JP2004349532A - 光送信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光送信装置において、動作温度に依存しない光出力パワーおよび消光比の安定化を簡易な手段により実現すること。
【解決手段】外部から入力された変調信号に基づいた変調電流をバイアス電流に重畳させた駆動電流を生成するドライバ回路18と、この駆動電流の励振によって変調光信号を出力するレーザダイオード20と、外部から入力されたレーザダイオード20の特性データからレーザダイオード20を励振するためにドライバ回路18に付与するバイアス電流制御値および変調電流制御値を演算する演算手段14と、演算手段14の演算結果を記憶し、この演算結果をドライバ回路18に出力する記憶手段15と、レーザダイオード20の温度を検出する温度検出手段16とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】外部から入力された変調信号に基づいた変調電流をバイアス電流に重畳させた駆動電流を生成するドライバ回路18と、この駆動電流の励振によって変調光信号を出力するレーザダイオード20と、外部から入力されたレーザダイオード20の特性データからレーザダイオード20を励振するためにドライバ回路18に付与するバイアス電流制御値および変調電流制御値を演算する演算手段14と、演算手段14の演算結果を記憶し、この演算結果をドライバ回路18に出力する記憶手段15と、レーザダイオード20の温度を検出する温度検出手段16とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光送信装置に関するものであり、特に、発光素子の光出力および消光比を一定に制御することができる光送信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光強度変調を利用した通信を行う場合であって、その中でも、特に、レーザダイオードの直接変調によって行われる光強度変調は、レーザダイオードの駆動電流を変化させた高速の光強度のON/OFFを行うことで実現していた。
【0003】
一方、レーザダイオードの主たる特性は、駆動電流に対する光出力パワーにて表すことができる。一般的に、レーザダイオードを発振させるためには、発振しきい値電流を超えた駆動電流で駆動する必要があるが、この駆動電流の増加に伴って光出力パワーは上昇する。
【0004】
ここで、このレーザダイオードの発振についてより詳細に説明する。まず、レーザダイオードを変調するためには、発振しきい値電流の付近までの静的な駆動電流であるバイアス電流と、入力された変調すべきデジタルデータに対応して高速にON/OFFする変調電流の2種類の電流が必要である。このとき、このバイアス電流は、しきい値電流付近に設定する必要がある。その理由は、バイアス電流がしきい値電流以下の場合では、レーザダイオードがONになるまでの時間が増大するターンオン遅延という現象が生ずるからであり、一方、バイアス電流が必要以上にしきい値電流以上に設定された場合には、消光比が小さくなるという問題が生じるからである。
【0005】
ところで、レーザダイオードの駆動電流と光出力パワーの関係は、一般的にレーザダイオードの温度に依存して変化する。いま、温度が上昇する場合の駆動電流と光出力パワーとの関係を考える。レーザダイオードの動作温度が上昇するにしたがって、レーザダイオードが発振を始めるしきい値電流は上昇する。また、このしきい値電流以上において、駆動電流に対する光出力の変化率である微分量子効率は、動作温度の上昇により減少する。すなわち、動作温度上昇に伴って、所定の光出力パワーの発生に必要な変調電流の所要量が増加することになる。逆に、レーザダイオードの動作温度が下降する場合には、しきい値電流の電流値が減少し、微分量子効率が増加するので、所定の光出力パワーの発生に必要な変調電流の所要量が減少することになる。
【0006】
したがって、レーザダイオードの動作温度変化によらず、光出力パワーと消光比を一定にするためには、レーザダイオードの動作温度変化に応じてバイアス電流と変調電流とからなる駆動電流を制御する必要がある。
【0007】
このレーザダイオードの動作温度変化に伴う駆動電流の制御に関し、従来の光送信装置では、例えば、レーザ温度の変化に対応して、バイアス電流と変調電流を変化させることによって、光出力パワーと消光比を一定に保つようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1など)。
【0008】
すなわち、この特許文献1に示された光受信装置では、集積回路内の温度センサにて周囲温度を検出し、事前に生成しておきメモリに蓄積しておいた、周囲温度に対応したレーザに駆動すべきバイアス電流と変調電流をルックアップテーブルを参照し、レーザドライバに与えるレーザ動作温度に応じたバイアス電流と変調電流を指示するようにしている。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−321375号公報(第3−5頁、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献1に示された光受信装置では、あらかじめ、発光素子ごと、かつ、温度分解能ごとに異なる変調電流制御値およびバイアス電流制御値が記憶されたルックアップテーブルを必ずメモリに入力しておかなければならないという問題点があった。
【0011】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、上述のような複雑なルックアップテーブルを必要とせず、かつ、簡易な手段により、動作温度に依存することなく、光出力パワーおよび消光比を安定化させた光送信装置を提供ることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる光送信装置にあっては、外部から入力された変調信号に基づいた変調電流を生成し、該変調電流をバイアス電流に重畳させた駆動電流を生成するドライバ回路と、前記駆動電流の励振によって変調光信号を出力する発光素子と、外部から入力された前記発光素子の特性データから該発光素子を励振するために前記ドライバ回路に付与するバイアス電流制御値および変調電流制御値を演算する演算手段と、前記演算手段の演算結果を記憶し、該演算結果を前記ドライバ回路に出力する記憶手段と、前記発光素子の温度を検出する温度検出手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、演算手段は、外部から入力された発光素子の特性データから発光素子を励振するためにドライバ回路に供給するバイアス電流制御値および変調電流制御値を演算し、この演算結果をドライバ回路に供給するようにしているので、あらかじめ、複雑なルックアップテーブルやデータを作成することなく、異なる温度における数点の発光素子の特性データを入力するだけで、発光素子の動作温度変化に応じて発光素子自身のしきい値電流や微分量子効率などの変化があっても、安定した出力光パワーおよび消光比を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる光送信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1にかかる光送信装置1の構成を示すブロック図である。この実施の形態の光送信装置1は、レーザダイオードを光源として用いた光送信装置であって、あらかじめ、複雑なルックアップテーブルやデータを作成することなく、異なる温度における数点のレーザダイオード素子のしきい値電流と微分量子効率のみを入力するだけの簡易な手法であり、レーザダイオードの動作温度変化に応じてレーザダイオード自身のしきい値や微分量子効率などの変化があっても、安定した出力光パワーおよび消光比を得ることができるという特徴を有するものである。
【0016】
まず、図1を用いて、この実施の形態の光送信装置1の構成について説明する。同図において、光送信装置1は、外部信号入力端子12、外部信号入力手段13、演算手段14、記憶手段15、温度検出手段16、D/A変換手段17、変調信号入力端子19、ドライバ回路18、発光素子であるレーザダイオード20および光出力端子21を備えている。
【0017】
外部信号入力端子12は、光送信装置に搭載されている発光素子の特性データを外部から入力するための入力端子である。外部信号入力手段13は、外部信号入力端子12から入力されたデータを演算手段14に伝達する手段である。演算手段14は、送信装置外部から入力されたレーザダイオード20の特性データから、レーザダイオード20を励振するためにドライバ回路18に付与する駆動電流制御値(バイアス電流制御値および変調電流制御値)を算出する。記憶手段15は、演算手段14が算出したこれらの出力値を記憶する。温度検出手段16は、レーザダイオード20の温度を検出する。D/A変換手段17は、記憶手段15からのディジタル出力をアナログ出力に変換する。ドライバ回路18は、変調信号入力端子19から入力される変調信号と、D/A変換手段から出力される駆動電流制御信号とを入力信号とし、レーザダイオード20に対する駆動電流を供給する。この駆動電流は変調信号に基づく変調電流がバイアス電流に重畳された電流であり、この駆動電流によってレーザダイオード20が励振されて変調光信号が生成され、光出力端子21からこの変調光信号が出力される。
【0018】
つぎに、レーザダイオードの温度特性について説明する。図2は、一般的なレーザダイオードの駆動電流と光出力パワーとの関係を示すグラフであり、相対的にTL<TM<THの温度関係にあるそれぞれ3つの温度における駆動電流と光出力パワーの関係を示している。同図に示されるように、動作温度の上昇に伴って、レーザダイオードが発振を始めるしきい値電流がIthLからIthM、IthHへと上昇している。また、同一の光出力パワーを出力させるための電流である変調電流は、動作温度の低い方から、それぞれImodL、ImodMおよびImodHであり、動作温度の上昇に伴って増加する。つまり、レーザ駆動電流の変化に対する光出力の変化の割合である微分量子効率が動作温度の上昇に伴って減少している。
【0019】
したがって、上述の内容を整理すればつぎのようになる。すなわち、レーザダイオードの動作温度が上昇すると、しきい値電流は増加し、微分量子効率は減少する。逆に、レーザダイオードの動作温度が下降すると、しきい値電流が減少し、微分量子効率は増加する。また、微分量子効率の減少は、同一の光出力パワーを出力させるための変調電流の所要量を増加させ、逆に、微分量子効率の増加は、同一の光出力パワーを出力させるための変調電流の所要量を減少させる。
【0020】
また、図2に示すIopL、IopMおよびIopHは、それぞれの動作温度において光出力パワーを一定にするためのしきい値電流と変調電流との合計を示している。したがって、レーザダイオードの動作温度の変化に依存せずに、光出力パワーと消光比とを一定に制御するためには、レーザダイオードの動作温度にしたがって、バイアス電流と変調電流とからなる駆動電流を変化させる必要がある。
【0021】
つぎに、上述したレーザダイオードの温度特性を踏まえて、この実施の形態の光送信装置1の動作について説明する。図1に戻って、外部信号入力端子12から、光送信装置1に搭載されているレーザダイオード20に対し、温度ごとに異なる値を有するしきい値電流および微分量子効率の入力データ数点を入力する。この数点の入力データは、外部信号入力手段13を介して演算手段14に伝達される。なお、この数点のデータは、この光送信装置1の全ての動作温度範囲にわたるものでなくともよく、任意の数点(最小で2点)のデータだけでよい。
【0022】
いま、温度Tにおけるレーザダイオードのしきい値電流をIth(T)とし、微分量子効率をS(T)とするとき、これらのIth(T)およびS(T)は、一般的に、次式で表現することができる。
【0023】
【数1】
【0024】
(1)式において、I0、Ki、Tiは、レーザダイオード20に固有の定数である。また、(2)式における、S0、KS、TSも、レーザダイオード20に固有の定数である。
【0025】
図1において、演算手段14は、入力された数点のしきい値電流データと微分量子効率データから、記憶手段15の容量に応じて、温度分解能ごとに(1)式および(2)式に基づいて、任意の動作温度におけるしきい値電流と微分量子効率とを算出する。なお、入力される数点のしきい値電流データおよび微分量子効率データは、任意の動作温度でのデータでよく、内挿または外挿などの手段を用いれば、所望する動作温度でのしきい値電流と微分量子効率とを算出することができる。
【0026】
また、演算手段14は、動作温度ごとに求めたしきい値電流および微分量子効率と光送信装置1で設定されている光出力パワーおよび消光比とから、レーザダイオード20に駆動すべきバイアス電流と変調電流とを動作温度ごとに算出する。さらに、これらのバイアス電流および変調電流を用いてレーザダイオード20に駆動電流を供給するドライバ回路18に対するバイアス電流制御値および変調電流制御値を算出し、この算出された演算結果を記憶手段15に格納する。
【0027】
なお、ここでは、まず、動作温度ごとのしきい値電流と微分量子効率とを算出して、バイアス電流値、変調電流値を算出した後、バイアス電流制御値、変調電流制御値を算出する手順を示したが、入力されたしきい値電流と微分量子効率とから直接、所望の動作温度でのバイアス電流制御値および変調電流制御値をそれぞれ算出し、記憶手段15にその算出結果を格納してもよい。また、それぞれの駆動電流を算出する際には、温度検出手段16で検出した検出温度(周囲温度)と実際のレーザダイオード20での動作温度との差を考慮して、その算出結果を修正しておくことが必要である。
【0028】
上述の演算により、光送信装置の周囲温度ごとにレーザダイオード20でのバイアス電流制御値、変調電流制御値のデータテーブルが作成され、記憶手段15に格納された後、温度検出手段16が検出した検出温度によって、記憶手段15から検出温度に基づいたレーザダイオード20に駆動すべきバイアス電流制御値および変調電流制御値が読み出される。D/A変換手段17では、これらのバイアス電流制御値および変調電流制御値がアナログデータに変換され、ドライバ回路18にそれぞれ入力される。ドライバ回路18は、変調信号入力端子19から入力される変調信号を、レーザダイオード20に変調させ、光出力端子21から変調光信号が出力される。
【0029】
以上の処理により、光送信装置1の周囲温度が変化したとしても、温度検出手段が周囲温度を測定した測定情報より記憶手段15から光出力パワーおよび消光比を一定に保つために必要なバイアス電流制御信号および変調電流制御信号がドライバ回路18に入力されるため、光送信装置1の光出力パワーと消光比とを一定に保持することができる。
【0030】
以上説明したように、この実施の形態の光送信装置によれば、ドライバ回路は、外部から入力された変調信号に基づいた変調電流を生成し、この変調電流をバイアス電流に重畳させた駆動電流を生成し、発光素子は、駆動電流の励振によって変調光信号を出力し、演算手段は、外部から入力された発光素子の特性データから発光素子を励振するためにドライバ回路に付与するバイアス電流制御値および変調電流制御値を演算し、記憶手段は、演算手段の演算結果を記憶するとともに、この演算結果をドライバ回路に出力し、温度検出手段は、発光素子の温度を検出するようにしているので、あらかじめ、複雑なルックアップテーブルやデータを作成することなく、異なる温度における数点の発光素子の特性データを入力するだけで、発光素子の動作温度変化に応じて発光素子自身のしきい値電流や微分量子効率などの変化があっても、安定した出力光パワーおよび消光比を得ることができる。
【0031】
また、この実施の形態の光送信装置によれば、演算手段は、バイアス電流および変調電流から、所望の動作温度でのバイアス電流制御値および変調電流制御値をそれぞれ演算し、その演算結果を記憶手段に記憶させるようにしているので、さらに安定した出力光パワーおよび消光比を得ることができる。
【0032】
また、この実施の形態の光送信装置によれば、温度検出手段が検出した検出温度と発光素子が実際に動作する際の動作温度との差を考慮して、演算結果を修正し、その修正結果を前記記憶手段に再記憶させるようにしているので、光送信装置の周囲温度が変化したとしても、温度検出手段が測定した周囲温度に基づいたバイアス電流制御信号および変調電流制御信号がドライバ回路に入力され、光送信装置の光出力パワーと消光比とを一定に保持することができる。
【0033】
なお、この実施の形態では、外部から入力されるレーザダイオードの特性データを動作温度ごとのしきい値電流と微分量子効率としたが、バイアス電流および変調電流とした場合に対しても上記と同様に適用できるものである。
【0034】
また、発光素子としてレーザダイオードを例にとって説明したが、温度依存性を持つ発光素子に対しても上記と同様に適用できるものである。
【0035】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2にかかる光送信装置1aの構成を示すブロック図である。同図に示す光送信装置1aは、図1に示す光送信装置1において、レーザダイオード20の背面光をモニタする背面フォトダイオード22と、モニタされた背面光出力からバイアス電流制御信号を生成するバイアス電流制御回路23と、このバイアス電流制御信号に基づいてレーザダイオード20に供給するバイアス電流を出力するバイアス電流駆動回路24とをさらに備えている。なお、その他の構成については、図1に示す光送信装置1の構成と同一であり、同一部分には同一符号を付して示している。
【0036】
つぎに、図3を用いて、この実施の形態の光送信装置1aの動作について説明する。同図において、記憶手段15には、演算手段14によって生成されたドライバ回路18に対する動作温度ごとのバイアス電流制御値および変調電流制御値が格納されている。
【0037】
ドライバ回路18には、D/A変換手段17を介して変調電流制御値だけが記憶手段15から呼び出される。ドライバ回路18は、呼び出された変調電流制御値と変調信号入力端子19から入力される変調信号とに基づいて生成される変調電流をレーザダイオード20に出力する。
【0038】
一方、背面フォトダイオード22は、レーザダイオード20が出力する出力光信号に比例したモニタ信号をバイアス電流制御回路23に出力する。バイアス電流制御回路23は、このモニタ信号出力の平均値を検出するとともに、この平均値と内部の基準値との比較を行い、この平均値と基準値とが等しくなるようなバイアス電流制御信号をバイアス電流制御回路23に出力する。このとき、バイアス電流駆動回路24は、入力されたバイアス電流制御信号に基づいて生成されるバイアス電流をレーザダイオード20に出力する。
【0039】
このように、実施の形態2では、変調電流は、実施の形態1と同様に記憶手段15から呼び出された変調電流制御値を用いて生成しているが、バイアス電流については、背面光モニタを用いたフィードバックループによって出力するようにしている。
【0040】
なお、上述のバイアス電流制御回路23は、モニタ信号出力の平均値と内部の基準値との比較を行い、このモニタ値と基準値とが略等しくなるようなバイアス電流制御信号をバイアス電流駆動回路24に出力するようにしているが、モニタ出力のピーク値を検出して、基準値との比較を行うことでバイアス電流の制御を行うことも可能である。また、光出力のモニタは、背面光をモニタするだけでなく、光出力端子の分岐出力をモニタしてもよい。このモニタは、例えば、後述する図5に示す分岐手段26、フォトダイオード27などによって実現することができる。
【0041】
以上のように、この実施の形態の光送信装置によれば、光出力モニタ手段は、発光素子の光出力をモニタし、バイアス電流制御回路は、光出力モニタ手段が出力するモニタ信号出力の平均値を検出し、この平均値と所定の基準値との比較を行ってこれらの平均値および基準値が略等しくなるようなバイアス電流制御信号をバイアス電流制御回路に出力するようにしているので、たとえ周囲温度が変化しても安定した光出力と消光比を得ることができる。
【0042】
なお、ここでいうところの光出力モニタ手段とは、上記でいうところの背面フォトダイオード22に対応するものであり、また、後述する図5に示す、分岐手段26およびフォトダイオード27に対応するものである。
【0043】
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3にかかる光送信装置1bの構成を示すブロック図である。同図に示す光送信装置1bは、図2に示す光送信装置1aにおいて、バイアス電流制御回路23に代えて備えられた変調電流制御回路25が、背面フォトダイオード22によってモニタされた背面光出力から生成される変調電流制御信号をドライバ回路18に出力するようにしている。なお、その他の構成については、図3に示す光送信装置1aの構成と同一であり、同一部分には同一符号を付して示している。
【0044】
つぎに、図4を用いて、この実施の形態の光送信装置1bの動作について説明する。同図において、記憶手段15には、演算手段14によって生成されたドライバ回路18に対する動作温度ごとのバイアス電流制御値および変調電流制御値が格納されている。
【0045】
バイアス電流駆動回路24には、D/A変換手段17を介してバイアス電流制御値だけが記憶手段15から呼び出される。バイアス電流駆動回路24は、呼び出されたバイアス電流制御値に基づいて生成されるバイアス電流をレーザダイオード20に出力する。
【0046】
一方、背面フォトダイオード22は、レーザダイオード20が出力する出力光信号に比例したモニタ信号を変調電流制御回路25に出力する。変調電流制御回路25は、このモニタ信号出力のピーク値を検出するとともに、このピーク値と内部の基準値との比較を行い、このピーク値と基準値とが略等しくなるような変調電流制御信号を変調電流制御回路25に出力する。このとき、ドライバ回路18は、入力された変調電流制御信号に基づいて生成される変調電流をレーザダイオード20に出力する。
【0047】
このように、実施の形態3では、バイアス電流は、実施の形態1と同様に記憶手段15から呼び出されたバイアス電流制御値を用いて生成しているが、変調電流については、背面光モニタを用いたフィードバックループによって出力するようにしている。
【0048】
なお、上述の変調電流制御回路25は、モニタ信号出力のピーク値と内部の基準値との比較を行い、このピーク値と基準値とが等しくなるような変調電流制御信号をドライバ回路18に出力するようにしているが、モニタ出力の平均値を検出して、基準値との比較を行うことで変調電流の制御を行うことも可能である。また、光出力のモニタは、背面光をモニタするだけでなく、光出力端子の分岐出力をモニタしてもよい。このモニタは、例えば、後述する図5に示す分岐手段26、フォトダイオード27などによって実現することができる。
【0049】
以上のように、この実施の形態の光送信装置によれば、光出力モニタ手段は、発光素子の光出力をモニタし、変調電流制御回路は、光出力モニタ手段が出力するモニタ信号出力のピーク値を検出するとともに、このピーク値と所定の基準値との比較を行って、これらのピーク値および基準値とが略等しくなるような変調電流制御信号を変調電流制御回路に出力するようにしているので、たとえ周囲温度が変化しても安定した光出力と消光比を得ることができる。
【0050】
なお、ここでいうところの光出力モニタ手段は、上記でいうところの背面フォトダイオード22に対応するものであり、また、後述する図5に示す、分岐手段26およびフォトダイオード27に対応するものである。
【0051】
実施の形態4.
図5は、この発明の実施の形態4にかかる光送信装置1cの構成を示すブロック図である。同図に示す光送信装置1cは、図1に示す光送信装置1において、レーザダイオード20からの光出力を分岐する分岐手段26と、この分岐出力を演算手段14に入力するためのフォトダイオード27およびモニタ信号処理回路28とを備えている。なお、その他の構成については、図1に示す光送信装置1の構成と同一であり、同一部分には同一符号を付して示している。
【0052】
つぎに、図5を用いて、この実施の形態の光送信装置1cの動作について説明する。同図において、分岐手段26によって分岐された光出力がフォトダイオード27によってモニタされる。モニタ信号処理回路28は、このモニタ出力を演算手段に入力できる所定の信号形式に変換したモニタ信号(以下「モニタ出力変換信号」という。)を出力する。演算手段14は、このモニタ出力変換信号を用いて、あらかじめ演算によって求められている動作温度ごとのバイアス電流と変調電流とを比較することで、現在記憶されている変調電流およびバイアス電流が適切であるか否かを確認する。もし、適切でない場合には、自身にフィードバックをかけて再度演算を行い、その演算結果を記憶手段15に記憶させる。
【0053】
以上のように、この実施の形態の光送信装置によれば、モニタ信号処理回路は、光出力モニタ手段が検出したモニタ信号を所定の信号形式に変換したモニタ出力変換信号を生成して演算手段に出力し、演算手段は、前記モニタ出力変換信号を用いて、現在記憶されている変調電流およびバイアス電流が適切であるか否かを確認し、適切でない場合には、自身にフィードバックをかけて再演算を行い、その演算結果を記憶手段に再記憶させるようにしているので、周囲温度が変化しても安定した光出力と消光比を得ることができる。
【0054】
なお、この実施の形態では、光出力のモニタは分岐手段26とフォトダイオード27とを用いているが、実施の形態1のように背面光を利用して光出力をモニタすることも可能である。
【0055】
実施の形態5.
実施の形態5は、図1に示す光受信装置1において、外部信号入力端子12から入力される入力信号に光出力と消光比との入力を可能としたものである。したがって、実施の形態5の構成は、実施の形態1の構成と同一である。
【0056】
図1を用いて、この実施の形態の光送信装置の動作について説明する。いま、光出力と消光比との設定値変更の要求がある場合に、外部信号入力端子12から光出力および消光比の設定値を入力する。これらの設定値は外部信号入力手段13を介して演算手段14に入力される。演算手段14では、指示された光出力および消光比の設定値に基づいたバイアス電流制御信号値および変調電流制御信号値を再演算により算出して、この算出結果を記憶手段15に記憶させる。その後の動作については、実施の形態1で説明した動作と同一なので、その動作説明を省略する。
【0057】
この実施の形態では、光出力および消光比の新たな設定値に基づいて再演算を行うとともに、再演算した結果を、記憶手段15に書き込むようにしているので、記憶手段15の記憶容量を増加させることなく光出力と消光比を設定し直すことができるので、迅速な設定変更が可能となり、ユーザ要求に迅速かつ的確に対応できる光送信装置とすることができる。また、柔軟な設定値の変更が可能となるので、常に安定した出力光パワーおよび消光比を得ることができる。
【0058】
以上説明したように、この実施の形態の光送信装置によれば、演算手段は、外部から光出力パワーの設定値と消光比の設定値とが入力された際に、これらの設定値に設定された変調光信号を出力するために、バイアス電流制御値および変調電流制御値を再演算し、その再演算結果を記憶手段に再記憶させるようにしているので、内蔵の記憶容量を増加させることなく光出力と消光比とを設定し直すことができ、ユーザ要求に迅速かつ的確に対応できるとともに、常に安定した出力光パワーおよび消光比を得ることができる。
【0059】
なお、この実施の形態では、実施の形態1の構成において、外部信号入力端子12から入力される入力信号に光出力と消光比との入力を可能としたが、実施の形態2〜4の構成においても、同様な入力を可能とする構成とすることができ、同様な効果を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によれば、外部から入力された発光素子の特性データから発光素子を励振するためにドライバ回路に供給するバイアス電流制御値および変調電流制御値を演算し、この演算結果をドライバ回路に供給するようにしているので、あらかじめ、複雑なルックアップテーブルやデータを作成することなく、異なる温度における数点の発光素子の特性データを入力するだけで、発光素子の動作温度変化に応じて発光素子自身のしきい値電流や微分量子効率などの変化があっても、安定した出力光パワーおよび消光比を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる光送信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】一般的なレーザダイオードの駆動電流と光出力パワーとの関係を示すグラフである。
【図3】この発明の実施の形態2にかかる光送信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態3にかかる光送信装置の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態4にかかる光送信装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c 光送信装置、12 外部信号入力端子、13 外部信号入力手段、14 演算手段、15 記憶手段、16 温度検出手段、17 D/A変換手段、18 ドライバ回路、19 変調信号入力端子、20 レーザダイオード、21 光出力端子、22 背面フォトダイオード、23 バイアス電流制御回路、24 バイアス電流駆動回路、25 変調電流制御回路、26 分岐手段、27 フォトダイオード、28 モニタ信号処理回路。
【発明の属する技術分野】
この発明は、光送信装置に関するものであり、特に、発光素子の光出力および消光比を一定に制御することができる光送信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光強度変調を利用した通信を行う場合であって、その中でも、特に、レーザダイオードの直接変調によって行われる光強度変調は、レーザダイオードの駆動電流を変化させた高速の光強度のON/OFFを行うことで実現していた。
【0003】
一方、レーザダイオードの主たる特性は、駆動電流に対する光出力パワーにて表すことができる。一般的に、レーザダイオードを発振させるためには、発振しきい値電流を超えた駆動電流で駆動する必要があるが、この駆動電流の増加に伴って光出力パワーは上昇する。
【0004】
ここで、このレーザダイオードの発振についてより詳細に説明する。まず、レーザダイオードを変調するためには、発振しきい値電流の付近までの静的な駆動電流であるバイアス電流と、入力された変調すべきデジタルデータに対応して高速にON/OFFする変調電流の2種類の電流が必要である。このとき、このバイアス電流は、しきい値電流付近に設定する必要がある。その理由は、バイアス電流がしきい値電流以下の場合では、レーザダイオードがONになるまでの時間が増大するターンオン遅延という現象が生ずるからであり、一方、バイアス電流が必要以上にしきい値電流以上に設定された場合には、消光比が小さくなるという問題が生じるからである。
【0005】
ところで、レーザダイオードの駆動電流と光出力パワーの関係は、一般的にレーザダイオードの温度に依存して変化する。いま、温度が上昇する場合の駆動電流と光出力パワーとの関係を考える。レーザダイオードの動作温度が上昇するにしたがって、レーザダイオードが発振を始めるしきい値電流は上昇する。また、このしきい値電流以上において、駆動電流に対する光出力の変化率である微分量子効率は、動作温度の上昇により減少する。すなわち、動作温度上昇に伴って、所定の光出力パワーの発生に必要な変調電流の所要量が増加することになる。逆に、レーザダイオードの動作温度が下降する場合には、しきい値電流の電流値が減少し、微分量子効率が増加するので、所定の光出力パワーの発生に必要な変調電流の所要量が減少することになる。
【0006】
したがって、レーザダイオードの動作温度変化によらず、光出力パワーと消光比を一定にするためには、レーザダイオードの動作温度変化に応じてバイアス電流と変調電流とからなる駆動電流を制御する必要がある。
【0007】
このレーザダイオードの動作温度変化に伴う駆動電流の制御に関し、従来の光送信装置では、例えば、レーザ温度の変化に対応して、バイアス電流と変調電流を変化させることによって、光出力パワーと消光比を一定に保つようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1など)。
【0008】
すなわち、この特許文献1に示された光受信装置では、集積回路内の温度センサにて周囲温度を検出し、事前に生成しておきメモリに蓄積しておいた、周囲温度に対応したレーザに駆動すべきバイアス電流と変調電流をルックアップテーブルを参照し、レーザドライバに与えるレーザ動作温度に応じたバイアス電流と変調電流を指示するようにしている。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−321375号公報(第3−5頁、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献1に示された光受信装置では、あらかじめ、発光素子ごと、かつ、温度分解能ごとに異なる変調電流制御値およびバイアス電流制御値が記憶されたルックアップテーブルを必ずメモリに入力しておかなければならないという問題点があった。
【0011】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、上述のような複雑なルックアップテーブルを必要とせず、かつ、簡易な手段により、動作温度に依存することなく、光出力パワーおよび消光比を安定化させた光送信装置を提供ることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる光送信装置にあっては、外部から入力された変調信号に基づいた変調電流を生成し、該変調電流をバイアス電流に重畳させた駆動電流を生成するドライバ回路と、前記駆動電流の励振によって変調光信号を出力する発光素子と、外部から入力された前記発光素子の特性データから該発光素子を励振するために前記ドライバ回路に付与するバイアス電流制御値および変調電流制御値を演算する演算手段と、前記演算手段の演算結果を記憶し、該演算結果を前記ドライバ回路に出力する記憶手段と、前記発光素子の温度を検出する温度検出手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、演算手段は、外部から入力された発光素子の特性データから発光素子を励振するためにドライバ回路に供給するバイアス電流制御値および変調電流制御値を演算し、この演算結果をドライバ回路に供給するようにしているので、あらかじめ、複雑なルックアップテーブルやデータを作成することなく、異なる温度における数点の発光素子の特性データを入力するだけで、発光素子の動作温度変化に応じて発光素子自身のしきい値電流や微分量子効率などの変化があっても、安定した出力光パワーおよび消光比を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる光送信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1にかかる光送信装置1の構成を示すブロック図である。この実施の形態の光送信装置1は、レーザダイオードを光源として用いた光送信装置であって、あらかじめ、複雑なルックアップテーブルやデータを作成することなく、異なる温度における数点のレーザダイオード素子のしきい値電流と微分量子効率のみを入力するだけの簡易な手法であり、レーザダイオードの動作温度変化に応じてレーザダイオード自身のしきい値や微分量子効率などの変化があっても、安定した出力光パワーおよび消光比を得ることができるという特徴を有するものである。
【0016】
まず、図1を用いて、この実施の形態の光送信装置1の構成について説明する。同図において、光送信装置1は、外部信号入力端子12、外部信号入力手段13、演算手段14、記憶手段15、温度検出手段16、D/A変換手段17、変調信号入力端子19、ドライバ回路18、発光素子であるレーザダイオード20および光出力端子21を備えている。
【0017】
外部信号入力端子12は、光送信装置に搭載されている発光素子の特性データを外部から入力するための入力端子である。外部信号入力手段13は、外部信号入力端子12から入力されたデータを演算手段14に伝達する手段である。演算手段14は、送信装置外部から入力されたレーザダイオード20の特性データから、レーザダイオード20を励振するためにドライバ回路18に付与する駆動電流制御値(バイアス電流制御値および変調電流制御値)を算出する。記憶手段15は、演算手段14が算出したこれらの出力値を記憶する。温度検出手段16は、レーザダイオード20の温度を検出する。D/A変換手段17は、記憶手段15からのディジタル出力をアナログ出力に変換する。ドライバ回路18は、変調信号入力端子19から入力される変調信号と、D/A変換手段から出力される駆動電流制御信号とを入力信号とし、レーザダイオード20に対する駆動電流を供給する。この駆動電流は変調信号に基づく変調電流がバイアス電流に重畳された電流であり、この駆動電流によってレーザダイオード20が励振されて変調光信号が生成され、光出力端子21からこの変調光信号が出力される。
【0018】
つぎに、レーザダイオードの温度特性について説明する。図2は、一般的なレーザダイオードの駆動電流と光出力パワーとの関係を示すグラフであり、相対的にTL<TM<THの温度関係にあるそれぞれ3つの温度における駆動電流と光出力パワーの関係を示している。同図に示されるように、動作温度の上昇に伴って、レーザダイオードが発振を始めるしきい値電流がIthLからIthM、IthHへと上昇している。また、同一の光出力パワーを出力させるための電流である変調電流は、動作温度の低い方から、それぞれImodL、ImodMおよびImodHであり、動作温度の上昇に伴って増加する。つまり、レーザ駆動電流の変化に対する光出力の変化の割合である微分量子効率が動作温度の上昇に伴って減少している。
【0019】
したがって、上述の内容を整理すればつぎのようになる。すなわち、レーザダイオードの動作温度が上昇すると、しきい値電流は増加し、微分量子効率は減少する。逆に、レーザダイオードの動作温度が下降すると、しきい値電流が減少し、微分量子効率は増加する。また、微分量子効率の減少は、同一の光出力パワーを出力させるための変調電流の所要量を増加させ、逆に、微分量子効率の増加は、同一の光出力パワーを出力させるための変調電流の所要量を減少させる。
【0020】
また、図2に示すIopL、IopMおよびIopHは、それぞれの動作温度において光出力パワーを一定にするためのしきい値電流と変調電流との合計を示している。したがって、レーザダイオードの動作温度の変化に依存せずに、光出力パワーと消光比とを一定に制御するためには、レーザダイオードの動作温度にしたがって、バイアス電流と変調電流とからなる駆動電流を変化させる必要がある。
【0021】
つぎに、上述したレーザダイオードの温度特性を踏まえて、この実施の形態の光送信装置1の動作について説明する。図1に戻って、外部信号入力端子12から、光送信装置1に搭載されているレーザダイオード20に対し、温度ごとに異なる値を有するしきい値電流および微分量子効率の入力データ数点を入力する。この数点の入力データは、外部信号入力手段13を介して演算手段14に伝達される。なお、この数点のデータは、この光送信装置1の全ての動作温度範囲にわたるものでなくともよく、任意の数点(最小で2点)のデータだけでよい。
【0022】
いま、温度Tにおけるレーザダイオードのしきい値電流をIth(T)とし、微分量子効率をS(T)とするとき、これらのIth(T)およびS(T)は、一般的に、次式で表現することができる。
【0023】
【数1】
【0024】
(1)式において、I0、Ki、Tiは、レーザダイオード20に固有の定数である。また、(2)式における、S0、KS、TSも、レーザダイオード20に固有の定数である。
【0025】
図1において、演算手段14は、入力された数点のしきい値電流データと微分量子効率データから、記憶手段15の容量に応じて、温度分解能ごとに(1)式および(2)式に基づいて、任意の動作温度におけるしきい値電流と微分量子効率とを算出する。なお、入力される数点のしきい値電流データおよび微分量子効率データは、任意の動作温度でのデータでよく、内挿または外挿などの手段を用いれば、所望する動作温度でのしきい値電流と微分量子効率とを算出することができる。
【0026】
また、演算手段14は、動作温度ごとに求めたしきい値電流および微分量子効率と光送信装置1で設定されている光出力パワーおよび消光比とから、レーザダイオード20に駆動すべきバイアス電流と変調電流とを動作温度ごとに算出する。さらに、これらのバイアス電流および変調電流を用いてレーザダイオード20に駆動電流を供給するドライバ回路18に対するバイアス電流制御値および変調電流制御値を算出し、この算出された演算結果を記憶手段15に格納する。
【0027】
なお、ここでは、まず、動作温度ごとのしきい値電流と微分量子効率とを算出して、バイアス電流値、変調電流値を算出した後、バイアス電流制御値、変調電流制御値を算出する手順を示したが、入力されたしきい値電流と微分量子効率とから直接、所望の動作温度でのバイアス電流制御値および変調電流制御値をそれぞれ算出し、記憶手段15にその算出結果を格納してもよい。また、それぞれの駆動電流を算出する際には、温度検出手段16で検出した検出温度(周囲温度)と実際のレーザダイオード20での動作温度との差を考慮して、その算出結果を修正しておくことが必要である。
【0028】
上述の演算により、光送信装置の周囲温度ごとにレーザダイオード20でのバイアス電流制御値、変調電流制御値のデータテーブルが作成され、記憶手段15に格納された後、温度検出手段16が検出した検出温度によって、記憶手段15から検出温度に基づいたレーザダイオード20に駆動すべきバイアス電流制御値および変調電流制御値が読み出される。D/A変換手段17では、これらのバイアス電流制御値および変調電流制御値がアナログデータに変換され、ドライバ回路18にそれぞれ入力される。ドライバ回路18は、変調信号入力端子19から入力される変調信号を、レーザダイオード20に変調させ、光出力端子21から変調光信号が出力される。
【0029】
以上の処理により、光送信装置1の周囲温度が変化したとしても、温度検出手段が周囲温度を測定した測定情報より記憶手段15から光出力パワーおよび消光比を一定に保つために必要なバイアス電流制御信号および変調電流制御信号がドライバ回路18に入力されるため、光送信装置1の光出力パワーと消光比とを一定に保持することができる。
【0030】
以上説明したように、この実施の形態の光送信装置によれば、ドライバ回路は、外部から入力された変調信号に基づいた変調電流を生成し、この変調電流をバイアス電流に重畳させた駆動電流を生成し、発光素子は、駆動電流の励振によって変調光信号を出力し、演算手段は、外部から入力された発光素子の特性データから発光素子を励振するためにドライバ回路に付与するバイアス電流制御値および変調電流制御値を演算し、記憶手段は、演算手段の演算結果を記憶するとともに、この演算結果をドライバ回路に出力し、温度検出手段は、発光素子の温度を検出するようにしているので、あらかじめ、複雑なルックアップテーブルやデータを作成することなく、異なる温度における数点の発光素子の特性データを入力するだけで、発光素子の動作温度変化に応じて発光素子自身のしきい値電流や微分量子効率などの変化があっても、安定した出力光パワーおよび消光比を得ることができる。
【0031】
また、この実施の形態の光送信装置によれば、演算手段は、バイアス電流および変調電流から、所望の動作温度でのバイアス電流制御値および変調電流制御値をそれぞれ演算し、その演算結果を記憶手段に記憶させるようにしているので、さらに安定した出力光パワーおよび消光比を得ることができる。
【0032】
また、この実施の形態の光送信装置によれば、温度検出手段が検出した検出温度と発光素子が実際に動作する際の動作温度との差を考慮して、演算結果を修正し、その修正結果を前記記憶手段に再記憶させるようにしているので、光送信装置の周囲温度が変化したとしても、温度検出手段が測定した周囲温度に基づいたバイアス電流制御信号および変調電流制御信号がドライバ回路に入力され、光送信装置の光出力パワーと消光比とを一定に保持することができる。
【0033】
なお、この実施の形態では、外部から入力されるレーザダイオードの特性データを動作温度ごとのしきい値電流と微分量子効率としたが、バイアス電流および変調電流とした場合に対しても上記と同様に適用できるものである。
【0034】
また、発光素子としてレーザダイオードを例にとって説明したが、温度依存性を持つ発光素子に対しても上記と同様に適用できるものである。
【0035】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2にかかる光送信装置1aの構成を示すブロック図である。同図に示す光送信装置1aは、図1に示す光送信装置1において、レーザダイオード20の背面光をモニタする背面フォトダイオード22と、モニタされた背面光出力からバイアス電流制御信号を生成するバイアス電流制御回路23と、このバイアス電流制御信号に基づいてレーザダイオード20に供給するバイアス電流を出力するバイアス電流駆動回路24とをさらに備えている。なお、その他の構成については、図1に示す光送信装置1の構成と同一であり、同一部分には同一符号を付して示している。
【0036】
つぎに、図3を用いて、この実施の形態の光送信装置1aの動作について説明する。同図において、記憶手段15には、演算手段14によって生成されたドライバ回路18に対する動作温度ごとのバイアス電流制御値および変調電流制御値が格納されている。
【0037】
ドライバ回路18には、D/A変換手段17を介して変調電流制御値だけが記憶手段15から呼び出される。ドライバ回路18は、呼び出された変調電流制御値と変調信号入力端子19から入力される変調信号とに基づいて生成される変調電流をレーザダイオード20に出力する。
【0038】
一方、背面フォトダイオード22は、レーザダイオード20が出力する出力光信号に比例したモニタ信号をバイアス電流制御回路23に出力する。バイアス電流制御回路23は、このモニタ信号出力の平均値を検出するとともに、この平均値と内部の基準値との比較を行い、この平均値と基準値とが等しくなるようなバイアス電流制御信号をバイアス電流制御回路23に出力する。このとき、バイアス電流駆動回路24は、入力されたバイアス電流制御信号に基づいて生成されるバイアス電流をレーザダイオード20に出力する。
【0039】
このように、実施の形態2では、変調電流は、実施の形態1と同様に記憶手段15から呼び出された変調電流制御値を用いて生成しているが、バイアス電流については、背面光モニタを用いたフィードバックループによって出力するようにしている。
【0040】
なお、上述のバイアス電流制御回路23は、モニタ信号出力の平均値と内部の基準値との比較を行い、このモニタ値と基準値とが略等しくなるようなバイアス電流制御信号をバイアス電流駆動回路24に出力するようにしているが、モニタ出力のピーク値を検出して、基準値との比較を行うことでバイアス電流の制御を行うことも可能である。また、光出力のモニタは、背面光をモニタするだけでなく、光出力端子の分岐出力をモニタしてもよい。このモニタは、例えば、後述する図5に示す分岐手段26、フォトダイオード27などによって実現することができる。
【0041】
以上のように、この実施の形態の光送信装置によれば、光出力モニタ手段は、発光素子の光出力をモニタし、バイアス電流制御回路は、光出力モニタ手段が出力するモニタ信号出力の平均値を検出し、この平均値と所定の基準値との比較を行ってこれらの平均値および基準値が略等しくなるようなバイアス電流制御信号をバイアス電流制御回路に出力するようにしているので、たとえ周囲温度が変化しても安定した光出力と消光比を得ることができる。
【0042】
なお、ここでいうところの光出力モニタ手段とは、上記でいうところの背面フォトダイオード22に対応するものであり、また、後述する図5に示す、分岐手段26およびフォトダイオード27に対応するものである。
【0043】
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3にかかる光送信装置1bの構成を示すブロック図である。同図に示す光送信装置1bは、図2に示す光送信装置1aにおいて、バイアス電流制御回路23に代えて備えられた変調電流制御回路25が、背面フォトダイオード22によってモニタされた背面光出力から生成される変調電流制御信号をドライバ回路18に出力するようにしている。なお、その他の構成については、図3に示す光送信装置1aの構成と同一であり、同一部分には同一符号を付して示している。
【0044】
つぎに、図4を用いて、この実施の形態の光送信装置1bの動作について説明する。同図において、記憶手段15には、演算手段14によって生成されたドライバ回路18に対する動作温度ごとのバイアス電流制御値および変調電流制御値が格納されている。
【0045】
バイアス電流駆動回路24には、D/A変換手段17を介してバイアス電流制御値だけが記憶手段15から呼び出される。バイアス電流駆動回路24は、呼び出されたバイアス電流制御値に基づいて生成されるバイアス電流をレーザダイオード20に出力する。
【0046】
一方、背面フォトダイオード22は、レーザダイオード20が出力する出力光信号に比例したモニタ信号を変調電流制御回路25に出力する。変調電流制御回路25は、このモニタ信号出力のピーク値を検出するとともに、このピーク値と内部の基準値との比較を行い、このピーク値と基準値とが略等しくなるような変調電流制御信号を変調電流制御回路25に出力する。このとき、ドライバ回路18は、入力された変調電流制御信号に基づいて生成される変調電流をレーザダイオード20に出力する。
【0047】
このように、実施の形態3では、バイアス電流は、実施の形態1と同様に記憶手段15から呼び出されたバイアス電流制御値を用いて生成しているが、変調電流については、背面光モニタを用いたフィードバックループによって出力するようにしている。
【0048】
なお、上述の変調電流制御回路25は、モニタ信号出力のピーク値と内部の基準値との比較を行い、このピーク値と基準値とが等しくなるような変調電流制御信号をドライバ回路18に出力するようにしているが、モニタ出力の平均値を検出して、基準値との比較を行うことで変調電流の制御を行うことも可能である。また、光出力のモニタは、背面光をモニタするだけでなく、光出力端子の分岐出力をモニタしてもよい。このモニタは、例えば、後述する図5に示す分岐手段26、フォトダイオード27などによって実現することができる。
【0049】
以上のように、この実施の形態の光送信装置によれば、光出力モニタ手段は、発光素子の光出力をモニタし、変調電流制御回路は、光出力モニタ手段が出力するモニタ信号出力のピーク値を検出するとともに、このピーク値と所定の基準値との比較を行って、これらのピーク値および基準値とが略等しくなるような変調電流制御信号を変調電流制御回路に出力するようにしているので、たとえ周囲温度が変化しても安定した光出力と消光比を得ることができる。
【0050】
なお、ここでいうところの光出力モニタ手段は、上記でいうところの背面フォトダイオード22に対応するものであり、また、後述する図5に示す、分岐手段26およびフォトダイオード27に対応するものである。
【0051】
実施の形態4.
図5は、この発明の実施の形態4にかかる光送信装置1cの構成を示すブロック図である。同図に示す光送信装置1cは、図1に示す光送信装置1において、レーザダイオード20からの光出力を分岐する分岐手段26と、この分岐出力を演算手段14に入力するためのフォトダイオード27およびモニタ信号処理回路28とを備えている。なお、その他の構成については、図1に示す光送信装置1の構成と同一であり、同一部分には同一符号を付して示している。
【0052】
つぎに、図5を用いて、この実施の形態の光送信装置1cの動作について説明する。同図において、分岐手段26によって分岐された光出力がフォトダイオード27によってモニタされる。モニタ信号処理回路28は、このモニタ出力を演算手段に入力できる所定の信号形式に変換したモニタ信号(以下「モニタ出力変換信号」という。)を出力する。演算手段14は、このモニタ出力変換信号を用いて、あらかじめ演算によって求められている動作温度ごとのバイアス電流と変調電流とを比較することで、現在記憶されている変調電流およびバイアス電流が適切であるか否かを確認する。もし、適切でない場合には、自身にフィードバックをかけて再度演算を行い、その演算結果を記憶手段15に記憶させる。
【0053】
以上のように、この実施の形態の光送信装置によれば、モニタ信号処理回路は、光出力モニタ手段が検出したモニタ信号を所定の信号形式に変換したモニタ出力変換信号を生成して演算手段に出力し、演算手段は、前記モニタ出力変換信号を用いて、現在記憶されている変調電流およびバイアス電流が適切であるか否かを確認し、適切でない場合には、自身にフィードバックをかけて再演算を行い、その演算結果を記憶手段に再記憶させるようにしているので、周囲温度が変化しても安定した光出力と消光比を得ることができる。
【0054】
なお、この実施の形態では、光出力のモニタは分岐手段26とフォトダイオード27とを用いているが、実施の形態1のように背面光を利用して光出力をモニタすることも可能である。
【0055】
実施の形態5.
実施の形態5は、図1に示す光受信装置1において、外部信号入力端子12から入力される入力信号に光出力と消光比との入力を可能としたものである。したがって、実施の形態5の構成は、実施の形態1の構成と同一である。
【0056】
図1を用いて、この実施の形態の光送信装置の動作について説明する。いま、光出力と消光比との設定値変更の要求がある場合に、外部信号入力端子12から光出力および消光比の設定値を入力する。これらの設定値は外部信号入力手段13を介して演算手段14に入力される。演算手段14では、指示された光出力および消光比の設定値に基づいたバイアス電流制御信号値および変調電流制御信号値を再演算により算出して、この算出結果を記憶手段15に記憶させる。その後の動作については、実施の形態1で説明した動作と同一なので、その動作説明を省略する。
【0057】
この実施の形態では、光出力および消光比の新たな設定値に基づいて再演算を行うとともに、再演算した結果を、記憶手段15に書き込むようにしているので、記憶手段15の記憶容量を増加させることなく光出力と消光比を設定し直すことができるので、迅速な設定変更が可能となり、ユーザ要求に迅速かつ的確に対応できる光送信装置とすることができる。また、柔軟な設定値の変更が可能となるので、常に安定した出力光パワーおよび消光比を得ることができる。
【0058】
以上説明したように、この実施の形態の光送信装置によれば、演算手段は、外部から光出力パワーの設定値と消光比の設定値とが入力された際に、これらの設定値に設定された変調光信号を出力するために、バイアス電流制御値および変調電流制御値を再演算し、その再演算結果を記憶手段に再記憶させるようにしているので、内蔵の記憶容量を増加させることなく光出力と消光比とを設定し直すことができ、ユーザ要求に迅速かつ的確に対応できるとともに、常に安定した出力光パワーおよび消光比を得ることができる。
【0059】
なお、この実施の形態では、実施の形態1の構成において、外部信号入力端子12から入力される入力信号に光出力と消光比との入力を可能としたが、実施の形態2〜4の構成においても、同様な入力を可能とする構成とすることができ、同様な効果を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によれば、外部から入力された発光素子の特性データから発光素子を励振するためにドライバ回路に供給するバイアス電流制御値および変調電流制御値を演算し、この演算結果をドライバ回路に供給するようにしているので、あらかじめ、複雑なルックアップテーブルやデータを作成することなく、異なる温度における数点の発光素子の特性データを入力するだけで、発光素子の動作温度変化に応じて発光素子自身のしきい値電流や微分量子効率などの変化があっても、安定した出力光パワーおよび消光比を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる光送信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】一般的なレーザダイオードの駆動電流と光出力パワーとの関係を示すグラフである。
【図3】この発明の実施の形態2にかかる光送信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態3にかかる光送信装置の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態4にかかる光送信装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c 光送信装置、12 外部信号入力端子、13 外部信号入力手段、14 演算手段、15 記憶手段、16 温度検出手段、17 D/A変換手段、18 ドライバ回路、19 変調信号入力端子、20 レーザダイオード、21 光出力端子、22 背面フォトダイオード、23 バイアス電流制御回路、24 バイアス電流駆動回路、25 変調電流制御回路、26 分岐手段、27 フォトダイオード、28 モニタ信号処理回路。
Claims (15)
- 外部から入力された変調信号に基づいた変調電流を生成し、該変調電流をバイアス電流に重畳させた駆動電流を生成するドライバ回路と、
前記駆動電流の励振によって変調光信号を出力する発光素子と、
外部から入力された前記発光素子の特性データから該発光素子を励振するために前記ドライバ回路に付与するバイアス電流制御値および変調電流制御値を演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果を記憶し、該演算結果を前記ドライバ回路に出力する記憶手段と、
前記発光素子の温度を検出する温度検出手段と、
を備えたことを特徴とする光送信装置。 - 外部から入力される特性データが、異なる温度での2点以上のしきい値電流および微分量子効率であることを特徴とする請求項1に記載の光送信装置。
- 外部から入力される特性データが、異なる温度での2点以上のバイアス電流および変調電流であることを特徴とする請求項1に記載の光送信装置。
- 前記演算手段は、前記しきい値電流と前記微分量子効率とから、所望の動作温度でのバイアス電流制御値および変調電流制御値をそれぞれ演算し、その演算結果を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項2に記載の光送信装置。
- 前記演算手段は、前記バイアス電流および前記変調電流から、所望の動作温度でのバイアス電流制御値および変調電流制御値をそれぞれ演算し、その演算結果を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項3に記載の光送信装置。
- 前記演算手段は、前記温度検出手段が検出した検出温度と前記発光素子が実際に動作する際の動作温度との差を考慮して、前記演算結果を修正し、その修正結果を前記記憶手段に再記憶させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光送信装置。
- 外部から入力された変調信号に基づいた変調電流を生成するドライバ回路と、
バイアス電流を生成するバイアス電流駆動回路と、
前記変調電流をバイアス電流に重畳させた駆動電流が入力され、該駆動電流の励振によって変調光信号を出力する発光素子と、
前記発光素子の光出力をモニタする光出力モニタ手段と、
前記光出力モニタ手段が検出したモニタ信号に基づいたバイアス電流制御信号を生成して前記バイアス電流駆動回路に出力するバイアス電流制御回路と、
外部から入力された前記発光素子の特性データから、該発光素子を励振するために前記ドライバ回路に付与する変調電流制御値を演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果を記憶し、該演算結果を前記ドライバ回路に出力する記憶手段と、
前記発光素子の温度を検出する温度検出手段と、
を備えたことを特徴とする光送信装置。 - 前記バイアス電流制御回路は、前記光出力モニタ手段が出力するモニタ信号出力の平均値を検出し、該平均値と所定の基準値との比較を行って該平均値と該基準値とが略等しくなるようなバイアス電流制御信号をバイアス電流制御回路に出力することを特徴とする請求項7に記載の光送信装置。
- 外部から入力された変調信号に基づいた変調電流を生成するドライバ回路と、
バイアス電流を生成するバイアス電流駆動回路と、
前記変調電流をバイアス電流に重畳させた駆動電流が入力され、該駆動電流の励振によって変調光信号を出力する発光素子と、
前記発光素子の光出力をモニタする光出力モニタ手段と、
前記光出力モニタ手段が検出したモニタ信号に基づいた変調電流制御信号を生成して前記ドライバ回路に出力する変調電流制御回路と、
外部から入力された前記発光素子の特性データから、該発光素子を励振するために前記バイアス電流駆動回路に付与するバイアス電流制御値を演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果を記憶し、該演算結果を前記ドライバ回路に出力する記憶手段と、
前記発光素子の温度を検出する温度検出手段と、
を備えたことを特徴とする光送信装置。 - 前記変調電流制御回路は、前記光出力モニタ手段が出力するモニタ信号出力のピーク値を検出するとともに、該ピーク値と所定の基準値との比較を行って該ピーク値と該基準値とが略等しくなるような変調電流制御信号を変調電流制御回路に出力することを特徴とする請求項9に記載の光送信装置。
- 前記光出力モニタ手段は、前記発光素子の背面光をモニタする背面フォトダイオードであることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一つに記載の光送信装置。
- 前記光出力モニタ手段は、前記発光素子の変調光出力を分岐する分岐手段および前記分岐手段から分岐された光出力をモニタするフォトダイオードを備えることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一つに記載の光送信装置。
- 入力された変調信号に基づいた変調電流を生成し、該変調電流をバイアス電流に重畳させた駆動電流を生成するドライバ回路と、
前記駆動電流の励振によって変調光信号を出力する発光素子と、
外部から入力された前記発光素子の特性データから、該発光素子を励振するために前記ドライバ回路に付与するバイアス電流制御値および変調電流制御値を演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果を記憶し、該演算結果を前記ドライバ回路に出力する記憶手段と、
前記発光素子の温度を検出する温度検出手段と、
前記発光素子の光出力をモニタする光出力モニタ手段と、
前記光出力モニタ手段が検出したモニタ信号を所定の信号形式に変換したモニタ出力変換信号を生成して前記演算手段に出力するモニタ信号処理回路と、
を備え、
前記演算手段は、前記モニタ出力変換信号を用いて、現在記憶されている変調電流およびバイアス電流が適切であるか否かを確認し、適切でない場合には、自身にフィードバックをかけて再演算を行い、その演算結果を前記記憶手段に再記憶させることを特徴とする光送信装置。 - 前記演算手段は、外部から光出力パワーの設定値と消光比の設定値とが入力された際に、これらの設定値に設定された変調光信号を出力するために、前記バイアス電流制御値および前記変調電流制御値を再演算し、その再演算結果を前記記憶手段に再記憶させることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の光送信装置。
- 前記発光素子は、レーザダイオードであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の光送信装置。
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- 2003-05-23 JP JP2003145969A patent/JP2004349532A/ja active Pending
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