JP7026895B2 - 仔牛の増体促進法 - Google Patents
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Description
ここで、飼料中の栄養濃度を高めるため、易消化性の炭水化物(デンプン)を多く含む濃厚飼料を粗飼料に配合することが一般に行われている。乳用家畜の乳量を維持し、或いは、肉用家畜の増体を維持するためは、飼料摂取量をも増加させる必要があるが、乳量の増加や体格の増強にともなうエネルギー要求量の増加率は、摂取飼料量の増加率を超えるためである。ところが、濃厚飼料中のデンプンなどの炭水化物は、ルーメンのpHを急激に低下させることがあり、結果としてルーメンアシドーシスが発生することがある。ルーメンアシドーシスとは、反芻動物の疾病の一種であり、炭水化物に富む穀物、濃厚飼料、果実類などを急激に摂取することにより引き起こされる。ルーメンアシドーシスにおいては、ルーメン内において、グラム陽性乳酸生成菌、特にStreptcoccus bovisおよびLactobacillus属微生物が増加し、乳酸あるいは揮発性脂肪酸(VFA:Volatile Fatty Acid)の異常な蓄積が生じ、ルーメン内のpHが低下する(pH5以下)。その結果、ルーメン内のプロトゾア(原生動物)、及びある種の細菌の減少あるいは消滅を引き起こす。特に急性アシドーシスは、ルーメンの鬱血や脱水症(胃内容浸透圧の上昇に伴い体液が大量に胃内に移動)、さらには昏睡や死をもたらすため、極めて危険である。
(1) 1~30重量%の木材パルプを含む配合飼料を生後満8ヶ月までの仔牛に給与することを含む、仔牛の体重増加を促進する方法。
(2) 前記配合飼料を生後3~7日から仔牛に給与する、(1)に記載の方法。
(3) 前記仔牛が、舎飼仔牛である、(1)に記載の方法。
(4) 生後3~7週齢において、血中のトリグリセリド濃度が20mg/dl以下、総コレステロール濃度が140mg/dl以上である、(1)~(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 前記仔牛が、生後満2ヶ月以上6ヶ月以下の放牧仔牛である、(1)に記載の方法。
(6) 飼料の木材パルプ含有率が2~25重量%である、(1)~(5)のいずれかに記載の方法。
(7) 木材パルプがクラフトパルプである、(1)~(6)のいずれかに記載の方法。
(8) 木材パルプのカッパー価が5以上である、(1)~(7)のいずれかに記載の方法。
(9) 木材パルプが酸素脱リグニン処理したパルプである、(1)~(8)のいずれかに記載の方法。
(10) 前記配合飼料と可消化養分総量が同じである、木材パルプを含まない飼料を摂取させた場合と比較して、木材パルプを含有する前記配合飼料を摂取させた時期のデイリーゲイン(1日あたりの体重増加)が50g/日以上増大する、(1)~(9)のいずれかに記載の方法。
木材チップからクラフトパルプを製造する場合、木材チップは蒸解液と共に蒸解釜へ投入され、クラフト蒸解に供する。また、MCC、EMCC、ITC、Lo-solidなどの修正クラフト法の蒸解に供しても良い。また、1ベッセル液相型、1ベッセル気相/液相型、2ベッセル液相/気相型、2ベッセル液相型などの蒸解型式なども特に限定はない。すなわち、本願のアルカリ性水溶液を含浸し、これを保持する工程は、従来の蒸解液の浸透処理を目的とした装置や部位とは別個に設置してもよい。好ましくは、蒸解を終えた未晒パルプは蒸解液を抽出後、ディフュージョンウォッシャーなどの洗浄装置で洗浄する。木材チップと薬液の液比は、例えば、1.0~5.0L/kgとすることができ、1.5~4.5L/kgが好ましく、2.0~4.0L/kgがさらに好ましい。
[式中、Tはある時点の絶対温度を表す]
本発明においては、蒸解後得られた未漂白(未晒)パルプは、必要に応じて、種々の処理に供することができる。例えば、クラフト蒸解後に得られた未漂白パルプに対して、漂白処理を行うことができる。
本発明の飼料は、木材パルプを他の飼料と併せて調製すればよく、調製した配合飼料を反芻動物に給与することができる。他の飼料成分としては、粗飼料(例えば牧草)、濃厚飼料(例えばトウモロコシ、麦などの穀類、大豆などの豆類)、ふすま、米糠、おから、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルなどや添加剤(保存料、着色料、香料等)、等が挙げられる。
本発明の飼料は、上述した原料の他に、呈味料、ミネラル、ビタミン、有機ミネラル、牧草、イネ科の植物の飼料原料、結晶アミノ酸、油脂、脂肪酸、脂肪酸カルシウム、吸着材、鉱物、植物抽出物、発酵物、着香料、有機酸、抗生物質、動物質性飼料、微生物成分、漢方薬、酵素剤、オリゴ糖、木質系飼料、粘結剤、他の植物体加工副産物などを含んでもよい。
本発明の反芻動物用飼料は、水分含有率を15%以下とすることが好ましい。水分含有率を15%以下とすることで、運搬性が向上し、微生物による腐敗を軽減できる。飼料の水分含有率は、例えば、1質量%以上としてもよく、5質量%以上に調整してもよい。
国内広葉樹材のチップを活性アルカリ添加率16.0%、硫化度25%、Hファクター800にてクラフト蒸解を行い、未晒クラフトパルプを得た(カッパー価:18.2、ISO白色度:29.0%)。
対照区と試験区で用いる飼料を調製した。試験区(パルプ給与区)の飼料は、広葉樹酸素脱リグニンクラフトパルプ(LOKP)をTDN基準で10%含むものである。試験区および対照区の飼料は、いずれも、可消化養分総量がほぼ同一になるように設計した(TDN:約72.5%)。
・若齢牛育成用飼料(雪印種苗製、Yグロアー、TDN72.5%以上、CP15.5%以上)
・広葉樹酸素脱リグニンクラフトパルプ(TDN50.6%、CP0.2%、水分率47.1%)
具体的には、月齢2ヶ月に達した仔牛に、調製した飼料を、1頭あたり0.5kg/日の量で給与し、4週間で2.0kg/日まで漸増させた。飼料給与から4週後に離乳し、仔牛のみを供試圃場(84a、寒地型牧草地、ケンタッキーブルーグラス優占)に入牧させた。離乳後は、配合飼料を2.0kg/日の量で給与した。
舎飼仔牛に対する給餌試験を早期離乳方式で行った(対照区10頭、試験区8頭)。具体的には、産後3~7日から生乳と離乳用配合飼料との組み合わせ給与により、生後4~9週齢で早期に離乳させ、その後は固形飼料の給与に切り替えて、仔牛を育成した。離乳は、配合飼料の給与量が1kg/日に到達したときを基準とした。
・離乳前:生時体重の12%量の生乳を給与し、加えて配合飼料を飽食させた。
・離乳後:日本飼養標準(乳牛、2006年版)に基づいて、デイリーゲインが1kg/日となるために必要なエネルギーを試算し、その75%を配合飼料の制限給与、残りはチモシー乾草(カナダ産、全酪連東京支社より購入、出穂期1番)の飽食によって与えた。
・飼料ペレット(全国酪農飼料、特注品、TDN69.8%、CP24.1%、水分率16%)
・トウモロコシ(福玉米穀麦、加熱圧ぺんとうもろこし、TDN69.8%、CP24.1%、水分率14.5%)
・大豆粕(昭和産業、脱脂大豆、TDN76.8%、CP45%、水分率11.8%)
・広葉樹酸素脱リグニンクラフトパルプペレット(TDN78.3%、CP0%、水分率12%)
実験1で得られた広葉樹酸素脱リグニンクラフトパルプを水道水で洗浄した後、スクリュープレス(SHX-200型、富国工業製)で脱水し、水分率を29.9%に調整した。リングダイ式小型ペレタイザー(カリフォルニアペレットミル製、モーター容量30kw)でΦ4.8mm、有効厚32mmのダイにて処理し、送風乾燥機にて水分率を12%に調製して、広葉樹酸素脱リグニンクラフトパルプペレットを製造した。
一日あたりの体重増加を示すデイリーゲイン(DG)を測定した。デイリーゲインの測定では、生時体重、離乳時体重、終了時体重を用いた。
血液中の総コレステロールおよびトリグリセリドを測定した。具体的には、自動分析試薬(和光純薬工業社製)を用い、日立7020形自動分析装置によって測定した。
Claims (8)
- 1~30重量%の木材クラフトパルプを含む配合飼料を生後満8ヶ月までの仔牛に給与することを含む、仔牛の体重増加を促進する方法であって、
木材クラフトパルプを含有する配合飼料を摂取させた場合のデイリーゲイン(1日あたりの体重増加)が、木材クラフトパルプを含まないが可消化養分総量が同じである飼料を摂取させた場合と比較して50g/日以上増大する、上記方法。 - 前記配合飼料を生後3~7日から仔牛に給与する、請求項1に記載の方法。
- 前記仔牛が、舎飼仔牛である、請求項1に記載の方法。
- 生後3~7週齢において、血中のトリグリセリド濃度が20mg/dl以下、総コレステロール濃度が140mg/dl以上である、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
- 前記仔牛が、生後満2ヶ月以上6ヶ月以下の放牧仔牛である、請求項1に記載の方法。
- 飼料の木材クラフトパルプ含有率が2~25重量%である、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
- 木材クラフトパルプのカッパー価が5以上である、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
- 木材クラフトパルプが酸素脱リグニン処理したパルプである、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
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