実施例に係る給湯システム2の構成について説明する。図1に示すように、実施例に係る給湯システム2は、ヒートポンプユニット4と、タンクユニット6と、燃焼機ユニット8とを備えている。この給湯システム2は、給湯箇所(例えば台所のカラン)に給湯設定温度の湯を供給するためのシステムである。給湯設定温度は、ユーザによって設定される温度であり、給湯箇所に供給される湯の温度である。ユーザは、例えばリモコン(図示省略)によって自らが望む給湯設定温度を設定する。
(ヒートポンプユニット4の構成)
ヒートポンプユニット4は、ヒートポンプ40と、タンク水循環路70と、循環ポンプ72と、ヒートポンプ制御部80とを備えている。
ヒートポンプ40は、外気から吸熱して、貯湯タンク100内の水を加熱して湯を沸き上げる熱源である。ヒートポンプ40は、冷媒(代替フロン、例えばR410A等)を循環させる冷媒循環路41と、外気と冷媒との間で熱交換を行う蒸発器42と、蒸発器42に外気を送風するファン43と、冷媒を圧縮して高温高圧にする圧縮機44と、タンク水循環路70内の水と高温高圧の冷媒との間で熱交換を行う凝縮器45と、熱交換を終えた後の冷媒を減圧させて低温低圧にする膨張弁46とを備えている。
タンク水循環路70は、上流端が、タンクユニット6内の貯湯タンク100の下部に接続されており、下流端が貯湯タンク100の上部に接続されている。タンク水循環路70には、循環ポンプ72が介装されている。循環ポンプ72は、タンク水循環路70内の水を上流側から下流側へ送り出す。また、タンク水循環路70は、ヒートポンプ40の凝縮器45を通過している。そのため、ヒートポンプ40を作動させると(即ち、ファン43及び圧縮機44を作動させると)、タンク水循環路70内の水がヒートポンプ40の凝縮器45で加熱される。従って、循環ポンプ72とヒートポンプ40とを作動させると、貯湯タンク100の下部の水が凝縮器45で加熱され、加熱された水が貯湯タンク100の上部に戻される。
タンク水循環路70には、往きサーミスタ74と戻りサーミスタ76が設けられている。往きサーミスタ74は、ヒートポンプ40で加熱された後の湯の温度を検出する。戻りサーミスタ76は、貯湯タンク100からヒートポンプ40に送られる水の温度を検出する。
ヒートポンプ制御部80は、ヒートポンプユニット4の各要素機器と電気的に接続されており、各要素機器の動作を制御する。また、ヒートポンプ制御部80は、タンクユニット6のタンク制御部180、及び、燃焼機ユニット8の燃焼機制御部280と相互に通信可能に設けられている。
(タンクユニット6の構成)
タンクユニット6は、貯湯タンク100と、水道水供給路110と、出湯路130と、タンク制御部180とを備えている。
貯湯タンク100は、ヒートポンプ40によって沸き上げられた湯及び水道水供給路110によって導入された水を貯える。貯湯タンク100は、密閉型であり、断熱材によって外側が覆われている。貯湯タンク100内には満水まで湯水が貯留されている。本実施例では、貯湯タンク100の容量は100Lである。貯湯タンク100には、貯湯サーミスタ102(第1温度センサの一例)と中間サーミスタ104(第2温度センサの一例)が貯湯タンク100の高さ方向に所定間隔をあけて取り付けられている。各サーミスタ102、104は、その取付位置の水の温度を検出する。例えば、各サーミスタ102、104は、それぞれ、貯湯タンク100の上部から6L、12Lの位置の水の温度を検出する。貯湯サーミスタ102は、貯湯タンク100の上部に貯えられている湯の温度を検出する。中間サーミスタ104は、貯湯サーミスタ102より下の位置に取り付けられている。中間サーミスタ104は、貯湯サーミスタ102より下の位置において貯湯タンク100に貯えられている湯の温度を検出する。
水道水供給路110は、上流端が水道水供給源112に接続されている。水道水供給路110の下流側は、第1給水路110aと第2給水路110b(給水路の一例)に分岐している。第1給水路110aの下流端は、貯湯タンク100の下部に接続されている。第2給水路110bの下流端は、後述の出湯路130の下流端に接続されている。第2給水路110bと出湯路130との接続部分には、混合弁140が設けられている。
水道水供給路110には、給水サーミスタ108が介装されている。給水サーミスタ108は、水道水供給路110内を流れる水の温度を検出する。また、第2給水路110bには、水側流量センサ52が設けられている。水側流量センサ52は、第2給水路110b内を流れる水の流量を検出する。
出湯路130は、上流端が貯湯タンク100の上部に接続されている。貯湯タンク100の上部に貯えられている湯が出湯路130を通じて出湯される。上述したように、出湯路130の下流端には、水道水供給路110の第2給水路110bの下流端が接続されており、接続部分には混合弁140が設けられている。出湯路130には、湯側流量センサ54が設けられている。湯側流量センサ54は、出湯路130内を流れる湯の流量を検出する。
混合弁140は、出湯路130内を流れる湯と、第2給水路110b内を流れる水とを混合する。混合弁140は、湯と水を混合するときの混合割合を調整可能に構成されている。例えば、混合弁140は、出湯路130内を流れる湯と、第2給水路110b内を流れる水とを1:1や2:1の割合で混合することができる。混合弁140には、給湯路131が接続されている。
給湯路131の下流端は給湯箇所に接続されている。混合弁140より下流側の給湯路131には、混合サーミスタ114が介装されている。混合サーミスタ114は、混合弁140で湯と水が混合された後の湯の温度を検出する。
また、給湯路131には、給湯バイパス路132が接続されている。給湯バイパス路132の上流端が燃焼機ユニット8より上流側の給湯路131に接続されており、下流端が燃焼機ユニット8より下流側の給湯路131に接続されている。給湯バイパス路132には、バイパス弁141が設けられている。バイパス弁141は、給湯バイパス路132を開閉する。給湯バイパス路132より下流側の給湯路131には、出口サーミスタ116が介装されている。出口サーミスタ116は、給湯箇所に供給される湯の温度を検出する。
タンク制御部180は、タンクユニット6の各要素機器と電気的に接続されており、各要素機器の動作を制御する。また、タンク制御部180は、ヒートポンプユニット4のヒートポンプ制御部80、及び、燃焼機ユニット8の燃焼機制御部280と相互に通信可能に設けられている。
(燃焼機ユニット8の構成)
燃焼機ユニット8は、燃焼機200と、燃焼機制御部280とを備えている。
燃焼機ユニット8の燃焼機200は、給湯路131に介装されている。燃焼機200は、燃料(例えば、燃料ガス)を燃焼させた熱によって、給湯路131を流れる湯を加熱する補助熱源機である。燃焼機200より下流側の給湯路131には、給湯サーミスタ210が介装されている。給湯サーミスタ210は、給湯箇所へ供給される湯の温度を検出する。
燃焼機ユニット8を通過する給湯路131には、燃焼機バイパス路133が接続されている。燃焼機バイパス路133の上流端が燃焼機200より上流側の給湯路131に接続されており、下流端が燃焼機200より下流側の給湯路131に接続されている。また、給湯路131には、水量サーボ142とバイパスサーボ143が設けられている。水量サーボ142は、給湯路131を流れる湯の流量を調整する。バイパスサーボ143は、燃焼機バイパス路133の上流端と給湯路131との接続部分に設けられている。バイパスサーボ143は、燃焼機バイパス路133に流れる湯の流量を調整する。
また、燃焼機200より下流側の給湯路131には、湯張り路134が接続されている。湯張り路134の下流端は浴槽に接続されている。湯張り路134には、湯張り弁144が設けられている。湯張り弁144は、湯張り路134内を流れる湯の流量を調整する。
燃焼機制御部280は、燃焼機ユニット8の各要素機器と電気的に接続されており、各要素機器の動作を制御する。上記の通り、燃焼機制御部280は、ヒートポンプ制御部80及びタンク制御部180と相互に通信可能である。
以下では、ヒートポンプ制御部80と、タンク制御部180と、燃焼機制御部280とを総称して単に「制御部」と呼ぶ場合がある。
次いで、本実施例の給湯システム2の動作について説明する。給湯システム2は、沸き上げ運転及び給湯運転を実行することができる。以下、各運転について説明する。
(沸き上げ運転)
沸き上げ運転は、例えば、貯湯タンク100に取り付けられている中間サーミスタ104の検出温度が所定の温度(例えば59℃)以下になると開始される。沸き上げ運転は、ヒートポンプ40により、貯湯タンク100内の水を加熱して湯を沸き上げる運転である。制御部によって沸き上げ運転の実行が指示されると、ヒートポンプ40が動作を開始する(即ち、圧縮機44及びファン43を動作させる)とともに、循環ポンプ72が回転する。循環ポンプ72が回転すると、タンク水循環路70内を貯湯タンク100内の水が循環する。即ち、貯湯タンク100の下部に存在する水がタンク水循環路70内に導入され、導入された水がヒートポンプ40内の凝縮器45を通過する際に、冷媒の熱によって加熱され、加熱された水が貯湯タンク100の上部に戻される。これにより、貯湯タンク100に高温の水が貯められる。貯湯タンク100の上部には、高温の水の層が形成され、下部には、低温の水の層が形成される。
(給湯運転)
給湯運転は、貯湯タンク100内の湯を給湯箇所に供給する運転である。給湯運転は、上記の沸き上げ運転中にも実行することができる。給湯箇所の給湯栓が開かれると、水道水供給源112からの水圧によって、水道水供給路110の第1給水路110aから貯湯タンク100の下部に水道水が流入する。また、水道水供給路110の第2給水路110bから混合弁140を介して給湯路131に水道水が流入する。同時に、貯湯タンク100上部の湯が、出湯路130を通じて出湯されて給湯路131に流入する。給湯路131を流れる湯が給湯箇所に供給される。給湯運転は、出湯路130に設けられている湯側流量センサ54の検出流量(湯側流量)と、第2給水路110bに設けられている水側流量センサ52の検出流量(水側流量)との合計流量が、所定の基準流量以上の場合に実行される。
また、給湯運転では、制御部が、混合弁140の開度を調整することによって、出湯路130を流れる湯の流量と、第2給水路110bを流れる水の流量とを調整する。これによって、混合弁140での湯と水の混合割合が調整される。制御部は、貯湯タンク100に取り付けられている中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度(例えば40℃)以上である場合には、混合弁140で湯と水が混合された後の湯の温度が給湯設定温度と一致するように、混合弁140の開度を調整する。すなわち、制御部は、混合サーミスタ114の検出温度が給湯設定温度と一致するように、混合弁140の開度を調整する。
一方、制御部は、中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度(40℃)未満である場合には、混合弁140での湯と水の混合割合が1:1になるように、混合弁140の開度を調整する。この場合は、混合サーミスタ114の検出温度が給湯設定温度未満になる。
(補助加熱運転)
補助加熱運転は、給湯路131を流れる湯を燃焼機ユニット8の燃焼機200で加熱する運転である。補助加熱運転は、上記の沸き上げ運転中にも実行することができる。補助加熱運転は、上記の給湯運転において、中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度(例えば40℃)未満である場合に実行される。制御部は、中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度未満である場合には、燃焼機200を作動させる。これによって、給湯路131を通過する湯が燃焼機200によって加熱される。制御部は、給湯箇所に供給される水の温度が給湯設定温度と一致するように、燃焼機200の出力を制御する。すなわち、制御部は、給湯サーミスタ210の検出温度が給湯設定温度と一致するように、燃焼機200の出力を制御する。
(湯水混合処理)
次いで、本実施例の給湯システム2で実行される湯水混合処理について図2と図3を参照して説明する。給湯システム2の電源がオンになると湯水混合処理が開始される。図2に示すように、湯水混合処理のS10では、制御部が、燃焼機ユニット8の燃焼機200による補助加熱運転を禁止する。
また、S10では、制御部が、給湯バイパス路132に設けられているバイパス弁141を全開にする。これによって、給湯バイパス路132が全開になり、給湯バイパス路132に湯が流れるようになる。すなわち、燃焼機ユニット8より上流側の給湯路131を流れる湯が、燃焼機ユニット8を迂回して、燃焼機ユニット8より下流側の給湯路131に流れるようになる。
また、S10では、制御部が、出湯路130と第2給水路110bとの接続部分に設けられている混合弁140の混合割合を調整する。制御部は、出湯路130側(湯側)が全閉になり、第2給水路110b側(水側)が全開になるように、混合弁140を制御する。
続いてS11では、制御部が、給湯路131に水(または湯)が流れているか否かを判断する。具体的には、制御部が、湯側流量センサ54の検出流量(湯側流量)と、水側流量センサ52の検出流量(水側流量)との合計流量が、所定の基準流量以上であるか否かを判断する。両者の合計流量が所定の基準流量以上である場合は、給湯路131に水(または湯)が流れている。そのため、この場合は、制御部がS11でYESと判断してS12に進む。S11でYESの場合は、給湯運転が実行されており、給湯箇所に湯が供給されている。一方、両者の合計流量が所定の基準流量未満である場合は、給湯路131に水(または湯)が流れていない。この場合は、制御部がS11でNOと判断して合計流量の監視を続ける。S11でNOの場合は、給湯運転が実行されていない。
S12では、制御部が、貯湯タンク100に取り付けられている中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度(例えば40℃)以上であるか否かを判断する。中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度以上である場合は、制御部がS12でYESと判断してS13に進む。そうでない場合は、制御部がS12でNOと判断してS16に進む。
続いてS13では、制御部が、上記のS10に引き続き、燃焼機ユニット8の燃焼機200による補助加熱運転を禁止する。また、S13では、制御部が、給湯バイパス路132に設けられているバイパス弁141を全開にする。これによって、給湯バイパス路132に湯が流れるようになる。
更にS13では、制御部が、混合弁140での湯と水の混合割合を調整する。制御部は、給湯路131に設けられている混合サーミスタ114の検出温度が給湯設定温度(例えば40℃)と同じ温度になるように、混合弁140の開度を調整する。すなわち、制御部は、混合弁140で湯と水が混合された後の湯の温度が給湯設定温度と同じ温度になるように、混合弁140の開度を調整する。混合弁140で湯と水が混合された後の湯は、給湯路131と給湯バイパス路132を流れて給湯箇所に供給される。
続いてS14では、制御部が、給湯路131に設けられている出口サーミスタ116の検出温度が給湯設定温度(例えば40℃)以上であるか否かを判断する。出口サーミスタ116の検出温度が給湯設定温度以上である場合は、制御部がS14でYESと判断してS15に進む。そうでない場合は、制御部がS14でNOと判断してS16に進む。
続いてS15では、制御部が、給湯路131に水(または湯)が流れていないか否かを判断する。具体的には、制御部が、湯側流量センサ54の検出流量(湯側流量)と、水側流量センサ52の検出流量(水側流量)との合計流量が、所定の基準流量未満であるか否かを判断する。両者の合計流量が所定の基準流量未満である場合は、給湯路131に水(または湯)が流れていない。この場合は、制御部がS11でYESと判断してS20(図3参照)に進む。S15でYESの場合は、給湯運転が実行されておらず、給湯箇所に湯が供給されていない。一方、両者の合計流量が所定の基準流量以上である場合は、給湯路131に水(または湯)が流れている。この場合は、制御部がS15でNOと判断してS13に戻る。S15でNOの場合は、給湯運転が実行されている。
また、上記のS12でNOと判断された後のS16では、制御部が、燃焼機ユニット8の燃焼機200による補助加熱運転を許可する。したがって、S16では、補助加熱運転が実行され、給湯路131を流れる湯が燃焼機ユニット8で加熱される。
また、S16では、制御部が、給湯バイパス路132に設けられているバイパス弁141を全閉にする。これによって、給湯バイパス路132が全閉になり、給湯バイパス路132に湯が流れなくなる。したがって、燃焼機ユニット8より上流側の給湯路131を流れる湯が、燃焼機ユニット8を迂回せずに燃焼機ユニット8を通過する。
また、S16では、制御部が、混合弁140での湯と水の混合割合を調整する。具体的には、制御部は、混合サーミスタ114の検出温度が給湯設定温度(例えば40℃)より低い温度(例えば5℃低い温度)になるように、混合弁140の開度を調整する。すなわち、制御部は、混合弁140で湯と水が混合された後の湯の温度が給湯設定温度より低い温度になるように、混合弁140の開度を調整する。このときの混合割合は、燃焼機200の加熱能力に応じて調整される。
続いてS17では、上記のS15と同様に、制御部が、給湯路131に水(または湯)が流れていないか否かを判断する。S17については、制御部がS17でNOと判断した場合にS16に戻ることを除いて、上記のS15と同様の処理であるので、説明を省略する。
上記のS15またはS17でYESと判断された後のS20(図3参照)では、制御部が、燃焼機ユニット8の燃焼機200による補助加熱運転を禁止する。また、制御部が、給湯バイパス路132に設けられているバイパス弁141を全開にする。
続いてS21では、制御部が、ヒートポンプ40による沸き上げ運転の実行中であるか否かを判断する。沸き上げ運転は、例えば、中間サーミスタ104の検出温度が所定の温度(例えば59℃)以下になると開始される。沸き上げ運転の実行中である場合は、S21で制御部がYESと判断してS22に進む。そうでない場合は、S21で制御部がNOと判断して沸き上げ運転の監視を続ける。
S22では、制御部が、貯湯タンク100の上部に取り付けられている貯湯サーミスタ102の検出温度が所定の基準温度(例えば59℃)以上から基準温度未満に変化したか否かを判断する。すなわち、制御部が、貯湯タンク100の上部に貯えられている湯の温度が所定の基準温度以上から基準温度未満に変化したか否かを判断する。貯湯サーミスタ102の検出温度が所定の基準温度以上から基準温度未満に変化した場合は、S22で制御部がYESと判断してS23に進む。そうでない場合は、S22で制御部がNOと判断してS21に戻る。
S23では、制御部が、上記のS22でYESと判断してから所定の時間(例えば10分)が経過したか否かを判断する。上記のS22でYESと判断してから所定の時間が経過した場合は、S23で制御部がYESと判断してS24に進む。そうでない場合は、S23で制御部がNOと判断してS27に進む。
S24では、制御部が、貯湯サーミスタ102の検出温度が所定の基準温度(例えば59℃)未満から基準温度以上に変化したか否かを判断する。すなわち、制御部が、貯湯タンク100の上部に貯えられている湯の温度が所定の基準温度未満から基準温度以上に変化したか否かを判断する。貯湯サーミスタ102の検出温度が所定の基準温度未満から基準温度以上に変化した場合は、S24で制御部がYESと判断してS25に進む。そうでない場合は、S23で制御部がNOと判断して貯湯サーミスタ102の検出温度の監視を続ける。
S25では、制御部が、中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度(例えば40℃)以上であるか否かを判断する。中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度以上である場合は、S25で制御部がYESと判断してS28に進む。一方、中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度以上でない(未満である)場合は、S25で制御部がNOと判断してS26に進む。
S25でNOと判断された後のS26では、制御部が、混合弁140での湯と水の混合割合を変更する。制御部は、湯と水の混合割合を、上記のS13またはS16で調整した混合割合から新たな混合割合に変更する。制御部は、上記のS13またはS16で調整した混合割合における水の割合よりも、S26で調整する混合割合における水の割合が高くする。すなわち、制御部は、前回の給湯運転において調整した混合割合よりも水の割合が高くなるように混合弁140の開度を調整する。制御部は、S26の処理を終了するとS29に進む。
一方、上記のS23でNOと判断された後のS27では、上記のS24と同様に、制御部が、貯湯サーミスタ102の検出温度が所定の基準温度(例えば59℃)未満から基準温度以上に変化したか否かを判断する。すなわち、制御部が、貯湯タンク100の上部に貯えられている湯の温度が所定の基準温度未満から基準温度以上に変化したか否かを判断する。貯湯サーミスタ102の検出温度が所定の基準温度未満から基準温度以上に変化した場合は、S27で制御部がYESと判断してS28に進む。そうでない場合は、S27で制御部がNOと判断して上記のS23に戻る。
S28では、制御部が、混合弁140での湯と水の混合割合を維持する。すなわち、制御部は、混合弁140での湯と水の混合割合を変更することを禁止する。制御部は、湯と水の混合割合を、上記のS13またはS16で調整した混合割合に維持する。すなわち、制御部は、前回の給湯運転において調整した混合割合を変更せずにそのまま維持する。制御部は、混合弁140の開度を調整しない。制御部は、S28の処理を終了するとS29に進む。
続いてS29では、制御部が、給湯路131に水(または湯)が流れているか否かを判断する。具体的には、制御部が、湯側流量センサ54の検出流量と、水側流量センサ52の検出流量との合計流量が、所定の基準流量以上であるか否かを判断する。両者の合計流量が所定の基準流量以上である場合は、給湯路131に水(または湯)が流れている。この場合は、制御部がS29でYESと判断して上記のS12に進む。S29でYESの場合は、給湯運転が実行されており、給湯箇所に湯が供給されている。一方、両者の合計流量が所定の基準流量未満である場合は、給湯路131に水(または湯)が流れていない。この場合は、制御部がS29でNOと判断して上記のS20に戻る。S29でNOの場合は、給湯運転が実行されていない。
S29でYESのときの給湯運転では、混合弁140での湯と水の混合割合が、上記のS26で変更された後の混合割合または上記のS28で維持された混合割合になっている。
S29でYESと判断された後のS12では、上述したように、制御部が、中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度(例えば40℃)以上であるか否かを判断する。中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度以上である場合は、制御部がS12でYESと判断してS13に進む。そうでない場合は、制御部がS12でNOと判断してS16に進む。
上記のS25でYESと判断された場合は、中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度以上であるので、S12でも引き続きYESと判断される。一方、上記のS25でNOと判断された場合は、中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度以上でない(未満である)ので、S12でも引き続きNOと判断される。
S12でYESと判断された後のS13では、制御部が、補助加熱運転を禁止する。一方、S12でNOと判断された後のS16では、制御部が、補助加熱運転を実行する。すなわち、上記のS25でYESと判断され、S28で制御部が混合弁140での湯と水の混合割合を維持する場合は、S12でもYESと判断され、S13で制御部が補助加熱運転を禁止する。一方、上記のS25でNOと判断され、S26で制御部が混合弁140での湯と水の混合割合を変更する場合は、S12でもNOと判断され、S16で制御部が補助加熱運転を実行する。
以上、実施例に係る給湯システム2について説明した。上記の説明から明らかなように、給湯システム2は、貯湯タンク100と、貯湯タンク100に接続されており、貯湯タンク100に水を供給する第1給水路110aと、貯湯タンク100に貯えられている水を加熱して湯を沸き上げるヒートポンプ40と、貯湯タンク100に貯えられている湯の温度を検出する貯湯サーミスタ102とを備えている。また、給湯システム2は、貯湯タンク100に接続されており、貯湯タンク100に貯えられている湯を出湯する出湯路130と、出湯路130に接続されており、水を供給する第2給水路110bと、出湯路130と第2給水路110bの接続部分に接続されている給湯路131と、を備えている。給湯路131は、出湯路130から供給される湯と第2給水路110bから供給される水を混合した水を給湯箇所に供給する。また、給湯システム2は、出湯路130から給湯路131に供給される湯の流量と、第2給水路110bから給湯路131に供給される水の流量の割合を調整する混合弁140と、制御部とを備えている。
この給湯システム2は、貯湯タンク100に貯えられている水をヒートポンプ40で加熱して湯を沸き上げる沸き上げ運転と、出湯路130を流れる湯と第2給水路110bを流れる水を混合弁140で混合して給湯路131を通じて給湯箇所に供給する給湯運転とを実行可能に構成されている。給湯システム2の制御部は、混合弁140における出湯路130から給湯路131に供給される湯と第2給水路110bから給湯路131に供給される水との混合割合を調整可能に構成されている。
制御部は、給湯運転の実行中(S11でYES)に混合弁140による湯と水の混合割合を調整し(S13、S16)、その状態で給湯運転を終了した場合であって(S15、S17)、沸き上げ運転の実行中(S21でYES)に貯湯サーミスタ102の検出温度が所定の基準温度(例えば59℃)以上から基準温度未満に変化し(S22でYES)、それから所定の時間(例えば10分)が経過する前(S23でNO)に貯湯サーミスタ102の検出温度が基準温度以上に変化した場合は(S27でYES)、混合弁140による湯と水の混合割合を変更することを禁止して給湯運転を終了する前に調整した混合割合を維持する(S28)。
上記の給湯システム2では、給湯運転の終了後、沸き上げ運転が実行されるとヒートポンプ40が貯湯タンク100に貯えられている水を加熱して湯を沸き上げる。このときに、貯湯タンク100の下部に貯えられている水がタンク水循環路70を流れる過程で加熱された後の湯が貯湯タンク100の上部に導入されることによって、貯湯タンク100に貯えられている湯が撹拌される。そうすると、沸き上げ運転の実行中に貯湯タンク100内の湯が撹拌されることによって、貯湯タンク100の上部に貯えられている湯の温度が局所的に変化することがある。このときに、上記の給湯システム2では、貯湯タンク100の上部に取り付けられている貯湯サーミスタ102の検出温度が所定の基準温度(例えば59℃)以上から基準温度未満に変化することがある。この場合に、上記の給湯システム2では、貯湯サーミスタ102の検出温度が基準温度未満に変化してから所定の時間が経過する前に貯湯サーミスタ102の検出温度が基準温度未満から基準温度以上に変化した場合は、制御部が、混合弁140の混合割合を変更することを禁止して給湯運転を終了する前に設定した混合割合を維持する(S28)。
上記の給湯システム2では、ユーザが給湯箇所で湯を使用する度に給湯運転が実行される。したがって、給湯運転が繰り返し実行されるので、前回の給湯運転が終了した後に再び給湯運転が実行される。この場合に、前回の給湯運転における湯の温度と同じ温度の湯が給湯箇所に供給されることが望ましい。
上記の給湯システム2では、給湯運転の終了後、沸き上げ運転の実行中に貯湯タンク100内の湯の温度が局所的に変化する場合は、貯湯タンク100内の湯の温度が全体としてはほとんど変化していない。そのため、貯湯タンク100から出湯路130を通じて出湯される湯の温度も以前と比べてほとんど変化していない。したがって、この場合は、前回の給湯運転における湯の温度と同じ温度の湯を給湯箇所に供給するためには、混合弁140での湯と水の混合割合を前回の給湯運転から変更する必要はない。そこで、上記の給湯システム2では、このような場合に、混合弁140での混合割合を変更することを禁止して給湯運転を終了する前に設定した混合割合を維持している。この構成によれば、その後に再び給湯運転が実行される場合に、湯と水の混合割合が前回の給湯運転と同じ混合割合に維持されるので、前回の給湯運転における湯の温度より低い温度の湯が給湯箇所に供給されることを抑制することができる。
また、上記の給湯システム2は、給湯路131を流れる湯を加熱する燃焼機200と、貯湯サーミスタ102より下の位置において貯湯タンク100に貯えられている湯の温度を検出する中間サーミスタ104を更に備えている。制御部は、沸き上げ運転の実行中(S21でYES)に貯湯サーミスタ102の検出温度が所定の基準温度(例えば59℃)以上から基準温度未満に変化して(S22でYES)から所定の時間(例えば10分)が経過する前に貯湯サーミスタ102の検出温度が基準温度以上に変化せずに、所定の時間(例えば10分)が経過した後(S23でYES)に貯湯サーミスタ102の検出温度が基準温度以上に変化した場合は(S24でYES)、中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度(例えば40℃)以上であれば(S25でYES)、混合弁140による湯と水の混合割合を変更することを禁止して給湯運転を終了する前に調整した混合割合を維持する(S28)。一方、中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度(例えば40℃)未満であれば(S25でNO)、混合弁140での湯と水の混合割合を水の割合が高くなるように変更する(S26)。
上記の給湯システム2では、貯湯サーミスタ102の検出温度が基準温度(例えば59℃)未満に変化してから所定の時間(例えば10分)が経過する前に貯湯サーミスタ102の検出温度が基準温度以上に変化せずに、所定の時間が経過した後に貯湯サーミスタ102の検出温度が基準温度以上に変化することがある。この場合は、上記の給湯システム2では、その後の給湯運転で燃焼機200により給湯路131を流れる湯を加熱する補助加熱運転が行われる見込みであるか否かに応じて、混合弁140の制御を切り換える。すなわち、中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度(例えば40℃)以上であって、その後の給湯運転で補助加熱運転が行われない見込みの場合は、混合弁140の混合割合を変更することを禁止して給湯運転を終了する前に設定した混合割合を維持する。所定の時間が経過した後に貯湯サーミスタ102の検出温度が基準温度未満から基準温度以上に変化した場合であって、中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度以上である場合は、沸き上げ運転の実行中に貯湯タンク100内の湯の温度が局所的に変化した状態であって、貯湯タンク100内の湯の温度が全体としてはほとんど変化していない場合である。逆に、中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度(例えば40℃)未満であって、その後の給湯運転で補助加熱運転が行われる見込みの場合は、混合弁140での湯と水の混合割合を水の割合が高くなるように変更する。所定の時間が経過した後に貯湯サーミスタ102の検出温度が基準温度未満から基準温度以上に変化した場合であって、中間サーミスタ104の検出温度が給湯設定温度未満である場合は、沸き上げ運転の実行によって貯湯タンク100内の水が加熱されて湯が沸き上がられている途中の状態であって、貯湯タンク100内の湯の温度が全体的に上昇している途中の場合である。上記のように制御部が湯と水の混合割合を制御することによって、前回の給湯運転における湯の温度より低い温度の湯が給湯箇所に供給されることを抑制することができる。
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上記の実施例では、出湯路130の下流端と第2給水路110bの下流端との接続部分に混合弁140が設けられていたが、この構成に限定されるものではない。混合弁140が設けられる位置は変更可能である。例えば、第1給水路110aと第2給水路110bとの分岐部分に混合弁140が設けられていてもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。