JP6526598B2 - 熱機器 - Google Patents

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Description

本明細書で開示する技術は、熱機器に関する。
特許文献1には、冷媒を循環させることで熱媒を加熱する電気式ヒートポンプであって、冷媒の流路を切り換える流路切換弁を備える電気式ヒートポンプと、熱媒の流路に設けられており、熱媒の凍結を防止するために熱媒を加熱する1またはそれ以上の電気式ヒータと、熱媒の流路に設けられており、熱媒を流動させる1またはそれ以上の電気式ポンプと、制御装置を備える熱機器が開示されている。この熱機器は、通常モードと、通常モードでの最大消費電力よりも低い抑制電力以下の消費電力で動作する電力抑制モードで動作可能である。
特開2014−115009号公報
一般的な電気式ヒートポンプでは、流路切換弁を切り換え動作させる際には、熱媒を加熱する際に比べて、一時的に大きな電力を消費する。このため、電力抑制モードにおいて、例えば熱媒の凍結を防止するために電気式ヒータや電気式ポンプが駆動している状況で、電気式ヒートポンプの流路切換弁を切り換え動作させてしまうと、熱機器の消費電力が一時的に抑制電力を超えてしまうおそれがある。流路切換弁を備える電気式ヒートポンプと、電気式ヒータと、電気式ポンプを備える熱機器が電力抑制モードで動作する際の消費電力が、一時的にでも抑制電力を超えてしまうことを防止することが可能な技術が期待されている。
本明細書は上記課題を解決する技術を提供する。本明細書は、流路切換弁を備える電気式ヒートポンプと、電気式ヒータと、電気式ポンプを備える熱機器が電力抑制モードで動作する際の消費電力が、一時的にでも抑制電力を超えてしまうことを防止することが可能な技術を提供する。
本明細書が開示する熱機器は、冷媒を循環させることで熱媒を加熱する電気式ヒートポンプであって、冷媒の流路を切り換える流路切換弁を備える電気式ヒートポンプと、熱媒の流路に設けられており、熱媒の凍結を防止するために熱媒を加熱する1またはそれ以上の電気式ヒータと、熱媒の流路に設けられており、熱媒を流動させる1またはそれ以上の電気式ポンプと、制御装置を備えている。その熱機器は、通常モードと、通常モードでの最大消費電力よりも低い抑制電力以下の消費電力で動作する電力抑制モードで動作可能である。その熱機器では、制御装置が、電力抑制モードにおいて電気式ヒートポンプによる熱媒の加熱を開始する際に、1またはそれ以上の電気式ヒータおよび1またはそれ以上の電気式ポンプのうちの少なくとも1つを停止した状態で、電気式ヒートポンプの流路切換弁を切り換え動作させる。
上記の熱機器では、電力抑制モードにおいて、一時的に大きな電力を消費する電気式ヒートポンプの流路切換弁の切り換え動作が、電気式ヒータおよび電気式ポンプのうちの少なくとも1つを停止した状態で行われる。このような構成とすることによって、電力抑制モードにおける消費電力が、一時的にでも抑制電力を超えてしまうことを防止することができる。
上記の熱機器は、制御装置が、電力抑制モードにおいて電気式ヒートポンプによる熱媒の加熱を開始する際に、1またはそれ以上の電気式ヒータおよび1またはそれ以上の電気式ポンプを全て停止した状態で、電気式ヒートポンプの流路切換弁を切り換え動作させるように構成することができる。
上記の熱機器では、電力抑制モードにおいて、一時的に大きな電力を消費する電気式ヒートポンプの流路切換弁の切り換え動作が、電気式ヒータおよび電気式ポンプを全て停止した状態で行われる。このような構成とすることによって、電力抑制モードにおける消費電力が、一時的にでも抑制電力を超えてしまうことを確実に防止することができる。
上記の熱機器は、制御装置が、電力抑制モードにおいて電気式ヒートポンプによる熱媒の加熱を開始する際に、1またはそれ以上の電気式ヒータおよび1またはそれ以上の電気式ポンプのうちの少なくとも2つを停止した状態で、電気式ヒートポンプの流路切換弁を切り換え動作させ、電気式ヒートポンプの流路切換弁の切り換え動作が終了した後、停止している前記少なくとも2つの電気式ヒータおよび/または電気式ポンプを、異なるタイミングで動作開始させるように構成することができる。
上記の熱機器では、電気式ヒートポンプにおいて、流路切換弁の切り換え動作が終了した後には、熱媒の加熱動作が開始される。抑制電力モードにおいて、電気式ヒートポンプが熱媒の加熱動作を行っている際に、電気式ヒータや電気式ポンプの動作を開始すると、熱機器での消費電力が抑制電力を超えないように、電気式ヒートポンプは低消費電力での動作に移行する。しかしながら、多くの電気式ヒータや電気式ポンプが一斉に動作を開始すると、電気式ヒートポンプの消費電力の低減が間に合わず、一時的に熱機器での消費電力が抑制電力を超えてしまうおそれがある。上記の熱機器では、電気式ヒートポンプの流路切換弁の切り換え動作が終了した後、停止している電気式ヒータや電気式ポンプを異なるタイミングで動作開始させるので、電気式ヒートポンプの消費電力の低減に時間的な余裕をもたせることができ、熱機器での消費電力が抑制電力を超えてしまうことを確実に防止することができる。
実施例に係る熱機器2の機械的な構成を模式的に示す。 実施例に係る熱機器2の電力系統を模式的に示す。 実施例に係る熱機器2のコントローラ110が行なう蓄電池対応モードに関連する処理を説明するフローチャートである。 実施例に係る熱機器2における各種の運転での消費電力を例示する図である。 実施例に係る熱機器2におけるヒートポンプ50の上限消費電力に基づく制御を例示する図である。 実施例に係る熱機器2における消費電力の経時的な変化を示す図である。
(実施例)
図1に示すように、本実施例に係る熱機器2は、タンクユニット4と、ヒートポンプ(HP)ユニット6と、燃焼ユニット8を備えている。
HPユニット6は、冷媒(例えばR410AといったHFC冷媒や、R744といったCO冷媒)を循環させるための冷媒循環路52と、空気熱交換器54と、ファン56と、圧縮機62と、四方弁58と、給湯用水熱交換器63と、逆止弁64と、暖房用水熱交換器65と、逆止弁66と、膨張弁60と、循環ポンプ22を備える、ヒートポンプ熱源機である。
空気熱交換器54は、電力により駆動されるファン56によって送風された外気と冷媒循環路52内の冷媒との間で熱交換させる。圧縮機62は、電力により駆動され、気相状態の冷媒を加圧して送り出す。給湯用水熱交換器63は、冷媒循環路52内の冷媒と、後述のタンク水循環路20内の給湯用水の間で熱交換させる。暖房用水熱交換器65は、冷媒循環路52内の冷媒と、後述のHP循環路88内の暖房用水との間で熱交換させる。膨張弁60は、液相状態の冷媒を断熱膨張させて減圧する。空気熱交換器54と、圧縮機62と、給湯用水熱交換器63または暖房用水熱交換器65と、膨張弁60によって、ヒートポンプ50が構成されている。ヒートポンプ50は、冷媒を循環させることで、熱媒である給湯用水や暖房用水を加熱する電気式ヒートポンプである。
四方弁58は、ヒートポンプ50において冷媒の流路を切り換える流路切換弁である。四方弁58は4つのポートa,b,cおよびdを有している。四方弁58は、ポートaとポートbが連通し、かつポートcとポートdが連通する状態と、ポートaとポートdが連通し、かつポートbとポートcが連通する状態の間で切換可能である。四方弁58のポートaは、暖房用水熱交換器65の冷媒入口に接続されている。暖房用水熱交換器65の冷媒出口は、逆止弁66を介して、膨張弁60の冷媒入口に接続されている。四方弁58のポートbは、圧縮機62の冷媒入口に接続されている。四方弁58のポートcは、給湯用水熱交換器63の冷媒入口に接続されている。給湯用水熱交換器63の冷媒出口は、逆止弁64を介して、膨張弁60の冷媒入口に接続されている。四方弁58のポートdは、圧縮機62の冷媒出口に接続されている。本実施例の熱機器2では、四方弁58での冷媒の流路の切り換え動作は、圧縮機62の回転数を一時的に増加させることによって行われる。
四方弁58が、ポートaとポートbが連通し、かつポートcとポートdが連通する状態である場合、ヒートポンプ50では、圧縮機62から送り出される高温高圧の気相状態の冷媒が、給湯用水熱交換器63へ流入する。冷媒は、給湯用水熱交換器63を通過する際に放熱して凝縮し、液相状態となる。給湯用水熱交換器63を通過した液相状態の冷媒は、膨張弁60で減圧される。膨張弁60を通過した低温低圧の液相状態の冷媒が、空気熱交換器54へ流入する。冷媒は、空気熱交換器54を通過する際に吸熱して蒸発し、気相状態となる。空気熱交換器54を通過した気相状態の冷媒は、圧縮機62へ戻される。すなわち、この場合、HPユニット6は、空気熱交換器54で外気から吸熱し、給湯用水熱交換器63で給湯用水を加熱する。
四方弁58が、ポートaとポートdが連通し、かつポートbとポートcが連通する状態である場合、ヒートポンプ50では、圧縮機62から送り出される高温高圧の気相状態の冷媒が、暖房用水熱交換器65へ流入する。冷媒は、暖房用水熱交換器65を通過する際に放熱して凝縮し、液相状態となる。暖房用水熱交換器65を通過した液相状態の冷媒は、膨張弁60で減圧される。膨張弁60を通過した低温低圧の液相状態の冷媒が、空気熱交換器54へ流入する。冷媒は、空気熱交換器54を通過する際に吸熱して蒸発し、気相状態となる。空気熱交換器54を通過した気相状態の冷媒は、圧縮機62へ戻される。すなわち、この場合、HPユニット6は、空気熱交換器54で外気から吸熱し、暖房用水熱交換器65で暖房用水を加熱する。
HPユニット6において、給湯用水が流れる経路および暖房用水が流れる経路のそれぞれには、通電により加熱する電気式の凍結防止ヒータ(図示せず)が設けられている。
HPユニット6は、HPコントローラ102を備えている。HPコントローラ102は、CPU、ROM、RAM等を備えている。ROMには各種の運転プログラムが格納されている。RAMには、HPコントローラ102に入力される各種信号や、CPUが処理を実行する過程で生成される種々のデータが一時的に記憶される。HPコントローラ102は、CPUがROMやRAMに記憶された情報に基づいて処理を実行することで、HPユニット6の各構成要素の動作を制御する。
タンクユニット4は、タンク10を備えている。タンク10は、HPユニット6によって加熱された給湯用水を貯える。本実施例では、タンク10に貯えられる給湯用水は、水道水である。タンク10は、密閉型であり、断熱材によって外側が覆われている。タンク10内には満水まで給湯用水が貯留される。タンク10には、サーミスタ12、14、16、18がタンク10の高さ方向に略均等間隔で取り付けられている。各サーミスタ12、14、16、18は、その取付位置の給湯用水の温度を測定する。各サーミスタ12、14、16、18の検出温度から、タンク10の蓄熱状態を特定することができる。
タンク水循環路20は、上流端がタンク10の下部に接続されており、HPユニット6の給湯用水熱交換器63を通過して、下流端がタンク10の上部に接続されている。タンク水循環路20には、循環ポンプ22が介装されている。循環ポンプ22は、電力により駆動される電気式ポンプであって、タンク水循環路20内の給湯用水を上流側から下流側へ送り出す。HPユニット6が、ヒートポンプ50を作動させて、循環ポンプ22を駆動すると、タンク10の下部の給湯用水が給湯用水熱交換器63に送られて加熱され、加熱された給湯用水がタンク10の上部に戻される。タンク10の内部には、低温の給湯用水の層の上に高温の給湯用水の層が積み重なった温度成層が形成される。
水道水導入路24は、上流端が熱機器2の外部の水道水供給源32に接続されている。水道水導入路24の下流側は、第1導入路24aと第2導入路24bに分岐している。第1導入路24aの下流端は、タンク10の下部に接続されている。第2導入路24bの下流端は、第1給湯路36の途中に接続されている。第1導入路24aには、逆止弁26が介装されている。第2導入路24bには、逆止弁28が介装されている。
第1給湯路36は、上流端がタンク10の上部に接続されている。上述したように、第1給湯路36の途中には、水道水導入路24の第2導入路24bが接続されている。第1給湯路36と第2導入路24bの接続部には、混合弁30が介装されている。混合弁30は、タンク10の上部から第1給湯路36へ流入する高温の給湯用水の流量と、第2導入路24bから第1給湯路36へ流入する低温の水道水の流量の割合を調整する。第2導入路24bとの接続部より下流側の第1給湯路36は、燃焼ユニット8の給湯加熱路37を通過して、第2給湯路39へ接続している。第1給湯路36と第2給湯路39の間は、熱源機バイパス路33によって接続されている。熱源機バイパス路33にはバイパス弁34が介装されている。第2給湯路39の下流端は給湯栓38に接続されている。
タンクユニット4において、給湯用水が流れる経路および暖房用水が流れる経路のそれぞれには、通電により加熱する電気式の凍結防止ヒータ(図示せず)が設けられている。
タンクユニット4は、タンクコントローラ104を備えている。タンクコントローラ104は、CPU、ROM、RAM等を備えている。ROMには各種の運転プログラムが格納されている。RAMには、タンクコントローラ104に入力される各種信号や、CPUが処理を実行する過程で生成される種々のデータが一時的に記憶される。タンクコントローラ104は、CPUがROMやRAMに記憶された情報に基づいて処理を実行することで、タンクユニット4の各構成要素の動作を制御する。
燃焼ユニット8は、シスターン70と、暖房用水加熱バーナ82と、給湯用水加熱バーナ81を備えている。シスターン70は、上部が開放されている容器であり、内部に暖房用水を貯留している。本実施例の暖房用水は例えば不凍液である。シスターン70には、暖房用水往路72の上流端が接続されている。暖房用水往路72には、循環ポンプ74が介装されている。循環ポンプ74は、電力によって駆動される電気式ポンプである。循環ポンプ74を駆動すると、シスターン70内の暖房用水が暖房用水往路72に流れ込む。
暖房用水往路72の下流端は、バーナ加熱路73と、低温暖房循環路75と、暖房バイパス路85に分岐している。低温暖房循環路75には、低温暖房端末78が取り付けられる。本実施例の低温暖房端末78は、例えば床暖房パネルである。低温暖房端末78は、暖房用水からの放熱によって暖房する。低温暖房循環路75には、第1開閉弁86が介装されている。暖房バイパス路85には、第2開閉弁87が介装されている。
バーナ加熱路73には、暖房用水加熱バーナ82が介装されている。暖房用水加熱バーナ82は、燃料(例えば都市ガスなどの燃料ガス)の燃焼によってバーナ加熱路73内の暖房用水を加熱する、燃焼熱源機である。バーナ加熱路73の下流端は、高温暖房循環路77と追い焚き循環路79に分岐している。高温暖房循環路77には、高温暖房端末76が取り付けられる。本実施例の高温暖房端末76は、例えば浴室暖房乾燥機である。高温暖房端末76は、供給される暖房用水の熱を利用して暖房する。なお、高温暖房端末76の内部には開閉弁が内蔵されており、高温暖房端末76での暖房を行う場合には開閉弁が開かれ、高温暖房端末76での暖房を行わない場合には開閉弁が閉じられている。低温暖房循環路75と高温暖房循環路77と暖房バイパス路85は、それぞれの下流端で合流して、第1暖房用水復路84の上流端へ接続している。
第1暖房用水復路84の下流端は、HP循環路88とHPバイパス路94に分岐している。第1暖房用水復路84の下流端には、調整弁90が設けられている。調整弁90は、その開度を変化させることによって、第1暖房用水復路84からHP循環路88へ流れる暖房用水の流量と、第1暖房用水復路84からHPバイパス路94へ流れる暖房用水の流量の割合を変化させることができる。HP循環路88は、HPユニット6の暖房用水熱交換器65を通過して、第2暖房用水復路96の上流端へ接続している。HPバイパス路94は、HPユニット6の暖房用水熱交換器65を通過することなく、第2暖房用水復路96の上流端へ接続している。第2暖房用水復路96は、下流端がシスターン70に接続している。
追い焚き循環路79には、追い焚き熱動弁83と、追い焚き熱交換器97が介装されている。追い焚き熱動弁83は、追い焚き循環路79を開閉する。追い焚き熱交換器97では、追い焚き循環路79を流れる暖房用水と、浴槽水循環路91を流れる浴槽水(浴槽98に貯められている給湯用水)の間で熱交換が行われる。追い焚き循環路79の下流端は、第2暖房用水復路96に接続している。
浴槽水循環路91の上流端および下流端は、浴槽98の側部に接続している。浴槽水循環路91には、浴槽水循環ポンプ99が介装されている。浴槽水循環ポンプ99は、電力によって駆動される電気式ポンプである。浴槽水循環ポンプ99が駆動すると、浴槽98から吸い出された浴槽水が、追い焚き熱交換器97を通過して、浴槽98へ戻される。
給湯加熱路37には、給湯用水加熱バーナ81が介装されている。給湯用水加熱バーナ81は、燃料(例えば都市ガスなどの燃料ガス)の燃焼によって給湯加熱路37内の給湯用水を加熱する、燃焼熱源機である。給湯加熱路37の給湯用水加熱バーナ81よりも下流側から、浴槽注湯路40が分岐している。浴槽注湯路40には、浴槽注湯路40を開閉する注湯電磁弁42が介装されている。浴槽注湯路40の下流端は、浴槽水循環ポンプ99に接続している。
燃焼ユニット8において、給湯用水が流れる経路、暖房用水が流れる経路および浴槽水が流れる経路のそれぞれには、通電により加熱する電気式の凍結防止ヒータ(図示せず)が設けられている。
燃焼ユニット8は、燃焼コントローラ106を備えている。燃焼コントローラ106は、CPU、ROM、RAM等を備えている。ROMには各種の運転プログラムが格納されている。RAMには、燃焼コントローラ106に入力される各種信号や、CPUが処理を実行する過程で生成される種々のデータが一時的に記憶される。燃焼コントローラ106は、CPUがROMやRAMに記憶された情報に基づいて処理を実行することで、燃焼ユニット8の各構成要素の動作を制御する。また、燃焼コントローラ106には、リモコン108が接続されている。リモコン108には、使用者が熱機器2を操作するための各種のスイッチや、使用者に熱機器2の動作状態を表示する液晶表示器等が設けられている。
HPコントローラ102とタンクコントローラ104は、双方向に通信可能である。また、タンクコントローラ104と燃焼コントローラ106は、双方向に通信可能である。HPコントローラ102、タンクコントローラ104および燃焼コントローラ106は、協調動作して熱機器2の動作を制御する。以下では、HPコントローラ102、タンクコントローラ104および燃焼コントローラ106を総称してコントローラ110ともいう。
次いで、本実施例の熱機器2の動作について説明する。以下では、熱機器2が実施する、沸き上げ運転、給湯運転、湯はり運転、暖房運転、追い焚き運転および凍結防止運転について順に説明する。
(沸き上げ運転)
沸き上げ運転は、タンク10内の給湯用水をHPユニット6で加熱し、高温となった給湯用水をタンク10に戻す運転である。沸き上げ運転を実行する際には、コントローラ110は、四方弁58をポートaとポートbが連通し、かつポートcとポートdが連通する状態に切り換えて、圧縮機62およびファン56を駆動する。また、コントローラ110は、循環ポンプ22を駆動する。
圧縮機62の駆動により、冷媒循環路52内の冷媒は、圧縮機62、給湯用水熱交換器63、膨張弁60、空気熱交換器54の順に循環する。この場合、給湯用水熱交換器63を通過する冷媒循環路52内の冷媒は、高温高圧の気体状態である。また、循環ポンプ22の駆動により、タンク水循環路20内をタンク10内の給湯用水が循環する。即ち、タンク10の下部に存在する給湯用水がタンク水循環路20内に導入され、導入された給湯用水が給湯用水熱交換器63を通過する際に、冷媒循環路52内の冷媒の熱によって加熱され、加熱された給湯用水がタンク10の上部に戻される。この際、コントローラ110は、給湯用水熱交換器63を通過した後の給湯用水の温度が、設定された沸き上げ温度となるように、圧縮機62、ファン56、循環ポンプ22の動作を制御する。これにより、タンク10に高温の給湯用水が貯められる。タンク10の内部が高温の給湯用水で満たされた満蓄状態となると、コントローラ110は、沸き上げ運転を終了する。
沸き上げ運転における沸き上げ温度は、コントローラ110が設定する。通常、沸き上げ運転における沸き上げ温度は、ユーザがリモコン108で設定した給湯設定温度に所定温度幅を加算した温度(例えば60℃)に設定される。また、タンク10の内部の給湯用水を高温まで加熱して殺菌する必要がある場合には、沸き上げ運転における沸き上げ温度は、通常の沸き上げ温度よりも高い温度(例えば90℃)に設定される。このように、通常の沸き上げ温度よりも高温に設定された沸き上げ温度で行なう沸き上げ運転を、特にリフレッシュ運転ともいう。
(給湯運転)
給湯運転は、給湯設定温度に調温された給湯用水を給湯栓38に供給する運転である。給湯栓38が開かれると、水道水供給源32からの水圧によって、水道水導入路24(第1導入路24a)からタンク10の下部に水道水が流入する。同時に、タンク10上部の給湯用水が、第1給湯路36を介して給湯栓38に供給される。
コントローラ110は、タンク10から第1給湯路36に供給される給湯用水の温度(即ち、サーミスタ12の検出温度)が、給湯設定温度より高い場合には、混合弁30を駆動して第2導入路24bから第1給湯路36に水道水を導入する。従って、タンク10から供給された給湯用水と第2導入路24bから供給された水道水とが、第1給湯路36内で混合される。コントローラ110は、給湯栓38に供給される給湯用水の温度が、給湯設定温度と一致するように、混合弁30の開度を調整する。このような態様での給湯運転を、非燃焼給湯運転ともいう。
一方、コントローラ110は、タンク10から第1給湯路36に供給される給湯用水の温度が、給湯設定温度より低い場合には、バイパス弁34を閉じて、給湯用水加熱バーナ81によって第1給湯路36を通過する給湯用水を加熱する。コントローラ110は、給湯栓38に供給される給湯用水の温度が、給湯設定温度と一致するように、給湯用水加熱バーナ81の出力を制御する。このような態様での給湯運転を、燃焼給湯運転ともいう。
(湯はり運転)
湯はり運転は、湯はり設定温度で浴槽98に湯はりをする運転である。使用者が湯はり運転の開始を指示すると、熱機器2は湯はり運転を開始する。湯はり運転においては、コントローラ110は、注湯電磁弁42を開く。注湯電磁弁42が開かれると、水道水供給源32からの水圧によって、水道水導入路24(第1導入路24a)からタンク10の下部に水道水が流入する。同時に、タンク10上部の給湯用水が、第1給湯路36、給湯加熱路37、浴槽注湯路40、浴槽水循環路91を介して浴槽98に供給される。湯はり運転においては、給湯運転と同様にして、浴槽注湯路40に供給される給湯用水の温度を湯はり設定温度に調整する。浴槽98に供給される給湯用水の流量が湯はり設定水量に達すると、コントローラ110は、湯はり運転を終了する。
(暖房運転)
暖房運転は、低温暖房端末78や高温暖房端末76によって暖房する運転である。使用者によって暖房運転の実行が指示されると、コントローラ110は、第1開閉弁86を開き、第2開閉弁87を閉じた状態で、循環ポンプ74を駆動する。さらに、コントローラ110は、四方弁58をポートaとポートdが連通し、かつポートbとポートcが連通する状態に切り換えて、圧縮機62およびファン56を駆動する。これによって、冷媒循環路52の冷媒は圧縮機62で加圧されて高温高圧の気体状態となり、暖房用水熱交換器65を通過する際に加熱された暖房用水が、シスターン70を経て、低温暖房端末78や高温暖房端末76に供給される。さらに、コントローラ110は、必要に応じて暖房用水加熱バーナ82を作動する。これにより、高温暖房端末76には、暖房用水加熱バーナ82での加熱によってより高温となった暖房用水が供給される。暖房運転においては、コントローラ110は、低温暖房端末78に供給される暖房用水の温度が低温暖房設定温度となるように、また高温暖房端末76に供給される暖房用水の温度が高温暖房設定温度となるように、調整弁90の開度や、HPユニット6の動作や、暖房用水加熱バーナ82の出力を制御する。
(追い焚き運転)
追い焚き運転は、浴槽98に貯められた浴槽水を追い焚きする運転である。使用者が追い焚き運転の開始を指示すると、熱機器2は追い焚き運転を開始する。追い焚き運転においては、コントローラ110は、浴槽水循環ポンプ99を駆動する。また、コントローラ110は、第1開閉弁86と第2開閉弁87を閉じ、追い焚き熱動弁83を開いた状態で、循環ポンプ74を駆動する。追い焚き運転においては、暖房運転と同様にして、HPユニット6による暖房用水の加熱と、暖房用水加熱バーナ82による暖房用水の加熱が行われる。これにより、浴槽98から浴槽水が吸い出されて、追い焚き熱交換器97で暖房用水との熱交換によって加熱される。加熱された浴槽水は、浴槽98へ戻される。
(凍結防止運転)
凍結防止運転は、外気温が低い状況において、タンクユニット4、HPユニット6および燃焼ユニット8のそれぞれにおいて、給湯用水が流れる経路、暖房用水が流れる経路および浴槽水が流れる経路の凍結を防止するための運転である。コントローラ110から凍結防止運転の開始が指示されると、タンクユニット4、HPユニット6および燃焼ユニット8のそれぞれにおいて、循環ポンプ22、循環ポンプ74、浴槽水循環ポンプ99の駆動や、凍結防止ヒータによる加熱を行なう。凍結防止運転においては、循環ポンプ22、循環ポンプ74、浴槽水循環ポンプ99を駆動しながら、凍結防止ヒータのオンとオフを所定の時間で交互に繰り返し行なうことで、給湯用水、暖房用水および浴槽水の凍結を防止する。外気温度が高くなると、コントローラ110は、凍結防止運転を終了する。
(熱機器への電力系統)
図2は熱機器2が設置される家屋の電力系統を示している。商用電力系統200には分電盤202が接続されている。分電盤202には、例えばエアコンや洗濯機、電子レンジなどの一般負荷204が接続されているとともに、蓄電池用分電盤206が接続されている。蓄電池用分電盤206には、例えば照明や冷蔵庫、テレビなどの選定負荷208と、熱機器2のタンクユニット4、HPユニット6および燃焼ユニット8が接続されているとともに、蓄電池210が接続されている。蓄電池210は、充電および放電が可能な二次電池である。商用電力系統200から電力が供給されている場合には、商用電力系統200からの電力は、一般負荷204、選定負荷208、タンクユニット4、HPユニット6、燃焼ユニット8および蓄電池210にそれぞれ供給される。また、商用電力系統200から電力が供給されている場合に、補助的に、蓄電池210からの電力を、一般負荷204、選定負荷208、タンクユニット4、HPユニット6および燃焼ユニット8に供給することもできる。
例えば停電などによって、商用電力系統200から電力が供給されない状態となると、蓄電池210は、自立運転を実行する。蓄電池210が自立運転を実行する場合には、蓄電池210からの電力は、蓄電池用分電盤206を介して選定負荷208、タンクユニット4、HPユニット6および燃焼ユニット8に供給されるが、分電盤202には電力が供給されず、従って一般負荷204には電力が供給されない。蓄電池210には、蓄電池210から放電する電力が所定の上限放電電力を超えると蓄電池210からの放電を遮断する保護回路(図示せず)が内蔵されている。
(運転モードの切り換え)
熱機器2のコントローラ110は、通常モードと、蓄電池対応モードの何れかの運転モードで動作可能である。運転モードの切り換えは、リモコン108から使用者が行なうことができる。例えば停電などによって、商用電力系統200から電力が供給されなくなり、蓄電池210が自立運転を実行している場合に、使用者は、リモコン108を介して運転モードを切り換えることで、熱機器2のコントローラ110を蓄電池対応モードで動作させることができる。
通常モードでは、コントローラ110は、タンクユニット4、HPユニット6および燃焼ユニット8に消費電力の制限を設けることなく、上記した各種の運転を実行する。
蓄電池対応モードでは、コントローラ110は、ヒートポンプ50での消費電力に制限を設けて、上記した各種の運転を実行する。以下では、蓄電池対応モードに関連してコントローラ110が行なう処理について、図3を参照しながら説明する。
ステップS2では、コントローラ110は、現在の動作モードが蓄電池対応モードであるか否かを判断する。現在の動作モードが蓄電池対応モードである場合(ステップS2でYESの場合)、処理はステップS4へ進む。
ステップS4では、コントローラ110は、熱機器2の目標消費電力を取得する。本実施例では、熱機器2の目標消費電力は、リモコン108を介して使用者が予め設定しておくことができる。熱機器2の目標消費電力を取得した後、処理はステップS6へ進む。
ステップS6では、コントローラ110は、熱機器2の運転状態を把握する。具体的には、コントローラ110は、熱機器2が凍結防止運転、給湯運転、湯はり運転、暖房運転および追い焚き運転のそれぞれを現在実行しているか否かを判断する。熱機器2の運転状態を把握した後、処理はステップS8へ進む。
ステップS8では、コントローラ110は、ヒートポンプ50への消費電力の割当を算出する。図4に示すように、コントローラ110は、熱機器2が凍結防止運転、給湯運転、湯はり運転、暖房運転および追い焚き運転を行なう際の、ヒートポンプ50を除く構成要素による平均的な消費電力を予め記憶している。そして、コントローラ110は、ステップS2で取得した目標消費電力から、現在実行している運転におけるヒートポンプ50を除く構成要素による消費電力を減算することで、ヒートポンプ50の消費電力の割当を算出する。ヒートポンプ50の消費電力の割当を算出した後、処理はステップS10へ進む。
ステップS10では、コントローラ110は、ステップS8で算出されたヒートポンプ50の消費電力の割当を、ヒートポンプ50の上限消費電力として設定する。その後、ヒートポンプ50を駆動する際には、コントローラ110は、この上限消費電力を超えないように、ヒートポンプ50の動作を制御する。例えば、本実施例の熱機器2では、コントローラ110は、上限消費電力を超えないように、沸き上げ運転における沸き上げ温度を制限する。図5は、沸き上げ運転における沸き上げ温度と、ヒートポンプ50での消費電力の関係を、季節ごとに例示したものである。図5に示す例において、ヒートポンプ50の上限消費電力が、例えば530Wに設定されている場合、コントローラ110は、ヒートポンプ50での消費電力が530Wを超えないように、沸き上げ運転における沸き上げ温度を設定する。このように、ヒートポンプ50の上限消費電力を設定することによって、蓄電池210から放電される電力が上限放電電力を超えてしまうことを防ぐことができる。ステップS10の後、処理はステップS2へ戻る。
ステップS2において、動作モードが通常モードである場合(NOの場合)、処理はステップS12へ進む。
ステップS12では、コントローラ110は、ヒートポンプ50の上限消費電力が設定されている場合には、ヒートポンプ50の上限消費電力の設定を解除する。その後、ヒートポンプ50を駆動する際には、コントローラ110は、上限消費電力の制約なしに、ヒートポンプ50の動作を制御する。ステップS12の後、処理はステップS2へ戻る。
上記のように、蓄電池対応モードでは、熱機器2の消費電力が、通常モードでの最大消費電力よりも低い目標消費電力(抑制電力ともいう)以下となるように、熱機器2の動作が制御される。すなわち、蓄電池対応モードは、通常モードでの最大消費電力よりも低い抑制電力以下の消費電力で動作する、抑制電力モードということもできる。
(蓄電池対応モードにおける四方弁58の切り換え動作)
HPユニット6は、沸き上げ運転を開始する際には、四方弁58をポートaとポートbが連通し、かつポートcとポートdが連通する状態に切り換える。また、HPユニット6は、暖房運転や追い焚き運転を開始する際には、四方弁58をポートaとポートdが連通し、かつポートbとポートcが連通する状態に切り換える。このような四方弁58の切り換え動作では、一時的に大きな電力を消費するので、ヒートポンプ50での消費電力が一時的に上限消費電力を超えてしまう可能性がある。そこで、本実施例の熱機器2では、蓄電池対応モードにおいて、四方弁58の切り換え動作が、循環ポンプ22、循環ポンプ74、浴槽水循環ポンプ99の駆動や、凍結防止ヒータによる加熱と、同時に行われないように、それぞれのタイミングを調整する。このような構成とすることによって、一時的に大きな電力を消費する四方弁58の切り換え動作の際に、ヒートポンプ50での上限消費電力を一時的に増加させることができる。これによって、熱機器2の消費電力が目標消費電力を超えてしまうことを防ぐことができ、蓄電池210から放電する電力が上限放電電力を超えてしまうことを防ぐことができる。
例えば、本実施例の熱機器2では、蓄電池対応モードにおいて、凍結防止運転を実行中に、四方弁58の切り換え動作を行なう必要が生じた場合に、凍結防止運転で動作している循環ポンプ22、循環ポンプ74または浴槽水循環ポンプ99の駆動を停止するとともに、凍結防止ヒータによる加熱を停止する。そして、四方弁58の切り換え動作を行った後に、循環ポンプ22、循環ポンプ74または浴槽水循環ポンプ99の駆動および凍結防止ヒータによる加熱を再開する。これによって、四方弁58の切り換え動作の際に、ヒートポンプ50での上限消費電力を一時的に増加させて、熱機器2の消費電力が目標消費電力を超えてしまうことを防ぐことができる。
あるいは、本実施例の熱機器2では、蓄電池対応モードにおいて、凍結防止運転を実行中に、四方弁58の切り換え動作を行なう必要が生じた場合に、凍結防止運転で動作している循環ポンプ22、循環ポンプ74または浴槽水循環ポンプ99がすべて駆動を停止し、凍結防止ヒータによる加熱がすべて停止するタイミングまで待ってから、四方弁58の切り換え動作を行なうようにしてもよい。このような構成によっても、四方弁58の切り換え動作の際に、ヒートポンプ50での上限消費電力を一時的に増加させて、熱機器2の消費電力が目標消費電力を超えてしまうことを防ぐことができる。
なお、四方弁58の切り換え動作が行われると、通常であれば、その後にヒートポンプ50による給湯用水または暖房用水の加熱が行われる。ヒートポンプ50により給湯用水や暖房用水を加熱する際には、コントローラ110は、上限消費電力を超えないように、ヒートポンプ50の動作を制御する。この際に、凍結防止運転のために、循環ポンプ22、循環ポンプ74または浴槽水循環ポンプ99の駆動や、凍結防止ヒータによる加熱を一斉に開始すると、ヒートポンプ50の上限消費電力が急激に低下するものの、ヒートポンプ50がその上限消費電力の急激な低下に追従することができず、一時的に熱機器2の消費電力が目標消費電力を超えてしまうおそれがある。そこで、本実施例の熱機器2では、四方弁58の切り換え動作の後においては、循環ポンプ22、循環ポンプ74または浴槽水循環ポンプ99の駆動や、凍結防止ヒータによる加熱を開始するのに先立って、ヒートポンプ50の上限消費電力を低下させる。また、本実施例の熱機器2では、四方弁58の切り換え動作の後においては、循環ポンプ22、循環ポンプ74または浴槽水循環ポンプ99の駆動や、凍結防止ヒータによる加熱を、一斉に開始させることなく、時間差を設けて順次開始させる。このような構成とすることによって、熱機器2の消費電力が目標消費電力を超えてしまうことを防ぐことができる。
図6は、一例として、蓄電池対応モードにおいて、暖房用水の凍結を防止する第1凍結防止運転と、浴槽水の凍結を防止する第2凍結防止運転が行われている状況で、ヒートポンプ50が沸き上げ運転を開始するために四方弁58の切り換え動作を行なう場合の、熱機器2における消費電力の経時的な変化を示している。第1凍結防止運転では、循環ポンプ74の駆動と、暖房用水が流れる配管の凍結防止ヒータでの加熱が行われている。第2凍結防止運転では、浴槽水循環ポンプ99の駆動と、浴槽水が流れる配管の凍結防止ヒータでの加熱が行われている。この場合、タイミングT1で、第1凍結防止運転と第2凍結防止運転が停止され、その後のタイミングT2で、四方弁58の切り換え動作が開始される。その後、タイミングT3で、四方弁58の切り換え動作の完了とともにヒートポンプ50の上限消費電力を低下させ、その後のタイミングT4で、第1凍結防止運転を再開させる。その後、タイミングT5で、ヒートポンプ50の上限消費電力をさらに低下させ、その後のタイミングT6で、第2凍結防止運転を再開させる。上記のように、四方弁58の切り換え動作と、第1凍結防止運転および第2凍結防止運転の停止および再開を行なうことによって、熱機器2の消費電力が目標消費電力を超えてしまうことを防ぐことができる。
上記以外にも、例えば、蓄電池対応モードにおいて、循環ポンプ74を駆動して暖房運転を行っている状況や、浴槽水循環ポンプ99と循環ポンプ74を駆動して追い焚き運転を行っている状況で、ヒートポンプ50が沸き上げ運転を開始するために四方弁58の切り換え動作を行なう場合に、駆動している循環ポンプ74や浴槽水循環ポンプ99を一旦停止してから四方弁58の切り換え動作を行い、四方弁58の切り換え動作が終了してから、停止した循環ポンプ74や浴槽水循環ポンプ99の駆動を再開する構成としてもよい。
なお、上記の実施例において、例えばHEMS(Home Energy Management System)コントローラなどのエネルギー管理装置によって、商用電力系統200および蓄電池210からの電力供給状況を特定し、そのエネルギー管理装置からの信号に基づいて、コントローラ110が、通常モードおよび蓄電池対応モードの間での切り換えを自動的に行なってもよい。この場合、熱機器2の目標消費電力は、エネルギー管理装置がコントローラ110に指示する構成としてもよい。
上記の実施例では、ヒートポンプ50が、冷媒の流路を切り換える流路切換弁として四方弁58を備える構成について説明したが、ヒートポンプ50が、他の種類の流路切換弁、例えば電磁弁や三方弁などを備える構成としてもよい。
上記の実施例では、四方弁58での冷媒の流路の切り換えを、圧縮機62の回転数を一時的に増加させることによって行う構成について説明したが、四方弁58での冷媒の流路の切り換えを、例えば四方弁58に内蔵されたソレノイドへの通電によって行なう構成としてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2 :熱機器
4 :タンクユニット
6 :HPユニット
8 :燃焼ユニット
10 :タンク
12 :サーミスタ
14 :サーミスタ
16 :サーミスタ
18 :サーミスタ
20 :タンク水循環路
22 :循環ポンプ
24 :水道水導入路
24a :第1導入路
24b :第2導入路
26 :逆止弁
28 :逆止弁
30 :混合弁
32 :水道水供給源
33 :熱源機バイパス路
34 :バイパス弁
36 :第1給湯路
37 :給湯加熱路
38 :給湯栓
39 :第2給湯路
40 :浴槽注湯路
42 :注湯電磁弁
50 :ヒートポンプ
52 :冷媒循環路
54 :空気熱交換器
56 :ファン
58 :四方弁
60 :膨張弁
62 :圧縮機
63 :給湯用水熱交換器
64 :逆止弁
65 :暖房用水熱交換器
66 :逆止弁
70 :シスターン
72 :暖房用水往路
73 :バーナ加熱路
74 :循環ポンプ
75 :低温暖房循環路
76 :高温暖房端末
77 :高温暖房循環路
78 :低温暖房端末
79 :追い焚き循環路
81 :給湯用水加熱バーナ
82 :暖房用水加熱バーナ
83 :追い焚き熱動弁
84 :第1暖房用水復路
85 :暖房バイパス路
86 :第1開閉弁
87 :第2開閉弁
88 :HP循環路
90 :調整弁
91 :浴槽水循環路
94 :HPバイパス路
96 :第2暖房用水復路
97 :追い焚き熱交換器
98 :浴槽
99 :浴槽水循環ポンプ
102 :HPコントローラ
104 :タンクコントローラ
106 :燃焼コントローラ
108 :リモコン
110 :コントローラ
200 :商用電力系統
202 :分電盤
204 :一般負荷
206 :蓄電池用分電盤
208 :選定負荷
210 :蓄電池

Claims (3)

  1. 冷媒を循環させることで熱媒を加熱する電気式ヒートポンプであって、冷媒の流路を切り換える流路切換弁を備える電気式ヒートポンプと、
    熱媒の流路に設けられており、熱媒の凍結を防止するために熱媒を加熱する1またはそれ以上の電気式ヒータと、
    熱媒の流路に設けられており、熱媒を流動させる1またはそれ以上の電気式ポンプと、
    制御装置を備える熱機器であって、
    通常モードと、通常モードでの最大消費電力よりも低い抑制電力以下の消費電力で動作する電力抑制モードで動作可能であって、
    制御装置は、電力抑制モードにおいて電気式ヒートポンプによる熱媒の加熱を開始する際に、1またはそれ以上の電気式ヒータおよび1またはそれ以上の電気式ポンプのうちの少なくとも1つを停止した状態で、電気式ヒートポンプの流路切換弁を切り換え動作させる、熱機器。
  2. 制御装置は、電力抑制モードにおいて電気式ヒートポンプによる熱媒の加熱を開始する際に、1またはそれ以上の電気式ヒータおよび1またはそれ以上の電気式ポンプを全て停止した状態で、電気式ヒートポンプの流路切換弁を切り換え動作させる、請求項1の熱機器。
  3. 制御装置は、電力抑制モードにおいて電気式ヒートポンプによる熱媒の加熱を開始する際に、1またはそれ以上の電気式ヒータおよび1またはそれ以上の電気式ポンプのうちの少なくとも2つを停止した状態で、電気式ヒートポンプの流路切換弁を切り換え動作させ、電気式ヒートポンプの流路切換弁の切り換え動作が終了した後、停止している前記少なくとも2つの電気式ヒータおよび/または電気式ポンプを、異なるタイミングで動作開始させる、請求項1または2の熱機器。
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