JP7028093B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

この発明は、半導体装置に関する。
従来、MOSゲート(金属-酸化膜-半導体の3層構造からなる絶縁ゲート)を備えたMOS型半導体装置は、活性領域と、活性領域の周囲を囲むエッジ終端領域と、を有することが公知である。MOS型半導体装置では、エッジ終端領域の、活性領域との境界付近に、MOS型半導体装置のターンオフ時にエッジ終端領域に発生する少数キャリアである正孔(ホール)をおもて面電極へ引き抜くためのコンタクト(電気的接触部)が設けられている(例えば、下記特許文献1~4参照。)。下記特許文献1~4では、コンタクト領域と金属電極とで、活性領域の周囲を囲む1つのコンタクトが形成されている。
従来の半導体装置の構造について、トレンチゲート型IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を例に説明する。図10は、従来の半導体装置の構造を示す断面図である。図11は、図10のキャリア引き抜き領域を拡大して示す断面図である。図12は、図10の一部を半導体基板(半導体チップ)のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。図10には、図12の切断線AA-AA’における断面構造を示す。図10には、活性領域101のMOSゲート120およびキャリア引き抜き領域105を簡略化して示す。
図11には、活性領域101のMOSゲート120のコンタクト127およびキャリア引き抜き領域105のコンタクト150の断面構造を示す。図12には、略矩形状(不図示)に活性領域101の周囲を囲むエッジ終端領域102の一部を示す。また、図12には、ゲートランナー部104およびキャリア引き抜き領域105における層間絶縁膜121(ハッチング部分)と、ゲートランナー部104のゲートランナー142(縦破線間の部分)と、キャリア引き抜き領域105のコンタクト150と、のレイアウトを示し、活性領域101および耐圧構造部103の各部を図示省略する。
図10~12に示す従来の半導体装置は、半導体基板110に活性領域101およびエッジ終端領域102を有する縦型IGBTである。半導体基板110のおもて面側には、活性領域101に、トレンチゲート構造のMOSゲート120が設けられ、エッジ終端領域102に、フィールドリミッティングリング(FLR:Field Limiting Ring)131やフィールドプレート132等からなる耐圧構造130が設けられている。以下、エッジ終端領域102の、耐圧構造130が配置された部分を耐圧構造部103とする。
活性領域101と耐圧構造部103との間には、半導体基板110のおもて面上に、絶縁層141を介してゲートランナー142が設けられている。ゲートランナー142は、略矩形状(不図示)に活性領域101の周囲を囲む。ゲートランナー142は、コンタクトホール143においてゲート電位のゲート金属配線144と電気的に接続されている。
また、ゲートランナー142には、すべてのMOSゲート120のゲート電極117が電気的に接続されている。以下、エッジ終端領域102の、ゲートランナー142が配置された部分をゲートランナー部104とする。
耐圧構造部103とゲートランナー部104との境界から、活性領域101とエッジ終端領域102との境界にまでわたって、半導体基板110のおもて面の表面層に、p型ウェル領域151が設けられている。p型ウェル領域151とn-型ドリフト領域111とのpn接合は、IGBTのターンオフ時の電圧を活性領域101からエッジ終端領域102に伝達させる主接合部152である。p型ウェル領域151の表面領域(半導体基板110のおもて面の表面層)には、活性領域101とゲートランナー部104との間のほぼ全面にわたって、p+型コンタクト領域153が設けられている。p+型コンタクト領域153は、略矩形状(不図示)に活性領域101の周囲を囲む。
このp+型コンタクト領域153のほぼ全面が層間絶縁膜121に設けられた1つのコンタクトホール154に露出されている。そして、このコンタクトホール154に、活性領域101から延在するエミッタ電極122が埋め込まれている。エミッタ電極122は、コンタクトホール154の内部においてp+型コンタクト領域153に接し、p+型コンタクト領域153を介してp型ウェル領域151と電気的に接続されている。エミッタ電極122は、アルミニウムを主成分とする例えばアルミニウムシリコン(Al-Si)電極である。符号112,113は、それぞれMOSゲート120のp型ベース領域およびp+型コンタクト領域である。符号108,109,128は、それぞれn型フィールドストップ領域、p+型コレクタ領域およびコレクタ電極である。
すなわち、活性領域101とゲートランナー部104との間に、p+型コンタクト領域153のほぼ全面を露出する1つのコンタクトホール154が設けられている。当該コンタクトホール154に、p+型コンタクト領域153とエミッタ電極122との1つのコンタクト(電気的接触部)150が形成されている。コンタクト150は、略矩形状(不図示)に活性領域101の周囲を囲む。コンタクト150は、IGBTのターンオフ時にエッジ終端領域102に発生する少数キャリアである正孔をエミッタ電極122へ引き抜く機能を有する。以下、エッジ終端領域102の、コンタクト150が配置された部分をキャリア引き抜き領域105とする。このコンタクト150を設けることで、スイッチング時にエッジ終端領域102に溜まったキャリアを引き抜くことで、破壊を防止する。
また、動作時の少数キャリアの挙動を制御したIGBTとして、n-型ドリフト領域よりも不純物濃度の高いn型キャリア蓄積領域を備えた装置が提案されている(例えば、下記特許文献5~7参照。)。図19は、従来の半導体装置の別の構造を示す断面図である。図19は、下記特許文献5の図1である。図19に示す従来の半導体装置は、IGBTを設けたIGBT素子領域201と、ダイオードを設けたダイオード素子領域202と、IGBT素子領域201とダイオード素子領域202との間の境界領域203と、を同一の半導体基板210に内蔵した逆導通型IGBT(RC-IGBT:Reverse Conducting IGBT)である。
境界領域203には、IGBTのp型ベース領域211およびダイオードのp型領域212’に接するp型ウェル領域213が設けられている。ダイオードのp型領域212’は、p+型アノード領域212を介してアノード電位に固定されている。境界領域203のp型ウェル領域213は、IGBTのp型ベース領域211およびダイオードのp型領域212’よりも半導体基板210のエミッタ側の主面からコレクタ側へ深くまで達し、IGBT素子領域201とダイオード素子領域202とを分離する。IGBTのp型ベース領域211の内部および境界領域203のp型ウェル領域213の内部に、それぞれフローティング電位の第1,2n型キャリア蓄積領域221,222が設けられている。
第1n型キャリア蓄積領域221は、IGBTのp型ベース領域211の、エミッタ側の部分211aとコレクタ側の部分211bとの間に、両部分211a,211bに接して設けられている。第2n型キャリア蓄積領域222は、境界領域203のp型ウェル領域213の内部の所定深さに設けられ、当該p型ウェル領域213を半導体基板210の主面に平行な方向に貫通する。第2n型キャリア蓄積領域222の一方の端部は、IGBT素子領域201の第1n型キャリア蓄積領域221に接するまでIGBT素子領域201側へ延在している。第2n型キャリア蓄積領域222の他方の端部は、ダイオードのp型領域212’の内部に達している。符号204はエッジ終端領域である。
図19に示す従来のRC-IGBTでは、IGBT動作時、第1n型キャリア蓄積領域221によって、n-型ドリフト領域214の、p型ベース領域211との境界付近の正孔密度が高くなる。かつ、第2n型キャリア蓄積領域222によって、IGBT素子領域201のn-型ドリフト領域214からダイオード素子領域202側への正孔の移動が抑制される。これによって、IGBTのオン電圧が低減される。また、ダイオード動作時、第2n型キャリア蓄積領域222によって、境界領域203のn-型ドリフト領域214に正孔が蓄積されることが抑制される。このため、ダイオードの逆回復時に逆回復電流が小さくなり、ダイオードの逆回復時の素子破壊が抑制される。
下記特許文献6では、活性領域のIGBTのp型ベース領域の内部と、エッジ終端領域のp型リサーフ層の内部と、にそれぞれn型キャリア蓄積領域が設けられている。これらn型キャリア蓄積領域は、それぞれp型ベース領域の内部およびp型リサーフ層の内部の所定深さにおいて半導体基板の主面に平行な方向に延在し、互いに接する。IGBTのp型ベース領域の内部のn型キャリア蓄積領域によって、p型ベース領域内の正孔濃度が上昇し、IGBTのオン電圧が低減される。p型リサーフ層の内部のn型キャリア蓄積領域によって、アバランシェ発生時に、n-型ドリフト領域とp型リサーフ層との間がチャージアンバランスになることが抑制され、IGBTの耐圧変動が小さく抑えられる。
下記特許文献7では、IGBTのp型ベース領域の内部と、ダイオードのp型アノード領域の内部と、エッジ終端領域のp型拡散領域で構成された耐圧構造の内部と、にそれぞれn型キャリア蓄積領域が設けられている。p型ベース領域の内部のn型キャリア蓄積領域によって、p型ベース領域内の正孔濃度が高くなり、IGBTのオン電圧が低減される。p型アノード領域の内部のn型キャリア蓄積領域によって、ダイオード領域における正孔の注入量および排出量が均一化され、ダイオードのリカバリ耐量が高くなる。耐圧構造の内部のn型キャリア蓄積領域によって、ダイオードのリカバリ時に耐圧構造付近に流れる電流が不均一になることが抑制され、電流集中による破壊が抑制される。
国際公開第2013/035818号 特表2009-532880号公報 国際公開第2013/132568号 特開2009-200098号公報 国際公開第2010/143288号 特開2008-227237号公報 特開2013-021104号公報
上述した従来の半導体装置(図10,11参照)では、エッジ終端領域102の幅w101を狭くしたり、半導体基板110の厚さt101を薄くした場合、また、隣り合うゲートトレンチ(MOSゲート120を埋め込んだトレンチ)の間隔が狭い場合、エッジ終端領域102の耐圧が低下し、活性領域101の耐圧よりも下回りやすくなるため、エッジ終端領域102でアバランシェ電流が発生する。具体的には、例えば、エッジ終端領域102の幅w101を300μm以下程度とし、半導体基板110の厚さt101を80μm以下とした場合である。
このような問題を回避するために、キャリア引き抜き領域105のコンタクト150の幅w102を広くした場合、キャリア引き抜き領域105のコンタクト150のコンタクト抵抗Ra’が、活性領域101のMOSゲート120のn+型エミッタ領域(不図示)
およびp+型コンタクト領域113とエミッタ電極122とのコンタクト127のコンタクト抵抗Rb’よりも低くなる。このため、IGBTのターンオフ時にエッジ終端領域102で発生し活性領域101側へ向かって流れるアバランシェ時に発生した正孔電流(白抜き矢印:アバランシェ電流)160はp型ウェル領域151からエミッタ電極122へ引き抜かれやすく、ゲートランナー142と、電流引き抜き部となるコンタクトホール(以下、電流引き抜き部とする)154と、の境界付近で電流集中しやすくなる。
エッジ終端領域102で発生した正孔電流160がゲートランナー142と電流引き抜き部154との境界付近に集中すると、素子全体のアバランシェ耐量が低下しやすい。例えば、ブリッジ回路を構成する2つのIGBTを交互にオン・オフさせることでモータなどの誘導負荷(L負荷)を可動させる場合、ターンオフしたIGBTに、誘導負荷のインダクタンス成分による過渡電圧がかかる。このため、エッジ終端領域102に生じた正孔電流160がゲートランナー142と電流引き抜き部154との境界付近に集中し、キャリア引き抜き領域105で電流が集中してIGBTが破壊に至る。
また、ブリッジ回路を構成する2つのIGBTがともにオンした状態になった場合、当該IGBTに流れる短絡電流は定格電流の5倍~8倍となる。このため、IGBTの電流変化率di/dtが高くなり、短絡電流を遮断したときにIGBTにかかるサージ電圧の電圧値が跳ね上がりやすい。このサージ電圧によりIGBTが自己クランプしてターンオフしアバランシェ状態が続くことで、エッジ終端領域102に生じた正孔電流160がゲートランナー142と電流引き抜き部154との境界付近に集中し、キャリア引き抜き領域105でIGBTが破壊に至る。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、エッジ終端領域のアバランシェ耐量を向上させることができる半導体装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。第1導電型の半導体基板に、主電流が流れる活性領域が設けられている。終端領域は、前記活性領域の周囲を囲む。前記活性領域において、前記半導体基板の第1主面側の表面層に、第2導電型の第1半導体領域が設けられている。前記第1半導体領域の内部に、第1導電型の第2半導体領域が選択的に設けられている。前記第1半導体領域の内部に、第2導電型の第3半導体領域が選択的に設けられている。前記第3半導体領域は、前記第1半導体領域よりも不純物濃度が高い。前記終端領域において、前記半導体基板の第1主面側の表面層に、第2導電型の第4半導体領域が選択的に設けられている。第1導電型の第5半導体領域は、前記半導体基板の、前記第1半導体領域および前記第4半導体領域以外の領域である。ゲート絶縁膜は、前記第1半導体領域の、前記第5半導体領域と前記第2半導体領域の間の領域に接して設けられている。ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第1半導体領域の反対側に設けられている。前記半導体基板の第1主面上に、層間絶縁膜が設けられている。前記層間絶縁膜は、前記第2半導体領域、前記第3半導体領域、前記第4半導体領域および前記ゲート電極を覆う。第1コンタクトホールは、前記層間絶縁膜に開口され、前記第2半導体領域および前記第3半導体領域を露出する。複数の第2コンタクトホールは、前記層間絶縁膜に開口され、それぞれ前記第4半導体領域を選択的に露出する。第1金属膜は、前記第2コンタクトホールの内壁に沿って設けられ前記半導体基板とオーミック接触する。第2金属膜は、前記第2コンタクトホールの内部において前記第1金属膜の上に埋め込まれている。第1電極は、前記層間絶縁膜の上に設けられている。前記第1電極は、前記第1コンタクトホールにおいて前記第2半導体領域および前記第3半導体領域を介して前記第1半導体領域に電気的に接続され、かつ前記第2コンタクトホールにおいて前記第2金属膜および前記第1金属膜を介して前記第4半導体領域に電気的に接続されている。第2電極は、前記半導体基板の第2主面に設けられている。前記終端領域において、前記半導体基板の第1主面上に絶縁層を介してゲートランナーが設けられている。前記ゲートランナーは、深さ方向に前記絶縁層を挟んで前記第4半導体領域と対向する。前記ゲートランナーには、前記ゲート電極が電気的に接続されている。複数の前記第2コンタクトホールは、前記活性領域と前記終端領域との境界から前記ゲートランナーまでの間に設けられている。前記活性領域と前記終端領域との境界から前記ゲートランナーまでの間の距離は、5μm以上である。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第4半導体領域の内部に選択的に設けられた、前記第4半導体領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第6半導体領域をさらに備える。前記第1電極は、前記第2コンタクトホールにおいて前記第2金属膜、前記第1金属膜および前記第6半導体領域を介して前記第4半導体領域に電気的に接続されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第3半導体領域の内部に選択的に設けられた、前記第3半導体領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第7半導体領域をさらに備える。前記第1電極は、前記第1コンタクトホールにおいて前記第7半導体領域および前記第3半導体領域を介して前記第1半導体領域に電気的に接続されていることを特徴とする。また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第1半導体領域は、前記半導体基板の第1主面と前記第5半導体領域との間に設けられている。前記第3半導体領域は、前記半導体基板の第1主面と前記第1半導体領域との間に設けられている。前記第7半導体領域は、前記半導体基板の第1主面と前記第3半導体領域との間に設けられている。前記第3半導体領域および前記第7半導体領域は、前記第5半導体領域に接していないことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第4半導体領域は、前記活性領域の外周に沿って前記活性領域の周囲を囲む。複数の前記第2コンタクトホールは、前記活性領域の外周に沿って延びるストライプ状のレイアウトに配置され、前記活性領域の周囲を囲むことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2コンタクトホールの幅は、0.3μm以上1.0μm以下であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、隣り合う前記第2コンタクトホールの間の幅は、前記第2コンタクトホールの幅と同じであることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第1電極は、前記第2半導体領域および前記第3半導体領域にオーミック接触していることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第1金属膜は、前記第1コンタクトホールの内壁に沿って設けられている。前記第2金属膜は、前記第1コンタクトホールの内部において前記第1金属膜の上に埋め込まれていることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第1金属膜は、チタンを主成分とすることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2金属膜は、タングステンを主成分とすることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第1半導体領域の上面から前記第5半導体領域に達するトレンチをさらに備える。前記ゲート絶縁膜は、前記トレンチの内壁に沿って設けられている。前記ゲート電極は、前記トレンチの内部において前記ゲート絶縁膜の内側に埋め込まれていることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。第1導電型の半導体基板に、主電流が流れる活性領域が設けられている。終端領域は、前記活性領域の周囲を囲む。前記活性領域において、前記半導体基板の第1主面側の表面層に、第2導電型の第1半導体領域が設けられている。前記第1半導体領域の内部に、第1導電型の第2半導体領域が選択的に設けられている。前記第1半導体領域の内部に、第2導電型の第3半導体領域が選択的に設けられている。前記第3半導体領域は、前記第1半導体領域よりも不純物濃度が高い。前記終端領域において、前記半導体基板の第1主面側の表面層に、第2導電型の第4半導体領域が選択的に設けられている。第1導電型の第5半導体領域は、前記半導体基板の、前記第1半導体領域および前記第4半導体領域以外の領域である。ゲート絶縁膜は、前記第1半導体領域の、前記第5半導体領域と前記第2半導体領域の間の領域に接して設けられている。ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第1半導体領域の反対側に設けられている。前記半導体基板の第1主面上に、層間絶縁膜が設けられている。前記層間絶縁膜は、前記第2半導体領域、前記第3半導体領域、前記第4半導体領域および前記ゲート電極を覆う。第1コンタクトホールは、前記層間絶縁膜に開口され、前記第2半導体領域および前記第3半導体領域を露出する。複数の第2コンタクトホールは、前記層間絶縁膜に開口され、それぞれ前記第4半導体領域を選択的に露出する。第1金属膜は、前記第2コンタクトホールの内壁に沿って設けられ、前記半導体基板とオーミック接触する。第2金属膜は、前記第2コンタクトホールの内部において前記第1金属膜の上に埋め込まれている。第1電極は、前記層間絶縁膜の上に設けられている。前記第1電極は、前記第1コンタクトホールにおいて前記第2半導体領域および前記第3半導体領域を介して前記第1半導体領域に電気的に接続され、かつ前記第2コンタクトホールにおいて前記第2金属膜および前記第1金属膜を介して前記第4半導体領域に電気的に接続されている。第2電極は、前記半導体基板の第2主面に設けられている。前記第1半導体領域と前記第5半導体領域との間に、前記第5半導体領域よりも不純物濃度の高い第1導電型の第8半導体領域が設けられている。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第4半導体領域の内部に、前記半導体基板の第1主面から離して、深さ方向に前記第2コンタクトホールに対向する、前記第5半導体領域よりも不純物濃度の高い第1導電型の第9半導体領域をさらに備えることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記終端領域において、前記半導体基板の第1主面上に絶縁層を介して設けられ、深さ方向に前記絶縁層を挟んで前記第4半導体領域と対向する、前記ゲート電極が電気的に接続されたゲートランナーをさらに備える。前記第9半導体領域は、前記活性領域側から前記ゲートランナー側へ延在し、前記ゲートランナーよりも前記活性領域側で終端していることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第9半導体領域は、前記半導体基板の第1主面から前記第8半導体領域と同じ深さに位置することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第9半導体領域は、前記半導体基板の第1主面から前記第8半導体領域よりも浅い深さに位置することを特徴とする。また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。第1導電型の半導体基板に、主電流が流れる活性領域が設けられている。終端領域は、前記活性領域の周囲を囲む。前記活性領域において、前記半導体基板の第1主面側の表面層に、第2導電型の第1半導体領域が設けられている。前記第1半導体領域の内部に、第1導電型の第2半導体領域が選択的に設けられている。前記第1半導体領域の内部に、第2導電型の第3半導体領域が選択的に設けられている。前記第3半導体領域は、前記第1半導体領域よりも不純物濃度が高い。前記終端領域において、前記半導体基板の第1主面側の表面層に、第2導電型の第4半導体領域が選択的に設けられている。第1導電型の第5半導体領域は、前記半導体基板の、前記第1半導体領域および前記第4半導体領域以外の領域である。ゲート絶縁膜は、前記第1半導体領域の、前記第5半導体領域と前記第2半導体領域の間の領域に接して設けられている。ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第1半導体領域の反対側に設けられている。前記半導体基板の第1主面上に、層間絶縁膜が設けられている。前記層間絶縁膜は、前記第2半導体領域、前記第3半導体領域、前記第4半導体領域および前記ゲート電極を覆う。第1コンタクトホールは、前記層間絶縁膜に開口され、前記第2半導体領域および前記第3半導体領域を露出する。複数の第2コンタクトホールは、前記層間絶縁膜に開口され、それぞれ前記第4半導体領域を選択的に露出する。第1金属膜は、前記第2コンタクトホールの内壁に沿って設けられ、前記半導体基板とオーミック接触する。第2金属膜は、前記第2コンタクトホールの内部において前記第1金属膜の上に埋め込まれている。第1電極は、前記層間絶縁膜の上に設けられている。前記第1電極は、前記第1コンタクトホールにおいて前記第2半導体領域および前記第3半導体領域を介して前記第1半導体領域に電気的に接続され、かつ前記第2コンタクトホールにおいて前記第2金属膜および前記第1金属膜を介して前記第4半導体領域に電気的に接続されている。第2電極は、前記半導体基板の第2主面に設けられている。前記第1半導体領域と前記第5半導体領域との間に、第1導電型の第8半導体領域が設けられている。前記第8半導体領域は、前記第5半導体領域よりも不純物濃度が高い。前記第4半導体領域の内部に、前記半導体基板の第1主面から離れて、第1導電型の第9半導体領域が設けられている。前記第9半導体領域は、深さ方向に前記第2コンタクトホールに対向する。前記第9半導体領域は、前記第5半導体領域よりも不純物濃度が高い。前記第9半導体領域は、前記半導体基板の第1主面から前記第8半導体領域よりも浅い深さに位置する。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第1半導体領域の上面から前記第5半導体領域に達するトレンチをさらに備える。前記ゲート絶縁膜は、前記トレンチの内壁に沿って設けられている。前記ゲート電極は、前記トレンチの内部において前記ゲート絶縁膜の内側に埋め込まれている。前記トレンチは、前記半導体基板の第1主面に平行な方向に延びるストライプ状に配置されている。すべての隣り合う前記トレンチ間に前記第2半導体領域が設けられていることを特徴とする。
上述した発明によれば、終端領域の第4半導体領域と第1電極とのコンタクト(電気的接触部)のコンタクト抵抗を、活性領域のMOSゲートの第3半導体領域(第2導電型コンタクト領域)と第1電極とのコンタクトのコンタクト抵抗よりも高くすることができる。このため、MOSゲート型半導体装置のターンオフ時に終端領域で発生して活性領域側へ向かって流れる正孔電流を、主に活性領域のMOSゲートのコンタクトから第1電極へ引き抜くことができる。これにより、MOSゲート型半導体装置のターンオフ時に終端領域で発生した正孔電流が終端領域の、第1電極の電位を有する第4半導体領域に集中することを抑制することができる。
本発明にかかる半導体装置によれば、IGBTのエッジ終端領域のアバランシェ耐量を向上させることができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる半導体装置を半導体基板(半導体チップ)のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。 図1の一部を拡大して示す平面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。 図3のキャリア引き抜き領域を拡大して示す断面図である。 図3のキャリア引き抜き領域を拡大して示す断面図である。 図3のキャリア引き抜き領域を拡大して示す断面図である。 図3のキャリア引き抜き領域を拡大して示す断面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置のターンオフ時の正孔電流の流れを示す説明図である。 実施の形態2にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。 温度とアバランシェ耐量との関係を示す特性図である。 従来の半導体装置の構造を示す断面図である。 図10のキャリア引き抜き領域を拡大して示す断面図である。 図10の一部を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。 実施の形態3にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。 実施の形態4にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。 実施の形態4にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。 実施の形態4にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。 実施の形態5にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。 実施の形態6にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。 従来の半導体装置の別の構造を示す断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および-は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる半導体装置の構造について、トレンチゲート型IGBTを例に説明する。図1は、実施の形態1にかかる半導体装置を半導体基板(半導体チップ)のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。図2は、図1の一部を拡大して示す平面図である。図3は、実施の形態1にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。図4A,4B,5,6は、図3のキャリア引き抜き領域を拡大して示す断面図である。図7は、実施の形態1にかかる半導体装置のターンオフ時の正孔電流(アバランシェ電流)の流れを示す説明図である。
図2は、図1の矩形枠Aで囲む部分であり、活性領域1およびエッジ終端領域2の各一部を、活性領域1とエッジ終端領域2との境界付近からチップ端部にわたって示している。図2では、ゲートランナー部4およびキャリア引き抜き領域5における層間絶縁膜21(ハッチング部分)と、ゲートランナー部4のゲートランナー42(縦破線間の部分)と、キャリア引き抜き領域5のコンタクト(電気的接触部)50と、のレイアウトを示す。
また、図2では、活性領域1および耐圧構造部3の各部と、ゲートランナー部4およびキャリア引き抜き領域5における電極パッド(エミッタ電極(第1電極)25)およびポリイミド保護膜26と、を図示省略する。図2の切断線B-B’および切断線C-C’は、複数のトレンチ15の各内部に設けられたゲート絶縁膜16およびゲート電極17を通る切断線である。
具体的には、例えば半導体基板10のおもて面に平行な方向(以下、第1方向とする)Xに延びるストライプ状にトレンチ15が配置されている場合、図2の切断線B-B’および切断線C-C’は、半導体基板10のおもて面に平行で、かつ第1方向Xと直交する方向(以下、第2方向とする)Yに平行な切断線である。かつ、図2の切断線B-B’はn+型エミッタ領域29を通らない切断線であり、切断線C-C’はn+型エミッタ領域29を通る切断線である。
例えば、トレンチ15が第1方向Xに延びるストライプ状に配置され、n+型エミッタ領域29とp+型コンタクト領域13とが第1方向Xに交互に繰り返し配置されているとする。この場合、図2の切断線B-B’における断面構造と、切断線C-C’における断面構造と、が第1方向Xに交互に繰り返し配置される。図3には、図2の切断線B-B’および切断線C-C’における各断面構造を示す。また、図3には、活性領域1のMOSゲート20およびキャリア引き抜き領域5を簡略化して示す。
図4A,4Bには、図3のキャリア引き抜き領域を拡大して示す。すなわち、図4Aは、図2の切断線B-B’における断面構造の一部である。図4Bは、図2の切断線C-C’における断面構造の一部である。図5,6は、図2の切断線B-B’における断面構造の一部の別の一例である。すなわち、図5,6には、図4Aのキャリア引き抜き領域5の断面構造と異なる別の一例を示す。
図1~3,4A,4Bに示す実施の形態1にかかる半導体装置は、n-型ドリフト領域(第5半導体領域)11となるn-型の半導体基板10に活性領域1およびエッジ終端領域2を有する縦型IGBTである。IGBTが耐圧600Vクラスである場合には、半導体基板10の厚さt1は、例えば60μm~80μm程度であってもよい。活性領域1は、例えば略矩形状の平面形状を有し、半導体基板10の中央部に設けられている。活性領域1は、素子(IGBT)がオン状態のときに主電流が流れる領域である。
活性領域1には、半導体基板10のおもて面側に、一般的なトレンチゲート構造のMOSゲート20が1つ以上設けられている。1つのMOSゲート20でIGBTの1つの単位セル(素子の構成単位)が構成される。MOSゲート20は、p型ベース領域(第1半導体領域)12、n+型エミッタ領域(第2半導体領域)29、p+型コンタクト領域(第3半導体領域)13、トレンチ15、ゲート絶縁膜16およびゲート電極17からなる。
p型ベース領域12は、活性領域1の全体にわたって、半導体基板10のおもて面の表面層に設けられている。p型ベース領域12の深さd1は、例えば2μm~3μm程度であってもよい。半導体基板10の、p型ベース領域12、後述するp+型コレクタ領域19、フィールドリミッティングリング31およびn+型ストッパー領域35以外の部分がn-型ドリフト領域11である。
+型エミッタ領域29およびp+型コンタクト領域13は、それぞれp型ベース領域12の表面領域(半導体基板10のおもて面の表面層)に選択的に設けられている。n+型エミッタ領域29は、トレンチ15の側壁のゲート絶縁膜16を挟んでゲート電極17と対向していればよく、その配置は種々変更可能である。例えば、トレンチ15が第1方向Xに延びるストライプ状に配置されている場合、n+型エミッタ領域29とp+型コンタクト領域13とが第1方向Xに交互に繰り返し配置されていてもよい。n+型エミッタ領域29が配置された部分を図4Bに示す(図17においても同様)。
活性領域1の、キャリア引き抜き領域5に近い部分において、p型ベース領域12の表面領域には、p+型コンタクト領域13(図5,6においてはp+型コンタクト領域13およびp++型表面インプラ領域14)のみが設けられ、n+型エミッタ領域29は設けられていない。活性領域1の、キャリア引き抜き領域5に近い部分とは、例えばトレンチ15が第1方向Xに延びるストライプ状に配置されている場合、隣り合うトレンチ15間(メサ領域)の第1方向Xの両端部付近、および、第1方向Xと直交する方向(第2方向Y)に最も外側に配置された数個のメサ領域である。
すなわち、第1方向Xに延びるストライプ状にトレンチ15が配置されている場合、第2方向Yに最も外側に配置された数個のメサ領域において、p型ベース領域12の表面領域には、p+型コンタクト領域13およびp++型表面インプラ領域14のみが第1方向Xに延在している。第2方向Yに最も外側に配置された数個のメサ領域以外の残りのメサ領域には、第1方向Xの両端部付近にp+型コンタクト領域13およびp++型表面インプラ領域14のみが第1方向Xに延在し、第1方向Xの両端部付近よりも第1方向Xに中央部寄りの部分にn+型エミッタ領域29が設けられている(図4B)。
活性領域1の、キャリア引き抜き領域5に近い部分にn+型エミッタ領域29を設けない理由は、次の2点である。1つの目の理由は、n+型エミッタ領域29を形成するためのイオン注入用マスクを形成する際に、イオン注入用マスクよりも先に半導体基板10のおもて面上に形成されたゲートランナー42等のポリシリコン層によって当該イオン注入用マスクに凹凸が生じる。このイオン注入用マスクの凹凸によって、ポリシリコン層に近い部分で、n+型エミッタ領域29のレイアウトにばらつきが生じる虞があるからである。2つ目の理由は、活性領域1のn+型エミッタ領域29を設けないメサ領域のコンタクトを、キャリア引き抜き領域5のコンタクト50と同様に機能させることができ、エッジ終端領域2の耐圧低下を抑制することができるからである。
+型コンタクト領域13の深さd21は、例えば0.4μm~0.6μm程度と浅いことがよい。その理由は、一般的に、p+型コンタクト領域13の深さd21を浅くするほど、半導体基板10のおもて面に近い部分でp+型コンタクト領域13の不純物濃度がピーク値(最大値)を示すため、活性領域1のp+型コンタクト領域13,61とバリアメタル(第1金属膜)23とのコンタクト27のコンタクト抵抗Rb(後述する図7参照)を低くして所定の抵抗値を確保しやすいからである。
+型コンタクト領域13’の深さd21’が0.6μmを超える例えば1.0μm程度である場合(図5)、p+型コンタクト領域13’の深さd21’が0.6μm程度である場合と比べて、半導体基板10のおもて面から深い位置でp+型コンタクト領域13の不純物濃度がピーク値を示す。かつ、p+型コンタクト領域13’の深さd21’が0.6μm程度である場合と比べて、p+型コンタクト領域13の不純物濃度のピーク値が低くなる。
すなわち、p+型コンタクト領域13’の深さd21’を0.6μm超とした場合、p+型コンタクト領域13’の所定のコンタクト抵抗Rbが得られない虞がある。かつ、活性領域1のラッチアップ耐量が低下する虞がある。このため、p+型コンタクト領域13’の各コンタクトホール(第1コンタクトホール)22に露出する部分に、それぞれp++型領域(以下、p++型表面インプラ領域(第7半導体領域)とする)14を設けることが好ましい(図5)。これによって、p+型コンタクト領域13’の表面領域のp型不純物濃度を高くすることができる。
++型表面インプラ領域14は、例えば、次のように形成される。層間絶縁膜21に、層間絶縁膜21を深さ方向Zに貫通して半導体基板10のおもて面に達するコンタクトホール22を形成する。深さ方向Zとは、半導体基板10のおもて面から裏面に向かう方向である。そして、p+型コンタクト領域13’の表面領域に、層間絶縁膜21のコンタクトホール22から例えば2フッ化ボロン(BF2)等のp型不純物を高不純物濃度にイオン注入する。その後、イオン注入したp型不純物を、例えば600℃~900℃程度での熱処理によりほぼ拡散させないで活性化させる。このようにして、p+型コンタクト領域13’の表面領域に深さの浅いp++型表面インプラ領域14が形成可能である。
隣り合うp++型表面インプラ領域14同士が接していてもよい。また、p+型コンタクト領域13の深さd21が0.6μm程度と浅い場合においても(図4)、p+型コンタクト領域13の内部にp++型表面インプラ領域14を設けてもよい。
++型表面インプラ領域14を設けることで、活性領域1のMOSゲート20のコンタクト27の所定のコンタクト抵抗Rbと、活性領域1の所定のラッチアップ耐量と、を確保することができる。p+型コンタクト領域13,13’に代えて、p型ベース領域12の各コンタクトホール22に露出する部分のみにそれぞれp+型コンタクト領域61が設けられていてもよいし、さらに、このp+型コンタクト領域61の内部にp++型表面インプラ領域62が設けられていてもよい(図6)。
トレンチ15は、n+型エミッタ領域29およびp型ベース領域12を貫通してn-型ドリフト領域11に達する。トレンチ15は、半導体基板10のおもて面に平行な方向(第1方向X)に延びるストライプ状のレイアウトに設けられていてもよいし、半導体基板10のおもて面側から見てマトリクス状のレイアウトに設けられていてもよい。ゲート電極17は、トレンチ15の内部に、ゲート絶縁膜16を介して設けられている。トレンチ15の深さd2は、例えば3μm~8μm程度であってもよい。
-型ドリフト領域11の内部において、p+型コレクタ領域19側には、活性領域1からエッジ終端領域2にわたって、n型フィールドストップ領域18が設けられていてもよい。n型フィールドストップ領域18は、IGBTのオフ時にp型ベース領域12とn-型ドリフト領域11とのpn接合からp+型コレクタ領域19側へ伸びる空乏層がp+型コレクタ領域19に達することを抑制する機能を有する。
n型フィールドストップ領域18は、半導体基板10の裏面からp+型コレクタ領域19よりも深い位置に配置されていればよく、p+型コレクタ領域19に接していてもよい。また、n型フィールドストップ領域18は、半導体基板10の裏面から異なる深さで複数配置されていてもよい。図3には、半導体基板10の裏面から深い1つのn型フィールドストップ領域18を配置した場合を示す。
層間絶縁膜21は、ゲート電極17、後述するゲートランナー42およびポリシリコン電極33を覆うように、半導体基板10のおもて面の全面にわたって設けられている。層間絶縁膜21には、n+型エミッタ領域29およびp+型コンタクト領域13を露出するコンタクトホール22が設けられている。コンタクトホール22は、半導体部(シリコン(Si)部、すなわち半導体基板10)を若干除去して、層間絶縁膜21と半導体基板10との界面から半導体基板10側に突出するように設けられていてもよい。
層間絶縁膜21の表面からコンタクトホール22の内壁(層間絶縁膜21の側面および半導体基板10のおもて面)に沿って、バリアメタル23が設けられている。バリアメタル23は、半導体部との密着性が高く、かつ半導体部とのオーミック接触する金属からなる。具体的には、バリアメタル23は、例えばチタン(Ti)膜であってもよいし、チタン膜および窒化チタン(TiN)膜を順に積層した金属積層膜であってもよい。
バリアメタル23上には、コンタクトホール22の内部を埋め込むようにコンタクトプラグ(第2金属膜)24が設けられている。コンタクトプラグ24は、例えば、埋め込み性の高いタングステン(W)を材料とする金属膜である。エミッタ電極25は、活性領域1において半導体基板10のおもて面全面に設けられている。エミッタ電極25は、コンタクトプラグ24およびバリアメタル23を介してn+型エミッタ領域29およびp+型コンタクト領域13に電気的に接続され、p+型コンタクト領域13を介してp型ベース領域12に電気的に接続されている。
このようにコンタクトホール22の内部に埋め込んだコンタクトプラグ24およびバリアメタル23を介してエミッタ電極25と半導体部とを電気的に接続した電極構造とすることで、トレンチピッチ(トレンチ15を配置する間隔)を狭くすることができる。また、エミッタ電極25は、後述するようにキャリア引き抜き領域5に延在している。エミッタ電極25は、層間絶縁膜21によりゲート電極17と電気的に絶縁されている。
エミッタ電極25は、アルミニウムを主成分とする例えばアルミニウムシリコン(Al-Si)電極である。半導体基板10の裏面の表面層には、活性領域1からエッジ終端領域2にわたって一様な厚さでp+型コレクタ領域19が設けられている。コレクタ電極(第2電極)28は、半導体基板10の裏面の裏面全面に設けられ、p+型コレクタ領域19に電気的に接続されている。
エッジ終端領域2は、活性領域1と半導体基板10の側面(チップ端部)との間の領域であり、活性領域1の周囲を囲むように配置される。エッジ終端領域2は、活性領域1からエッジ終端領域2に拡がる空乏層を拡大するように電界を調整し、素子全体の耐圧を保持する。耐圧とは、アバランシェ電流が発生する時の電圧である。エッジ終端領域2の幅w1は、例えば200μm~300μm以下程度であってもよい。
エッジ終端領域2には、耐圧構造30が設けられている。ここでは、耐圧構造30として、フィールドリミッティングリング31、フィールドプレート32、n+型ストッパー領域35およびストッパー電極37を設けた場合を例に説明するが、これに限らず、耐圧構造30は設計条件に応じて種々変更可能である。以下、エッジ終端領域2の、耐圧構造30が配置された部分を耐圧構造部3とする。
耐圧構造部3は、後述するp型ウェル領域(第4半導体領域)51の外側(チップ端部側)の端部からチップ端部までの領域である。フィールドリミッティングリング31は、フローティング(電位的に浮遊)のp型領域であり、耐圧構造部3において半導体基板10のおもて面の表面層に互いに離して複数設けられている。複数のフィールドリミッティングリング31は、p型ウェル領域51と離して設けられ、p型ウェル領域51の外周に沿った略矩形状にp型ウェル領域51の周囲を囲む。
また、耐圧構造部3において、半導体基板10のおもて面の表面層には、フィールドリミッティングリング31よりも外側に、フィールドリミッティングリング31と離して、n+型ストッパー領域35が選択的に設けられている。n+型ストッパー領域35は、略最も外側のフィールドリミッティングリング31の外周に沿った略矩形状に当該フィールドリミッティングリング31の周囲を囲む。n+型ストッパー領域35は、チップ端部に露出されている。
各フィールドリミッティングリング31上に、それぞれ互いに離して例えばポリシリコン(poly-Si)電極33が設けられていてもよい。ポリシリコン電極33は、例えば、ゲートランナー42を形成するために半導体基板10上に堆積したポリシリコン層の一部を残すことで形成されてもよい。ポリシリコン電極33およびn+型ストッパー領域35はそれぞれ層間絶縁膜21に覆われ、その一部が層間絶縁膜21に設けられた各コンタクトホールに露出されている。
耐圧構造部3において、層間絶縁膜21の各コンタクトホールの内部には、例えば、活性領域1のバリアメタル23およびコンタクトプラグ24と同様に、バリアメタルおよびコンタクトプラグが設けられていてもよい(バリアメタルおよびコンタクトプラグをまとめて符号34を付す)。耐圧構造部3のバリアメタルおよびコンタクトプラグは、それぞれ、例えば、活性領域1のバリアメタル23およびコンタクトプラグ24と同時に形成されてもよい。
各フィールドリミッティングリング31には、それぞれ、例えばポリシリコン電極33、バリアメタルおよびコンタクトプラグを介して、フローティングの金属膜であるフィールドプレート32が電気的に接続されている。各フィールドプレート32は、それぞれ自身が電気的に接続されたフィールドリミッティングリング31に沿って略矩形状にp型ウェル領域51の周囲を囲む。
+型ストッパー領域35には、バリアメタルおよびコンタクトプラグ(バリアメタルおよびコンタクトプラグをまとめて符号36を付す)を介してストッパー電極37が電気的に接続されている。ストッパー電極37は、フィールドプレート32と離して設けられ、コレクタ電極28の電位に固定されている。また、ストッパー電極37は、n+型ストッパー領域35と同様に略矩形状に最も外側のフィールドリミッティングリング31の周囲を囲む。
活性領域1と耐圧構造部3との間には、半導体基板10のおもて面上に、絶縁層41を介して、例えばポリシリコンからなるゲートランナー42が設けられている。ゲートランナー42には、すべてのMOSゲート20のゲート電極17が電気的に接続されている。
以下、エッジ終端領域2の、ゲートランナー42が配置された部分をゲートランナー部4とする。ゲートランナー部4は、ゲートランナー42の内側(活性領域1側)の端部からp型ウェル領域51の外側の端部までの領域である。
ゲートランナー42は、絶縁層41により半導体基板10と電気的に絶縁されている。
例えばMOSゲート20のゲート絶縁膜16の形成時に、ゲートランナー部4にゲート絶縁膜16を部分的に残して絶縁層41としてもよい。ゲートランナー42は、活性領域1の外周に沿った略矩形状に活性領域1の周囲を囲む。ゲートランナー42は、層間絶縁膜21により活性領域1のバリアメタル23、コンタクトプラグ24およびエミッタ電極25と電気的に絶縁されている。
また、ゲートランナー42は、ゲートランナー部4の層間絶縁膜21に設けられたコンタクトホール45に露出されている。ゲートランナー42を露出するコンタクトホール45には、例えば、活性領域1のバリアメタル23およびコンタクトプラグ24と同様に、バリアメタルおよびコンタクトプラグが設けられていてもよい(バリアメタルおよびコンタクトプラグをまとめて符号43を付す)。ゲートランナー部4のバリアメタルおよびコンタクトプラグは、それぞれ、例えば、活性領域1のバリアメタル23およびコンタクトプラグ24と同時に形成されてもよい。
ゲートランナー42には、バリアメタルおよびコンタクトプラグ(符号43で示す層)
を介して、ゲート電位のゲート金属配線44が電気的に接続されている。ゲート金属配線44は、エミッタ電極25と離して配置されている。図3には、ゲートランナー部4にゲートランナー42が電気的に接続するようにゲート金属配線44を配置した場合を示すが、ゲート金属配線44の配置は種々変更可能である。例えば、図1には図示省略するが、ゲート金属配線44は、活性領域1の周囲を囲むように配置されてもよい。
また、ゲートランナー42は、図示省略する部分で、ゲート電位のゲートパッド46(図3には不図示)に電気的に接続されている。ゲートパッド46は、例えば略矩形状の平面形状を有し、エミッタ電極25と離して配置されている(図1)。図1では、エミッタ電極25を図示省略する。また、図1には、ゲートパッド46を活性領域1からキャリア引き抜き領域5にまたがるように配置した場合を示すが、ゲートパッド46は、例えば、活性領域1の中心もしくは、活性領域1の端部に配置してもよいし、活性領域1のコーナー部に配置してもよい。
耐圧構造部3とゲートランナー部4との境界から、活性領域1とエッジ終端領域2との境界にわたって、半導体基板10のおもて面の表面層には、p型ウェル領域51が設けられている。p型ウェル領域51は、活性領域1において最も外側に配置されたトレンチ15の外側の側壁に接してもよい。また、p型ウェル領域51は、活性領域1において最も外側に配置されたトレンチ15の外側の側壁に接し、且つ最も外側に配置されたトレンチ15と隣り合うトレンチ15の間に設けられてもよい。p型ウェル領域51は、活性領域1の外周に沿った略矩形状に活性領域1の周囲を囲む。p型ウェル領域51とn-型ドリフト領域11とのpn接合は、IGBTのターンオフ時の電圧を活性領域1からエッジ終端領域2に伝達させる主接合部52である。
p型ウェル領域51の深さd3は、p型ベース領域12の深さd1よりも深い。また、p型ウェル領域51の深さd3は、トレンチ15の深さd2より深くてもよい。具体的には、p型ウェル領域51の深さd3は、最も深い部分で例えば3μm以上であることがよい。その理由は、ブリッジ回路を構成する2つのIGBTに本発明を適用し、当該2つのIGBTを交互にオン・オフさせることでモータなどの誘導負荷(L負荷)を可動させる場合に、誘導負荷(L負荷)のインダクタンス成分による後述するキャリア引き抜き領域5での電流集中を抑制することができるからである。
p型ウェル領域51の表面領域(半導体基板10のおもて面の表面層)には、活性領域1とゲートランナー部4との間のほぼ全面にわたって、p+型コンタクト領域53が設けられている(図4A,4B参照)。p+型コンタクト領域53は、活性領域1において最も外側に配置されたトレンチ15の外側の側壁に接する。p+型コンタクト領域53は、略矩形状(不図示)に活性領域1の周囲を囲む。p+型コンタクト領域53の深さd22は、例えば0.4μm~0.6μm程度と浅いことがよい。その理由は、次の通りである。
+型コンタクト領域53は、例えば、活性領域1のp+型コンタクト領域13と同時に形成される。この場合、p+型コンタクト領域53の深さd22は、活性領域1のp+型コンタクト領域13の深さd21とほぼ同じとなる。このため、p+型コンタクト領域53の深さd22を0.6μm超とした場合、活性領域1のp+型コンタクト領域13の深さd21も0.6μm超となる。これによって、p+型コンタクト領域53の深さに応じて活性領域1のp+型コンタクト領域13の深さが浅くなると、活性領域1のp+型コンタクト領域13で正孔電流の引き抜きが弱まり、上述したように活性領域1のラッチアップ耐量が低下する虞があるからである。
また、p+型コンタクト領域53の内部には、p++型表面インプラ領域は設けられていない。すなわち、活性領域1のp+型コンタクト領域13’の深さd21’を0.6μm超とすることで、p+型コンタクト領域53’の深さd22’が0.6μm超となる場合においても(図5)、活性領域1のp+型コンタクト領域13’の内部のみにp++型表面インプラ領域14が設けられる。このため、p+型コンタクト領域53’の深さd22の表面深濃度が下がるため、p+型コンタクト領域13’の抵抗が増し、ラッチアップ耐量が低下するが、さらに表面にp++型表面インプラ領域14を形成することで、p+型コンタクト領域13’とのコンタクト抵抗が低くなり、ラッチアップ耐量を確保することができる。一方、後述するようにキャリア引き抜き領域5のコンタクト50にp++型表面インプラ領域14を配置しなければ、コンタクト抵抗RaをRbよりも高くすることができる。
+型コンタクト領域53,53’に代えて、p型ウェル領域51の後述する各コンタクトホール(第2コンタクトホール)54に露出する部分のみに、それぞれp+型コンタクト領域63が設けられていてもよい(図6)。
層間絶縁膜21の、p+型コンタクト領域53に深さ方向Zに対向する部分には、p+型コンタクト領域53を選択的に露出する複数のコンタクトホール54が設けられている。複数のコンタクトホール54は、それぞれ層間絶縁膜21を深さ方向Zに貫通して半導体基板10のおもて面に達する。複数のコンタクトホール54は、活性領域1の外周に沿って延びるストライプ状のレイアウトに配置され、活性領域1の外周に沿った略矩形状に活性領域1の周囲を囲む。
これら各コンタクトホール54の内壁に沿って、活性領域1と同様に、活性領域1から延在するバリアメタル23が設けられている。そして、各コンタクトホール54の内部には、活性領域1と同様に、バリアメタル23上にコンタクトプラグ24が設けられている。コンタクトホール54の内部のバリアメタル23およびコンタクトプラグ24は、それぞれ、例えば、活性領域1のバリアメタル23およびコンタクトプラグ24と同時に形成される。コンタクトホール54の寸法は、活性領域1のコンタクトホール22と同じであってもよい。
具体的には、コンタクトホール54の深さd11は、例えば0.5μm~1μm程度であってもよい。コンタクトホール54の幅w11は、例えば、エッチングの加工限界の最小値である0.3μm以上で、かつコンタクトホール54の内部をコンタクトプラグ24でほぼ完全に埋め込み可能な1.0μm以下程度であることがよい。隣り合うコンタクトホール54間の幅w12は、コンタクトホール54の幅w11以上であってもよく、好ましくはコンタクトホール54の幅w11とほぼ同じであることがよい。
コンタクトホール54は、半導体基板10のおもて面に対して略垂直な側壁を有する略矩形状の断面形状を有していてもよい。また、コンタクトホール54は、半導体基板10のおもて面に対して所定角度に傾斜した側面を有し、エミッタ電極25との界面側の開口幅よりも底面の幅の狭い略テーパー状の断面形状を有していてもよい。コンタクトホール54が略テーパー状の断面形状を有する場合、コンタクトホール54の幅w11とは、エミッタ電極25との界面側の開口幅である。
p型ウェル領域51(p+型コンタクト領域53)中のシリコンと、バリアメタル23中のチタンと、の反応により、p+型コンタクト領域53とバリアメタル23との間にチタンシリサイド(TiSi2)膜が生成されている。すなわち、各コンタクトホール54には、それぞれp+型コンタクト領域53とバリアメタル23とのオーミック性のコンタクト50が形成されている。以下、エッジ終端領域2の、コンタクト50が配置された部分をキャリア引き抜き領域5とする。
キャリア引き抜き領域5は、活性領域1とゲートランナー部4との間の領域である。エミッタ電極25は、活性領域1から外側へ(例えばゲートランナー部4の層間絶縁膜21上にまで)延在し、キャリア引き抜き領域5のすべてのコンタクトホール54に埋め込まれている。エミッタ電極25は、キャリア引き抜き領域5の複数のコンタクトホール54の内部のコンタクトプラグ24およびバリアメタル23と、p+型コンタクト領域53と、を介してp型ウェル領域51に電気的に接続されている。
キャリア引き抜き領域5の各コンタクト50(コンタクトホール54)は、それぞれ、活性領域1の外周に沿った略矩形状に活性領域1の周囲を囲む。キャリア引き抜き領域5のコンタクト50は、IGBTのターンオフ時にエッジ終端領域2に発生する少数キャリアである正孔をエミッタ電極25へ引き抜く機能を有する。エッジ終端領域2において主接合部52を形成するp型ウェル領域51に、p型ウェル領域51からエミッタ電極25へ正孔を引き抜くためのコンタクト50を設けることで、エッジ終端領域2におけるキャリア引き抜き領域5への電流集中を抑制することができる。
キャリア引き抜き領域5のコンタクト50のコンタクト抵抗Ra(後述する図7参照)
は、従来構造(図10,11参照)のキャリア引き抜き領域105のコンタクト150のコンタクト抵抗Ra’よりも高くなっている(Ra>Ra’)。その理由は、次の通りである。従来構造では、シリコン(p型ウェル領域151)とのコンタクト150を形成するエミッタ電極122の主成分はアルミニウムである。本発明においては、アルミニウムと比べて、シリコン(p型ウェル領域51)とのコンタクト抵抗が高くなりやすいチタンを主成分とする金属膜(バリアメタル23)でキャリア引き抜き領域5のコンタクト50が形成されているからである。
また、本発明においては、p型ウェル領域51が層間絶縁膜21に部分的に覆われていることで、従来構造のキャリア引き抜き領域105のコンタクト150よりも表面積が小さくなっている。これにより、キャリア引き抜き領域5のコンタクト50のコンタクト抵抗Raを、さらに、従来構造のキャリア引き抜き領域105のコンタクト150のコンタクト抵抗Ra’よりも高くすることができる。具体的には、キャリア引き抜き領域5のコンタクト50のコンタクト抵抗Raは、従来構造のキャリア引き抜き領域105のコンタクト150のコンタクト抵抗Ra’の100倍超とすることがよい(Ra>100Ra’)。
また、キャリア引き抜き領域5のコンタクト50のコンタクト抵抗Raは、活性領域1のMOSゲート20のコンタクト27のコンタクト抵抗Rbよりも高くなっている(Ra>Rb)。このコンタクト抵抗Raの条件は、上述したように、活性領域1のp+型コンタクト領域13’の内部のみにp++型表面インプラ領域14を設け、p+型コンタクト領域53の内部にp++型表面インプラ領域を設けないことで得られる。また、このコンタクト抵抗Raの条件は、p型ウェル領域51を層間絶縁膜21で部分的に覆って、活性領域1のMOSゲート20のコンタクト27の表面積に対する、キャリア引き抜き領域5のコンタクト50の表面積の割合を調整することで得られる。
このようにキャリア引き抜き領域5のコンタクト50のコンタクト抵抗Raを設定することで、図7に示すように、IGBTのターンオフ時、エッジ終端領域2で発生して活性領域1側へ向かって流れる正孔電流70は、主に、n-型ドリフト領域11の、p型ウェル領域51の直下の部分(深さ方向Zに対向する部分)を通って活性領域1へと流れ込み、MOSゲート20のコンタクト27からエミッタ電極25へと引き抜かれる(符号71で示す白抜き矢印)。このため、正孔電流70は、活性領域1よりもコンタクト抵抗Raの高いキャリア引き抜き領域5のp型ウェル領域51には流れ込みにくい(符号72で示す符号71よりも細い白抜き矢印)。したがって、当該正孔電流70がp型ウェル領域51に電流集中することを防止することができる。
また、活性領域1は、エッジ終端領域2と比べて、チップ面積(半導体基板10の表面積)に対する占有面積が大きく、かつMOSゲート20のコンタクト27の個数も多い。
このため、活性領域1に流れ込んだ正孔電流72は、p型ウェル領域51の下からn-型ドリフト領域11の内部を流れるように、複数のコンタクト27へと分散されてエミッタ電極25へと引き抜かれる。これによって、正孔電流72がp型ウェル領域51に集中しないようにすることができ、且つ、活性領域1のコンタクト27に大部分の正孔電流を引き抜くことができるため、自己クランプ破壊が起きにくくなり、アバランシェ耐量を向上させることができる。
キャリア引き抜き領域5の幅w2は、例えば5μm以上100μm以下であることがよい。その理由は、次の通りである。キャリア引き抜き領域5の幅w2を狭くして、活性領域1がゲートランナー部4に近づけば、より正孔電流72を活性領域に引き抜くことができるからである。一方、キャリア引き抜き領域5の幅w2が100μmを超える場合、活性領域1に電流が流れにくくなり、大部分の正孔電流72がp型ウェル領域51のコンタクト27に集中するため、素子が破壊するからである。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、キャリア引き抜き領域に、p型ウェル領域の内部のp+型コンタクト領域を選択的に露出する複数のコンタクトホールを形成し、当該コンタクトホールの内部に、p+型コンタクト領域と、チタンを主成分とするバリアメタルと、の複数のコンタクトを形成する。かつ、活性領域のp型ベース領域にのみp++型表面インプラ領域が設けられ、キャリア引き抜き領域にはp++型表面インプラ領域が設けられていない。これによって、キャリア引き抜き領域のコンタクトのコンタクト抵抗を、活性領域のMOSゲートのコンタクトのコンタクト抵抗よりも高くすることができる。このため、IGBTのターンオフ時にエッジ終端領域で発生して活性領域側へ向かって流れる正孔電流を、主に活性領域のMOSゲートのコンタクトからエミッタ電極へ引き抜くことができる。これにより、IGBTのターンオフ時にエッジ終端領域で発生した正孔電流がキャリア引き抜き領域のp型ウェル領域に集中しないため、エッジ終端領域のアバランシェ耐量を向上させることができるため、素子全体のアバランシェ耐量を向上することができる。したがって、ブリッジ回路を構成する2つのIGBTがともにオンした状態になったときに、当該IGBTに流れる短絡電流を遮断したことで、当該IGBTが自己クランプしたとしても、エッジ終端領域(キャリア引き抜き領域)で破壊しないIGBTを得ることができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる半導体装置の構造について説明する。図8は、実施の形態2にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。活性領域1、耐圧構造部3、ゲートランナー部4およびキャリア引き抜き領域5を半導体基板10のおもて面側から見たレイアウトは実施の形態1(図1,2)と同様である。エッジ終端領域2の構成は、図3のエッジ終端領域2と同様である。図8は、図2の切断線B-B’における断面構造の一部であり、図3のキャリア引き抜き領域5を拡大して示している。図2の切断線C-C’における断面構造は、図4Bと同様である。
実施の形態2にかかる半導体装置が図5に示す実施の形態1にかかる半導体装置と異なる点は、エッジ終端領域2のp型ウェル領域51にp+型コンタクト領域を設けない点である。すなわち、活性領域1のp型ベース領域12にのみp+型コンタクト領域13’が設けられている。p+型コンタクト領域13’の内部に、p++型表面インプラ領域14が設けられていてもよい。キャリア引き抜き領域5のコンタクト50’は、p型ウェル領域51と、コンタクトホール54の内部のバリアメタル23とで形成される。
実施の形態2のようにエッジ終端領域2のp型ウェル領域51にp+型コンタクト領域を設けない構成を、図4,6に示す実施の形態1にかかる半導体装置に適用してもよい。
以上、説明したように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、実施の形態2によれば、キャリア引き抜き領域のp型ウェル領域にp+型コンタクト領域を設けないことで、キャリア引き抜き領域のp型ウェル領域にp+型コンタクト領域を設けた場合よりも、キャリア引き抜き領域のコンタクトのコンタクト抵抗を高くすることができる。したがって、キャリア引き抜き領域で正孔電流による電流集中をさらに抑制することができ、アバランシェ耐量を向上させることができる。
(実施例)
次に、上述した実施の形態にかかる半導体装置のアバランシェ耐量について検証した。
図9は、温度とアバランシェ耐量との関係を示す特性図である。図9の横軸は実施例(IGBT)の接合温度Tjであり、図9の縦軸は実施例に生じたアバランシェエネルギーである。
上述した実施の形態にかかる半導体装置の構造を備えたトレンチゲート型IGBTについて(以下、実施例とする)、p型ベース領域12とn-型ドリフト領域11とのpn接合の接合温度Tjを-40℃、25℃、125℃の範囲で変更し、アバランシェ耐量(許容されるアバランシェエネルギー[mJ])を測定した結果を図9に示す。図9には、従来のトレンチゲート型IGBT(以下、従来例とする:図10~12,19参照)のアバランシェ耐量も示す。
図9に示す実施例の結果より、接合温度Tjである-40℃から125℃の範囲において、従来例では例えば50mJより下回っていたアバランシェエネルギー値が、本発明の構造とすることで50mJより高くすることができ、大幅にアバランシェ耐量を向上させることができることが確認された。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3にかかる半導体装置の構造について説明する。図13は、実施の形態3にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。活性領域1、耐圧構造部3、ゲートランナー部4およびキャリア引き抜き領域5を半導体基板10のおもて面側から見たレイアウトは実施の形態1(図1,2)と同様である。エッジ終端領域2の構成は、図3のエッジ終端領域2と同様である。図13は、図2の切断線B-B’における断面構造の一部であり、活性領域1とキャリア引き抜き領域5との境界付近の構造を示している。図2の切断線C-C’における断面構造は、図4Bに後述するn型キャリア蓄積領域81を追加したものである。
実施の形態3にかかる半導体装置が実施の形態2にかかる半導体装置と異なる点は、活性領域1に、n-型ドリフト領域11よりも不純物濃度の高いn型キャリア蓄積領域81を設けた点である。n型キャリア蓄積領域81は、p型ベース領域12よりも半導体基板10のおもて面から深い位置で、かつトレンチ15の底面よりも半導体基板10のおもて面から浅い位置に、p型ベース領域12に接して設けられている。
具体的には、n型キャリア蓄積領域81は、隣り合うトレンチ15間(メサ領域)においてn-型ドリフト領域11とp型ベース領域12との間に設けられている。n型キャリア蓄積領域81は第2方向Yに延在し、当該n型キャリア蓄積領域81を配置したメサ領域を挟んで隣り合う両トレンチ15に達する。n型キャリア蓄積領域81は、例えば、すべてのメサ領域に設けられている。
また、n型キャリア蓄積領域81は、トレンチ15がストライプ状にが延びる第1方向Xにおいて、n+型エミッタ領域29よりも外側まで延在し、かつキャリア引き抜き領域5のp型ウェル領域51よりも内側で終端している。すなわち、n型キャリア蓄積領域81は、p型ウェル領域51に接していない。実施の形態3においては、p型ウェル領域51の深さd3は、トレンチ15の深さd2よりも深い。
p型ベース領域12の直下にn型キャリア蓄積領域81を配置することで、IGBT動作時に、n-型ドリフト領域11の、p型ベース領域12との境界付近の正孔密度を高くすることができる。これにより、IGBTのオン電圧を低減することができる。n型キャリア蓄積領域81は、互いに接する不純物濃度の異なる2つのn型領域を深さ方向Zに対向するように配置した2層構造であってもよい。
特に限定しないが、実施の形態3にかかる半導体装置の各部の不純物濃度は次の値をとる。n-型ドリフト領域11の不純物濃度は、1×1014/cm3以下程度である。例えば耐圧700V~750Vクラスである場合、n-型ドリフト領域11の不純物濃度は1×1014/cm3程度である。p型ベース領域12の不純物濃度は、1×1017/cm3程度である。キャリア引き抜き領域5のp型ウェル領域51の不純物濃度は、1×1018/cm3以上1×1019/cm3以下程度である。n型キャリア蓄積領域81の不純物濃度は、1×1016/cm3程度である。
以上、説明したように、実施の形態3によれば、活性領域にn型キャリア蓄積領域を設けた場合においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、実施の形態3によれば、活性領域のn型キャリア蓄積領域によってIGBTのオン電圧を低減させることができる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4にかかる半導体装置の構造について、第1方向Xに延びるストライプ状にトレンチ15を配置した場合を例に説明する。図14,15は、実施の形態4にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。図16は、実施の形態4にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。
活性領域1、耐圧構造部3、ゲートランナー部4およびキャリア引き抜き領域5を半導体基板10のおもて面側から見たレイアウトは実施の形態1(図1,2)と同様である。エッジ終端領域2の構成は、図3のエッジ終端領域2に後述する第2n型キャリア蓄積領域82を追加したものと同様である。実施の形態4において、図1の矩形枠Aの拡大図は図2であり、図1の矩形枠A’の拡大図は図16である。
図1の矩形枠Aは、活性領域1の周囲を囲むエッジ終端領域2のうち、活性領域1とエッジ終端領域2とが第2方向Yに隣接する部分である。図1の矩形枠A’は、活性領域1の周囲を囲むエッジ終端領域2のうち、活性領域1とエッジ終端領域2とが第1方向Xに隣接する部分である。図16には、活性領域1とエッジ終端領域2との境界付近からゲートランナー部4の一部にわたって示す。
図14は、図2の切断線B-B’における断面構造の一部であり、活性領域1とキャリア引き抜き領域5との境界付近の構造を示している。図2の切断線C-C’における断面構造は、図4Bに、実施の形態3と同様にn型キャリア蓄積領域81を追加し、かつ後述する第2n型キャリア蓄積領域82を追加したものである。図15には、図16の切断線D-D’における断面構造を示す。図15では、トレンチ15の端部の連結部15’の内部のゲート電極17を図示省略する。
実施の形態4にかかる半導体装置が実施の形態3にかかる半導体装置と異なる点は、活性領域1だけでなく、キャリア引き抜き領域5のp型ウェル領域51の内部にも第2n型キャリア蓄積領域82を設けた点である。第2n型キャリア蓄積領域82は、キャリア引き抜き領域5のp型ウェル領域51の内部を、半導体基板10のおもて面に平行な方向(第1,2方向X,Y)に内側から外側へ延在している。
第2n型キャリア蓄積領域82の内側の端部は、活性領域1とエッジ終端領域2との境界に位置し、第2方向Yにおいて最も外側に配置されたトレンチ15の外側の側壁に接している。第2n型キャリア蓄積領域82の外側の端部は、深さ方向Zにゲートランナー42と対向しない位置で終端している。第2n型キャリア蓄積領域82の外側の端部は、ゲートランナー部4とキャリア引き抜き領域5との境界まで延在していてもよい。
すなわち、第2n型キャリア蓄積領域82は、活性領域1とゲートランナー部4との間に配置される。第2n型キャリア蓄積領域82は、キャリア引き抜き領域5のコンタクト50から離れて配置され、当該コンタクト50に深さ方向に対向する。第2n型キャリア蓄積領域82は、キャリア引き抜き領域5においてp型ウェル領域51を、エミッタ側の部分とコレクタ側の部分とに分離する。
例えば、トレンチ15の端部が連結されてU字状または環状をなす場合、トレンチ15をゲートランナー部4まで延在させて、トレンチ15の端部の連結部15’をゲートランナー部4に配置する。これにより、第2n型キャリア蓄積領域82の外側の端部を、第1方向Xにおいて、ゲートランナー部4とキャリア引き抜き領域5との境界まで延在させることができる(図15,16)。
この場合、トレンチ15の端部の連結部15’全体がキャリア引き抜き領域5のp型ウェル領域51で覆われる。MOSゲートのp+型コンタクト領域13’およびp++型表面インプラ領域14を第1方向Xにキャリア引き抜き領域5の内部まで延在させる。かつ、キャリア引き抜き領域5においてp型ウェル領域51の内側の端部を、第1方向Xに活性領域1とキャリア引き抜き領域5との境界よりも外側に位置していてもよい(図16)。
図16には、第2方向Yに隣り合う複数のトレンチ15の、1つおきにトレンチ15の端部同士を連結し、この端部同士を連結したトレンチ15間に、端部を連結していないトレンチ15を配置した状態を示す。端部同士を連結したトレンチ15は、連結部15’でゲートランナー42を介してゲート金属配線44に電気的に接続されている。端部を連結していないトレンチ15は、端部でポリシリコン層47を介してゲート金属配線48に電気的に接続されている。
また、第2n型キャリア蓄積領域82は、例えば活性領域1のn型キャリア蓄積領域(以下、第1n型キャリア蓄積領域とする)81と同時に形成される。第2n型キャリア蓄積領域82は、第1n型キャリア蓄積領域81をキャリア引き抜き領域5のp型ウェル領域51の内部に延在させた部分である。すなわち、第2n型キャリア蓄積領域82は半導体基板10のおもて面から第1n型キャリア蓄積領域81と同じ深さであり、その厚さは第1n型キャリア蓄積領域81の厚さと同じである。
第1,2n型キャリア蓄積領域81,82は、例えば、半導体基板10のおもて面上にポリシリコン層によるゲートランナー42等を形成した後に形成される。一方、第1,2n型キャリア蓄積領域81,82をゲートランナー42等の形成前に形成する場合には、第2n型キャリア蓄積領域82は、p型ウェル領域51を第1,2方向X,Yに内側から外側へ貫通し、深さ方向にゲートランナー42に対向していてもよい。
実施の形態4においては、キャリア引き抜き領域5のp型ウェル領域51は、第2方向Yにおいて最も外側に配置されたトレンチ15の外側の側壁に接し、かつ第1方向Xに内側に活性領域1とエッジ終端領域2との境界にまで達していてもよい
以上、説明したように、実施の形態4によれば、キャリア引き抜き領域のp型ウェル領域に第2n型キャリア蓄積領域を設けることで、第2n型キャリア蓄積領域を設けない場合と比べてキャリア引き抜き領域のp型ウェル領域の抵抗を高くすることができる。これによって、実施の形態1~3と同様に、エッジ終端領域のアバランシェ耐量を向上させることができるため、素子全体のアバランシェ耐量を向上することができる。また、実施の形態4によれば、実施の形態1~3と同様に、活性領域のアバランシェ耐量で素子全体のアバランシェ耐量が決まるため、エッジ終端領域(キャリア引き抜き領域)で破壊しないIGBTを得ることができる。
例えば、エッジ終端領域のアバランシェ耐量で素子全体のアバランシェ耐量が決まる場合、IGBTのターンオフ時に保護素子のクランプ電圧を超えるサージ電圧が発生した瞬間にエッジ終端領域で素子破壊する。一方、活性領域のアバランシェ耐量で素子全体のアバランシェ耐量が決まる場合には、エッジ終端領域でのアバランシェ耐量が活性領域でのアバランシェ耐量よりも高いため、IGBTのターンオフ時に保護素子のクランプ電圧を超えるサージ電圧が発生したとしても、エッジ終端領域で素子破壊しない。
しかしながら、従来構造において、活性領域のアバランシェ耐量で素子全体のアバランシェ耐量が決まるようにするには、エッジ終端領域のアバランシェ耐量を高くするために、エッジ終端領域の長さが長くなることで、チップサイズが増大し、コスト増となる。また、上記特許文献1に記載のRC-IGBT(図19参照)では、キャリアを引き抜くための電極が存在しない境界領域203に第2n型キャリア蓄積領域222が配置されているため、境界領域203がキャリア引き抜き領域とならない。
それに対して、実施の形態4によれば、キャリアを引き抜くためのエミッタ電極が存在するキャリア引き抜き領域に第2n型キャリア蓄積領域が設けられている。これによって、IGBTのターンオフ時に保護素子のクランプ電圧を超えるサージ電圧が発生したときに、活性領域およびキャリア引き抜き領域の両方でキャリアをエミッタ電極へ引き抜くことができる。かつ、IGBTのターンオフ時に保護素子のクランプ電圧を超えるサージ電圧が発生したときに、エッジ終端領域と比べて活性領域でキャリアが引き抜かれる割合を増やすことができる。
このようにエッジ終端領域と比べて活性領域でキャリアが引き抜かれる割合を増やすことで、IGBTのターンオフ時に保護素子のクランプ電圧を超えるサージ電圧が発生したとしても、エッジ終端領域で素子破壊しない。したがって、キャリア引き抜き領域のp型ウェル領域に第2n型キャリア蓄積領域を設けることで、エッジ終端領域の長さを維持した状態で、エッジ終端領域でのアバランシェ耐量を活性領域でのアバランシェ耐量よりも高くすることができる。したがって、コストを増やすことなく、エッジ終端領域でのアバランシェ耐量を向上させることができる。
したがって、実施の形態4によれば、素子全体のアバランシェ耐量を向上することができる。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5にかかる半導体装置の構造について説明する。図17は、実施の形態5にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。活性領域1、耐圧構造部3、ゲートランナー部4およびキャリア引き抜き領域5を半導体基板10のおもて面側から見たレイアウトは実施の形態1(図1,2)と同様である。図17は、図2の切断線C-C’における断面構造の一部であり、活性領域1とキャリア引き抜き領域5との境界付近の構造を示している。図2の切断線B-B’における断面構造は図14と同様である。
実施の形態5にかかる半導体装置が実施の形態4にかかる半導体装置と異なる点は、すべてのメサ領域にn+型エミッタ領域29’を配置した点である。すなわち、n+型エミッタ領域29’は、第2方向Yに最も外側に配置されたメサ領域まで設けられている。このようにすべてのメサ領域にn+型エミッタ領域29’を配置することができる理由は、キャリア引き抜き領域5のp型ウェル領域51に第2n型キャリア蓄積領域82が配置されているからである。
キャリア引き抜き領域5のp型ウェル領域51に第2n型キャリア蓄積領域82が配置されていることで、活性領域1の、キャリア引き抜き領域5側のメサ領域のコンタクトをキャリア引き抜き領域5のコンタクト50と同様に機能させなくても、エッジ終端領域の所定のアバランシェ耐量を得ることができる。これによって、活性領域1のn+型エミッタ領域29を設けないメサ領域をなくして、チップサイズを小さくすることができる。または、すべてのメサ領域にn+型エミッタ領域29’を配置して、IGBTとして動作する面積を増やすことができる。
以上、説明したように、実施の形態5によれば、すべてのメサ領域にn+型エミッタ領域を配置した場合においても、実施の形態1~4と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6にかかる半導体装置の構造について説明する。図18は、実施の形態6にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。活性領域1、耐圧構造部3、ゲートランナー部4およびキャリア引き抜き領域5を半導体基板10のおもて面側から見たレイアウトは実施の形態1(図1,2)と同様である。実施の形態4と同様に、図1の矩形枠Aの拡大図は図2であり、図1の矩形枠A’の拡大図は図16である。
図18は、図2の切断線B-B’における断面構造の一部であり、活性領域1とキャリア引き抜き領域5との境界付近の構造を示している。図2の切断線C-C’における断面構造は、実施の形態4と同様に、図4Bに、第1n型キャリア蓄積領域81を追加し、かつ第2n型キャリア蓄積領域82を追加したものである。図16の切断線D-D’における断面構造は実施の形態4(図15)と同様である。
実施の形態6にかかる半導体装置が実施の形態3にかかる半導体装置と異なる点は、キャリア引き抜き領域5の第2n型キャリア蓄積領域82’が活性領域1の第1n型キャリア蓄積領域81よりも半導体基板10のおもて面に近い深さに配置されている点である。すなわち、キャリア引き抜き領域5の第2n型キャリア蓄積領域82’の深さは、半導体基板10のおもて面から、活性領域1の第1n型キャリア蓄積領域81の深さよりも浅い。
キャリア引き抜き領域5の第2n型キャリア蓄積領域82’がキャリア引き抜き領域5のコンタクト50に近づくほど、エッジ終端領域と比べて活性領域でキャリアが引き抜かれる割合を増やすことができる。実施の形態6においては、第2n型キャリア蓄積領域82’は、第1n型キャリア蓄積領域81と異なるタイミングで形成される。第2n型キャリア蓄積領域82’の厚さt12は、第1n型キャリア蓄積領域81の厚さt11と異なっていてもよい。
以上、説明したように、実施の形態6によれば、キャリア引き抜き領域の第2n型キャリア蓄積領域がキャリア引き抜き領域のコンタクトに近づけるほど、IGBTのターンオフ時にエッジ終端領域で発生して活性領域側へ向かって流れる正孔電流がキャリア引き抜き領域のコンタクトから引き抜かれにくくなる。これにより、エッジ終端領域と比べて活性領域でキャリアが引き抜かれる割合を増やすことができるため、実施の形態1~5と同様の効果をより得ることができる。
以上において本発明は、上述した各実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本発明は、IGBTに限らず、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属-酸化膜-半導体の3層構造からなる絶縁ゲートを備えたMOS型電界効果トランジスタ)や、IGBTと同一の半導体基板(半導体チップ)にダイオードを設けたRC-IGBT(Reverse Conducting-IGBT:逆導通型IGBT)にも適用可能である。
また、本発明は、キャリア引き抜き領域でのみ、半導体部(p+型コンタクト領域)と、チタンを主成分とするバリアメタルと、をオーミック接触させてコンタクトを形成し、活性領域においては、MOSゲートの半導体部(p+型コンタクト領域)と、アルミニウムを主成分とするエミッタ電極と、を直接接触させてオーミック接触を形成したコンタクトとしてもよい。また、本発明では、活性領域のMOSゲートを、トレンチゲート構造に代えて、プレーナゲート構造としてもよい。また、本発明は、導電型(n型、p型)を反転させても同様に成り立つ。
以上のように、本発明にかかる半導体装置は、活性領域と、活性領域の周囲を囲むエッジ終端領域と、を有し、電力変換装置などに用いられる電力用半導体装置に有用であり、特にトレンチゲート型IGBTに適している。
1 活性領域
2 エッジ終端領域
3 耐圧構造部
4 ゲートランナー部
5 キャリア引き抜き領域
10 半導体基板
11 n-型ドリフト領域
12 MOSゲートのp型ベース領域
13,13’,61 MOSゲートのp+型コンタクト領域
14,62 MOSゲートのp++型表面インプラ領域
15 MOSゲートのトレンチ
15’ MOSゲートのトレンチの連結部
16 MOSゲートのゲート絶縁膜
17 MOSゲートのゲート電極
18 n型フィールドストップ領域
19 p+型コレクタ領域
20 MOSゲート
21 層間絶縁膜
22 活性領域のコンタクトホール
23 バリアメタル
24 コンタクトプラグ
25 エミッタ電極
26 ポリイミド保護膜
27 MOSゲートのコンタクト
28 コレクタ電極
29,29’ n+型エミッタ領域
30 耐圧構造
31 フィールドリミッティングリング
32 フィールドプレート
33 ポリシリコン電極
34,36,43 バリアメタルおよびコンタクトプラグ
35 n+型ストッパー領域
37 ストッパー電極
41 絶縁層
42 ゲートランナー
44 ゲート金属配線
45 コンタクトホール
46 ゲートパッド
50,50’ キャリア引き抜き領域のコンタクト
51 キャリア引き抜き領域のp型ウェル領域
52 主接合部
53,53’,63 キャリア引き抜き領域のp+型コンタクト領域
54 キャリア引き抜き領域のコンタクトホール
70~72 正孔電流
81 活性領域のn型キャリア蓄積領域(第1n型キャリア蓄積領域)
82,82’ キャリア引き抜き領域のn型キャリア蓄積領域(第2n型キャリア蓄積領域)
d1 MOSゲートのp型ベース領域の深さ
d2 MOSゲートのトレンチの深さ
d3 キャリア引き抜き領域のp型ウェル領域の深さ
d11 キャリア引き抜き領域のコンタクトホールの深さ
d21,d21’ 活性領域のp+型コンタクト領域の深さ
d22,d22’ キャリア引き抜き領域のp+型コンタクト領域の深さ
Ra キャリア引き抜き領域のコンタクトのコンタクト抵抗
Rb 活性領域のMOSゲートのコンタクト抵抗
t1 半導体基板の厚さ
t11 活性領域のn型キャリア蓄積領域の厚さ
t12 キャリア引き抜き領域のn型キャリア蓄積領域の厚さ
w1 エッジ終端領域の幅
w2 キャリア引き抜き領域の幅
w11 キャリア引き抜き領域のコンタクトホールの幅
w12 キャリア引き抜き領域の隣り合うコンタクトホール間の幅

Claims (17)

  1. 第1導電型の半導体基板に設けられた、主電流が流れる活性領域と、
    前記活性領域の周囲を囲む終端領域と、
    前記活性領域において、前記半導体基板の第1主面側の表面層に設けられた第2導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域の内部に選択的に設けられた第1導電型の第2半導体領域と、
    前記第1半導体領域の内部に選択的に設けられた、前記第1半導体領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第3半導体領域と、
    前記終端領域において、前記半導体基板の第1主面側の表面層に選択的に設けられた第2導電型の第4半導体領域と、
    前記半導体基板の、前記第1半導体領域および前記第4半導体領域以外の領域である第1導電型の第5半導体領域と、
    前記第1半導体領域の、前記第5半導体領域と前記第2半導体領域の間の領域に接して設けられたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第1半導体領域の反対側に設けられたゲート電極と、
    前記半導体基板の第1主面上に設けられ、前記第2半導体領域、前記第3半導体領域、
    前記第4半導体領域および前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜に開口され、前記第2半導体領域および前記第3半導体領域を露出する第1コンタクトホールと、
    前記層間絶縁膜に開口され、それぞれ前記第4半導体領域を選択的に露出する複数の第2コンタクトホールと、
    前記第2コンタクトホールの内壁に沿って設けられ前記半導体基板とオーミック接触する第1金属膜と、
    前記第2コンタクトホールの内部において前記第1金属膜の上に埋め込まれた第2金属膜と、
    前記層間絶縁膜の上に設けられ、前記第1コンタクトホールにおいて前記第2半導体領域および前記第3半導体領域を介して前記第1半導体領域に電気的に接続され、かつ前記第2コンタクトホールにおいて前記第2金属膜および前記第1金属膜を介して前記第4半導体領域に電気的に接続された第1電極と、
    前記半導体基板の第2主面に設けられた第2電極と、
    前記終端領域において、前記半導体基板の第1主面上に絶縁層を介して設けられ、深さ方向に前記絶縁層を挟んで前記第4半導体領域と対向する、前記ゲート電極が電気的に接続されたゲートランナーと、
    を備え
    複数の前記第2コンタクトホールは、前記活性領域と前記終端領域との境界から前記ゲートランナーまでの間に設けられており、
    前記活性領域と前記終端領域との境界から前記ゲートランナーまでの間の距離は、5μm以上であることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第4半導体領域の内部に選択的に設けられた、前記第4半導体領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第6半導体領域をさらに備え、
    前記第1電極は、前記第2コンタクトホールにおいて前記第2金属膜、前記第1金属膜および前記第6半導体領域を介して前記第4半導体領域に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第3半導体領域の内部に選択的に設けられた、前記第3半導体領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第7半導体領域をさらに備え、
    前記第1電極は、前記第1コンタクトホールにおいて前記第7半導体領域および前記第3半導体領域を介して前記第1半導体領域に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1半導体領域は、前記半導体基板の第1主面と前記第5半導体領域との間に設けられ、
    前記第3半導体領域は、前記半導体基板の第1主面と前記第1半導体領域との間に設けられ、
    前記第7半導体領域は、前記半導体基板の第1主面と前記第3半導体領域との間に設けられ、
    前記第3半導体領域および前記第7半導体領域は、前記第5半導体領域に接していないことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記第4半導体領域は、前記活性領域の外周に沿って前記活性領域の周囲を囲み、
    複数の前記第2コンタクトホールは、前記活性領域の外周に沿って延びるストライプ状のレイアウトに配置され、前記活性領域の周囲を囲むことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の半導体装置。
  6. 前記第2コンタクトホールの幅は、0.3μm以上1.0μm以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の半導体装置。
  7. 隣り合う前記第2コンタクトホールの間の幅は、前記第2コンタクトホールの幅と同じであることを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の半導体装置。
  8. 前記第1電極は、前記第2半導体領域および前記第3半導体領域にオーミック接触していることを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載の半導体装置。
  9. 前記第1金属膜は、前記第1コンタクトホールの内壁に沿って設けられ、
    前記第2金属膜は、前記第1コンタクトホールの内部において前記第1金属膜の上に埋め込まれていることを特徴とする請求項1~8のいずれか一つに記載の半導体装置。
  10. 前記第1金属膜は、チタンを主成分とすることを特徴とする請求項1~9のいずれか一つに記載の半導体装置。
  11. 前記第2金属膜は、タングステンを主成分とすることを特徴とする請求項1~10のいずれか一つに記載の半導体装置。
  12. 前記第1半導体領域の上面から前記第5半導体領域に達するトレンチをさらに備え、
    前記ゲート絶縁膜は、前記トレンチの内壁に沿って設けられ、
    前記ゲート電極は、前記トレンチの内部において前記ゲート絶縁膜の内側に埋め込まれていることを特徴とする請求項1~11のいずれか一つに記載の半導体装置。
  13. 第1導電型の半導体基板に設けられた、主電流が流れる活性領域と、
    前記活性領域の周囲を囲む終端領域と、
    前記活性領域において、前記半導体基板の第1主面側の表面層に設けられた第2導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域の内部に選択的に設けられた第1導電型の第2半導体領域と、
    前記第1半導体領域の内部に選択的に設けられた、前記第1半導体領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第3半導体領域と、
    前記終端領域において、前記半導体基板の第1主面側の表面層に選択的に設けられた第2導電型の第4半導体領域と、
    前記半導体基板の、前記第1半導体領域および前記第4半導体領域以外の領域である第1導電型の第5半導体領域と、
    前記第1半導体領域の、前記第5半導体領域と前記第2半導体領域の間の領域に接して設けられたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第1半導体領域の反対側に設けられたゲート電極と、
    前記半導体基板の第1主面上に設けられ、前記第2半導体領域、前記第3半導体領域、
    前記第4半導体領域および前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜に開口され、前記第2半導体領域および前記第3半導体領域を露出する第1コンタクトホールと、
    前記層間絶縁膜に開口され、それぞれ前記第4半導体領域を選択的に露出する複数の第2コンタクトホールと、
    前記第2コンタクトホールの内壁に沿って設けられ、前記半導体基板とオーミック接触する第1金属膜と、
    前記第2コンタクトホールの内部において前記第1金属膜の上に埋め込まれた第2金属膜と、
    前記層間絶縁膜の上に設けられ、前記第1コンタクトホールにおいて前記第2半導体領域および前記第3半導体領域を介して前記第1半導体領域に電気的に接続され、かつ前記第2コンタクトホールにおいて前記第2金属膜および前記第1金属膜を介して前記第4半導体領域に電気的に接続された第1電極と、
    前記半導体基板の第2主面に設けられた第2電極と、
    前記第1半導体領域と前記第5半導体領域との間に設けられた、前記第5半導体領域よりも不純物濃度の高い第1導電型の第8半導体領域と、
    前記第4半導体領域の内部に、前記半導体基板の第1主面から離れて設けられ、深さ方向に前記第2コンタクトホールに対向する、前記第5半導体領域よりも不純物濃度の高い第1導電型の第9半導体領域と、
    前記終端領域において、前記半導体基板の第1主面上に絶縁層を介して設けられ、深さ方向に前記絶縁層を挟んで前記第4半導体領域と対向する、前記ゲート電極が電気的に接続されたゲートランナーと、
    を備え、
    前記第9半導体領域は、前記活性領域側から前記ゲートランナー側へ延在し、前記ゲートランナーよりも前記活性領域側で終端していることを特徴とする半導体装置。
  14. 前記第9半導体領域は、前記半導体基板の第1主面から前記第8半導体領域と同じ深さに位置することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
  15. 前記第9半導体領域は、前記半導体基板の第1主面から前記第8半導体領域よりも浅い深さに位置することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
  16. 第1導電型の半導体基板に設けられた、主電流が流れる活性領域と、
    前記活性領域の周囲を囲む終端領域と、
    前記活性領域において、前記半導体基板の第1主面側の表面層に設けられた第2導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域の内部に選択的に設けられた第1導電型の第2半導体領域と、
    前記第1半導体領域の内部に選択的に設けられた、前記第1半導体領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第3半導体領域と、
    前記終端領域において、前記半導体基板の第1主面側の表面層に選択的に設けられた第2導電型の第4半導体領域と、
    前記半導体基板の、前記第1半導体領域および前記第4半導体領域以外の領域である第1導電型の第5半導体領域と、
    前記第1半導体領域の、前記第5半導体領域と前記第2半導体領域の間の領域に接して設けられたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第1半導体領域の反対側に設けられたゲート電極と、
    前記半導体基板の第1主面上に設けられ、前記第2半導体領域、前記第3半導体領域、
    前記第4半導体領域および前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜に開口され、前記第2半導体領域および前記第3半導体領域を露出する第1コンタクトホールと、
    前記層間絶縁膜に開口され、それぞれ前記第4半導体領域を選択的に露出する複数の第2コンタクトホールと、
    前記第2コンタクトホールの内壁に沿って設けられ、前記半導体基板とオーミック接触する第1金属膜と、
    前記第2コンタクトホールの内部において前記第1金属膜の上に埋め込まれた第2金属膜と、
    前記層間絶縁膜の上に設けられ、前記第1コンタクトホールにおいて前記第2半導体領域および前記第3半導体領域を介して前記第1半導体領域に電気的に接続され、かつ前記第2コンタクトホールにおいて前記第2金属膜および前記第1金属膜を介して前記第4半導体領域に電気的に接続された第1電極と、
    前記半導体基板の第2主面に設けられた第2電極と、
    前記第1半導体領域と前記第5半導体領域との間に設けられた、前記第5半導体領域よりも不純物濃度の高い第1導電型の第8半導体領域と、
    前記第4半導体領域の内部に、前記半導体基板の第1主面から離れて設けられ、深さ方向に前記第2コンタクトホールに対向する、前記第5半導体領域よりも不純物濃度の高い第1導電型の第9半導体領域と、
    を備え、
    前記第9半導体領域は、前記半導体基板の第1主面から前記第8半導体領域よりも浅い深さに位置することを特徴とする半導体装置。
  17. 前記第1半導体領域の上面から前記第5半導体領域に達するトレンチをさらに備え、
    前記ゲート絶縁膜は、前記トレンチの内壁に沿って設けられ、
    前記ゲート電極は、前記トレンチの内部において前記ゲート絶縁膜の内側に埋め込まれ、
    前記トレンチは、前記半導体基板の第1主面に平行な方向に延びるストライプ状に配置され、
    すべての隣り合う前記トレンチ間に前記第2半導体領域が設けられていることを特徴とする請求項13~16のいずれか一つに記載の半導体装置。
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