JP6630555B2 - 熱機器 - Google Patents

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Description

本明細書で開示する技術は、熱機器に関する。
特許文献1には、商用電力系統または蓄電池から電力を供給されて動作する熱機器が開示されている。
特開2013−88060号公報
一般的な蓄電池では、例えば停電など、商用電力系統からの電力供給がされなくなると、蓄電池が自立運転を行い、商用電力系統に代わって蓄電池が電力供給を行なう。通常、蓄電池には、放電する電力が上限放電電力以上になると、放電を遮断する保護回路が設けられている。商用電力系統からの電力供給がされておらず、なおかつ蓄電池からの放電が遮断されてしまうと、熱機器だけではなく、他の家電製品にも電力が供給されなくなってしまう。このため、蓄電池が自立運転を行っている場合には、蓄電池からの放電が遮断されることがないように、熱機器での消費電力を可能な限り抑制することが好ましい。特許文献1の熱機器では、商用電力系統からの電力供給がされなくなった場合に、使用者がリモコンにおいて特定の作動スイッチを操作することによって、蓄電池からの電力供給によって熱機器の一部の構成要素が動作する。このため、商用電力系統からの電力供給がされなくなってから、使用者が特定の作動スイッチを手動で操作するまでは、熱機器を利用することができない。商用電力系統または蓄電池から電力を供給されて動作する熱機器において、商用電力系統からの電力供給がされなくなった場合に、蓄電池からの電力供給に適した運転モードに自動的に切り換えることが可能な技術が期待されている。
本明細書は上記課題を解決する技術を提供する。本明細書は、商用電力系統または蓄電池から電力を供給されて動作する熱機器において、商用電力系統からの電力供給がされなくなった場合に、蓄電池からの電力供給に適した運転モードに自動的に切り換えることが可能な技術を提供する。
本明細書は、商用電力系統または蓄電池から電力を供給されて動作する熱機器を開示する。熱機器は、電力を消費して熱媒を加熱するヒートポンプ熱源機と、燃料を消費して熱媒を加熱する燃焼熱源機と、ヒートポンプ熱源機および燃焼熱源機の動作を制御する制御装置と、商用電力系統からの電力供給の有無を検出する商用電力検知装置と、燃焼熱源機への燃料の供給の有無を検出する燃料検知装置を備えている。制御装置は、通常モードと、通常モードよりも消費電力を抑制した蓄電池対応モードの間で運転モードを切り換え可能である。制御装置は、通常モードにおいて、商用電力検知装置によって商用電力系統からの電力供給がされていないことを検出した場合に、蓄電池対応モードに切り換える。制御装置は、蓄電池対応モードにおいて、燃料検知装置によって燃料の供給がされていることを検出した場合に、ヒートポンプ熱源機による熱媒の加熱を禁止する。制御装置は、蓄電池対応モードにおいて、燃料検知装置によって燃料の供給がされていないことを検出した場合に、ヒートポンプ熱源機による熱媒の加熱を許容する
上記の熱機器では、商用電力系統からの電力供給が停止して、蓄電池が自立運転を開始した場合に、商用電力検知装置が商用電力系統からの電力供給がされなくなったことを検知して、制御装置が運転モードを通常モードから蓄電池対応モードに切り換える。このような構成とすることによって、商用電力系統からの電力供給がされなくなった場合に、蓄電池からの電力供給に適した運転モードに自動的に切り換えることができる。また、上記の熱機器によれば、蓄電池対応モードにおいて、燃焼熱源機による加熱が実行可能である場合には、ヒートポンプ熱源機による加熱を禁止して、燃焼熱源機による加熱のみを実行し、蓄電池対応モードにおいて、燃焼熱源機による加熱が実行不能である場合には、ヒートポンプ熱源機による加熱を許容する。このような構成とすることによって、蓄電池対応モードにおいて、ヒートポンプ熱源機で電力を消費することを防止することができる。蓄電池からの放電が遮断されることを確実に抑制することができる。
上記の熱機器は、制御装置が、蓄電池対応モードにおいて、商用電力検知装置によって商用電力系統からの電力供給がされていることを検出した場合に、運転モードを通常モードに切り換えるように構成することができる。
上記の熱機器では、商用電力系統からの電力供給が復旧した場合に、商用電力検知装置が商用電力系統からの電力供給がされていることを検知して、制御装置が運転モードを蓄電池対応モードから通常モードに切り換える。このような構成とすることによって、商用電力系統からの電力供給が復旧した場合に、商用電力系統からの電力供給に適した運転モードに自動的に切り換えることができる。
上記の熱機器は、商用電力検知装置が、商用電力系統からは電力が供給され、自立運転時の蓄電池からは電力が供給されない電力線に接続されているように構成することができる。
上記の熱機器によれば、蓄電池の自立運転によって熱機器への電力供給がされている場合であっても、商用電力系統からの電力供給の有無を商用電力検知装置が検出することができる。
実施例に係る熱機器2の機械的な構成を模式的に示す。 実施例に係る熱機器2の電力系統を模式的に示す。 実施例に係る熱機器2のコントローラ110が行なう蓄電池対応モードに関連する処理を説明するフローチャートである。
(実施例)
図1に示すように、本実施例に係る熱機器2は、タンクユニット4と、ヒートポンプ(HP)ユニット6と、燃焼ユニット8と、停電検知ユニット212を備えている。
HPユニット6は、冷媒(例えばR410AといったHFC冷媒や、R744といったCO冷媒)を循環させるための冷媒循環路52と、空気熱交換器54と、ファン56と、圧縮機62と、三流体熱交換器58と、膨張弁60と、循環ポンプ22を備えている。
空気熱交換器54は、ファン56によって送風された外気と冷媒循環路52内の冷媒との間で熱交換させる。圧縮機62は、気相状態の冷媒を加圧して送り出す。三流体熱交換器58は、冷媒循環路52内の冷媒と、後述のタンク水循環路20内の給湯用水の間で熱交換させる。および/または、三流体熱交換器58は、冷媒循環路52内の冷媒と、後述のHP循環路88内の暖房用水との間で熱交換させる。膨張弁60は、液相状態の冷媒を断熱膨張させて減圧する。空気熱交換器54と、圧縮機62と、三流体熱交換器58と、膨張弁60によって、ヒートポンプ50が構成されている。
ヒートポンプ50では、圧縮機62から送り出される高温高圧の気相状態の冷媒が、三流体熱交換器58へ流入する。冷媒は、三流体熱交換器58を通過する際に放熱して凝縮し、液相状態となる。三流体熱交換器58を通過した液相状態の冷媒は、膨張弁60で減圧される。膨張弁60を通過した低温低圧の液相状態の冷媒が、空気熱交換器54へ流入する。冷媒は、空気熱交換器54を通過する際に吸熱して蒸発し、気相状態となる。空気熱交換器54を通過した気相状態の冷媒は、圧縮機62へ戻される。すなわち、HPユニット6は、空気熱交換器54で外気から吸熱し、三流体熱交換器58で給湯用水および/または暖房用水を加熱する、ヒートポンプ熱源機として動作する。
HPユニット6において、給湯用水が流れる経路および暖房用水が流れる経路のそれぞれには、通電により加熱する凍結防止ヒータ(図示せず)が設けられている。
HPユニット6は、HPコントローラ102を備えている。HPコントローラ102は、CPU、ROM、RAM等を備えている。ROMには各種の運転プログラムが格納されている。RAMには、HPコントローラ102に入力される各種信号や、CPUが処理を実行する過程で生成される種々のデータが一時的に記憶される。HPコントローラ102は、CPUがROMやRAMに記憶された情報に基づいて処理を実行することで、HPユニット6の各構成要素の動作を制御する。
タンクユニット4は、タンク10を備えている。タンク10は、HPユニット6によって加熱された給湯用水を貯える。本実施例では、タンク10に貯えられる給湯用水は、水道水である。タンク10は、密閉型であり、断熱材によって外側が覆われている。タンク10内には満水まで給湯用水が貯留される。タンク10には、サーミスタ12、14、16、18がタンク10の高さ方向に略均等間隔で取り付けられている。各サーミスタ12、14、16、18は、その取付位置の給湯用水の温度を測定する。各サーミスタ12、14、16、18の検出温度から、タンク10の蓄熱状態を特定することができる。
タンク水循環路20は、上流端がタンク10の下部に接続されており、HPユニット6の三流体熱交換器58を通過して、下流端がタンク10の上部に接続されている。タンク水循環路20には、循環ポンプ22が介装されている。循環ポンプ22は、タンク水循環路20内の給湯用水を上流側から下流側へ送り出す。HPユニット6が、ヒートポンプ50を作動させて、循環ポンプ22を駆動すると、タンク10の下部の給湯用水が三流体熱交換器58に送られて加熱され、加熱された給湯用水がタンク10の上部に戻される。タンク10の内部には、低温の給湯用水の層の上に高温の給湯用水の層が積み重なった温度成層が形成される。
水道水導入路24は、上流端が熱機器2の外部の水道水供給源32に接続されている。水道水導入路24の下流側は、第1導入路24aと第2導入路24bに分岐している。第1導入路24aの下流端は、タンク10の下部に接続されている。第2導入路24bの下流端は、第1給湯路36の途中に接続されている。第1導入路24aには、逆止弁26が介装されている。第2導入路24bには、逆止弁28が介装されている。
第1給湯路36は、上流端がタンク10の上部に接続されている。上述したように、第1給湯路36の途中には、水道水導入路24の第2導入路24bが接続されている。第1給湯路36と第2導入路24bの接続部には、混合弁30が介装されている。混合弁30は、タンク10の上部から第1給湯路36へ流入する高温の給湯用水の流量と、第2導入路24bから第1給湯路36へ流入する低温の水道水の流量の割合を調整する。第2導入路24bとの接続部より下流側の第1給湯路36は、燃焼ユニット8の給湯加熱路37を通過して、第2給湯路39へ接続している。第1給湯路36と第2給湯路39の間は、熱源機バイパス路33によって接続されている。熱源機バイパス路33にはバイパス弁34が介装されている。第2給湯路39の下流端は給湯栓38に接続されている。
タンクユニット4において、給湯用水が流れる経路および暖房用水が流れる経路のそれぞれには、通電により加熱する凍結防止ヒータ(図示せず)が設けられている。
タンクユニット4は、タンクコントローラ104を備えている。タンクコントローラ104は、CPU、ROM、RAM等を備えている。ROMには各種の運転プログラムが格納されている。RAMには、タンクコントローラ104に入力される各種信号や、CPUが処理を実行する過程で生成される種々のデータが一時的に記憶される。タンクコントローラ104は、CPUがROMやRAMに記憶された情報に基づいて処理を実行することで、タンクユニット4の各構成要素の動作を制御する。
燃焼ユニット8は、シスターン70と、暖房用水バーナ82と、給湯用水バーナ81を備えている。シスターン70は、上部が開放されている容器であり、内部に暖房用水を貯留している。本実施例の暖房用水は例えば不凍液である。シスターン70には、暖房用水往路72の上流端が接続されている。暖房用水往路72には、循環ポンプ74が介装されている。循環ポンプ74を駆動すると、シスターン70内の暖房用水が暖房用水往路72に流れ込む。
暖房用水往路72の下流端は、バーナ加熱路73と、低温暖房循環路75と、暖房バイパス路85に分岐している。低温暖房循環路75には、低温暖房端末78が取り付けられる。本実施例の低温暖房端末78は、例えば床暖房パネルである。低温暖房端末78は、暖房用水からの放熱によって暖房する。低温暖房循環路75には、第1開閉弁86が介装されている。暖房バイパス路85には、第2開閉弁87が介装されている。
バーナ加熱路73には、暖房用水バーナ82が介装されている。暖房用水バーナ82は、燃料供給管89から供給される燃料(例えば都市ガスなどの燃料ガス)の燃焼によってバーナ加熱路73内の暖房用水を加熱する、燃焼熱源機である。図示はしていないが、暖房用水バーナ82は、点火不良の有無を検出する検出手段を備えている。バーナ加熱路73の下流端は、高温暖房循環路77と追い焚き循環路79に分岐している。高温暖房循環路77には、高温暖房端末76が取り付けられる。本実施例の高温暖房端末76は、例えば浴室暖房乾燥機である。高温暖房端末76は、供給される暖房用水の熱を利用して暖房する。なお、高温暖房端末76の内部には開閉弁が内蔵されており、高温暖房端末76での暖房を行う場合には開閉弁が開かれ、高温暖房端末76での暖房を行わない場合には開閉弁が閉じられている。低温暖房循環路75と高温暖房循環路77と暖房バイパス路85は、それぞれの下流端で合流して、第1暖房用水復路84の上流端へ接続している。
第1暖房用水復路84の下流端は、HP循環路88とHPバイパス路94に分岐している。第1暖房用水復路84の下流端には、調整弁90が設けられている。調整弁90は、その開度を変化させることによって、第1暖房用水復路84からHP循環路88へ流れる暖房用水の流量と、第1暖房用水復路84からHPバイパス路94へ流れる暖房用水の流量の割合を変化させることができる。HP循環路88は、HPユニット6の三流体熱交換器58を通過して、第2暖房用水復路96の上流端へ接続している。HPバイパス路94は、HPユニット6の三流体熱交換器58を通過することなく、第2暖房用水復路96の上流端へ接続している。第2暖房用水復路96は、下流端がシスターン70に接続している。
追い焚き循環路79には、追い焚き熱動弁83と、追い焚き熱交換器97が介装されている。追い焚き熱動弁83は、追い焚き循環路79を開閉する。追い焚き熱交換器97では、追い焚き循環路79を流れる暖房用水と、浴槽水循環路91を流れる浴槽水の間で熱交換が行われる。追い焚き循環路79の下流端は、第2暖房用水復路96に接続している。
浴槽水循環路91の上流端および下流端は、浴槽98の側部に接続している。浴槽水循環路91には、浴槽水循環ポンプ99が介装されている。浴槽水循環ポンプ99が駆動すると、浴槽98から吸い出された浴槽水が、追い焚き熱交換器97を通過して、浴槽98へ戻される。
給湯加熱路37には、給湯用水バーナ81が介装されている。給湯用水バーナ81は、燃料供給管89から供給される燃料(例えば都市ガスなどの燃料ガス)の燃焼によって給湯加熱路37内の給湯用水を加熱する、燃焼熱源機である。図示はしていないが、給湯用水バーナ81は、点火不良の有無を検出する検出手段を備えている。給湯加熱路37の給湯用水バーナ81よりも下流側から、浴槽注湯路40が分岐している。浴槽注湯路40には、浴槽注湯路40を開閉する注湯電磁弁42が介装されている。浴槽注湯路40の下流端は、浴槽水循環ポンプ99に接続している。
燃焼ユニット8において、給湯用水が流れる経路および暖房用水が流れる経路のそれぞれには、通電により加熱する凍結防止ヒータ(図示せず)が設けられている。
燃焼ユニット8には、燃料供給管89を介して給湯用水バーナ81および/または暖房用水バーナ82へ供給される燃料の流量を検出する流量計(例えばガスパルスメータ)92が設けられている。
燃焼ユニット8は、燃焼コントローラ106を備えている。燃焼コントローラ106は、CPU、ROM、RAM等を備えている。ROMには各種の運転プログラムが格納されている。RAMには、燃焼コントローラ106に入力される各種信号や、CPUが処理を実行する過程で生成される種々のデータが一時的に記憶される。燃焼コントローラ106は、CPUがROMやRAMに記憶された情報に基づいて処理を実行することで、燃焼ユニット8の各構成要素の動作を制御する。また、燃焼コントローラ106には、リモコン108が接続されている。リモコン108には、使用者が熱機器2を操作するための各種のスイッチや、使用者に熱機器2の動作状態を表示する液晶表示器等が設けられている。
HPコントローラ102とタンクコントローラ104は、双方向に通信可能である。また、タンクコントローラ104と燃焼コントローラ106は、双方向に通信可能である。HPコントローラ102、タンクコントローラ104および燃焼コントローラ106は、協働して熱機器2の動作を制御する。以下では、HPコントローラ102、タンクコントローラ104および燃焼コントローラ106を総称して単にコントローラ110ともいう。
次いで、本実施例の熱機器2の動作について説明する。以下では、熱機器2が実施する、沸き上げ運転、凍結防止運転、給湯運転、湯はり運転、暖房運転および追い焚き運転について順に説明する。
(沸き上げ運転)
沸き上げ運転は、タンク10内の給湯用水をHPユニット6で加熱し、高温となった給湯用水をタンク10に戻す運転である。沸き上げ運転を実行する際には、コントローラ110は、圧縮機62およびファン56を駆動する。また、コントローラ110は、循環ポンプ22を駆動する。
圧縮機62の駆動により、冷媒循環路52内の冷媒は、圧縮機62、三流体熱交換器58、膨張弁60、空気熱交換器54の順に循環する。この場合、三流体熱交換器58を通過する冷媒循環路52内の冷媒は、高温高圧の気体状態である。また、循環ポンプ22の駆動により、タンク水循環路20内をタンク10内の給湯用水が循環する。即ち、タンク10の下部に存在する給湯用水がタンク水循環路20内に導入され、導入された給湯用水が三流体熱交換器58を通過する際に、冷媒循環路52内の冷媒の熱によって加熱され、加熱された給湯用水がタンク10の上部に戻される。この際、コントローラ110は、三流体熱交換器58を通過した後の給湯用水の温度が、設定された沸き上げ温度となるように、圧縮機62、ファン56、循環ポンプ22の動作を制御する。これにより、タンク10に高温の給湯用水が貯められる。タンク10の内部が高温の給湯用水で満たされた満蓄状態となると、コントローラ110は、沸き上げ運転を終了する。
沸き上げ運転における沸き上げ温度は、コントローラ110が設定する。通常、沸き上げ運転における沸き上げ温度は、給湯設定温度に所定温度幅を加算した温度(例えば60℃)に設定される。また、タンク10の内部の給湯用水を高温まで加熱して殺菌する必要がある場合には、沸き上げ運転における沸き上げ温度は、通常の沸き上げ温度よりも高い温度(例えば90℃)に設定される。このように、通常の沸き上げ温度よりも高温に設定された沸き上げ温度で行なう沸き上げ運転を、特にリフレッシュ運転ともいう。
(凍結防止運転)
凍結防止運転は、外気温が低い状況において、タンクユニット4、HPユニット6および燃焼ユニット8のそれぞれにおいて、給湯用水が流れる経路および暖房用水が流れる経路の凍結を防止するための運転である。コントローラ110から凍結防止運転の開始が指示されると、タンクユニット4、HPユニット6および燃焼ユニット8のそれぞれにおいて、凍結防止ヒータによる加熱を行なう。凍結防止運転においては、凍結防止ヒータのオンとオフを所定の時間で交互に繰り返し行なうことで、給湯用水や暖房用水の凍結を防止する。外気温度が高くなると、コントローラ110は、凍結防止運転を終了する。
(給湯運転)
給湯運転は、給湯設定温度に調温された給湯用水を給湯栓38に供給する運転である。給湯栓38が開かれると、水道水供給源32からの水圧によって、水道水導入路24(第1導入路24a)からタンク10の下部に水道水が流入する。同時に、タンク10上部の給湯用水が、第1給湯路36を介して給湯栓38に供給される。
コントローラ110は、タンク10から第1給湯路36に供給される給湯用水の温度(即ち、サーミスタ12の検出温度)が、給湯設定温度より高い場合には、混合弁30を駆動して第2導入路24bから第1給湯路36に水道水を導入する。従って、タンク10から供給された給湯用水と第2導入路24bから供給された水道水とが、第1給湯路36内で混合される。コントローラ110は、給湯栓38に供給される給湯用水の温度が、給湯設定温度と一致するように、混合弁30の開度を調整する。このような態様での給湯運転を、非燃焼給湯運転ともいう。
一方、コントローラ110は、タンク10から第1給湯路36に供給される給湯用水の温度が、給湯設定温度より低い場合には、バイパス弁34を閉じて、給湯用水バーナ81によって第1給湯路36を通過する給湯用水を加熱する。コントローラ110は、給湯栓38に供給される給湯用水の温度が、給湯設定温度と一致するように、給湯用水バーナ81の出力を制御する。このような態様での給湯運転を、燃焼給湯運転ともいう。
(湯はり運転)
湯はり運転は、湯はり設定温度で浴槽98に湯はりをする運転である。使用者が湯はり運転の開始を指示すると、熱機器2は湯はり運転を開始する。湯はり運転においては、コントローラ110は、注湯電磁弁42を開く。注湯電磁弁42が開かれると、水道水供給源32からの水圧によって、水道水導入路24(第1導入路24a)からタンク10の下部に水道水が流入する。同時に、タンク10上部の給湯用水が、第1給湯路36、給湯加熱路37、浴槽注湯路40、浴槽水循環路91を介して浴槽98に供給される。湯はり運転においては、給湯運転と同様にして、浴槽注湯路40に供給される給湯用水の温度を湯はり設定温度に調整する。浴槽98に供給される給湯用水の流量が湯はり設定水量に達すると、コントローラ110は、湯はり運転を終了する。
(暖房運転)
暖房運転は、低温暖房端末78や高温暖房端末76によって暖房する運転である。使用者によって暖房運転の実行が指示されると、コントローラ110は、第1開閉弁86を開き、第2開閉弁87を閉じた状態で、循環ポンプ74を駆動する。さらに、コントローラ110は、圧縮機62およびファン56を駆動する。これによって、冷媒循環路52の冷媒は圧縮機62で加圧されて高温高圧の気体状態となり、三流体熱交換器58を通過する際に加熱された暖房用水が、シスターン70を経て、低温暖房端末78や高温暖房端末76に供給される。さらに、コントローラ110は、必要に応じて暖房用水バーナ82を作動する。これにより、高温暖房端末76には、暖房用水バーナ82での加熱によってより高温となった暖房用水が供給される。暖房運転においては、コントローラ110は、低温暖房端末78に供給される暖房用水の温度が低温暖房設定温度となるように、また高温暖房端末76に供給される暖房用水の温度が高温暖房設定温度となるように、調整弁90の開度や、HPユニット6の動作や、暖房用水バーナ82の出力を制御する。
(追い焚き運転)
追い焚き運転は、浴槽98に貯められた浴槽水を追い焚きする運転である。使用者が追い焚き運転の開始を指示すると、熱機器2は追い焚き運転を開始する。追い焚き運転においては、コントローラ110は、浴槽水循環ポンプ99を駆動する。また、コントローラ110は、第1開閉弁86と第2開閉弁87を閉じ、追い焚き熱動弁83を開いた状態で、循環ポンプ74を駆動する。追い焚き運転においては、暖房運転と同様にして、HPユニット6による暖房用水の加熱と、暖房用水バーナ82による暖房用水の加熱が行われる。これにより、浴槽98から浴槽水が吸い出されて、追い焚き熱交換器97で暖房用水との熱交換によって加熱される。加熱された浴槽水は、浴槽98へ戻される。
(熱機器への電力系統)
図2は熱機器2が設置される家屋の電力系統を示している。商用電力系統200には分電盤202が接続されている。分電盤202には、例えばエアコンや洗濯機、電子レンジなどの一般負荷204と、停電検知ユニット212が接続されているとともに、蓄電池用分電盤206が接続されている。蓄電池用分電盤206には、例えば照明や冷蔵庫、テレビなどの選定負荷208と、熱機器2のタンクユニット4、HPユニット6および燃焼ユニット8が接続されているとともに、蓄電池210が接続されている。蓄電池210は、充電および放電が可能な二次電池である。商用電力系統200から電力が供給されている場合には、商用電力系統200からの電力は、一般負荷204、停電検知ユニット212、選定負荷208、タンクユニット4、HPユニット6、燃焼ユニット8および蓄電池210にそれぞれ供給される。また、商用電力系統200から電力が供給されている場合に、補助的に、蓄電池210からの電力を、一般負荷204、停電検知ユニット212、選定負荷208、タンクユニット4、HPユニット6および燃焼ユニット8に供給することもできる。
例えば停電などによって、商用電力系統200から電力が供給されない状態となると、蓄電池210は、自立運転を実行する。蓄電池210が自立運転を実行する場合には、蓄電池210からの電力は、蓄電池用分電盤206を介して選定負荷208、タンクユニット4、HPユニット6および燃焼ユニット8に供給されるが、分電盤202には電力が供給されず、従って一般負荷204、停電検知ユニット212には電力が供給されない。蓄電池210には、蓄電池210から放電する電力が所定の上限放電電力を超えると蓄電池210からの放電を遮断する保護回路(図示せず)が内蔵されている。
停電検知ユニット212は、商用電力系統200からの電力を分電盤202から供給する電力線の電圧または周波数に基づいて、商用電力系統200から分電盤202に電力が供給されているか否かを判別することができる。停電検知ユニット212は、リモコン108に接続されている。停電検知ユニット212は、商用電力系統200からの電力供給の有無についての検出結果を、リモコン108に送信する。
(運転モードの切り換え)
熱機器2のコントローラ110は、通常モードと、蓄電池対応モードの何れかの運転モードで動作可能である。通常モードでは、コントローラ110は、タンクユニット4、HPユニット6および燃焼ユニット8に消費電力の制限を設けることなく、上記した各種の運転を実行する。蓄電池対応モードでは、コントローラ110は、タンクユニット4、HPユニット6および燃焼ユニット8の消費電力に制限を設けて、通常モードよりも消費電力を抑制した状態で上記した各種の運転を実行する。例えば、コントローラ110は、蓄電池対応モードでは、ヒートポンプ50での消費電力に制限を設けて、上記した各種の運転を実行する。
図3は、通常モードと蓄電池対応モードの切り換えに関連して、コントローラ110が行なう処理を示している。
ステップS2では、コントローラ110は、停電検知ユニット212からの信号に基づいて、商用電力系統200からの電力供給されていない状態となるまで待機する。商用電力系統200から電力供給がされていない状態となると(ステップS2でYESとなると)、処理はステップS4へ進む。
ステップS4では、コントローラ110は、運転モードを通常モードから蓄電池対応モードに切り換える。ステップS4の後、処理はステップS6へ進む。
ステップS6では、コントローラ110は、給湯用水バーナ81または暖房用水バーナ82での燃焼要求があるか否かを判断する。燃焼要求がない場合(ステップS6でNOの場合)、処理はステップS8へ進む。
ステップS8では、コントローラ110は、停電検知ユニット212からの信号に基づいて、商用電力系統200からの電力供給が復旧したか否かを判断する。商用電力系統200からの電力供給が復旧していない場合(ステップS8でNOの場合)、処理はステップS6へ戻る。商用電力系統200からの電力供給が復旧している場合(ステップS8でYESの場合)、処理はステップS10へ進む。
ステップS10では、コントローラ110は、運転モードを蓄電池対応モードから通常モードに切り換える。ステップS10の後、処理はステップS2へ戻る。
ステップS6で、給湯用水バーナ81または暖房用水バーナ82での燃焼要求がある場合(YESの場合)、処理はステップS12へ進む。ステップS12では、コントローラ110は、給湯用水バーナ81または暖房用水バーナ82の燃焼運転を実行する。ステップS12の後、処理はステップS14へ進む。
ステップS14では、コントローラ110は、燃焼運転を実行した給湯用水バーナ81または暖房用水バーナ82において、点火不良が生じたか否かを判断する。点火不良が生じていない場合(ステップS14でNOの場合)、処理はステップS16へ進む。
ステップS16では、コントローラ110は、ヒートポンプ50の運転を禁止する。これによって、その後、熱機器2は給湯用水バーナ81および暖房用水バーナ82のみを加熱源として、上記した各種の運転を実行する。ステップS16の後、処理はステップS8へ進む。
ステップS14で点火不良が生じている場合(YESの場合)、処理はステップS18へ進む。給湯用水バーナ81または暖房用水バーナ82の点火不良は、燃料供給管89から正常に燃料供給がされているにも関わらず、給湯用水バーナ81または暖房用水バーナ82の点火機構が故障している場合と、燃料供給管89からの燃料供給が停止されている場合に起こりうる。このため、ステップS18では、コントローラ110は、流量計92で燃料流量が検出されているか否かを判断する。燃料流量が検出されている場合(ステップS18でYESの場合)、燃料供給管89からの燃料供給がされており、給湯用水バーナ81または暖房用水バーナ82の点火機構が故障していると考えられるため、処理はステップS20へ進む。
ステップS20では、コントローラ110は、リモコン108を介して使用者に点火不良エラーの発生を報知し、図3の処理を終了する。
ステップS18で燃料流量が検出されない場合(NOの場合)、燃料供給管89からの燃料供給が停止されていると考えられるため、処理はステップS22へ進む。ステップS22では、コントローラ110は、給湯用水バーナ81および暖房用水バーナ82の運転を禁止する。ステップS22の後、処理はステップS24へ進む。
ステップS24では、コントローラ110は、蓄電池対応モードにおけるヒートポンプ50の運転が、使用者により許可されているか否かを判断する。熱機器2の使用者は、蓄電池対応モードにおけるヒートポンプ50の運転を許可するか否かを、リモコン108を介して予め設定しておくことができる。蓄電池対応モードにおけるヒートポンプ50の運転が、使用者により許可されている場合(ステップS24でYESの場合)、処理はステップS25へ進み、熱機器2は、ヒートポンプ50のみを加熱源として、上記した各種の運転を実行し、ステップS8へ進む。蓄電池対応モードにおけるヒートポンプ50の運転が、使用者により許可されていない場合(ステップS24でNOの場合)、処理はステップS26へ進む。ステップS26では、コントローラ110は、ヒートポンプ50の運転を禁止する。この場合、熱機器2は、タンク10やシスターン70の残存している熱量のみを利用して、上記した各種の運転を実行する。ステップS26の後、処理はステップS8へ進む。
なお、上記の処理において、ステップS18とステップS20の処理は省略してもよい。この場合、ステップS14で点火不良が生じた場合(YESの場合)には、燃料供給管89からの燃料供給がされていないと判断して、処理はステップS22へ進む。
また、上記の処理において、ステップS24とステップS26の処理は省略してもよい。この場合、ステップS22で燃焼運転を禁止した後は、熱機器2はヒートポンプ50のみを加熱源として、各種の運転を実行する。この場合、ステップS22の後、処理はステップS8へ進む。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2 :熱機器
4 :タンクユニット
6 :HPユニット
8 :燃焼ユニット
10 :タンク
12 :サーミスタ
14 :サーミスタ
16 :サーミスタ
18 :サーミスタ
20 :タンク水循環路
22 :循環ポンプ
24 :水道水導入路
24a :第1導入路
24b :第2導入路
26 :逆止弁
28 :逆止弁
30 :混合弁
32 :水道水供給源
33 :熱源機バイパス路
34 :バイパス弁
36 :第1給湯路
37 :給湯加熱路
38 :給湯栓
39 :第2給湯路
40 :浴槽注湯路
42 :注湯電磁弁
50 :ヒートポンプ
52 :冷媒循環路
54 :空気熱交換器
56 :ファン
58 :三流体熱交換器
60 :膨張弁
62 :圧縮機
70 :シスターン
72 :暖房用水往路
73 :バーナ加熱路
74 :循環ポンプ
75 :低温暖房循環路
76 :高温暖房端末
77 :高温暖房循環路
78 :低温暖房端末
79 :追い焚き循環路
81 :給湯用水バーナ
82 :暖房用水バーナ
83 :追い焚き熱動弁
84 :第1暖房用水復路
85 :暖房バイパス路
86 :第1開閉弁
87 :第2開閉弁
88 :HP循環路
89 :燃料供給管
90 :調整弁
91 :浴槽水循環路
92 :流量計
94 :HPバイパス路
96 :第2暖房用水復路
97 :追い焚き熱交換器
98 :浴槽
99 :浴槽水循環ポンプ
102 :HPコントローラ
104 :タンクコントローラ
106 :燃焼コントローラ
108 :リモコン
110 :コントローラ
200 :商用電力系統
202 :分電盤
204 :一般負荷
206 :蓄電池用分電盤
208 :選定負荷
210 :蓄電池
212 :停電検知ユニット

Claims (3)

  1. 商用電力系統または蓄電池から電力を供給されて動作する熱機器であって、
    電力を消費して熱媒を加熱するヒートポンプ熱源機と、
    燃料を消費して熱媒を加熱する燃焼熱源機と、
    ヒートポンプ熱源機および燃焼熱源機の動作を制御する制御装置と、
    商用電力系統からの電力供給の有無を検出する商用電力検知装置と、
    燃焼熱源機への燃料の供給の有無を検出する燃料検知装置を備えており、
    制御装置は、通常モードと、通常モードよりも消費電力を抑制した蓄電池対応モードの間で運転モードを切り換え可能であって、
    制御装置は、通常モードにおいて、商用電力検知装置によって商用電力系統からの電力供給がされていないことを検出した場合に、運転モードを蓄電池対応モードに切り換え
    制御装置は、蓄電池対応モードにおいて、燃料検知装置によって燃料の供給がされていることを検出した場合に、ヒートポンプ熱源機による熱媒の加熱を禁止し、
    制御装置は、蓄電池対応モードにおいて、燃料検知装置によって燃料の供給がされていないことを検出した場合に、ヒートポンプ熱源機による熱媒の加熱を許容する、熱機器。
  2. 制御装置は、蓄電池対応モードにおいて、商用電力検知装置によって商用電力系統からの電力供給がされていることを検出した場合に、運転モードを通常モードに切り換える、請求項1の熱機器。
  3. 商用電力検知装置は、商用電力系統からは電力が供給され、自立運転時の蓄電池からは電力が供給されない電力線に接続されている、請求項1または2の熱機器。
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