以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るPOSシステム1の構成例を示している。同図に示すPOSシステム1は、ストアコントローラ10と、登録用POSレジスタ20と、3台の決済用POSレジスタ30-2、30-3、30-4と、携帯端末40と、POSレジスタ50とを含んで構成されている。以降の説明において、決済用POSレジスタ30-2、30-3、30-4について特に区別しない場合には、決済用POSレジスタ30と記載する。
ストアコントローラ10と、登録用POSレジスタ20と、3台の決済用POSレジスタ30と、POSレジスタ50とは、有線または無線接続のLAN(Local Area Network)11で相互に通信が可能なように接続されている。また、携帯端末40は、無線LANのアクセスポイントを経由してPOSシステム1に接続する。携帯端末40が無線LANにより接続する先はストアコントローラ10であってもよいし、直接登録用POSレジスタ20、3台の決済用POSレジスタ30、又は、POSレジスタ50と接続するようにしてもよい。また、登録用POSレジスタ20に接続される決済用POSレジスタ30の数は3台に限らず、登録用POSレジスタ20の1台に対して2台、または4台を接続するなど、登録用POSレジスタ20へ接続する決済用POSレジスタ30の台数は適宜設定により変更が可能になっていてもよい。
なお、同図に示したPOSシステム1の構成は一例である。例えば、POSシステム1の構成として、2台以上の登録用POSレジスタ20、携帯端末40又はPOSレジスタ50を含む構成としてもよいし、2台以下または4台以上の決済用POSレジスタ30を含む構成としてもよい。また、POSシステム1の構成として、ストアコントローラ10を含まない構成としてもよい。なお、POSシステム1の構成として、ストアコントローラ10を含まない構成とする場合には、他の装置(例えば、登録用POSレジスタ20やPOSレジスタ50、2以上の登録用POSレジスタ20がある場合には代表する1台の登録用POSレジスタ20)に、ストアコントローラ10としての機能を兼用させてもよい。なお、POSレジスタ50はサービスカウンタ等に設置されており、店員が操作するPOSレジスタであって、登録用POSレジスタ20や決済用POSレジスタ30で対応することが出来ない場合や、買物客により商品の決済処理が終了した後に商品の保証書や駐車券、または領収書等を発行するために用いられる。また、POSレジスタ50で、保証書や駐車券、または領収書等を発行する元のデータは、決済用POSレジスタ30からの送信、または、登録用POSレジスタ20や決済用POSレジスタ30で発行されたレシートに印字されたコード情報(識別情報)をPOSレジスタ50が備える読み取り装置で読み取り特定の決済済データ(取引情報)をストアコントローラ10から読み出して処理を行うようにしてもよい。なお、前記レシートが電子レシートである場合、前記コード情報(識別情報)は、買物客が携帯する携帯電話等(例えばスマートホン等)の画面に表示させた電子レシートのコード情報(識別情報)であってもよい。
ストアコントローラ10は、POSシステム1を制御するコンピュータであり、商品マスタなどの種々の情報を管理する。ストアコントローラ10は、登録用POSレジスタ20、各決済用POSレジスタ30、携帯端末40及びPOSレジスタ50に、最新の商品マスタを適宜送信する。商品マスタとは、各商品の商品識別情報(例えば、JANコード)、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引き情報などの商品情報を格納したファイルである。ストアコントローラ10は、最新の商品情報が反映された商品マスタを、外部(例えば、本部のサーバ、CD-ROM等の媒体)から取得し、登録用POSレジスタ20、各決済用POSレジスタ30、携帯端末40及びPOSレジスタ50に適宜送信する。また、ストアコントローラ10は、登録用POSレジスタ20、各決済用POSレジスタ30、携帯端末40やPOSレジスタ50から決済処理を行うためのデータや決済済のデータを適宜受信し記憶領域に記憶し、登録用POSレジスタ20、各決済用POSレジスタ30、携帯端末40やPOSレジスタ50等から決済処理を行うためのデータあるいは、決済済のデータを要求する識別情報を受け取ると、受信した識別情報に基づき決済処理を行うためのデータあるいは、決済済のデータを特定し、要求した装置に返信(送信)するようにしてもよい。
登録用POSレジスタ20は、購入対象の商品を登録する登録処理を実行する登録装置である。商品の登録は、例えば、スキャナを用いて、商品に付されているバーコードを読み取るか、商品登録画面に表示されたプリセットボタン(予めボタン一つ一つに商品情報(例えば商品コードや価格等)を登録したもの)等を操作することにより行われる。また、登録用POSレジスタ20は、登録された商品に関する情報(以下、会計情報という)を生成し、記憶する。
会計情報は、当該会計情報を識別するための決済識別情報、登録日時、登録された各商品の商品識別情報、登録された各商品の商品名、販売価格、値引き情報、購入対象の商品の品数を示す取引点数(購入点数)、購入対象の商品の総額(合計金額)を含む。また、会計情報は、当該会計情報を生成した登録用POSレジスタ20(すなわち、当該会計情報に係る商品を登録した登録用POSレジスタ20)を識別するための登録装置識別情報を更に含むものであってもよい。
会計情報は、決済用POSレジスタ30において買物客が購入する商品の代金を決済する決済処理に用いられる。決済処理とは、登録された商品の代金を、現金、電子マネー(プリペイドカードのチャージ残高を含む)、クレジットカードなどを選択的に用いて支払い、決済する処理である。また、決済用POSレジスタ30は、現金、電子マネー、クレジットカード等の決済方法に対応する各種決済端末装置を全て接続している場合や、あるいは、決現金、電子マネー、クレジットカード等の決済方法それぞれに対応させた決済用POSレジスタ30としてもよい。
また、前記決済方法の使用頻度に応じて各種決済端末装置を適宜組み合わせ決済用POSレジスタ30に接続させてもよい。例えば、組み合わせとしては、現金、電子マネー、クレジットカードなどが考えられるが、その他の決済方法がある場合は、その他の決済方法と対応する決済端末装置を組みあわせてもよい。
その他の決済端末装置の例として、例えば、決済端末装置の投入口に品券(金券)が投入されると投入された品券(金券)の情報を読み取り、当該品券(金券)の額面金額を特定し決済用POSレジスタ30に送信する品券(金券)装置が考えられる。この決済端末装置(品券(金券)装置)は、決済用POSレジスタ30の指令に基づき買物客が購入する商品の代金として品券(金券)が投入されると品券額(金券額)を特定し決済用POSレジスタ30に送信し、買物客が購入する商品の代金が投入された品券(金券)の額面金額より小さい場合には、決済用POSレジスタ30の指令によって釣銭機(自動釣銭機)から差額分を釣銭として払い出す制御を行うなど決済用POSレジスタ30を介して各種決済端末装置が連動し制御される。
登録用POSレジスタ20で品券(金券)を指定した場合において、決済代金と品券(金券)額とが等しいときや、釣銭の出ない品券(金券)で決済代金より品券(金券)額が大きいときは、登録用POSレジスタ20で決済が終了するため、決済用POSレジスタ30に会計情報は送信されない。一方、釣銭の出る品券(金券)で決済代金より品券(金券)額が大きいときは、決済用POSレジスタ30に釣銭を払い出すための会計情報が送信される。また、決済代金が品券(金券)額より大きいときは、金額が不足するため、決済用POSレジスタ30に差額を請求するための会計情報が送信される。また、送信するデータは、買物客に購入する商品の代金を請求する差額の金額を送信することに限らず、例えば、品券(金券)の種類(例えば、釣銭ありに設定された品券、あるいは、釣銭なしに設定された品券)と決済代金との大小とによって送信するしないを判定し送信するようにしてもよい。
なお、登録用POSレジスタ20で品券(金券)を指定することに限らず、タブレット端末等の可搬可能な登録装置(可搬式の登録端末)で品券(金券)の種類を指定するようにしてもよい。
また、指定する品券(金券)の種類が品券を特定するための種類とその品券(金券)の額面金額とを含む情報であるならば品券(金券)の種類をしているだけで良いが、品券(金券)の額面金額が設定されていない場合は、その対象となる指定された品券の額面金額を入力するようにいてもよい。
また、品券(金券)を用いて決済処理を行う場合、買物客に購入する商品の代金を請求する請求金額の計算は登録用POSレジスタ20側で行う場合と、決済用POSレジスタ30で行う場合がある。
決済代金と品券(金券)額とが等しいときや、釣銭の出ない品券(金券)で決済代金より品券(金券)額が大きいときは、登録用POSレジスタ20で計算を行うようにしてもよい。一方、釣銭の出る品券(金券)で決済代金より品券(金券)額が大きいとき、あるいは、決済代金が品券(金券)額より大きいときは決済用POSレジスタ30で計算を行うようにしてもよい。
なお、決済用POSレジスタ30で請求金額の計算を行う場合は、品券(金券)情報(例えば品券(金券)の種類と額面金額)と決済代金を登録用POSレジスタ20から送信する。また、決済用POSレジスタ30で請求金額の計算を行わないようにする場合は、品券(金券)情報(例えば品券(金券)の種類と額面金額)と決済代金と決済代金から品券の額面金額を差し引いた差額とを登録用POSレジスタ20から送信するようにしてもよい。品券(金券)を用いた決済において、どの装置で請求金額を計算するのかは設定により適宜制御されるようにしてもよい。
上述した電子マネーにおけるチャージについて説明する。電子マネーのチャージ方法には、大きく2種類ある。1つ目の方法は、登録用POSレジスタ20でチャージ金額を指定し、当該チャージ金額を示す情報を含む会計情報を送信する方法である。2つ目の方法は、決済用POSレジスタ30でチャージを行うことを登録用POSレジスタ20で指定する方法である。2つ目の方法の場合、決済用POSレジスタ30では最初に電子マネーをチャージする画面が表示される。
また、決済用POSレジスタ30における電子マネーのチャージにおいて、電子マネーのチャージ額以上の貨幣が投入され、チャージ金額から決済代金を引いた差額が1円以上の場合に、当該差額で電子マネーの残高を更新してもよく、あるいはチャージ金額と電子マネーの残高らを加えた額から決済代金を引いた差額が1円以上の場合に、当該差額で電子マネーの残高を更新してもよい。
本実施の形態では、複数の決済用POSレジスタ30が存在するが、複数の決済用POSレジスタ30のうち優先順位に基づき空いている(使用されていない)いずれか1台が、登録用POSレジスタ20で生成された会計情報を用いて決済処理を実行する。複数の決済用POSレジスタ30のうちから、決済処理を実行させるべき決済用POSレジスタ30を指定する態様としては、決済処理を実行させる決済用POSレジスタ30を、店員が登録用POSレジスタ20にて指定する態様がある。すなわち、店員が、決済用POSレジスタ30を指定する操作を登録用POSレジスタ20に対して行うことによって、複数の決済用POSレジスタ30のうちから決済処理を実行させる決済用POSレジスタ30を指定する。なお、登録用POSレジスタ20において、各決済用POSレジスタ30の状態(稼働状況)を示した情報を表示するようにし、登録用POSレジスタ20において、店員が決済用POSレジスタ30を指定する際に、各決済用POSレジスタ30の状態を確認できるようにしてもよい。
店員が一の決済用POSレジスタ30を指定した場合には、LAN11を介して、登録用POSレジスタ20において生成された会計情報が、指定された決済用POSレジスタ30に送信される。すなわち、登録用POSレジスタ20は、登録処理に続いて決済用POSレジスタ30が指定された場合には、指定された決済用POSレジスタ30に対し、当該登録処理に基づく会計情報を送信する。なお、本実施の形態では、登録用POSレジスタ20は、直接、決済用POSレジスタ30に会計情報を送信するが、ストアコントローラ10を経由して、決済用POSレジスタ30に会計情報を送信してもよい。なお、ストアコントローラ10を経由して、決済用POSレジスタ30に会計情報を送信する場合、決済用POSレジスタ30の状態を示すステータス情報(例えば、空き状態、釣銭やレシートがニアエンドまたはニアフル状態、使用中状態、釣銭やレシートがエンド状態、休止状態、未接続状態(または電源断状態においては電源断の順等を示す情報))に基づく優先順位に基づいて、空き状態の決済用POSレジスタ30を選択し送信するようにしてもよい。この場合は、空き状態の優先順位が高く、次に釣銭やレシートがニアエンドまたはニアフル状態の順に選択され、次の優先順として使用中状態を選択した場合には、決済用POSレジスタ30が空き状態になるまで待ってから会計情報を送信する。なお、一般的に釣銭やレシートがエンド状態、休止状態、未接続状態(または電源断状態)の決済用POSレジスタ30は選択から除外する制御がなされるので、優先順位を定めるときにおいても優先順位を定める対象から除外することで、選択ができない状態としてもよい。なお、釣銭やレシートがエンド状態、休止状態、未接続状態(または電源断状態)が解除された場合には、解除された決済用POSレジスタ30優先順位を定める対象として含めるように制御がなされる。また、この優先順位による決済用POSレジスタ30の選択は、登録用POSレジスタ20で行うようにしてもよいし、登録端末装置において行うようにしてもよい。
なお、ニアフルとは、あと少しでフルとなる状態を示す。フルとは、釣銭釣札機が収納するある貨幣種が一杯になった状態を示す。ニアエンドとは、あと少しでエンドとなる状態を示す。エンドとは、釣銭釣札機が収納する特定の貨幣種が無くなった状態を示す。
決済用POSレジスタ30は、買物客の操作に応じて、登録用POSレジスタ20において登録された商品の決済処理を実行する決済装置である。すなわち、決済用POSレジスタ30は、登録用POSレジスタ20から受信した会計情報に基づいて、決済処理を実行する。また、決済用POSレジスタ30は、決済処理を終了した場合には、登録用POSレジスタ20に決済処理の終了を通知する。なお、決済処理の終了の通知を受け取った登録用POSレジスタ20は、各決済用POSレジスタ30の状態を示すステータス情報を使用中の状態から空き状態に変更し、登録用POSレジスタ20で表示する各決済用POSレジスタ20の状態を示すステータス情報を使用中の状態から空き状態を示す表示態様に変更するようにしてもよい。表示態様として、例えば、空き状態は選択可能な色や記号で表示し、使用中の状態をグレイアウト表示または選択が出来ないことを示す色や記号で表示するようにしてもよい。
また、登録用POSレジスタ20に予め送信する順番を設定しておき、設定された順番に基づき決済用POSレジスタ30に会計情報を送信する方式では、会計情報を受信した決済用POSレジスタ30が決済処理を出来ない場合に会計情報を転送する決済用POSレジスタ30が予め設定されているので、会計情報を受信した決済用POSレジスタ30が現在決済処理中の場合には、設定されている決済用POSレジスタ30に会計情報が転送される。
転送された決済用POSレジスタ30が決済処理を実行できる場合は、会計情報を送信した登録用POSレジスタ20に転送された会計情報に基づいて決済処理を実行する旨を送信する。登録用POSレジスタ20が決済用POSレジスタ30から決済処理を実行する旨を受信すると、決済処理を実行する決済用POSレジスタ30の装置番号を店員用の画面や買物客用の画面に報知を行う。例えば、「会計機2番に送信しました」などの表示を行う。これにより、店員や買物客はどの決済用POSレジスタ30で会計処理を行えばよいかを容易に把握することができ、店員も買物客に対して会計処理を行う決済用POSレジスタ30を案内することができる。
また、決済用POSレジスタ30は釣銭機を備えており、釣銭機(自動釣銭機)は、内部にCPU(Central Processing Unit)及びメモリ(記憶領域)から成る制御部(図示せず)を備え、この制御部により各貨幣種の在高管理、現金により買物客自らの操作によって決済処理が行われ代金との差額分を釣銭として払い出す釣銭の払出し制御などの各種制御を行う。
釣銭機(自動釣銭機)は、決済用POSレジスタ30と所定のシリアルケーブルを介して接続されており、決済用POSレジスタ30からの指示に応じて貨幣を紙幣払出部とコイン払出口に払い出す。また、紙幣投入口は例えば補充用の紙幣が投入され、コイン投入口は補充用の硬貨が投入される。釣銭機(自動釣銭機)は、これらの投入された紙幣や硬貨を金種別に自動的に仕分けて収納する。また、硬貨として認識(識別)することが出来ない硬貨を返却する返却口も備えており、この返却口はコイン投入口の鉛直下方部に配置されている。
また、釣銭機(自動釣銭機)は、上記のように収納している紙幣および硬貨の枚数を管理している。そして、釣銭機(自動釣銭機)は、管理している紙幣および硬貨の枚数に基づいて、収納されている現金の在高に関する情報(釣銭機在高情報)を生成する。釣銭機在高情報は、例えば釣銭機(自動釣銭機)に収納されている紙幣および硬貨を合わせた在高を成す金種ごとの紙幣または硬貨の各枚数の内訳を示す情報を含む。釣銭機(自動釣銭機)は、決済用POSレジスタ30からの要求に応じて釣銭機在高情報を生成し、この生成した釣銭機在高情報を決済用POSレジスタ30に対して出力する。決済用POSレジスタ30は、釣銭機(自動釣銭機)から出力された釣銭機在高情報(釣銭機(自動釣銭機)に収納されている紙幣や硬貨を合わせた在高を成す金種ごとの紙幣または硬貨の各枚数の内訳を示す情報)を記憶する。この決済用POSレジスタ30が記憶した釣銭機在高情報は、登録用POSレジスタ20やタブレット端末等の可搬可能な登録装置、あるいは上位装置である管理装置(ストアコントローラ)等に定期的(所定時間毎)に送信され、釣銭機在高情報を受信した登録用POSレジスタ20やタブレット端末等の可搬可能な登録装置、あるいは上位装置である管理装置(ストアコントローラ)等は自装置内に読出し可能に記憶領域に記憶させる。
また、登録用POSレジスタ20、管理装置(ストアコントローラ、タブレット端末等は、各決済用POSレジスタ30を示すボタンを表示部に表示し、当該ボタンが選択された場合には、該当する決済用POSレジスタ30に接続された釣銭機(自動釣銭機)に収納されている紙幣および硬貨を合わせた在高を成す金種ごとの紙幣または硬貨の各枚数の内訳を示す情報を表示するようにしてもよい。
また、各決済用POSレジスタ30を示すボタンから会計情報を送信する決済用POSレジスタ30をオペレータが選択する方式の場合には、各決済用POSレジスタ30を示すボタンに対応させてステータス情報(ステータス情報とは、例えば、空き状態、釣銭やレシートがニアエンドまたはニアフル状態、使用中状態、釣銭やレシートがエンド状態、休止状態、未接続状態(または電源断状態の順等))を表示するとともに、ステータス情報が押下されると、押下された決済用POSレジスタ30に接続された釣銭機(自動釣銭機)に収納されている紙幣および硬貨を合わせた在高を成す金種ごとの紙幣または硬貨の各枚数の内訳を示す情報を表示するようにしてもよい。
携帯端末40は、例えばタブレット端末あるいはスマートフォンやタブレット等の可搬可能な登録装置であり、購入対象の商品を登録する登録処理を実行する。商品の登録は、例えば、カメラにより商品に付されているバーコードを撮像した撮像画像からバーコードを抽出して読み取る、または、商品登録画面に表示されたプリセットボタン等を操作することにより行われる。また、携帯端末40は、登録された商品に関する会計情報を生成し、記憶する。また、携帯端末40は、決済処理を実行させる決済用POSレジスタ30を指定し、指定した決済用POSレジスタ30に会計情報を送信する。なお、決済用POSレジスタ30の指定(選択)は、優先順位に基づいて自動で空いている決済用POSレジスタ30を指定(選択)してもよいし、表示部に表示された決済用POSレジスタ30を示すボタンを選択可能に表示し、オペレータが優先順に応じて表示される当該ボタンを指定(選択)し送信するようにしてもよい。また、本実施の形態では、携帯端末40は、直接、決済用POSレジスタ30に会計情報を送信するが、ストアコントローラ10を経由して、決済用POSレジスタ30に会計情報を送信してもよい。
POSレジスタ50は、例えばサービスカウンタ等に設置される店員が操作する商品販売データ処理装置であり、登録処理及び決済処理、あるいはサービス券の発行や領収書、買物客が購入する商品の保証書等の発行を実行する。なお、POSレジスタ50は、登録用POSレジスタ20又は携帯端末40から会計情報を受信し、会計情報に基づく決済処理を実行する決済装置として機能してもよい。なお、サービス(例えばクーポン、割引値引)券の発行や領収書、買物客が購入する商品の保証書等の発行は、POSレジスタ50に限らず、決済用POSレジスタ30において、買物客が購入する商品の代金の決済処理が完了後に自動的に発行させるようにしてもよい。なお、サービス(例えばクーポン、割引値引)券や保証書を発行する場合は、発行対象の商品がある場合にレシートに印字し発行させるようにしてもよい。また、前記各種発行物は電子データ(例えば電子レシート等)にして買物客が携帯する端末装置(例えばスマートホン等)に出力されるようにしてもよい。
次に、図2~図4を参照して、登録用POSレジスタ20及び決済用POSレジスタ30の構成例について説明する。図2は、登録用POSレジスタ20の構成例を示すブロック図である。図3は、決済用POSレジスタ30の構成例を示すブロック図である。図4は、登録用POSレジスタ20と決済用POSレジスタ30との外観例を示す斜視図である。
登録用POSレジスタ20は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、スキャナ部204と、表示部(店員用)205と、表示部(客用)205aと、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、印刷部209とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。なお、スキャナ204は、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード)や、会員カード等に付されているバーコード(会員コード)を光学的に読み取る。また、登録用POSレジスタ20のスキャナ部204で会員カード等に付されているバーコード(会員コード)を光学的に読み取る場合は、会員コードに基づく会員情報を決済用POSレジスタ30に会計情報とともに送信するようにしてもよい。これにより、決済用POSレジスタ30において会員情報(例えば、会員コード、会員名、会員ランクとそのランクに応じた値引き割引き情報等)に基づき決済代金より値引きや割引等を行う制御を実行することが可能になる。なお、会員カードがICチップやRFIDタグを備えている場合は、会員カードが備えるICチップやRFIDタグから非接触で読み取る読み取り装置としてもよい。
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、登録用POSレジスタ20の動作を制御する。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
RAM203は、随時読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、ストアコントローラ10から取得した商品マスタや、登録処理後に生成された会計情報や、決済処理を実行させる決済用POSレジスタ30に関する情報を記憶する。また、RAM203は、決済用POSレジスタ30から受信した状態(稼働情報)などを記憶してもよい。
スキャナ部204は、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取る。なお、スキャナ部204がCCDカメラ等の撮像装置である場合は、商品に付されているバーコード(商品コード)を撮像し、撮像した画像よりバーコード(商品コード)を画像解析しバーコード情報(商品コード情報)を抽出するようにしてもよい。
表示部(店員用)205は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、店員用の種々の情報を表示する。例えば、表示部(店員用)205は、商品情報(商品コード等)に関連付けられているプリセットボタンを配置した商品登録画面などを表示する。
表示部(客用)205aは、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、買物客用の種々の情報を表示する。例えば、表示部(客用)205aは、登録した商品の価格等を表示する。
操作部206は、登録用POSレジスタ20を動作させるための各種の操作ボタン(小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部206は、操作ボタン(プリセットキー)が操作されることにより、そのプリセットキーに予め設定登録されている商品情報(商品コード等)について、操作入力を受け付ける。
また、操作部206が備える置数キーを決済用POSレジスタ30を指定するボタンとして使用できるように制御してもよい。この場合の制御としては、例えば、決済用POSレジスタ30の識別番号を置数キーで置数した後、表示部に表示させた送信ボタン、または、操作部206に設けた送信キーを押下することにより、置数キーで置数した識別番号の決済用POSレジスタ30に会計情報を送信できるように制御してもよい。このような制御方式を用いる場合は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)の動作が不良であるなどの問題が発生した際、買物客を待たせる事無く臨機応変に対応することができるという効果を奏する。また、会計情報を送信する決済用POSレジスタとして予め設定されていない決済用POSレジスタ30に会計情報を送信する必要が生じた場合などでも有効であり、画面表示のボタン押下と併せて活用することにより買物客の要望に臨機応変に対応することが可能である。
なお、置数キーで置数するのではなく、操作ボタン(プリセットキー)に各決済用POSレジスタ30の識別番号を設定しておき、この各決済用POSレジスタ30を選択する操作ボタン(プリセットキー)を押下することで押下された操作ボタン(プリセットキー)に設定された識別番号の決済用POSレジスタ30に会計情報を送信するように制御してもよい。また、操作ボタン(プリセットキー)と画面に表示させた各決済用POSレジスタ30を選択する操作ボタン(プリセットキー)とを設定により切り替えて使用できるようにしてもよい。
通信部207は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー208は、店員が操作を確認することが必要な場合などに、ブザー音を発生させる。
印刷部209は、必要に応じて媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部209は、店員が指定した決済用POSレジスタ30を案内する情報を印刷してもよい。
図4においては、スキャナ部204、表示部(店員用)205、操作部206、印刷部209の外観構成を示している。
また、登録用POSレジスタ20は、現金以外の決済方法で決済を行う、電子マネー端末やクレジットカード端末、または、品券(金券)を自動認識する品券(金券)処理端末装置を備えていてもよい。このような場合、後述で説明する決済用POSレジスタ30は現金を用いて支払いを行うための釣銭機(自動釣銭機)を接続しておくようにしてもよい。なお、登録用POSレジスタ20が、現金以外の決済方法で決済を行う、電子マネー端末やクレジットカード端末、または、品券(金券)を自動認識する品券(金券)処理端末装置を備えている場合に、登録用POSレジスタ20で決済処理が完了(終了)するときは、決済用POSレジスタ30に会計情報を送信しないように制御してもよい。
決済用POSレジスタ30は、図3に示すように、CPU301と、ROM302と、RAM303と、スキャナ部304と、表示部305と、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、印刷部309と、決済部310と、サインポール311と、人感知センサ312とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
CPU301は、中央演算処理装置であり、ROM302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、決済用POSレジスタ30の動作を制御する。
ROM302は、読み出し専用メモリであって、プログラムをはじめとしてCPU301が利用する各種の情報を記憶する。
RAM303は、随時読み出し書き込みメモリであって、種々の情報を記憶する。例えば、RAM303は、ストアコントローラ10から取得した商品マスタや、登録用POSレジスタ20から取得した会計情報を記憶する。
スキャナ部304は、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード)や、会員カード等に付されているバーコード(会員コード)を光学的に読み取る。なお、スキャナ部304は買物客が追加で購入したい商品等を決済用POSレジスタ30で登録するために用いるが、買物客の購入する商品を登録用POSレジスタ20のみで登録する場合には決済用POSレジスタ30に備えていなくてもよい。また、会員カードの読み取りに関しても同様であり、登録用POSレジスタ20のみで会員カードを読み取らせる場合には決済用POSレジスタ30に備えていなくてもよい。このような場合には、登録用POSレジスタ20のスキャナ部で読み取った会員カードに対応する会員情報を決済用POSレジスタ30で使用できるように会計情報とともに送信するようにしてもよい。
表示部305は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、種々の情報を表示する。例えば、表示部305は、合計金額などが表示される決済画面を表示する。
操作部306は、決済用POSレジスタ30を動作させるための各種の操作ボタン(訂正キー及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部306は、操作ボタン(訂正キー)が操作されることにより、操作入力の訂正を受け付ける。なお、訂正キーやプリセットキーは、メンテナンス用画面(緊急対応画面)に設けるようにしてもよい。メンテナンス用画面とは、例えば個別に買物客の要望に応じるための画面であり、店員が決済用POSレジスタ30に店員を識別する識別情報をカード等から読み取らせることによりログインすることで表示される。
通信部307は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー308は、エラー等が発生した場合、エラーを報知するブザー音を発生させる。
印刷部309は、媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部309は、決済処理(すなわち商品の買上金額の決済)が終了した場合、精算結果を示し買物客が持ち帰るべきレシートを印刷して発行する。
決済部310は、釣銭釣札機(釣銭機、自動釣銭機)、クレジットカードリーダ、電子マネーリーダ、品券(金券)端末装置等と、それらの制御部とを備えて構成されていて、決済部310を用いて、現金、クレジット、電子マネー等により決済処理が行われる。決済部310は、釣銭釣札機によって、現金により決済を実行し、決済を実行した結果(例えば、決済が成立したか否かを示す情報)を、バスを介してCPU301に出力する。釣銭釣札機は、紙幣の投入及び排出をする紙幣投入口、硬貨を投入するための硬貨投入口、釣銭を排出する釣銭排出口を備えている。なお、以降の説明にあたり、紙幣投入口と硬貨投入口とについて一括して貨幣投入口と呼ぶ場合がある。
また、決済部310は、クレジットにより決済を実行し、決済を実行した結果を、ポート及びバスを介してCPU301に出力する。また、決済部310は、電子マネーにより決済を実行し、決済を実行した結果を、バスを介してCPU301に出力する。
サインポール311は、複数色の表示灯を有し、それらの表示灯を点灯や点滅させることで、決済用POSレジスタ30が店員により指定された装置であることを示す情報を報知したり、操作可能である旨を報知したりする。なお、サインポール311は、登録用POSレジスタ20から送信された会計情報を受信した場合に点灯や点滅させることに限らす、例えば、通常は表示灯を点灯させておき、会計情報を受信した場合に消灯するようにしてもよいし、あるいは、会計処理を開始した時に点滅や点灯を行うようにしてもよい。また、通常は表示灯の色を白色等で点灯させておき、会計情報を受信した場合に青色等にするなど色の変化により会計情報を受信したことを報知するようにしてもよい。また、サインポール311は、当該決済用POSレジスタ30の状態を表示させるよういにしてもよい。例えば、レシート切れや紙ジャム、釣銭切れ、それ以外の何らかのトラブルが生じた場合、前記会計情報を受信したことの報知に代えてメンテナンスが必要である旨(警報)の表示に切り替えるようにしてもよい。このメンテナンスが必要である旨(警報)の報知は、赤色で点灯または点滅させるなどであってもよいし、通常問題なく運用されている場合には点灯させ、メンテナンスが必要である旨(警報)の報知の場合にのみ消灯させるようにしてもよい。また、当該決済用POSレジスタ30の電源が不用意に切れてしまったり、通信ができない(例えばLANに接続されていない)場合等は、例えば赤色で点灯させるようにしてもよい(警報の色は赤に限らず他の異なる色であってもよい)。通常の表示状態から報知の表示態様に変化させることによって店員や買物客に注意喚起または注目させることができるので、場所の明示と現在状況を伝えることができる。
この場合、サインポール311と決済用POSレジスタ30とは、有線または無線通信方式等により接続する方式とし、決済用POSレジスタ30からの情報に基づいてサインポール311が点灯、消灯、点滅をおこなうようにしてもよい。なお、決済用POSレジスタ30の電源が切れた場合は、サインポール311は決済用POSレジスタ30の接続確認ができないため警告の色(赤色)を点灯させるようにしてもよい。
人感知センサ312は、決済用POSレジスタ30の正面の所定圏内に人物(買物客)がいることを検知するセンサである。なお、人物(買物客)の検出は人感知センサ312に限らず、図示していない会計処理を行う買物客に向けたCCDカメラなどで撮像した画像より買物客がいることを判断するようにしてもよい。この場合、買物客がいない画像と撮像した画像との画像比較により容易に判断することができる。
図4においては、スキャナ部304、表示部305、操作部306、印刷部309、決済部310、及びサインポール311などの外観構成を示している。
次に、図5を参照して、携帯端末40の構成例について説明する。図5は、携帯端末40の構成例を示すブロック図である。
携帯端末40は、図5に示すように、CPU401と、ROM402と、RAM403と、撮像部404と、表示部405と、操作部406と、無線通信部407と、位置情報取得部408とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
CPU401は、中央演算処理装置であり、ROM402に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、携帯端末40の動作を制御する。
ROM402は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU401が利用する各種の情報を記憶する。
RAM403は、随時読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM403は、ストアコントローラ10から取得した商品マスタや、登録処理後に生成された会計情報や、決済処理を実行させる決済用POSレジスタ30に関する情報や、後述する状態表示情報を記憶する。また、RAM403は、決済用POSレジスタ30から受信した状態(稼働情報)などを記憶してもよい。また、決済用POSレジスタ30が備えるCCDカメラで撮像した現在の使用状況の画像を記憶してもよいし、CCDカメラで撮像した画像を分析した結果(買物客がいるかいないかを示す情報)を記憶してもよい。なお、撮像した現在の使用状況の画像を記憶する場合、各決済用POSレジスタ30と対応させて記憶した現在の使用状況の画像を表示するようにしてもよい。この場合、リアルタイムに画像を取得し表示しても良いが、所定時間毎の画像を表示させるようにしてもよい。なお、決済用POSレジスタ30からの画像データの受信に時間を要するので、買物客がいない状況の画像から変化した画像部分のみを受信して記憶するようにすれば通信の負荷を軽減出来る。
撮像部404は、CCD(Charge-Coupled Device)カメラであり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード)を撮像する。
表示部405は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、店員用の種々の情報を表示する。例えば、表示部405は、商品情報(商品コード等)に関連付けられているプリセットボタンを配置した商品登録画面などを表示する。
操作部406は、携帯端末40を動作させるための各種の操作ボタン(例えば、電源をオンオフする電源キーや、音量を変更する音量キー等)を備える。
無線通信部407は、無線LANにより、他の装置と無線通信する。
位置情報取得部408は、携帯端末40の現在の位置情報を取得する。例えば、位置情報取得部408は、無線通信部407が接続している無線LANのアクセスポイントやその電波強度に基づいて、自装置の現在位置を特定する。なお、携帯端末40における現在位置の取得方法は、これに限らず、例えば、GPS(Global Positioning System)等の他の方法であってもよい。
本実施形態に係る携帯端末40は、買物客に適した決済装置(決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50)を指定可能とするために、携帯端末40の現在位置と複数の決済装置(決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50)それぞれとの距離に基づき、携帯端末40を操作する買物客が決済処理を行う決済装置(決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50)として適した度合いを示す優先順位を決定する。
また、携帯端末40は、決済処理中、またはメンテナンス中の決済装置(決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50)の優先順位を低く決定する。さらに、携帯端末40は、OS(Operating System)の時間管理機能を用いて、決済に要する時間を計時する。そして、携帯端末40は、計時した時間と距離に基づき決済装置(決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50)の優先順位を決定する。優先順位を決定するアルゴリズムの一例については後述する。なお、決済に要する時間は、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50それぞれのステータス情報と各ステータス情報毎に要した時間とから現在の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状況を判断(判別)する指標としてもよい。また、計時する時間(時刻)に限らず、ステータス情報のみで現在の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状況を判断(判別)するようにしてもよい。
図6は、携帯端末40の表示部405に表示される商品登録画面の一例を示している。同図の商品登録画面においては、ボタンエリアAR1、登録項目エリアAR2、登録確認エリアAR3、小計エリアAR4、及び商品の登録を完了させる小計ボタンが配置されている。
ボタンエリアAR1は、商品の品目ごとに対応付けられたボタンなどが配置される領域である。図6に示されるボタンエリアAR1のボタンは省略して空欄となっているものがあるが、実際には「ニンジン」、「トマト」等の商品の品目が記載されている。登録項目エリアAR2は、一取引に対応するこれまでの登録処理によって登録された商品の項目がリスト形式で表示される領域である。この場合の登録項目エリアAR2には、商品のバーコードの読み取りや、ボタンエリアAR1に配置されたボタンの押下に応じて登録された商品が反映される。
登録確認エリアAR3は、店員が携帯端末40に対する操作によって商品を登録した場合に、確認のために登録された商品の情報が表示される領域である。商品の登録は携帯端末40が備えるCCDカメラで商品に付されたコード情報を撮像し撮像した画像よりコード情報を解析し商品に関する情報を取得するようにしてもよい。また、携帯端末40に表示させたボタンエリアAR1(プリセットボタン)をタッチされることによりタッチされたプリセットボタンの商品情報が登録されるようにしてもよい。また、商品の外表に印刷された不可視バーコード(例えばドットで形成されたコード情報)をCCDカメラで読み取り商品登録を行ってもよい。
小計エリアAR4は、一取引において登録された商品の小計に関する情報が表示される領域である。本図においては、登録された商品の小計に関する情報として、登録された商品の個数と、登録された全ての商品についての合計金額とが表示される。
また、商品登録画面には、品券ボタン501、小計ボタン502、及び現計ボタン503が表示される。品券ボタン501は、品券を登録する場合に押下される。小計ボタン502は、小計画面を表示する場合に押下される。現計ボタン503は、決済を行う場合に押下される。なお、現計ボタン503は、商品登録画面においてはマスクされ、押下されても何も実行されない。なお、品券ボタン501が押下されると、品券の種類を登録する。品券の種類とは、例えば、各種カード会社の商品券、ビール券、お米券、店が独自に発行する商品券、ギフトカード、クーポン券などであり、品券の種類によって釣銭を払い出す、あるいは釣銭を払い出さないの条件が付加されている。従って、品券ボタン501が押下された後に選択される品券の種類によって、その後の処理が異なる。この異なる処理の詳細は後述する。
店員は、商品登録画面において、買物客が購入する全ての商品の登録が完了すると、小計ボタン502を押下する。携帯端末40は、小計ボタン502が入力を受け付けると、登録した商品の決済処理を実行する精算先の決済装置(決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50)を1つ指定するための小計画面を表示部405に表示する。
図7は、携帯端末40の表示部405に表示される小計画面の一例を示している。同図の小計画面においては、商品登録画面と同様に、ボタンエリアAR1と、小計エリアAR5とが配置されている。小計エリアAR6には、登録された商品に関する情報や合計金額等が表示される。小計画面において、小計ボタン502は戻るボタンに変更される。戻るボタンは、登録画面に復帰するためのボタンである。また、現計ボタン503のマスクが解除される。なお、携帯端末40の現計ボタン503は、例えば携帯端末40に接続されたカードリーダによるクレジットカードによる決済や、同じく接続されたICカードリーダによる電子マネーによる決済や、釣銭の出ない品券等によって決済する場合に使用される。
小計画面には、更に、精算先指定エリアAR5が配置される。精算先指定エリアAR5は、POSレジスタ50に対応するサービスカウンタボタンBT1と、決済用POSレジスタ30-2に対応する102レジボタンBT2と、決済用POSレジスタ30-3に対応する103レジボタンBT3と、決済用POSレジスタ30-4に対応する104レジボタンBT4とが配置される領域である。ボタンBT1~BT4は、携帯端末40において登録された商品を決済処理を行う精算先の決済装置を1つ指定するボタンである。店員は、ボタンBT1~BT4のうちいずれか1つを指定することにより、精算先の決済装置を指定することができる。
また、ボタンBT1~BT4には、小計ボタン入力受付時点において、優先順位が高い決済装置が順に上から配置される。図示するように、サービスカウンタボタンBT1、102レジボタンBT2、103レジボタンBT3、104レジボタンBT4の順に上から配置されている。すなわち、小計ボタン入力受付時点では、POSレジスタ50、決済用POSレジスタ30-2、決済用POSレジスタ30-3、決済用POSレジスタ30-4の順に優先順位が高い。このように、優先順位に基づいてボタンBT1~BT4を配置することにより、店員は、各決済装置の優先順位を知ることができる。
各ボタンBT1~BT4には、対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態を示すステータス情報がポップアップ表示される。図示する例では、サービスカウンタボタンBT1にはPOSレジスタ50の状態「待機(空き状態)」が表示され、102レジボタンBT2には決済用POSレジスタ30-2の状態「待機(空き状態)」が表示され、103レジボタンBT3には決済用POSレジスタ30-3の状態「使用中(決済処理中)」が表示され、104レジボタンBT4には決済用POSレジスタ30-4の状態「メンテナンス」が表示されている。
ここで、使用中の状態にある決済用POSレジスタ30-3に対応する103レジボタンBT3及びメンテナンスの状態にある決済用POSレジスタ30-4に対応する104レジボタンBT4は、斜線(/マーク)により、指定が不可(禁止状態)であることが示されている。なお、本例では、/マークにより指定が不可であることを示しているが、これに限らず、例えばグレーアウト等の他の表示態様により指定が不可であることを示してもよい。
このように、携帯端末40は、優先順位に従って、店員に決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を指定させるための指定情報の一例としてボタンBT1~BT4を表示する。また、指定情報には、指定不可の決済装置として、決済処理中の決済装置が含まれている。携帯端末40は、表示された指定情報から、決済処理を行う決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を店員に指定させる。携帯端末40は、指定された決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50で買物客の決済処理が行えるように登録された商品に関する会計情報を送信する。
図8は、携帯端末40のRAM403が記憶する状態表示情報のデータ構成及びデータ例を示す概略図である。状態表示情報は、ボタンBT1~BT4に表示する状態を示す情報である。図示するように、状態表示情報は、状態と、ポップアップと、/マークと、サンプルと、点滅等と、優先度との各項目を有する。状態は、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態である。ポップアップは、ポップアップに表示する文字である。/マークは、操作が不可であることを示す/マークの表示の有無を示す。サンプルは、サンプル画像である。点滅等は、ポップアップの点滅等の有無を示す。優先度は、表示する状態の優先度である。
携帯端末40は、状態表示情報に基づき、対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態をボタンBT1~BT4にポップアップ表示する。例えば、携帯端末40は、対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態が他の買物客の決済処理をしていない(会計情報を受信していない)状態の場合には、ポップアップに待機を表示する。また、携帯端末40は、対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態が、自装置から送信した会計情報であって、決済処理が完了していないものがある状態の場合には、ポップアップに使用中を表示する。また、携帯端末40は、対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態が、他の登録用POSレジスタ20から送信された会計情報であって、決済処理が完了していないものがある状態の場合には、ポップアップに使用中を表示するとともに、/マークを表示する。また、携帯端末40は、対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態が、自装置から送信した会計情報であって、決済処理が完了していないものが所定の受付制限数に達している状態の場合には、ポップアップに使用中を表示するとともに、/マークを表示する。
また、携帯端末40は、対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態が、決済処理を開始してから所定の経過時間を経過した状態の場合には、ポップアップに使用中を赤点滅で表示するとともに、/マークを表示する。また、携帯端末40は、対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態が、店員呼出画面を表示しており、店員を呼び出している状態の場合には、ポップアップにCALLを赤点滅で表示するとともに、/マークを表示する。また、携帯端末40は、対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態が、休止画面を表示しており、休止中である状態の場合には、ポップアップに休止を表示するとともに、/マークを表示する。また、携帯端末40は、対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態が、メンテナンス画面(店員専用画面)を表示しており、メンテナンス中である状態の場合には、ポップアップにメンテナンスを表示するとともに、/マークを表示する。また、携帯端末40は、対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態が、決済処理のための決済画面以外の画面で操作されている状態の場合には、ポップアップにメニューを表示するとともに、/マークを表示する。また、携帯端末40は、対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50と接続できない状態の場合には、ポップアップにオフラインを表示するとともに、/マークを表示する。
また、携帯端末40は、対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態が複数ある状態の場合には、優先度の数字が小さい状態から優先的に表示する。
次に、本POSシステム1の動作について説明する。携帯端末40は可搬可能であるため、店舗内のいずれの位置においても商品の登録が可能である。携帯端末40において登録された商品は決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50により精算されるが、携帯端末40の現在位置によって近くにある決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50が異なる。すなわち、携帯端末40の現在位置によって、買物客にとって決済処理を行うのに最適な決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50が異なる。よって、携帯端末40は、自装置の現在位置から各決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50までの距離に基づき、各決済装置の優先順位を決定する。
ここで、携帯端末40には、各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50それぞれの店舗内における設置位置が予め記憶されている。そして、携帯端末40は、位置情報取得部408において現在位置を取得し、各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50それぞれとの距離を算出する。
図9は、携帯端末40と各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50それぞれとの位置関係の一例を示す図である。本図に示す例では、3台の決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50は、店舗Sの四隅にそれぞれ設置されている。また、携帯端末40は、店舗S内を移動可能である。
本図に示す例では、携帯端末40がいる現在位置からは、決済用POSレジスタ30-2、POSレジスタ50、決済用POSレジスタ30-3、決済用POSレジスタ30-4の順に近い位置にある。よって、携帯端末40は、全ての決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50の状態が待機である場合には、決済用POSレジスタ30-2、POSレジスタ50、決済用POSレジスタ30-3、決済用POSレジスタ30-4の順に優先順位を高くする。すなわち、携帯端末40は、現在位置から近くにある決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の優先順位を高くする。
また、携帯端末40は、状態が使用中である決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の優先順位を、状態が待機であるものより低くする。また、携帯端末40は、状態がCALL、休止、メンテナンス、メニュー、又は、オフラインである決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の優先順位を状態が使用中であるものより低くする。
ここで、携帯端末40は、使用中の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50については、決済処理が完了していない会計情報(すなわち、待っている買物客)が少ない決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の優先順位を高くする。また、携帯端末40は、決済処理が完了していない会計情報が1つである決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50については、実行中の決済処理を開始してからの経過時間を計時しておき、これらの決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50のうち、経過時間が長い決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の優先順位を高くする。決済処理を開始してからの経過時間は、決済処理の進行具合と予想される。よって、携帯端末40は、使用中の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50のうち、決済処理が早く完了して状態が待機になると予想される決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の優先順位を高くする。なお、計時する時間は、会計情報を送信してからの(決済装置が会計情報を受信してからの)経過時間であってもよい。また、実行中の決済処理を開始してからの経過時間を計時することに限らない。例えば、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50それぞれから受信したステータス情報と、各ステータス情報毎に要した時間(計時した時間)とを、現在の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状況を判断(判別)する指標としてもよい。また、計時する時間(時刻)に限らず、ステータス情報のみで現在の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状況を判断(判別)するようにしてもよい。また、単純に決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の予め設定されている選択順と携帯端末40がいる現在位置とから優先順位を設定してもよい。この場合、予め設定されている選択順とは、買物客が決済処理を行う決済装置を偏り無く平均的に使用してもらうため交互に選択するように設定された順番である。他の選択順として、POSレジスタ50はサービスカウンタ等に設置された店員がいる決済装置であり、決済用POSレジスタ30は、買物客自らが操作して会計処理を行う決済装置である場合、年齢に応じてPOSレジスタ50の選択を優先させ、その後に決済用POSレジスタ30を選択させるという選択順が挙げられる。これらの選択順とその選択順に該当する決済装置のステータス情報と携帯端末40の現在位置とに基づいて優先順位を設定してもよい。また、各決済用POSレジスタ30に接続された釣銭機(自動釣銭機)に収納されている紙幣および硬貨を合わせた在高の多い順と、携帯端末40の現在位置と決済用POSレジスタ30との距離の近い順と、に基づいて優先順位を決め表示部に表示するようにしてもよい。
携帯端末40は、自装置の現在位置から各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50までの距離と、各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50の状態に基づいて、優先順位を変更し、変更した優先順位に基づき何れか1つの決済装置を指定させるボタンBT1~BT4を精算先指定エリアAR5に配置する。具体的には、携帯端末40は、優先順位の高い各決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50ほど、対応するボタンBT1~BT4を上部に配置する。
ここで、優先順位を決定するアルゴリズムの一例を説明する。まず、簡単のために各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50をまとめて決済装置と称する。携帯端末40は、決済装置のうち、使用できない決済装置を除くことで、使用可能な決済装置(以下、「使用可能決済装置」という)を特定する。ここで、使用できない決済装置とは、図8に示した状態のうち、「店員呼出画面」、「休止画面」、「メンテナンス画面」、「決済画面以外で操作している」、及び「接続できない(例えば、LANに接続されていないオフライン、または、電源が入っていない)」のいずれかの状態となっている決済装置である。
次に、使用可能決済装置への各々の距離を算出して、距離が短い順に順位づけをする。そして、各使用可能決済装置において決済処理が完了していない会計情報数N、及び経過時間t(秒)を取得して、以下の優先順位指数Pを算出する。
P=距離順位+(N-1)+f(t)
f(t)は、予め定めておいた標準精算時間をT(秒)としたとき、t≦Tの場合には1-t/T、t>Tの場合には0とする減少関数である。なお、会計情報数から1を減算する理由は、会計情報数Nのうち、1つは現在決済処理中であると考えられるためである。その決済処理中の時間に関しては、f(t)によって優先順位指数に反映される。
例えば、距離順位が1位で、会計情報数が2で、t=20秒、T=60秒の使用可能決済装置の優先順位指数Pは、優先順位1+(会計情報数2-1)+(1-20/60)=8/3となる。
携帯端末40は、優先順位指数Pが小さいものほど優先順位を高くする。そして、優先順位に従ってボタンBT1から順に表示した後に、その下のボタンから使用できない決済装置を表示する。なお、優先順位指数Pが同じ使用可能決済装置が複数存在する場合には、距離順位が小さい方の優先順位を高くし、距離順位が同じ場合には、会計情報数Nが小さい方の優先順位を高くし、会計情報数Nが同じ場合には、f(t)が小さい方の優先順位を高くし、f(t)が同じ場合には、同じ優先順位とする。
図10は、図7に示した小計ボタン入力受付時点から2分ほど時間が経過した小計画面の一例を示している。例えば、小計ボタン入力後に、買物客が移動したり、ある商品をしばらく見るなどして時間が経過することがあるが、時間が経過した場合には、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態も変化する。携帯端末40は、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態が変化するたびに優先順位を決定し、ボタンBT1~BT4に表示される決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を更新する。
図10は一例として、移動した買物客と決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の位置関係が、図9に示す位置関係のときであって、決済用POSレジスタ30-2及びPOSレジスタ50の状態が待機であり、決済用POSレジスタ30-3の状態が使用中であり、決済用POSレジスタ30-4の状態がメンテナンスである場合の表示例を示す。
本例では、簡単のために、距離と状態(使用中、メンテナンスのみ)に基づき優先順位を決定するものとする。携帯端末40は、状態が待機のうち、携帯端末40に最も近い位置にある決済用POSレジスタ30-2の優先順位を最も高くする。続いて、携帯端末40は、POSレジスタ50を決済用POSレジスタ30-2の次に優先順位を高くする。その後、携帯端末40は、状態が使用中である決済用POSレジスタ30-3の優先順位を、状態がメンテナンスである決済用POSレジスタ30-4より高くする。すなわち、携帯端末40は、決済用POSレジスタ30-2、POSレジスタ50、決済用POSレジスタ30-3、決済用POSレジスタ30-4の順に優先順位を高くする。
よって、図示するように、携帯端末40は、精算先指定エリアAR5において、決済用POSレジスタ30-2に対応する102レジボタンBT2、POSレジスタ50に対応するサービスカウンタボタンBT1、決済用POSレジスタ30-3に対応する103レジボタンBT3、決済用POSレジスタ30-4に対応する104レジボタンBT4の順に上から配置する。
すなわち、図7に示す状態では、POSレジスタ50の優先順位が最も高くサービスカウンタボタンBT1が最上部に配置されていたのに対し、本図に示す例では、決済用POSレジスタ30-2の優先順位が最も高くなり102レジボタンBT2が最上部に配置されている。このように、携帯端末40は、自装置の現在位置及び各決済装置の状態に基づいて各決済装置の優先順位を変更し、変更した優先順位に基づいてボタンBT1~BT4を配置して何れか1つの決済装置を指定させる。
店員は、ボタンBT1~BT4の配置順によって、各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50の優先順位を知ることができる。よって、店員は、優先順位の高い決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を指定することができる。店員は、精算先の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を1つ指定すると、指定した決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に対応するボタンBT1~BT4を押下する。携帯端末40は、入力を受け付けたボタンBT1~BT4に対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50(指定された決済装置)に対して、会計情報を送信する(送信手段)。これにより、会計情報を受信した精算先の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50において、決済処理が実行可能になる。
なお、本図において、103レジボタンBT3は、/マークを付し、指定が不可であることが示されているが、状態が使用中である決済用POSレジスタ30-3を精算先として指定できるようにしてもよい。
図11は、携帯端末40の表示部405に表示される画面の一例を示している。本図には、図10に示す小計画面において、状態が使用中である103レジボタンBT3が入力を受け付けたときの表示例を示す。図示するように、携帯端末40は、状態が使用中である103レジボタンBT3が入力を受け付けると、使用中の決済用POSレジスタ30-3の指定を許可するためのポップアップ画面P1を表示部405に表示する。
ポップアップ画面P1には、指定が不可の状態(禁止状態)を解除するか否かを問うメッセージ「禁止状態を解除しますか?」と、禁止状態を解除するキーと、禁止状態を解除しないキーとが配置されている。店員は、解除するキーを押下することにより、状態が使用中の決済用POSレジスタ30-3の指定を許可し、精算先として指定することができる。
携帯端末40は、ポップアップ画面P1において解除するキーが入力を受け付けると、決済用POSレジスタ30-3を精算先として指定し、決済用POSレジスタ30-3における決済処理が終了したことを条件に、会計情報を決済用POSレジスタ30-3に送信する。例えば、携帯端末40は、決済用POSレジスタ30-3を識別する情報とともに会計情報を一旦RAM403に記憶させ、決済用POSレジスタ30-3の状態が待機になると、記憶した会計情報を決済用POSレジスタ30-3に送信する。或いは、携帯端末40は、会計情報を送信して決済用POSレジスタ30-3に蓄積させておいてもよい。また、携帯端末40は、決済用POSレジスタ30-3において会計情報が保留中であることを示す表示をする。
このように、携帯端末40は、指定情報に含まれる決済処理中の決済装置の指定を許可することが可能である。そして、携帯端末40は、許可された決済装置が指定された場合、決済処理中の決済装置の決済処理が終了したことを条件に許可された決済装置で買物客の決済処理が行えるように前記会計情報を送信する。
図12は、携帯端末40の表示部405に表示される小計画面の一例を示している。本図には、図11に示すポップアップ画面P1において解除するキーが入力を受け付けた場合の表示例を示す。図示するように、決済用POSレジスタ30-3に対応する103レジボタンBT3には、会計情報保留中のポップアップが表示される。このとき、携帯端末40は、会計情報が保留中であることを強調するために、103レジボタンBT3の表示態様を変えてもよい。例えば、携帯端末40は、ポップアップの文字を青色にし、103レジボタンBT3をグレーアウトさせてもよい。
一方、状態がCALL(店員呼び出し中)、休止、メンテナンス、メニュー、又は、オフラインである決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50は、決済処理が実行不可能であるため、禁止状態を解除することができない。また、携帯端末40が、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態として、フル、ニアフル、エンド、ニアエンドを取得できる場合には、フル及びエンドの場合に決済処理が実行不可能と判定してもよい。
なお、携帯端末40が決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に接続された釣銭機(自動釣銭機)からフル、ニアフル、エンド、ニアエンドのステータス情報を取得し、決済処理が実行可能か否かを判断(判定)する方法もある。他の方法として、携帯端末40は、金種ごとの紙幣または硬貨の各枚数における、フル、ニアフル、エンド、ニアエンドの各々の枚数を予め設定しておき、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50のそれぞれから取得した釣銭機(自動釣銭機)から出力された釣銭機在高情報(釣銭機(自動釣銭機)に収納されている紙幣や硬貨を合わせた在高を成す金種ごとの紙幣または硬貨の各枚数の内訳を示す情報)を取得し、取得した釣銭機在高情報に示される各枚数が、設定されている各枚数を超過したときに、フル、ニアフル、エンド、またはニアエンドと判定し、この判定結果をステータス情報として用いるようにしてもよい。このような枚数を予め設定しておき、釣銭機在高情報と比較して判定する方法は、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50が行い、その判定結果をステータス情報として携帯端末40に通知するようにしてもよい。
携帯端末40は、禁止状態を解除することができないボタンBT1~BT4については、禁止状態を解除することができないことを表す表示態様とする。図示する例では、携帯端末40は、状態がメンテナンスである決済用POSレジスタ30-4に対応する104レジボタンBT4を赤色にして、他のボタンBT1~BT3と異なる表示色にしている。すなわち、携帯端末40は、禁止状態を解除することができる103レジボタンBT3と、禁止状態を解除することができない104レジボタンBT4との表示態様を異なるものにする。これにより、店員は、104レジボタンBT4が指定できないことを一目で容易に知ることができる。なお、禁止状態を解除することができない表示態様はこれに限らず、文字を赤色にしたり、マークを付す等であってもよい。このように、ボタンBT1~BT4の表示態様を、対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態に応じて変化させることにより、店員は直観的に操作することができるため、素早い対応を行うことができる。
図13は、携帯端末40の表示部405に表示される画面の一例を示している。本図には、図10に示す小計画面において、状態がメンテナンスである104レジボタンBT4が入力を受け付けたときの表示例を示す。図示するように、携帯端末40は、状態がメンテナンスである104レジボタンBT4が入力を受け付けると、指定が不可であることを示すポップアップ画面P2を表示部405に表示する。ポップアップ画面P2には、指定が不可であることを案内するメッセージ「このレジへは現在送信できません。他のレジを指定して下さい。」が表示されている。
また、携帯端末40は、既に決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に送信済の会計情報であって、未だ精算されていない未精算のものを、呼び戻すことができる。
図14は、携帯端末40の表示部405に表示される呼戻し画面の一例を示している。本図には、未精算の会計情報を呼び戻す呼戻し画面の一例を示している。図示するように、呼戻し画面には、取引一覧エリアAR11と、取引詳細エリアAR12と、選択した取引の会計情報を呼び戻すキー510と、会計情報の呼び戻しを中止する中止キー511とが配置されている。
取引一覧エリアAR11には、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に送信した会計情報であって、未精算のものが一覧表示される。また、取引一覧エリアAR11において選択されている会計情報は、選択されていることがわかるように強調表示される。取引詳細エリアAR12には、取引一覧エリアAR11において選択されている会計情報の詳細が表示される。
店員は、取引一覧エリアAR11から呼び戻したい会計情報を選択し、呼び戻すキー510を押下することにより、選択した会計情報を、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50から呼び戻す(決済処理の実行を中止させて、会計情報を受信する)ことができる。携帯端末40は、商品登録画面において、呼び戻した会計情報に対して、商品の追加登録等の編集が可能である。また、携帯端末40は、小計画面において、呼び戻した会計情報を、ボタンBT1~BT4により、再度決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に送信することができる。その際、携帯端末40は、呼び戻し元の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50とは異なる決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を精算先として指定してもよい。すなわち、携帯端末40は、精算先の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を変更してもよい。
続いて、図15のフローチャートを参照して、本実施形態の携帯端末40の処理遷移例について説明する。初期状態として、携帯端末40は待機状態である。待機状態は、買物客の買上商品を計上するための登録処理が開始されるのを待機している状態である。待機状態において、携帯端末40の表示部405には、待機画面が表示されている。ここで、買物客が買上商品の精算のために携帯端末40に赴いて買上商品を店員に渡すと、店員は渡された買上商品を登録する操作を開始する。そして、1つ目の買上商品を対象として登録の操作が行われることに応じて、携帯端末40は同図に示す処理を実行する。
(ステップS101)CPU401は、登録の操作が行われることに応じて、商品を登録する登録処理を実行する。その後、ステップS102の処理に進む。
(ステップS102)CPU401は、登録処理が完了したか否かを判定する。店員は、買上商品の登録を終了すると小計キーを操作する。CPU401は、小計キーが入力を受け付けると、登録処理が完了したと判定する。登録処理が完了したとCPU401が判定した場合には、ステップS103の処理に進む。また、登録処理が完了していないとCPU401が判定した場合には、ステップS101の処理に戻る。
(ステップS103)CPU401は、登録処理に基づく会計情報を生成する。その後、ステップS104の処理に進む。
(ステップS104)CPU401は、各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50それぞれから状態を取得する。その後、ステップS105の処理に進む。
(ステップS105)CPU401は、携帯端末40の現在位置を取得し、取得した現在位置から各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50それぞれまでの距離を算出する。その後、ステップS106の処理に進む。
(ステップS106)CPU401は、取得した各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50それぞれの状態と、各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50それぞれまでの距離とに基づき、各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50の優先順位を変更し、変更した優先順位で各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50を1つ指定可能に表示部405に表示する。その後、ステップS107の処理に進む。
(ステップS107)CPU401は、精算先となる決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の指定入力を受け付ける。その後、ステップS108の処理に進む。
(ステップS108)CPU401は、無線通信部407を介して、指定された精算先の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に会計情報を送信する。その後、本図に示す処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のPOSシステム1は、買物客の購入する商品を登録する可搬可能な携帯端末40と、携帯端末40において登録された商品を買物客の操作により決済処理を行う複数の決済用POSレジスタ30とを備える。携帯端末40は、携帯端末40の現在位置と複数の決済用POSレジスタ30それぞれとの距離に基づき、決済用POSレジスタ30の優先順位を変更し、変更した当該優先順位に基づき何れか1つの決済用POSレジスタ30を選択させる選択手段と、選択された決済用POSレジスタ30で買物客の決済処理が行えるように登録された商品に関する会計情報を送信する送信手段と、を備える。
上記構成によれば、携帯端末40は、自装置の現在位置と各決済用POSレジスタ30それぞれとの距離に基づき優先順位を変更し、変更した優先順位に基づき決済用POSレジスタ30を選択させている。これにより、買物客にとって最適な決済用POSレジスタ30を選択して決済処理を行うことができるため、買物客満足度の高いPOSシステム1を提供することができる。
また、本実施形態におけるPOSシステム1において、選択手段は、決済処理中の決済用POSレジスタ30或いはメンテナンス中の決済用POSレジスタ30の優先順位を低くする。上記構成によれば、決済処理中やメンテナンス中でない待機の決済用POSレジスタ30を優先的に選択させることができる。
また、本実施形態におけるPOSシステム1において、決済に要する時間を計時する計時手段を更に備え、選択手段は、計時手段が計時した時間と距離に基づき決済用POSレジスタ30の優先順位を変更する。上記構成によれば、例えば、計時した時間が長いものの優先順位を高くすることにより、実行中の決済処理が早く終わる(早く待機になる)と予想される決済用POSレジスタ30を優先的に選択させることができる。
また、本実施形態におけるPOSシステム1において、選択手段において、決済処理中の決済用POSレジスタ30の選択を許可する許可手段、を更に備え、送信手段は、選択手段で許可された決済用POSレジスタ30が選択された場合、決済処理中の決済用POSレジスタ30の決済処理が終了したことを条件に許可された決済用POSレジスタ30で買物客の決済処理が行えるように会計情報を送信する。上記構成によれば、決済処理中の決済用POSレジスタ30を精算先として選択することができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、上述した実施形態では、携帯端末40は、精算先を選択するためのボタンBT1~BT4を優先順位に従って上から順に表示しているが、ボタンBT1~BT4の表示態様はこれに限られない。図16は、携帯端末40の表示部405に表示される小計画面の他の例を示している。本図に示す例では、精算先を選択するボタンBT12~BT14を商品登録画面の下部に、横に並べて表示している。本例では、最も左側にある102レジボタンBT12が最も優先順位が高く、その隣にある103レジボタンBT13がその次に優先順位が高く、最も右側にある104レジボタンBT14が最も優先順位が低い。また、優先順位の高い決済用POSレジスタ30に対応するボタンを大きくしたり、表示色や文字色を変える等、ボタン自体の表示態様を変えて優先順位を表してもよい。
また、上述した実施形態では、登録用POSレジスタ20又は携帯端末40において登録した商品を決済処理する決済装置として、決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50を例示しているが、これに限らず、買物客自らが操作して登録処理及び決済処理を行うフルセルフのPOSレジスタを精算先の決済装置として指定できるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、携帯端末40は、/マークにより、ボタンBT1~BT4の選択が不可(禁止状態)であることを表しているが、これに限らず、ボタンの表示色や文字色を異なるものにするなど、他の表示態様であってもよい。例えば、選択の禁止状態を解除することができるボタンの表示色(或いは文字色)を赤色にし、解除することができないボタンの表示色(或いは文字色)をダークグレイにする等が考えられる。
また、決済用POSレジスタ30において未精算の会計情報を蓄積する場合には、決済用POSレジスタ30は、受信した会計情報を順に記憶し、決済処理が終わる毎に順次会計情報を読み出して次の買物客の決済処理を行えるようにしてもよい。この場合には、決済用POSレジスタ30は、決済処理が終わった後に次の会計情報を読み出すと、待っている次の買物客に精算の順番が来たことを知らせる報知をしてもよい。報知の例として、例えば、決済用POSレジスタ30は、順番がきた買物客がわかりやすいように買物客を識別する情報等を表示部305に表示してもよい。或いは、決済用POSレジスタ30は、サインポール311の表示灯を点灯させるとともに、電光掲示板等の表示板(不図示)に客を識別する情報等を表示させてもよい。
また、未精算の会計情報を蓄積する場所は、携帯端末40や決済用POSレジスタ30に限らず、例えば、ストアコントローラ10等の他の装置に会計情報を蓄積しておいてもよい。
また、決済種別によっては、登録用POSレジスタ20や携帯端末40で決済処理を実行できるようにしてもよい。この場合には、登録用POSレジスタ20や携帯端末40において、精算先の決済装置を選択するボタンの表示を省略するようにしてもよい。
また、クーポンや特典等により値引きや割引きをする場合、登録用POSレジスタ20や携帯端末40で値引きや割引きの処理をするのが好ましいが、決済用POSレジスタ30において買物客の操作により値引きや割引きが行えるようにしてもよい。
また、登録用POSレジスタ20又は携帯端末40は、イートイン及びテイクアウトの種別を伴う商品を登録する場合には、商品登録画面や小計画面に、イートインとテイクアウトとで登録した商品を画面上に分けて表示を行い、各々異なる税率にて合計金額を表示させるようにしてもよい。
また、携帯端末40は、現在位置周辺の売り場における特売情報などを表示部405にビジュアル表示してもよい。さらに、携帯端末40を売価のチェックに用いてもよい。具体的には、例えば、夜間に売価を更新する店舗において、朝の開店前に店員が商品のポップと携帯端末40に表示される売価を比較することで、売価のチェックを行うことができる。
また、上述した実施形態において、携帯端末40は、撮像部404が撮像した撮像画像からバーコードを抽出して読み取っているが、これに限らず、バーコード専用のスキャナを携帯端末40に接続してもよい。
また、上述した実施形態では、決済処理を実行させるべき決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を指定する態様として、決済処理を実行させる決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を、店員が携帯端末40にて指定する態様について説明したが、これに限らず、例えば、買物客に手渡しされる決済処理用の媒体(お会計券(登録商標))を、店員が携帯端末40にて発行し、店員から手渡しされたお会計券を、買物客が1つの決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に読み取らせる態様であってもよい。すなわち、買物客が、店員から手渡しされたお会計券を決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に読み取らせることによって、複数の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50のうちから決済処理を実行させる決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を指定する。この場合、当該お会計券に対応する携帯端末40で登録された会計情報は、ストアコントローラ、または、上位管理装置、クラウド、または、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50、あるいは携帯端末40の何れかに記憶させておくことになる。
お会計券には、決済識別情報及び登録装置識別情報が、1次元コードまたは2次元コードのいずれかの形式で印刷されている。例えば、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50において1次元コードが印刷されたお会計券が読み取られた場合には、LAN11を介して、携帯端末40において生成された会計情報(当該お会計券に対応する会計情報)が、ストアコントローラ、または、上位管理装置、クラウド、または、あるいは携帯端末40の何れかから当該お会計券を読み取った決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に送信される。なお、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50それぞれに一斉に当該お会計券に対応する会計情報を送信し記憶させておく場合は、お会計券を読み取らせた決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の何れが記憶する記憶部より当該お会計券に対応する会計情報が読みだされることになる。
すなわち、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50は、お会計券を読み取った場合には、当該お会計券に対応する会計情報(お会計券から得られる決済識別情報によって識別される会計情報)を、当該お会計券に対応する携帯端末40(お会計券から得られる登録装置識別情報によって識別される携帯端末40)に要求し(要求情報を送信)、会計情報を要求された携帯端末40は、要求された会計情報を、要求元の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に送信する。なお、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50は、ストアコントローラ10を経由して、携帯端末40に会計情報を要求してもよい。また、携帯端末40は、ストアコントローラ10を経由して、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に会計情報を送信してもよい。なお、携帯端末40は、決済識別情報及び登録装置識別情報が、1次元コードまたは2次元コードで印刷されたお会計券に代えて、会計情報が2次元コードで印刷されたお会計券を発行してもよい。決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50は、会計情報が2次元コードで印刷されたお会計券を読み取った場合には、当該お会計券から、直接、会計情報を取得する。
また、携帯端末40は、小計画面において選択された決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に会計情報が送信できなかった場合(決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50と通信できなかった場合)には、会計情報が2次元コードで印刷されたお会計券をプリンタ(不図示)に発行させてもよい。当該プリンタは、携帯端末40とともに、店員が携帯しているものであってもよい。
図17は、携帯端末40の表示部405に表示される画面の一例を示している。本図には、小計画面において選択された決済用POSレジスタ30に会計情報が送信できなかったときの表示例を示す。図示するように、携帯端末40は、決済用POSレジスタ30に会計情報を送信できなった場合には、その旨を示すポップアップ画面P3を表示部405に表示する。ポップアップ画面P3には、会計情報を送信できないことを案内するメッセージ「このレジへは現在送信できません」と、お会計券を発行するための発券ボタンと、小計画面に戻り他の決済用POSレジスタ30を選択するための戻るボタンとが表示されている。携帯端末40は、発券ボタンが入力を受け付けると、お会計券をプリンタに発行させる。また、携帯端末40は、戻るボタンが入力を受け付けると、表示部405の表示を小計画面に戻す。
上述した実施形態において、携帯端末40は店員が操作するものとしたが、買物客自らが携帯端末40を操作可能とすることで、買物客自らが商品を登録するようにしてもよい。携帯端末40の機能を実行するためのアプリケーションを買物客が自らの携帯端末にダウンロード可能なように提供しておき、買物客の携帯端末にて、上述した実施形態を実行するようにしてもよい。この場合、アプリケーションをダウンロードした買物客には、店舗で使用可能なポイント等を付与してもよい。あるいは、購入した商品についての情報を家計簿のように閲覧可能な機能をアプリケーションに設けるようにしてもよい。
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
なお、上記実施形態において、複数の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50のうちから決済処理を実行させる決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を指定する態様としては、決済処理を実行させる決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を、店員が携帯端末40にて指定する態様(第1の指定態様)と、客に手渡しされるお会計券を携帯端末40から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、客が1つの決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に読み取らせる態様(第2の指定態様)とを挙げている。しかながら、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を指定する態様としては、上記の態様に限定されない。例えば、以下の第3の指定態様から第7の指定態様のように決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50が指定されてもよい。
なお、以下に説明する第3の指定態様から第7の指定態様は、本実施形態において説明した「自装置の現在位置から各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50までの距離と、各決済用POSレジスタ30及びPOSレジスタ50の状態に基づいて、優先順位を決定して選択可能なうえで指定させる形態」と、独立して実行したり、組合せて実行したり、または、いずれかを選択して実行するようにしてもよい。
第3の指定態様として、商品登録の完了に応じて表示されたボタンBT1~BT4に対して行われた操作に応じて(あるいは商品登録の完了を宣言するような操作であってもよい)、携帯端末40が、例えば決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に状態の問合せを行って決済処理が可能な(例えば、障害が発生しておらず、使用中でもない)決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を認識し、使用中でない決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50のうちから所定の規則に従って、1つの決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を決定する。そして、携帯端末40は、決定した決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に精算情報を送信して決済処理の実行を指示する。
第4の指定態様として、予め決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50について決済処理の優先順位を本実施形態で説明した優先順位に代えて設定しておくようにする。そのうえで、商品登録の完了に応じて、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50への精算情報の送信を指示するボタンBT1~BT4の操作が有効となるように表示する。ボタンBT1~BT4が操作されたことに応じて、携帯端末40は、設定された優先順位に従った順で決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の決済処理が可能であるか否かを確認し、決済処理が可能であることが確認されなければ、優先順位が次の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50について確認するようにする。そのうえで、携帯端末40は、最初に決済処理が可能であることが確認された決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に精算情報を送信して決済処理の実行を指示する。
なお、上記の第3の指定態様における所定規則に従った決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50、あるいは第4の指定態様における決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の優先順位としては、例えば、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に割り当てられた番号に基づいて決定されてよい。あるいは、携帯端末40から決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50までの距離に基づいて決定されてよい。あるいは、合計金額に基づいて予測される釣銭の金種の内訳と決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の釣銭機に収納されている貨幣の金種ごとの枚数との関係に基づいて決定されてよい。
第5の指定態様として、携帯端末40は、全ての決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に精算情報を送信する。
精算情報を受信した決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50は、自己が受信した精算情報に含まれる精算情報を利用して決済処理を実行可能な状態となると、自己が決済処理を実行することを通知する決済処理実行通知を精算情報の送信元の携帯端末40に送信する。
携帯端末40は、決済処理実行通知の受信に応じて、決済処理実行通知の送信先の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を示す表示(決済処理実行表示)を行う。店員は、決済処理実行表示を見て、決済処理を実行する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50がいずれであるのかを客に伝えればよい。
この際、決済処理実行表示とともに、決済処理実行通知を送信した決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50のサインポール311を所定のパターンで点灯させたり、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50から所定の報知音を出力させたりすることで、自己が決済処理を実行することを報知するようにしてよい。
上記の第3~第5の指定態様による決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の指定によれば、決済処理を実行させるべき決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50をいずれとするのかを判断しなくともよい。
第6の指定態様として、携帯端末40にて商品登録を終えた商品が容れられた買い物カゴを、店員が、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50ごとに対応して設置されたカゴ置き場のうちのいずれかに買い物カゴを移動させる。
カゴ置き場には、載置された買い物カゴを検出するセンサ(重量センサ、あるいは光センサ等)が備えられる。センサによりカゴ置き場買い物カゴが載置されたことが判定されると、対応の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50が要求を行って、携帯端末40から対応の精算情報を取得し、決済処理を実行するようにされる。
この場合にも、決済処理を実行することとなった決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50が、サインポール311の点灯や報知音の出力などにより、自己が決済処理を実行することを報知するようにしてよい。
なお、載置された買い物カゴを検出するセンサに代えて、例えば店員に対応して人感センサや撮像装置を設けてよい。そして、携帯端末40は、人感センサの検出出力や撮像装置により撮像して得られた画像等に基づいて、店員の動きを判断し、判断された結果に基づいて、店員が決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50ごとに対応して設置されたカゴ置き場のうちのいずれに買い物カゴを設置したのかを判定する。そして、判定されたカゴ置き場に対応する決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50を決済処理を実行すべき決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50として決定するようにしてよい。
第7の指定態様として、携帯端末40は、精算情報と、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50間での転送順を設定した転送順情報とを含む精算指示情報を、或る1つの決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に送信する。
転送順情報は、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50間で循環的に転送順を指定するものであってよい。
精算指示情報を受信した決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50は、自己が決済処理を実行可能であれば、精算指示情報の送信元の携帯端末40に対して、決済処理実行通知を送信し、受信された精算指示情報に含まれる精算情報を利用して決済処理を実行する。
一方、精算指示情報を受信した決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50は、自己が決済処理を実行不可である場合、受信された精算指示情報に含まれる転送順情報に従って、転送順が次の決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50に対して、受信された精算指示情報を転送する。このようにして、決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50間で精算指示情報が順次転送されるようにすることによっても、決済処理を実行させるべき決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の指定に相当する手順が実現される。
上記の各指定態様において、決済処理を実行させる決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の決定に関する処理は、例えばストアコントローラ10などのように、携帯端末40及び決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50以外の所定の装置が、携帯端末40による商品登録処理の終了に応じて実行するようにされてよい。携帯端末40及び決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50以外の所定の装置としては、例えば決済用POSレジスタ30又はPOSレジスタ50の状態をモニタリングするために設けられた装置等であってもよい。
なお、上述の登録用POSレジスタ20、決済用POSレジスタ30及び携帯端末40などとしての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の登録用POSレジスタ20、決済用POSレジスタ30及び携帯端末40などとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。