以下、実施形態について説明する。
なお、添付図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、又は別の図面中のものと異なる場合がある。また、断面図では、理解を容易にするために、一部の構成要素のハッチングを省略する場合がある。
図1~図4に示すように、コイル部品1は、コア10と、コア10に巻回されたコイル40とを備える。このコイル部品1は、例えば表面実装型のコイル部品である。本実施形態のコイル部品1は、例えばコモンモードチョークコイルである。
コア10は、非導電性材料、具体的には、アルミナのような非磁性体、ニッケル(Ni)-亜鉛(Zn)系フェライトのような磁性体などから構成される。コア10は、例えば非導電性材料を圧縮した成形体を焼成して形成される。なお、コア10は、非導電性材料を圧縮した成形体を焼成して形成されるものに限られず、例えば、金属粉、フェライト粉などの磁性粉を含有する樹脂、シリカ粉などの非磁性粉を含有する樹脂、又はフィラーを含有しない樹脂を熱硬化させて形成してもよい。
図1~図6に示すように、コア10は、コイル部品1の長さ方向Ldに延びる巻芯部11と、長さ方向Ldにおける巻芯部11の第1端部に設けられた第1鍔部12と、長さ方向Ldにおける巻芯部11の第2端部に設けられた第2鍔部13とを有する。本実施形態では、巻芯部11、第1鍔部12、及び第2鍔部13は一体に形成されている。本明細書において、長さ方向Ldは、第1鍔部12及び第2鍔部13の配列方向と言い換えることもできる。また本明細書において、コイル部品1の「高さ方向Td」及び「幅方向Wd」を次のように規定する。すなわち、高さ方向Tdは、長さ方向Ldに垂直な方向のうち、コイル部品1が回路基板に実装された状態で回路基板の主面と垂直な方向である。幅方向Wdは、長さ方向Ldに垂直な方向のうち、コイル部品1が回路基板に実装された状態で回路基板の主面と平行な方向である。また、以降の説明において、長さ方向Ldの長さ寸法を「長さ寸法L」とし、高さ方向Tdの長さ寸法を「高さ寸法T」とし、幅方向Wdの長さ寸法を「幅寸法W」とする。
図3及び図5に示すように、コア10のサイズは次のとおりである。すなわち、コア10の長さ寸法L10が約4.6mm、コア10の幅寸法W10が約3.2mm、コア10の高さ寸法T10が約2.0mmである。なお、長さ寸法L10は、長さ方向Ldにおける第1鍔部12の外面12bから第2鍔部13の外面13bまでの長さであり、幅寸法W10は、幅方向Wdにおける第1鍔部12の第1側面12eから第2側面12fまでの長さである。高さ寸法T10は、高さ方向Tdにおける第1鍔部12の足部14aの高さ方向Tdの端面から第1鍔部12の後述する天面12cまでの長さである。
巻芯部11の長さ寸法L11は、巻芯部11の幅寸法W11及び高さ寸法T11よりも大きい。幅寸法W11は、高さ寸法T11よりも大きい。本実施形態では、幅寸法W11は、約0.6mmである。幅寸法W11は、1.0mm以下であることが好ましい。本実施形態の巻芯部11は、幅寸法W11と比べて、高さ寸法T11が短くなるように構成されている。
巻芯部11は、長さ方向Ldと直交する横断面の形状が多角形状であり、本実施形態では巻芯部11の断面形状が四角形状である。なお、本明細書において、「多角形状」には、角部が面取りされたもの、角部が丸められたもの、各辺の一部が曲線状のもの、などを含むものとする。なお、巻芯部11の横断面の形状は、多角形状に限られず、任意に変更可能である。一例では、巻芯部11の横断面の形状として、円形状、楕円形状、又はこれらと多角形状とを組み合せた形状であってもよい。
本実施形態において、巻芯部11は、高さ方向Tdに面する底面11a及び天面11bと、幅方向Wdに面する第1側面11c及び第2側面11dとを有する。底面11a、天面11b、第1側面11c、及び第2側面11dはそれぞれ、巻芯部11を形成する一つの面である。本実施形態では、底面11aは天面11bと平行となり、第1側面11cは第2側面11dと平行となる。底面11aは、コイル部品1が回路基板に実装された状態で回路基板側に向く面である。
図5及び図6に示すとおり、第1鍔部12の形状は、第2鍔部13の形状と概ね同一である。第1鍔部12及び第2鍔部13の幅寸法W12,W13は、第1鍔部12及び第2鍔部13の高さ寸法T12,T13よりも大きい。第1鍔部12及び第2鍔部13の高さ寸法T12,T13は、第1鍔部12及び第2鍔部13の長さ寸法L12,L13よりも大きい。第1鍔部12及び第2鍔部13の幅寸法W12,W13は巻芯部11の幅寸法W11よりも大きく、第1鍔部12及び第2鍔部13の高さ寸法T12,T13は巻芯部11の高さ寸法T11よりも大きい。なお、第1鍔部12の高さ寸法T12は、高さ方向Tdにおいて第1鍔部12における後述する天面12cから底面12dまでの長さである。また第2鍔部13の高さ寸法T13は、高さ方向Tdにおいて第2鍔部13における後述する天面13cから底面13dまでの長さである。
第1鍔部12は、内面12a、外面12b、天面12c、底面12d、第1側面12e、及び第2側面12fを有する。内面12aは、長さ方向Ldにおいて巻芯部11側の面である。外面12bは、長さ方向Ldにおいて内面12aと反対側を向く面である。天面12c及び底面12dは、高さ方向Tdに向く面であって、内面12aと外面12bとを接続する面である。底面12dは高さ方向Tdにおける第1鍔部12の第1端部に設けられる面であり、天面12cは高さ方向Tdにおける第1鍔部12の第2端部に設けられる面である。底面12dは、コイル部品1が回路基板に実装された状態で高さ方向Tdにおいて回路基板側に向く面である。天面12cは、高さ方向Tdにおいて底面12dと反対側を向く面である。第1側面12e及び第2側面12fは、幅方向Wdに向く面であって、内面12a、外面12b、天面12c、及び底面12dを接続する面である。第2側面12fは、幅方向Wdにおいて第1側面12eと反対側を向く面である。
第2鍔部13は、内面13a、外面13b、天面13c、底面13d、第1側面13e、及び第2側面13fを有する。内面13aは、長さ方向Ldにおいて巻芯部11側の面である。外面13bは、長さ方向Ldにおいて内面13aと反対側を向く面である。天面13c及び底面13dは、高さ方向Tdに向く面であって、内面13aと外面13bとを接続する面である。底面13dは高さ方向Tdにおける第2鍔部13の第1端部に設けられる面であり、天面13cは高さ方向Tdにおける第2鍔部13の第2端部に設けられる面である。底面13dは、コイル部品1が回路基板に実装された状態で高さ方向Tdにおいて回路基板側に向く面である。天面13cは、高さ方向Tdにおいて底面13dと反対側を向く面である。第1側面13e及び第2側面13fは、幅方向Wdに向く面であって、内面13a、外面13b、天面13c、及び底面13dを接続する面である。第2側面13fは、幅方向Wdにおいて第1側面13eと反対側を向く面である。
このように、巻芯部11の底面11aは、高さ方向Tdにおいて第1鍔部12の底面12d及び第2鍔部13の底面13dと同じ側の面である。また巻芯部11の天面11bは、高さ方向Tdにおいて第1鍔部12の天面12c及び第2鍔部13の天面13cと同じ側の面である。
図1及び図5に示すように、第1鍔部12は、底面12dから高さ方向Tdに突出した2つの足部14a,14bを有する。足部14aと足部14bとは、幅方向Wdに間をあけて設けられている。幅方向Wdにおいて、足部14aは第1鍔部12の第1側面12e寄りに設けられ、足部14bは第1鍔部12の第2側面12f寄りに設けられている。長さ方向Ldからみて、足部14a,14bは、巻芯部11の第1側面11c及び第2側面11dを長さ方向Ldに延長させた仮想線よりも内側となるように設けられている。足部14a,14bの長さ方向Ldの長さ寸法は、第1鍔部12の長さ方向Ldの長さ寸法L12よりも小さい。第1鍔部12において足部14aと第1側面12eとの間の部分には、突出部15aが設けられている。第1鍔部12において足部14bと第2側面12fとの間の部分には、突出部15bが設けられている。突出部15a,15bは、底面12dから高さ方向Tdに突出している。突出部15aは、幅方向Wdにおいて足部14aから第1側面12eまで形成され、長さ方向Ldにおいて第1鍔部12の内面12aから外面12bまで形成されている。突出部15bは、幅方向Wdにおいて足部14bから第2側面12fまで形成され、長さ方向Ldにおいて第1鍔部12の内面12aから外面12bまで形成されている。
第1鍔部12のうちの内面12a寄りの部分には、スロープ部16が設けられている。スロープ部16は、幅方向Wdに延びている。幅方向Wdにおけるスロープ部16の第1側面12e側の端部は、巻芯部11の底面11aに接続されている。スロープ部16は、幅方向Wdにおいて第1側面12eから第2側面12fに向かうにつれて高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11aから離れるように傾斜している。幅方向Wdにおけるスロープ部16の第2側面12f側の端部は、突出部15bに接続されている。スロープ部16において突出部15a側の部分は、突出部15aに向かうにつれて長さ方向Ldの長さ寸法が狭くなっている。スロープ部16において突出部15b側の部分は、その長さ方向Ldの長さ寸法が一定となるように形成されている。
図1に示すように、高さ方向Tdにおける第1鍔部12の第1端部には、第1端子電極31及び第2端子電極32が設けられている。高さ方向Tdからみて、第1端子電極31は足部14a及び突出部15aに設けられ、第2端子電極32は足部14b及び突出部15bに設けられている。本実施形態では、第2端子電極32は、スロープ部16における突出部15b側の部分に設けられている。
図6に示すように、高さ方向Tdにおける第1鍔部12の第2端部には、凹部17a,17bが設けられている。凹部17a,17bは、第1鍔部12の天面12cから高さ方向Tdに凹むように設けられている。2つの凹部17a,17bは、幅方向Wdに間をあけて設けられている。凹部17aは、第1鍔部12において巻芯部11の第2側面11dを長さ方向Ldに延長させた仮想線よりも幅方向Wdの第1側面12e側の部分に設けられている。凹部17bは、第1鍔部12において巻芯部11の第1側面11cを長さ方向Ldに延長させた仮想線よりも幅方向Wdの第2側面12f側の部分に設けられている。本実施形態では、凹部17a,17bは同一形状であり、長さ方向Ldに延びている。高さ方向Tdからみて、凹部17a,17bの形状は、長さ方向Ldが長手方向となり、幅方向Wdが短手方向となる長方形である。本実施形態では、凹部17a,17bは、第1鍔部12の内面12a、外面12b、第1側面12e、及び第2側面12fのそれぞれに対して隙間をあけて形成されている。凹部17aの深さは、凹部17bの深さと等しい。また凹部17a,17bの深さは、長さ方向Ld及び幅方向Wdにおいて一定である。凹部17a,17bの深さは、高さ方向Tdからみた凹部17a,17bの深さであり、第1鍔部12の天面12cから凹部17a,17bの底面までの高さ寸法によって規定される。凹部17a,17bは、コア10の成型時に形成されている。一例では、凹部17a,17bは、コア10を成型する金型に設けられた凸部によって、コア10と一体に形成されている。凹部17a,17bは、コア10と一体に形成された後、バレル処理が施されると、凹部17a,17bの角部は曲面となる。ここで凹部17a,17bの角部は、例えば第1鍔部12の天面12cと凹部17a,17bの内側面とを繋ぐ部分である。
図1及び図5に示すように、第2鍔部13は、底面13dから高さ方向Tdに突出した2つの足部18a,18bを有する。足部18aと足部18bとは、幅方向Wdに間をあけて設けられている。幅方向Wdにおいて、足部18aは第2鍔部13の第1側面13e寄りに設けられ、足部18bは第2鍔部13の第2側面13f寄りに設けられている。長さ方向Ldからみて、足部18a,18bは、巻芯部11の第1側面11c及び第2側面11dを長さ方向Ldに延長させた仮想線よりも内側となるように設けられている。足部18a,18bの長さ方向Ldの長さ寸法は、第2鍔部13の長さ方向Ldの長さ寸法L13よりも小さい。第2鍔部13において足部18aと第1側面13eとの間の部分には、突出部19aが設けられている。第2鍔部13において足部18bと第2側面13fとの間の部分には、突出部19bが設けられている。突出部19a,19bは、第2鍔部13の底面13dから高さ方向Tdに突出している。突出部19aは、幅方向Wdにおいて足部18aから第1側面13eまで形成され、長さ方向Ldにおいて第2鍔部13の内面13aから外面13bまで形成されている。突出部19bは、幅方向Wdにおいて足部18bから第2側面13fまで形成され、長さ方向Ldにおいて第2鍔部13の内面13aから外面13bまで形成されている。
第2鍔部13のうちの内面13a寄りの部分には、スロープ部20が設けられている。スロープ部20は、幅方向Wdに延びている。幅方向Wdにおけるスロープ部20の第2側面13f側の端部は、巻芯部11の底面11aに接続されている。スロープ部20は、幅方向Wdにおいて第2側面13fから第1側面13eに向かうにつれて高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11aから離れるように傾斜している。すなわち、スロープ部20の傾斜方向は、スロープ部16の傾斜方向と逆となる。幅方向Wdにおけるスロープ部20の第1側面13e側の端部は、底面13dに接続されている。スロープ部20において突出部19a側の部分は、その長さ方向Ldの長さ寸法が一定となるように形成されている。スロープ部20において突出部19b側の部分は、突出部19bに向かうにつれて長さ方向Ldの長さ寸法が狭くなっている。
図1に示すように、高さ方向Tdにおける第2鍔部13の第1端部には、第3端子電極33及び第4端子電極34が設けられている。第3端子電極33は、幅方向Wdにおいて、第1端子電極31が設けられた第1鍔部12の足部14aと同じ側にある足部18aに設けられている。第4端子電極34は、幅方向Wdにおいて、第2端子電極32が設けられた第1鍔部12の足部14bと同じ側にある足部18bに設けられている。高さ方向Tdからみて、第3端子電極33は足部18a及び突出部19aに設けられ、第4端子電極34は足部18b及び突出部19bに設けられている。本実施形態では、第3端子電極33は、スロープ部20における突出部19a側の部分に設けられている。第3端子電極33と第4端子電極34は互いに電気的に接続されていない。
図6に示すように、高さ方向Tdにおける第2鍔部13の他方の端部には、凹部21a,21bが設けられている。凹部21a,21bは、第2鍔部13の天面13cから高さ方向Tdに凹むように設けられている。2つの凹部21a,21bは、幅方向Wdに間をあけて設けられている。凹部21aは、第2鍔部13において巻芯部11よりも幅方向Wdの第1側面13e側の部分に設けられている。凹部21bは、第2鍔部13において巻芯部11よりも幅方向Wdの第2側面13f側の部分に設けられている。本実施形態では、凹部21a,21bは同一形状であり、長さ方向Ldに延びている。高さ方向Tdからみて、凹部21a,21bの形状は、長さ方向Ldが長手方向となり、幅方向Wdが短手方向となる長方形である。本実施形態では、凹部21aの深さは、凹部21bの深さと等しい。また凹部21a,21bの深さは、長さ方向Ld及び幅方向Wdにおいて一定である。凹部21a,21bの深さは、高さ方向Tdからみた凹部21a,21bの深さであり、第2鍔部13の天面13cから凹部21a,21bの底面までの高さ寸法によって規定される。凹部21a,21bは、コア10の成型時に形成されている。一例では、凹部21a,21bは、コア10を成型する金型に設けられた凸部によって、コア10と一体に形成されている。凹部21a,21bは、コア10と一体に形成された後、バレル処理が施されると、凹部21a,21bの角部は曲面となる。ここで凹部21a,21bの角部は、例えば第2鍔部13の天面13cと凹部21a,21bの内側面とを繋ぐ部分である。本実施形態では、凹部21a,21bは、第1鍔部12の凹部17a,17bと同一形状である。なお、凹部17a,17b,21a,21bの少なくとも1つの形状は他の凹部の形状と異なってもよい。
第1端子電極31、第2端子電極32、第3端子電極33、及び第4端子電極34は、例えば、下地電極と、その下地電極の表面に形成されためっき層とを含む。下地電極の材料としては、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)などの金属、ニッケル(Ni)-クロム(Cr)などの合金を用いることができる。めっき層の材料としては、例えば錫(Sn)、Cu、及びNiなどの金属や、Ni-Snなどの合金を採用することができる。なお、めっき層を多層構造としてもよい。
第1端子電極31は、高さ方向Tdからみて、足部14aの高さ方向Tdの端面と天面12cにおける足部14a周りの領域とを含む第1底面電極31a(図1の破線で囲まれた領域)を有する。図1に示すとおり、第1底面電極31aの外縁は、凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。第1底面電極31aの外縁は、第1底面電極31a周辺とコア10との境界である。本実施形態では、第1底面電極31aの外縁の一部が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。詳述すると、第1底面電極31aの外縁のうちの第1鍔部12の内面12a、外面12b、及び第1側面12eと接していない部分が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。具体的には、第1底面電極31aの外縁は、幅方向Wdにおいて足部14aよりも足部14bに向かって膨らみ、その膨らむ端部が足部14bに向かって凸状の曲線となるように形成されている。
図7(a)に示すように、第1端子電極31は、長さ方向Ldから第1鍔部12の外面12bからみて、第1鍔部12の底面12dから高さ方向Tdに延びる第1端面電極31bを有する。第1端面電極31bは、第1鍔部12の外面12bにおいて足部14aが設けられる第1領域RA1、及び第1領域RA1よりも第1鍔部12の第1側面12e側の第2領域RA2に形成されている。第1領域RA1は、高さ方向Tdに延びている。第1領域RA1は、高さ方向Tdの大きさが幅方向Wdの大きさよりも大きくなるように形成されている。第1領域RA1の外縁は、高さ方向Tdにおける天面12cに向かう凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。第1領域RA1の外縁は、第1端面電極31bのうちの第1領域RA1周辺とコア10との境界である。本実施形態では、第1領域RA1の外縁の一部が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。詳述すると、第1領域RA1のうちの第2領域RA2よりも天面12c側の部分が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。第2領域RA2は、高さ方向Tdにおいて第1鍔部12の外面12bのうちの底面12d側の端部に設けられている。第2領域RA2は、高さ方向Tdの長さ寸法が一定となるように形成されている。
図1に示すように、第2端子電極32は、高さ方向Tdからみて、足部14bの高さ方向Tdの端面と天面12cにおける足部14a周りの領域とを含む第2底面電極32a(図1の破線で囲まれた領域)を有する。図1に示すとおり、第2底面電極32aの外縁は、凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。第2底面電極32aの外縁は、第2底面電極32a周辺とコア10との境界である。本実施形態では、第2底面電極32aの外縁の一部が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。詳述すると、第2底面電極32aの外縁のうちの第1鍔部12の内面12a、外面12b、及び第2側面12fと接していない部分が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。具体的には、第2底面電極32aは、幅方向Wdにおいて足部14bよりも足部14aに向かって膨らみ、その膨らむ端部が足部14aに向かって凸状の曲線となり、かつ、スロープ部16において突出部15aに向かって凸状の曲線となるように形成されている。
図7(a)に示すように、第2端子電極32は、長さ方向Ldから第1鍔部12の外面12bからみて、第1鍔部12の底面12dから高さ方向Tdに延びる第2端面電極32bを有する。第2端面電極32bは、第1鍔部12の外面12bにおいて足部14bが設けられる第1領域RB1、及び第1領域RB1よりも第1鍔部12の第2側面12f側の第2領域RB2に形成されている。第1領域RB1は、高さ方向Tdに延びている。第1領域RB1は、高さ方向Tdの大きさが幅方向Wdの大きさよりも大きくなるように形成されている。第1領域RB1の外縁は、高さ方向Tdにおける天面12cに向かう凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。第1領域RB1の外縁は、第2端面電極32bのうちの第1領域RB1周辺とコア10との境界である。本実施形態では、第1領域RB1の外縁の一部が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。詳述すると、第1領域RB1のうちの第2領域RB2よりも天面12c側の部分が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。第2領域RB2は、高さ方向Tdにおいて第1鍔部12の外面12bのうちの底面12d側の端部に設けられている。第2領域RB2は、高さ方向Tdの長さ寸法が一定となるように形成されている。
図1に示すように、第3端子電極33は、高さ方向Tdからみて、足部18aの高さ方向Tdの端面と天面13cにおける足部18a周りの領域とを含む第3底面電極33a(図1の破線で囲まれた領域)を有する。図1に示すとおり、第3底面電極33aの外縁は、凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。第3底面電極33aの外縁は、第3底面電極33a周辺とコア10との境界である。本実施形態では、第3底面電極33aの外縁の一部が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。詳述すると、第3底面電極33aの外縁のうちの第2鍔部13の内面13a、外面13b、及び第1側面13eと接していない部分が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。具体的には、第3底面電極33aは、幅方向Wdにおいて足部18aよりも足部18bに向かって膨らみ、その膨らむ端部が足部18bに向かって凸状の曲線となり、かつ、スロープ部20において突出部19aに向かって凸状の曲線となるように形成されている。
図7(b)に示すように、第3端子電極33は、長さ方向Ldから第2鍔部13の外面13bからみて、第2鍔部13の底面13dから高さ方向Tdに延びる第3端面電極33bを有する。第3端面電極33bは、第2鍔部13の外面13bにおいて足部18aが設けられる第1領域RC1、及び第1領域RC1よりも第2鍔部13の第1側面13e側の第2領域RC2に形成されている。第1領域RC1は、高さ方向Tdに延びている。第1領域RC1は、高さ方向Tdの大きさが幅方向Wdの大きさよりも大きくなるように形成されている。第1領域RC1の外縁は、高さ方向Tdにおける天面13cに向かう凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。第1領域RC1の外縁は、第3端面電極33bのうちの第1領域RC1周辺とコア10との境界である。本実施形態では、第1領域RC1の外縁の一部が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。詳述すると、第1領域RC1のうちの第2領域RC2よりも天面13c側の部分が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。第2領域RC2は、高さ方向Tdにおいて第2鍔部13の外面13bのうちの底面13d側の端部に設けられている。第2領域RC2は、高さ方向Tdの長さ寸法が一定となるように形成されている。
図1に示すように、第4端子電極34は、高さ方向Tdからみて、足部18bの高さ方向Tdの端面と天面13cにおける足部18b周りの領域とを含む第4底面電極34a(図1の破線で囲まれた領域)を有する。図1に示すとおり、第4底面電極34aの外縁は、凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。第4底面電極34aの外縁は、第4底面電極34a周辺とコア10との境界である。本実施形態では、第4底面電極34aの外縁の一部が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。詳述すると、第4底面電極34aの外縁のうちの第2鍔部13の内面13a、外面13b、及び第2側面13fと接していない部分が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。具体的には、第4底面電極34aは、幅方向Wdにおいて足部18bよりも足部18aに向かって膨らみ、その膨らむ端部が凸状の曲線となるように形成されている。
図7(b)に示すように、第4端子電極34は、長さ方向Ldから第2鍔部13の外面13bからみて、第2鍔部13の底面13dから高さ方向Tdに延びる第4端面電極34bを有する。第4端面電極34bは、第2鍔部13の外面13bにおいて足部18bが設けられる第1領域RD1、及び第1領域RD1よりも第2鍔部13の第2側面13f側の第2領域RD2に形成されている。第1領域RD1は、高さ方向Tdに延びている。第1領域RD1は、高さ方向Tdの大きさが幅方向Wdの大きさよりも大きくなるように形成されている。第1領域RD1の外縁は、高さ方向Tdにおいて天面13cに向かう凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。第1領域RD1の外縁は、第4端面電極34bのうちの第1領域RD1周辺とコア10との境界である。本実施形態では、第1領域RD1の外縁の一部が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。詳述すると、第1領域RD1のうちの第2領域RD2よりも天面13c側の部分が凸状の曲線を含む形状となるように形成されている。第2領域RD2は、高さ方向Tdにおいて第2鍔部13の外面13bのうちの底面13d側の端部に設けられている。第2領域RD2は、高さ方向Tdの長さ寸法が一定となるように形成されている。
図8を参照して、第1端子電極31の構成と、コイル部品1を回路基板PXに実装した場合の第1端子電極31と回路基板PXのランド部RXとの接合構造とについてそれぞれ説明する。なお、第2~第4端子電極32~34は、第1端子電極31の構成と同様の構成であり、第1端子電極31とランド部RXとの接合構造と同様の構造であるため、その説明を省略する。
図8に示すように、第1端子電極31では、第1底面電極31aは、第1端面電極31bに接続されている。第1底面電極31aが形成されるときに第1端面電極31bの第2領域RA2と、第1端面電極31bの第1領域RA1のうちの第1鍔部12の底面12d(図7(a)参照)側の端部とが形成される。このため、第1端面電極31bの第1領域RA1のうちの第1鍔部12の底面12d側の端部では、第1端面電極31bの下地電極と第1底面電極31aの下地電極とが重なり合う領域が存在する。第1端面電極31bの第1領域RA1のうちの第1鍔部12の底面12d側の端部の厚さは、第1領域RA1のうちの第1鍔部12の天面12c側の部分の厚さよりも厚い。第1端面電極31bの下地電極と第1底面電極31aの下地電極とは、第1鍔部12のうちの巻芯部11(図6等参照)とは反対側の外面12bにおいて重なっている。そして、第1底面電極31aの下地電極は、長さ方向Ldにおいて、第1端面電極31bの下地電極の第1領域RA1が第1の外側に重なっている。
図8に示すように、第1端子電極31では、第1底面電極31aの下地電極及び第1端面電極31bの下地電極の表面に形成されためっき層を有する。第1底面電極31aの下地電極と第1端面電極31bの下地電極とが重なる部分では、第1底面電極31aの下地電極の表面にめっき層が形成される。
また第1端面電極31bの表面(めっき層の表面)は凹凸状に形成されている。より詳細には、高さ方向Tdにおいて、第1端面電極31bの第1領域RA1のうちの第1鍔部12の底面12d側の端部(第1端面電極31bの下地電極と第1底面電極31aの下地電極とが重なり合う領域)よりも第1鍔部12の天面12c側の部分の表面は、凹凸状に形成されている。
コイル部品1が回路基板PXに実装される場合、図8に示すように、コア10の足部14aが回路基板PXのランド部RXに半田SDによって接続される。半田SDは、足部14aを覆う第1底面電極31aとランド部RXとの間に介在する。また半田SDは、ランド部RXと第1端面電極31bとを接続するように形成される。半田SDは、第1端面電極31bの表面の凹部に入り込むように第1端面電極31bと接続されている。なお、コイル部品1が回路基板PXのランド部RXに実装された場合、半田SDと第1端面電極31bのめっき層とは一体化される。
図9に示すように、第1鍔部12の内面12aと巻芯部11の底面11aとの接続構造と、第1鍔部12の内面12aと巻芯部11の天面11bとの接続構造とは、互いに異なる。また、第2鍔部13の内面13aと巻芯部11の底面11aとの接続構造と、第2鍔部13の内面13aと巻芯部11の天面11bとの接続構造とは、互いに異なる。
詳述すると、図10(a)に示すように、第1鍔部12の内面12aと巻芯部11の底面11aとの接続部分には、第1曲面部22が形成されている。本実施形態では、長さ方向Ld及び高さ方向Tdに平行(幅方向Wdに垂直)な断面において、第1曲面部22の形状は、真円形状を構成する一部分の曲線である。具体的には、幅方向Wdに垂直な断面において、第1曲面部22の形状は、真円の略1/4円となる曲線である。また図11(a)に示すように、第1鍔部12の内面12aと巻芯部11の天面11bとの接続部分には、第3曲面部24が形成されている。本実施形態では、幅方向Wdに垂直な断面において、第3曲面部24の形状は、真円形状を構成する一部分の曲線である。具体的には、幅方向Wdに垂直な断面において、第3曲面部24の形状は、真円の略1/4円となる曲線である。一方、図10(a)に示すように、幅方向Wdに垂直な断面において、第1曲面部22の曲線を形成する真円(二点鎖線の仮想円)の半径R1は、図11(a)に示すように、幅方向Wdに垂直な断面において、第3曲面部24の曲線を形成する真円(二点鎖線の仮想円)の半径R3よりも大きい。つまり、第1曲面部22の曲線の曲率半径が第3曲面部24の曲線の曲率半径よりも大きくなるように第1曲面部22及び第3曲面部24が形成されている。
高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11aから第1鍔部12の第1端子電極31の第1底面電極31a及び第2端子電極32の第2底面電極32aまでの最大距離に対する第1曲面部22の高さ方向Tdの大きさの割合は、20%以上、60%以下であることが好ましい。本実施形態では、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11aから第1鍔部12の第1端子電極31の第1底面電極31a及び第2端子電極32の第2底面電極32aまでの最大距離は、約0.56mmである。第1曲面部22の高さ方向Tdの大きさは、0.1mm以上、0.3mm以下である。言い換えれば、幅方向Wdに垂直な断面における第1曲面部22の曲線の半径R1が0.1mm以上、0.3mm以下である。この場合、上記割合は、20%以上、60%以下である。
第3曲面部24の高さ方向Tdの大きさは、約0.05mmである。言い換えれば、第3曲面部24の半径R3が約0.05mmである。すなわち、本実施形態では、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の天面11bから第1鍔部12の天面12cまでの最大距離に対する第3曲面部24の高さ方向Tdの大きさの割合は、20%未満である。なお、本実施形態では、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11aから第1鍔部12の第1端子電極31の第1底面電極31a及び第2端子電極32の第2底面電極32aまでの最大距離は、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11aと第1鍔部12の足部14a,14bに形成された第1底面電極31a及び第2底面電極32aとの間の距離により定義される。
また図10(b)に示すように、第2鍔部13の内面13aと巻芯部11の底面11aとの接続部分には、第2曲面部23が形成されている。本実施形態では、長さ方向Ld及び高さ方向Tdに平行(幅方向Wdに垂直な)断面において、第2曲面部23の形状は、真円形状を構成する一部分の曲線である。具体的には、幅方向Wdに垂直な断面において、第2曲面部23の形状は、真円の略1/4円となる曲線である。また図11(b)に示すように、第2鍔部13の内面13aと巻芯部11の天面11bとの接続部分には、第4曲面部25が形成されている。本実施形態では、幅方向Wdに垂直な断面において、第4曲面部25の形状は、真円形状を構成する一部分の曲線である。具体的には、幅方向Wdに垂直な断面において、第4曲面部25の形状は、真円の略1/4円となる曲線である。一方、図10(b)に示すように、幅方向Wdに垂直な断面において、第2曲面部23の曲線を形成する真円(二点鎖線の仮想円)の半径R2は、図11(b)に示すように、幅方向Wdに垂直な断面において、第4曲面部25の曲線を形成する真円(二点鎖線の仮想円)の半径R4よりも大きい。つまり、第2曲面部23の曲線の曲率半径が第4曲面部25の曲線の曲率半径よりも大きくなるように第2曲面部23及び第4曲面部25が形成されている。
また、本実施形態では、幅方向Wdに垂直な断面において、第1曲面部22の曲線の曲率半径の大きさ(図10(a)の仮想円の半径R1)は、第2曲面部23の曲線の曲率半径の大きさ(図10(b)の仮想円の半径R2)と等しい。すなわち、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11aから第2鍔部13の第3端子電極33の第3底面電極33a及び第4端子電極34の第4底面電極34aまでの最大距離に対する第2曲面部23の高さ方向Tdの大きさの割合は、20%以上、60%以下であることが好ましい。第3曲面部24の曲線の曲率半径の大きさ(図11(a)の仮想円の半径R3)は、第4曲面部25の曲線の曲率半径の大きさ(図11(b)の仮想円の半径R4)と等しい。すなわち、本実施形態では、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の天面11bから第2鍔部13の天面13cまでの最大距離に対する第4曲面部25の高さ方向Tdの大きさの割合は、20%未満である。なお、本実施形態では、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11aから第2鍔部13の第3端子電極33の第3底面電極33a及び第4端子電極34の第4底面電極34aまでの最大距離は、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11aと第2鍔部13の足部18a,18bに形成された第3底面電極33a及び第4底面電極34aとの間の距離により定義される。
図9に示すように、幅方向Wdに垂直な断面において、第1曲面部22と第2曲面部23との長さ方向Ldの間の距離LX1は、第3曲面部24と第4曲面部25との長さ方向Ldの間の距離LX2よりも大きい。距離LX1は、幅方向Wdに垂直な断面において、第1曲面部22の底面12d側の曲線から内面12aの直線に変化する境界と、第2曲面部23の底面13d側の曲線から内面13aの直線に変化する境界との長さ方向Ldの間の距離である。距離LX2は、幅方向Wdに垂直な断面において、第3曲面部24の天面12c側の曲線から内面12aの直線に変化する境界と、第4曲面部25の天面13c側の曲線から内面13aの直線に変化する境界との長さ方向Ldの間の距離である。このため、巻芯部11の底面11a側における第1鍔部12の内面12aと第2鍔部13の内面13aとの長さ方向Ldの間の距離は、巻芯部11の天面11b側における第1鍔部12の内面12aと第2鍔部13の内面13aとの長さ方向Ldの間の距離よりも大きい。これにより、長さ方向Ldにおける第1端子電極31と第3端子電極33との間の距離、及び第2端子電極32と第4端子電極34との間の距離をそれぞれ大きく取ることができる。
図9に示すとおり、高さ方向Tdにおける第1鍔部12の一方の端部(第1鍔部12のうちの巻芯部11の底面11a側に突出する端部)の内面12aは、高さ方向Tdにおいて底面11aから離れる方向に向かうにつれて長さ方向Ldにおいて巻芯部11から離れる方向に傾斜している。高さ方向Tdにおける第2鍔部13の一方の端部(第2鍔部13のうちの巻芯部11の底面11a側に突出する端部)の内面13aは、高さ方向Tdにおいて底面11aから離れる方向に向かうにつれて長さ方向Ldにおいて巻芯部11から離れる方向に傾斜している。
また図9に示すように、コイル部品1は、板状部材50を備える。板状部材50は、直方体状である。板状部材50は、高さ方向Tdにおいてコア10に面する第1面51と、第1面51とは反対側に面する第2面52とを有する。板状部材50は、第1鍔部12の天面12cと第2鍔部13の天面13cとを連結するように設けられている。本実施形態では、板状部材50は、第1鍔部12の天面12cの全面を覆うように第1鍔部12に取り付けられ、第2鍔部13の天面13cの全面を覆うように第2鍔部13に取り付けられている。板状部材50は、非導電性材料、具体的には、ニッケル(Ni)-亜鉛(Zn)系フェライト、アルミナのような非磁性体のような磁性体などから構成される。板状部材50は、例えば非導電性材料を圧縮した成形体を焼成して形成される。なお、板状部材50は、非導電性材料を圧縮した成形体を焼成して形成されるものに限られず、例えば、金属粉、フェライト粉などの磁性粉を含有する樹脂、シリカ粉などの非磁性粉を含有する樹脂、又はフィラーを含有しない樹脂を熱硬化させて形成してもよい。
直方体状の板状部材50の第2面52は、コイル部品1を移動させるときの吸着面となる。このため、例えばコイル部品1が回路基板に実装されるときにコイル部品1を吸着搬送装置によって回路基板の上に移動させやすくなる。板状部材50は、コア10と同様に、磁性体で構成されてもよく、板状部材50が磁性体で構成された場合、コア10が板状部材50と協働して閉磁路を構成することができるため、インダクタンス値の取得効率が向上する。
図1及び図3に示すように、板状部材50は、長さ寸法L50が約3.2mm、幅寸法W50が約2.5mm、高さ寸法T50が約0.7mmである。板状部材50における高さ寸法T50は0.7mm~1.3mmが好ましく、0.7mm以上であることにより、インダクタンス値を確保でき、1.3mm以下であることにより、低背化を実現できる。板状部材50における長さ寸法L50及び幅寸法W50は、コア10における長さ寸法L10及び幅寸法W10よりも約0.1mm大きいことが好ましく、板状部材50のコア10への接着時に発生し易い長さ方向Ld及び幅方向Wdのずれに対して、第1鍔部12及び第2鍔部13と重なる接触面積(磁路)が確保され、インダクタンス値の低下が抑制される。
板状部材50は、接着剤AH(図12参照)によりコア10に取り付けられている。接着剤AHとしては、エポキシ樹脂系接着剤が用いられる。接着剤AHには、無機フィラーが添加されることが好ましい。これにより、接着剤AHの線膨張係数が低減するため、熱衝撃耐性が向上する。本実施形態では、無機フィラーとしてシリカフィラーが添加されている。
板状部材50は、化学的に洗浄されることが好ましく、これにより接着剤AHの濡れ性、及び板状部材50とコア10との固着力が向上する。板状部材50の第1面51の平坦度は5μm以下であることが好ましく、これにより、第1鍔部12及び第2鍔部13との接触部分との間に発生する隙間が低減され、インダクタンス値の低下が抑制される。
図3、図4、及び図9に示すように、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の天面11bと第1鍔部12の天面12c及び第2鍔部13の天面13cとの間の距離は、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11aと第1鍔部12の足部14a(14b)及び第2鍔部13の足部18a(18b)との間の距離よりも小さい。このため、巻芯部11の天面11bと板状部材50の第1面51との間の距離を短くできる。したがって、板状部材50の高さ方向Tdの長さ寸法を長くしてもコイル部品1が高さ方向Tdに大きくなることを抑制できる。これら距離の関係を言い換えると、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11aと第1鍔部12の足部14a(14b)及び第2鍔部13の足部18a(18b)との間の距離は、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の天面11bと第1鍔部12の天面12c及び第2鍔部13の天面13cとの間の距離よりも大きい。このため、コイル部品1が回路基板PX(図8参照)に実装される場合、高さ方向Tdにおいて巻回部40aと回路基板PXとの間の距離が大きくなる。
高さ方向Tdにおける板状部材50と第1鍔部12との間の距離D1は、長さ方向Ldにおいて異なる。本実施形態では、距離D1は、第1鍔部12において、長さ方向Ldの中央よりも巻芯部11側の距離が、長さ方向Ldの中央よりも巻芯部11とは反対側の距離よりも大きい。言い換えると、距離D1は、第1鍔部12において、長さ方向Ldの中央よりも巻芯部11とは反対側の距離が、長さ方向Ldの中央よりも巻芯部11側の距離よりも小さい。
具体的には、図12(a)に示すように、距離D1が、第1鍔部12の外面12bから内面12aに向かうにつれて大きくなるように第1鍔部12及び板状部材50が構成されている。言い換えると、距離D1が、第1鍔部12において、巻芯部11(図6等参照)とは反対側に向かうにつれて小さくなる。本実施形態では、第1鍔部12の天面12cが第1鍔部12の外面12bから内面12aに向かうにつれて板状部材50から離れるように傾斜している。一方、板状部材50においてコア10と対向する第1面51は、高さ方向Tdに直交する平面として形成されている。なお、距離D1は、巻芯部11の幅方向Wdの中央において幅方向Wdに垂直な平面で切った断面において、第1鍔部12の天面12cと、高さ方向Tdにおいて天面12cと対向する板状部材50との高さ方向Tdの間の距離で定義される。本実施形態では、距離D1は、第1鍔部12の外面12b側の部分において0μm以上3μm以下であり、第1鍔部12の内面12a側の部分において3μm以上15μm以下である。
板状部材50の第1面51は、第1鍔部12の天面12cにおける長さ方向Ldの第1鍔部12の外面12b側の端部と接触し、その端部よりも長さ方向Ldの第1鍔部12の内面12a側の端部と接触していない。すなわち、板状部材50の第1面51と第1鍔部12の天面12cとの間には隙間GAが形成されている。隙間GAの高さ方向Tdの大きさは、第1鍔部12の外面12bから内面12aに向かうにつれて大きくなる。言い換えると、隙間GAの高さ方向Tdの大きさは、第1鍔部12の内面12aから外面12bに向かうにつれて小さくなる。隙間GAは、板状部材50とコア10とを接着する接着剤AHが入り込んでいる。また、接着剤AHは、第1鍔部12の2つの凹部17a,17b(図6参照)に入り込んでいる。
高さ方向Tdにおける板状部材50と第2鍔部13との間の距離D2は、長さ方向Ldにおいて異なる。本実施形態では、距離D2は、第2鍔部13において、長さ方向Ldの中央よりも巻芯部11側の距離が、長さ方向Ldの中央よりも巻芯部11とは反対側の距離よりも大きい。言い換えると、距離D2は、第2鍔部13において、長さ方向Ldの中央よりも巻芯部11とは反対側の距離が、長さ方向Ldの中央よりも巻芯部11側の距離よりも小さい。
具体的には、図12(b)に示すように、距離D2が、第2鍔部13の外面13bから内面13aに向かうにつれて大きくなるように第2鍔部13及び板状部材50が構成されている。言い換えると、距離D2が、第2鍔部13において、巻芯部11(図6等参照)とは反対側に向かうにつれて小さくなる。本実施形態では、第2鍔部13の天面13cが第2鍔部13の外面13bから内面13aに向かうにつれて板状部材50の第1面51から離れるように傾斜している。なお、距離D2は、巻芯部11の幅方向Wdの中央において幅方向Wdに垂直な平面で切った断面において第2鍔部13の天面13cと、高さ方向Tdにおいて天面13cと対向する板状部材50との高さ方向Tdの間の距離で定義される。本実施形態では、距離D2は、距離D1と同様に、第2鍔部13の外面13b側の部分において0μm以上3μm以下であり、第2鍔部13の内面13a側の部分において3μm以上15μm以下である。
板状部材50の第1面51は、第2鍔部13の天面13cにおける長さ方向Ldの第2鍔部13の外面13b側の端部と接触し、その端部よりも長さ方向Ldの第2鍔部13の内面13a側の部分と接触していない。すなわち、板状部材50と第2鍔部13の天面13cとの間には隙間GBが形成されている。隙間GBの高さ方向Tdの大きさは、第2鍔部13の外面13bから内面13aに向かうにつれて大きくなる。言い換えると、隙間GBの高さ方向Tdの大きさは、第2鍔部13の内面13aから外面13bに向かうにつれて小さくなる。隙間GBには、板状部材50とコア10とを接着する接着剤AHが入り込んでいる。また、接着剤AHは、第2鍔部13の2つの凹部21a,21b(図6参照)にそれぞれ入り込んでいる。
図1~図4に示すように、コイル40は、巻芯部11に巻回された第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42を含む。第1ワイヤ41は、第1端部41a及び第2端部41bを有する。本実施形態では、第1ワイヤ41の第1端部41aは第1ワイヤ41の巻き始め側の端部を構成し、第1ワイヤ41の第2端部41bは第1ワイヤ41の巻き終わり側の端部を構成している。第2ワイヤ42は、第1端部42a及び第2端部42bを有する。本実施形態では、第2ワイヤ42の第1端部42aは第2ワイヤ42の巻き始め側の端部を構成し、第2ワイヤ42の第2端部42bは第2ワイヤ42の巻き終わり側の端部を構成している。
第1ワイヤ41の第1端部41aは第1端子電極31に接続され、第1ワイヤ41の第2端部41bは第3端子電極33に接続されている。第2ワイヤ42の第1端部42aは第2端子電極32に接続され、第2ワイヤ42の第2端部42bは第4端子電極34に接続されている。より詳細には、第1ワイヤ41の第1端部41aは第1端子電極31の第1底面電極31aのうちの突出部15aに対応する部分に接続され、第2ワイヤ42の第1端部42aは第2端子電極32の第2底面電極32aのうちの突出部15bに対応する部分に接続されている。このため、突出部15a,15bは、第1ワイヤ41の第1端部41a及び第2ワイヤ42の第1端部42aが接続される第1接続部を構成している。なお、回路基板PXに実装される足部14a,14bは、回路基板PXに実装する場合に回路基板PXの配線パターン(ランド部RX)に実装される第2接続部を構成している。第1ワイヤ41の第2端部41bは第3端子電極33の第3底面電極33aのうちの突出部19aに対応する部分に接続され、第2ワイヤ42の第2端部42bは第4端子電極34の第4底面電極34aのうちの突出部19bに対応する部分に接続されている。このため、突出部19a,19bは、第1ワイヤ41の第2端部41b及び第2ワイヤ42の第2端部42bが接続される第3接続部を構成している。なお、回路基板PXに実装される足部18a,18bは、回路基板PXに実装する場合に回路基板PXの配線パターン(ランド部RX)に実装される第4接続部を構成している。
第1鍔部12の突出部15aに接続された第1ワイヤ41の第1端部41aと、突出部15bに接続された第2ワイヤ42の第1端部42aとが高さ方向Tdにおいて第1鍔部12の足部14a,14bよりも突出しないように、突出部15a,15bと足部14a,14bとの高さ方向Tdの関係が設定されることが好ましい。また、第2鍔部13の突出部19aに接続された第1ワイヤ41の第1端部42aと、突出部19bに接続された第2ワイヤ42の第2端部42bとが高さ方向Tdにおいて第2鍔部13の足部18a,18bよりも突出しないように、突出部19a,19bと足部18a,18bとの高さ方向Tdの関係が設定されることが好ましい。
第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42は、例えば、熱圧着、ろう付け、溶接などによって、各端子電極31~34と接続される。コイル部品1が回路基板に実装される際、第1端子電極31、第2端子電極32、第3端子電極33、及び第4端子電極34は回路基板に対向する。このとき、巻芯部11は、回路基板PXの主面と平行になる。すなわち、本実施形態のコイル40は、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42の巻回軸が回路基板PXの主面と平行となる横巻構造(横型)のコモンモードチョークコイルである。
第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42はそれぞれ、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、などの良導体の導体線と、導体線を被覆するポリウレタン、ポリアミドイミド、フッ素系樹脂などの絶縁被膜とにより構成されている。導体線の直径は、例えば15~100μm程度が好ましい。絶縁被膜の厚さは、例えば8~20μm程度が好ましい。本実施形態において、導体線の直径は30μm、絶縁被膜の厚さは10μmである。
第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42はそれぞれ、巻芯部11に対して、同じ方向に巻回されている。これにより、コイル部品1は、第1ワイヤ41と第2ワイヤ42とに差動信号などの逆相の信号が第1鍔部12及び第2鍔部13のうちの同じ鍔部から入力されるとき、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42により発生する磁束が打ち消し合い、インダクタとしての働きが弱まり、逆相の信号を通過させる。一方、第1ワイヤ41と第2ワイヤ42とに外来ノイズなどの同相の信号が第1鍔部12及び第2鍔部13のうちの同じ鍔部から入力されるとき、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42により発生する磁束が強め合い、インダクタとしての働きが強まり、同相の信号を遮断する。したがって、コイル部品1は、差動信号などのディファレンシャルモードの信号の通過損失を低下しつつ、外来ノイズなどのコモンモードの信号を減衰させるコモンモードチョークコイルとして機能する。
コイル40は、巻芯部11に巻回された巻回部40aと、巻回部40aの両側の第1引出部40b、第2引出部40c、第3引出部40d、及び第4引出部40eと、を有する。各引出部40b,40c,40d,40eは、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42において、各端子電極31~34に接続される端部の近傍を含む。第1引出部40bは、第1ワイヤ41のうちの第1端子電極31に接続された第1端部41aと、巻回部40aとを繋いでいる。第2引出部40cは、第1ワイヤ41のうちの第3端子電極33に接続された第2端部41bと、巻回部40aとを繋いでいる。第3引出部40dは、第2ワイヤ42のうちの第2端子電極32に接続された第1端部42aと、巻回部40aとを繋いでいる。第4引出部40eは、第2ワイヤ42のうちの第4端子電極34に接続された第2端部42bと、巻回部40aとを繋いでいる。
図9に示すように、巻回部40aにおいて巻芯部11の底面11a側の部分の長さ方向Ldの長さLAは、巻回部40aにおいて巻芯部11の天面11b側の部分の長さ方向Ldの長さLBよりも短い。また上述のとおり、第1曲面部22と第2曲面部23との長さ方向Ldの間の距離LX1は、第3曲面部24と第4曲面部25との長さ方向Ldの間の距離LX2よりも大きい。このため、巻回部40aにおいて巻芯部11の底面11a側の部分と第1鍔部12の内面12aとの長さ方向Ldの間の距離LD1は、巻回部40aにおいて巻芯部11の天面11b側の部分と第1鍔部12の内面12aとの長さ方向Ldの間の距離LD3よりも大きくなる。また、巻回部40aにおいて巻芯部11の底面11a側の部分と第2鍔部13の内面13aとの長さ方向Ldの間の距離LD2は、巻回部40aにおいて巻芯部11の天面11b側の部分と第2鍔部13の内面13aとの長さ方向Ldの間の距離LD4よりも大きくなる。本実施形態では、距離LD2は、距離LD1よりも大きい。また、距離LD1,LD2は、距離LD3,LD4よりも大きい。即ち、距離LD1は距離LD3及び距離LD4の少なくとも一方よりも大きく、距離LD2は距離LD3及び距離LD4の少なくとも一方よりも大きい。
本実施形態では、距離LD2は、距離LD1よりも大きい。すなわち、長さ方向Ldにおいて、第1引出部40b及び第3引出部40dを引き回すためのスペースは、第2引出部40c及び第4引出部40eを引き回すためのスペースよりも小さい。この構成によれば、巻芯部11に第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42を巻き終わった後に第3端子電極33及び第4端子電極34に接続するときに第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が第2鍔部13の内面13aに干渉することを抑制できる。したがって、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42を第3端子電極33及び第4端子電極34に円滑に接続できる。
なお、距離LD1と距離LD2との関係は任意に変更可能である。一例では、距離LD1は、距離LD2よりも大きくてもよい。すなわち、第2引出部40c及び第4引出部40eを引き回すためのスペースは、第1引出部40b及び第3引出部40dを引き回すためのスペースよりも小さくてもよい。この構成によれば、第1端子電極31に接続された第1ワイヤ41、及び第2端子電極32に接続された第2ワイヤ42が巻芯部11に巻回されるまでの間で第2引出部40c及び第4引出部40eを過度に屈曲させることを抑制できる。したがって、第2引出部40c及び第4引出部40eの応力の集中を緩和でき、第2引出部40c及び第4引出部40eの断線のおそれを低減できる。
図2に示すように、巻回部40aは、第1巻回部43、第1交差部(交差部分)44、及び第2交差部(交差部分)45(図4参照)を有する。第1巻回部43は、巻芯部11に第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42を並べて所定のターン数にわたり同一方向に巻回されている。第1巻回部43は、長さ方向LdにおいてN個(Nは2以上の偶数)並べられている。第1交差部44は、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が巻芯部11の天面11bにおいて交差した構成である。第1交差部44は、長さ方向Ldにおいて隣り合う第1巻回部43の間に形成されている。すなわち、巻回部40aは、長さ方向Ldにおいて第1巻回部43と第1交差部44とが交互に形成されるように構成されている。本実施形態では、第1交差部44の個数は、第1巻回部43の個数よりも1つ少ない。第2交差部45は、巻回部40aのうちの第2鍔部13に最も近い箇所に形成されている。第2交差部45は、巻芯部11の第1側面11cで第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差した構成である。具体的には、第2交差部45では、巻芯部11の底面11aから天面11bへ第1側面11cを通過する過程で、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が第1側面11cから幅方向Wdに離間した状態で第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差する。第2交差部45の個数は、1つである。すなわち第1巻回部43の個数は、第1交差部44と第2交差部45との合計の個数と等しい。
図1に示すように、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11a側に引き出された第1引出部40bは、巻芯部11の第2側面11dから幅方向Wdにおいて第1鍔部12の第1側面12e側に向けて巻芯部11から離れた状態で第1鍔部12の突出部15aに向けて延びている。そして、第1引出部40bは、突出部15aに載るように第1ワイヤ41が屈曲して長さ方向Ldに平行となるように延びている。第1ワイヤ41のうちの突出部15aに載せられ、長さ方向Ldに平行となるように延びる部分は、第1ワイヤ41の第1端部41aを構成している。第1ワイヤ41の第1端部41aは、第1端子電極31の第1底面電極31aのうちの突出部15aに対応する部分において足部14aと幅方向Wdに間をあけた部分に接続されている。本実施形態では、第1ワイヤ41の第1端部41aは、幅方向Wdにおいて巻芯部11の第2側面11dよりも第1鍔部12の第1側面12e側に配置されている。
高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11a側に引き出された第3引出部40dは、巻芯部11の第2側面11d側から第1側面11c側に向かうにつれて巻芯部11から第1鍔部12に向かって斜めに延び、第1鍔部12のスロープ部16に載せられている。第2ワイヤ42の第1端部42aは、長さ方向Ldと平行となるように延び、第2端子電極32の第2底面電極32aのうちの突出部15bに対応する部分において足部14bと幅方向Wdに間をあけた部分に接続されている。第3引出部40dにおける第2ワイヤ42の第1端部42a側の端部には第1屈曲部42cが形成されている。第1屈曲部42cは、長さ方向Ldにおいて第1鍔部12の内面12a側に向けて凸状となるように形成されている。本実施形態では、第3引出部40dにおける第1屈曲部42cに対して第2ワイヤ42の第1端部42aとは反対側の部分には、第1屈曲部42cから長さ方向Ldにおいて第1屈曲部42cとは反対側に屈曲する第2屈曲部42dが形成される。これにより、第3引出部40dにおいてスロープ部16に載せられた部分のうちの第2屈曲部42d側の端部が第1鍔部12の内面12aよりも外面12b側に位置するようになる。
また本実施形態では、第2ワイヤ42の第1端部42aは、幅方向Wdにおいて巻芯部11の第1側面11cよりも第1鍔部12の第2側面12f側に配置されている。第2ワイヤ42の第1端部42aは、長さ方向Ldの第1鍔部12側からみて、幅方向Wdにおいて第2ワイヤ42の第2端部42bよりも第1鍔部12の第2側面12f側(第2鍔部13の第2側面13f側)に配置されている。
図2に示すように、巻回部40aにおける第2鍔部13側の端部に形成される第1巻回部43は、長さ方向Ldにおいて第1鍔部12から第2鍔部13に向けて第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42の順に配列されている。そして図4に示すように、巻回部40aにおける第2鍔部13側の端部に形成される第2交差部45として巻芯部11の第1側面11cにおいて第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差することにより、長さ方向Ldにおいて第1鍔部12から第2鍔部13に向けて第2ワイヤ42及び第1ワイヤ41の順に、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11a側に引き出されている。このように、巻回部40aにおける第2鍔部13側の端部では、第2交差部45が第1巻回部43の一部として形成されている。
一方、図3に示すように、第1引出部40bは、巻芯部11の第2側面11dにおいて第2ワイヤ42と交差しないように構成されている。具体的には、図2に示すように、巻回部40aにおける第1鍔部12側の端部は、長さ方向Ldにおいて第2鍔部13から第1鍔部12に向けて第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42の順に配列されている。このように、巻回部40aにおける第1鍔部12側の端部では、第1巻回部43のみが形成されている。
図1に示すように、高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11a側に引き出された第4引出部40eは、巻芯部11の第1側面11cから幅方向Wdにおいて第2鍔部13の第2側面13fに向けて巻芯部11から離れた状態で第2鍔部13の突出部19bに向けて延びている。そして、突出部19bに載るように第2ワイヤ42が屈曲して長さ方向Ldに平行となるように延びている。突出部19bに載せられ、長さ方向Ldに平行となるように延びる部分は、第2ワイヤ42の第2端部42bを構成している。第2ワイヤ42の第2端部42bは、第4端子電極34に接続されている。本実施形態では、第2ワイヤ42の第2端部42bは、幅方向Wdにおいて巻芯部11の第1側面11cよりも第2鍔部13の第2側面13f側に配置されている。
高さ方向Tdにおいて巻芯部11の底面11a側に引き出された第2引出部40cは、巻芯部11の第1側面11c側から第2側面11d側に向かうにつれて巻芯部11から第2鍔部13に向かって斜めに延び、第2鍔部13のスロープ部20に載せられている。第1ワイヤ41の第2端部41bは、第3端子電極33に接続されている。このように、第2引出部40cから第1ワイヤ41の第2端部41bまでにわたり屈曲された箇所がないため、第2引出部40c及び第2端部41bに応力が集中しなくなる。したがって、巻回部40aと第2鍔部13の内面13aとの長さ方向Ldの間の距離を短くでき、巻回部40aのターン数を増加させることができる。
(コイル部品の製造方法)
図13~図17を参照して、コイル部品1の製造方法について説明する。
図13に示すように、コイル部品1の製造方法は、コア準備工程(ステップS10)、電極形成工程(ステップS20)、第1接続工程(ステップS30)、コイル形成工程(ステップS40)、第2接続工程(ステップS50)、ワイヤ切断工程(ステップS60)、及び板状部材取付工程(ステップS70)を有する。
コア準備工程では、第1~第4端子電極31~34が形成されていないコアが用意される。このコアは、非導電性材料を金型によって圧縮した成形体を焼成して形成される。本実施形態では、金型によってコアを形成するときに第1曲面部22、第2曲面部23、第3曲面部24、及び第4曲面部25と、凹部17a,17b及び凹部21a,21bとがそれぞれ形成される。すなわち、第1曲面部22、第2曲面部23、第3曲面部24、及び第4曲面部25の形状は、金型の形状によって調整される。また凹部17a,17b及び凹部21a,21bの形状は、金型の形状によって決められる。
電極形成工程は、端面電極形成工程(ステップS21)及び底面電極形成工程(ステップS22)を含む。本実施形態では、端面電極形成工程の後に底面電極形成工程が実施される。
端面電極形成工程では、図14(a)に示すように、まず、塗布装置100の基準面101にコア10の第2鍔部13の外面13bが当接した状態となるようにコア10が載置される。この場合、塗布装置100のディスペンサ102とコア10の第1鍔部12の外面12bとが対向するようになる。そしてディスペンサ102によってコア10の第1鍔部12の外面12bに、第1端子電極31の第1端面電極31b及び第2端子電極32の第2端面電極32bの下地電極を構成する液体としてのペースト(本実施形態では、銀(Ag)ペースト)が塗布される。本実施形態では、図14(b)に示すように、塗布装置100は、第1端子電極31の第1端面電極31b及び第2端子電極32の第2端面電極32bのそれぞれが形成される領域に、高さ方向Tdにおいて3列かつ幅方向Wdにおいて2列の被塗布部35が形成されるように塗布する。被塗布部35は、第1鍔部12の外面12bに対して被塗布部35の高さ方向Td及び幅方向Wdの中央の厚さが最も厚くなる球面状に形成されている。本実施形態では、高さ方向Tdにおいて隣り合う被塗布部35の一部、及び幅方向Wdにおいて隣り合う被塗布部35の一部が重なり合っている。このように、複数(本実施形態では6個)の被塗布部35が一体となって各端面電極31b,32bの下地電極が形成される。このため、各端面電極31b,32bの下地電極は、凹凸状に形成されることになる。なお、被塗布部35の個数は任意に変更可能である。塗布装置100が第1鍔部12の外面12bに1回塗布することによって形成される被塗布部35のサイズと各端面電極31b,32bのサイズとに応じて被塗布部35の個数を適宜変更すればよい。
また、第3端子電極33の第3端面電極33bの下地電極及び第4端子電極34の第4端面電極34bの下地電極についても第1端子電極31の第1端面電極31bの下地電極及び第2端子電極32の第2端面電極32bの下地電極と同様に、塗布装置100によって形成される。
底面電極形成工程では、図15(a)(b)に示すように、ディップコーティング装置110によってコア10の第1鍔部12の足部14a,14b及び底面12dと、第2鍔部13の足部18a,18b及び底面13dとに各端子電極31~34の各底面電極31a~34aの下地電極を形成する。本実施形態では、図15(a)に示すように、保持装置111は、コア10の第1鍔部12の底面12d及び第2鍔部13の底面13dがコーティング槽112と対向するようにコア10を保持する。コーティング槽112には、銀(Ag)ガラスペーストが収容されている。図15(b)に示すように、保持装置111は、コア10の第1鍔部12の足部14a,14b及び突出部15a,15bと第2鍔部13の足部18a,18b及び突出部19a,19bとがAgガラスペーストに浸かるようにコーティング槽112内にコア10を挿入する。その後、Agガラスペーストを焼成することによって、各端子電極31~34の各底面電極31a~34aの下地電極が形成される。ここで、端面電極形成工程において各端子電極31~34の各端面電極31b~34bの下地電極が予め形成されているため、第1底面電極31aの下地電極の一部が第1端面電極31bの下地電極に重なるように形成され、第2底面電極32aの下地電極の一部が第2端面電極32bの下地電極に重なるように形成され、第3底面電極33aの下地電極の一部が第3端面電極33bの下地電極に重なるように形成され、第4底面電極34aの下地電極の一部が第4端面電極34bの下地電極に重なるように形成される。
第1底面電極31aの下地電極と第1端面電極31bの下地電極との重なり合いの構造は、図8に示すとおりである。詳述すると、底面電極形成工程では、第1底面電極31aは、図7(a)に示す第2領域RA2と、第1領域RA1のうちの第1端面電極31bと重なる部分とが形成される。第2底面電極32aは、第2領域RB2と、第1領域RB1のうちの第2端面電極32bと重なる部分とが形成される。第3底面電極33aは、第2領域RC2と、第1領域RC1のうちの第3端面電極33bと重なる部分とが形成される。第4底面電極34aは、第2領域RD2と、第1領域RD1のうちの第4端面電極34bと重なる部分とが形成される。第1領域RA1のうちの第1端面電極31bと重なる部分、第1領域RB1のうちの第2端面電極32bと重なる部分、第1領域RC1のうちの第3端面電極33bと重なる部分、及び第1領域RD1のうちの第4端面電極34bと重なる部分の高さ寸法はそれぞれ、コーティング槽112にコア10を挿入する深さに応じて設定される。
なお、第2底面電極32aの下地電極と第2端面電極32bの下地電極との重なり合いの構造、第3底面電極33aの下地電極と第3端面電極33bの下地電極との重なり合いの構造、及び第4底面電極34aの下地電極と第4端面電極34bの下地電極との重なり合いの構造はそれぞれ、第1底面電極31aの下地電極と第1端面電極31bの下地電極との重なり合いの構造と同様である。
各端子電極31~34の各底面電極31a~34a及び各端面電極31b~34bの下地電極を形成した後、例えば電解バレルめっきによって、各底面電極31a~34a及び各端面電極31b~34bの下地電極にめっき層を積層するように形成する。めっき層は、ニッケル(Ni)層及び錫(Sn)層の順に形成される。
第1接続工程では、第1ワイヤ41を第1端子電極31の第1底面電極31aに接続し、第2ワイヤ42を第2端子電極32の第2底面電極32aに接続する工程である。具体的には、まず、コア10が巻線機120にセットされる。そして図16に示すように、巻線機120の第1ノズル121が第1ワイヤ41を供給し、第1鍔部12の突出部15aに形成された第1端子電極31の第1底面電極31aに第1ワイヤ41が載せられる。そして図示しない圧着装置によって第1ワイヤ41は第1端子電極31の第1底面電極31aに圧着される。また、第2ノズル122が第2ワイヤ42を供給し、突出部15bに形成された第2端子電極32の第2底面電極32aに載せられる。そして圧着装置によって第2ワイヤ42は第2端子電極32の第2底面電極32aに圧着される。
そしてコイル形成工程に移行するとき、第2ノズル122は、コア10の巻芯部11の第2側面11d側に移動する。このとき、第2端子電極32に接続された第2ワイヤ42は、巻線機120に設けられた第1引掛け部材123によって第2ワイヤ42が屈曲して第1屈曲部42cが形成される。そして巻線機120に設けられた第2引掛け部材124によって第2ワイヤ42が屈曲して第2屈曲部42dが形成される。そして第2屈曲部42dから巻芯部11の第2側面11d側に延びる第2ワイヤ42は、コア10のスロープ部16に載せられる。
コイル形成工程では、第1ノズル121及び第2ノズル122がそれぞれ巻芯部11の周囲を公転することにより、巻芯部11に第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が巻き付けられる。このとき、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42の所定の巻回数(ターン数)ごとに第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が1回交差するように第1ノズル121及び第2ノズル122が動作する。
またコイル形成工程では、第1ノズル121及び第2ノズル122は、巻芯部11の第1側面11cにおいて第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42を巻芯部11に巻き付け終わる。このとき、第1ノズル121及び第2ノズル122は、巻芯部11の第1側面11cにおいて第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差するように動作する。
第2接続工程では、第1ワイヤ41を第3端子電極33に接続し、第2ワイヤ42を第4端子電極34に接続する工程である。具体的には、図17に示すように、巻線機120の第1ノズル121が第1ワイヤ41を第2鍔部13の突出部19aに形成された第3端子電極33の第3底面電極33aに載せるように動作する。このとき、第1ノズル121は、第1ワイヤ41を巻芯部11の第1側面11cから第2鍔部13のスロープ部20に載せるように移動する。また巻線機120の第2ノズル122が第2ワイヤ42を第2鍔部13の突出部19bに形成された第4端子電極34の第4底面電極34aに載せるように動作する。そして圧着装置によって第1ワイヤ41は第3端子電極33の第3底面電極33aに圧着され、第2ワイヤ42は第4端子電極34の第4底面電極34aに圧着される。
ワイヤ切断工程では、第1ワイヤ41において第1端子電極31の第1底面電極31aに接続された部分から第1鍔部12よりも巻芯部11側とは反対側に引き出された第1ワイヤ41が図示しない切断装置によって切断される。これにより、第1ワイヤ41において第1端子電極31に接続された部分が第1ワイヤ41の第1端部41aを構成する。また、第1ノズル121によって第1ワイヤ41において第3端子電極33の第3底面電極33aに接続された部分から第2鍔部13の第1側面13eの外部に引き出された第1ワイヤ41が切断装置によって切断される。これにより、第1ワイヤ41において第3端子電極33の第3底面電極33aに接続された部分が第1ワイヤ41の第2端部41bを構成する。
またワイヤ切断工程では、第2ワイヤ42において第2端子電極32の第2底面電極32aに接続された部分から第1鍔部12よりも巻芯部11側とは反対側に引き出された第2ワイヤ42が切断装置によって切断される。これにより、第2ワイヤ42において第2端子電極32の第2底面電極32aに接続された部分が第2ワイヤ42の第1端部42aを構成する。また、第2ノズル122によって第2ワイヤ42において第4端子電極34の第4底面電極34aに接続された部分から第2鍔部13よりも巻芯部11側とは反対側に引き出された第2ワイヤ42が切断装置によって切断される。これにより、第2ワイヤ42において第4端子電極34の第4底面電極34aに接続された部分が第2ワイヤ42の第2端部42bを構成する。
板状部材取付工程では、接着剤によってコア10に板状部材50を取り付ける工程である。本実施形態では、コア10の第1鍔部12の天面12c及び第2鍔部13の天面13cのそれぞれに接着剤AHが塗布される。接着剤AHは、シリカフィラーが添加されたエポキシ樹脂系接着剤が用いられる。この接着剤AHの塗布方法は既知の方法を採用できる。このとき、接着剤AHは、第1鍔部12の天面12cの全面に塗布される。次に、板状部材50の第1面51をコア10の第1鍔部12の天面12c及び第2鍔部13の天面13cに向けた状態で板状部材50をコア10に向けて押圧する。このとき、第1鍔部12において、板状部材50の第1面51と第1鍔部12の天面12cとの間の余剰な接着剤AHが、第1鍔部12の凹部17a,17bに入り込むことによって、第1鍔部12の外面12b側の端部と板状部材50の第1面51とが接触する。また、余剰な接着剤AHが凹部17a,17bに入り込むことによって、図12(a)に示す隙間GAから接着剤AHがはみ出し難くなる。同様に、第2鍔部13において、板状部材50の第1面51と第2鍔部13の天面13cとの間の余剰の接着剤AHが、第2鍔部13の凹部21a,21bに入り込むことによって、第2鍔部13の外面13b側の端部と板状部材50の第1面51とが接触する。また、余剰な接着剤AHが凹部21a,21bに入り込むことによって、図12(b)に示す隙間GBから接着剤AHがはみ出し難くなる。以上の工程によって、コイル部品1が製造される。
本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)コア10の巻芯部11の底面11aと第1鍔部12の内面12aとの接続部分には第1曲面部22が形成されている。高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第1端子電極31との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第1曲面部22の割合は、20%以上、60%以下である。この構成によれば、高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第1端子電極31との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第1曲面部22の割合を20%以上とすることによって、第1曲面部22を大きく取ることができ、巻芯部11と第1鍔部12との間の曲げ強度を向上できる。したがって、コア10のたわみ強度を向上できる。また、高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第1端子電極31との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第1曲面部22の大きさの割合を60%以下とすることにより、長さ方向Ldにおいて第1鍔部12の厚さが過度に小さくなることを抑制できる。したがって、長さ方向Ldにおいて、第1端子電極31の第1底面電極31a及び第2端子電極32の第2底面電極32aの大きさが過度に小さくなることが抑制され、コイル部品1を回路基板PXに好適に実装できる。
また、巻芯部11の底面11aと第2鍔部13の内面13aとの接続部分には第2曲面部23が形成されている。高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第3端子電極33との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第2曲面部23の割合は、20%以上、60%以下である。この構成によれば、高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第3端子電極33との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第2曲面部23の割合を20%以上とすることによって、第2曲面部23を大きく取ることができ、巻芯部11と第2鍔部13との間の曲げ強度をより向上できる。したがって、コア10のたわみ強度を向上できる。また、高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第3端子電極33との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第2曲面部23の大きさの割合を60%以下とすることにより、長さ方向Ldにおいて第2鍔部13の厚さが過度に小さくなることをより抑制できる。したがって、長さ方向Ldにおいて、第3端子電極33の第3底面電極33a及び第4端子電極34の第4底面電極34aの大きさが過度に小さくなることが抑制され、コイル部品1を回路基板PXにより好適に実装できる。
(2)第1曲面部22は、幅方向Wdに垂直な断面において真円形状の曲線となるように構成されている。この構成によれば、第1曲面部22が幅方向Wdに垂直な断面において楕円形状の曲線などの曲率が変化するように構成される場合と比較して、第1曲面部22を容易に形成できる。
また、第2曲面部23は、幅方向Wdに垂直な断面において真円形状の曲線となるように構成されている。この構成によれば、第2曲面部23が幅方向Wdに垂直な断面において楕円形状の曲線などの曲率が変化するように構成される場合と比較して、第2曲面部23をより容易に形成できる。
(3)コア10の巻芯部11の天面11bと第1鍔部12の内面12aとの接続部分には第3曲面部24が形成されている。高さ方向Tdにおける第1曲面部22の大きさは、高さ方向Tdにおける第3曲面部24の大きさよりも大きい。この構成によれば、コイル部品1において回路基板PXに近い側のコア10の曲げ強度が高くなることによって、コイル部品1と回路基板PXとの接続の信頼性を向上できる。
また、巻芯部11の天面11bと第2鍔部13の内面13aとの接続部分には第4曲面部25が形成されている。高さ方向Tdにおける第2曲面部23の大きさは、高さ方向Tdにおける第4曲面部25の大きさよりも大きい。この構成によれば、コイル部品1において回路基板PXに近い側のコア10の曲げ強度が高くなることによって、コイル部品1と回路基板PXとの接続の信頼性をより向上できる。
(4)幅方向Wdに垂直な断面において、長さ方向Ldにおける第1曲面部22の大きさは、長さ方向Ldにおける第3曲面部24の大きさよりも大きい。この構成によれば、巻回部40aにおいて高さ方向Tdにおける回路基板PX側の部分(底面11aに対応する巻回部40a)における長さ方向Ldの第1鍔部12側の端部と、第1鍔部12の第1端子電極31及び第2端子電極32との間の距離を大きく取ることができる。したがって、第1端子電極31及び第2端子電極32が発熱する場合にその熱が巻回部40aに影響を与え難くなるため、コイル部品1の品質が向上する。
また、幅方向Wdに垂直な断面において、長さ方向Ldにおける第2曲面部23の大きさは、長さ方向Ldにおける第4曲面部25の大きさよりも大きい。この構成によれば、巻回部40aにおいて高さ方向Tdにおける回路基板PX側の部分における長さ方向Ldの第2鍔部13側の端部と、第2鍔部13の第3端子電極33及び第4端子電極34との間の距離を大きく取ることができる。したがって、第3端子電極33及び第4端子電極34が発熱する場合にその熱が巻回部40aに影響を与え難くなるため、コイル部品1の品質が向上する。
(5)巻芯部11を長さ方向Ldに沿った平面で切った断面において、長さ方向Ldにおける第1曲面部22と第2曲面部23との間の距離LX1は、長さ方向Ldにおける第3曲面部24と第4曲面部25との間の距離LX2よりも大きい。この構成によれば、高さ方向Tdからみて、長さ方向Ldにおける巻芯部11の底面11aにおける巻回部40aと第1鍔部12の内面12aとの間の距離が、長さ方向Ldにおける巻芯部11の天面11bにおける巻回部40aと第1鍔部12の内面12aとの間の距離よりも大きくなる。これにより、第1端子電極31、第2端子電極32と巻回部40aとの間の距離を大きく取ることができ、第1端子電極31、第2端子電極32が発熱する場合にその熱が巻回部40aに影響を与え難くなる。したがって、コイル部品1の品質が向上する。
また高さ方向Tdからみて、長さ方向Ldにおける巻芯部11の底面11aにおける巻回部40aと第2鍔部13の内面13aとの間の距離が、長さ方向Ldにおける巻芯部11の天面11bにおける巻回部40aと第2鍔部13の内面13aとの間の距離よりも大きくなる。これにより、第3各端子電極31~34と巻回部40aとの間の距離を大きく取ることができ、各端子電極31~34が発熱する場合にその熱が巻回部40aに影響を与え難くなる。したがって、コイル部品1の品質が向上する。
(6)コイル部品1は、高さ方向Tdにおいて第1鍔部12の天面12c及び第2鍔部13の天面13cとのそれぞれに対向して配置される板状部材50を備える。高さ方向Tdにおける板状部材50の第1面51と第1鍔部12の天面12cとの間の距離は、長さ方向Ldにおいて異なる。この構成によれば、板状部材50が磁性体の場合、板状部材50の第1面51と第1鍔部12の天面12cの高さ方向Tdの間の距離が小さい箇所が板状部材50と第1鍔部12との間において部分的に形成されるため、コア10と板状部材50との間の磁路が限定される。したがって、コイル部品1ごとに磁路長のばらつきが小さくなるため、コイル部品1ごとのインダクタンス値のばらつきを抑制できる。
第2鍔部13において、高さ方向Tdにおける板状部材の第1面51と第2鍔部13の天面13cとの間の距離は、長さ方向Ldにおいて異なる。したがって、第2鍔部13において、第1鍔部12と同様に、コア10と板状部材50との間の磁路が限定され、コイル部品1ごとに磁路長のばらつきが小さくなるため、コイル部品1ごとのインダクタンス値のばらつきをより抑制できる。
加えて、板状部材50と第1鍔部12及び第2鍔部13とが接着剤AHによって固定される場合、板状部材50の第1面51と第1鍔部12の天面12cの高さ方向Tdの間の距離が小さい箇所の接着剤AHが板状部材50の第1面51と第1鍔部12の天面12cの高さ方向Tdの間の距離が大きい箇所に移動する。このため、コア10及び板状部材50の外部に接着剤AHがはみ出ることが抑制される。
また、第2鍔部13において、板状部材50の第1面51と第2鍔部13の天面13cの高さ方向Tdの間の距離が小さい箇所の接着剤AHが板状部材50の第1面51と第2鍔部13の天面13cの高さ方向Tdの間の距離が大きい箇所に移動するため、コア10及び板状部材50の外部に接着剤AHがはみ出ることがより抑制される。
(7)板状部材50の第1面51と第1鍔部12の天面12cの高さ方向Tdの間の距離が大きい箇所は、第1鍔部12の内面12a側に設けられている。この構成によれば、板状部材50の第1面51と第1鍔部12の天面12cとの間の接着剤AHは、第1鍔部12の内面12a側に移動し、外面12b側に移動し難くなる。したがって、コア10及び板状部材50の外部に接着剤AHがはみ出し難くなる。
第2鍔部13において、板状部材50の第1面51と第2鍔部13の天面13cの高さ方向Tdの間の距離が大きい箇所は、第2鍔部13の内面13a側に設けられている。したがって、板状部材50の第1面51と第2鍔部13の天面13cとの間の接着剤AHは、第2鍔部13の内面13a側に移動し、外面13b側に移動し難くなるため、コア10及び板状部材50の外部に接着剤AHがよりはみ出し難くなる。
(8)板状部材50の第1面51と第1鍔部12の天面12cの高さ方向Tdの間の距離D1は、第1鍔部12の内面12a側から外面12b側に向かうにつれて小さくなる。この構成によれば、コア10と板状部材50との間の磁路が第1鍔部12の内面12aに限定される。したがって、コイル部品1ごとに磁路長のばらつきが小さくなるため、コイル部品1ごとのインダクタンス値のばらつきを抑制できる。
加えて、板状部材50と第1鍔部12とが接着剤AHによって固定される場合、板状部材50の第1面51と第1鍔部12の天面12cのうちの長さ方向Ldの外面12b側の部分の接着剤AHが長さ方向Ldの内面12a側に移動する。このため、コア10及び板状部材50の外部に接着剤AHがはみ出ることが抑制される。
第2鍔部13において、第1鍔部12と同様に、板状部材50の第1面51と第2鍔部13の天面13cの高さ方向Tdの間の距離D2は、第2鍔部13の内面13a側から外面13b側に向かうにつれて小さくなる。したがって、したがって、コイル部品1ごとに磁路長のばらつきが小さくなるため、コイル部品1ごとのインダクタンス値のばらつきを抑制できる。また、板状部材50と第2鍔部13とを固定する接着剤AHは、板状部材50の第1面51と第2鍔部13の天面13cのうちの長さ方向Ldの外面13b側の部分の接着剤AHが長さ方向Ldの内面13a側に移動するため、コア10及び板状部材50の外部に接着剤AHがはみ出ることがより抑制される。
(9)板状部材50の第1面51と対向する第1鍔部12の天面12cにおける巻芯部11よりも幅方向Wdの外側の部分には、凹部17a,17bが設けられている。この構成によれば、板状部材50と第1鍔部12及び第2鍔部13とを接着剤AHで固定する場合、凹部17a,17bにそれぞれ接着剤AHが入り込むため、コア10及び板状部材50の外部に接着剤AHがはみ出ることが一層抑制される。
加えて、凹部17a,17bが巻芯部11よりも幅方向Wdの外側に形成されるため、巻芯部11の幅の範囲において凹部17a,17bによって、板状部材50が第1鍔部12と距離を離すことなく、コア10と板状部材50との間の磁路に影響を与えることを抑制できる。したがって、コイル部品1のインダクタンス値の低下を抑制できる。
また、第2鍔部13の天面13cは、第1鍔部12と同様に、凹部21a,21bが設けられている。したがって、コア10及び板状部材50の外部に接着剤AHがはみ出ることがより一層抑制される。また、コア10と板状部材50との間の磁路に影響を与えることをより抑制できる。したがって、コイル部品1のインダクタンス値の低下をより抑制できる。
(10)第1端子電極31の第1端面電極31bの外縁は、凸状の曲線となるように形成されている。この構成によれば、第1端子電極31の第1端面電極31bの外縁において応力が集中し難くなるため、コア10から第1端子電極31の第1端面電極31bが剥がれ難くなる。したがって、コイル部品1の信頼性を向上できる。
また、第2端子電極32の第2端面電極32b、第3端子電極33の第3端面電極33b、及び第4端子電極34の第4端面電極34bのそれぞれにおける端子電極の外縁は、凸状の曲線となるように形成されている。この構成によれば、各端子電極32~34の各端面電極32b~34bにおける端子電極の外縁において応力が集中し難くなるため、コア10から各端子電極32~34の各端面電極32b~34bが剥がれ難くなる。したがって、コイル部品1の信頼性をより向上できる。
(11)第1端子電極31の第1底面電極31aの外縁は、凸状の曲線となるように形成されている。この構成によれば、第1端子電極31の第1底面電極31aにおける端子電極の外縁において応力が集中し難くなるため、コア10から第1端子電極31の第1底面電極31aが剥がれ難くなる。したがって、コイル部品1の信頼性を向上できる。
また、第2端子電極32の第2底面電極32a、第3端子電極33の第3底面電極33a、及び第4端子電極34の第4底面電極34aのそれぞれにおける端子電極の外縁は、凸状の曲線となるように形成されている。この構成によれば、各端子電極32~34の各底面電極32a~34aにおける端子電極の外縁において応力が集中し難くなるため、コア10から各端子電極32~34の各底面電極32a~34aが剥がれ難くなる。したがって、コイル部品1の信頼性をより向上できる。
(12)第1端子電極31の第1端面電極31bは、幅方向Wdもしくは高さ方向Tdからみて、凹凸状に形成されている。この構成によれば、半田SD等の導電性接続部材によってコイル部品1が回路基板PXに実装される場合、第1端子電極31の第1端面電極31bの凹凸部分に上記導電性接続部材が入り込む。これにより、コイル部品1と回路基板PXとの接続強度が向上する。
また、第2端子電極32の第2端面電極32b、第3端子電極33の第3端面電極33b、及び第4端子電極34の第4端面電極34bのそれぞれは、幅方向Wdもしくは高さ方向Tdからみて、凹凸状に形成されている。この構成によれば、半田SD等の導電性接続部材によってコイル部品1が回路基板PXに実装される場合、各端子電極32~34の各端面電極32b~34bの凹凸部分に上記導電性接続部材が入り込む。これにより、コイル部品1と回路基板PXとの接続強度がより向上する。
(13)第1鍔部12は、第1ワイヤ41の第1端部41a及び第2ワイヤ42の第1端部42aが接続される突出部15a,15bと、回路基板PXに実装される場合に回路基板PXの配線パターン(ランド部RX)に実装される足部14a,14bとを有する。第2鍔部13は、第1ワイヤ41の第2端部41b及び第2ワイヤ42の第2端部42bが接続される突出部19a,19bと、回路基板PXに実装される場合に回路基板PXの配線パターン(ランド部RX)に実装される足部18a,18bとを有する。足部14a,14b,18a,18bは、突出部15a,15b,19a,19bよりも回路基板PXに向かって突出するように設けられている。第1端子電極31の第1底面電極31aは足部14a及び突出部15aに対応する部分に設けられ、第2端子電極32の第2底面電極32aは足部14b及び突出部15bに対応する部分に設けられている。第3端子電極33の第3底面電極33aは足部18a及び突出部19aに対応する部分に設けられ、第4端子電極34の第4底面電極34aは足部18b及び突出部19bに対応する部分に設けられている。この構成によれば、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42と各端子電極31~34とが電気的に接続されるとともに、足部14a,14b,18a,18bによって第1ワイヤ41の端部41a,41b及び第2ワイヤ42の端部42a,42bの影響を回避して回路基板PXに実装できる。したがって、第1ワイヤ41の端部41a,41b及び第2ワイヤ42の端部42a,42bが回路基板PXに接触することによってコイル部品1が回路基板PXに対して傾くことが回避されるため、コイル部品1と回路基板PXとを好適に接続できる。
(14)コイル部品1の製造方法において、端面電極形成工程では、塗布装置100(ディスペンサ)によって各端子電極31~34の各端面電極31b~34bを形成する。この構成によれば、幅方向Wd及び高さ方向Tdに複数列の被塗布部35を形成することによって、各端子電極31~34の各端面電極31b~34bの凹凸状を容易に形成できる。
(15)底面電極形成工程では、第1鍔部12の外面12b及び第2鍔部13の外面13bを塗布装置100の基準面101に載置した状態で行うため、各端子電極31~34の各底面電極31a~34aが先に形成されると仮定した場合、各底面電極31a~34aの一部が第1鍔部12の外面12b及び第2鍔部13の外面13bまで形成されると、各底面電極31a~34aによって塗布装置100の基準面101に対してコア10が傾いてしまう場合がある。このため、コア10が塗布装置100の基準面101に対する傾きを考慮しながら、各端子電極31~34の各端面電極31b~34bを形成する必要がある。
この点を鑑みて、コイル部品1の製造方法では、電極形成工程において底面電極形成工程よりも前に端面電極形成工程が実施される。これにより、塗布装置100の基準面101にコア10を設置する場合に各端子電極31~34に各底面電極31a~34aが形成されていないため、コア10が基準面101に対して傾くことが抑制される。したがって、コア10の基準面101に対する傾きを考慮することなく、塗布装置100によって各端子電極31~34の各端面電極31b~34bをより精度よく形成できる。
(16)巻回部40aは、巻芯部11に同一方向に第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42を並べて所定のターン数にわたり巻回されたN個(Nは2以上の偶数)の第1巻回部43と、長さ方向Ldにおいて隣り合う第1巻回部43の間において第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が1回交差して形成される第1交差部44とを有する。このため、長さ方向Ldにおいて第1交差部44の両側の第1巻回部43の極性が反対となる。このような構成が偶数個構成されるため、巻回部40aの極性のバランスを取ることができる。
加えて、巻回部40aの第1巻回部43において第2鍔部13に最も近い巻芯部11の第1側面11cにおいて第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差する第2交差部45が形成されている。このため、第1巻回部43の長さ方向Ldに隣り合うように第2交差部45が形成されないため、巻回部40aが第2鍔部13の第3端子電極33及び第4端子電極34に過度に近くなることが抑制される。したがって、コイル部品1の品質が向上する。また、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が第3端子電極33及び第4端子電極34に接続される場合に第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42をそれぞれ緩やかに曲げることができるため、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が断線するおそれを低減できる。
(17)巻回部40aの第1巻回部43において第2鍔部13に最も近い巻芯部11の第1側面11cにおいて第2交差部45が形成されている。この構成によれば、第2交差部45における第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42の交差点を起点として第1ワイヤ41を第3端子電極33に向けて引き回すことができ、第2ワイヤ42を第4端子電極34に向けて引き回すことができるため、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が第3端子電極33及び第4端子電極34に接続する場合の第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42の自由度が高くなる。加えて、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42をそれぞれ緩やかに曲げた状態で第3端子電極33及び第4端子電極34に接続できるため、第2引出部40c及び第4引出部40eにおける応力集中を低減できる。
(18)第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42がバイファイラ巻きされることによって巻回部40aが形成されている。この構成によれば、巻回部40aにおいて長さ方向Ldに隣り合う第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42によって、第1ワイヤ41のノイズ及び第2ワイヤ42のノイズを互いに打ち消し合うことができる。したがって、コイル部品1の品質を向上できる。
(19)第2ワイヤ42は、長さ方向Ldに延びる第1端部42aと、第1端部42aから第1鍔部12の外面12bに向けて屈曲する第1屈曲部42cと、第1屈曲部42cから幅方向Wdに向けて屈曲する第2屈曲部42dとを有する。この構成によれば、第1屈曲部42c及び第2屈曲部42dによって、第3引出部40dが第1鍔部12側に配置できる。したがって、第2ワイヤ42の引出部40bを第1鍔部12のスロープ部16に好適に載せることができる。
(20)第3引出部40dは、第1鍔部12のスロープ部16に沿って配線されている。この構成によれば、第3引出部40dが第1鍔部12から高さ方向Tdに離れて配線される、所謂空中配線となることが抑制されるため、第2ワイヤ42が断線するおそれを低減できる。第2引出部40cは、第2鍔部13のスロープ部20に沿って配線されている。この構成によれば、第2引出部40cが第2鍔部13から高さ方向Tdに離れて配線されることが抑制されるため、第1ワイヤ41が断線するおそれを低減できる。
(21)長さ方向Ldにおいて、巻芯部11の底面11aにおける巻回部40aの長さLAは、巻芯部11の天面11bにおける巻回部40aの長さLBよりも短い。この構成によれば、コイル部品1が回路基板PXに実装された場合に巻回部40aと回路基板PXのランド部RXとの間の距離が大きくなる。したがって、回路基板PXのランド部RXに起因する巻回部40aの熱影響をより低減できる。
(22)長さ方向Ldにおける第1鍔部12の内面12aと巻芯部11の底面11aにおける巻回部40aとの間の距離LD1は、長さ方向Ldにおける第1鍔部12の内面12aと巻芯部11の天面11bにおける巻回部40aとの間の距離LD3、及び長さ方向Ldにおける第2鍔部13の内面13aと巻芯部11の天面11bにおける巻回部40aとの間の距離LD4の少なくとも一方よりも大きい。この構成によれば、コイル部品1が回路基板PXに実装された場合に巻回部40aと回路基板PXのランド部RXとの間の距離が大きくなる。したがって、回路基板PXのランド部RXに起因する巻回部40aの熱影響をより低減できる。
長さ方向Ldにおける第2鍔部13の内面13aと巻芯部11の底面11aにおける巻回部40aとの間の距離LD2は、長さ方向Ldにおける第1鍔部12の内面12aと巻芯部11の天面11bにおける巻回部40aとの間の距離LD3、及び長さ方向Ldにおける第2鍔部13の内面13aと巻芯部11の天面11bにおける巻回部40aとの間の距離LD4の少なくとも一方よりも大きい。したがって、第2鍔部13においても、第1鍔部12と同様に、回路基板PXのランド部RXに起因する巻回部40aの熱影響をより低減できる。
(23)長さ方向Ldにおいて、巻芯部11の底面11aにおける巻回部40aと第2鍔部13の内面13aとの間の距離は、巻芯部11の底面11aにおける巻回部40aと第1鍔部12の内面12aとの間の距離よりも大きい。この構成によれば、第2引出部40c及び第4引出部40eにおいて、巻回部40aから第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42を引き出すためのスペースを確保できるため、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42の巻き終わり部分の自由度が向上する。
(24)高さ方向Tdにおける第1鍔部12の一方の端部と巻芯部11の底面11aとの間の距離は、高さ方向Tdにおける第1鍔部12の他方の端部と巻芯部11の天面11bとの間の距離よりも大きい。この構成によれば、コイル部品1が回路基板PXに実装された場合に巻回部40aと回路基板PXとの高さ方向Tdの間の距離が大きくなる。したがって、回路基板PXに起因する巻回部40aの熱影響をより低減できる。第2鍔部13の構成は、第1鍔部12の構成と同様でもよく、熱影響をより低減できる。
(25)第1交差部44を構成する第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42は、巻芯部11の天面11bにおいて交差している。この構成によれば、コイル部品1が回路基板PXに実装された場合、第1交差部44を構成する第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が巻芯部11の底面11aにおいて交差する構成と比較して、高さ方向Tdにおける巻回部40aと回路基板PXの主面との間の距離が大きくなる。したがって、コイル部品1を回路基板PXに実装するときに回路基板PX及び各端子電極31~34から巻回部40aへの熱影響をより低減できる。
(変更例)
上記実施形態は本開示に関するコイル部品及びコイル部品の製造方法が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に関するコイル部品及びコイル部品の製造方法は上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、上記実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、又は上記実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下の変更例において、上記実施形態の形態と共通する部分については、上記実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
〔第1鍔部及び第2鍔部の形状に関する変更例〕
・上記実施形態において、第1鍔部12から突出部15a,15bを省略してもよい。この場合、例えば足部14a,14bが突出部15a,15bを含む領域まで形成される。この場合、第1ワイヤ41の第1端部41aは足部14aに形成された第1端子電極31の第1底面電極31aに接続され、第2ワイヤ42の第1端部42aは足部14aに形成された第2端子電極32の第2底面電極32aに接続される。
・上記実施形態において、第2鍔部13から突出部19a,19bを省略してもよい。この場合、例えば足部18a,18bが突出部19a,19bを含む領域まで形成される。この場合、第1ワイヤ41の第2端部41bは足部18aに形成された第3端子電極33の第3底面電極33aに接続され、第2ワイヤ42の第2端部42bは足部18bに形成された第4端子電極34の第4底面電極34aに接続される。
・上記実施形態において、高さ方向Tdにおける第1鍔部12の底面部(第1鍔部12のうちの巻芯部11の底面11a側に突出する端部)の内面12a、及び高さ方向Tdにおける第2鍔部13の底面部(第2鍔部13のうちの巻芯部11の底面11a側に突出する端部)の少なくとも一方は、高さ方向Tdに沿って延びるように構成されてもよい。
・上記実施形態において、高さ方向Tdにおける第1鍔部12の天面部(第1鍔部12のうちの巻芯部11の天面11b側に突出する端部)の内面12a、及び高さ方向Tdにおける第2鍔部13の天面部(第2鍔部13のうちの巻芯部11の天面11b側に突出する端部)の少なくとも一方は、高さ方向Tdにおいて天面11bから離れる方向に向かうにつれて長さ方向Ldにおいて巻芯部11から離れる方向に傾斜してもよい。
〔巻芯部と第1鍔部及び第2鍔部との接続部分に関する変更例〕
・上記実施形態において、コア10の第1鍔部12の内面12aと巻芯部11の底面11aとを接続する第1曲面部22の形状、及び第2鍔部13の内面13aと巻芯部11の底面11aとを接続する第2曲面部23の形状の少なくとも一方は任意に変更可能である。幅方向Wdに垂直な断面において、第1曲面部22の曲線が巻芯部11の底面11aから長さ方向Ldにおいて第1鍔部12の内面12aに向けて曲率が変化するようにしてもよい。巻芯部11と第1鍔部12との間の第1曲面部22の曲率を変化させることにより、コア10のたわみ強度を向上でき、長さ方向Ldにおいて第1鍔部12の大きさが過度に小さくなることをより抑制できる。したがって、長さ方向Ldにおいて、第1端子電極31の大きさが過度に小さくなることが抑制されるため、コイル部品1を回路基板PXに好適に実装できる。第2曲面部23についても第1曲面部22と同様の形状とすることにより、同様の効果をより得ることができる。
一例では、図18(a)に示すように、第1曲面部22は、長さ方向Ld及び高さ方向Tdに平行(幅方向Wdに垂直)な断面において楕円形状であって、高さ方向Tdが長径となり、長さ方向Ldが短径となる楕円形状(二点鎖線の仮想円)を構成する一部分に沿った曲面形状に形成される。この構成によれば、巻芯部11の底面11aのうちの長さ方向Ld及び幅方向Wdに沿う平面部分が長さ方向Ldに長くなる。したがって、長さ方向Ldにおいて巻回部40aを形成可能な範囲が大きくなるため、コイル40のターン数を増加させることができる。なお、第2曲面部23についても図18(a)の第1曲面部22と同様の形状に変更できる。
また、図18(b)に示すように、第1曲面部22は、長さ方向Ld及び高さ方向Tdに平行(幅方向Wdに垂直)な断面において楕円形状であって、長さ方向Ldが長径となり、高さ方向Tdが短径となる楕円形状(二点鎖線の仮想円)を構成する一部分に沿った曲面形状に形成される。この構成によれば、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42は、第1曲面部22においても巻芯部11に巻回可能となる。したがって、長さ方向Ldにおいて巻回部40aを形成可能な範囲が大きくなるため、コイル40のターン数を増加させることができる。なお、第2曲面部23についても図18(b)の第1曲面部22と同様の形状に変更できる。
・上記実施形態において、長さ方向Ld及び高さ方向Tdに平行(幅方向Wdに垂直)な断面において第1曲面部22及び第2曲面部23の形状は互いに異なる形状であってもよい。一例では、第1曲面部22及び第2曲面部23の一方が幅方向Wdに垂直な断面において真円形状の曲面となるように構成され、第1曲面部22及び第2曲面部23の他方が幅方向Wdに垂直な断面において楕円形状等の曲率が変化するように構成される。また、幅方向Wdに垂直な断面において第3曲面部24及び第4曲面部25の形状は互いに異なる形状であってもよい。
・上記実施形態において、幅方向Wdに垂直な断面において第1曲面部22及び第2曲面部23の少なくとも一方の高さ方向Tdの大きさは、第3曲面部24及び第4曲面部25の高さ方向Tdの大きさ以下であってもよい。
・上記実施形態において、幅方向Wdに垂直な断面において第1曲面部22及び第2曲面部23の少なくとも一方の長さ方向Ldの大きさは、第3曲面部24及び第4曲面部25の長さ方向Ldの大きさ以下であってもよい。
・上記実施形態において、幅方向Wdにおける巻芯部11の中央よりも第1鍔部12の第1側面12e側の部分における第1鍔部12の内面12aとの接続部分から第1曲面部22を省略してもよい。この場合、例えば幅方向Wdにおける巻芯部11の中央よりも第1鍔部12の第1側面12e側の部分に対応するスロープ部16と巻芯部11の底面11aとが面一となるように構成されている。
・上記実施形態において、幅方向Wdにおける巻芯部11の中央よりも第2鍔部13の第2側面13f側の部分における第2鍔部13の内面13aとの接続部分から第2曲面部23を省略してもよい。この場合、例えば幅方向Wdにおける巻芯部11の中央よりも第2鍔部13の第2側面13f側の部分に対応するスロープ部20と巻芯部11の底面11aとが面一となるように構成されている。
・上記実施形態において、高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第1端子電極31との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第1曲面部22の大きさの割合が20%以上、60%未満である場合、高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第3端子電極33との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第2曲面部23の大きさの割合は、20%未満又は60%よりも大きくてもよい。
・上記実施形態において、高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第3端子電極33との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第2曲面部23の大きさの割合が20%以上、60%未満である場合、高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第1端子電極31との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第1曲面部22の大きさの割合は、20%未満又は60%よりも大きくてもよい。
・上記実施形態において、高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第1端子電極31との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第1曲面部22の大きさの割合、及び高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第3端子電極33との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第2曲面部23の大きさの割合の少なくとも一方は、20%未満又は60%よりも大きくてもよい。
高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第1端子電極31との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第1曲面部22の大きさの割合が20%未満又は60%よりも大きい場合、幅方向Wdに垂直な断面において、第1曲面部22の曲線が巻芯部11の底面11aから長さ方向Ldにおいて第1鍔部12の内面12aに向けて曲率が変化することが好ましい。
高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第3端子電極33との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第2曲面部23の大きさの割合が20%未満又は60%よりも大きい場合、幅方向Wdに垂直な断面において、第2曲面部23の曲線が巻芯部11の底面11aから長さ方向Ldにおいて第2鍔部13の内面13aに向けて曲率が変化することが好ましい。
高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第1端子電極31との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第1曲面部22の大きさの割合、及び、高さ方向Tdにおける巻芯部11の底面11aと第3端子電極33との間の距離に対する高さ方向Tdにおける第2曲面部23の大きさの割合がともに、20%未満又は60%よりも大きい場合、幅方向Wdに垂直な断面において、第1曲面部22の曲線が巻芯部11の底面11aから長さ方向Ldにおいて第1鍔部12の内面12aに向けて曲率が変化することが好ましい。また幅方向Wdに垂直な断面において、第2曲面部23の曲線が巻芯部11の底面11aから長さ方向Ldにおいて第2鍔部13の内面13aに向けて曲率が変化することが好ましい。
・上記実施形態において、高さ方向Tdにおける巻芯部11の天面11bと第1鍔部12の天面12cとの間の距離に対する高さ方向Tdにおける第3曲面部24の大きさの割合、及び高さ方向Tdにおける巻芯部11の天面11bと第2鍔部13の天面13cとの間の距離に対する高さ方向Tdにおける第4曲面部25の大きさの割合の少なくとも一方は、20%以上、60%以下であってもよい。この構成によれば、高さ方向Tdにおける巻芯部11の天面11bと第1鍔部12の天面12cとの間の距離に対する高さ方向Tdにおける第3曲面部24の大きさの割合、及び高さ方向Tdにおける巻芯部11の天面11bと第2鍔部13の天面13cとの間の距離に対する高さ方向Tdにおける第4曲面部25の大きさの割合の少なくとも一方が20%以上とすることにより、第3曲面部24及び第4曲面部25の少なくとも一方を大きく取ることができ、巻芯部11と第1鍔部12との間の曲げ強度と巻芯部11と第2鍔部13との間の曲げ強度との少なくとも一方を向上できる。したがって、コア10のたわみ強度を向上できる。また、高さ方向Tdにおける巻芯部11の天面11bと第1鍔部12の天面12cとの間の距離に対する高さ方向Tdにおける第3曲面部24の大きさの割合、及び高さ方向Tdにおける巻芯部11の天面11bと第2鍔部13の天面13cとの間の距離に対する高さ方向Tdにおける第4曲面部25の大きさの割合の少なくとも一方が60%以下とすることにより、長さ方向Ldにおいて第1鍔部12及び第2鍔部13の少なくとも一方の大きさが過度に小さくなることを抑制できる。したがって、長さ方向Ldにおいて、第1鍔部12の天面12c及び第2鍔部13の天面13cの大きさが過度に小さくなることが抑制され、コア10と板状部材50との接着強度を確保できる。
・上記実施形態において、第3曲面部24及び第4曲面部25の少なくとも一方を図18(a)に示す第1曲面部22及び図18(b)に示す第2曲面部23のように楕円形状に変更してもよい。すなわち、第3曲面部24及び第4曲面部25の少なくとも一方は、巻芯部11の天面11bから第1鍔部12の内面12a又は第2鍔部13の内面13aに向けて曲率が変化するように構成されてもよい。
〔コアの第1鍔部及び第2鍔部と板状部材との接続構造に関する変更例〕
・上記実施形態において、第1鍔部12及び第2鍔部13と板状部材50との接続構造は任意に変更可能である。
第1例では、図19(a)に示すように、第1鍔部12の天面12cのうちの第1鍔部12の内面12a側の部分が板状部材50と接触する。第1鍔部12の天面12cと板状部材50の第1面51との間の距離D1は、第1鍔部12の内面12aから外面12bに向かうにつれて大きくなる。言い換えると、距離D1は、第1鍔部12において、長さ方向Ldの中央よりも巻芯部11側の距離が、長さ方向Ldの中央よりも巻芯部11とは反対側の距離よりも小さい。すなわち、第1鍔部12と板状部材50との隙間GAの高さ方向Tdの大きさは、第1鍔部12の内面12aから外面12bに向かうにつれて大きくなる。言い換えると、隙間GAの高さ方向Tdの大きさは、長さ方向Ldにおいて、巻芯部11側に向かうにつれて小さくなる。このように、板状部材50の第1面51と第1鍔部12の天面12cの高さ方向Tdの間の距離が小さい箇所は、第1鍔部12の内面12a側に設けられている。この構成によれば、板状部材50が磁性体の場合、コア10と板状部材50とに形成される磁路長を短くすることができる。第2鍔部13についても、第1鍔部12と同様の構成とすることにより、磁路長をより短くすることができる。
第2例では、図19(b)に示すように、第1鍔部12の天面13cのうちの第1鍔部12の外面12b側の部分に突起部26が設けられる。突起部26は、第1鍔部12の幅方向Wdの全体にわたり設けられてもよいし、第1鍔部12の幅方向Wdの一部に設けられてもよい。突起部26は、幅方向Wdにおいて間隔をあけて複数設けられてもよい。このように、高さ方向Tdにおいて第1鍔部12の外面12b側の部分と板状部材50との間の距離は、第1鍔部12の内面12a側の部分と板状部材50との間の距離よりも小さい。言い換えれば、第1鍔部12の内面12a側の部分と板状部材50との間の隙間の高さ方向Tdの大きさは、第1鍔部12の外面12b側の部分と板状部材50との間の隙間の高さ方向Tdの大きさよりも大きい。この構成によれば、板状部材50が磁性体の場合、板状部材50の第1面51と第1鍔部12の天面12cの高さ方向Tdの間の距離が小さい箇所が突起部26によって板状部材50と第1鍔部12との間において部分的に形成されるため、コア10と板状部材50との間の磁路が限定される。したがって、コイル部品1ごとに磁路長のばらつきが小さくなるため、コイル部品1ごとのインダクタンス値のばらつきを抑制できる。第2鍔部13について、第1鍔部12と同様の構成とすることにより、インダクタンス値のばらつきをより抑制できる。
加えて、図19(b)では、第1鍔部12の突起部26の端面26a及び天面12cに接着剤AHが塗布される。又は板状部材50の第1面51において第1鍔部12と対向する面に接着剤AHが塗布される。板状部材50は、突起部26に取り付けられている。この場合、例えば、第1鍔部12の突起部26と板状部材50の第1面51との接着剤AHは、突起部26と板状部材50との押圧によって突起部26よりも第1鍔部12の内面12a側に形成された隙間に移動する。このため、コア10及び板状部材50の外部に接着剤AHがはみ出ることが抑制される。第2鍔部13について、第1鍔部12と同様の構成とすることにより、接着剤AHがはみ出ることがより抑制される。
また、図19(c)に示すように、突起部26は、第1鍔部12の天面12cのうちの第1鍔部12の内面12a側の部分に設けられてもよい。この場合、高さ方向Tdにおいて第1鍔部12の内面12a側の部分と板状部材50との間の距離は、第1鍔部12の外面12b側の部分と板状部材50との間の距離よりも小さい。言い換えれば、第1鍔部12の外面12b側の部分と板状部材50との間の隙間の高さ方向Tdの大きさは、第1鍔部12の内面12a側の部分と板状部材50との間の隙間の高さ方向Tdの大きさよりも大きい。この構成によれば、板状部材50が磁性体の場合、コア10と板状部材50とに形成される磁路長を短くすることができる。第2鍔部13についても、第1鍔部12と同様の構成とすることにより、磁路長をより短くすることができる。
また、長さ方向Ldにおける突起部26の位置は、第1鍔部12の天面12cのうちの外面12b側の端部又は内面12a側の端部に限られず、任意に変更可能である。例えば、突起部26は、第1鍔部12の天面12cのうちの長さ方向Ldの中央に設けられてもよい。第2鍔部13についても、第1鍔部12と同様の構成とすることができる。
・図19(a)~(c)に示す変更例では、長さ方向Ldにおいて第1鍔部12の天面12c(第2鍔部13の第1面13c)と板状部材50の第1面51との間の高さ方向Tdの距離が変化するものであったが、これに限られない。例えば図20~図22に示すように、幅方向Wdにおいて第2鍔部13の天面13cと板状部材50の第1面51との高さ方向Tdの間の距離が変化してもよい。なお、図20及び図21は、便宜上、第2鍔部13の凹部21a,21bを省略してコア10を模式的に示している。
第1例では、図20に示すように、第2鍔部13の天面13cは、幅方向Wdの中央が頂部となり、第2鍔部13の第1側面13e又は第2側面13fに向かうにつれて底面13dに向けて傾斜する。この場合、図21に示すように、第2鍔部13と板状部材50との接続構造では、幅方向Wdにおいて、第2鍔部13の第1側面13e,第2側面13fから第2鍔部13の中央に向かうにつれて、第2鍔部13の天面13cと板状部材50の第1面51との高さ方向Tdの間の距離が小さくなる。言い換えると、第2鍔部13の第1側面13e又は第2側面13fに向かうにつれて、第2鍔部13の天面13cと板状部材50の第1面51との高さ方向Tdの間の距離が大きくなる。この構成によれば、板状部材50が磁性体の場合、板状部材50の第1面51と第2鍔部13の天面13cの高さ方向Tdの間の距離が小さい箇所が板状部材50と第2鍔部13との間において部分的に形成されるため、コア10と板状部材50との間の磁路が限定される。したがって、コイル部品1ごとに磁路長のばらつきが小さくなるため、コイル部品1ごとのインダクタンス値のばらつきを抑制できる。第1鍔部12についても、第2鍔部13と同様の構成とすることにより、インダクタンス値のばらつきをより抑制できる。
加えて、板状部材50と第2鍔部13が接着剤AHによって固定される場合、板状部材50の第1面51と第2鍔部13の天面13cの幅方向Wdの中央の接着剤AHは、板状部材50の第1面51と第2鍔部13の天面13cとの間の隙間が大きい第2鍔部13の天面13cの幅方向Wdの端部に向けて移動する。このため、コア10及び板状部材50の外部に接着剤AHがはみ出ることが抑制される。第1鍔部12についても、第2鍔部13と同様の構成とすることにより、接着剤AHがはみ出ることがより抑制される。
第2例では、図22(a)に示すように、第2鍔部13の天面13cのうちの幅方向Wdの中央には、突起部27が設けられている。突起部27は、長さ方向Ldにおいて第2鍔部13の天面13cの全体に設けられてもよいし、天面13cの一部に設けられてもよい。長さ方向Ldにおいて、複数の突起部27が間をあけて設けられてもよい。突起部27が設けられることによって、幅方向Wdにおいて第2鍔部13の天面13cの端部と板状部材50の第1面51との高さ方向Tdにおける間の距離は、幅方向Wdにおいて第2鍔部13の天面13cの中央の部分と板状部材50の第1面51との高さ方向Tdにおける間の距離よりも大きくなる。言い換えれば、第2鍔部13の幅方向Wdの端部と板状部材50との間の隙間の高さ方向Tdの大きさは、第2鍔部13の幅方向Wdの中央部分と板状部材50との間の隙間の高さ方向Tdの大きさよりも大きい。この構成によれば、図20及び図21に示す第1例の構造と同様の効果が得られる。第1鍔部12についても、第2鍔部13と同様の構成とすることにより、同様の効果がより得られる。
第3例では、図22(b)に示すように、突起部27は、第2鍔部13の天面13cの幅方向Wdの両端部に設けられている。この場合、幅方向Wdにおいて第2鍔部13の天面13cの中央の部分と板状部材50の第1面51との高さ方向Tdにおける間の距離は、幅方向Wdにおいて第2鍔部13の天面13cの両端部と板状部材50の第1面51との高さ方向Tdにおける間の距離よりも大きくなる。言い換えれば、第2鍔部13の幅方向Wdの中央部分と板状部材50との間の隙間の高さ方向Tdの大きさは、第2鍔部13の幅方向Wdの両端部と板状部材50との間の隙間の高さ方向Tdの大きさよりも大きい。この構成によれば、突起部27によって板状部材50と第2鍔部13との間の磁路が限定されるため、コイル部品1ごとの磁路長のばらつきが小さくなる。したがって、コイル部品1ごとのインダクタンス値のばらつきを抑制できる。第1鍔部12についても、第2鍔部13と同様の構成とすることにより、インダクタンス値のばらつきをより抑制できる。
加えて、板状部材50と第2鍔部13とが接着剤AHによって固定される場合、第2鍔部13の幅方向Wdの両端部の突起部27と板状部材50の第1面51との間の接着剤AHは、板状部材50の第1面51と第2鍔部13との高さ方向Tdの隙間が大きい第2鍔部13の幅方向Wdの中央に移動する。このため、コア10及び板状部材50の外部に接着剤AHがはみ出ることが抑制される。第1鍔部12についても、第2鍔部13と同様の構成とすることにより、接着剤AHがはみ出ることがより抑制される。
・上記実施形態において、第1鍔部12及び第2鍔部13の形状を変更することによって、高さ方向Tdにおける第1鍔部12の天面12cと板状部材50の第1面51との間の距離、及び高さ方向Tdにおける第2鍔部13の天面13cと板状部材50の第1面51との間の距離をそれぞれ変更しているが、これに限られない。例えば、板状部材50の第1面51の形状を変更することによって、高さ方向Tdにおける第1鍔部12の天面12cと板状部材50の第1面51との間の距離、及び高さ方向Tdにおける第2鍔部13の天面13cと板状部材50の第1面51との間の距離をそれぞれ変更してもよい。具体的には、板状部材50の第1面51において第1鍔部12に高さ方向Tdに対向する部分が第1鍔部12の内面12aから外面12bに向かうにつれて高さ方向Tdにおいて第1鍔部12の天面12cから離れるように傾斜してもよい。また板状部材50の第1面51において第1鍔部12に高さ方向Tdに対向する部分が第1鍔部12の外面12bから内面12aに向かうにつれて高さ方向Tdにおいて第1鍔部12の天面12cから離れるように傾斜してもよい。また板状部材50の第1面51において第1鍔部12に高さ方向Tdに対向する部分には、第1面51から第1鍔部12の天面12cに向けて突出する突起部(図示略)が設けられてもよい。突起部の数及び位置はそれぞれ、任意に変更可能である。突起部は、幅方向Wdにおいて第1鍔部12の天面12cの全体にわたり対向するように設けられてもよいし、幅方向Wdにおいて第1鍔部12の天面12cの部分的に対向するように設けられてもよい。また突起部は、長さ方向Ldにおいて第1鍔部12の天面12cの全体にわたり対向するように設けられてもよいし、長さ方向Ldにおいて第1鍔部12の天面12cの部分的に対向するように設けられてもよい。なお、板状部材50の第1面51において第2鍔部13の天面13cに高さ方向Tdに対向する部分についても、板状部材50の第1面51において第1鍔部12の天面12cに高さ方向Tdに対向する部分と同様に変更できる。このような構成によれば、板状部材50の第2面52が平面を維持できるため、吸着搬送装置がコイル部品1を好適に搬送できる。なお、板状部材50の第1面51に形成した上述の構成を第2面52にも形成してもよい。この構成によれば、板状部材50の裏表の向きがなくなるため、コア10に板状部材50を取り付ける板状部材取付工程において板状部材50の表裏の確認をしなくてもよくなり、作業の複雑化を抑制できる。
・上記実施形態において、高さ方向Tdにおける第1鍔部12の天面12c及び第2鍔部13の天面13cの一方と板状部材50との間の距離が長さ方向Ld及び幅方向Wdの両方において変化してもよい。この構成によれば、コア10及び板状部材50の外部に接着剤AHがはみ出ることを抑制できるとともに、磁路長の調整によってインダクタンス値をより精密に設定できる。
・上記実施形態において、高さ方向Tdにおける第1鍔部12の天面12c及び第2鍔部13の天面13cの一方と板状部材50との間の距離が長さ方向Ld及び幅方向Wdにおいて一定であってもよい。この構成においても、高さ方向Tdにおける第1鍔部12の天面12c及び第2鍔部13の天面13cの他方と板状部材50との間の距離が異なるため、板状部材50が磁性体の場合、第1鍔部12及び第2鍔部13の他方と板状部材50との間の磁路が限定される。したがって、コイル部品1ごとに磁路長のばらつきが小さくなるため、コイル部品1ごとのインダクタンス値のばらつきを抑制できる。
・上記実施形態において、高さ方向Tdにおける第1鍔部12及び第2鍔部13のそれぞれと板状部材50との間の距離が長さ方向Ld及び幅方向Wdにおいて一定であってもよい。
〔第1鍔部及び第2鍔部の凹部に関する変更例〕
・上記実施形態において、第1鍔部12の凹部17a,17bの形状及び第2鍔部13の凹部21a,21bの形状の少なくとも1つは任意に変更可能である。
第1例では、図23(a)に示すように、第2鍔部13の凹部21aは、第2鍔部13の内面13aから外面13bにわたって形成されてもよい。この構成によれば、コア10の成型時に凹部21aを成型し易くなる。第1鍔部12についても、第2鍔部13と同様の構成とすることにより、より成型し易くなる。
第2例では、図23(b)に示すように、第2鍔部13の凹部21aは、幅方向Wdが長手方向となり、長さ方向Ldが短手方向となるように設けられてもよい。この場合、図23(b)に示すように、凹部21aは、第2鍔部13の第2側面13fにわたって形成されてもよい。第1鍔部12についても、第2鍔部13と同様の構成とすることもできる。
第3例では、図23(c)に示すように、第2鍔部13の凹部21aは、幅方向Wdにおける第2鍔部13の第2側面13f側の端部に設けられている。凹部21aは、第2鍔部13の内面13aから外面13bにわたり、かつ第2側面13fにわたり形成されている。第1鍔部12についても、第2鍔部13と同様の構成とすることもできる。
なお、第1例及び第3例の凹部21aについて、長さ方向Ldにおける凹部21aの長さは任意に変更可能である。凹部21aは、第2鍔部13の内面13aから長さ方向Ldにおける第2鍔部13の外面13bよりも内面13a側の部分までにわたり形成されてもよい。また、凹部21aは、第2鍔部13の外面13bから長さ方向Ldにおける第2鍔部13の内面13aよりも外面13b側の部分までにわたり形成されてもよい。第1鍔部12についても、第2鍔部13と同様の構成とすることもできる。
・上記実施形態では、高さ方向Tdからみた場合の凹部17a,17b,21a,21bの形状はそれぞれ、矩形状であるが、これに限定されない。高さ方向Tdからみた場合の凹部17a,17b,21a,21bの形状の少なくとも1つは、円形状、正方形状、四角形状以外の多角形状などの矩形状以外の形状であってもよい。
・上記実施形態では、高さ方向Tdからみた場合において、凹部17a,17bの深さは、凹部21a,21bの深さと等しいが、これに限定されず、凹部17a,17bの深さは凹部21a,21bの深さと異なってもよい。また高さ方向Tdからみた場合において、凹部17aの深さは、凹部17bの深さと異なってもよいし、凹部21aの深さは、凹部21bの深さと異なってもよい。
・上記実施形態において、凹部17a,17b,21a,21bの少なくとも1つの深さは、長さ方向Ld及び幅方向Wdの少なくとも一方において変化してもよい。
・上記実施形態において、第1鍔部12の凹部17a,17bの位置は任意に変更可能である。一例では、凹部17a,17bの少なくとも一方は、長さ方向Ldからみて、第1鍔部12のうちの巻芯部11と重なる部分に設けられてもよい。
・上記実施形態において、第2鍔部13の凹部21a,21bの位置は任意に変更可能である。一例では、凹部21a,21bの少なくとも一方は、長さ方向Ldからみて、第2鍔部13のうちの巻芯部11と重なる部分に設けられてもよい。
・上記実施形態において、第1鍔部12の凹部17a,17bの少なくとも一方を省略してもよい。また、第2鍔部13の凹部21a,21bの少なくとも一方を省略してもよい。
〔第1ワイヤ、第2ワイヤ、及び巻回部に関する変更例〕
・上記実施形態において、第1ワイヤ41の第2端部41bと第3端子電極33の第3底面電極33aとの接続形状は任意に変更可能である。第1例では、図24に示すように、第1ワイヤ41の第2端部41bが長さ方向Ldに平行となるように突出部19aに形成された第3端子電極33の第3底面電極33aに接続されている。この場合、図24に示すとおり、第1ワイヤ41の第1端部41a及び第2端部41bと、第2ワイヤ42の第1端部42a及び第2端部42bとのそれぞれが長さ方向Ldと平行となる。
第2例では、図25(a)に示すように、第1ワイヤ41の第2端部41bは、第1ワイヤ41において第2鍔部13のスロープ部20に載せられた部分から屈曲して、突出部19aに形成された第3端子電極33の第3底面電極33aに接続されている。この構成によれば、第1ワイヤ41の第2端部41bと第3底面電極33aとの接触面積が増加するため、第1ワイヤ41と第3端子電極33との接続性を向上できる。
第3例では、図25(b)に示すように、第1ワイヤ41の第2端部41bは、第1ワイヤ41において第2鍔部13のスロープ部20に載せられた部分から屈曲して、足部18aと隣り合うように、突出部19aに形成された第3端子電極33の第3底面電極33aに接続されている。この構成によれば、第1ワイヤ41の第2端部41bと第3底面電極33aとの接触面積が増加するため、第1ワイヤ41と第3端子電極33との接続性を向上できる。さらに、第1ワイヤ41の第2端部41bが足部18aと隣り合うため、第1ワイヤ41の第2端部41bの位置を容易に制御できる。
・上記実施形態において、図26に示すように、第1ワイヤ41における引出部40cにおいて、第2ワイヤ42における引出部40bの第1屈曲部42c及び第2屈曲部42dと同様に、第3屈曲部41c及び第4屈曲部41dが形成されてもよい。この構成によれば、第1ワイヤ41における引出部40cにおいて第1ワイヤ41が第2鍔部13のスロープ部20に載せ易くなる。
・上記実施形態において、第2ワイヤ42における引出部40bから第2屈曲部42dを省略してもよい。
・上記実施形態では、コイル40は、巻芯部11の周面に第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が1層で巻回されているが、これに限られない。例えば、コイル40は、巻芯部11の周面に巻き付けられた第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42の外側から第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が巻回される2層の巻回部であってもよい。図27は、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42による2層の巻回部の構成の一例である。図27では、便宜上、長さ方向Ldに配置される2つの第1巻回部43と、2つの第1巻回部43の間に配置される1つの第1交差部44とを示している。また、図27では、2つの第1巻回部43を区別するため、第1巻回部43A,43Bと称する。第1巻回部43Bは、例えば巻回部40aのうちの第1鍔部12に最も近い第1巻回部43である。
図27に示すように、第1巻回部43A,43Bを形成するため、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42はそれぞれ8ターンにわたり巻回される。第1ワイヤ41は巻芯部11に所定のターン数(図27では4ターン)で巻回され、第2ワイヤ42は巻芯部11の巻回された第1ワイヤ41の外側から所定のターン数(図27では4ターン)で巻回することによって2層の第1巻回部43Aが形成されている。4ターン目の第2ワイヤ42は、巻芯部11に巻回されて、5ターン目(第1巻回部43Bの1ターン目)として巻芯部11に巻回される。第1巻回部43Bを形成する第1ワイヤ41は巻芯部11に所定のターン数(図27では4ターン)で巻回される。第2ワイヤ42の6ターン目~8ターン目(第1巻回部43Bを形成する第2ワイヤ42の2ターン目~4ターン目)は、第1ワイヤ41の外側から巻回される。
第1巻回部43Aの4ターン目の第1ワイヤ41と第1巻回部43Aの4ターン目の第2ワイヤ42とが交差することによって第1交差部44が形成されている。これにより、4ターン目の第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42の長さ方向Ldにおける位置関係と、5ターン目の第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42の長さ方向Ldにおける位置関係とが逆の関係となる。
図27の二点鎖線によって示すように、第1巻回部43Bの8ターン目の第1ワイヤ41と第1巻回部43Bの8ターン目の第2ワイヤ42とが交差することによって第2交差部45が形成されている。このように、第2交差部45では、1層目に位置する第1ワイヤ41と2層目に位置する第2ワイヤ42が巻回部40aのうちの第2鍔部13に最も近い部分の巻芯部11の第2側面11dで交差している。なお、8ターン目の第1ワイヤ41及び8ターン目の第2ワイヤ42がともに2層目に位置している場合、第2交差部45では、巻回部40aのうちの第2鍔部13に最も近い部分の巻芯部11の第2側面11dにおける巻回部40aの2層目で第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差している。
・上記実施形態では、巻回部40aは、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42の所定の巻回数ごとに第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42を交差することにより形成されているが、これに限られない。例えば、巻回部40aにおいて、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差する部分である第1交差部44及び第2交差部45を省略してもよい。すなわち、巻回部40aは、第1巻回部43のみで構成されてもよい。
・上記実施形態では、図4に示すような巻回部40aにおける第2鍔部13側の端部(巻き終りの端部)の巻芯部11の第1側面11cにおいて第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差する構成であったが、これに限られない。例えば、巻回部40aにおける第2鍔部13側の端部(巻き終りの端部)の巻芯部11の第1側面11c以外の周面において第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差してもよい。すなわち、巻回部40aにおける第2鍔部13側の端部(巻き終りの端部)の巻芯部11の底面11a、天面11b、及び第2側面11dのいずれかにおいて第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差してもよい。また、巻回部40aにおける第2鍔部13側の端部(巻き終りの端部)の第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差する第2交差部45を省略してもよい。
・上記実施形態において、巻回部40aにおける第2鍔部13側の端部(巻き終りの端部)の巻芯部11の第1側面11cにおいて第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差する構成に代えて、図28に示すように、巻回部40aにおける第1鍔部12側の端部(巻き始めの端部)の巻芯部11の第2側面11dにおいて第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差する構成としてもよい。すなわち、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42は、巻回部40aのうちの第1鍔部12に最も近い巻芯部11の第2側面11dにおいて交差している。この構成によれば、第1巻回部43の長さ方向Ldに隣り合うように第2交差部45が形成されないため、巻回部40aが第1鍔部12の第1端子電極31及び第2端子電極32に過度に近くなることが抑制される。したがって、コイル部品1の品質が向上する。また、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が第1端子電極31及び第2端子電極32に接続される場合に第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42をそれぞれ緩やかに曲げることができるため、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が断線するおそれを低減できる。
また、図28では、巻回部40aにおける第1鍔部12側の端部に形成される第1巻回部43の一部に第2交差部45が形成されている。この場合も同様に、例えば、巻回部40aにおける第1鍔部12側の端部(巻き始めの端部)の巻芯部11の第2側面11d以外の周面において第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差してもよい。すなわち、巻回部40aにおける第1鍔部12側の端部(巻き始めの端部)の巻芯部11の底面11a、天面11b、及び第1側面11cのいずれかにおいて第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差してもよい。この構成によれば、第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42をそれぞれ緩やかに曲げた状態で第1端子電極31及び第2端子電極32に接続できるため、第2引出部40c及び第4引出部40eにおける応力集中を低減できる。また、巻回部40aにおける第1鍔部12側の端部(巻き始めの端部)の第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42が交差する第2交差部45を省略してもよい。
・上記実施形態では、巻回部40aにおける第2鍔部13側の端部(巻き終りの端部)に形成される第1巻回部43の一部に第2交差部45が形成されるが、これに限られない。例えば、巻回部40aにおける第2鍔部13側の端部(巻き終りの端部)は第1巻回部43に長さ方向Ldに隣り合うように第2交差部45が形成されてもよい。また巻回部40aにおける第1鍔部12側の端部(巻き始めの端部)側に第2交差部45が形成される場合、例えば、巻回部40aにおける第1鍔部12側の端部に形成される第1巻回部43に長さ方向Ldに隣り合うように第2交差部45が形成されてもよい。
・上記実施形態では、第1交差部44を構成する第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42は、巻芯部11の天面11bにおいて交差しているが、これに限定されない。例えば、第1交差部44を構成する第1ワイヤ41及び第2ワイヤ42は、巻芯部11の底面11a、第1側面11c、及び第2側面11dのいずれかにおいて交差してもよい。
・上記実施形態において、長さ方向Ldにおいて、巻芯部11の底面11aにおける巻回部40aの長さLAは、巻芯部11の天面11bにおける巻回部40aの長さLB以上であってもよい。
・上記実施形態において、長さ方向Ldにおいて巻芯部11の底面11aにおける巻回部40aと第2鍔部13の内面13aとの間の距離LD2は、長さ方向Ldにおいて巻芯部11の底面11aにおける巻回部40aと第1鍔部12の内面12aとの間の距離LD1以下であってもよい。
〔各端子電極に関する変更例〕
・上記実施形態では、各端子電極31~34の各端面電極31b~34bの高さ方向Tdの大きさはそれぞれ、任意に変更可能である。一例では、図29に示すように、第1端子電極31の第1端面電極31bの高さ方向Tdの大きさが第2端子電極32の第2端面電極32bの高さ方向Tdの大きさよりも大きくてもよい。また、図示はしないが、第1端子電極31の第1端面電極31bの高さ方向Tdの大きさが第2端子電極32の第2端面電極32bの高さ方向Tdの大きさよりも小さくてもよい。この構成によれば、ユーザがコイル部品1の向きを視認できる。なお、第3端子電極33の第3端面電極33bの高さ方向Tdの大きさ、及び第4端子電極34の第4端面電極34bの高さ方向Tdの大きさについても、第1端子電極31の第1端面電極31bの高さ方向Tdの大きさ、及び第2端子電極32の第2端面電極32bの高さ方向Tdの大きさと同様に変更できる。
・上記実施形態において、第1端子電極31の第1端面電極31b及び第2端子電極32の第2端面電極32bの形成方法を、第3端子電極33の第3端面電極33b及び第4端子電極34の第4端面電極34bの形成方法と異ならせてもよい。一例では、第1端面電極31b及び第2端面電極32bを塗布装置100によって形成し、第3端面電極33b及び第4端面電極34bをスクリーン印刷によって形成してもよい。また第3端面電極33b及び第4端面電極34bを塗布装置100によって形成し、第1端面電極31b及び第2端面電極32bをスクリーン印刷によって形成してもよい。この場合、第1端面電極31b及び第2端面電極32bと、第3端面電極33b及び第4端面電極34bとの一方のみが凹凸状に形成される。さらに、各端面電極31b~34bの形成方法を個別に設定してもよい。この場合、各端面電極31b~34bの少なくとも1つが塗布装置100によって形成されることによって、各端面電極31b~34bの少なくとも1つが凹凸状に形成される。
・上記実施形態において、各端子電極31~34の各底面電極31a~34aの外縁の少なくとも1つは、直線状の部分を含んでいてもよい。要するに、各底面電極31a~34aの外縁は、応力が集中しやすい角部が形成されない形状であればよい。
・上記実施形態において、各端子電極31~34の各端面電極31b~34bの外縁の少なくとも1つは、直線状の部分を含んでいてもよい。要するに、各端面電極31b~34bの外縁は、応力が集中しやすい角部が形成されない形状であればよい。
・上記実施形態において、各端子電極31~34の各底面電極31a~34aの外縁の少なくとも1つが直線状のみから形成されてもよい。すなわち、各底面電極31a~34aの外縁の少なくとも1つが凸状の曲線を含まない形状によって形成されてもよい。
・上記実施形態において、各端子電極31~34の各端面電極31b~34bの外縁の少なくとも1つが直線状のみから形成されてもよい。すなわち、各端面電極31b~34bの外縁の少なくとも1つが凸状の曲線を含まない形状によって形成されてもよい。
・上記実施形態において、各端子電極31~34の各端面電極31b~34bの高さ方向Tdの大きさと幅方向Wdの大きさとの関係は任意に変更可能である。各端面電極31b~34bの少なくとも1つの高さ方向Tdの大きさは、幅方向Wdの大きさ以下であってもよい。
・上記実施形態において、各端子電極31~34の各端面電極31b~34bを省略してもよい。
・上記実施形態において、板状部材50を省略してもよい。
・上記実施形態では、塗布装置100によって各端子電極31~34の各端面電極31b~34bを形成した後、ディップコーティング装置110によって各端子電極31~34の各底面電極31a~34aを形成したが、これに限られない。ディップコーティング装置110によって各底面電極31a~34aを形成した後、塗布装置100によって各端面電極31b~34bを形成してもよい。この場合、各底面電極31a~34aと各端面電極31b~34bとが重なる部分では、各端面電極31b~34bが各底面電極31a~34aの外側に形成される。
・上記実施形態では、塗布装置100によって各端子電極31~34の各端面電極31b~34bを形成していたが、各端面電極31b~34bの形成方法はこれに限られない。例えば、スクリーン印刷装置によって各端子電極31~34の各端面電極31b~34bを形成してもよい。
・上記実施形態の端面電極形成工程において、幅方向Wdにおける被塗布部35の個数が高さ方向Tdにおいて異なってもよい。一例では、幅方向Wdにおける被塗布部35の個数は、第1鍔部12の底面12d及び第2鍔部13の底面13dに向かうにつれて増加してもよい。