除算し、この結果を固定値Kとして生成し、これを乗算器13へ出力するものである。以降、VPD1を光出力強度表示信号、VPD2をフィルタ透過光出力強度表示信号、Kを変換係数Kという。
ここで、変換係数Kを次式(4)で示す。
K=REF2/REF1 …(4)
自動光出力制御回路6は、光出力強度表示信号VPD1と光強度制御目標値REF1とが等しくなるように、レーザダイオード1へ出力する光出力強度制御電流を制御することによって、レーザダイオード1の光出力強度を一定にするものである。
ここで、VPD1,VPD2の初期値を、それぞれVPD1(t0),VPD2(t0)とし、VPD1(t0)を次式(5)で示す。
VPD1(t0)=REF1 …(5)
減算器10は、光出力強度表示信号VPD1から光出力強度制御目標値REF1を引くことによって、光出力強度の変化量V1を求めるものである。初期状態においては、V1=VPD1(t0)−REF1=0の計算を行う。
乗算器13は、光出力強度の変化量V1に応じた波長制御目標値REF2の補正値を求めるために、変換係数Kと光出力強度の変化量V1とを乗算し、この結果を波長制御目標値REF2の補正値V2とするものである。初期状態においては、V2=K×V1=0の計算を行う。
加算器14は、波長制御目標値REF2の補正値V2で波長制御目標値REF2を補正するために、V2+REF2の加算を行い、この結果を補正波長制御目標値V3として温度制御回路11へ出力するものである。初期状態においては、V3=REF2+V2=REF2の計算を行う。
温度制御回路11は、フィルタ透過光出力強度表示信号VPD2が、補正波長制御目標値V3と等しくなるように、熱電子冷却素子2の温度を制御することによって、レーザダイオード1の温度を制御するものである。初期状態においては、VPD2(t0)は次式(6)となる。
VPD2(t0)=V3=REF2 …(6)
ここで、上式(5)及び(6)より、VPD2(t0)/VPD1(t0)は、
{VPD2(t0)/VPD1(t0)}=REF2/REF1=K …(7)
となり、波長を一定に保つことができるようになっている。
このような構成の半導体レーザ波長制御装置の動作を説明する。
最初に、レーザダイオード1の経年劣化によって、当該レーザダイオード1に必要とされる光出力強度制御電流が、自動光出力制御回路6での制御範囲を超えた際に、光出力強度表示信号VPD1が変化する場合の動作を説明する。
但し、経年劣化後のVPD1,VPD2を、それぞれVPD1(tl),VPD2(tl)とする。
光出力強度表示信号VPD1(tl)がVPD1(t0)に比べ、ΔVPD1に変化した場合、ΔVPD1=VPD1(t1)−VPD1(t0)となる。
この変化量ΔVPD1は、減算器10によって検知される。即ち、減算器10によって、V1(t1)=VPD1(t1)−REF1の計算結果が得られる。
ここで、その計算結果は、上式(5)より、
V1(t1)=VPD1(t1)−REF1=VPD1(t1)−VPD1(t0)=ΔVPD1 …(8)
となる。
次に、乗算器13によって、その光出力強度の変化量V1(t1)に、変換係数Kが、次式(9)のように乗算され、この結果、波長制御目標値REF2の補正値V2が求められる。
V2(t1)=V1(t1)×K=ΔVPD1×K …(9)
次に、加算器14によって、その波長制御目標値REF2の補正値V2(t1)に、波長制御目標値REF2が加算され、この加算結果の補正波長制御目標値V3が求められ、温度制御回路11へ出力される。温度制御回路11は、フィルタ透過光出力強度表示信号VPD2が、補正波長制御目標値V3と等しくなるように、熱電子冷却素子2の温度を制御することによって、レーザダイオード1の温度を制御する。
これを数式で表すと、次式(10)及び(11)のようになる。
VPD2(t1)=V3(t1)
V3(t1)=V2(t1)+REF2=ΔVPD1×K+REF2 …(10)
上式(8)及び(10)より、VPD1(t1)、VPD2(t1)は
VPD1(t1)=REF1+ΔVPD1
VPD2(t1)=REF2+K×ΔVPD1
となり、また、上式(4)より、
K=REF2/REF1
となるため、
{VPD2(t1)/VPD1(t1)}=(REF2+K×ΔVPD1)/(REF1+ΔVPD1)=(K×REF1+K×ΔVPD1)/(REF1+ΔVPD1)=K …(11)
となる。
ここで、上式(11)で表されるように、レーザダイオード1の経年劣化によって、当該レーザダイオード1に必要とされる光出力強度制御電流が、自動光出力制御回路6での制御範囲を超えた際に、光出力強度表示信号VPD1が変化しても、VPD2/VPD1の結果が常に固定値Kとなるため、レーザダイオード1の出力波長を一定に保つことができる。
次に、レーザダイオード1の光出力強度を変化させ、光出力強度表示信号VPD1が変化する場合の動作を説明する。
但し、レーザダイオード1の光出力強度を変化させた後のVPD1,VPD2を、それぞれVPD1(t2),VPD2(t2)とする。
レーザダイオード1の光出力強度を変化させ、光出力強度表示信号VPD1(t2)がVPD1(t0)に比べ、ΔVPD1に変化した場合、ΔVPD1=VPD1(t2)−VPD1(t0)となる。
この変化量ΔVPD1は、減算器10によって検知される。即ち、減算器10によって、V1(t2)=VPD1(t2)−REF1の計算結果が得られる。
ここで、その計算結果は、上式(5)より、
V1(t2)=VPD1(t2)−REF1=VPD1(t2)−VPD1(t0)=ΔVPD1 …(12)
となる。
次に、乗算器13によって、その光出力強度の変化量V1(t2)に、変換係数Kが、次式(13)のように乗算され、この結果、波長制御目標値REF2の補正値V2が求められる。
V2(t2)=V1(t2)×K=ΔVPD1×K …(13)
次に、加算器14によって、その波長制御目標値REF2の補正値V2(t2)に、波長制御目標値REF2が加算され、この加算結果の補正波長制御目標値V3が求められ、温度制御回路11へ出力される。温度制御回路11は、フィルタ透過光出力強度表示信号VPD2が、補正波長制御目標値V3と等しくなるように、熱電子冷却素子2の温度を制御することによって、レーザダイオード1の温度を制御する。
これを数式で表すと、次式(14)及び(15)のようになる。
VPD2(t2)=V3(t2)
V3(t2)=V2(t2)+REF2=ΔVPD1×K+REF2 …(14)
上式(8)及び(10)より、VPD1(t2)、VPD2(t2)は
VPD1(t2)=REF1+ΔVPD1
VPD2(t2)=REF2+K×ΔVPD1
となり、また、上式(4)より、
K=REF2/REF1
となるため、
{VPD2(t2)/VPD1(t2)}=(REF2+K×ΔVPD1)/(REF1+ΔVPD1)=(K×REF1+K×ΔVPD1)/(REF1+ΔVPD1)=K …(15)
となる。
ここで、上式(15)で表されるように、レーザダイオード1の光出力強度を変化させることによって、光出力強度表示信号VPD1が変化しても、VPD2/VPD1の結果が常に固定値Kとなるため、レーザダイオード1の出力波長を一定に保つことができる。
このように、本実施の形態の半導体レーザ波長制御装置によれば、図1に示した従来例のように回路規模の大きい除算器10aを用いずとも、レーザダイオード1の出力波長を一定に保つことができる。従って、その分、半導体レーザ波長制御装置全体を小型化することができる。
また、除算器10aを用いないので、除算器10aを用いた場合のVPD2とVPD1との割り切れない除算値による設定誤差が生じ、これが原因でレーザダイオード1の発光波長を一定に制御することができないといったことを防止することができる。
また、レーザダイオード1の経年劣化によって、当該レーザダイオード1に必要とされる光出力強度制御電流が、自動光出力制御回路6での制御範囲を超えた際に、光出力強度表示信号VPD1が変化しても、VPD2/VPD1の結果が常に固定値Kとなるため、除算器10aを用いずとも、レーザダイオード1の出力波長を一定に保つことができる。
更に、レーザダイオード1の光出力強度を変化させることによって、光出力強度表示信号VPD1が変化しても、VPD2/VPD1の結果が常に固定値Kとなるため、除算器10aを用いずとも、レーザダイオード1の出力波長を一定に保つことができる。
次に、温度制御回路11を詳細に説明する。
図8は本発明の温度制御回路11を示す概略構成図であって、図中18は制御対象、20は制御回路である。被制御対象としての制御対象18は、周波数特性が低いLPF特性を持ち、制御対象18からの出力信号Yは制御回路20に入力され、制御回路20で制御対象18の特性を制御する制御信号Uを出力して制御対象18に供給することにより、フィードバックループを形成している。ここで、レーザダイオード、温度制御装置、波長フィルタ、光電変換器で構成される系全体が制御対象18に対応している。
制御回路20では、比較手段としての誤差検出器21で制御対象18からの出力信号Yと目標値Rとの差を求め、これを信号aとする。次に減算器22で、この信号aと後述する信号処理した帰還信号dとの差を求めて信号bを生成し、比例手段としての比例回路23で信号bをK倍して信号cを生成する。そして第1の積分手段としての第1積分回路24で信号cを積分し、次いで1/L倍することにより前記帰還信号dを生成する。
また、信号aを加算信号生成手段としての1/N倍回路25で1/N倍した信号eと前記信号cとを加算器26で加算して信号fを生成する。この信号fを第2の積分手段としての第2積分回路27でM倍した後、積分した信号を制御信号Uとして出力するように構成されている。
このとき、制御回路2の伝達特性H(s)は、下記(16)式で表される。
H(s)={(1+NK)/N}・M・(1/s)・{s+K/L・1/(1+NK)}/(s+K/L) ………(16)
上記(16)式より、Pole(P1、P2)とZero(Z)は夫々下記(17)式で表される。
1=0,
2=K/L,
Z=K/L・1/(1+NK) ………(17)
図9は、制御回路20の周波数−利得特性を示す図である。
この制御回路20は、DCゲインを高くするために積分特性1/sを持ち、DCでは無限大の利得を持つ。また、ループ全体の特性は、応答速度を早くするためにループ全体の帯域を広くとる方が好ましい。このため、低域から極力LPFのカットオフ周波数fCまではループ全体で1倍以上の利得を持つように設定する。NKが十分1より大きければ、(1+NK)/NはKに近似でき、ZからP2までの利得はLMに近似できるので、M値を調整することにより利得を調整することができる。
図10は、ループ全体の周波数−利得特性を示す図である。
ループ全体を安定させるためには、位相余裕を確保する必要がある。制御回路20は、積分特性のために周波数0HzにPoleを持ち、位相が90度回った状態となる。制御対象18がLPF特性であるため、このLPFのカットオフ周波数fCでさらに位相が回るので、カットオフ周波数fCで位相が回る前にZeroで位相を戻しておく必要がある。そのためには、ZはfCより十分低い周波数である必要がある。
さらに、制御回路20のP2で位相が回ってしまうため、ループ全体のオープンループ利得が1となる周波数f0よりP2を十分高い周波数にする必要がある。f0よりP2が十分高い周波数にあれば、周波数f0ではP2での位相変化の影響がなく、カットオフ周波数fCでの位相変化のみで位相余裕が決まるので、ループ全体の位相余裕が確保される。
このP2は、前記(17)式で表されるので、K及びLを調整することにより、カットオフ周波数fCより大きくなるように設定することができる。また、このようにしてK及びLが設定されるので、Zは前記(17)式で表されるように、Nを用いて調整することにより、カットオフ周波数fCより小さくなるように設定することができる。
このように、カットオフ周波数fCを考慮してパラメータK,L,M及びNを調整することにより、ループ全体の位相余裕を確保するようにP2及びZを設定することができ、十分安定な制御回路を設計することができる。
次に、他の実施形態について説明する。
この実施形態は、制御対象からの出力信号をA/D変換し、デジタルの制御信号をD/A変換することにより、制御回路をデジタル化したものである。
図11に示すように、制御回路20では、制御対象18からの出力信号YをA/D変換器28でA/D変換し、変換後の信号と目標値Rとの差を求めて信号aとし、各信号a〜fをデジタル信号として出力し、信号fをM倍した後積分した信号をD/A変換器29でD/A変換し、この信号を制御信号Uとして出力するように構成されていることを除いては、図8と同様の構成を有するため、図8との対応部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このように、制御対象からの出力信号をA/D変換し、デジタルの制御信号をD/A変換することにより、制御回路をデジタル化することができ、制御回路のばらつきをなくして、容易にLSI化を実現することができる。
なお、上記の実施形態においては、制御対象からの出力信号をA/D変換し、変換後の信号と目標値との差を求めて信号aとする場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図12に示すように、制御対象18からの出力信号Yと目標値Rとの差をA/D変換して信号aとするようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、制御対象からの出力信号をA/D変換し、変換後の信号と目標値との差を求めて信号aとする場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図13に示すように、制御対象18からの出力信号Yを比較器の正極入力へ接続し、目標値Rを比較器の負極入力に接続して信号aを生成するようにしてもよい。この場合にも、信号aはデジタル信号として出力されて、制御回路がデジタル化されることにより制御回路のばらつきがなくなり、容易にLSI化を実現することができる。
次に、さらに他の実施形態について説明する。
この実施形態は、図11に示す1/N倍の回路の代わりにキャリー付き累加算器を適用したものである。
制御対象のカットオフ周波数fCが個体差、素子の種類差により0.01Hzから0.1Hzまでばらつきがあるとすると、制御回路のP2とZはこれらより十分離れている必要がある。図10において、P2とf0との関係及びf0とfCとの関係は下記(18)式及び(19)式で表される。
2>10f0 ………(18)
0>10fC ………(19)
上述したように、P2はf0より十分高い周波数とする必要があり、ZはfCより十分低い周波数とする必要がある。そこで、P2及びZは夫々下記(20)式及び(21)式で表される。
2>100×0.1 ………(20)
Z<0.01/10 ………(21)
したがって、P2とZとの関係は下記(22)式で表され、P2とZは10000倍以上離れる必要があることになる。
2>10000Z ………(22)
上記(17)式及び(22)式より、NKは下記(23)式のように近似することができる。
NK>10000 ………(23)
ここで、K=1とすると、N>10000となる。これは、デジタル回路簡略のため2累乗にするとN>214となり、図11に示す信号eは信号aより14bit桁下の信号となることになる。このため、計算は14bit桁を拡張する必要があるので、加算器や信号線が14bit分増加し、回路規模が大きくなる。Kを増やすことによりNを小さくすることが可能であるが、K増加分だけ信号cの桁が大きくなり、結果は同じとなる。
そこで、図14に示すように、図11に示す1/N倍の回路の代わりに、キャリー付き累加算器を用いる。この実施形態における制御回路20では、1/N倍回路25の代わりにキャリー付き累加算器31を用いるように構成されていることを除いては、図11と同様の構成を有するため、図11との対応部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
キャリー付き累加算器31は、信号aを図示しない加算器の第1の入力に接続し、この加算器の出力を加算器の第2の入力に接続することにより構成している。即ち、信号aを加算していき、累算した値がN−1より大きいときに、累算結果よりN−1を減算すると共にUpキャリーを出力し、−Nより小さいときに、累算結果にNを加算すると共にDownキャリーを出力するように構成されており、Upキャリーを+1、Downキャリーを−1として信号cと加算する。
すなわち、図11に示す1/N倍の回路のように、毎回1/N倍ずつ信号cに加算するのではなく、加算信号が十分に大きくなった時点で+1又は−1を加算する、つまり1/N倍した信号をまとめて一度に加算する方式であり、トータルとしての信号eの総和は変わらない。
ここで、キャリー付き累加算器31は、累算した値がNより大きいときに、累算結果よりNを減算すると共にUpキャリーを出力し、−Nより小さいときに、累算結果にNを加算すると共にDownキャリーを出力するようにしてもよい。
UpキャリーはNを超えた場合に出力する回路の方が、UpキャリーとDownキャリーとのバランスが良いが、Nを超えた場合にUpキャリーを出力する回路では、N−1を超えた場合にUpキャリーを出力する回路に比べて加算器のビット数が1ビット増えるなど、回路が大きくなる。Nが1に対して十分大きければ計算上無視することができるので、ここではUpキャリーはN−1を超える場合に出力する回路を適用するものとする。これにより、デジタル回路上、通常のキャリー付き累加算器と構成が同じとなり、小型化することができる。
このように、1/N倍の回路の代わりにキャリー付き累加算器を適用することにより、1/Nによる計算上の桁数を増加させることなく実現可能となり、制御回路を小型化でき、LSI化に有利となる。
また、制御対象の個体差及び種類差によるカットオフ周波数fCのばらつきを考慮して制御回路のP2及びZを設定することができるので、安定な回路を簡単に設計することができると共に、制御対象の素子の種類を変える場合でもパラメータの再設計を必要とすることなく、開発工数を削減することができる。
さらに、制御回路のパラメータK,L,M及びNの値を立ち上げ時と安定時とで異なる値に設定することで、安定するまでの収束時間を短縮することができる。制御回路の時定数が低い場合、定常状態に引き込む過程においては安定状態に引き込むまでに時間がかかり、これを早くするためには、ループ全体の帯域を広くする、即ち高周波数側へ帯域を伸ばす必要がある。さらに、高周波数側へ伸ばすと、位相余裕が減少してループが不安定になるので、引き込み時の特定の時間だけ帯域を伸ばし、その後通常帯域へ戻す必要がある。しかしながら、制御回路のパラメータK,L,M及びNの値を変えることで、これらを実現することが可能となる。
また、各パラメータ値を引き込み時と安定時の2設定を切り替えると、切り替え後、内部状態が安定するまでに時間がかかるが、これを回避するために、立ち上げ時から安定時までの期間に各パラメータ値を徐々に変化させ、制御回路内部、ループ帯域とも変化させ、収束させることにより通常より早く収束させることが可能となる。
このように、制御対象であるレーザモジュールの反応特性がローパスフィルタに近似でき、カットオフ周波数fCに個体差、素子の種類差がある場合において、その個体差、素子の種類差を考慮しても十分安定な制御回路を用いて制御を行うので、多くの開発工数を必要とすることなく安定した温度制御を行うことができる。
従来の半導体レーザ波長制御装置(除算器あり)の構成を示すブロック図である。 従来のアナログ制御方式である。 従来のアナログ制御方式である。 従来のPID制御方式である。 従来の半導体レーザ波長制御装置(除算器なし)の構成を示すブロック図である。 図1及び図5に示した除算器あり及びなしの半導体レーザ波長制御装置におけるVPD2/VPD1と、第1光/電気変換器から出力される電気信号VPD1との依存関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る半導体レーザ波長制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態における制御回路である。 制御回路の周波数−利得特性である。 ループ全体の周波数−利得特性である。 本発明の他の実施形態における制御回路である。 本発明の他の実施形態における制御回路である。 本発明の他の実施形態における制御回路である。 本発明の他の実施形態における制御回路である。 ペルチェ素子駆動回路の構成図である。
符号の説明
1 レーザダイオード
2 熱電子冷却素子
3 光スプリッタ
4 第1 光/電気変換器
5 光強度制御基準生成部
6 自動光出力制御回路
7 波長フィルタ
8 第2 光/電気変換器
9 波長制御目標値生成部
10 減算器
10a 除算器
11 温度制御回路
12 変換係数生成部
13 乗算器
14 加算器
15 波長制御基準生成部
18 制御対象
20 制御回路
81 レーザダイオード
82 ペルチェ素子
83 ペルチェ素子駆動回路
84 サーミスタ
K 変換係数
REF1 光出力強度制御目標値
REF2 波長制御目標値
V1 光出力強度の変化量
V2 波長制御目標値REF2 の補正値
V3 補正波長制御目標値
VPD1 光出力強度表示信号
VPD2 フィルタ透過光出力強度表示信号

Claims (25)

  1. 半導体レーザと、半導体レーザからの光を受けると共に、前記光の波長により透過率が変化する光フィルタと、温度制御装置を駆動して前記半導体レーザの温度を制御することで、前記半導体レーザの光波長を所定の波長に制御する制御手段とを備える半導体レーザ波長制御装置において、
    前記制御手段はローパス特性を有し、前記光フィルタを通過した光を電気信号に変換した第1の光電変換信号と前記半導体レーザが所定の波長を発光するような目標値とを入力し、前記温度制御装置を駆動するための制御信号を出力すると共に、複数の極のうち大きい極が被制御対象のカットオフ周波数より大きくなるように、且つ零点が被制御対象のカットオフ周波数より小さくなるように設定されていることを特徴とする半導体レーザ波長制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1の光電変換信号と前記目標値とを比較する比較手段と、該比較手段の出力を演算して、複数の極のうち大きい極が被制御対象のカットオフ周波数より大きくなるように、かつ零点が被制御対象のカットオフ周波数より小さくなるように設定されている演算手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ波長制御装置。
  3. 前記演算手段は、前記比較手段の出力と帰還信号との差を整数倍する比例手段と、該比例手段の出力を積分した後、前記帰還信号として帰還させる第1の積分手段と、前記比較手段の出力を整数分の1倍して前記比例手段の出力に加算する信号を生成する加算信号生成手段と、該加算信号生成手段の出力を積分して前記制御信号として出力する第2の積分手段とを備えることを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ波長制御装置。
  4. 前記演算手段は、比較手段の出力と帰還信号との差をK倍(Kは1以上の整数)する比例手段と、該比例手段の出力を積分した後、1/L倍(Lは1以上の整数)して前記帰還信号として帰還させる第1の積分手段と、前記比較手段の出力を1/N倍(Nは1以上の整数)して前記比例手段の出力に加算する信号を生成する加算信号生成手段と、該加算信号生成手段の出力と前記比例手段の出力とを加算した信号をM倍した後、積分して前記制御信号として出力する第2の積分手段とを備え、複数の極のうち大きい極が被制御対象のカットオフ周波数より大きくなるように前記K値及び前記L値が設定され、零点が被制御対象のカットオフ周波数より小さくなるように前記N値が設定され、低周波域から被制御対象のカットオフ周波数までの利得が少なくとも1となるように前記M値が設定されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ波長制御装置。
  5. 前記加算信号生成手段は、前記比較手段の出力を累算した値がN−1(Nは1以上の整数)より大きいときに、累算結果よりN−1を減算して+1を前記比例手段の出力に加算する信号とし、累算した値が−Nより小さいときに、累算結果にNを加算して−1を前記比例手段の出力に加算する信号とすることを特徴とする請求項4に記載の半導体レーザ波長制御装置。
  6. 前記加算信号生成手段は、前記比較手段の出力を累算した値がN(Nは1以上の整数)より大きいときに、累算結果よりNを減算して+1を前記比例手段の出力に加算する信号とし、累算した値が−Nより小さいときに、累算結果にNを加算して−1を前記比例手段の出力に加算する信号とすることを特徴とする請求項4に記載の半導体レーザ波長制御装置。
  7. 前記第2の積分手段の出力をD/A変換するD/A変換手段を有し、前記比較手段は、前記第1の光電変換信号をA/D変換し、変換後の信号と前記目標値との差を検出するように構成されていることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の半導体レーザ波長制御装置。
  8. 前記第2の積分手段の出力をD/A変換するD/A変換手段を有し、前記比較手段は、前記第1の光電変換信号と前記目標値との差を検出し、この差をA/D変換するように構成されていることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の半導体レーザ波長制御装置。
  9. 前記第2の積分手段の出力をD/A変換するD/A変換手段を有し、前記比較手段は、前記第1の光電変換信号を比較器の正極入力へ接続し、前記目標値を比較器の負極入力に接続するように構成されていることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の半導体レーザ波長制御装置。
  10. 立ち上げ時と安定時とで前記K値、前記M値、前記N値及び前記L値を異なる値に設定するように構成されていることを特徴とする請求項4から9の何れかに記載の半導体レーザ波長制御装置。
  11. 半導体レーザから出力される光を分岐した一方の光を電気信号に変換した第2の光電変換信号と前記半導体レーザの光出力強度を所定強度に制御するための光出力強度制御目標値とが等しくなるように、前記半導体レーザへ出力する光出力強度制御電流を制御する第2の制御手段をさらに備え、前記第2の制御手段は、前記半導体レーザの光波長を所定波長に制御するための波長制御目標値を生成する第1の生成手段と、前記光フィルタの所望の波長に対する透過率に相当する変換係数を生成する第2の生成手段と、前記第2の光電変換信号から前記光出力強度制御目標値を減算して、光出力強度の変化量を求める減算手段と、前記変換係数と前記光出力強度の変化量とを乗算して、当該光出力強度の変化量に応じた前記波長制御目標値の補正値を求める乗算手段と、前記波長制御目標値の補正値と前記波長制御目標値とを加算して、前記波長制御目標値の補正値で前記波長制御目標値を補正する加算手段とを備え、前記加算手段で補正された目標値を前記制御手段に入力する目標値とすることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の半導体レーザ波長制御装置。
  12. 前記第1の光電変換信号は、前記分岐した他方の光を前記光フィルタに通過させて電気信号に変換した信号であり、前記変換係数は、前記半導体レーザが所望の光出力強度及び波長となっている条件にあって、前記第1の光電変換信号を前記第2の光電変換信号で除算して得られる値であることを特徴とする請求項11に記載の半導体レーザ波長制御装置。
  13. 半導体レーザからの光と、該半導体レーザからの光を、光の波長により透過率が変化する光フィルタに透過させて得られる光とをそれぞれ電気信号に変換し、当該電気信号を入力して、前記半導体レーザが所定の波長を発光するように前記半導体レーザの温度を制御する半導体レーザ波長制御装置において、
    ローパス特性を有し、前記光フィルタを通過した光を電気信号に変換した第1の光電変換信号と前記半導体レーザが所定の波長を発光するような目標値とを入力し、前記半導体レーザの温度を制御するための制御信号を出力すると共に、複数の極のうち大きい極が被制御対象のカットオフ周波数より大きくなるように、且つ零点が被制御対象のカットオフ周波数より小さくなるように設定されている制御手段を備えることを特徴とする半導体レーザ波長制御装置。
  14. 前記制御手段は、前記第1の光電変換信号と前記目標値とを比較する比較手段と、該比較手段の出力を演算して、複数の極のうち大きい極が被制御対象のカットオフ周波数より大きくなるように、かつ零点が被制御対象のカットオフ周波数より小さくなるように設定されている演算手段とを備えることを特徴とする請求項13に記載の半導体レーザ波長制御装置。
  15. 前記演算手段は、前記比較手段の出力と帰還信号との差を整数倍する比例手段と、該比例手段の出力を積分した後、前記帰還信号として帰還させる第1の積分手段と、前記比較手段の出力を整数分の1倍して前記比例手段の出力に加算する信号を生成する加算信号生成手段と、該加算信号生成手段の出力を積分して前記制御信号として出力する第2の積分手段とを備えることを特徴とする請求項14に記載の半導体レーザ波長制御装置。
  16. 前記演算手段は、比較手段の出力と帰還信号との差をK倍(Kは1以上の整数)する比例手段と、該比例手段の出力を積分した後、1/L倍(Lは1以上の整数)して前記帰還信号として帰還させる第1の積分手段と、前記比較手段の出力を1/N倍(Nは1以上の整数)して前記比例手段の出力に加算する信号を生成する加算信号生成手段と、該加算信号生成手段の出力と前記比例手段の出力とを加算した信号をM倍した後、積分して前記制御信号として出力する第2の積分手段とを備え、複数の極のうち大きい極が被制御対象のカットオフ周波数より大きくなるように前記K値及び前記L値が設定され、零点が被制御対象のカットオフ周波数より小さくなるように前記N値が設定され、低周波域から被制御対象のカットオフ周波数までの利得が少なくとも1となるように前記M値が設定されていることを特徴とする請求項14に記載の半導体レーザ波長制御装置。
  17. 前記加算信号生成手段は、前記比較手段の出力を累算した値がN−1(Nは1以上の整数)より大きいときに、累算結果よりN−1を減算して+1を前記比例手段の出力に加算する信号とし、累算した値が−Nより小さいときに、累算結果にNを加算して−1を前記比例手段の出力に加算する信号とすることを特徴とする請求項16に記載の半導体レーザ波長制御装置。
  18. 前記加算信号生成手段は、前記比較手段の出力を累算した値がN(Nは1以上の整数)より大きいときに、累算結果よりNを減算して+1を前記比例手段の出力に加算する信号とし、累算した値が−Nより小さいときに、累算結果にNを加算して−1を前記比例手段の出力に加算する信号とすることを特徴とする請求項16に記載の半導体レーザ波長制御装置。
  19. 前記第2の積分手段の出力をD/A変換するD/A変換手段を有し、前記比較手段は、前記第1の光電変換信号をA/D変換し、変換後の信号と前記目標値との差を検出するように構成されていることを特徴とする請求項14から18のいずれかに記載の半導体レーザ波長制御装置。
  20. 前記第2の積分手段の出力をD/A変換するD/A変換手段を有し、前記比較手段は、前記第1の光電変換信号と前記目標値との差を検出し、この差をA/D変換するように構成されていることを特徴とする請求項14から18のいずれかに記載の半導体レーザ波長制御装置。
  21. 前記第2の積分手段の出力をD/A変換するD/A変換手段を有し、前記比較手段は、前記第1の光電変換信号を比較器の正極入力へ接続し、前記目標値を比較器の負極入力に接続するように構成されていることを特徴とする請求項14から18のいずれかに記載の半導体レーザ波長制御装置。
  22. 立ち上げ時と安定時とで前記K値、前記M値、前記N値及び前記L値を異なる値に設定するように構成されていることを特徴とする請求項16から21の何れかに記載の半導体レーザ波長制御装置。
  23. 半導体レーザから出力される光を分岐した一方の光を電気信号に変換した第2の光電変換信号と前記半導体レーザの光出力強度を所定強度に制御するための光出力強度制御目標値とが等しくなるように、前記半導体レーザへ出力する光出力強度制御電流を制御する第2の制御手段をさらに備え、前記第2の制御手段は、前記半導体レーザの光波長を所定波長に制御するための波長制御目標値を生成する第1の生成手段と、前記光フィルタの所望の波長に対する透過率に相当する変換係数を生成する第2の生成手段と、前記第2の光電変換信号から前記光出力強度制御目標値を減算して、光出力強度の変化量を求める減算手段と、前記変換係数と前記光出力強度の変化量とを乗算して、当該光出力強度の変化量に応じた前記波長制御目標値の補正値を求める乗算手段と、前記波長制御目標値の補正値と前記波長制御目標値とを加算して、前記波長制御目標値の補正値で前記波長制御目標値を補正する加算手段とを備え、前記加算手段で補正された目標値を前記制御手段に入力する目標値とすることを特徴とする請求項13から22のいずれかに記載の半導体レーザ波長制御装置。
  24. 前記第1の光電変換信号は、前記分岐した他方の光を前記光フィルタに通過させて電気信号に変換した信号であり、前記変換係数は、前記半導体レーザが所望の光出力強度及び波長となっている条件にあって、前記第1の光電変換信号を前記第2の光電変換信号で除算して得られる値であることを特徴とする請求項23に記載の半導体レーザ波長制御装置。
  25. 半導体レーザから出力される光を分岐した一方の光を電気信号に変換した第2の光電変換信号と、前記半導体レーザの光出力強度を所定強度に制御するための光出力強度制御目標値とが等しくなるように、前記半導体レーザへ出力する光出力強度制御電流を制御する半導体レーザ波長制御装置において、
    前記半導体レーザの光波長を所定波長に制御するための波長制御目標値を生成する第1の生成手段と、前記半導体レーザが所望の光出力強度及び波長となっている条件にあって、前記分岐した他方の光を光透過性が光波長依存性を持つ光フィルタを透過し、この透過光を電気信号に変換した第1の光電変換信号を、前記第2の光電変換信号で除算した値を変換係数として生成する第2の生成手段と、前記第2の光電変換信号から前記光出力強度制御目標値を減算して、光出力強度の変化量を求める減算手段と、前記変換係数と前記光出力強度の変化量とを乗算して、当該光出力強度の変化量に応じた前記波長制御目標値の補正値を求める乗算手段と、前記波長制御目標値の補正値と前記波長制御目標値とを加算して、前記波長制御目標値の補正値で前記波長制御目標値を補正する加算手段とを備え、前記加算手段で補正された波長制御目標値に前記第1の光電変換信号が等しくなるように、前記半導体レーザの温度を制御することを特徴とする半導体レーザ波長制御装置。
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