JP2018029577A - 反芻動物用飼料ペレット - Google Patents
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Abstract
Description
濃厚飼料は、トウモロコシ、麦類、大豆などの易消化性炭水化物(デンプンなど)を多く含む一方、粗飼料は、牧草を乾燥した干草(乾草、わら類)や、青刈りした牧草を発酵させたもの(サイレージ化したもの)などを主とする。
ここで、飼料中の栄養濃度を高めるため、易消化性の炭水化物(デンプン)を多く含む濃厚飼料を粗飼料に配合することが一般に行われている。乳用家畜の乳量を維持し、或いは、肉用家畜の増体を維持するためは、飼料摂取量をも増加させる必要があるが、乳量の増加や体格の増強にともなうエネルギー要求量の増加率は、摂取飼料量の増加率を超えるためである。ところが、濃厚飼料中のデンプンなどの炭水化物は、第一胃(ルーメン)のpHを急激に低下させることがあり、結果としてルーメンアシドーシスが発生することがある。ルーメンアシドーシスとは、反芻動物の疾病の一種であり、炭水化物に富む穀物、濃厚飼料、果実類などを急激に摂取することにより引き起こされる。ルーメンアシドーシスにおいては、ルーメン内において、グラム陽性乳酸生成菌、特にStreptcoccus bovisおよびLactobacillus属微生物が増加し、乳酸あるいは揮発性脂肪酸(VFA:Volatile Fatty Acid)の異常な蓄積が生じ、ルーメン内のpHが低下する(pH5以下)。その結果、ルーメン内のプロトゾア(原生動物)、及びある種の細菌の減少あるいは消滅を引き起こす。特に急性アシドーシスは、ルーメンの鬱血や脱水症(胃内容浸透圧の上昇に伴い体液が大量に胃内に移動)、さらには昏睡や死をもたらすため、極めて危険である。
(1) リグノセルロース材料を原料とするクラフトパルプを含有する反芻動物用飼料ペレットであって、クラフトパルプの繊維長が1.2mm以上である上記飼料ペレット。
(2) クラフトパルプの裂断長が7.0km以上である、(1)に記載の飼料ペレット。
(3) リグノセルロース材料が木質材料を含む、(1)または(2)に記載の飼料ペレット。
(4) ペレットの機械的耐久性が97.5質量%以上であり、ペレットの直径が3〜10mmである、(1)〜(3)のいずれかに記載の飼料ペレット。
(5) クラフトパルプのカッパー価が5〜30である、(1)〜(4)のいずれかに記載の飼料ペレット。
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載の飼料ペレットを製造するための方法であって、水分率が15〜35重量%のクラフトパルプを加圧圧縮してペレット化する工程を含む、上記方法。
本発明の反芻動物用飼料ペレットは、反芻動物に適用される。反芻動物としては、例えば、乳牛及び肥育牛などの牛、羊、山羊などが挙げられる。本発明の飼料を反芻動物に給与する時期、すなわち適用対象である反芻動物の年齢、体格、健康状態等には特に制限はなく、例えば、哺乳期の仔牛から成牛まで用途があると考えられる。
ルファイトパルプ(DSP)等が挙げられる。また、漂白パルプ、未漂白パルプのいずれも使用できる。これらの中では、酸素脱リグニン処理した化学パルプ、漂白化学パルプなどが好ましい。
本発明における飼料ペレットは、リグノセルロース原料をクラフト蒸解して得られるクラフトパルプを含み、特に好ましくは木材由来のクラフトパルプを含む。特に本発明においては、平均繊維長が1.2mm以上のクラフトパルプを使用することによって反芻動物のルーメンにおいて反芻されやすい飼料ペレットを製造することが可能になる。好ましい態様において、本発明に用いるクラフトパルプの平均繊維長は1.3mm以上であり、より好ましくは1.5mm以上であり、1.7mm以上や1.9mm以上としてもよい。一般に、繊維長の長い樹種を原料としてクラフト蒸解すると繊維長の長いクラフトパルプが得られることから、クラフトパルプの平均繊維長は、原料であるリグノセルロース材料を調整することによって調整することができる。例えば、針葉樹の繊維長は、広葉樹の繊維長よりも長いことが多いため、針葉樹材の割合を多くしてクラフトパルプを製造することによって平均繊維長の長いパルプを得ることができる。
発明に用いるクラフトパルプのカナダ標準濾水度は450ml以上であり、500ml以上や550ml以上としてもよい。一般に、クラフトパルプのカナダ標準濾水度は、ダブルディスクリファイナー、シングルディスクリファイナー、コニカルリファイナーあるいはPFIミル等の公知の叩解機で処理することによって低下させることができる。
加率として換算したもので、NaOHには0.775を、Na2Sには0.795を乗じることでNa2Oの添加率に換算できる。また、硫化度は20〜35%の範囲が好ましい。硫化度20%未満の領域においては、脱リグニン性の低下、パルプ粘度の低下、粕率の増加を招く。
[式中、Tはある時点の絶対温度を表す]
本発明においては、蒸解後得られた未漂白(未晒)パルプは、必要に応じて、種々の処理に供することができる。例えば、クラフト蒸解後に得られた未漂白パルプに対して、漂白処理を行うことができる。
エチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)等によるキレート剤処理段を挿入してもよい。
本発明の飼料ペレットは、他の飼料と併せて反芻動物に給与することができる。他の飼料成分としては、粗飼料(例えば牧草)、濃厚飼料(例えばトウモロコシ、麦などの穀類、大豆などの豆類)、ふすま、米糠、おから、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルなどや添加剤(保存料、着色料、香料等)、等が挙げられる。これらの他の飼料成分は圧縮成型を行う際に、木材パルプに混合させてもよい。
(サンプル1〜2)
スギ材から製造したチップ(厚さ3mm程度)を篩い分け試験機にて分画し、半径(Φ)が25.4mm〜9.5mmのスギ材チップを得た。
スギ材から製造したチップ(厚さ3mm程度)を篩い分け試験機にて分画し、半径(Φ)が25.4mm〜9.5mmのスギ材チップを得た。また、同様の手順により、ユーカリ材から半径(Φ)が25.4mm〜9.5mmのユーカリ材チップを得た。
(サンプル5〜6)
ユーカリ材から製造したチップ(厚さ3mm程度)を篩い分け試験機にて分画し、半径(Φ)が25.4mm〜9.5mmのユーカリ材チップを得た。
<クラフトパルプの分析>
各サンプルに用いたクラフトパルプについて、JIS P 8221に基づいてカッパー価、ISO 16065−2に基づいて数平均繊維長、JIS P 8121に基づいてカナダ標準濾水度(CSF)を測定した。また、JIS P 8222:1998に基づいて手抄きシートを作成し、JIS P 8113:1998に基づいて裂断長を測定した。
上記飼料ペレットについて、木質ペレット品質規格(日本木質ペレット協会、2011年3月31日制定)の「機械的耐久性の試験方法」に基づいて木質ペレットの機械的耐久性を評価した。木質ペレット品質規格の機械的耐久性は、欧州の規格であるEN15210−1に準拠して規格化されたものであり、機械的衝撃力に対する木質ペレットの耐粉化性能に関する。具体的には、DT―T型ペレット耐久試験機(三洋貿易社製)を用いて、下式の機械的耐久性(DU)を求めた。
・機械的耐久性(%)=m1/m0×100
m1:回転処理前のサンプル質量(g)
m0:改訂処理後のサンプル質量(g)
実験2:反芻動物への給餌(in situ消化試験)
ルーメン内における消化性を、in situ法で測定した(Journal of Dairy Science, vol. 71, pages 2051-2069, 1988, James E. Nocek)。
めた。また、ルーメン内には投入せず、水で洗浄しただけの飼料の入ったポリエステルバッグを、分解時間0時間の試料とした。各試料の測定は、実施日を異ならせて3連で行った。
Claims (6)
- リグノセルロース材料を原料とするクラフトパルプを含有する反芻動物用飼料ペレットであって、クラフトパルプの繊維長が1.2mm以上である上記飼料ペレット。
- クラフトパルプの裂断長が7.0km以上である、請求項1に記載の飼料ペレット。
- リグノセルロース材料が木質材料を含む、請求項1または2に記載の飼料ペレット。
- ペレットの機械的耐久性が97.5質量%以上であり、ペレットの直径が3〜10mmである、請求項1〜3のいずれかに記載の飼料ペレット。
- クラフトパルプのカッパー価が5〜30である、請求項1〜4のいずれかに記載の飼料ペレット。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の飼料ペレットを製造するための方法であって、
水分率が15〜35重量%のクラフトパルプを加圧圧縮してペレット化する工程を含む、上記方法。
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