JP7025262B2 - ロックウール吹付工法 - Google Patents

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Description

本発明は乾式工法又は半乾式工法のロックウール吹付工法に関する。特に、乾燥ロックウールの圧送経路内で詰まり難いロックウール吹付工法に関する。
構造物の部材に、耐火性、防火性、吸音性又は断熱性等を付与する目的で、ロックウール、セメント及び水を用いたロックウール吹付け工法が用いられている。ロックウール吹付工法としては、乾式工法、湿式工法、半乾式工法が知られている。乾式工法および半乾式工法は、湿式工法に比べて、ロックウール吹付け工法により形成される被覆層(吹付けロックウール層)の嵩密度を小さくできるという利点が知られている。
代表的な粒状繊維である粒状ロックウールを用いたロックウール吹付工法には、乾式工法、湿式工法、半乾式工法などがある。
乾式工法は、予め、ロックウールとセメントとを混合した乾燥混合物(混綿)をノズルから吐出し、同時に、ノズルの周縁又は内部に配置した複数個の噴水口より圧力水を噴射して又はノズル内部中心に配置した噴水口より圧力水を噴射して、両者を混合吹付ける工法である。
湿式工法は、主材の粒状ロックウールとセメントに界面活性剤と増粘剤とを配合してなる吹付施工用被覆材を用い、これに水を加えたペーストを圧縮空気によりノズルから吹付ける方法である。
半乾式工法は、予め、粒状ロックウールとセメントとを混合しない工法である。例えば、粒状ロックウールは解繊機で解繊・破砕され、ロータリーバルブにより定量的に送り出され、エアブロアによりホース内を圧送され、吹付ノズルに供給される。セメントはミキサで水と混合されてセメントスラリーとなり、スラリーポンプにより搬送パイプを通って吹付ノズルに供給される。セメントスラリーをノズルの周縁から噴射するか、或いはノズルの中心から噴射し、ロックウールと合流混合して耐火被覆層を形成する(例えば特許文献1参照)。
乾式工法および半乾式工法は、湿式工法に比べて、ロックウール吹付け工法により形成される被覆層(吹付けロックウール層)の嵩密度を小さくできるという利点が知られている。
特開2002-348978号公報
乾式工法における混綿の空気圧送時、又は半乾式工法におけるロックウールの空気圧送時において、吹付作業開始後直ぐに圧送管内で混綿又は乾燥ロックウールが詰まってしまうことがあった。このため、吹付作業時に圧送管内で詰まり難い、ロックウール吹付工法が望まれていた。
本発明は上記課題を解決するものであり、吹付作業時に圧送管内で混綿又は乾燥ロックウールが詰まり難いロックウール吹付工法を提供することを目的とする。
さらに、形成されるロックウール層の嵩密度を維持できるロックウール吹付工法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、乾式工法又は半乾式工法のロックウール吹付工法である。乾燥ロックウールの圧送経路の先端付近における乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標が所定の範囲に入るように、施工現場にて、乾燥ロックウールの空気圧送に使用する機器を調整する。
これにより、吹付作業時に圧送管内で混綿又は乾燥ロックウールが詰まり難くなる。また、過剰な噴射を抑制できる。例えば、形成されるロックウール層の嵩密度を維持できる。
本発明において、好ましくは、前記施工現場での乾燥ロックウールの空気圧送に使用する機器の調整は、乾燥ロックウールの空気圧送に使用する空気の風速を調整する。
これにより、現場施工での簡便性を維持できる。
本発明において、好ましくは、試験施工にて、乾燥ロックウールを空気圧送して、水分を混ぜずに、噴射し、乾燥ロックウールの圧送経路内での詰まりの発生の有無を確認し、乾燥ロックウールの圧送経路内で詰まりが発生しないときの乾燥ロックウールの圧送経路の先端付近における乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標を求め、前記所定の範囲の最小値を設定する。
これにより、簡便に最小値を設定できる。現場施工における運動エネルギーを表す指標は最小値以上とすることにより、吹付作業時に圧送管内で混綿又は乾燥ロックウールが詰まり難くなる。
本発明において、好ましくは、試験施工にて、乾燥ロックウールを空気圧送して、水分を混ぜて、噴射し、吹付ロックウール層を形成し、跳ね返りの程度および形成された吹付ロックウール層の嵩密度が所定の嵩密度か否かを確認し、乾燥ロックウールを空気圧送して、水分を混ぜずに、噴射し、跳ね返りが無くかつ所定の嵩密度のときの乾燥ロックウールの圧送経路の先端付近における乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標を求め、前記所定の範囲の最大値を設定する。
これにより、簡便に最大値を設定できる。現場施工における運動エネルギーを表す指標は最大値以下とすることにより、跳ね返りによる粉塵が抑制され、形成された吹付ロックウール層の嵩密度は維持され、吹付けロックウール層形成の早さも維持される。
前記乾燥ロックウールの圧送経路の先端付近における乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標が吹付荷重である。
これにより、簡便に運動エネルギーを表す指標を得られる。
本願発明のロックウール吹付工法によれば、吹付作業時に圧送管内で混綿又は乾燥ロックウールが詰まり難い。
さらに、形成されるロックウール層の嵩密度を維持できる。
本工法に用いるロックウール吹付システムの例である。 本工法による現場施工の例である。 本工法による試験施工の例である。 本工法による試験施工の例である。 本工法による試験施工の例である。
~システム構成~
図1は、本工法に用いるロックウール吹付システムの例である。一般的に用いられている吹付システムを用いる。半乾式工法を例に説明する。
ロックウール吹付機10に投入されたロックウール11はブロワー(図示省略)からロックウール吹付機10に送られる圧送空気によりマテリアルホース9を通ってノズル3に送られる。ロックウール吹付機10には、ホッパー、ロータリーカッターおよび定量供給装置が備わっている。
一方、貯留容器8内に溜められているセメントスラリーはポンプ7に吸引され、リング部1に送られ、このリング部1に取り付けられノズル周縁に配置されている複数個の噴水口14より噴射される。
噴霧状のセメントスラリー4はノズル3より吐出されるロックウール5と合流混合され、被覆層が形成される。
なお、乾式工法では、ロックウールに代えて、ロックウールとセメントとを混合した乾燥混合物(混綿)が噴射され、セメントスラリーに代えて水が噴射される。
~現場施工~
発明者は、吹付作業時に圧送管内で混綿又は乾燥ロックウールが詰まるか否かは、圧送経路先端からから噴射されるロックウールの運動エネルギーと相関があることを見出し、運動エネルギーを表す指標に着目した。
本工法において、乾燥ロックウールの圧送経路の先端付近における乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標が所定の範囲に入るように、施工現場にて、乾燥ロックウールの空気圧送に使用する機器を調整する。以下詳細に説明する。
乾燥ロックウールは、乾式工法のロックウール吹付工法における混綿および半乾式工法のロックウール吹付工法におけるロックウールを含む。水が添加されていない。
圧送経路の先端付近とは、乾燥ロックウールの圧送経路の先端の圧送手前5mから、乾燥ロックウールの圧送経路の先端から吐出後の吐出口から2mまでの範囲のことで、好ましくは、乾燥ロックウールの圧送経路の先端の圧送手前3mから、乾燥ロックウールの圧送経路の先端から吐出後の吐出口から1mまでの範囲のことである。より好ましくは、乾燥ロックウールの圧送経路の先端の圧送手前1mから、乾燥ロックウールの圧送経路の先端から吐出後の吐出口から1mまでの範囲のことである。
尚、吹付ノズルを使用している場合は、乾燥ロックウールの圧送経路の先端とは、吹付ノズルの先端(吐出口)であり、吹付ノズルを使用していない場合は、乾燥ロックウールの圧送管(圧送ホース)の先端である。
運動エネルギーを表す指標(以下、「運動エネルギー指標」ということがある。)としては、乾燥ロックウールを板、棒、突起等の部材に当てた時の当該部材に掛かる荷重、応力或いは当該部材の変位(変形度合)、速度、乾燥ロックウールを回転羽根に当てた時の当該羽根の一定時間当たりの回転数(回転速度)等が好ましい例として挙げられる。特に好ましくは、乾燥ロックウールを、電子はかり、上皿はかり、電子台はかり、電子天秤、デジタルクッキングスケール等の秤の上皿や台に直接又は板を介して間接的に当て、その時に表示される質量(重量)を吹付荷重として、乾燥ロックウールの圧送経路の先端付近における乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標に用いる。この吹付荷重は、測定の作業および装置が簡単である。
ただし、原則、現場施工において、運動エネルギーを表す指標を測定することはない(変形例にて詳述)。
また、所定の範囲については、別途、詳述する(図3および図4相当箇所参照)。
乾燥ロックウールの空気圧送に使用する機器とは、ブロワー等の送風装置に加えて、圧送経路内へ乾燥ロックウールを供給する定量供給装置および乾燥ロックウールの大きさを調整する装置(ロータリーカッター)も含まれる。
施工現場での乾燥ロックウールの空気圧送に使用する機器の調整は、乾燥ロックウールの空気圧送に使用する空気の風速を調整する。その結果、乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標が所定の範囲に入る。
具体的には、ブロワー等の送風装置の風速調整ができる送風設定用のダイヤルの調整、設定値の入力等で行うことができる。
図2は、現場施工の例である。この図2乃至図5において、リング部1に取り付けられノズル周縁に配置されている複数個の噴水口14は省略してある。
本工法では、上記の通り、乾燥ロックウールの空気圧送に使用する空気の風速を調整する。また、その他の設定は試験施工(詳細後述)の設定と同一とする。
その後、一般的な乾式工法又は半乾式工法により、ロックウール層が形成される。
~試験施工~
運動エネルギーを表す指標の範囲の設定について説明する。試験施工により、以下のように最小値および最大値が設定される。
まず、最小値の設定について説明する。図3は最小値設定に係る試験施工の例である。
水分を混ぜずに、乾燥ロックウールを空気圧送して、噴射する。このとき、乾燥ロックウールを噴射後に水分を添加することも含まれない。
複数の試験例において、乾燥ロックウールの圧送経路内での詰まりの発生の有無を確認するとともに、乾燥ロックウールの圧送経路の先端付近における乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標を求める。
複数の試験結果から、乾燥ロックウールの圧送経路内で詰まりが発生しないときの乾燥ロックウールの圧送経路の先端付近における乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標の最小値を求める。これにより、所定の範囲の最小値が設定される。
なお、運動エネルギーを表す指標が最小値未満になると、圧送経路内で詰まりが発生し易くなる。
このとき、現場施工でロックウール吹付工法を行う施工条件と同じ又はより乾燥ロックウールの圧送経路内で詰まりが発生し易い(即ち、より厳しい)施工条件で、0.5乃至5分間程度乾燥ロックウールを空気圧送し、乾燥ロックウールの圧送経路内で詰まりが発生しないことを確認することが好ましい。
つまり、施工条件として、乾燥ロックウールの種類・大きさ、ロックウール吹付け機の種類(型番)・設定、送風装置の種類(型番)、圧送長さ(ホース長)、圧送高さ、ホース内径、ホースの材質等のうち、必要に応じて設定するが、特に、乾燥ロックウールの種類・大きさ、ロックウール吹付け機の種類(型番)・設定、送風装置の種類(型番)、圧送長さ(ホース長)及びホース内径を、現場施工でロックウール吹付工法を行う施工条件と同じ又はより厳しい条件とすることが好ましい。
なお、上記試験施工においては、吹付ノズルを取外して行う等の支障のない範囲で吹付けシステムの一部を省略または簡略化することもできる。
次に、最大値の設定について説明する。図4は最大値設定に係る試験施工の例である。
乾燥ロックウールを空気圧送して、水分を混ぜて、噴射し、目的の構造物又は部材以外のもの(例えば、板、目的以外の鉄骨や壁等)に吹付ロックウール層を形成する。このとき、乾燥ロックウールを噴射後に水分を添加することも含まれる。
複数の試験例において、跳ね返りの程度(すなわち跳ね返りによる粉塵が少ないこと)および形成された吹付ロックウール層の嵩密度が所定の嵩密度か否かや吹付けロックウール層を早く形成できるか否かを確認する。
これに平行して、各試験例において、乾燥ロックウールの圧送経路の先端付近における乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標を求める(図3相当の記載参照)。
複数の試験結果から、跳ね返りによる粉塵が少なく、形成された吹付ロックウール層の嵩密度が所定の嵩密度であり、吹付けロックウール層を早く形成できるか場合の乾燥ロックウールの圧送経路の先端付近における乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標の最大値を求める。これにより、所定の範囲の最大値が設定される。
なお、運動エネルギーを表す指標が最大値超になると、過剰を意味する。すなわち、跳ね返りによる粉塵が多くなったり、形成された吹付ロックウール層の嵩密度が増えたり、吹付けロックウール層形成が遅くなる等の不具合が発生するおそれがある。
ところで、原則、現場施工において、運動エネルギーを表す指標を測定することはない(変形例にて詳述)。
図5は風速測定に係る試験施工の例である。
図3に係る水分を混ぜずに、乾燥ロックウールを空気圧送して、噴射する各試験例、および、図4に係る乾燥ロックウールを空気圧送して、水分を混ぜて、噴射する各試験例に対応して、送風装置により空気のみを送風したときの風速を測定し、運動エネルギーを表す指標と対応させておく。
現場施工において、乾燥ロックウールの空気圧送に使用する空気の風速が所定範囲になるように、風速調整する。その他の条件を現場施工と試験施工で同一とする結果、現場施工において、乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標が所定の範囲に入る。
~効果~
現場施工において、乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標が所定の範囲に入るように、乾燥ロックウールの空気圧送に使用する空気の風速を調整する。
これにより、現場施工における運動エネルギーを表す指標は最小値以上となり、吹付作業時に圧送管内で混綿又は乾燥ロックウールが詰まり難くなる。
また、現場施工における運動エネルギーを表す指標は最大値以下となり、跳ね返りによる粉塵が抑制され、形成された吹付ロックウール層の嵩密度は維持され、吹付けロックウール層形成の早さも維持される。
試験施工において、吹付荷重を測定することにより、簡便に、乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標が得られる。
現場施工において、空気速度を乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標に代替する指標と用いることで、現場での作業者に過度の負担をかけることがない。簡便性を維持しつつ、上記効果を期待できる。
~変形例~
本工法では、現場施工の簡便性の観点から、原則、現場施工において、運動エネルギーを表す指標を測定することはない。
これに対し、現場本施工の直前において、現場本施工と全く同一条件において、乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標を測定し、所定の範囲に入っていることを確認してもよい。これにより、現場本施工において、より確実に不具合を抑制することができる。
さらに、現場本施工の直前において、現場本施工と全く同一条件において、乾燥ロックウールの空気圧送に使用する空気の風速を測定し、所定の範囲に入っていることを確認してもよい。これにより、現場本施工において、より確実に不具合を抑制することができる。
~実施例~
上記試験施工の一例として、最小値設定の具体例を示す。
試験施工には、ブロワーが内蔵されているロックウール吹付機を用いた。このロックウール吹付機には、ブロワーの他に、ホッパー、ロータリーカッター、定量供給装置およびインバーター装置が備わっている。
ロックウール吹付機のホッパーに投入されロックウール吹付機内のカッターにより細かくされた後、ロックウール吹付機に内蔵されているブロワーにより空気圧送された太平洋マテリアル株式会社製混綿(商品名:太平洋スプレーコート)を、圧送ホースの先端からの距離が1mとなるように電子はかりの上皿に略垂直に当て、このとき表示される荷重を読み取り、吹付荷重とした。
空気圧送に使用する空気の風速の調整は、ロックウール吹付機に内蔵されているブロワーを制御しているインバーター装置の周波数と風速との関係を求め、当該周波数を設定することで行った。また、上記吹付荷重と対応して空気風速も測定した。
吹付荷重の測定後も続けて混綿を同一条件で圧送ホースの先端から吐出させ、吐出開始から1分間経過するまでに、乾燥ロックウールの圧送経路内で詰まり(ホース詰まり)が発生するか否かを確認した。ホース詰まりが発生した場合を「不良」(記号:×)、ホース詰まりが発生しなかった場合を「良好」(記号:○)と評価した。
このときの施工条件と、試験結果を表1に示した。
Figure 0007025262000001
なお、表1におけるカッターダイヤルの値は、ロックウール吹付機における内蔵されているカッターの単位時間当たりの回転数(回転速度)を制御するダイヤルで、数値が大きい程、カッターの回転速度が早く(大きく)なり、混綿中の綿(ロックウール粒)は細かくなる。
試験結果について検討する。綿の吐出量をM、吹付荷重をFとしたときに、次式(1)が成り立つ場合はホース詰まりが無いことが分かる。
F≧0.080×M/5.0 ・・・・ (1)
試験例1~6では、試験例2では上記式(1)を満たさず、ホースの詰まりが発生しているのに対し、試験例3では上記式(1)を満たし、ホースの詰まりが発生していない。したがって、F=0.100が運動エネルギーを表す指標の範囲の最小値に設定される。これに対応する空気風速は、22.5(m/s)である。同様に、表1の網掛けをしてあるFの値が、各条件における運動エネルギーを表す指標の範囲の最小値に設定される。これらに対応する空気風速は、それぞれ対応する表1の網掛けをしてある空気風速の値である。
これによれば、試験例1~6共通の諸条件を現場施工で再現するとともに、空気風速は22.5(m/s)以上となる様に機器を調整する。
試験例7~9では、試験例7では上記式(1)を満たさず、ホースの詰まりが発生しているのに対し、試験例8では上記式(1)を満たし、ホースの詰まりが発生していない。したがって、F=0.085が運動エネルギーを表す指標の範囲の最小値に設定される。これに対応する空気風速は、25.0(m/s)である。
これによれば、試験例7~9共通の諸条件を現場施工で再現するとともに、空気風速は25.0(m/s)以上となる様に機器を調整する。
試験例10~12では、試験例10では上記式(1)を満たさず、ホースの詰まりが発生しているのに対し、試験例11では上記式(1)を満たし、ホースの詰まりが発生していない。したがって、F=0.075が運動エネルギーを表す指標の範囲の最小値に設定される。これに対応する空気風速は、20.0(m/s)である。
これによれば、試験例10~12共通の諸条件を現場施工で再現するとともに、空気風速は20.0(m/s)以上となる様に機器を調整する。
試験例13~16では、試験例13では上記式(1)を満たさず、ホースの詰まりが発生しているのに対し、試験例14では上記式(1)を満たし、ホースの詰まりが発生していない。したがって、F=0.150が運動エネルギーを表す指標の範囲の最小値に設定される。これに対応する空気風速は、25.0(m/s)である。
これによれば、試験例13~16共通の諸条件を現場施工で再現するとともに、空気風速は25.0(m/s)以上となる様に機器を調整する。
試験例17~20では、試験例17では上記式(1)を満たさず、ホースの詰まりが発生しているのに対し、試験例18では上記式(1)を満たし、ホースの詰まりが発生していない。したがって、F=0.080が運動エネルギーを表す指標の範囲の最小値に設定される。これに対応する空気風速は、20.0(m/s)である。
これによれば、試験例17~20共通の諸条件を現場施工で再現するとともに、空気風速は20.0(m/s)以上となる様に機器を調整する。
以上、最小値設定の具体例を説明したが、同様に、最大値も設定する。
1 リング部
2 ブロワー
3 ノズル
4 噴霧スラリー
5 噴射ロックウール
6 吸引ホース
7 ポンプ
8 貯留容器
9 マテリアルホース
10 ロックウール吹付機
11 ロックウール
12 セメントスラリー
13 風速計
14 噴水口

Claims (4)

  1. 乾式工法又は半乾式工法のロックウール吹付工法において、
    乾燥ロックウールの圧送経路の先端付近における乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標が所定の範囲に入るように、施工現場にて、乾燥ロックウールの空気圧送に使用する機器を調整し、
    前記乾燥ロックウールの圧送経路の先端付近における乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標が吐出量および風速との相関関係が確認された吹付荷重である
    ことを特徴とするロックウール吹付工法。
  2. 前記施工現場での乾燥ロックウールの空気圧送に使用する機器の調整は、乾燥ロックウールの空気圧送に使用する空気の風速を調整する
    ことを特徴とする請求項1記載のロックウール吹付工法。
  3. 試験施工にて、
    乾燥ロックウールを空気圧送して、水分を混ぜずに、噴射し、
    乾燥ロックウールの圧送経路内での詰まりの発生の有無を確認し、
    乾燥ロックウールの圧送経路内で詰まりが発生しないときの乾燥ロックウールの圧送経路の先端付近における乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標を求め、
    前記所定の範囲の最小値を設定する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のロックウール吹付工法。
  4. 試験施工にて、
    乾燥ロックウールを空気圧送して、水分を混ぜて、噴射し、吹付ロックウール層を形成し、
    跳ね返りの程度および形成された吹付ロックウール層の嵩密度が所定の嵩密度か否かを確認し、
    乾燥ロックウールを空気圧送して、水分を混ぜずに、噴射し、
    跳ね返りが無くかつ所定の嵩密度のときの乾燥ロックウールの圧送経路の先端付近における乾燥ロックウールの運動エネルギーを表す指標を求め、
    前記所定の範囲の最大値を設定する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のロックウール吹付工法。
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