JP2019041665A - 反芻動物から排出される糞便の臭気低減方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、反芻動物から排出される糞便中の臭気を低減する技術を提供することである。
【解決手段】本発明に基づいて、5〜50質量%の機械パルプを飼料に配合することによって、反芻動物から排出される糞便中の臭気を低減することが可能になる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に基づいて、5〜50質量%の機械パルプを飼料に配合することによって、反芻動物から排出される糞便中の臭気を低減することが可能になる。
【選択図】なし
Description
本発明は、反芻動物の飼育方法などに関する。特に本発明は、反芻動物から排出される糞便について、その臭気を低減する技術に関する。
一般に、牧畜分野においては、家畜の乳量の増加や増体重などを目的に、栄養価の高い濃厚飼料が、牧草などの粗飼料とともに使用されることが多い。
濃厚飼料は、トウモロコシ、麦類、大豆などの易消化性炭水化物(デンプンなど)を多く含む一方、粗飼料は、牧草を乾燥した干草(乾草、わら類)や、青刈りした牧草を発酵させたもの(サイレージ化したもの)などを主とする。
反芻動物が粗飼料を摂取し消化することが可能であるのは、ルーメン(第一胃)を有するためである。ルーメンは、反芻動物が有する複数の胃のうち最大の容積を占め、粗飼料中のセルロースやヘミセルロースなどの難消化性の多糖類を分解(ルーメン発酵)し得る微生物群(ルーメン微生物)が豊富に含まれている。
さらに、粗飼料は、牧草の収穫量や作柄により影響を受けやすく、供給量が不安定である。特にわが国では粗飼料の約20%を輸入に頼っているため、概して価格変動が大きく、また、輸出国の諸事情により輸入困難になる場合もあり、牧場経営を圧迫する場合がある。
このため、牧草に代替でき、且つ安定的に入手可能な反芻動物用飼料が望まれている。
ここで、飼料中の栄養濃度を高めるため、易消化性の炭水化物(デンプン)を多く含む濃厚飼料を粗飼料に配合することが一般に行われている。乳用家畜の乳量を維持し、或いは、肉用家畜の増体を維持するためは、飼料摂取量をも増加させる必要があるが、乳量の増加や体格の増強にともなうエネルギー要求量の増加率は、摂取飼料量の増加率を超えるためである。ところが、濃厚飼料中のデンプンなどの炭水化物は、第一胃(ルーメン)のpHを急激に低下させることがあり、結果としてルーメンアシドーシスが発生することがある。ルーメンアシドーシスとは、反芻動物の疾病の一種であり、炭水化物に富む穀物、濃厚飼料、果実類などを急激に摂取することにより引き起こされる。ルーメンアシドーシスにおいては、ルーメン内において、グラム陽性乳酸生成菌、特にStreptcoccus bovisおよびLactobacillus属微生物が増加し、乳酸あるいは揮発性脂肪酸(VFA:Volatile Fatty Acid)の異常な蓄積が生じ、ルーメン内のpHが低下する(pH5以下)。その結果、ルーメン内のプロトゾア(原生動物)、及びある種の細菌の減少あるいは消滅を引き起こす。特に急性アシドーシスは、ルーメンの鬱血や脱水症(胃内容浸透圧の上昇に伴い体液が大量に胃内に移動)、さらには昏睡や死をもたらすため、極めて危険である。
ここで、飼料中の栄養濃度を高めるため、易消化性の炭水化物(デンプン)を多く含む濃厚飼料を粗飼料に配合することが一般に行われている。乳用家畜の乳量を維持し、或いは、肉用家畜の増体を維持するためは、飼料摂取量をも増加させる必要があるが、乳量の増加や体格の増強にともなうエネルギー要求量の増加率は、摂取飼料量の増加率を超えるためである。ところが、濃厚飼料中のデンプンなどの炭水化物は、第一胃(ルーメン)のpHを急激に低下させることがあり、結果としてルーメンアシドーシスが発生することがある。ルーメンアシドーシスとは、反芻動物の疾病の一種であり、炭水化物に富む穀物、濃厚飼料、果実類などを急激に摂取することにより引き起こされる。ルーメンアシドーシスにおいては、ルーメン内において、グラム陽性乳酸生成菌、特にStreptcoccus bovisおよびLactobacillus属微生物が増加し、乳酸あるいは揮発性脂肪酸(VFA:Volatile Fatty Acid)の異常な蓄積が生じ、ルーメン内のpHが低下する(pH5以下)。その結果、ルーメン内のプロトゾア(原生動物)、及びある種の細菌の減少あるいは消滅を引き起こす。特に急性アシドーシスは、ルーメンの鬱血や脱水症(胃内容浸透圧の上昇に伴い体液が大量に胃内に移動)、さらには昏睡や死をもたらすため、極めて危険である。
ルーメンアシドーシスの予防には、飼料配合の急激な変化を避け、ルーメン発酵を安定化させ、pHの変動を少なくすることが重要である。また、唾液に含まれる重曹はpH調節に寄与するため、十分な反芻によって唾液の分泌が促される飼料を給与することが重要である。
ルーメンアシドーシスを予防する飼料として、特許文献1には、セルロースおよび/またはヘミセルロースを80%以上含有する木材パルプを含む反芻動物用飼料が開示されている。特許文献1の反芻動物用飼料は発酵が緩やかであるため、ルーメン内で急激なpHの低下が起こらずルーメンアシドーシスを予防するものであるが、反芻によってpHを安定化させる唾液の分泌を促すかは記載されていない。特許文献2には、目開き0.2mmのスクリーンを通過しない粗大な繊維である粕を0.5重量%以上混合することで消化率が良く、かつ反芻を促す可能性がある飼料である旨が記載されているが、具体的に反芻を促進する効果を明記しておらず、さらに反芻を促す効果は、木材繊維(パルプ)の成分によるものでなく、飼料片の大きさにあると推測している。
さらに、特許文献3には、中性デタージェンド繊維、デンプン及びりんごジュース粕を含む飼料をルーメンが未発達な仔牛に与えることにより、ルーメンアシドーシスを緩和して糞便性状を改善することが開示されている。
一方、牛、羊などの反芻動物から排出される糞便から発生する臭気は問題となっている。特に、反芻動物に濃厚飼料を与えた場合、排出される糞便は臭気が高くなる。そのため、反芻動物の糞は、堆肥化等によって臭気の低減を行う必要があるが、多くのコストを要してしまう。特に環境温度が高い夏季には、糞便の臭気が通常よりも高くなり、害虫が発生するなど、衛生面での問題も生じる。特許文献4には、アミノ酸を添加した低蛋白質飼料に果実ジュース粕又はビートパルプの乾燥物を添加した動物用糞尿臭消臭用飼料が記載されている。
牛、羊などの反芻動物から排出される糞から発生する臭気は問題となっている。特に、反芻動物に濃厚飼料を与えた場合、排出される糞は臭気が高くなる。そのため、反芻動物の糞は、堆肥化等によって臭気の低減を行う必要があるが、そのため多くのコストを要する。特に環境温度が高い夏季には、糞の臭気が通常よりも高くなり、害虫が発生するなど、衛生面での問題も生じる。
そこで本発明の課題は、反芻動物から排出される糞便の臭気を低減させる技術を開発することである。
上記課題について鋭意検討したところ、本発明者らは、5〜50質量%の機械パルプを配合した飼料を反芻動物に摂取させることによって糞便中の臭気を低減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
以下に限定されるものではないが、本発明は下記の態様を包含する。
(1) 反芻動物から排出される糞便中の臭気を低減する方法であって、5〜50質量%の機械パルプを含有する飼料を反芻動物に摂取させることを含む、上記方法。
(2) 機械パルプが、サーモメカニカルパルプおよび/またはケミサーモメカニカルパルプを含む、(1)に記載の方法。
(3) 機械パルプを含まない飼料を3日以上摂取している反芻動物に、機械パルプを含有する飼料を3日以上摂取させる、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 反芻動物がヒツジである、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 機械パルプを含まない飼料を摂取させていた時期に排出される糞便と比較して、機械パルプを含有する飼料を摂取させた時期に排出される糞便のスカトール含有量が10%以上少ない、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 前記スカトール含有量が50%以上少ない、(5)に記載の方法。
(1) 反芻動物から排出される糞便中の臭気を低減する方法であって、5〜50質量%の機械パルプを含有する飼料を反芻動物に摂取させることを含む、上記方法。
(2) 機械パルプが、サーモメカニカルパルプおよび/またはケミサーモメカニカルパルプを含む、(1)に記載の方法。
(3) 機械パルプを含まない飼料を3日以上摂取している反芻動物に、機械パルプを含有する飼料を3日以上摂取させる、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 反芻動物がヒツジである、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 機械パルプを含まない飼料を摂取させていた時期に排出される糞便と比較して、機械パルプを含有する飼料を摂取させた時期に排出される糞便のスカトール含有量が10%以上少ない、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 前記スカトール含有量が50%以上少ない、(5)に記載の方法。
本発明によれば、反芻動物から排出される糞便の臭気を効果的に低減することが可能となる。また、反芻を促進して反芻時間が長くなる。
本発明は、5〜50質量%の機械パルプを含有する飼料を反芻動物に摂取させることにより反芻動物から排出される糞便の臭気を低減させる。本発明は、機械パルプを含有する飼料を摂取させる前、濃厚飼料を含むが機械パルプを含まない飼料を摂取している反芻動物に適用する。また、機械パルプを含まない前記飼料を摂取させていた時期に排出される糞便の臭気成分(アンモニア、p−クレゾール、インドール、スカトール、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、及びiso−吉草酸)と比較して、機械パルプを含有する前記飼料を摂取させた時期に排出される糞便の臭気成分が10%以上低下することが好ましく、20%以上低減することがさらに好ましい。また、好ましい態様において、糞便中の臭気成分であるスカトールを同様に30%以上、40%以上、50%以上低減することも可能である。
本発明の反芻動物用飼料は、反芻動物に適用される。反芻動物としては、例えば、乳牛及び肥育牛などの牛、羊、山羊などが挙げられる。本発明の飼料を反芻動物に給与する時期、すなわち適用対象である反芻動物の年齢、体格、健康状態等には特に制限はない。
本発明の飼料は、乾物基準で機械パルプを5〜50質量%含有することが必要である。本発明の好ましい態様において、機械パルプの配合量は、8〜40質量%であり、より好ましくは12〜30質量%、さらに好ましくは15〜25質量%、最も好ましくは18〜22質量%である。本発明に係る機械パルプ配合飼料は、3日以上の期間、給与するものとし、発明の効果を大きくするためには5日以上給与することが好ましく、7日以上や10日以上給与することがより好ましい。また、本発明に係る機械パルプ配合飼料を採食させる前、反芻動物は、機械パルプを3日以上採食していないものとし、発明の効果を大きくするためには機械パルプを5日以上採食していないことが好ましく、7日以上や10日以上機械パルプを採食していないことがより好ましい。
本発明の飼料はペレット化することもできる。ペレット化は、圧縮成型によって行うことができ、公知の装置を使用することができる。圧縮成型を行うための装置は特に限定されないが、例えば、ブリケッター(北川鉄工所製)、リングダイ式ペレタイザー(CPM製)、フラットダイ式ペレタイザー(ダルトン製)を好適な例として挙げることができる。
本発明の反芻動物用飼料において、機械パルプは1種類のものから成るものでもよく、複数のパルプを混合したものでもよい。例えば、原料や製造方法の異なる機械パルプを2種以上混合して使用してもよい。機械パルプとしては、例えば、砕木パルプ(GP)、リファイナーグラウンドウッドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)などを挙げることができる。
原料の木材としては、例えば、広葉樹、針葉樹、雑木、タケ、ケナフ、バガス、パーム油搾油後の空房が使用できる。具体的には、広葉樹としては、ブナ、シナ、シラカバ、ポプラ、ユーカリ、アカシア、ナラ、イタヤカエデ、センノキ、ニレ、キリ、ホオノキ、ヤナギ、セン、ウバメガシ、コナラ、クヌギ、トチノキ、ケヤキ、ミズメ、ミズキ、アオダモ等が例示される。針葉樹としては、スギ、エゾマツ、カラマツ、クロマツ、トドマツ、ヒメコマツ、イチイ、ネズコ、ハリモミ、イラモミ、イヌマキ、モミ、サワラ、トガサワラ、アスナロ、ヒバ、ツガ、コメツガ、ヒノキ、イチイ、イヌガヤ、トウヒ、イエローシーダー(ベイヒバ)、ロウソンヒノキ(ベイヒ)、ダグラスファー(ベイマツ)、シトカスプルース(ベイトウヒ)、ラジアータマツ、イースタンスプルース、イースタンホワイトパイン、ウェスタンラーチ、ウェスタンファー、ウェスタンヘムロック、タマラック等が例示される。
サーモメカニカルパルプ(TMP)は、熱処理を行ってから機械処理(リファイニング)をすることによって得られる機械パルプであり、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)は、さらに化学薬品による処理を行って得られる機械パルプである。TMPは、例えば、蒸気による加熱処理を行ってチップの繊維細胞間の結合を軟化させてからリファイニング処理を行って得られる。CTMPは、例えば、チップに対して亜硫酸ナトリウムなどの薬品を含浸させてからリファイニング処理を行って得られる。
まず、チップをチップウオッシャーで洗浄し、チップに付着している土砂などの異物を充分に洗浄除去する。次いで、洗浄チップをスチーミングすることにより、チップ中の空気を完全に除去できると同時に、チップが柔軟化され圧縮されやすくなり、後工程での亜硫酸ナトリウム水溶液の含浸が容易となる。
CTMPの場合、亜硫酸ナトリウム水溶液の含浸処理は、チップを圧縮し、圧縮した状態、或いは圧縮した後に亜硫酸ナトリウム水溶液に浸漬させ、圧を解放しチップを膨張させながら亜硫酸ナトリウムを含浸させることで達成できる。この亜硫酸ナトリウム水溶液含浸段階では、薬液をチップ中に十分含浸させることが重要である。亜硫酸ナトリウム水溶液の含浸を完全にするため、プレックススクリューまたはインプレッサーの後にサージビンを設けることもできる。
亜硫酸ナトリウムの添加率は、絶乾チップに対して0.4〜2.0固形分重量%である。亜硫酸ナトリウム水溶液を含浸させたチップは、解繊を良好とする目的で一次リファイニングに先立って予熱処理することが好ましい。この場合の温度は100〜135℃が好ましい。プレヒーティングされたチップは1次加圧リファイナーで解繊される。用いる装置は加圧リファイニング装置であり、リファイナープレート(リファイナセグメント)を除き、他の条件は公知の方法でパルプ繊維に解繊される。リファイニング装置は、シングルディスクリファイナー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ツインディスクリファイナー等を用いることができるが、解繊時の濃度が高いほどパルプ繊維のフィブリル化が進行し高品質のパルプを得られることから、好適にはシングルディスクリファイナーが用いられる。リファイニング工程中のチップの濃度は約20〜60固形分重量%で実施するのが好ましく、処理温度は100〜180℃が好ましい。更に好ましくは120〜135℃である。
次いで、解繊パルプは常圧下で二次リファイナーに送られ、目標濾水度まで叩解される。装置としては、公知のリファイニング装置を用い、公知の条件で精砕し、所望のパルプ濾水度まで低下させる。この工程は常圧下で行い、リファイニング装置は一般の常圧型装置を用いるのが好ましく、濃度は約4〜60%で実施することができる。二次リファイナーは1段でも良いし、複数段であっても良い。
二次リファイニング後、必要に応じて漂白処理を施しても良い。漂白剤としては、BCTMPの製造に使用されている公知の漂白剤を使用でき、特に限定はない。好ましくは、過酸化水素などの過酸化物を使用する。この場合、金属イオンによる過酸化物の分解を防止する目的で、エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)などのキレート剤を併用することもできる。これらの処理は公知の条件で実施することができる。
なお、2種以上の樹種の混合チップから機械パルプを製造する場合にも上記したパルプ化法を適用することができる。混合チップにおける樹種の配合率には特に限定は無い。
本発明の反芻動物用飼料は、水分含有率(水分率)を15質量%以下とすることが好ましい。水分含有率を15質量%以下とすることで、運搬性が向上し、微生物による腐敗を軽減できる。反芻動物用飼料の水分含有率は、例えば、1質量%以上としてもよく、5質量%以上に調整してもよい。
本発明の反芻動物用飼料は、水分含有率(水分率)を15質量%以下とすることが好ましい。水分含有率を15質量%以下とすることで、運搬性が向上し、微生物による腐敗を軽減できる。反芻動物用飼料の水分含有率は、例えば、1質量%以上としてもよく、5質量%以上に調整してもよい。
飼料の調製と給餌
本発明の飼料は、機械パルプを他の飼料成分と併せて調製すればよく、調製した配合飼料を反芻動物に給与することができる。他の飼料成分としては、粗飼料(例えば牧草)、濃厚飼料(例えばトウモロコシ、麦などの穀類、大豆などの豆類)、ふすま、米糠、おから、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルなどや添加剤(保存料、着色料、香料等)、等が挙げられる。
本発明の飼料は、機械パルプを他の飼料成分と併せて調製すればよく、調製した配合飼料を反芻動物に給与することができる。他の飼料成分としては、粗飼料(例えば牧草)、濃厚飼料(例えばトウモロコシ、麦などの穀類、大豆などの豆類)、ふすま、米糠、おから、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルなどや添加剤(保存料、着色料、香料等)、等が挙げられる。
本発明の飼料に濃厚飼料を配合する場合、例えば、とうもろこし、小麦、大麦、精白米などの穀物を用いることができる。本発明の飼料においては、例えば、米、小麦、大麦、えん麦、マイロ、とうもろこしなどの穀物を主なデンプン源として用いることができる。
本発明においては、粗飼料を一定レベルで配合することが好ましく、例えば、乾物換算で5〜50質量%含むことが好ましく、15〜48質量%含むことがより好ましく、25〜45質量%としてもよい。粗飼料の原料としては、例えば、大豆、大豆粕(加糖加熱処理又は加湿加熱処理等を施した大豆粕を含む)、菜種粕、アマニ粕、コーングルテンミール、濃縮大豆蛋白、小麦グルテン、小麦グルテン酵素分解物などを挙げることができる。
本発明においては、飼料に糖類を配合してもよく、例えば、グルコース、フルクトース、スクロース、ラクトース、及びマルトースなどを好適に配合することができる。
本発明の飼料は、上述した原料の他に、呈味料、ミネラル、ビタミン、有機ミネラル、牧草、イネ科の植物の飼料原料、結晶アミノ酸、油脂、脂肪酸、脂肪酸カルシウム、吸着材、鉱物、植物抽出物、発酵物、着香料、有機酸、抗生物質、動物質性飼料、微生物成分、漢方薬、酵素剤、オリゴ糖、木質系飼料、粘結剤、他の植物体加工副産物などを含んで
もよい。
本発明の飼料は、上述した原料の他に、呈味料、ミネラル、ビタミン、有機ミネラル、牧草、イネ科の植物の飼料原料、結晶アミノ酸、油脂、脂肪酸、脂肪酸カルシウム、吸着材、鉱物、植物抽出物、発酵物、着香料、有機酸、抗生物質、動物質性飼料、微生物成分、漢方薬、酵素剤、オリゴ糖、木質系飼料、粘結剤、他の植物体加工副産物などを含んで
もよい。
牧草としては、例えば、オーチャードグラス、チモシー、オーツヘイ、アルファルファ、イタリアンライグラス、アカクローバー等を挙げることができ、イネ科の植物に由来する飼料原料としては、例えば、ソルガム、小麦ストロー、稲わら等を挙げることができる。
本発明の反芻動物用飼料は、水分含有率を15%以下とすることが好ましい。水分含有率を15%以下とすることで、運搬性が向上し、微生物による腐敗を軽減できる。飼料の水分含有率は、例えば、1質量%以上としてもよく、5質量%以上に調整してもよい。
本発明の反芻動物用飼料は、例えば、可消化養分総量(TDN:Total Digestible Nutrients)を50〜95%とすることができるが、60〜85%、さらには65〜80%としてもよい。粗タンパク質(CP:Crude Protein)は、例えば、5〜40%とすることができるが、10〜30%、さらには13〜25%としてもよい。
具体例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において、濃度や%は特に断らない限り質量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1:木材機械パルプを含む飼料の製造
針葉樹(エゾトド)の木材チップに、木材チップの絶乾重量あたり0.8%の亜硫酸ナトリウムを含浸させた。取り出したチップを遠心脱水し(遠心脱水後のチップの固形分:25重量%)、耐圧容器(バッチ式2.5L容回転型オートクレーブ)において135℃で30分間加熱処理した。加熱処理後の木材チップをブローしてから、加圧リファイナー(熊谷理器工業BRP45-300SS)を用いて133℃、5分間の予熱処理、引き続いてリファイニング処理を行い、機械パルプ(ケミサーモメカニカルパルプ)を得た。
針葉樹(エゾトド)の木材チップに、木材チップの絶乾重量あたり0.8%の亜硫酸ナトリウムを含浸させた。取り出したチップを遠心脱水し(遠心脱水後のチップの固形分:25重量%)、耐圧容器(バッチ式2.5L容回転型オートクレーブ)において135℃で30分間加熱処理した。加熱処理後の木材チップをブローしてから、加圧リファイナー(熊谷理器工業BRP45-300SS)を用いて133℃、5分間の予熱処理、引き続いてリファイニング処理を行い、機械パルプ(ケミサーモメカニカルパルプ)を得た。
この機械パルプを用いて、下記の飼料を調製した。
・飼料1(機械パルプ配合)
配合飼料(α―フレア)、牧草(アルファルファ)、機械パルプの3つを、16:64:20の重量比で混合して調製した。配合飼料のα―フレアは、粒度の違うトウモロコシをブレンドした飼料であり、タイセイ飼料より入手可能である(CP:18〜20、TDN:74)。牧草のアルファルファはタイセイ飼料より入手可能である。
・飼料2(機械パルプ無配合)
配合飼料(α―フレア)と牧草(アルファルファ)を20:80の重量比で混合して調製した。
・飼料1(機械パルプ配合)
配合飼料(α―フレア)、牧草(アルファルファ)、機械パルプの3つを、16:64:20の重量比で混合して調製した。配合飼料のα―フレアは、粒度の違うトウモロコシをブレンドした飼料であり、タイセイ飼料より入手可能である(CP:18〜20、TDN:74)。牧草のアルファルファはタイセイ飼料より入手可能である。
・飼料2(機械パルプ無配合)
配合飼料(α―フレア)と牧草(アルファルファ)を20:80の重量比で混合して調製した。
実験2:ヒツジへの給餌試験
ヒツジ8頭を用い、対照群の4頭には、機械パルプを配合した飼料1、実験群の4頭には、機械パルプ無配合の飼料2を給与し、反芻時間と糞便の臭気成分を測定した。
(給餌スケジュール)
・予備期間(10日間):実験群、対照群のいずれも飼料2のみを採食させた。
・馴致期間( 7日間):実験群には、徐々に飼料1の割合を増やしながら、飼料1と飼料2を採食させ、飼料1を摂取することにヒツジを慣れさせた。対照群には引き続き飼料2を採食させた。
・本実験期間(10日間):実験群には飼料1を、対照群には飼料2を採食させた。本実験期間における1日あたりの平均採食量は、飼料1(実験群)が973g/日、飼料2(対照群)が1132g/日であった。
(反芻時間の測定)
本実験期間の10日間、ヒツジの行動を目視観察して反芻時間を測定した。5分ごとに行動を観察し,観察時の行動を5分間継続したものとして時間を測定した。この実験においては、口の中で飼料を咀嚼している場合に「反芻」と判断した。
(臭気成分の測定)
本実験期間の最初の5日間、ヒツジから糞尿を採取し、アンモニア、p−クレゾール、インドール、スカトール、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸を定量した。採取した5日間分の糞尿をすべて混ぜ合わせたものを臭気成分の測定用サンプルとし、テクノスルガ・ラボ(静岡県静岡市)にて、下記の方法で臭気成分を定量した。
・アンモニア:イオンクロマトグラフィー
・p−クレゾール,インドール,スカトール:ガスクロマトフィー質量分析
・酢酸、プロピオン酸、酪酸:ガスクロマトフィー
ヒツジ8頭を用い、対照群の4頭には、機械パルプを配合した飼料1、実験群の4頭には、機械パルプ無配合の飼料2を給与し、反芻時間と糞便の臭気成分を測定した。
(給餌スケジュール)
・予備期間(10日間):実験群、対照群のいずれも飼料2のみを採食させた。
・馴致期間( 7日間):実験群には、徐々に飼料1の割合を増やしながら、飼料1と飼料2を採食させ、飼料1を摂取することにヒツジを慣れさせた。対照群には引き続き飼料2を採食させた。
・本実験期間(10日間):実験群には飼料1を、対照群には飼料2を採食させた。本実験期間における1日あたりの平均採食量は、飼料1(実験群)が973g/日、飼料2(対照群)が1132g/日であった。
(反芻時間の測定)
本実験期間の10日間、ヒツジの行動を目視観察して反芻時間を測定した。5分ごとに行動を観察し,観察時の行動を5分間継続したものとして時間を測定した。この実験においては、口の中で飼料を咀嚼している場合に「反芻」と判断した。
(臭気成分の測定)
本実験期間の最初の5日間、ヒツジから糞尿を採取し、アンモニア、p−クレゾール、インドール、スカトール、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸を定量した。採取した5日間分の糞尿をすべて混ぜ合わせたものを臭気成分の測定用サンプルとし、テクノスルガ・ラボ(静岡県静岡市)にて、下記の方法で臭気成分を定量した。
・アンモニア:イオンクロマトグラフィー
・p−クレゾール,インドール,スカトール:ガスクロマトフィー質量分析
・酢酸、プロピオン酸、酪酸:ガスクロマトフィー
以上の実験結果から明らかなように、ケミサーモメカニカルパルプを飼料に配合することで、反芻時間が大幅に増加し、糞便の臭気成分は10%以上も低減された。特に、糞便に含まれるスカトールは大幅に減少していた。すなわち、本発明の飼料を反芻動物に給与することによって、糞便の臭気成分を効果的に低減することができる。
Claims (6)
- 反芻動物から排出される糞便中の臭気を低減する方法であって、
5〜50質量%の機械パルプを含有する飼料を反芻動物に摂取させることを含む、上記方法。 - 機械パルプが、サーモメカニカルパルプおよび/またはケミサーモメカニカルパルプを含む、請求項1に記載の方法。
- 機械パルプを含まない飼料を3日以上摂取している反芻動物に、機械パルプを含有する飼料を3日以上摂取させる、請求項1または2に記載の方法。
- 反芻動物がヒツジである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 機械パルプを含まない飼料を摂取させていた時期に排出される糞便と比較して、機械パルプを含有する飼料を摂取させた時期に排出される糞便のスカトール含有量が10%以上少ない、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 前記スカトール含有量が50%以上少ない、請求項5に記載の方法。
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